JP2911459B2 - 表示部を有する乗り物用透明体及び乗り物 - Google Patents

表示部を有する乗り物用透明体及び乗り物

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JP2911459B2 JP63260659A JP26065988A JP2911459B2 JP 2911459 B2 JP2911459 B2 JP 2911459B2 JP 63260659 A JP63260659 A JP 63260659A JP 26065988 A JP26065988 A JP 26065988A JP 2911459 B2 JP2911459 B2 JP 2911459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電圧の印加により、表示を可能にした表示
部を有する乗り物用透明体及び乗り物に関するものであ
る。
[従来の技術] 近年、自動車等の乗り物の電子化に伴い、その表示部
に機械式の計器に代えて、電子的な表示計器、例えば蛍
光表示管や液晶表示素子を用いた計器が使用されてい
る。
これらの電子的な表示計器の使用により、機械式の計
器に比して、表示の自由度が高く、カラフルな高級感の
ある表示が可能となった。
しかし、これらは機械式の計器と同様にダッシュボー
ドに組み込まれているため、その見易さという点では、
それほど改善されていなかった。
[発明の解決しようとする問題点] 一方、既に航空機等では、操縦者の見易さを考慮し
て、その前面ガラス面の一部に所望の表示を行うヘッド
アップディスプレイが実用化されている。
このヘッドアップディスプレイを用いれば、操縦者や
運転者は、常に前方のガラス面のみを注視していれば良
くなり、目の疲れを防止できる。
しかし、このヘッドアップディスプレイは、投射光を
反射する光反射部の反射率が必ずしも高くなく、十分な
コントラスト比が得られなく結果として見にくくなった
り、システムが複雑となるといった問題点を有してお
り、高価な航空機等にしか使用しにくいという問題点を
有していた。
また、この改善策として、通常のダッシュボードに配
置していたような液晶表示素子等を前面ガラスに設ける
ことも提案されているが、その取り付け、見栄え、偏光
膜による暗さ等の問題点があり、実用化されていない。
このため、自動車のフロントガラスのような大面積の
乗り物用の透明体に組合されて、表示が行える表示部を
有する乗り物用の透明体が望まれていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであ
り、電圧の印加により表示を行う表示部を有する乗り物
用透明体において、表示部には、一対の電極付きの基板
間に硬化物マトリックス中に液晶物質が分散保持された
フィルム状液晶層を挟持した電圧により透過−散乱を制
御する表示体と、その表示体の観察者とは反対の面に配
置された光吸収体とが備えられ、光硬化性ビニル系化合
物が硬化せしめられて硬化物マトリックスが形成されて
なることを特徴とする乗り物用透明体を提供する。
また、硬化物マトリックスが網目状またはカプセル状
に存在してなる上記の乗り物用透明体を提供する。
また、電圧の印加により表示を行う表示部を有する乗
り物用透明体において、表示部には、一対の電極付きの
基板間に硬化物マトリックス中に液晶物質が分散保持さ
れたフィルム状液晶層を挟持した電圧により透過−散乱
を制御する表示体と、その表示体の観察者とは反対の面
に配置された光吸収体とが備えられ、硬化物マトリック
スが網目状またはカプセル状に存在してなることを特徴
とする乗り物用透明体を提供する。
また、フィルム状液晶層は、硬化物マトリックスの屈
折率が、分散保持された液晶物質の常光屈折率(no)、
異常光屈折率(ne)または液晶物質がランダムに配向す
るした場合の屈折率(nx)のいずれかと一致するように
されてなることを特徴とする上記の乗り物用透明体を提
供する。
また、表示体と光吸収体とが、一対のガラス板間に挟
