JP2911368B2 - 車両の運転制御装置 - Google Patents

車両の運転制御装置

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JP2911368B2
JP2911368B2 JP6168583A JP16858394A JP2911368B2 JP 2911368 B2 JP2911368 B2 JP 2911368B2 JP 6168583 A JP6168583 A JP 6168583A JP 16858394 A JP16858394 A JP 16858394A JP 2911368 B2 JP2911368 B2 JP 2911368B2
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隆一 黒沢
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  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自車の前方にある車両
(停止中のものを含む)あるいは障害物に対して運転者
による自車速度選択行動を模擬した運転制御を行う運転
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば乗用車に採用されている運転制御
装置として、クルーズコントロール装置(例えば、商品
名「オートドライブ」と称するもの)が知られている。
これは定速走行装置で、ある速度(例えば80km/h)
に設定すると、上り勾配や下り勾配に関係なく運転者が
アクセル操作をしなくても、当該車両(自車)をその設
定速度(一定)で走らせるものである。
【0003】しかし、このような一定速度で車両を走行
させるクルーズコントロール装置では、自車の前方に障
害物があったり、低速で走行している車両に追い付いた
りする場合には、そのままでは衝突が避けられない。こ
れに対し、人間(運転者)は当然、衝突を避けるために
自車の速度を変更する。つまり、他車または障害物が現
れた場合、運転者はリラックスした状態からとっさに通
常の運転姿勢に戻して素早くブレーキペダルまで確実に
足を持っていかなければならない。上記のような従来の
定速走行装置による走行は、人間の運転行動とはあまり
にかけ離れている。
【0004】そこで、人間の運転行動に近い制御を従来
の運転制御装置に取り入れるため、運転行動をモデル化
したものとして、次の追従運動式が知られている。
【0005】1つは、Michael Mesterton-Gibbons 著
“A Concrete Approach to Mathematical Modeling”
(Addison-Wesley Publishing Company, Inc. 発行)に
記載されている:
【0006】
【数3】 ただし、tは時間、Zは変位、Z’は速度、jはj番目
の車両を表わす。
【0007】もう1つは、R. Haberman 著 "Mathematic
al Model : Traffic Flow"(Prentice Hall Inc.発行)
に記載されている:
【0008】
【数4】 ただし、tは時間、xは変位、Tは遅れ時間、nはn番
目の車を示す。
【0009】これらは、前方車両との速度差に比例し、
前方車両までの距離に反比例した加速度で運動する単純
な追従走行の運転行動モデルである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような自動運転制御装置では、前方車両との速度差に基
づいて動作するため、前方車両の速度が小さい場合、す
なわち低速走行や渋滞中の車両、或いは障害物に対して
は、運転者が装置の動作を止めて自分で運転するしかな
かった。また、上記モデルでは、追従で最も重要な車間
距離を定める条件が記述されていないので、実際の交通
環境下での車両の運動を実現できない。このように、従
来は、人間の運転に近似し安心して任せられる運転行動
モデルもなかった。
【0011】従って、本発明の目的は、前方に車両が存
在しない場合は一定速度で、存在する場合は前方車両ま
での距離及び前方車両の速度に応じた適切な速度で走行
し、前方車両に近づいたときはその運転者が通常とる適
切な車間距離を保つというように、人間の運転に近似し
た適正な運転を実現する運転制御装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成する運転制御装置の動作の基礎になる運転行動モデ
