JP2913271B2 - 軸付きソケットの製造方法 - Google Patents

軸付きソケットの製造方法

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JP2913271B2
JP2913271B2 JP5630396A JP5630396A JP2913271B2 JP 2913271 B2 JP2913271 B2 JP 2913271B2 JP 5630396 A JP5630396 A JP 5630396A JP 5630396 A JP5630396 A JP 5630396A JP 2913271 B2 JP2913271 B2 JP 2913271B2
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正之 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力回転工具の出
力部に着脱可能に取り付けて、ボルト,ナットを締め付
けるための軸付きソケットに関するもので、この軸とソ
ケットとを簡便な方法で強固に結合する軸付きソケット
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築或いは電気・鉄道工事などを含む一
般工事において、二つ以上の部材を結合するにはボル
ト,ナット、或いはネジとスクリューなどで締結され
る。上記ソケットはこれらを締結する際ネジ締めに用い
られ、一般的には電動・空気ドライバーなどの動力回動
工具の出力軸に着脱可能にクランプして用いられる。
【0003】ソケットの構造はソケット本体の基端に多
角形軸体(一般には六角柱)が一体に突設されている。
【0004】従来のソケットはソケット本体と軸体とが
鋼製で一体に形成されているために重量が嵩み、作業者
が疲れるばかりでなく作業能率も上がらず、またネジ締
め開始時(ソケット回転始動時)のトルク値が高く回動
工具の電池が早期に消耗し、電池の取り替え或いは充電
の時期が早まる問題がある。
【0005】また、ネジ締めするソケット本体と軸体と
では断面積が大きく異なり、このためソケット本体に作
用する捩りモーメントに対するソケット本体と軸体の耐
久性に大きな差を生じ、軸体の寿命が短くなる問題もあ
った。
【0006】そこで上記欠点を解決するため、ソケット
本体をアルミニウム化し、軸体は鋼製とする考え方が提
案されているが(実願平4−58447号)、両者の結
合は単にソケット本体の装着孔に軸体を圧入する構造で
あった(従来例1)。
【0007】このような単なる圧入方法では、ソケット
本体に圧入する時に残留応力が発生し、ソケット全体の
強度低下の原因となる。
【0008】一般に金属部材同士を結合するにあたって
は、この他に種々の方法が提案され実施されているが、
金属部材の結合の中でも、例えば駆動系におけるロッド
と、相手材との間で何等かの運動が与えられる部材との
結合などでは両部材間に極めて大きな応力を伝達しなけ
ればならず、特に強固な結合が望まれている。
【0009】従来、このような金属同士の強固な結合を
実現するための方法としては、例えば円周部材と軸との
結合を行う場合、円筒部材及び軸に夫々嵌め合い部を形
成すると共に、一方の嵌め合い部を他方の嵌め合い部に
対して偏芯させ、且つ、双方の嵌め合い部を締まり嵌め
によって結合させる方法(特開昭63−158306
号)が提案されている(従来例2)。
【0010】また、結合すべき二部材の結合面に凹部を
形成すると共に両部材間に両部材よりも変形抵抗が小さ
く、且つ所定の機械的強度を有する結合部材を介在さ
せ、該結合部材を加圧変形させることにより該結合部材
を塑性流動させて凹部内に流入させ、この結合部材のせ
ん断力と緊迫力にて二部材を結合する方法(特開昭55
−141340号)などが提案されている(従来例
3)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各方法
においては夫々下記のような不都合な点を有するもので
ある。
【0012】即ち、上記従来例1の方法ではソケット本
体に軸体を圧入する時に残留応力が発生し、ソケット全
体の強度が低下したり、使用時にアルミニウム製ソケッ