持されて合せガラス状にされていることを特徴とする上
記の乗り物用透明体を提供する。
また、前面ガラス部に上記乗り物用透明体を有し、さ
らに、観察者側の周囲から前記乗り物用透明体の表示部
を照明する光源が設けられていることを特徴とする乗り
物を提供する。
本発明の表示体は液晶等の電気光学媒体を使用して、
電圧により透過−散乱を制御する表示体であればよく、
電圧の制御により、特定の文字、数字、パターン等を散
乱状態にしたり、透過状態にできるものであればよい。
具体的には、消費電流の点から液晶を用いた素子が好
ましく、特に、一対の電極付きの基板間に硬化物マトリ
ックス中に液晶物質が分散保持されたフィルム状液晶層
を挟持したものである。
この表示体は、特定の印加電圧(電圧非印加の場合も
含む)を印加した状態で散乱状態が得られ、他の特定の
印加電圧(電圧非印加の場合も含む)を印加した状態で
完全に透過状態となればよい。背景部分は常に透過状態
または散乱状態とされればよい。
このような表示体は、電極付の基板間に透過−散乱状
態を変化させる電気光学媒体が挟持した素子で構成され
ているので、その基板自体が乗り物用に使用されるガラ
ス、プラスチック等の透明体である場合には、素子自体
を乗り物用透明体として使用できる。
また、その基板自体が強度等でそのままでは乗り物用
透明体として使用できない場合には、乗り物用の透明体
として使用できるガラス、プラスチック等の透明体を積
層したり、その間に挟んだりして乗り物用透明体とすれ
ばよい。具体的には、素子の基板としては、薄いプラス
チック基板を使用し、2枚のガラス板の間に挟めば、合
せガラス状になる。特に、薄いプラスチック基板を使用
すれば、かなり自由に湾曲させられるので、曲面形状の
前面ガラス等に用いることも容易になる。
本発明の光吸収体は、光を吸収するものであれば使用
でき、黒が一般的であるが、青や緑等他の色にしてもよ
い。また、この光吸収体は塗料を塗布して形成してもよ
いし、予め成形されたシートとして組み合わされてもよ
い。この光吸収体は、表示体の観察者とは反対の面に配
置される。また、この光吸収体は、乗り物の外部で外の
環境にさらされる場所に設けられない方が耐久性等の点
で好ましく、光吸収体よりも外側にガラス板等の透明体
を設けておくことが好ましい。
また、この表示部を有する乗り物用透明体の表示部の
観察者側の周囲に、その斜め方向から光を照射できるよ
うな光源を配置して使用される。この光源は、乗り物用
透明体の表示部に光を当てることができるものであれば
使用でき、必要に応じて投射レンズ、光ファイバ、導光
体等を併用してもよいし、電球等の発光源の代りに太陽
光を導光する手段を併用してもよい。
この光源により、乗り物用透明体の表示部が照明され
る。これにより、表示部の散乱部分は明るく白く見え、
散乱で見ているため眩しくなく、透過部分は裏側の光吸
収体により光が吸収されるため、暗く見えて表示が判別
できる。
この光源の配置される位置は、一般的には、乗り物用
透明体の斜め下方に光源を配置すればよい。特に、自動
車の前面ガラスの場合には、乗り物用透明体の斜め下方
のダッシュボード部に前面ガラスに向けた光源を配置す
ればよい。
第1図は、本発明の表示部を有する乗り物用透明体の
基本的な例を示しており、(A)はその正面図であり、
(B)はその表示体2、光吸収体3及び光源4を通過す
る断面における乗り物用透明体の側部断面図である。
第1図において、1は乗り物用透明体、2は表示体、
3はその表示体の観察者とは反対の面に配置された光吸
収体、4はその斜め下方に設置された照明用の光源、7
は観察者、5A、5Bは補強用の透明体、6は透明体5A、5B
と表示体2と光吸収体3とを接着一体化している接着性
材料層を示している。
第2図は、本発明の表示体の代表的な例の断面図であ
り、8A、8Bは基板、9A、9Bはその表面の電極、10はその
基板間に挟持されたフィルム状液晶層を示している。
本発明の乗り物用透明体は、自動車、列車、観光船、
航空機等の前面ガラス、側面ガラス、間仕切りガラス等
種々の用途がある。いずれも主として操縦者、運転者、