ルを次のように考えて作成した。すなわち、運転者が交
通環境に応じてとる運転行為を車両が環境から仮想的な
力を受けた結果と考え、運転者が環境を認識し判断した
結果に基づく最終目標運動状態を実現する力学モデル、
言い換えると、運転者の先読みもしくは見込みから生ま
れる予測された結果(運動状態)を実現する環境の力学
モデルを作る。この基本的な力学モデルをテンプレート
(基本鋳型)として、追従環境、信号環境その他任意の
交通環境に対する力学モデルを作り出すことができる。
【0013】具体的には、運転行為として、環境を表わ
すパラメータCp を入力して主観的な安全運動状態Xc
を出力する見込み関数式Xc =H(Cp )と、その運動
状態Xc を実現する環境力方程式f(Xc )=0とを考
える。
【0014】運転行為の定式化は、次のように行われ
る。
【0015】まず、運転行為を肉体的(機械的)なもの
と精神的なものに分けて考える。ここで、機械的な行為
とは、車両特性や人間の生理特性にリアルタイムで合わ
せる行為、精神的な行為とは、環境に対する適合行為
(機械的行為に対して前もって行われる)であって、次
の2つがある。
【0016】(a)とるべき機械的行為の量と時期の決
定。
【0017】(b)計画の実行指示。
【0018】本発明では、後者の精神的行為に基づいて
式を作るが、この行為は主に視覚情報により行われるの
で、運動状態の把握及び決定は加速度ではなく速度にな
る。更に、精神的行為は上位の指示系統であり、式を作
る上で下位(機械的行為)の責任範囲の運動そのものに
は関わらなくてよいので、専ら環境ごとに決定される速
度の実現を目的として定式化すればよい。
【0019】運転者の場合、ある環境Cにさしかかる
と、それまでの経験から、その環境下での安全な速度V
とそれを達成すべき地点Xを前もって決定し、機械的行
為に指示して運動状態を実現する。つまり、運転者は前
方の交通環境を見て、自分なりのXc (安全速度と位
置)を決めるのであるが、この認知、判断及び行動決定
(精神的行為)の機能を「見込み関数」H(Cp )=X
c と名付ける。
【0020】この見込み関数H(Cp )から算出される
c (安全速度と位置)をパラメータとしてもらって運
動を実現する環境力の式、すなわち精神的行為から車両
の運動を実現する方程式を「環境力方程式」f(Xc
=0と名付ける。
【0021】以下では、見込み関数H(Cp )について
は定式化しないが、簡単なものは下記の環境力方程式f
(H(Cp ))=0として記述される。
【0022】前述のように、環境力方程式f(Xc )=
0は車両の運動を実現する式、すなわち運動方程式であ
る。その具体的な形は、一般的に変位x、その一次微分
(速度)x’及び二次微分(加速度)x”を含む二次の
微分方程式で表わされるが、上記のように速度をコント
ロールできる運動方程式の形は、x”+Cx’−a=0
である。このとき、
【0023】 x”=a−Cx’ …(3) ここで、aは運転者固有の最大加速度、Cは環境条件を
表わす関数である。この式(3) の意味は、速度x’で環
境Cに進入した車両に、その進入速度x’に比例した力
Cx’を働かせ、この力に釣り合う状態Xc まで車両を
増減速するということである。
【0024】ここで、式を作り易くするため、Cを次の
ように速度の項と変位の項に分ける。
【0025】C=gv(V)・gx(X) …(4) 上式で、V,Xは環境での主観的な運動状態Xc を表わ
すパラメータ(例えば環境の速度と位置)である。
【0026】式(3) でC=a/Vとすれば、x”=0で
あるので、速度項を
【0027】
【数5】 とする。ただし、Vは環境の速度である。
【0028】変位項は、局所的(Xの近傍)に力を働か
せるようにする。
【0029】
【数6】 ただし、SL は距離基準、Xは速度Vの達成位置、pは
力の距離による減衰程度を表わす。
【0030】上記(3) 〜(6) 式より、環境C及び環境力
方程式f(Xc )=0は次のように表わされる。
【0031】
【数7】 上記(3) 式で表わされる環境力方程式によれば、追従走
行はもちろん、信号による停止、一時停止、渋滞による
停止及び安全のための停止を含み、規制速度に従って車
両を走らせることができる。
【0032】また、Cの形は環境によって異なり、X,
Vは一般に運転者によって異なる。例えば、規制速度の
環境では、C=a/V,X>X1 (下限値),例えばV
=60km/h とする。
