JP2910703B2 - H形鋼のローラ矯正方法及びその装置 - Google Patents

H形鋼のローラ矯正方法及びその装置

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JP2910703B2 JP30679596A JP30679596A JP2910703B2 JP 2910703 B2 JP2910703 B2 JP 2910703B2 JP 30679596 A JP30679596 A JP 30679596A JP 30679596 A JP30679596 A JP 30679596A JP 2910703 B2 JP2910703 B2 JP 2910703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H形鋼のウェブを
圧下することによって曲がりを矯正するH形鋼のローラ
矯正方法及びその装置に関し、特に、熱間圧延或いは溶
接により製造されたH形鋼の矯正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延或いは溶接で製造されたままの
H形鋼は、全体若しくは局部的に曲がりとか反りを生じ
ているために、冷間で真直に矯正した後出荷されるのが
普通である。冷間矯正方法としては、プレス矯正による
か、或いはローラ矯正による場合が多いが、前者では矯
正前の形状を見ながら押金具によって適宜に変形を加え
るので、能率が悪く大量生産に向かない。これに対し
て、後者(ローラ矯正法)は、多数のローラによりH形
鋼に繰り返し曲げを与えることによって真直にする方法
であり、能率がよく、工場ではオンライン設備として設
置し、使用されている。
【0003】図11及び図12は、従来のローラ矯正法
における矯正用のローラとH形鋼との接触状態を一部取
り出して示して図示したものである。これらの図に見ら
れるように、従来のローラ矯正機の負荷方式には、図1
1に示されるようにH形鋼1のウェブ3の面がローラ4
の外周面によって負荷されるウェブ圧下方式と、図12
に示されるようにH形鋼1のフランジ3の端面がローラ
5の外周面によって負荷されるフランジ圧下方式の2種
類のものがある。しかし、いずれの圧下方式を採用する
にせよ、以下に述べるような問題点を避けることはでき
ない。
【0004】すなわち、ウェブ圧下方式の欠点は、ウェ
ブ板厚に比べてフランジ幅の広いH形鋼の場合には、ロ
ーラ4による負荷がウェブ3の撓みに変換され、フラン
ジ2に十分な曲げ変形が起こらないばかりか、ローラ2
とウェブ3の局部的な接触部のみが塑性変形して、ひど
いときにはフランジ2とウェブ3との付け根(以下フィ
レット部という)にクラックを生ずることさえある、と
いうことである。特公昭57−61488号公報は、こ
のような局部変形を押さえるために、ウェブ3を押さえ
るロールの形状を工夫しようというものであるが、より
薄いウェブ厚の製品が求められている状況から考え、こ
のような方法では本質的な問題の解決となりえない。
【0005】また、フランジ圧下方式の欠点は、フラン
ジ幅が広く、大きな曲げ荷重を必要とする場合には、ロ
ーラ5と接触しているフランジ2の端面がつぶれてしま
い、フランジ2の幅が大幅に減少することである。この
ような問題点は、特公昭56−40646号公報、特開
昭53−141158号公報等に提案されているよう
に、ローラ5の間隔の増大による荷重低減、ローラ5の
径の拡大によるローラ5とフランジ3との接触面積の増
加によってある程度は軽減されるが、このような手段で
は、必然的に設備の大型化、建設費の上昇をもたらすば
かりでなく、ローラ5の間隔を大きくすれば、H形鋼両
端の矯正不能部の長さも長くなるので、これらの手段も
自ずと限界があることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、ウェブ圧
下方式及びフランジ圧下方式のいずれにしても、断面の
大きなH形鋼を有効に矯正し得ないことは明らかである
が、止むを得ずウェブ圧下方式を採用しているのが現状
である。なお、上記2方法の欠点を解決すべく、図13
に示されるように(例えば特公昭57−11728号公
報)、フランジ2とウェブ3とをローラ4,5により同
時に圧下する方法が提案されているが、この方法も、フ
ランジ2とウェブ3とに分配する荷重の設定が難しく、
ウェブ3の高さも拡がり、フランジ2の足先もつぶれて
しまう虞があることと、機構が複雑になること、ウェブ
