JP2912254B2 - Frp製二重殻タンク及びその製造方法 - Google Patents

Frp製二重殻タンク及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンや軽油等
を地下貯蔵するFRP製二重殻タンク及びそのFRP製
二重殻タンクの製造方法に関し、詳しくは内殻と外殻と
の間に確実な空隙を簡単な作業で設けることができ、更
に、その漏洩があった場合に素早くその検知ができる様
にしたFRP製二重殻タンク及びその二重殻タンクの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンスタンド等でガソリンや軽油等
の液体危険物を地下貯蔵する場合のタンクは、内部の液
体危険物と直接接触して保持する内殻と、その内殻を覆
う外殻の二重構造によって構成され、内殻と外殻の間に
は、液体危険物に接する内殻又は地下水に接する外殻か
らの漏洩を検知するための空隙が設けられている。そし
て、内殻、外殻からの漏洩があると、漏液は一旦空隙下
部に浸透することから、この浸透した漏液を検知するた
め、タンク内を垂直に空隙下部まで貫通した検知管の空
隙部開口位置に漏洩センサ−が配置されている。従来、
この二重構造タンクは内殻に鋼板、外殻にFRP(主に
ガラス繊維強化プラスチック)が使用されていたが、内
殻にも軽量で耐蝕性に優れたFRPが使用されるように
なってきている。この内殻と外殻がともにFRP製であ
る場合のタンクの漏洩検知用の空隙は、二重殻タンク直
胴部の製造時、マンドレル上に内殻成形後、この内殻表
面に剥離用フイルムを一層巻き付けてからその上に外殻
を設け、この剥離用フィルム層で内殻と外殻との間を分
けることにより、設けられたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の方法では、
空隙形成のための剥離用フィルム巻き付けにおいて、こ
のフィルムを繰り出すトラバーサとタンク成形用マンド
レルとの協調だけで比較的簡単に、かつ整然と設けるこ
とができるのであるが、従来の様にフィルム層が一層だ
けであると、以下に述べる様な問題があった。 1.剥離層形成用のフィルムは、製造時間短縮のため、
内殻形成後直ちにこの上から巻き付け、また、この剥離
用フィルム巻き付け後直ちにこの上に外殻を形成するの
であるが、このとき内殻、外殻とも未硬化の状態である
から、剥離用フィルムの両面とも完全な吸着状態となっ
ている。このため、漏洩検知管設置の後工程において、
この漏洩検知管を利用して圧縮空気を注入することによ
り、かなりの時間を掛けて内殻と外殻とを剥離した状態
にしなければならないという手間と時間を要していた。 2.剥離用フィルムで設けた空隙は極めて微少である
上、特にタンクが大型の場合、設置後のタンク下面部の
空隙は荷重の作用によってほとんど圧着状態となってお
り、このような場合、漏液が漏洩検知管まで到達するに
は長時間掛かることになるから、検知が遅れることにな
る。
【0004】本発明はかかる従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的とするところは、
内殻と外殻との間に確実な空隙を簡単な作業で設けるこ
とができ、更に、その漏洩があった場合に素早くその検
知ができる様にしたFRP製二重殻タンク及びその二重
殻タンクの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として、本発明請求項1記載のFRP製二重殻タ
ンクでは、FRP製内殻とFRP製外殻とからなる二重
殻構造の直胴部と、該直胴部の両端を密閉した鏡板とで
形成され、前記直胴部は内殻と外殻との間に剥離層形成
用のフィルム層が少なくとも二層設けられている構成と
した。
【0006】この構成では、剥離用のフィルムが二層あ
るから、内殻、外殻が未硬化の状態で剥離層が設けられ
ていても剥離用フィルム同士の間が吸着状態となること
はないから、内殻と外殻との間には確実な空隙が確保さ
れている。
【0007】また、請求項2記載のFRP製二重殻タン
クでは、FRP製内殻とFRP製外殻とからなる二重殻