ト本体が割れてしまう欠点があった。このため、残留応
力を緩和するため、本体外側にキャップを結合し、圧縮
応力を加える必要があった(実願平4−58447
号)。
【0013】このため、キャップという余分な部品が必
要なばかりか、キャップが鋼製なので、軽量化効果が損
なわれることになる。また、圧入時に発生した残留応力
は消失した訳でなく、ソケット本体への圧入力が変化す
ると残留応力により支障をきたし、ソケット全体の強度
が低下する心配があり、寿命が短くなる心配がある。
【0014】また、上記従来例2の方法によれば、確か
に通常の単純な締まり嵌めよりも強固な結合を可能にす
ることができ、大きなトルクが負荷されるような場合に
も適用することができるものの、元来より厳密な寸法設
定を要求される締まり嵌め結合において、円筒部材及び
軸の双方に偏芯した嵌め合い部を形成することは極めて
コストがかかる作業となり、不経済になるばかりでな
く、結合後両部材に偏った残留応力が生ずるものとな
り、耐久性等の面での不安が残る。
【0015】また、上記従来例3の方法では、結合部材
自体を塑性流動させるため、従来例1,2の方法よりも
強固な結合が望めるものの、塑性流動を生じさせる際、
二部材に一軸方向の押圧力しか加えないために部材の流
動性が低く、そのために極めて大きな加圧力を必要とす
る上、塑性流動を起こした部分が入り込むための凹部の
形状が限定されるといった問題があった。即ち、二部材
間に一軸方向の押圧力しか与えないため該押圧力によっ
て生ずる応力も一方向的なものとなり、部材の流動は一
定方向のみに生ずるものとなる。
【0016】従って、複雑な形状の凹部(溝部)に対し
ては流動部が完全には充満されにくく空隙を生ずる恐れ
があり、応力集中の原因となるため、凹部形状は流動金
属が容易に入り込むことのできる極めて単純なものに限
られる上に、回転抵抗,引き抜き抵抗などと言った所期
の結合強度を得るためには、凹部に特別に加圧を施す必
要がある等の問題が生ずるものとなる。
【0017】本発明は、上記の事請に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、単純な手段をもって容
易に、卓越した結合力と電動ソケットとしての耐久性を
有する軸付きソケットの製造方法を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0019】ソケット本体1の基端に回転工具の出力部
に着脱可能に取り付けられる多角形軸体2を突設した軸
付きソケットの製造方法において、ソケット本体1はア
ルミニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し(例え
ば7075,7071,2014,4032,AHS合
金などの高力系合金が望ましい。)、多角形軸体2は鋼
材で形成し、このソケット本体1に基端を突出状態にし
て前記軸体2を挿入固定し得る装着孔3を形成し、この
装着孔3に前記軸体2を挿入する際、軸体2が圧入状態
に挿入されて前記ソケット本体1に残留応力が発生する
孔径とせずに、この装着孔3を軸体2の寸法に対してラ
フ寸法となる孔径に設定し、前記装着孔3を前記軸体2
に合致した多角形孔とせず丸孔とし、このラフ寸法に設
定した装着孔3に軸体2を挿入配設し、このソケット本
体1に前記装着孔3の孔軸方向並びに外周方向から外圧
を加え、ソケット本体1に塑性流動を生じせしめて軸体
2を装着孔3内に圧着固定させることを特徴とする軸付
きソケットの製造方法に係るものである。
【0020】また、ソケット本体1の基端に回転工具の
出力部に着脱可能に取り付けられる多角形軸体2を突設
した軸付きソケットの製造方法において、ソケット本体
1はアルミニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し
(例えば7075,7071,2014,4032,A
HS合金などの高力系合金が望ましい。)、多角形軸体
2は鋼材で形成し、このソケット本体1に基端を突出状
態にして前記軸体2を挿入固定し得る装着孔3を形成
し、この装着孔3に前記軸体2を挿入する際、軸体2が
圧入状態に挿入されて前記ソケット本体1に残留応力が