厚がより減少すれば、前述の問題点が露呈することは必
至である。
【0007】また、特公昭56−45684号公報で
は、フランジ圧下時のフランジにかかる面圧を下げるた
めに、かなり巧妙な方法を提案しているが、この方法で
は、フランジに接触する部分の周速が異なるため、フラ
ンジの倒れ方向に、変形が誘起されること、フランジに
接触を開始する部分とフランジの接触から抜ける部分の
荷重が高くなること、及び矯正機としては、H形鋼専用
機となってしまう等の問題点がある。
【0008】また、特開平4−59124号公報では、
ウェブ圧下矯正に竪ロールを設けフランジを拘束するこ
とによって、ウェブの曲げ剛性をあげ、その変形を抑え
ることによって、ウェブの局部変形等を解決しようとし
ているが、現状の矯正においても、上下曲がりを矯正す
るような大きな圧下力をウェブに負荷する場合には、実
際にはフランジはウェブ圧下ロールによって、図6に示
されるように拘束を受けており(図の丸印の個所参
照)、この装置では、ウェブの曲げ剛性は殆ど通常の方
法と変化がないことになる。従って、竪ロールによって
フランジの動きを単に拘束するだけでは、従来の方法に
比べH形鋼の変形上大きな違いはなく、ウェブの高さ変
化を抑えることができず、従来からあった問題点を解決
することは不可能である。
【0009】また、従来の方法におけるもう一つの大き
な問題は、フランジの倒れ、傘折れに対してそれを有効
に矯正することができないと言う点である。上記の特開
平4−59124号公報、特開昭56−30027号公
報、特開昭56−119624号公報等においては、竪
ロールによる押圧がフランジの倒れ、傘折れに効果があ
るとしているが、いずれも矯正の原理に基づいていない
ために、有効な矯正方法とは言えない。
【0010】この点を解決するための方法が特開平8−
215753号公報において提案されている。この方法
では、水平ロール及び竪ロールにそれぞれテーパをつけ
て、フランジに繰り返し曲げを与え、フランジの倒れ・
傘折れを矯正しようとしている。凸ロール・凹ロールを
繰り返し設けた場合のフランジ部の変形挙動を模式的に
示したのが図14である。#2スタンドの凹ロールにて
フランジは内側に倒れる。次の#3スタンドでは上側の
フランジは水平ロールにより外側に開かれるが、下側の
フランジには外側へ倒す力がほとんど働かないため、内
側への倒れが残ったままの懸念がある。これを最終スタ
ンドまで繰り返すと、上側のフランジは繰り返しの倒れ
変形が充分に与えられ、倒れ変形は矯正されるが、下側
のフランジは外側への倒れ変形が小さく、倒れ変形の矯
正効果は不充分である。
【0011】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたものであり、H形鋼の上下曲がりを矯正し、ウ
ェブ高さ変化を抑制し、フィレット部の割れを低減さ
せ、且つ、フィレッ部の残留応力を低減させるととも
に、フランジ倒れ、傘折れに対しても矯正効果が大きい
H形鋼のローラ矯正方法及びその装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、H形
鋼に上下の繰返し曲げを与えながらフランジに断面内で
倒れの曲げを与えてフランジに歪みを発生させることに
により、上記の問題点を解決している。更に、竪ロール
を用いてフィレット部に圧縮応力を負荷することにより
更に大きな効果を得ている。即ち、本発明は次の構成か
らなる。
【0013】(1)本発明の一つの態様に係るH形鋼の
ローラ矯正方法は、H形鋼の進行方向に沿って上下に交
互に配置された水平ロールによりH形鋼のウェブを圧下
することによって該H形鋼にフランジ幅方向の曲げを与
え、且つ、水平ロールの外側面でフランジを開き、水平
ロールに対応して配置された竪ロールによりフランジを
閉じることによって該H形鋼のフランジに断面内で倒れ
の曲げを繰返し与える。 (2)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正方法
は、H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に配置された
水平ロールによりH形鋼のウェブを圧下することによっ
て該H形鋼にフランジ幅方向の曲げを与え、水平ロール
の外側面でフランジを開き、水平ロールに対応して配置
された竪ロールによりフランジを閉じることによってH
形鋼のフランジに断面内で倒れの曲げを与え、且つ、竪