構造の直胴部と、該直胴部の両端を密閉した鏡板とで形
成され、前記直胴部は内殻と外殻との間に剥離層形成用
のフィルム層が少なくとも二層設けられ、該フィルム層
同士の間であってタンク下面部位置鏡板同士の間にスぺ
ーサが挿入されている構成とした。
【0008】この構成では、大きな容量のタンクの場
合、タンク設置後このタンクの下面部であって剥離用フ
ィルム同士が密着する方向に大きな荷重が作用しても、
内殻から漏洩があった場合、スぺーサが確保した微細空
隙を介し漏液が遅れずその微細空間に浸透し、素早くそ
の検知をすることができる。
【0009】また、請求項3記載のFRP製二重殻タン
クの製造方法では、マンドレル外周面に設けた離型層
に、FRPを積層してタンク直胴部の内殻を形成し;前
記FRP製内殻に剥離用フィルムを巻き付けて設けた第
一フィルム層及びこの第一フィルム層の上から剥離用フ
ィルムを巻き付けて設けた第二フィルム層との少なくと
も二層からなる剥離層を形成し;前記剥離層にFRPを
積層してタンク直胴部の外殻を形成し;前記マンドレル
から脱型した二重殻タンク直胴部の両側にFRP製の二
重殻鏡板を取付けて成ることとした。
【0010】この構成では、剥離用のフィルムを二層設
けるから、内殻、外殻が未硬化の状態で剥離層を設けて
も、剥離用フィルム同士の間は吸着状態とはなっていな
いことから、内殻と外殻との間に確実に空隙を設けたタ
ンクを得ることができる。また、この場合、剥離用のフ
ィルムを二層巻き付けるだけであるから、簡単な作業で
設けることができる。
【0011】また、請求項4記載のFRP製二重殻タン
クの製造方法では、マンドレル外周面に形成した離型層
に、FRPを積層してタンク直胴部の内殻を形成し;前
記FRP製内殻に剥離用フィルムを少なくとも一層巻き
付けて設けた第一フィルム層と、該第一フィルム層下面
部位置長手方向に配置したスぺーサと、このスぺーサを
含め第一フィルム層の上から剥離用フィルムを少なくと
も一層巻き付けて設けた第二フィルム層とからなる剥離
層を形成し;前記剥離層にFRPを積層してタンク直胴
部の外殻を形成し;前記マンドレルから脱型した二重殻
タンク直胴部の両側にFRP製の二重殻鏡板を取付けて
成ることとした。
【0012】この構成では、大きな荷重が作用しても確
実に漏洩を検知することができるタンクを得ることがで
きる。また、この場合、剥離用のフィルム同士の間にス
ぺーサを配置するだけであるから、簡単な作業で設ける
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1(イ)は本実施の形態のFR
P製二重殻タンク1を示す断面図、図1(ロ)は同上の
A部拡大図である。図中2は前記FRP製二重殻タンク
1の直胴部、3は同じく鏡板部、4はマンホール、5は
漏洩検知管である。
【0014】前記直胴部2は、貯留危険物の全重量と外
部から作用する土圧類とを受ける強度部材となるFRP
製の内殻11と、タンク埋設後の危険物漏洩検知のため
に前記内殻11を被覆したFRP製の外殻12と、漏洩
危険物を内殻11と外殻12との間であってタンク下面
部10に集中させ易く、かつ後述する漏洩検知管下端ま
で漏洩危険物を浸透し易くした剥離層13とで形成され
ている。図中13aはこの剥離層13を設けるための第
一フィルム層、13bは同じく剥離層13を設けるため
の第二フィルム層、14はこの第一,第二フィルム層1
3a,13b同士の間に設けた空隙、15はタンク下面
部10であって前記空隙14を確実に確保するための帯
状スぺーサである。また、16は前記内殻11の補強リ
ブである。
【0015】前記鏡板部3は、直胴部2の内殻11と一
体に接合した内殻側鏡板部3aと、外殻12と一体に接
合した外殻側鏡板部3bと、この内殻側鏡板部3aと外
殻側鏡板部3bとの間であって前記空隙14と連通した
鏡板部空隙14aとで形成されている。前記内殻側鏡板
部3aも、直胴部2の内殻11と同様の強度を有してい
る。
【0016】前記マンホール4は、直胴部2の略中央部
で内殻11と外殻12との両者を一体に固着するように
設けられている。
【0017】前記漏洩検知管5は、直胴部上面部から直