【0033】追従行動では、Cは(7) 式で表わされる。
この場合、Xは直前車両の位置、Vは直前車両の速度、
L は個人の車間距離基準値、pは環境条件の有効な範
囲の大きさを決めるパラメータである。
【0034】そして、追従走行の場合は、(7) 式のパラ
メータX,Vに前方車両の位置と速度、SL に固有車間
距離を入れ、信号停止の場合は、パラメータX,Vに信
号の位置と速度0、SL に小さな値を入れることで、具
体的な力学モデルになる。
【0035】複数の交通環境C1 ,C2 ,…,Cn に沿
って走行する場合には、個々の環境の力Cx’の和で、
環境力方程式 x”=a−(C1 +C2 + ・・・・ +Cn )x’ …(9) を実現する。
【0036】上記(3) 式を利用して、列車の自動運転、
自動車の高速道路での運転、渋滞時のノロノロ運転を自
動で行う運転制御装置が考えられる。
【0037】本発明は、上記のように人間の運転行動に
近い速度制御を簡潔な運動方程式に基づいて実現するも
のであり、運転者等が指定する値でパラメータを可変と
し、コンピュータ内に予め設定されて前方車両等の障害
物の動きに応じて動く仮想車両の運動方程式を解くこと
により、目標加速度や目標速度をリアルタイムで生成
し、これらの目標値に自車の加速度や速度を追従させる
ことを特徴とする。
【0038】そのための構成として、本発明の運転制御
装置は、自車から前方の車両までの距離及び前方車両の
速度を検知する車両探査手段と、運転者の希望する運転
状態のパラメータを入力する入力手段と、前記車両探査
手段で検知した距離及び速度と前記入力手段から入力さ
れたパラメータとを入力とし、これらの入力の値に応じ
た目標速度又は目標加速度を目標値として演算する運動
方程式に従って、前記入力手段により前記パラメータの
設定値が与えられたとき前記入力の値から前記目標値を
生成し、自車の速度又は加速度が該目標値に一致するよ
うに当該車両の加速及び制動装置を制御する制御手段と
を備え、前記運動方程式は、上記式(3)すなわちx”=
a−C(X,V)x’で表わされることを特徴とする。
【0039】
【作用】本発明では、入力手段によりパラメータの設定
値が与えられると、制御手段は、上記運動方程式に従
い、入力手段から入力された自車の実速度及び前方車両
までの距離から自車の目標値となる速度及び加速度をリ
アルタイムで生成し、自車の速度又は加速度が目標値に
一致するように車両の加速及び制動装置を制御する。
【0040】制御対象の車両は上記のようにして停車ま
で制御されるので、実際に渋滞に入って追突事故を起こ
すこともなくなり、追突に対する安全性が確保される。
また、渋滞走行での煩わしさやいらいらも軽減され、運
転者にとって疲労も少なく精神的な安定も得られる。
【0041】また、従来のクルーズコントロール装置で
は、他車または障害物が現れた場合、運転者はとっさに
通常の運転姿勢に戻して素早くブレーキペダルまで確実
に足を持っていかなければならないという不安感があっ
たが、本発明によれば、パラメータにより設定された自
分の通常の運転と同じ加減速で障害に対応できるので、
全く不安を感じさせない。つまり、運転者がリラックス
したなかで常に感じていなければならない前方の交通状
態の変化に対する不安感がなくなる。
【0042】
【実施例】図1は、実施例の自動運転制御装置の構成を
示すブロック図である。この装置は、信号入力手段1、
パラメータ入力手段2、制御手段であるコンピュータ
3、アクチュエータ4、コンピュータ3の入力側に接続
したアナログ/デジタル(A/D)変換器5、及びコン
ピュータ3の出力側に接続したデジタル/アナログ(D
/A)変換器6で構成されている。
【0043】信号入力手段1は、自車両の実速度を検出
する車速センサ11と、前方車両探査手段であるレーダ
12とを含んでいる。
【0044】パラメータ入力手段2は、速度設定部2
1、停車時の車間距離設定部22、走行時の車間時間設
定部23、最大加速度設定部24、スタートスイッチ2
5及びストップスイッチ26を含んでいる。
【0045】コンピュータ3は、CPU31、演算用メ
モリ(RAM)32、運動方程式格納用メモリ(RO
M)33、自車両の目標速度及び加速度演算用メモリ
(RAM)34、前方車両の速度及び加速度演算用メモ
リ(RAM)35、自車両の速度などの演算結果を格納
するメモリ36、前方車両の速度などの演算結果を格納
するメモリ37を含んでいる。
【0046】アクチュエータ4は、速度入力・速度制御