ロールによりフィレット部に圧縮応力を与える。 (3)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正方法
は、上記(1)(2)の矯正方法において、水平ロール
の外側面によるフランジの開きを下流に行くに従って小
さくして収束させる。 (4)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正装置
は、H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に配置され、
H形鋼のウェブを圧下することによりH形鋼にフランジ
幅方向の曲げを与え、また、外側面でH形鋼のフランジ
に断面内で倒れの曲げを与える機能を有する水平ロール
と、H形鋼のフランジに断面内で倒れの曲げを与える機
能を有する竪ロールとを備えたものである。 (5)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正装置
は、H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に配置され、
外側面にテーパーが設けられ、H形鋼のウェブを圧下す
ることにより該H形鋼に曲げを与え、そして、外側面の
テーパーによりH形鋼のフランジに断面内で倒れの曲げ
を与える水平ロールと、H形鋼のフランジに断面内で倒
れの曲げを与えるとともに、フィレット部に圧縮応力を
与えるテーパー付き竪ロールとを備えたものである。 (6)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正装置
は、上記(4(5)の矯正装置において、水平ロール及
び竪ロールのテーパーの角度を下流に行くに従って小さ
くして収束させる。
【0014】次に、本発明の作用を説明する。図1は本
発明の基本構成を示した構成図である。同図(a)はそ
の側面図、同図(b)はその正面からみた動作説明図で
あり、同図(c)は平面図である。この矯正装置におい
ては、H形鋼1の進行方向に沿ってウェブを押圧する1
対の水平ローラ10が上下交互に配置されており、そし
て、その1対の水平ローラ10に対応して1対の竪ロー
ル20がそれぞれ設けられている。水平ローラ10の外
側面部には図示のようにテーパーが設けられており、そ
のテーパーは中心側に傾斜している。竪ロール2につい
てもその側部にテーパーが設けられており、そのテーパ
ーは、上部の水平ロール10に対応するものについては
下方に対して直径が拡大するように傾斜し、下部の水平
ロール10に対応するものについては下方に対して直径
が縮小するように傾斜している。
【0015】この矯正装置は、水平ロール10による圧
下により上下への曲げを加えながら、水平ロール10の
外側面に設けられたテーパーによりH形鋼1のフランジ
2を開き、次のスタンドにて竪ロール20によってH形
鋼のフランジ2を閉じるという処理を繰返していく。こ
れにより、フランジ2へ充分な塑性歪みを与え、フィレ
ット割れを起さない矯正が可能になっている。更に、竪
ロール20によりフィレット部に圧縮応力を負荷するこ
とによりウェブ高さ変化がなく、フィレット割れを起さ
ない矯正が可能になっている。なお、図1の構成におい
ては、全スタンドにテーパーを備えた水平ローラ10及
び竪ローラ20を配置した例を示しているが、必ずしも
全スタンドに設ける必要はない。負荷の大きい前段部分
のみに設置されていればその効果を発揮することができ
る。
【0016】図2は繰り返し曲げによって形状を矯正す
るときの基本原理を示した説明図である。この繰り返し
曲げによって初期の形状がいかなるものであっても、形
状を直すことができる。例えば初期の形状がκ01、κ02
(これらの形状は互いに反対方向の曲がり或いは倒れで
ある)、κ03(κ01と同方向で形状の程度が違う)のい
ずれに対しても、κ1、κ2、κ3、κ4の繰り返し曲
げを与えてやれば、形状は0点に収束する。初期の形状
κ01の例についてみると、±の曲げモーメントを加える
ことにより、図の実線のような履歴をとおって最終形状
が0点、即ち歪みがない状態に収束していることが分か
る。初期のκ02、κ03についても同様である。
【0017】上記の矯正の原理に鑑みて、次の4点の問
題意識を得た。 上下曲りの矯正のための繰り返し曲げの初期段階で
は、大きな塑性変形を与えなければならないために、従
来法のウェブ圧下方法では、ウェブに負荷される圧下力
が大きくなりウェブ高さが変化したり、フィレット部に
割れが入ったりする不都合が引き起こされる。より大き
