JP2911264B2 - 広帯域フェライト電波吸収体 - Google Patents

広帯域フェライト電波吸収体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト焼結体によ
る広帯域の電波吸収体に関するものである。更に詳しく
述べると、フェライト焼結体中に空孔を5〜30体積%
の割合でほぼ均一に存在させることで、高い透磁率を維
持しつつ誘電率を低くし、それにより電波を広い周波数
帯域で吸収できるようにした電波吸収体に関するもので
ある。この広帯域フェライト電波吸収体は、主にノイズ
評価用電波暗室などで用いられる。
【0002】
【従来の技術】FCC(米国連邦通信委員会)、CIS
PR(国際無線障害特別委員会)等での放射ノイズ規制
の対象周波数帯は30MHz〜1GHzとなっており、各種
の電子機器からの放射ノイズを上記周波数帯にて測定す
る必要が増えている。この測定にはオープンサイト又は
電波暗室が用いられているが、最近では環境などの問題
(地面の影響や地形、周囲の建物などの影響の他、天候
によっては測定できない場合もある)のために電波暗室
の使用が増加している。この電波暗室は、電波の入射に
対して反射を起こさない電波吸収体で周囲を取り囲んだ
部屋である。
【0003】従来、電波暗室に用いる電波吸収体は、誘
電体のみを使用した形式、フェライトのみを使用した形
式、誘電体とフェライトとを積層した形式などがある。
ここで用いられるフェライトとしてはマグネシウム−亜
鉛系(Mg−Zn系)やニッケル−亜鉛系(Ni−Zn
系)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】誘電体のみからなる電
波吸収体では、波長に対して一定の厚みが必要であり、
100MHz以下の電波を吸収する場合、壁厚が増加し室
内有効容積が減少するため建物が大きくなってしまう欠
点がある。
【0005】従来のフェライト焼結体を利用した電波吸
収体は、フェライトの磁性損失のみを利用しており、そ
のため電波を吸収する帯域が狭い欠点がある。例えばV
HF帯で反射減衰量が15dB以上の優れた吸収特性を
示すフェライト焼結体は得られるが、電波暗室の規格の
30MHz〜1GHzの広帯域で15dB以上の反射減衰量
を得ることはできない。
【0006】そのため、一種類のフェライト材料で広い
周波数帯域にわたって優れた電波吸収特性を呈する吸収
体材料の開発が強く望まれていた。
【0007】本発明の目的は、上記のような従来技術の
欠点を解消し、電波吸収帯域が広いフェライト電波吸収
体を提供することである。
【0008】本発明は、フェライト焼結体中に空孔を5
〜30体積%の割合でほぼ均一に存在させ多孔質化する
ことにより、フェライト焼結体の誘電率を低下させて電
波を吸収する周波数帯域を拡大した電波暗室用の広帯域
フェライト電波吸収体である。フェライト材料として
は、主にニッケル−亜鉛系を用いるが、その他、銅−亜
鉛系(Cu−Zn系)やマグネシウム−亜鉛系なども用
いることができる。空孔率を5〜30体積%としたの
は、5%以下では従来の通常のフェライト焼成時の空孔
率と変わりないからである。また空孔率が大きすぎる
と、誘電率は下がり好ましいが、強度が低下するなど別
の不都合が生じるからである。
【0009】このような多孔質の広帯域フェライト電波
吸収体は、次の2通りの方法により製造できる。第1の
方法は、仮焼・粉砕後のフェライト粉体に、比較的低温
で融解・分解する添加物を加えて焼成する方法である。
ここで使用する添加物としては、通常、有機物を用いる
が、1000℃前後で分解するならば有機物でなくても
よい。例えばステアリン酸を用いる場合、フェライトに
対して3〜15重量%添加する。第2の方法は、フェラ
イトの通常の仮焼温度よりも10〜30%程度高い温度
で仮焼し、粉砕時間を短くして(通常の5〜50%程
度)、粒子サイズを大きくし、その仮焼粉体を用いて成
形し焼成する方法である。
【0010】上記の広帯域フェライト電波吸収体は、通
常、板状にして単独で使用するが、場合によっては誘電
体と多層に積層して使用することもできる。
【作用】
【0011】この電波吸収体は、フェライト焼結体がベ
ースであるから、高い透磁率が生じる。また空孔を存在
させることで、空孔中の空気の比誘電率は1であるか
ら、フェライト焼結体の誘電率が低下する。これらによ
って単にフェライトの磁性損失を利用するばかりでな
く、フェライトの低誘電率特性も利用することにより、
フェライト電波吸収体として電波吸収特性が広帯域化さ
れる。
【0012】融解・分解性の添加物を加える方法では、
乾燥もしくは焼成中にそれら添加物が分解除去され、そ
の添加物の大きさ並びに添加量に見合った空孔並びに空
孔率が得られる。また仮焼温度と粉砕時間を変える方法
では、それらによって焼結を制御でき、所望の空孔率が
得られる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係る広帯域フェライト電波
