JP2005268463A - 電波吸収体の製造方法 - Google Patents

電波吸収体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005268463A
JP2005268463A JP2004077502A JP2004077502A JP2005268463A JP 2005268463 A JP2005268463 A JP 2005268463A JP 2004077502 A JP2004077502 A JP 2004077502A JP 2004077502 A JP2004077502 A JP 2004077502A JP 2005268463 A JP2005268463 A JP 2005268463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave absorber
radio wave
sintered body
firing
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004077502A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Uchida
勝之 内田
Masami Sugitani
昌美 杉谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2004077502A priority Critical patent/JP2005268463A/ja
Publication of JP2005268463A publication Critical patent/JP2005268463A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 使用周波数帯における比透磁率が高い場合にも反射を抑制できる電波吸収体の製造方法を提供する。
【解決手段】 磁性体原料粉末を含有する成形体を成型する。成形体は、第1焼成工程において焼失する焼失材を含有している。次に、この成形体を焼成して焼結体を形成する(第1焼成工程)。焼失材が在った部分に空孔が形成される。次に、焼結体に、誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーを含浸させる。セラミックスラリーはガラスを含有している。次に、焼結体を焼成する(第2焼成工程)。第2焼成工程における焼成温度は、第1焼成工程における焼成温度より低く設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波の放射ノイズなどを吸収する電波吸収体の製造方法に関する。
従来より、電波吸収体として、特許文献1に記載のものが知られている。この電波吸収体は、フェライト焼結体中に空孔が5〜30体積%の割合でほぼ均一に存在し、多孔質化している。これにより、フェライト焼結体の透磁率を高く維持しながら誘電率を低下させ、電波を吸収する周波数帯域を拡大している。この広帯域電波吸収体は、主にノイズ評価用電波暗室などに用いられるものである。
しかし、フェライト焼結体が高透磁率かつ低誘電率であると、電波吸収体の特性インピーダンスは、低周波領域において、空気の特性インピーダンスに比べて非常に高い値となってしまう。このため、空気と電波吸収体との界面でのインピーダンスマッチングが悪い状態になり、反射が生じ、吸収効果が低下する。なお、特許文献1のように、電波暗室の外から侵入する電磁波を防ぐために、この電波吸収体を用いるのであれば、反射が大きくても問題とならない。
また、樹脂に磁性体粉末を混合した材料や、フェライトとガラスを混合した材料を用いて、電波吸収体を作製した場合には、低周波領域において透磁率の虚数部が急激に低下し、透磁率の損失成分も殆ど発現せず、電波吸収効果が低いという問題がある。
特開平5−55780号公報
そこで、本発明の目的は、使用周波数帯における比透磁率が高い場合にも反射を抑制できる電波吸収体の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る電波吸収体の製造方法は、
(a)磁性体原料粉末を含有する成形体を成型する成型工程と、
(b)成形体を焼成して焼結体を形成する第1焼成工程と、
(c)焼結体に、誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーを含浸させる含浸工程と、
(d)焼結体を焼成する第2焼成工程と、
を備えたことを特徴とする。
成形体は、第1焼成工程において焼失する焼失材を含有している。これにより、焼失材が在った部分に空孔が形成され、焼結体にセラミックスラリーを含浸させる作業が容易になる。
また、第2焼成工程における焼成温度を、第1焼成工程における焼成温度より低く設定することにより、第2焼成工程の焼成温度によって磁性焼結体の特性が変化するのを防止する。
また、誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーが、ガラスを含有していることを特徴とする。これにより、低温焼成可能な誘電体材料が得られる。
本発明によれば、電波吸収体の空孔内に高誘電率の誘電体材料を充填することによって、高い透磁率を維持したまま、誘電率を上昇させることができ、比透磁率と比誘電率の値を近づけられる。この結果、表面での反射が少なく、低周波領域から電波吸収効果の大きい電波吸収体が得られる。
以下、本発明に係る電波吸収体の製造方法の一実施例について添付の図面を参照して説明する。
図1は電波吸収体のフローチャートである。磁性体原料粉末には、比透磁率400のNiZnCuフェライト材料を用いた。この磁性体原料粉末は以下のようにして製作される。NiZnCuフェライト原料と所定量の酸化物原料とを混合して800℃の温度で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、平均粒径が約2μmのフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に、平均粒径が約15μmの球状ポリマーを56体積%添加し、溶媒、バインダー(結合材)、分散材を加えてボールミルで所望の時間混合を行う。ここに、球状ポリマーは、後述の第1焼成工程において焼失する焼失材である。得られたフェライトセラミックスラリーをドクターブレード法などを用いて、厚さが約100μmのフェライトセラミックグリーンシートを作製する。