な塑性変形を与えるためにはウェブ圧下の他に別のモー
ドで変形を与える必要がある。 上下曲がりの矯正のための繰り返し曲げの初期の段階
では、大きな曲げモーメントを与えなければならないた
めに、従来法のウェブ圧下方法では、ウェブに負荷され
る圧下力が大きくなりウェブ高さが変化したり、フィレ
ット部に割れが入ったりする不都合が引き起こされる。
図10は従来法であるウェブ圧下方法でのH形鋼断面に
おける応力状態を示した図である。ウェブはロール曲げ
によって圧縮と引張りの応力がかかり、フィレット部に
も同様の応力がかかっている。フランジにはこのウェブ
を押すことによって曲げが加わり、足先に長手方向それ
ぞれ圧縮・引張応力がある。ウェブの高さが変化した
り、フィレット部に割れが入ったりする原因は、この引
張応力が主因であるから、これを何らかの形で低減させ
る必要がある。 様々な程度のフランジの倒れ・傘折れを上記矯正の基
本原理にのっとって矯正する方法及び装置が提案されて
いない。 フィレット部は熱間圧延でH形鋼の形状を仕上げ、冷
却過程で一番最後に冷え、大きな引張りの残留応力が残
っているところである。
【0018】そして、発明者は上記の4点に対して以下
の方法が有効であるとの知見を得た。上記のに対して
は、フランジ2を断面内で曲げることにより、図3に示
されるように、フランジ足先(フランジ先端)とフラン
ジ中心に軌跡長の差が生じフランジ先端には歪が発生す
る。この歪に、上下方向への曲げによる歪みが重ね合わ
さり、フランジへの塑性歪量が大きくなることを見いだ
した。上記のに対しては、ウェブ高さ変化及びフィレ
ット部の割れが引張応力によるものだとの認識から、こ
れを低減させるためには、積極的にフィレット部に圧縮
応力を与える必要がある。水平ロールの外側面にテーパ
ーを付けそれに対応したテーパー角度を持った竪ロール
との組み合わせにより、フィレット部に圧縮応力を有効
に負荷できることが分かった。
【0019】図4はこのときの応力状態を示す図である
が、フィレット部に対する圧縮応力によりフィレット部
の有害な引張応力が弾性範囲内に減少させられているこ
とが分かる。このときのテーパー角度θ1,θ2は、図
5に示されるとおりであるが、上記のことからフィレッ
ト部に積極的に圧縮応力を加えるためには、θ2>θ1
であることが望ましい。
【0020】上記のに対しては、フランジに図1
(c)の配置に示されるように、繰り返し曲げを付与す
ることが必要である。図4はこのときの応力状態を示し
ているが、フランジ2に繰り返し曲げによってフランジ
2に塑性変形が加わっていることが分かる。フランジ2
の繰り返し曲げのための竪ロール20と水平ロール10
との組み合わせは、順次そのテーパー角度を0度に収束
させていく。また、最終段の水平ロール10はウェブ3
の押込を行うと、ウェブ3が曲げられフランジ2への直
角度に影響を及ぼすので、望ましくはウェブ3を圧下せ
ずに水平ロール10と竪ロール20のピンチのみによっ
てフランジ2の直角度を実現する。この角度の収束は、
上記に対しても上下曲げの大きいところでは、積極的
にフィレット部に圧下が加わり、後段の上下曲げの小さ
いところでは、フィレット部の圧下が小さくてすむとい
う風に適合するものである。上記のに対しては、上記
ののフィレット部の圧下が残留応力低減に対しても有
効である。
【0021】ところで、上記の水平ロール10と組み合
わせてフランジ2に繰り返し曲げを与えながらかつフィ
レット部に圧縮応力を付加する竪ロール20の設置間隔
や個数は、従来の水平ローラ(ウェブ圧下ローラ)の各
段に対応してそれぞれ設置することが望ましく、駆動・
無駆動どちらでもその効果を発揮するものである。ま
た、負荷の大きい前段部分のみに本発明の水平ロール1
0とそれと組み合わせた竪ロール20との組みを設け、
後段部分は、通常のフランジ2又はウェブ3のローラ矯
正という構成を採用してもよい。もちろん、片持ち式、
両持ち式矯正機両方に適用可能である。そして、本発明
に係る矯正装置に正しく挿入するためのガイド、竪ロー
ラ組の間隔調整装置、垂直位置調整装置、及び駆動装置
を適宜敷設することによって、各種断面寸法のH形鋼の
連続的・効果的な矯正が可能となる。
【0022】なお、ここでは、水平ロールの外側面と竪
ロールの形状をそれぞれテーパーとしたが、これはフラ
ンジに繰り返し曲げを与え、かつフィレット部に圧縮応
力を与え得る形状であればどんなものでもよい。例え
ば、この形状としては放物線とか三角関数とかが考えら