のクルーズコントロール部41と、速度及び加速度入力
・減速制御のブレーキコントロール部42を含んでい
る。
【0047】動作時には、入力手段1及びパラメータ入
力手段2から入力された値により、コンピュータ3が、
ROM33に格納されている運動方程式に従って演算す
る。そのため、ROM33内の運動方程式のパラメータ
値は、コンピュータ3の起動後はRAM32に移され、
パラメータ入力手段2から入力されたパラメータ値に置
き換えられる。コンピュータ3による演算結果はアクチ
ュエータ4に供給され、車両のアクセル及びブレーキが
制御されて自動運転を行う。
【0048】詳細には、スタートスイッチ25をオンに
すると、コンピュータ3は、ROM33の運動方程式に
より、設定値もしくは既定値のパラメータと、入力手段
1の車速センサ11及びレーダ12からA/D変換器5
を介して入力された自車の実速度x’及び前方車両まで
の距離αから、RAM34の自車加速度演算及びRAM
35の前方車両速度演算により算出された自車両加速度
x”及び前方車両速度α’+x’を生成する。この結
果、刻々と自車両の目標値となる速度y’及び加速度
y”の演算結果がリアルタイムで得られ、D/A変換器
6によりアナログ値に変換されてアクチュエータ4のク
ルーズコントロール部41及びブレーキコントロール部
42に入力される。
【0049】現在の車両の状態値である実車速x’及び
実加速度x”は、入力手段1の車速センサ11からA/
D変換器5を介して入力された実測値に基づき、自車加
速度演算用RAM34によりそのまま(x’)あるいは
演算の結果(x”)として得られ、アクチュエータ4の
クルーズコントロール部41及びブレーキコントロール
部42へ入力される。
【0050】従って、クルーズコントロール部41に対
しては、実車速x’と目標値となる車両速度y’とが入
力され、両者の値が一致するようにクルーズコントロー
ル部41を介して車両(自車)のエンジン機構51が制
御される。ブレーキコントロール部2に対しては実加速
度x”と目標値となる車両加速度y”とが入力され、両
者の値が一致するようにブレーキコントロール部42を
介して車両(自車)のブレーキ装置52が制御される。
【0051】コンピュータ3のROM33に格納される
運動方程式は、次のようになる。すなわち、自車の現在
の速度をx’、自車から前方車両までの距離α、定常時
の走行速度をV、停止時の車頭間距離をL、走行時の車
頭時間をt0 としたとき、目標速度y’及び目標加速度
y”を含む運動方程式は、x’とy’の差をεとすれ
ば、上記 (8)式において、x’=y’+ε、SL =L+
0・y’、X=x+α、V=x’+α’であるから、次
式で表わされる。
【0052】
【数8】 但し、εは0<ε<0.1 の範囲の小さな正数、p,qは
10 以下の正数、Nkは 0.5<Nk ≦1.0 の範囲の正数
で、追従の程度を表わす。
【0053】具体的な環境力方程式(力学モデル)の作
成は、次のとおりである。
【0054】追従環境の場合 V=x'-1 ,SL =Tx’+L,p=2とする。ここ
で、Tは車間時間(個人に固有の定数)、Lは停止時車
間距離(個人に固有の定数)、x-1,x'-1 はそれぞれ
直前車両の位置、速度である。
【0055】
【数9】 ただし、ε≒0(停車を含む場合は入れる)減速環境の場合
【0056】
【数10】 ここで、αは減速度(個人に固有の定数)、 (x'2−V
2)/2αは減速度αで速度Vになるまでの走行距離であ
る。
【0057】
【数11】 信号環境の場合 V=SW (=0又は大きい数),SL =Ts x’+L
s ,p=3/2 ここで、Ts =0,Ls =1(定数),SW =0(信号
が赤のとき)又は大きい数(信号が青のとき)である。
【0058】
【数12】 ただし、ε≒0,Xsig は信号機の位置である。
【0059】速度規制環境の場合 V=V60
【0060】
【数13】 ただし、x≧X この場合、変位の項がないので、追従状態を表わす係数
aを掛ける。
【0061】
【数14】 ただし、NS = 0.7〜 1.0 。
【0062】実際の運動方程式は、上記のような環境を
含めて複数の環境を加えた次式で表わす。
【0063】 x”=a−{C(追従)+C(減速)+C(信号)+C
(規制)+・・・ }x’…(17)
【0064】次に、環境力方程式による計算例として、
信号停車を含む追従走行の場合を説明する。
【0065】上記環境力方程式(17)を用いて、規制速度