吸収体の一実施例を示す説明図である。フェライト焼結
体10中に空孔12を5〜30体積%の割合でほぼ均一
に存在させる。フェライト材質は、Ni−Zn系、Cu
−Zn系、Mg−Zn系などである。
【0014】同種のフェライト材料を用いて、従来の通
常のフェライト焼結体と本発明の多孔質フェライト焼結
体(空孔率は約30体積%)とを作製し、その特性を比
較した。まず電磁的特性は、従来のフェライト焼結体は
透磁率μ′=1500,誘電率ε′=15であるのに対
して、本発明の多孔質フェライト焼結体は透磁率μ′=
1500,誘電率ε′=8であり、透磁率は変わらない
が誘電率は半減することが分かる。また電波吸収特性の
測定結果を図2に示す。厚さ1cmの板状の上記2種のフ
ェライト焼結体を用いて、反射損失を測定した。破線で
示す従来のフェライト焼結体の場合は15dB以上の吸
収帯域が30〜400MHzと狭いのに対して、実線で示
す本発明の多孔質フェライト焼結体の場合は15dB以
上の吸収帯域が、低周波側は15MHzまで、また高周波
側は1GHz近くまで延び、吸収帯域が大きく拡がること
が分かる。
【0015】多孔質の広帯域フェライト電波吸収体を製
造する第1の方法としては、仮焼・粉砕後のフェライト
粉体に融解・分解性の添加物を加えて焼成する方法があ
る。この方法では、乾燥もしくは焼成中にそれら添加物
が分解除去され、その添加物の大きさ並びに添加量に見
合った空孔並びに空孔率が得られる。
【0016】ここでは比較的高い透磁率を有するフェラ
イト材料を用いた。フェライトの組成粉体(仮焼温度…
800℃、粉砕…湿式20時間)に各形状(球状あるい
は板状)のステアリン酸を3〜15重量%加えて混合
し、結合剤(PVAなど1重量%)を加えて造粒した。
そして約50℃で乾燥した後、整粒し、これを加圧成形
機を用い約1t/cm2 の圧力で板状に成形した。これを
1100〜1200℃で焼成した。これによって空孔率
が5〜30%の多孔質フェライト焼結体が得られた。
【0017】多孔質の広帯域フェライト電波吸収体を製
造する第2の方法としては、通常の仮焼温度よりも高い
温度で仮焼し、粉砕時間を短くすることにより粒子サイ
ズを大きくし、その仮焼粉体を用いて成形し焼成する方
法がある。この方法では焼結を制御でき、所望の空孔率
が得られる。
【0018】ここでは比較的低温で焼結するフェライト
材料を用いた。Cu−Zn系フェライトの組成粉体を、
通常の仮焼温度(約800℃)よりも100〜200℃
程度高めで仮焼を行い、これを短時間粉砕(湿式法で1
〜10時間)した。次に乾燥し、結合剤(PVAを1重
量%)加えて造粒し、乾燥後、整粒し、加圧成形機を用
いて約1t/cm2 の圧力で板状に成形した。そして約1
000℃で焼成した。これによって空孔率が5〜30%
の多孔質フェライト焼結体が得られた。
【0019】図3に仮焼温度及び粉砕時間と空孔率との
関係を示す。粉砕時間を1時間、5時間、20時間(通
常の粉砕時間)と変化させ、仮焼温度を900〜102
5℃の範囲で変えた試料について、1000℃で焼成し
た結果である。なお使用したフェライト材料はCu−Z
n系である。このグラフから、仮焼温度が高くなるほど
空孔率は高くなり、また粉砕時間が短くなるほど空孔率
は高くなる。なおこの組成の場合、仮焼温度が1035
℃以上になると、焼結に近づくため粉砕が出来なくな
り、30%の空孔率が上限となる。上記の方法によって
5〜30%の空孔率の多孔質フェライト焼結体が得られ
る。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記のような多孔質のフェライ
ト電波吸収体であるから、通常のフェライト焼結体に比
べて透磁率は殆ど変わらないが誘電率が低くなり、これ
によって電波吸収特性を広帯域化できる効果が生じる。
そのため単一材料でも電波暗室の規格をほぼ満たし得る
ような優れた電波吸収特性を呈する広帯域の電波吸収体
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る広帯域フェライト電波吸収体の一
実施例を示す斜視図
【図2】反射損失の周波数特性を示すグラフ
【図3】仮焼温度及び粉砕時間と空孔率との関係を示す
グラフ
【符号の説明】
10 フェライト焼結体 12 空孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−52300(JP,A) 特開 昭61−65499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト焼結体中に空孔を5〜30体
    積%の割合でほぼ均一に存在させ多孔質化することによ
    り、フェライト焼結体の誘電率を低下させて電波を吸収
    する周波数帯域を拡大したことを特徴とする電波暗室用
    広帯域フェライト電波吸収体。
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