お客が必要とする情報を透明体から読み取る用途に使用
される。特に、前面ガラスに計器の情報を表示するもの
に好適である。
本発明では、硬化物マトリックス中に液晶物質が分散
保持されたフィルム状液晶層を用いることが好適である
ので、これを取り上げてより具体的に説明する。
このようなフィルム状液晶層では、具体的には、硬化
物マトリックスの屈折率が、液晶物質の常光屈折率
(no)、異常光屈折率(ne)または液晶物質がランダム
に配向した場合の屈折率(nx)のいずれかと一致するよ
うにされる。電圧印加状態により、硬化物マトリックス
の屈折率と液晶物質の上記いずれかの屈折率とが一致し
た時に、このフィルム状液晶層は透過状態になり、一致
しない時にフィルム状液晶層は散乱状態になる。
その例を、得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶
物質の常光屈折率(no)または異常光屈折率(ne)のい
ずれかと一致するように選ばれた硬化物マトリックス中
に液晶物質が分散保持されたフィルム状液晶層を用いた
場合を例にとって説明する。
このようなフィルム状液晶層は、電圧を印加しない状
態では、硬化物マトリックス屈折率と配列していない
(ランダムに配向)液晶物質の屈折率(nx)とが一致し
ないため、散乱状態(白濁状態)であり、しきい値電圧
よりも充分高い電圧を印加した状態では、硬化物マトリ
ックス屈折率と配列した液晶物質の屈折率(noあるいは
ne)とが一致するため、透過状態となる。
このため、自動車の前面ガラス用等の場合には、表示
をしたい部分以外、即ち、電極の設けられていない背景
部分は、常に散乱状態とされる。もちろん、表示体作成
時には、手間がかかるが、電極を2層構造にする等し
て、使用時に背景部分に電圧を印加して透過状態にする
こともできるが、得策ではない。この背景部分を透過状
態にしたい場合には、この背景部分を、このフィルム状
液晶層が電圧印加状態によらず常に透過状態となるよう
にしてもよい。
この電圧印加状態によらず常に透過状態にするために
は、フィルム状液晶層を硬化する際に、電圧を印加した
状態で硬化すればよい。
また、この硬化時の印加電圧、電圧印加時間等を制御
することにより、部分的に散乱時の透過率をあらかじめ
低くした部分を形成することもできる。この印加電圧、
硬化期間中の電圧印加時間等により、その散乱時の透過
率は制御できるので、それらは実験的に決定すればよ
い。
本発明では、特に、硬化物の原料として光硬化性化合
物を使用して、光露光による硬化時に電圧を印加しつつ
硬化させることにより、容易に得ることができる。具体
的には、マスクを用いて、部分的に光が当たらないよう
にして全体に電圧を印加して硬化させてもよいし、特定
の部分のみに電圧を印加して全体を同時に硬化させても
よい。
これにより、マスクの形等により常に透過状態とされ
るか散乱度の低い状態の部分を形成できるので、電極の
パターニングなしに複雑なパターンの表示も可能にな
る。具体的には細かなパターンの警告用のシンボル表示
や、表示部の周囲の枠取り表示等が可能になる。
また、このフィルム状液晶層を形成する硬化工程の際
に、特定の部分のみその硬化条件を変えることにより、
部分的にそのフィルム状液晶層のしきい値電圧または飽
和電圧が異なる部分を形成できる。これは、具体的に
は、温度、光等であり、実験的に決定すればよい。
この他、部分的に基板間隙を変化させても部分的にそ
のフィルム状液晶層のしきい値電圧または飽和電圧が異
なる部分を形成できるが、制御が困難になり易いので、
上記のように基板間隙は同じで硬化条件を変える方が好
ましい。
特に、硬化物の原料として光硬化性化合物を使用し
て、光露光による硬化時に温度を変えて硬化させること
により、容易に得ることができる。具体的には、マスク
を用いて、部分的に光が当たらないようにして全体の温
度を変えて硬化させてもよいし、特定の部分のみを加熱
しながら全体を同時に硬化させてもよい。
これにより、マスクの形等によりしきい値電圧または
飽和電圧が異なる部分が形成できるので、電極のパター