発生する孔径とせずに、この装着孔3を軸体2の寸法に
対してラフ寸法となる孔径に設定し、このラフ寸法に設
定した装着孔3に軸体2を挿入配設し、このソケット本
体1に前記装着孔3の孔軸方向並びに外周方向から外圧
を加え、ソケット本体1に塑性流動を生じせしめて軸体
2を装着孔3内に圧着固定させることを特徴とする軸付
きソケットの製造方法であって、前記ソケット本体1に
外圧を加える際、前記軸体2をソケット本体1に対して
相対回動せしめる押圧回転力を加えることを特徴とす
付きソケットの製造方法に係るものである。
【0021】また、ソケット本体1の基端に回転工具の
出力部に着脱可能に取り付けられる多角形軸体2を突設
した軸付きソケットの製造方法において、ソケット本体
1はアルミニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し
(例えば7075,7071,2014,4032,A
HS合金などの高力系合金が望ましい。)、多角形軸体
2は鋼材で形成し、このソケット本体1に基端を突出状
態にして前記軸体2を挿入固定し得る装着孔3を形成
し、この装着孔3に前記軸体2を挿入する際、軸体2が
圧入状態に挿入されて前記ソケット本体1に残留応力が
発生する孔径とせずに、この装着孔3を軸体2の寸法に
対してラフ寸法となる孔径に設定し、前記装着孔3を前
記軸体2に合致した多角形孔とせず丸孔とし、このラフ
寸法に設定した装着孔3に軸体2を挿入配設し、このソ
ケット本体1に前記装着孔3の孔軸方向並びに外周方向
から外圧を加え、ソケット本体1に塑性流動を生じせし
めて軸体2を装着孔3内に圧着固定させることを特徴と
する軸付きソケットの製造方法であって、前記ソケット
本体1に外圧を加える際、前記軸体2をソケット本体
に対して相対回動せしめる押圧回転力を加えることを特
徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の軸付きソ
ケットの製造方法に係るものである。
【0022】
【発明の実施の形態】ここに提供する軸付きソケットは
軸体2に比べ体積の大きいソケット本体1をアルミニウ
ム若しくはアルミニウム合金材で形成したため、ソケッ
ト全体の重量が軽減され、軽量で操作性が良くなり、電
池式回転工具の場合、電池の寿命を延ばすことができ
る。
【0023】この軸付きソケットは回転動力工具に装着
され使用するが、回転動力工具の出力軸にクランプされ
る軸体2は鋼材で形成され剛性は高い。
【0024】このため、使用時に軸体2に作用する捩り
モーメントに対する軸体自体の耐久性及び回転動力工具
に繰り返して脱着する際の摩擦に対する耐久性に秀れる
こととなる。
【0025】このアルミニウム合金製ソケット本体1
と、鋼製軸体2とを結合するとき、一般的な単なる圧入
方法では、ソケット本体1に引っ張り方向の応力が残留
し、強度低下或いは耐久性の低下の原因となる。
【0026】本方法では、ソケット本体1の装着孔3を
これに挿入する軸体2に対してラフ寸法に仕上げ、強固
に圧入することなく装着孔3に軸体2を挿入し、プレス
機構4などによって、装着孔3の外側のソケット本体1
を外側から支承保持した状態で装着孔3の孔軸方向から
ソケット本体1を加圧する。
【0027】即ち、ソケット本体1に前記装着孔3の孔
軸方向並びに外周方向から外圧を加える。この加圧によ
ってソケット本体1に良好な塑性流動が生じて、装着孔
3と軸体2とのラフ間隙や軸体2の凹部にアルミ合金材
が入り込むなどして、軸体2を外側から圧迫し、軸体2
が装着孔3内に圧着固定されることとなる。
【0028】勿論、外周方向から中心に向かう外圧は、
外力を加えることなく、反作用力でも良い。
【0029】また、更に前記装着孔3を前記軸体2に合
致した多角形孔とせず丸孔としているため、一層装着孔
の加工が容易となり、塑性流動による圧着が強固となり
一層秀れた軸付きソケットの製造方法となる。
【0030】また、更に前記ソケット本体1に外圧を加
える際、前記軸体2をソケット本体1に対して相対回動
せしめる押圧回転力を加えると、前記押圧力とこの回転
力とによる複合応力がソケット本体1に生じることとな
る。このため、小さな荷重で充分な塑性流動を生じせし