胴部下面部まで垂直に貫通させており、直胴部上面部で
は、前記同様に内殻11と外殻12との両者を一体に固
着する様に設けられ、直胴部下面部では、内殻11を貫
通し空隙14で開口する様に設けられている。
【0018】次に、FRP製二重殻タンクの製造方法を
図2を加えて説明する。まず、本実施の形態で使用する
材料について説明すると、強化材としてはガラス繊維を
採用し、離型用フィルムと剥離用フィルムについては、
前記ガラス繊維とで内殻,外殻を構成する不飽和ポリエ
ステル樹脂等と接着しないポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレー
ト等からなるテープ状フィルムを採用する。
【0019】本実施の形態のFRP製二重殻タンク1で
は、まず、拡径,縮径が可能なマンドレル20の拡径外
周面に、このマンドレル20の回転に同調して移動する
トラバーサ19から繰り出す離型用フィルム17aを螺
旋状に巻き付けて離型層18を形成し、その離型層18
の上に不織布巻き付け、樹脂吹き付け、ガラス繊維のチ
ョップ吹き付けとフープ状巻き付け(チョップドフープ
ワインディング成形)、すだれ(マイクロガラスロービ
ングクロス)巻き付け(このときローラにて十分な含
浸,脱泡調整を行なう)、不織布巻き付けと、この順に
積層して直胴部2の内殻11を成形した後、この内殻1
1上に剥離用フィルム17bを一部重ねながら螺旋状に
全長に巻き付ける(図2(イ)参照)。
【0020】これを第一フイルム層13aとし、この第
一フィルム層13aの上であってマンドレルの軸心方向
に向け帯状のスぺーサ15としてポリプロピレンシート
を一条貼り付ける。尚、この上にガラスロービングを一
筋張設していてもよい(図2(ロ),(ハ)参照)。こ
の後、前記第一フィルム層13aと同様にしてこの上に
第二フィルム層13bを設け、この第二フィルム層13
bと前記第一フィルム層13a,スぺーサ15とで剥離
層13を形成する(図2(ニ)参照)。前記ポリプロピ
レンシートによるスぺーサ15部分が底面位置となる。
そして前記剥離層13の表面には、マンホールと漏洩検
知管を内殻11へ二次接着するための十分大きな切り欠
き用円をけがき、その上に発泡ネオプレンテープを貼り
付けておく。
【0021】前記剥離層13形成後、この剥離層13の
上に再度ガラス繊維のチョップ吹き付け、不織布巻き付
けを行なって外殻12を成形し、これにより直胴部2が
得られる(図2(ホ)参照)。
【0022】前記外殻12形成後、マンドレル20を縮
径して直胴部2を脱却する。この脱却した直胴部2は、
完成寸法に合わせて両端を切断し、発泡ネオプレンテー
プに合わせて外殻12のみを切欠し、その後剥離層13
もスぺーサ15を含め外殻12に合わせて切除し、内殻
11側はマンホールまたは漏洩検知管5の略外径に合わ
せて切欠する。21はマンホール用切欠円、22は漏洩
検知管用切欠円である。そしてマンホール4は内殻11
上面に当接するまで差し込み、タンク外面側は外殻1
2、内殻11、マンホール4を一体に二次接着25a
し、内面側は内殻11とマンホール4とを一体に二次接
着25aする。
【0023】また、漏洩検知管5は、直胴部2を垂直に
貫通して内殻11内面に当接するまで差し込み、タンク
外面側は外殻12、内殻11、漏洩検知管5を一体に二
次接着25bし、内面側は内殻11と漏洩検知管5とを
一体に二次接着25bする(図2(ヘ)参照)。
【0024】前記漏洩検知管5の接着固定後、直胴部下
面開口側はスぺーサ15と同質のマスキング23を外殻
12と剥離層13との間に挿入し、その外殻12の開口
に閉塞板24を嵌め込み、そこを二次接着25cする
(図2(ト)参照)。
【0025】この後、あらかじめ型を使用し外殻鏡板端
部よりも内殻側鏡板端部を突出状態にしてスプレイアッ
プやハンドレイアップ法等で略椀状に製造していたFR
P製二重殻鏡板部3,3を、直胴部2の両端に、それぞ
れ内殻側鏡板部3aの端部同士が当接する様に接続し、
両者の接合部をその上からFRPを積層して固定する。
また、外殻側鏡板部3bは、前記直胴部2とこの外殻側
鏡板部3bとの間に露出した内殻同士の表面を、前記ス