ニングなしに印加電圧を変えるのみで、複合表示や立体
感のある表示等が可能になる。
これらにより、部分的に散乱状態が異なるフィルム状
液晶層や、しきい値電圧または飽和電圧が異なる部分を
有するフィルム状液晶層が形成できるので、表示の自由
度が向上する。さらに、防眩用の調光体部分も併設する
こともできる。
また、本発明の素子は、光露光により硬化させられた
硬化物の屈折率が、使用する液晶物質がランダムに配向
した場合の屈折率(nx)と一致するようにされることも
できる。ここでいうランダムに配向するとは、全ての液
晶分子が基板面に対して平行又は垂直に配列しているの
でなく、硬化物マトリックスを構成する網目もしくはカ
プセル等の影響により種々の方向を向いていることを表
わす。
この場合には、電圧が印加されていない状態では、配
列していない(ランダムに配向)液晶物質の屈折率
(nx)と硬化物マトリックスの屈折率とが一致するた
め、透過状態を示す。逆に、電圧を印加した場合には、
配列した液晶物質の屈折率(noあるいはne)と硬化物マ
トリックスの屈折率とが一致しないため、散乱状態(白
濁状態)を示すこととなる。
これにより電圧を印加しない状態で透明の素子が得ら
れるが、光硬化により得られた硬化物マトリックスが網
目状もしくはカプセル状に存在し、液晶がこの硬化物マ
トリックスの影響を受けランダムに配向しているのと同
様の状況にあるため、均一な状態とすることが難しいと
いう問題点がある。
これは、前者のように垂直または水平に配向させた場
合には、均一に配向させやすいが、ランダムに配向させ
るのは、マクロ的にみればランダムであっても、部分的
にみれば配向状態が微妙に異なり、屈折率の差を生じ、
これがムラとなって見え易いためである。
本発明ではこの硬化物マトリックスの屈折率と、使用
する液晶物質の屈折率(no、ne、nxのいずれか)とを一
致させるものである。この一致とは完全に一致させるこ
とが好ましいものであるが、透過状態に悪影響を与えな
い程度に、ほぼ一致するようにしておけば良い。具体的
には、屈折率の差を0.15程度以下にしておくことが好ま
しい。これは、液晶物質により硬化物マトリックスが膨
潤して、硬化物マトリックスが本来持っていた屈折率よ
りも液晶物質の屈折率に近づくため、この程度の差があ
っても、光はほぼ透過するようになる。
本発明では光硬化性化合物を用いて、光硬化させて硬
化物マトリックスを形成することが好ましい。
この光硬化性とは、赤外線、可視光線、紫外線、電子
線によって硬化する化合物であればよい。その光の作用
も、硬化を促進するものであれば何でもよく、光子、電
子、熱のいずれによってでもよい。
従って、光硬化性化合物は、ビニル重合、付加重合、
縮合重合、カチオン重合、アニオン重合、リビング重合
等何れであってもよいが、水分、腐食性物質等の液晶物
質を劣化させるおそれのある物質を発生する縮合重合は
一般的にみて好ましくない。
また、重合の系は、均一、不均一系を問わない。例え
ば、光硬化性化合物と液晶との混合物であってもよい
し、光硬化性化合物と液晶をポリビニルアルコール等と
混合しマイクロカプセル化したものでもよい。
この光硬化性化合物の具体的な例としては、モノアク
リレート、ジアクリレート、N−置換アクリルアミド、
N−ビニルピロリドン、スチレン及びそれらの誘導体、
ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、
ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコ
ーンアクリレート、フロロアルキルアクリレート、ポリ
ブタジエン骨格、イソシアヌル酸骨格またはヒダントイ
ン骨格等を有するアクリレート、不飽和シクロアセター
ルなどに代表される単官能及び多官能ビニル基を有する
化合物が例示される。
本発明では、これら種々の光硬化性ビニル系化合物の
使用が好ましい。中でも、アクリロイル系化合物を使用
することが、光露光後の液晶と硬化物の相分離状態及び
その均一性にすぐれていること、また光露光による硬化