れるが、必ずしも数学的に記述できる関数を用いるもの
でなくてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態1.)図7は本発明の一実施形態に係るH形
鋼のローラ矯正装置の構成を示した図であり、同図
(a)及び(b)の構成のものが交互に配置される。こ
の実施形態においては、竪ロール20でフランジ2を押
圧するための機構として、油圧シリンダ30を設けてい
る。表1は被矯正材寸法及び矯正機の仕様を示した表で
ある。また、表2は従来ウェブ矯正法と比較したインタ
ーメッシュ及びフランジに倒れの変形を起すためのテー
パ角度の組合せ、圧下設定を示した表である。表3は表
1及び表2の条件における本発明法の矯正効果を従来法
と比較したものである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】従って、本実形態による矯正によれば、矯
正効果が向上していることがわかる。なお、表3におい
て、矯正効果とは、 矯正効果=矯正後形状評価量/矯正前形状評価量 である。このことは、後述する表6及び表9においても
同様である。
【0028】(実施形態2.)本実施形態は、竪ロール
20によりフィレット部へ圧縮応力を負荷した例であ
る。表4は矯正材寸法及び矯正機の仕様を示した表であ
る。また、表5は従来のウェブ矯正法と比較したインタ
ーメッシュ及びフランジに倒れの変形を起すためのテー
パー角度の組合せ、及びフィレット部に圧縮力を負荷す
るための圧下設定を示した表である。表6は本発明の矯
正効果を従来法と比較したものである。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】従って、本発明による矯正によれば、従来
のウェブ圧下法に比較して、ウェブ高さ変化がなくなっ
ていることが分かる。また、従来法ではほぼ全数にフレ
ット割れが見られたが、本発明法では見られておらず、
より効果的な矯正が行われていることが分かる。
【0033】(実施形態3.)本実施形態においては大
きな曲げが与えられる入側5スタンドのみに竪ロールを
設置した。表7は矯正材寸法及び矯正機の仕様を示した
表である。また、表8は従来のウェブ矯正法と比較した
インターメッシュ及びフランジに倒れの変形を起すため
のテーパ角度の組合せ、及びフィレット部に圧縮力を負
荷するための圧下設定を示した表である。表9は本発明
の矯正効果を従来法と比較したものである。
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】従って、本発明による矯正によれば、従来
のウェブ圧下法に比較して、ウェブ高さ変化がなくなっ
ていることがわかる。また、従来法では全数にフィレッ
ト割れが見られたが、本発明法では見られておらず、よ
り効果的な矯正が行われているこがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ウェブ圧
下によりH形鋼にフフランジ幅方向の曲げを与えつつ、
フランジに倒れの塑性変形を繰り返し与えてウェブ高さ
方向の曲げを繰り返し与えてH形鋼を矯正するようにし
たので、H形鋼の上下曲りが矯正される。また、竪ロー
ルの押圧力によってフィレット部に圧縮応力を負荷する
ことにより、ウェブ高さ変化が抑制され、フィレット部
の割れが低減し、フィレット部の残留応力が低減され、
フランジ倒れ・傘折れに対しても大きな矯正効果が得ら
れる。従って、生産性を落としてプレスで矯正しいてた
H形鋼を効率的に形状矯正ができ、製品品質が向上する
といった優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を示す構成図であり、
(a)はその側面図、(b)はその正面動作説明図、
(c)は平面図である。
【図2】本発明にける繰り返し曲げによる形状矯正の原
理を示した説明図である。
【図3】本発明におけるフランジ足先への歪導入原理を
説明した図である。
【図4】本発明において竪ロールによる圧縮力の負荷に
よって変わる応力状況を示す説明図である。
【図5】本発明法における水平ロールのテーパー角度及
び竪ロールのテーパー角度の定義を示した説明図であ
る。
【図6】従来法におけるフランジの拘束状況を示した説
明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るH形鋼の矯正装置の
構成を示した図である。
【図8】本発明の竪ロール圧下によるウェブ高さの変化
を示した特性図である。
