JP2909447B2 - 卵容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、薄肉合成樹脂シート
を真空成型またはブロー成型して製作され、卵を入れる
身部分および蓋部分と覆い部分とを折り曲げ可能な連結
部分を介して一体に連結した卵容器に関し、特に、封緘
および開封が容易であって不用意に開くことがなく、か
つ、従来の養鶏場の自動包装ラインにそのまま適用して
包装できるように構成したものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の卵容器として、特開平７−１８７
２７０号公報で提案された卵容器が知られている。この
卵容器は、図４の斜視図に示すように、身部分１と、こ
の身部分１の両側に折り曲げ可能な第１の連結部分４お
よび第２の連結部分５を介して一体に形成された蓋部分
２および覆い部分３とを具備し、身部分１および蓋部分
２には、隔壁11、21によって仕切られた複数の凹部12、
22と、フランジ13、23が形成され、覆い部分３は、蓋部
分２の凹部の外側を包絡線状に覆うものであって、少な
くとも１つの平坦な面31と、フランジ34が形成されてい
る。

【０００３】このように構成された従来の卵容器によっ
て卵を包装する際には、身部分１の各凹部12に卵を１つ
づつ入れたのち、蓋部分２を重ね合わせ、蓋部分２の上
にラベルを載せたのち、反対側より蓋部分２の上に覆い
部分３を重ねる。そして、覆い部分３のフランジ34およ
び身部分１のフランジ13に粘着テープを貼り付けたり、
ホッチキスで止めたり、あるいは、全体に輪ゴムを嵌め
て封緘していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような公知の卵容
器は、覆い部分３を備えているので、図５に示す従来か
ら使用されている身部分１および蓋部分２を折り曲げ可
能な連結部分４を介して一体に形成された卵容器10に比
して、幅が約１．５倍広くなる。

【０００５】養鶏場においては、生産された卵を自動選
別装置により重さごとに選別し、次に、自動包装ライン
において、選別された同じ重さの卵を、各重さに適した
卵容器の凹部12に入れて包装している。

【０００６】このような養鶏場における自動包装ライン
は、図５に示す従来の卵容器10に合わせてラインの幅が
設定されているので、図４に示す卵容器は、幅が広いの
で養鶏場の自動包装ラインに適用することは困難であっ
た。

【０００７】そこで、この発明は、覆い部分３を有する
卵容器であっても、養鶏場の自動包装ラインに適用し得
るように考えられたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の卵容器は、隔
壁11、21によって仕切られた卵を入れる複数の凹部12、
22が形成された身部分１および蓋部分２と、身部分１ま
たは蓋部分２の凹部12、22の外側を包絡線状に覆う少な
くとも１つの平坦な面31が形成されている覆い部分３と
を具備し、身部分１および蓋部分２の長辺を折り曲げ可
能な第１の連結部分４を介して連結し、覆い部分３を身
部分１または蓋部分２の短辺と折り曲げ可能な上記第１
の連結部分４に対して直交する第２の連結部分５を介し
て連結し、身部分１、蓋部分２および覆い部分３を一体
に成形したものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１の平面図および図２の裏側か
ら見た斜視図に示すように、この発明の卵容器は、透明
または半透明な薄肉合成樹脂シートを真空成型またはブ
ロー成型により、身部分１と、この身部分１の直交する
２辺に蓋部分２および覆い部分３を一体に形成したもの
である。

【００１０】身部分１と蓋部分２の長辺は、折り曲げ可
能な第１の連結部分４を介して連結されており、身部分
１と蓋部分２には、複数個の卵を互いに離間させた状態
で保持するように、隔壁11、21によって仕切られた複数
の卵を収める凹部12、22が、それぞれ形成されている。

【００１１】覆い部分３は、第１の連結部分４と直交す
る折り曲げ可能な第２の連結部分５を介して身部分１の
短辺と連結されており、補強用リブ33を有する側壁32
と、平坦な面31と、フランジ34とを有して箱状に形成さ
れている。