めることができ、これにより従来、圧入法などでは充填
性の点で不可能とされていた形状の凹部(溝)内にも確
実に流入アルミ材を充満させることが可能となり、残留
応力の発生も殆どない。
【0031】従って、従来の単なる圧入結合法では、圧
入結合時に引っ張り方向の引っ張り応力が発生するた
め、例えば実願平4−58447号に見られる様に、特
別なキャップを装着し、圧縮応力を加えて引っ張り応力
とバランスをとる必要があったが、全くこの様な必要も
なく、また従来の圧入結合法では本体側の装着孔の内径
寸法を精密に加工しなければならず、加工コストが嵩む
が、本方法では良好にアルミ材料を塑性流動させるの
で、寸法精度はラフ寸法で良く、前加工費も極めて安価
になる。
【0032】ここで提供する方法は塑性流動を生じせし
める方の金属部材を、温間成形温度、即ち、該金属部材
の再結晶温度近傍まで加熱すれば、塑性流動性を更に高
めることができ、極めて良好な結合作業となり、一層優
れた結合力を実現することができる。
【0033】
【実施例】本実施例では、Al−10.5Si−2.0C
u−0.6Mgと不可避的不純物で形成されるAl−S
i−Cu−Mg系合金(AHS合金)を使用して冷間鍛
造にて、ソケット本体1を図面に示す形状に成形した。
【0034】ソケット本体1の大径部先端面にボルト,
ナット,その他の多角形部材が着脱可能に嵌まるソケッ
ト係合穴5及び該係合穴5の底に該係合穴5よりも小径
の逃げ穴6が開設されている。このソケット本体1の基
端面の中央部に装着孔3が開設され、この装着孔3に軸
体2が一体結合される。
【0035】また、高強度アルミニウム合金製のソケッ
ト本体1は冷間鍛造で製造された後に470℃で3時間
加熱保持した後60℃の温水で焼き入れし、115℃で
24時間加熱保持するT6熱処理が施されている。
【0036】また軸体2は鋼製であり、断面正六角形の
六角柱状に形成され、二面幅は6.35mmである。
【0037】また、装着孔3を前記軸体2に合致した多
角形孔とせずラフな丸孔としている。
【0038】実験の結果、装着孔3の孔径が小さく、挿
入される軸体外接円との孔径の差が大きくなるに従っ
て、圧入荷重は大きくなり、残留応力は大きくなる。こ
のような残留応力は引っ張りの残留応力であり、動力回
転工具に装着し、ボルト,ナットなどを締める時に発生
する外力で容易に破断してしまい、使用に耐えられない
ことになることを確認した。
【0039】そこで、本実施例ではソケット本体1の装
着孔3をこれに挿入する軸体2に対してラフ寸法に仕上
げ、強固に圧入することなく装着孔3に軸体2を挿入
し、プレス機構4などによって、装着孔3の外側のソケ
ット本体1を外側から支承保持した状態で装着孔3の孔
軸方向からソケット本体1を加圧する。
【0040】即ち、ソケット本体1に前記装着孔3の孔
軸方向並びに外周方向から外圧を加える。この加圧によ
ってソケット本体1に良好な塑性流動が生じて、装着孔
3と軸体2とのラフ間隙や軸体2の凹部に入り込むなど
して軸体2を外側から圧迫し、軸体2が装着孔3内に圧
着固定されることとなる。
【0041】また、更に前記ソケット本体1に外圧を加
える際、前記軸体2をソケット本体1に対して相対回動
せしめる押圧回転力を加える。前記押圧力とこの回転力
とによる複合応力がソケット本体1に生じることとな
り、このため、小さな荷重で充分な塑性流動を生じせし
めることができ、これにより従来の圧入結合法などでは
充填性の点で不可能とされていた形状の凹部(溝)内に
も確実に流入アルミ材を充満させることが可能となり、
残留応力の発生も殆どない。
【0042】このソケット本体1の装着孔3の孔径を種
々変化して軸体2と一体化して、破断時の捩りトルク値
と残留応力値を測定した。
【0043】この結果を表1に示す。この実験結果から
も、この方法によれば、ソケット本体1が押圧・回転と
同時に塑性変形し、ラフ間隙や軸体2に形成された凹部
(溝部)とソケット本体1の装着孔3の微細な凹凸面に
塑性流動したアルミ材が装入されて、強固に結合され、
且つ残留応力の発生が少なく、優れた結合・一体化方法
であることが確認できた。
【0044】また、この時に使用した軸体2は一定と
し、二面幅は6.35mmの一定のものを使用した。ここ