ぺーサ15と同質のシートでマスキングした後、前記外
殻同士を接続する様にFRPにて一体に接合することに
より、二重殻タンクを製造する。そして、前記鏡板部3
における内殻側鏡板部3aと外殻側鏡板部3bとの間
は、前記スぺーサ15と同質のものを十字状に配置する
と共にシリコンを塗布してあり、前記直胴部との接合時
は、直胴部2のスぺーサ端と鏡板部3のスぺーサ端とが
連続する様に接合する。尚、この場合、離型剤塗布方法
は、塗布に時間をかなり必要とすることと、圧縮空気に
よる殻間剥離を必要とするため極力使用しない方が良
い。特に直胴部にこの方法を用いると、殻間剥離長さが
長いため圧縮空気による殻間剥離に3時間以上を要して
しまうからである。従って、本実施の形態においては、
今回の離型フィルムを用いる方法を取ることとした。当
然境板にも離型フィルム方法を取る方が最適ではある
が、境板曲面にフィルムを沿わせるのが難しく、やむな
く離型剤法を採用した。しかしながら、この方法による
と、殻間剥離の面積は、非常に少なくなることと、十字
に沿わせたスペ−サ、殻間剥離が進みやすい形状にな
り、圧縮空気による殻間剥離は5分程度で完了した。
【0026】前記FRP製二重殻タンク1の製造後、前
記漏洩検知管5から圧縮空気を注入することにより、こ
の圧縮空気が漏洩検知管5の下端を介し、第一フィルム
層13a,第二フィルム層13bとの間を剥離しながら
流入して直胴部全面に空隙14を形成し、かつ直胴部端
部で鏡板部3のスぺーサ部分から流入した圧縮空気が内
殻部と外殻部とを剥離し、鏡板部3の内部全面に空隙1
4aを形成する。
【0027】したがって、本実施の形態のFRP製二重
殻タンクでは、前記のように構成したので、タンク直胴
部成形時、剥離層13であってタンク底面側にスぺーサ
15を挿入状態に設けたので、タンクに大きな荷重が作
用してもスぺーサ15の両縁側には空隙が確実に確保さ
れ、漏液の浸透をスムーズに行なわせることができる。
このため、危険物の漏洩を初期の段階で素早く検知する
ことができる。
【0028】また、その製造方法では、内殻、外殻の間
に設ける剥離層をフィルム層の二層構造とし、そのフィ
ルム層同士の間に帯状スぺーサを挿入状態に設けるだけ
で、大きな荷重が作用する大型のタンクでも、内殻と外
殻との間に危険物漏洩検知用の空隙を確保したものを製
造することができる。空隙はフィルム層の二層構造によ
りタンク全面に確保され、危険物漏洩検知に対し信頼性
の高いタンクを製造することができる。構造が簡単で製
作も容易であるから、製造コストを安価にすることがで
きる。
【0029】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、内殻,外殻等
の積層構造は、任意に設定することができる。鏡板部3
は、内殻部と外殻部を別別に取り付ける様にしてもよ
い。マンホール,漏洩検知管の二次接着構造は、任意に
設定することができる。強化材はガラス繊維の外、炭化
繊維や金属繊維、ウイスカ、各種有機繊維、あるいはそ
れらの混用したもの等、任意に設定することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきた様に本発明請求項1記
載のFRP製二重殻タンクでは、前記構成としたため、
剥離用のフィルムが二層あるから、内殻、外殻が未硬化
の状態で剥離層が設けられていても剥離用フィルム同士
の間が吸着状態となることはなく、このため内殻と外殻
との間には全面的な空隙が確保され、簡単な構造でも危
険物の漏洩を確実に検知することができるという効果が
得られる。
【0031】また、請求項2記載のFRP製二重殻タン
クでは、前記構成としたため、大きな容量のタンクの場
合、タンク設置後このタンクの下面部であって剥離用フ
ィルム同士が密着する方向に大きな荷重が作用しても、
内殻から漏洩があった場合、スぺーサが確保した微細空
隙を介し漏液が遅れずその微細空間に浸透し、素早くそ
の検知をすることができるという効果が得られる。
【0032】また、請求項3記載のFRP製二重殻タン
クの製造方法では、前記構成としたため、剥離用のフィ