【００１２】覆い部分３は、側壁32および平坦な面31に
よって、蓋部分２に形成された各凹部22の外側を包絡線
状に覆い、フランジ34を蓋部分２のフランジ23に重ね合
わせるように構成されている。

【００１３】なお、身部分１の端部に形成された平坦面
19は、バーコード(ＰＯＳマーク)を表示したラベルを貼
り付けるための平面である。

【００１４】このように構成された卵容器によって卵を
包装する際には、身部分１の各凹部12に卵を１つづつ入
れて、蓋部分２を重ね合わせたのち、蓋部分２の上にラ
ベルを載せて、直交する方向より蓋部分２の上に覆い部
分３を重ね合わせる。そして、覆い部分３のフランジ34
の短辺に粘着テープを貼り付けたり、ホッチキスで止め
たり、あるいは、全体に輪ゴムを嵌めて封緘する。

【００１５】身部分１および蓋部分２には、隔壁11、21
によって仕切られた凹部12、22が形成されているので、
隣接する卵がぶつかり合って破損することはない。

【００１６】また、覆い部分３の平坦な面31の内側に
は、ラベルを平坦な姿勢を保って挿入することができ
る。この挿入するラベルは、紙、合成樹脂フィルムなど
に生産者や品質を表示したものであり、さらに、このラ
ベルにバーコード(ＰＯＳマーク)を表示しておくと、流
通において便利である。

【００１７】（その他の実施の形態）以上で説明した実
施の形態においては、６個の卵を入れる卵容器について
説明したが、他の偶数個の卵を入れる卵容器に適用する
ことができる。また、覆い部分３を身部分１と連結して
いるが、覆い部分３を蓋部分２と連結してもよいのであ
る。

【００１８】薄肉合成樹脂シートとして透明または半透
明なものに代えて、着色した合成樹脂シートや模様を印
刷した合成樹脂シートを使用してもよいのである。

【００１９】

【発明の効果】以上の実施の形態に基づく説明から明ら
かなように、この発明の卵容器によると、覆い部分を備
えていても、養鶏場の自動包装ラインにそのまま適用す
ることができる。

【００２０】さらに、この発明の卵容器によると、封緘
および開封が容易であり、誤って開封することはなく、
覆い部分が外れても、卵が落ちるには至らない。また、
覆い部分の内側に生産者や品質を表示したラベルを平坦
な姿勢を保って挿入することができるので、消費者は、
生産者や品質を確認した上で卵を購入することができ
る。

【００２１】ラベルは、貼り付けることなく挿入される
ものであるから、貼り付けの手数を要することはなく、
ラベルには、接着剤を塗布する必要がないので廉価であ
り、かつ、ラベルを剥離する手数を要しないので、リサ
イクルの過程で異物の混入を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の卵容器の実施の形態を示す平面図、

【図２】図１に示す卵容器を裏側から見た状態を示す斜
視図、

【図３】図１に示す卵容器の封緘した状態を示す斜視
図、

【図４】従来の卵容器の一例を示す斜視図、

【図５】従来の卵容器の他の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 身部分 ２ 蓋部分 ３ 覆い部分 ４、５ 折り曲げ可能な連結部分 11、21 隔壁 12、22 凹部 31 平坦な面 32 側壁 33 リブ 34 フランジ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 隔壁によって仕切られた卵を入れる複数
   の凹部が形成された身部分および蓋部分と、上記身部分
   または蓋部分の凹部の外側を包絡線状に覆う少なくとも
   １つの平坦な面が形成されている覆い部分とを具備し、
   上記身部分および上記蓋部分の長辺を折り曲げ可能な第
   １の連結部分を介して連結し、上記覆い部分を上記身部
   分または蓋部分の短辺と折り曲げ可能な上記第１の連結
   部分に対して直交する第２の連結部分を介して連結し、
   上記身部分、上記蓋部分および上記覆い部分を一体に成
   形したことを特徴とする卵容器。