60km/h、信号機のある環境下で3台の車両x1
2 ,x3 が追従走行している時、3台の車両の計算式
は次のとおりである。
【0066】
【数15】
【0067】
【数16】
【0068】
【数17】 ただし、 ai =3Ti =2.5 ,ε=0.05, Li =2 (i=
1,2,3),SW =0(t≦40)及びSW = 10000
(t>40),Xsig =300 ,x10=200 ,x20=−100
,x'10 =20,x'20 = 20 ,x'30 = 30 ,x0
10000,x0'= 16.7 。
【0069】図2及び図3は、上記計算例の結果(コン
ピュータ3のRAM32に展開された運動方程式に従っ
て演算された目標速度y’及び目標加速度y”)を示
す。この場合、“車両1”を先頭に“車両2”と“車両
3”の合計3台の走行車両の速度の時間変化を示してい
る。
【0070】具体的には、時刻Aの点では“車両1”と
“車両2”との距離が200m、車両2と車両3との距
離は100mで、“車両1”,“車両2”,“車両3”
が、それぞれ速度72km/h,72km/h,108
km/hで走行している状態である。
【0071】先頭の車両1が減速して100m走行した
ところで停車し、それを感知して、車両2,3もそれぞ
れ減速する。時刻Bの点で車両3は車両2に追い付き、
指定された車間時間t30=2秒を置いて追従する。車両
2は、車両1の後ろに車間距離2mをとり、車両3は車
両2の後ろに3m置いて、停車寸前まで減速する。その
後、時刻Cの点で車両1が発進し、制限速度60km/
hまで加速する。車両2,3も追従して発進し、車両2
は時刻Dの点で車両1から適正車間の位置に落ち着き、
60km/hで追従走行する。車両3は、時刻E点の手
前で車両2から適正車間の位置に落ち着き、60km/
hで追従走行する。
【0072】この例では、本発明の自動運転制御装置を
装着した車両として、上記の“車両2”又は“車両3”
を考える。“車両2”の場合は、減速中の“車両1”に
追従してその後ろに止まる制御例となり、“車両3”の
場合は、前方を走る“車両2”に追い付き、しばらく追
従して前方の“車両2”の停車に合わせて停車し、更に
車両1の発車から60km/hの定常走行に合わせて、
車両2,3が追従する例となる。
【0073】設定値は、演算開始時に与えられる。パラ
メータV,L,t0 ,aが設定されない場合は、既定値
V=x’,L=3m,t0 =3sec ,a=2.5 m/s2
が与えられる。
【0074】この例では、図3の信号停止時の加速度波
形に見られるように、乗り心地の良いブレーキ操作が実
現されている。これは、環境Cを定数とみなすことがで
きる変化のゆるやかな範囲で、モデル式を微分すると、
【0075】
【数18】 となり、加速度の現在値に対する変化率が加速度によら
ず、一定値(−C)をとるので、加速度感が変化しない
ためである(Weber Fhechnerの精神物理学の法則)。こ
のモデルの運動が人間の感覚に良く合っていることを示
している。そのため、このモデル式を将来車両衝突防止
の安全運転システムに組み込んで車両を走らせた場合、
乗員に自然な加減速が保証される。
【0076】上記実施例は、速度とか速度の両方を目標
値として的確な運転制御を行うため、前述の運動方程式
(10)を用いた場合であるが、精度をこれより落とした制
御でも差し支えない場合は、目標値の発生を加速度y”
だけにしてもよい。その場合は、次のような簡単な代入
演算式が用いられる。
【0077】
【数19】 これは、式(10)においてy’をx’に置き換えた形にな
っているが、それだけでなく、微分方程式である式(10)
に対して、式(22)はリアルタイムで計測されるパラメー
タx’の値を代入すれば加速度y”を算出できるもので
あるから、演算処理も簡単で演算時間も短くて済む。
【0078】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、運転行
為のうちの精神的行為を力学運動に変える環境力を想定
して、運転者の特性と交通環境をパラメータとして折り
込める環境力方程式を考え、そのような環境力方程式と
して、代表的な交通環境に対して具体的な運動方程式を
作り、それらを組み合わせて用いることにより、一般的
な運転行為を再現することができる。従って、運転者が
リラックスしたなかで常に感じていなければならない前
方の交通状態変化に対する不安感がなくなる。
【0079】そして、本発明の装置は、制御対象の車両