次に、こうして得られたフェライトセラミックグリーンシートを積み重ねた後、プレス機にて圧着して、例えば、100×100mmで厚さが2mmの板状フェライト成形体を成型する(工程1)。
次に、工程2において、フェライト成形体を400℃の温度で脱バインダー処理を3時間行った後、950℃の温度で2時間焼成してフェライト焼結体を形成する(第1焼成工程)。このとき、フェライト成形体に含まれている球状ポリマーが焼失して、球状ポリマーが在った部分に空孔が形成される。
次に、工程3において、フェライト焼結体に、比誘電率が100の低温焼成誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーを含浸させる(含浸工程)。これにより、フェライト焼結体に形成されている空孔内に、低温焼成誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーが充填される。
次に、工程4において、フェライト焼結体を、第1焼成工程での焼成温度よりも低い焼成温度(本実施例の場合は900℃)で焼成し、低温焼成誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーを焼結する(第2焼成工程)。第2焼成工程の焼成温度を第1焼成工程の焼成温度より低くしているのは、第2焼成工程の焼成温度によってフェライト焼結体の特性が変化するのを防止するためである。従って、セラミックスラリーの誘電体材料には、磁性体原料より低い温度で焼結するものを採用することが好ましい。しかし、一般的に誘電体材料の焼結温度は1000℃を超えており、磁性体原料より高い。そこで、本実施例では、誘電体材料粉末(BaO−TiO2−NdO2/3系のセラミックス)にガラスを添加させることにより、低温焼成可能な誘電体材料としたものを用いている。こうして、電波吸収体が完成する。
上記と同様の材料及び製造方法でリング状のフェライト成形体(電波吸収体10、図2参照)を作成して比透磁率及び比誘電率を測定した。表1は測定した結果を示すものである(実施例参照)。表1には、比較例1として磁性体原料粉末に球状ポリマーを混練しないで電波吸収体を作製したもの(すなわち、通常のフェライト焼結体でできたもの)、並びに、比較例2としてフェライト焼結体に誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーを含浸しなかったものについての測定結果も記載している。
Figure 2005268463
また、図3の実線μ’,μ”はそれぞれ、リング状フェライト成形体の透磁率の実数部と虚数部の周波数特性を示すグラフである。図3には、比較のために、比較例1の電波吸収体の透磁率の実数部と虚数部の周波数特性を示すグラフも併せて記載している(点線μ’,μ”参照)。
ここで、一般に電波は、電波吸収体の透磁率の虚数部の数値が大きい程、損失が大きくなり、電波吸収体において熱として消費・吸収され易くなる。従って、低い周波数から大きな虚数部が得られることが好ましい。
フェライト焼結体の内部に空孔が形成されている電波吸収体10は、空孔が形成されていない電波吸収体に比べて透磁率は低下するものの、フェライト焼結体が本来有している特徴を維持した特性を有する。すなわち、透磁率の実数部および虚数部のそれぞれの数値は、フェライト焼結体の透磁率が同比率で低下したものとなる。このため、透磁率の虚数部は、低周波領域から増加する(図3の実線μ”参照)。
また、特性インピーダンスは、以下の式で表される。
Z(0)=377×(μr/εr)1/2
μr:比透磁率
εr:比誘電率
空気の比透磁率と比誘電率はそれぞれ1であるから、空気の特性インピーダンスはZ(0)=377Ωである。従って、電波吸収体10の特性インピーダンスを空気の特性インピーダンスに合わせるためには、電波吸収体10の比透磁率と比誘電率を等しい値にする必要がある。両者の特性インピーダンスを合わせれば、空気と電波吸収体10との界面での反射がなくなり、殆どのノイズが電波吸収体10に入射することになる。
電波吸収体10の空孔内に高誘電率の誘電体材料を充填することによって、高い透磁率を維持したまま、誘電率を上昇させることができ、比透磁率と比誘電率の値を近づけられる。この結果、表面での反射が少なく、低周波領域から電波吸収効果の大きい電波吸収体10が得られる。
表1や図3より、電波吸収体10は、30〜100MHz付近で空気の特性インピーダンスに近い値となる。このため、この周波数領域では、電波が殆ど反射することなく、電波吸収体10に入射することになる。
また、透磁率は周波数によって変化するが、誘電率は殆ど変化しないため、比透磁率と比誘電率が同一になる周波数を中心にして、電波吸収体10は空気との界面での反射が小さくなり、電波吸収効果が大きくなる。
そして、透磁率と誘電率の調整は、空孔の体積率および空孔に含浸する誘電体の誘電率を調整することによって可能であり、吸収したいノイズの周波数に合わせて調整すればよい。
また、数十MHzから1GHzの間で、比透磁率と比誘電率が同じ数値になる周波数を設定するのであれば、空孔体積率が30〜80体積%、空孔に含浸させる誘電体材料の比誘電率は20〜3000が好ましい。このとき、フェライト焼結体の比誘電率は15程度である。
空孔体積率が30体積%より少ない場合、電波吸収体10の内部の空孔へ誘電体材料が充分に含浸できないという心配がある。さらに、磁性体原料の比率が高くなり、磁性体原料の誘電率の影響により、電波吸収体10の誘電率を高くすることができない。このため、比透磁率と比誘電率を近付けることが困難になる。逆に、空孔体積率が80体積%を超える場合、空孔形成後のフェライト焼結体の機械的強度が低下して脆くなり、加工が困難になる。しかも、磁路が空孔によって分断され、フェライト焼結体の特性が本来の特性から大きく異なったものに変化してしまう心配がある。
また、誘電体材料の比誘電率が3000を超えると、電波吸収体10の比誘電率が比透磁率より大きくなってしまい、特性インピーダンスが377Ωから遠ざかってしまうからである。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、空孔体積率が30〜80体積%の範囲より低い場合や、フェライト焼結体の比透磁率がかなり高くなる周波数帯域で電波吸収体10を使用する場合には、さらに大きい比誘電率をもつ誘電体材料を含浸させる必要がある。
本発明に係る電波吸収体の製造方法の一実施例を示すフローチャート。 図1に示す製造方法で得られた電波吸収体の一実施例を示す斜視図。 透磁率の周波数特性を示すグラフ。
符号の説明
10…電波吸収体

Claims (4)

  1. 磁性体原料粉末を含有する成形体を成型する成型工程と、