に示した比較例Aは装着孔3の二面幅を6.10mm,軸
体の二面幅を6.35mmとしたものであり、比較例Bは
ソケット本体の装着孔3の孔径を6.00mm,軸体の二
面幅を6.35mmとして、比較検討した。更に比較例C
は、圧入方法では残留応力が大きく、捩りトルク値が小
さいものと判断し、ソケット本体1の外周を包含する型
を製作し、圧縮応力15kg/mm2を加え、予め残留応力を
除去したものである。
【0045】引き抜き力は、インストロン型万能試験機
にて、ソケット本体1と軸体2を夫々チャッキングして
引っ張り試験を実施して、破断時の引っ張り応力を測定
している。
【0046】また、捩りトルクは、ソケット本体1を固
定把持し、軸体2をトルク・レンチにて回転し、固定軸
体が緩み回転する時の捩りトルク値を測定した。
【0047】残留応力は、各種押圧力で複合一体化した
軸付きソケットの本体部に小型ストレインゲージを貼り
付け、軸体2を取り除き、ソケット本体1単独にして、
フリーにした時の残留応力を歪み計で測定し、残留応力
を計測した。
【0048】ここに示した様にここに提案する方法で
は、引っ張り破断荷重,破壊捩りトルク値は大きく、十
分実用に供し得ることが確認できた。これは、一体化時
の残留応力が微かであり、塑性流動されるアルミニウム
が、十分溝部などの隙間に充填されるためである。
【0049】これに比べ、従来提案されている方法で
は、圧入後の残留応力値が高く、引っ張り破断荷重,破
壊捩りトルク値は小さく実用的でない。
【0050】また、装着孔3と軸体2の間にパイプ材を
装入しなくても押圧回転力を加え、ソケット本体の内
側,軸体外側近傍が部分的に良好な塑性流動を起こし、
引っ張り破断荷重,破壊捩りトルク共に良好な結果を示
し、残留応力の発生も少なく実用に十分供し得ることが
確認できた。
【0051】これに比べ、比較例で示すものは特性が劣
ることが判る。また、強制的に圧縮応力を加え、一体化
圧入時に発生する残留応力を緩和したものでも得られる
特性が十分でないことが確認できた。
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、従来の単なる圧入結合
法に比べて、装着孔はラフ寸法とするから、精度の高い
孔加工を施す必要もなく、ソケット本体に前記装着孔の
孔軸方向並びに外周方向から加える加圧によって、ソケ
ット本体に良好な塑性流動が生じて、装着孔と軸体との
ラフ間隙や軸体の凹部に入り込むなどして軸体を外側か
ら圧迫し、軸体が装着孔内に問題となるような残留応力
を生じることなく強固に圧着固定されることとなる。
【0052】従って、従来の単なる圧入結合法に比べ
て、引っ張り破断荷重,破壊捩りトルク共に良好な結果
を示し、残留応力の発生も少なく実用に十分供し得る極
めて秀れた軸付きソケットの製造方法となる。
【0053】また、更に請求項記載の発明において
は、前記装着孔3を前記軸体2に合致 した多角形孔とせ
ず丸孔としたから、一層装着孔の加工が容易となり、塑
性流動による圧着が強固となり一層秀れた軸付きソケッ
トの製造方法となる。
【0054】また、更に請求項記載の発明において
は、前記ソケット本体1に外圧を加える際、前記軸体2
をソケット本体1に対して相対回動せしめる押圧回転力
を加えるから、前記押圧力と回転力とによる複合応力が
ソケット本体に生じることとなり、このため、小さな荷
重で充分な塑性流動を生じせしめることができ、これに
より従来の圧入結合法などでは充填性の点で不可能とさ
れていた形状の凹部(溝)内にも確実に流入アルミ材を
充満させることが可能となり、残留応力の発生も殆どな
い極めて画期的な軸付きソケットの製造方法となる。
【0055】また、請求項3記載の発明においては、前
記請求項1と請求項2の前記作用効果を発揮する画期的
な軸付きソケットの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装着孔の孔径と圧入荷重との関係を示したグラ
フである。
【図2】本実施例の完成状態の断面図である。
【図3】本実施例のプレス機構による加圧加工工程を示
すもので、加圧加工前の説明断面図である。
【図4】図3における要部の平断面図である。
【図5】本実施例のプレス機構による加圧加工工程を示