【図9】本発明の竪ロール圧下によるフィレット部の硬
度分布の変化を示した特性図である。
【図10】従来の矯正法における応力状態を示した図で
ある。
【図11】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
1)の説明図である。
【図12】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
2)の説明図である。
【図13】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
3)の説明図である。
【図14】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
4)において、凸ロール・凹ロールを繰り返し設けた場
合のフランジ部の変形挙動を模式的に示した図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−285721(JP,A) 特開 昭62−68624(JP,A) 特開 昭57−137028(JP,A) 特開 平4−59124(JP,A) 実開 昭50−131344(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 3/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に
    配置された水平ロールにより該H形鋼のウェブを圧下す
    ることによって該H形鋼にフランジ幅方向の曲げを与
    え、且つ、該水平ロールの外側面でフランジを開き、前
    記水平ロールに対応して配置された竪ロールによりフラ
    ンジを閉じることによって該H形鋼のフランジに断面内
    で倒れの曲げを繰返し与えることを特徴とするH形鋼の
    ローラ矯正方法。
  2. 【請求項2】 H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に
    配置された水平ロールにより該H形鋼のウェブを圧下す
    ることによって該H形鋼にフランジ幅方向の曲げを与
    え、該水平ロールの外側面でフランジを開き、前記水平
    ロールに対応して配置された竪ロールによりフランジを
    閉じることによって該H形鋼のフランジに断面内で倒れ
    の曲げを与え、且つ、前記竪ロールによりフィレット部
    に圧縮応力を与えることを特徴とするH形鋼のローラ矯
    正方法。
  3. 【請求項3】 前記水平ロールの外側面によるフランジ
    の開きを下流に行くに従って小さくして収束させること
    を特徴とする請求項1又は2記載のH形鋼のローラ矯正
    方法。
  4. 【請求項4】 H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に
    配置され、H形鋼のウェブを圧下することにより該H形
    鋼にフランジ幅方向の曲げを与え、また、外側面で該H
    形鋼のフランジに断面内で倒れの曲げを与える機能を有
    する水平ロールと、該H形鋼のフランジに断面内で倒れ
    の曲げを与える機能を有する竪ロールとを備えたことを
    特徴とするH形鋼のローラ矯正装置。
  5. 【請求項5】 H形鋼の進行方向に沿って上下に交互に
    配置され、外側面にテーパーが設けられ、H形鋼のウェ
    ブを圧下することにより該H形鋼に曲げを与え、そし
    て、外側面のテーパーにより該H形鋼のフランジに断面
    内で倒れの曲げを与える水平ロールと、H形鋼のフラン
    ジに断面内で倒れの曲げを与えるとともに、フィレット
    部に圧縮応力を与えるテーパー付き竪ロールとを備えた
    ことを特徴とするH形鋼のローラ矯正装置。
  6. 【請求項6】 前記水平ロール及び前記竪ロールのテー
    パーの角度を下流に行くに従って小さくして収束させる
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のH形鋼のローラ
    矯正装置。
JP30679596A 1996-11-18 1996-11-18 H形鋼のローラ矯正方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2910703B2 (ja)

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