速度が速く硬化物が安定であることから好ましい。尚こ
こでいうアクリロイル系化合物のアクリロイル基は、α
位、β位の水素がフェニル基、アルキル基、ハロゲン原
子、シアノ基等で置換されていてもよい。
本発明では、これらの光硬化性ビニル系化合物の内、
光照射によって重合硬化するもの、特に重合高分子化す
るオリゴマーを含有するものが好ましい。
具体的には、光硬化性ビニル系化合物としてビニル基
を2個以上含有するアクリルオリゴマーを15〜70wt%含
有することが好ましく、光硬化性後に硬化に伴う収縮が
少なく、液晶光学素子に微小なクラックが発生しにく
く、成形性が良好となる。この微小クラックが多くなれ
ば、光透過状態での光の透過率が低下する傾向となり、
素子の性能が低下する。このアクリルオリゴマーの粘度
は高すぎても低すぎても成形性に悪影響を与えるので50
℃で150〜500000cps程度とすることが好ましい。
本発明で使用される液晶物質は、ネマチック液晶物
質、スメクチック液晶物質等があり、単独で用いても組
成物を用いても良いが、動作温度範囲、動作電圧など種
々の要求性能を満たすには組成物を用いた方が有利とい
える。特に、ネマチック液晶の使用が好ましい。
また、使用される液晶物質は、硬化性化合物に均一に
溶解することが好ましく、硬化後の硬化物マトリックス
とは溶解しない。もしくは溶解困難なものが必要であ
り、組成物を用いる場合は、個々の液晶物質の溶解度が
できるだけ近いものが望ましい。
特に、液晶物質と光硬化性化合物とを用い、光硬化過
程を経ることにより、液晶物質と硬化物とを相分離によ
り固定化させ、硬化物マトリックス中に液晶物質が散在
した構造となり、液晶と硬化物マトリックスの分布が一
様となり、外観品位、生産性に優れた素子を容易に製造
できる。
本発明の素子を製造する際、硬化性化合物と液晶物質
とは5:95〜75:25程度の混合物とすればよく、液状ない
しは粘稠物として使用されればよい。
また、フィルム状液晶相を形成するための硬化性化合
物と液晶物質との混合物は、硬化性化合物及び液晶物質
とも単独もしくは複数混合で用いてもよく、素子作成に
必要な改質剤、作成した素子の改質剤などを含んでいて
もよい。具体的には、架橋剤、界面活性剤、希釈剤、増
粘剤、消泡剤、接着性付与剤、安定剤、吸収剤、色素、
重合促進剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、顔料、色素等を
含んでいてよい。
本発明の表示体を製造する際、調製する硬化性化合物
と液晶物質との混合物は液状であっても粘稠物であって
も均一に混合されていればよく、表示体の製造方法によ
って最適なものを選べば良い。
例えば、In2O3−SnO2(ITO)、SnO2等の透明電極付の
ガラス基板を相対向するように配して周辺をシールした
セルには、液状で注入した方が一般に便利であり、透明
電極付のプラスチック、ガラス等の基板に塗布し、対向
する基板を重ね合わせようとする場合には、一般に粘稠
状態の方が便利である。
基板間ギャップは、3〜100μmにて動作することが
できるが、印加電圧、オン・オフ時のコントラストを配
慮すれば、5〜40μmに設定することが適当である。
このようにして、基板に保持した混合物を硬化させ
る。この場合、光硬化性化合物を用い、光露光により、
液晶物質と硬化物マトリックスとの相分離状態で固定化
することが好ましい。硬化物の屈折率を液晶物質のno
たはneと一致させる場合には、光露光前は、基板に保持
された内容物は均一に溶解していれば、無色透明である
が、光露光後は配列していない液晶物質と硬化物マトリ
ックスとによる屈折率散乱のため白濁状態となる。もち
ろん、電圧を印加しつつ硬化した部分があれば、その白
濁度が低くなっていたり、透過状態になっている。
この素子は、しきい値以上の電圧印加することによ
り、液晶物質が配列しはじめ、硬化物と屈折率が近づく
ため透過率が上り、飽和電圧以上の電圧を印加すること
により、硬化物と屈折率が一致し、高い透過状態とな
る。この場合、部分的にしきい値電圧または飽和電圧が