    前記成形体を焼成して焼結体を形成する第1焼成工程と、
    前記焼結体に、誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーを含浸させる含浸工程と、
    前記焼結体を焼成する第2焼成工程と、
    を備えたことを特徴とする電波吸収体の製造方法。
  2. 前記成形体が、第1焼成工程において焼失する焼失材を含有していることを特徴とする請求項1に記載の電波吸収体の製造方法。
  3. 前記第2焼成工程における焼成温度が、前記第1焼成工程における焼成温度より低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電波吸収体の製造方法。
  4. 前記誘電体材料粉末を含有するセラミックスラリーが、ガラスを含有していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電波吸収体の製造方法。
JP2004077502A 2004-03-18 2004-03-18 電波吸収体の製造方法 Pending JP2005268463A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077502A JP2005268463A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 電波吸収体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077502A JP2005268463A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 電波吸収体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005268463A true JP2005268463A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35092708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004077502A Pending JP2005268463A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 電波吸収体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005268463A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009111197A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toda Kogyo Corp フェライト成形シート、焼結フェライト基板およびアンテナモジュール
US9394204B2 (en) 2007-03-07 2016-07-19 Toda Kogyo Corporation Molded ferrite sheet, sintered ferrite substrate and antenna module
JP2017194361A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 日本電信電話株式会社 誘電分光装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9394204B2 (en) 2007-03-07 2016-07-19 Toda Kogyo Corporation Molded ferrite sheet, sintered ferrite substrate and antenna module
JP2009111197A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toda Kogyo Corp フェライト成形シート、焼結フェライト基板およびアンテナモジュール
JP2017194361A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 日本電信電話株式会社 誘電分光装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106587987B (zh) C0g微波介质材料及制备方法及陶瓷材料的制备方法
JP2000077222A (ja) 多孔性複合磁性体及びその製造方法
JP5083558B2 (ja) ノイズ抑制シート
CN106187107A (zh) 一种高可靠ag特性微波介质材料及其制备方法
JP2005268463A (ja) 電波吸収体の製造方法
CN106316395B (zh) 一种高介电常数、高品质因子的微波介质陶瓷及制备方法
JP5812035B2 (ja) 誘電体磁器組成物、誘電体磁器および電子部品
EP2782436A2 (en) Radio wave invention
JP6242568B2 (ja) 高周波用圧粉体、及びそれを用いた電子部品
CN103951439B (zh) 微波介质陶瓷及其制备方法
JP6598809B2 (ja) 電波吸収体、その製造方法及び高周波モジュール
CN113387695A (zh) 一种5g通信用低介高品质微波介质陶瓷及其制备方法
JP6339324B2 (ja) 電波吸収体
JP4706837B2 (ja) Li系フェライト焼結体の製造方法及びLi系フェライト焼結体
JP5735163B1 (ja) 電波吸収体用導電性スラリー及び電波吸収体
JP6464660B2 (ja) 六方晶フェライト複合磁性体、及びこれを用いた高周波磁性部品
JP2003226579A (ja) 多孔質炭化ケイ素電波吸収体およびその製造方法
CN108530058A (zh) 一种具有负介电常数钛酸钡/钇铁石榴石复合陶瓷的制备方法
KR102402589B1 (ko) 다공성 바륨타이타네이트 폼을 포함하는 전자파 흡수체 및 이의 제조방법
JP3545438B2 (ja) Ni−Zn系フェライト粉の製造方法
JP5734590B2 (ja) 電波暗室用電波吸収体
JP2004111951A (ja) 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP6718144B2 (ja) 六方晶フェライト焼結体、及びこれを用いた高周波磁性部品
JP2911264B2 (ja) 広帯域フェライト電波吸収体
KR960002784B1 (ko) 광대역 전파흡수체