JP2910484B2 - エレクトレット不織布の製造方法 - Google Patents
エレクトレット不織布の製造方法Info
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Description
は、空気中の微粒子を効率良く除去するエアフィルター
やマスク、あるいは防塵性の帽子、衣料、靴カバー、さ
らに清掃用のワイパーなどに用いられる。
織布を製造する方法は、既に公知であり、特開昭53−
40073号公報、特公昭56−47299号公報、特
開昭62−126621号公報、特開平1−27286
5号公報などで開示されている。
生機が単にエレクトレット化の手段として用いられてい
るだけであり、高帯電量を有し、かつ安定なエレクトレ
ットを得る方法としては未だ不十分であった。
で得られたエレクトレット不織布では、帯電量が低いた
め空気中の微粒子の除去性能が低い、帽子、衣料、靴カ
バーに用いても充分に発塵を抑えられない、帯電電荷の
安定性が悪いため長時間にわたる使用ができない、耐熱
性が悪いといった課題があった。
されたエレクトレット不織布の課題を解決する方法を鋭
意検討した結果、エレクトレット化処理に際し電気的に
正のコロナイオンを用い、コロナ発生機まわりの雰囲気
の絶対水分量を0.006(kg水蒸気/kg乾きガス)以
上に制御して行うと、エレクトレットの帯電量が飛躍的
に向上し、またその安定性も改善されることを見出し
た。
オンを用いてエレクトレット不織布を製造するに際し
て、コロナ発生機まわりの雰囲気中の絶対水分量を0.
006(kg水蒸気/kg乾きガス)以上に制御してエレク
トレット化処理を行うことを特徴とするエレクトレット
不織布の製造方法である。
ット不織布の帯電量が飛躍的に向上する理由を以下に説
明する。エレクトレットの帯電量は、如何に多くのイオ
ンをそのトラップサイトに打ち込むかで決まる。コロナ
発生機を用いたエレクトレット化は、針、ワイヤー、ナ
イフエッジ等に高電圧を印加してそのまわりの気体をイ
オン化し、これを被エレクトレット体に打ち込む操作で
行われるが、従来技術においてはこの気体のイオン化を
全く制御していないため、イオンの発生量が不十分であ
った。そこでコロナイオンを大量に発生させる方法を検
討した結果、正のコロナイオンの実体が下記一般式 H+ ( H2 O)n (nは自然数) で示されるものであることが判明し、コロナ発生機まわ
りの絶対水分量を制御することで正のコロナイオンの発
生を大幅に増大できることを見出した。
た様な高濃度の正のコロナイオンを得てエレクトレット
化を行うので、エレクトレットの帯電量が飛躍的に向上
するのである。
クトレット化を行うと、エレクトレットの安定性も飛躍
的に改善されることがわかった。その理由は明らかでは
ないが、コロナイオンが従来技術では得ることのできな
い程の高濃度であるために、コロナイオンがエネルギー
的に深くトラップされるためと推察される。
としては0.006(kg水蒸気/kg乾きガス)以上が好
ましく、特に0.013から0.035(kg水蒸気/kg
乾き空気)の範囲が好ましい。その理由は、雰囲気の絶
対水分量が0.006(kg水蒸気/kg乾きガス)未満で
あるとコロナイオンの発生量が極端に減少しエレクトレ
ットの帯電量が急激に減少するためであり、尚上限は特
に定めないが、0.035(kg水蒸気/kg乾きガス)を
超えると、コロナ発生機から火花放電が起こり易くなっ
て安定したエレクトレット化処理ができなくないことが
ある。本発明でいう絶対水分量は、数1および数2から
求まる値をいう。
Hg)、RH%は気体の相対湿度である。
は特には限定しないが、空気、窒素、ヘリウム、アルゴ
ンなどが好ましい例であり、この雰囲気気体中を本発明
で規定した絶対水分量にすれば良い。また、該気体の温
度も特に限定しないが、省エネルギーの観点から通常の
外気温度で充分である。尚敢えて好適温度を示すなら
ば、0〜50℃が好ましく、10〜40℃が更に好まし
い領域である。
は、一般に用いられているコロナ発生機で充分であり、
特に限定されるものではないが、針、ワイヤー、ナイフ
エッジ等がコロナ電極として好ましい例である。
造方法を用いてエレクトレット化処理を行うことが必要
にして共通の要件であり、その他の事項は特定されな
い。従って例えば繊維集合体、いわゆる不織布を公知の
技術で直接エレクトレット化しても良く、繊維をエレク
トレット化後不織布化しても良く、フィルム状でエレク
トレット化処理し、これを繊維状に解繊した後不織布化
しても良い。ただし、不織布を直接エレクトレット化す
る場合は、効率的にエレクトレット化を行う観点から、
目付としては200g/m2以下が好ましく、100g/
m2以下が特に好ましい。また、フィルム状でエレクトレ
ット化した後、解繊・不織布化する場合は、フィルムの
解繊性の観点およびフィルムの帯電量を高くする観点か
らフィルムの厚みは20μm以下が好ましい。
ては、高絶縁性で撥水性を有する物質が望ましく、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、その他各種α−ポリオレフ
ィンなどのオレフィン系ポリマー、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリフッ化ビニリデン、テフロン、ポリカー
ボネート、ポリサルホン、ポリアクリロニトリル、ポリ
塩化ビニリデンなどの合成樹脂、それらの2種以上の共
重合体やブレンド組成物などが挙げられるが、中でも高
絶縁性・撥水性の観点からはポリプロピレンやα−ポリ
オレフィンなどのオレフィン系ポリマーが最も好まし
い。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
繊維径2.0μm、目付30g/m2、厚み0.3mm)を用
いた。雰囲気の気体は34℃の空気とし、その絶対水分
量を0.031(kg水蒸気/kg乾きガス)に調整した後、
該不織布を、半導体シートを敷いたアース板上に置き、
アース板の上方1cmに設置した針電極(春日電気(株)
製 帯電電極)に+20kVの直流高電圧を印加し、コ