ルムを二層設けるから、内殻、外殻が未硬化の状態で剥
離層を設けても、剥離用フィルム同士の間は吸着状態と
はなっていないことから、内殻と外殻との間に空隙を全
面的に設け、危険物の漏洩を確実に検知することのでき
るタンクを得ることができる。また、この場合、剥離層
は剥離用のフィルムを二層巻き付けるだけであるから、
簡単な作業で設けることができる等の効果が得られる。
【0033】また、請求項4記載のFRP製二重殻タン
クの製造方法では、前記構成としたため、大きな荷重が
作用しても迅速,確実に漏洩を検知することができる信
頼性の高いタンクを得ることができる。また、この場
合、剥離用のフィルム同士の間にスぺーサを配置するだ
けであるから、簡単な作業と低コストで設けることがで
きる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)本発明実施の形態のFRP製二重殻タン
クを示す断面図である。 (ロ)同上のA部拡大図である。
【図2】実施の形態のFRP製二重殻タンクの製造方法
を示す説明図である。
【符号の説明】 1 FRP製二重殻タンク 2 FRP製二重殻タンクの直胴部 3 FRP製二重殻タンクの鏡板部 3a 内殻側鏡板部 3b 外殻側鏡板部 4 マンホール 5 漏洩検知管 10 タンク下面 11 内殻 12 外殻 13 剥離層 13a 第一フィルム層 13b 第二フィルム層 14 空隙 14a 鏡板部の空隙 15 帯状のスぺーサ 16 内殻の補強リブ 17a 離型用フィルム 17b 剥離用フィルム 18 離型層 20 マンドレル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 88/06 B65D 88/76 B65D 90/02 B65D 90/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FRP製内殻とFRP製外殻とからなる
    二重殻構造の直胴部と、該直胴部の両端を密閉した鏡板
    とで形成され、前記直胴部は内殻と外殻との間に剥離層
    形成用のフィルム層が少なくとも二層設けられているこ
    とを特徴とするFRP製二重殻タンク。
  2. 【請求項2】 FRP製内殻とFRP製外殻とからなる
    二重殻構造の直胴部と、該直胴部の両端を密閉した鏡板
    とで形成され、前記直胴部は内殻と外殻との間に剥離層
    形成用のフィルム層が少なくとも二層設けられ、該フィ
    ルム層同士の間であってタンク下面部位置鏡板同士の間
    にスぺーサが挿入されていることを特徴とするFRP製
    二重殻タンク。
  3. 【請求項3】 マンドレル外周面に設けた離型層に、F
    RPを積層してタンク直胴部の内殻を形成し;前記FR
    P製内殻に剥離用フィルムを巻き付けて設けた第一フィ
    ルム層及びこの第一フィルム層の上から剥離用フィルム
    を巻き付けて設けた第二フィルム層との少なくとも二層
    からなる剥離層を形成し;前記剥離層にFRPを積層し
    てタンク直胴部の外殻を形成し;前記マンドレルから脱
    型した二重殻タンク直胴部の両側にFRP製の二重殻鏡
    板を取付けて成ることを特徴とするFRP製二重殻タン
    クの製造方法。
  4. 【請求項4】 マンドレル外周面に形成した離型層に、
    FRPを積層してタンク直胴部の内殻を形成し;前記F
    RP製内殻に剥離用フィルムを少なくとも一層巻き付け
    て設けた第一フィルム層と、該第一フィルム層下面部位
    置長手方向に配置したスぺーサと、このスぺーサを含め
    第一フィルム層の上から剥離用フィルムを少なくとも一
    層巻き付けて設けた第二フィルム層とからなる剥離層を
    形成し;前記剥離層にFRPを積層してタンク直胴部の
    外殻を形成し;前記マンドレルから脱型した二重殻タン
    ク直胴部の両側にFRP製の二重殻鏡板を取付けて成る
    ことを特徴とするFRP製二重殻タンクの製造方法。
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