を停車まで制御するので、実際に渋滞にはいって追突事
故を起こすこともなくなり、追突に対する安全性が確保
される。また、渋滞走行での煩わしさやいらいらも軽減
され、運転者にとって疲労も少なく精神的な安定も得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例装置の構成を示すブロック図。
【図2】実施例のコンピュータに格納された運動方程式
に従って演算された目標速度の出力例を示すグラフ。
【図3】実施例のコンピュータに格納された運動方程式
に従って演算された目標加速度の出力例を示すグラフ。
【符号の説明】
1…信号入力手段、2…パラメータ入力手段、3…コン
ピュータ、4…アクチュエータ、5…A/D変換器、6
…D/A変換器、11…車速センサ、12…レーダ1
2、21…速度設定部、22…停車時車頭距離設定部、
23…走行時車頭時間設定部、24…最大加速度設定
部、25…スタートスイッチ、26…ストップスイッ
チ、31…CPU、32…演算用メモリ、33…運動方
程式格納用メモリ、34…目標速度及び加速度演算用メ
モリ、35…前方車両速度及び加速度演算用メモリ、3
6,37…演算結果格納用メモリ、41…クルーズコン
トロール部、42…ブレーキコントロール部、51…エ
ンジン機構、52…ブレーキ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05D 13/62 G05D 13/62 G G08G 1/16 G08G 1/16 E (56)参考文献 特開 平5−310059(JP,A) 特開 平5−305839(JP,A) 特開 平6−227282(JP,A) 特開 平6−119599(JP,A) 特開 平2−303936(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 31/00 B60T 7/12 F02D 29/02 301 G05D 1/02 G08G 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に設けられる運転制御装置であって、 当該車両から前方の車両までの距離及び前方車両の速度
    を検知する車両探査手段と、 運転者の希望する運転状態のパラメータを入力する入力
    手段と、 前記車両探査手段で検知した距離及び速度と前記入力手
    段から入力されたパラメータとを入力とし、これらの入
    力の値に応じた目標速度又は目標加速度を目標値として
    演算する運動方程式に従って、前記入力手段により前記
    パラメータの設定値が与えられたとき前記入力の値から
    前記目標値を生成し、自車の速度又は加速度が該目標値
    に一致するように当該車両の加速又は制動装置を制御す
    る制御手段とを備え 前記運動方程式は次式で表わされる ことを特徴とする運
    転制御装置。 x”=a−C(X,V)x’ (x’,x”はそれぞれ変位xの一次微分、二次微分
    で、x’は速度、x”は加速度である。aは加速度定
    数、Cは環境条件を表わす関数、X,Vは環境での局所
    的な運動状態を表わすパラメータである。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の運転制御装置において、
    x’を自車の現在の速度としたとき、前記車両探査手段
    は、自車から前方車両までの距離αと、前方車両の速度
    (x’+α’)とを前記制御手段に入力し、 前記運動方程式は、設定目標速度をV、停止時の車間距
    離をL、個有車間時間をt0 としたとき、目標速度y’
    及び目標加速度y”を含む次式で表わされることを特徴
    とする運転制御装置。 【数1】 (εは0<ε<0.1 の範囲の小さな正数、p,qは 10
    以下の正数、Nk は 0.5<Nk ≦1.0 の範囲の正数)
  3. 【請求項3】請求項1記載の運転制御装置において、目
    標値を加速度y”だけとし、定常時の走行速度をV、停
    止時の車頭間距離をL、走行時の車頭間時間をt0 とし
    たとき、前記運動方程式は次式で表わされることを特徴
    とする運転制御装置。 【数2】 (εは0<ε<0.1 の範囲の小さな正数、p,qは 10
    以下の正数、Nk は 0.5<Nk ≦1.0 の範囲の正数)
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