ロナ正イオンを発生させ10秒間エレクトレット化処理
した。
繊維径2.0μm、目付30g/m2、厚み0.3mm)を用
いた。雰囲気の気体は22℃の空気とし、その絶対水分
量を0.013(kg水蒸気/kg乾きガス)に調整し後、該
不織布を実施例1と同じ条件でエレクトレット化処理し
た。
(平均繊維径2.8μm、目付40g/m2、厚み0.3m
m)を用いた。雰囲気の気体は32℃の窒素とし、その
絶対水分量を0.025(kg水蒸気/kg乾きガス)に調整
した後、該不織布を実施例1と同じ条件でエレクトレッ
ト化処理した。
繊維径12μm、目付70g/m2、厚み0.8mm)を用い
た。雰囲気の気体は26℃の空気とし、その絶対水分量
を0.026(kg水蒸気/kg乾きガス)に調整した後、該
不織布を実施例1と同じ条件でエレクトレット化処理し
た。
繊維径20μm、目付100g/m2、厚み1.2mm)を用
いた。雰囲気の気体は15℃の空気とし、その絶対水分
量を0.008(kg水蒸気/kg乾きガス)に調整した後、
該不織布を実施例1と同じ条件でエレクトレット化処理
した。
(厚み50μm)を、130℃の熱板上にて8倍の延伸
倍率で一軸延伸し、厚み12μmの延伸フィルムとし
た。雰囲気の気体は28℃の空気とし、その絶対水分量
を0.018(kg水蒸気/kg乾きガス)に調整した後、該
フィルムをアース板上に置き、アース板上方1cmに設置
した針電極に+20kVの直流高電圧を印加し、コロナ
正イオンを発生させ10秒間エレクトレット化処理し
た。さらに該フィルムを解繊機で引き裂き、微細繊維状
にし、ニードルパンチングにより不織布化した。該不織
布の目付は100g/m2、厚みは0.30mm、平均の繊維
巾は28μmであった。
ス)とする以外は、実施例1と全て同じ条件でポリプロ
ピレン不織布をエレクトレット化処理した。
ス)とする以外は、実施例2と全て同じ条件でポリプロ
ピレン不織布をエレクトレット化処理した。
ス)とする以外は、実施例3と全て同じ条件でポリプロ
ピレン不織布をエレクトレット化処理した。
ス)とする以外は、実施例4と全て同じ条件でポリプロ
ピレン不織布をエレクトレット化処理した。
ス)とする以外は、実施例5と全て同じ条件でポリプロ
ピレン不織布をエレクトレット化処理した。
ス)とする以外は、実施例6で全て同じ条件でポリプロ
ピレンフィルムをエレクトレット化処理し、不織布化し
た。
レット不織布を以下の方法で評価し比較した。結果を表
1に示す。
い、図1に示す粒子捕集効率測定器により行った。エレ
クトレット不織布3はダクト2内に設置され、流量計4
をフィルター通風速度が5.3cm/秒になるようバルブ5
でコントロールし、エレクトレット不織布の上流、下流
のDOP粒子個数を粒子計測器7((株)RION製
KC−14)で計測した。捕集効率は数3を用いて算出
した。
不織布のエアフィルターとしての性能は優れている。
ごとく該不織布をアース板10上に置き、上方より表面
電位計9(川口電気(株)製 表面電位計S−211
型)の検出プローブ11で該不織布の表面電位を測定
し、数4で算出した。
誘電率でほぼ1であり、εo は真空の誘電率で8.85×
10-14 F/cm、Vは表面電位(V)、tは該不織布の
厚み(cm)である。
の帯電量を意味し、この値が高いほど帯電量が高いこと
を表している。
0℃で24時間処理した後の粒子捕集効率、表面電荷密
度を前記の方法で評価した。処理後の残存粒子捕集効率
が高い程、また残存表面電荷密度が高い程エレクトレッ
トの安定性は良い。
レット不織布の製造方法により、従来の技術では得るこ
とのできない高い帯電量を有し、かつ安定性も優れたエ
レクトレット不織布の得られることがわかる。
トレット化技術では得ることのできなかった高い帯電量
を有し、またその安定性も非常に優れたエレクトレット
不織布を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 電気的に正のコロナイオンを用いてエレ
クトレット不織布を製造するに際して、コロナ発生機ま
わりの雰囲気中の絶対水分量を0.006(kg水蒸気/
kg乾きガス)以上に制御してエレクトレット化処理を行
うことを特徴とするエレクトレット不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5052368A JP2910484B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | エレクトレット不織布の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5052368A JP2910484B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | エレクトレット不織布の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06264361A JPH06264361A (ja) | 1994-09-20 |
JP2910484B2 true JP2910484B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=12912873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5052368A Expired - Fee Related JP2910484B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | エレクトレット不織布の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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-
1993
- 1993-03-12 JP JP5052368A patent/JP2910484B2/ja not_active Expired - Fee Related
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