異なる部分があれば、透過状態になるまでの間に部分的
に透過状態が異なる部分が出現する。
また、硬化物マトリックスの屈折率を液晶物質の屈折
率(nx)と一致させた場合には、光露光前は、基板に保
持された内容物は均一に溶解していれば、無色透明であ
り、光露光後は配列していない液晶物質と硬化物による
屈折率が一致するため透過状態となる。
この素子に、電圧印加することにより、液晶物質が配
列し、硬化物と屈折率がずれて散乱するため白濁状態と
なる。この場合、部分的にしきい値電圧または飽和電圧
が異なる部分があれば、白濁状態になるまでの間に部分
的に透過状態が異なる部分が出現する。
このほか、この液晶中に2色性色素や単なる色素、顔
料を添加したり、硬化性化合物として着色したものを使
用したり、基板に着色基板を使用したり、カラーフィル
ターを積層したりして特定の色を付けることもできる。
液晶物質を溶媒として使用し、光露光により光硬化性
化合物を硬化させることにより、硬化時に不要となる単
なる溶媒や水を蒸発させる必要がないため、密閉系で硬
化でき、信頼性が高く、かつ、光硬化性化合物で、2枚
の基板を接着する効果も有するため、シール剤を不要に
することもできる。
このため、一方の電極付基板上に光硬化性化合物及び
液晶物質の溶解物を供給し、さらにその上に他方の電極
付基板を重ね合せ、その後、光を照射して硬化させると
いう生産性の良い製造方法が採用できる。
特に、電極付基板にプラスチック基板を使用すること
により、連続プラスチックフィルムを使用した薄型の長
尺の液晶表示素子が容易に製造でき、ガラス、プラスチ
ック等の透明体と積層、または透明体間に挟持させ易
い。
このようなフィルム状液晶相を使用することにより、
大面積にしても、上下の透明電極が短絡する危険性が低
く、かつ、通常のツイストネマチック型の表示素子のよ
うに配向や基板間隙を厳密に制御する必要もなく、透過
率を著しく下げ暗くするとともに耐久性に問題がある偏
光膜を使用しなくてすみ、大面積を有する乗り物用透明
体を極めて生産性良く製造できる。
なお、光の透過状態のムラを少なくするためには、基
板間隙はある程度一定である方が良いので、ガラス粒
子、プラスチック粒子、セラミック粒子等の間隙制御用
のスペーサーを基板間隙に配置する方が好ましい。
このフィルム状液晶層を挟持した表示体は、基板が薄
いプラスチックや薄いガラスの場合には、本来の乗り物
用の透明体であるプラスチックやガラス等の透明体を積
層したり、その間に挟み込むようにして用いられる。
特に、このフィルム状液晶層を挟持した表示体の電極
付基板としてプラスチック基板を使用して表示体とし、
電極取り出し線を付けて、これをこの表示体よりもやや
大きい2枚のガラス板間にポリビニルブチラール等の接
着性材料層を介して挟持して、加熱又は光照射により、
接着性材料層を硬化させて、この表示体と光吸収体とガ
ラス板とを一体化し合せガラス状にして使用することが
好ましい。特に、接着性材料をポリビニルブチラールと
することにより、通常の合せガラスと極めて類似した構
造とすることができる。これにより、通常の合せガラス
と同様に自動車の前面ガラス等に使用できる。もちろ
ん、この表示体と光吸収体とを1枚の透明体に貼り浸け
て使用するような用い方もある。
特に、基板にプラスチックフィルム基板を使用して、
後で任意の位置で切断することもできるので、極めて生
産性が良い。
この表示体を駆動する場合、駆動手段を付加するが、
しきい値電圧または飽和電圧に差がある場合には、2種
類以上の電圧を印加できる駆動手段を付加すればよい。
これには、液晶の配列が変化するような交流電圧を印
加すればよい。具体的には、5〜100Vで10〜1000Hz程度
の交流電圧であって、表示体の表示状態が変化するよう
な電圧を印加すればよい。
また、電圧を印加しない時には、通常は電極間をオー
プンにするか短絡すればよいが、しきい値以下の電圧を
印加してもよい。
また、異なる3段階以上の電圧を印加したり、徐々に
電圧を連続的に変えて印加するようにして、透過率を変
えるようにしてもよい。