すもので、加圧加工後の説明断面図である。
【符号の説明】
1 ソケット本体 2 軸体 3 装着孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 39/00 B25B 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソケット本体の基端に回転工具の出力部
    に着脱可能に取り付けられる多角形軸体を突設した軸付
    きソケットの製造方法において、ソケット本体はアルミ
    ニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し、多角形軸
    体は鋼材で形成し、このソケット本体に基端を突出状態
    にして前記軸体を挿入固定し得る装着孔を形成し、この
    装着孔に前記軸体を挿入する際、軸体が圧入状態に挿入
    されて前記ソケット本体に残留応力が発生する孔径とせ
    ずに、この装着孔を軸体の寸法に対してラフ寸法となる
    孔径に設定し、前記装着孔を前記軸体に合致した多角形
    孔とせず丸孔とし、このラフ寸法に設定した装着孔に軸
    体を挿入配設し、このソケット本体に前記装着孔の孔軸
    方向並びに外周方向から外圧を加え、ソケット本体に塑
    性流動を生じせしめて軸体を装着孔内に圧着固定させる
    ことを特徴とする軸付きソケットの製造方法。
  2. 【請求項2】 ソケット本体の基端に回転工具の出力部
    に着脱可能に取り付けられる多角形軸体を突設した軸付
    きソケットの製造方法において、ソケット本体はアルミ
    ニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し、多角形軸
    体は鋼材で形成し、このソケット本体に基端を突出状態
    にして前記軸体を挿入固定し得る装着孔を形成し、この
    装着孔に前記軸体を挿入する際、軸体が圧入状態に挿入
    されて前記ソケット本体に残留応力が発生する孔径とせ
    ずに、この装着孔を軸体の寸法に対してラフ寸法となる
    孔径に設定し、このラフ寸法に設定した装着孔に軸体を
    挿入配設し、このソケット本体に前記装着孔の孔軸方向
    並びに外周方向から外圧を加え、ソケット本体に塑性流
    動を生じせしめて軸体を装着孔内に圧着固定させること
    を特徴とする軸付きソケットの製造方法であって、前記
    ソケット本体に外圧を加える際、前記軸体をソケット本
    体に対して相対回動せしめる押圧回転力を加えることを
    特徴とする軸付きソケットの製造方法。
  3. 【請求項3】 ソケット本体の基端に回転工具の出力部
    に着脱可能に取り付けられる多角形軸体を突設した軸付
    きソケットの製造方法において、ソケット本体はアルミ
    ニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し、多角形軸
    体は鋼材で形 成し、このソケット本体に基端を突出状態
    にして前記軸体を挿入固定し得る装着孔を形成し、この
    装着孔に前記軸体を挿入する際、軸体が圧入状態に挿入
    されて前記ソケット本体に残留応力が発生する孔径とせ
    ずに、この装着孔を軸体の寸法に対してラフ寸法となる
    孔径に設定し、前記装着孔を前記軸体に合致した多角形
    孔とせず丸孔とし、このラフ寸法に設定した装着孔に軸
    体を挿入配設し、このソケット本体に前記装着孔の孔軸
    方向並びに外周方向から外圧を加え、ソケット本体に塑
    性流動を生じせしめて軸体を装着孔内に圧着固定させる
    ことを特徴とする軸付きソケットの製造方法であって、
    前記ソケット本体に外圧を加える際、前記軸体をソケッ
    ト本体に対して相対回動せしめる押圧回転力を加えるこ
    とを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の軸
    付きソケットの製造方法。
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