このようにして製造された表示部を有する乗り物用透
明体は、自動車、列車、船舶、航空機等の乗り物の透明
体の組み込まれて使用される。
[実施例] 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1 高さ3.2cm、幅2.3cmの7セグメントパターン(日の字
型パターン)を3個形成するようにITOをパターニング
したITO付きの高さ5cm、幅8cmのポリエステルフィルム
基板間に、2−エチルヘキシルアクリレート7部、2−
ヒドロキシエチルアクリレート15部、アクリルオリゴマ
ー(東亜合成化学社製M−1200、粘度30,000cps/50℃)
24部、光硬化開始剤(メルク社製「ダロキュアー111
6」)0.9部、液晶(BDH社製「E−8」)を64部、を均
一に溶解し、これに14μmのスペーサーを加えてよく分
散させた混合物を挟持するようにし、30秒間紫外線を露
光して、フィルム状液晶層を有する表示体を製造した。
このようにして製造した表示体は、前面が散乱状態で
あった。
この表示体の周囲にシール材を塗布し、電極取り出し
用のリード線を取り付けた。
自動車のフロントガラス用合せガラスの製造に用いら
れる外側ガラスの車内側に、光吸収体を形成するための
ガラスフリット80wt%、黒色顔料20wt%とからなるカラ
ーエナメルを右下側の高さ9cm、幅6cm塗布したものを用
意し、内側ガラスと一緒に600℃で曲げ加工とカラーエ
ナメルの焼成を行った。
次いで、先に作成した表示体を0.38mmのポリビニルブ
チラールフィルム2枚に挟み、さらに黒色の光吸収体部
分にこの表示体が配置されるように、曲げ加工した外側
ガラスと内側ガラスの間に配置して、加圧加熱して合せ
ガラス化した。
このようにして作成した右下側に周囲が黒色の表示部
を有する合せガラスを、フロントガラスとして自動車に
装着した。また、夜間の照明のために、この表示部の斜
め下方に光源を配置した。
この表示部を50Hz、25Vの交流電圧で駆動してスピー
ドメーターとして使用したところ、昼夜を問わず白っぽ
い背景に黒色の見栄えの良い表示が可能であった。
実施例2 実施例1の表示体に警告表示用のシンボルパターンを
表示する表示部を付加した。この警告表示用のシンボル
パターンは、電極でパターニングするのでなく、電極は
正方形に形成し、シンボルパターンと同じ形状のマスク
を配置し、電極部分に50Hz、50Vの交流電圧を印加しつ
つ第1回目の光露光を行い、次いでマスクを取り去っ
て、電圧印加を止め、第2回目の光露光を行って製造し
た。
この表示体は、電圧を印加しない状態で、警告表示用
のシンボルパターンを表示する表示部においては、シン
ボルパターンが黒い背景に白っぽく表示されていた。
この表示体を実施例1と同様に合せガラス化し、自動
車に取り付けた。
この表示部をスピードメーター部は実施例1と同様に
50Hz、25Vの交流電圧で駆動し、実施例1と同様の表示
が得られた。また、警告表示用のシンボルパターン部は
シンボルパターンを表示しない時(通常時)に50Hz、25
Vの交流電圧を印加するようにして黒い正方形のみが表
示されるようにし、警告する事態になった時に電圧を切
ってシンボルパターンが表示されるようにした。
[発明の効果] 以上の如く、本発明の表示表示部を有する乗り物用透
明体は、透明体部分に表示部が設けられているため、見
易く、かつ、表示部が電圧により透過−散乱を制御する
表示体と、その表示体の観察者とは反対の面に配置され
た光吸収体とからなるため、明るく、かつ見栄えが良い
ものである。
さらに、製造が容易で、曲面形状の透明体にも容易に
適用できる。
特に、得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶物質
の常光屈折率(no)、異常光屈折率(ne)または液晶物
質がランダムに配向した場合の屈折率(nx)のいずれか
と一致するように選ばれた硬化物マトリックス中に液晶
物質が分散保持されたフィルム状液晶層を用いることに
よって、大面積でも製造が容易であり、偏光板を使用し
なくてすみ明るく、かつ、速い応答速度で高寿命の乗り
物用透明体が容易に生産性良く得られる。
さらに、この表示体と光吸収体との両側に透明体を設
けることにより、安全性が向上し、特に、両面に透明体
を接合して合せ構造にすることにより破損を生じにくく
なり、通常の合せガラスと同様に容易に自動車用等に装
着適用できる。
特に、基板上に液晶物質、光硬化性化合物、特に光硬
化性ビニル系化合物、さらに必要に応じて光硬化開始剤
との混合物を供給し、その上に他方の基板を載置するこ
とにより、大面積の表示体を極めて生産性良く製造でき
る。このため、ガラスの場合にもかなり長尺の基板が使
用できるし、プラスチックの基板では連続フィルムによ
る連続プロセスも可能となる。
本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で
種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の乗り物用透明体を示す正面図であ
り、(A)はその正面図を、(B)はその側部断面図を
示す。 第2図は、本発明の好適な表示体の例の断面図である。 乗り物用透明体:1 表示体:2 光吸収体:3 光源:4 観察者:7 透明体:5A、5B 接着性材料層:6 基板:8A、8B 電極:9A、9B フィルム状液晶層:10
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/00 315 G09F 9/00 315C 359 359A (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 35/00 G02B 27/02 G09F 9/00 359

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧の印加により表示を行う表示部を有す
    る乗り物用透明体において、表示部には、一対の電極付
    きの基板間に硬化物マトリックス中に液晶物質が分散保
    持されたフィルム状液晶層を挟持した電圧により透過−
    散乱を制御する表示体と、その表示体の観察者とは反対
    の面に配置された光吸収体とが備えられ、光硬化性ビニ
    ル系化合物が硬化せしめられて硬化物マトリックスが形
    成されてなることを特徴とする乗り物用透明体。
  2. 【請求項2】硬化物マトリックスが網目状またはカプセ
    ル状に存在してなる請求項1記載の乗り物用透明体。
  3. 【請求項3】電圧の印加により表示を行う表示部を有す
    る乗り物用透明体において、表示部には、一対の電極付
    きの基板間に硬化物マトリックス中に液晶物質が分散保
    持されたフィルム状液晶層を挟持した電圧により透過−
    散乱を制御する表示体と、その表示体の観察者とは反対
    の面に配置された光吸収体とが備えられ、硬化物マトリ
    ックスが網目状またはカプセル状に存在してなることを
    特徴とする乗り物用透明体。
  4. 【請求項4】フィルム状液晶層は、硬化物マトリックス
    の屈折率が、分散保持された液晶物質の常光屈折率
    (no)、異常光屈折率(ne)または液晶物質がランダム
    に配向するした場合の屈折率(nx)のいずれかと一致す
    るようにされてなることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の乗り物用透明体。
  5. 【請求項5】表示体と光吸収体とが、一対のガラス板間
    に挟持されて合せガラス状にされていることを特徴とす
    る請求項1、2、3または4記載の乗り物用透明体。
  6. 【請求項6】前面ガラス部に請求項1、2、3、4また
    は5記載の乗り物用透明体を有し、さらに、観察者側の
    周囲から前記乗り物用透明体の表示部を照明する光源が
    設けられていることを特徴とする乗り物。
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