JPH0231367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、主として鶏卵の流通用包装容器とし
て用いられるもので、合成樹脂シート材を用いて
真空またはブロー成形手段により身部分と蓋部分
との一辺どうしを、連結部を介して開閉自在に一
連一体に繋ぎ形成してあるフイルム状樹脂シート
材を利用した卵容器に関する。

〈従来の技術〉 この種の容器は、卵などの物品収容時において
身部分及び蓋部分のフランジ部の遊端片どうしを
重合させてその重合片を針止め（ホツチキス止
め）や溶着等にて止着することで容器全体を封止
して用いられる。

而して、近来商品の容器やラベルに、殊に食器
容器について商品自動読取機用のバーコード（ポ
スマーク）が用いられることになつたが、この種
卵容器が持つ宿命として、容器の身部も蓋部もそ
の大部分が卵収容用の凹部に形成されているた
め、併せて、その凹部は卵大のものでなければな
らないため、バーコードを印刷なり、印刷紙片を
貼付して顕示するだけの平坦面を有する部分が存
在しなかつた。従つて、卵容器にあつては、バー
コードを利用することは困難なものと当業者間に
おいて思われていた。しかし、本出願人は卵容器
についてこれが実施できるようにいち早く研究を
開始し、特開昭59−84773号広報にみられるよう
に、卵収容器凹部の相隣る凹部とその間を一連の
平坦面に形成し、該平坦面に上記バーコードを直
接印刷するなり、バーコードを印刷した紙などの
シート状片を貼着するなりする技術を開発し、既
に公開している。更に、それを改良したものとし
て実開昭62−62682号のほか多数の出願をしてい
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このように、当業者において困難視されていた
バーコード表示が大部分が凹凸ばかりの卵容器に
あつても可能となり、商品流通上における取扱い
が大変便利になり、錯誤の少ない状態で取扱うこ
とができるようになつたが、上記のとおり、凹凸
許りの卵容器において上記出願公開したもののよ
うな構造として平坦面を形成することは、卵容器
として本来の容器目的である個々の卵の安全保護
の点からは自ずと平坦面形成構造が制限されるこ
ととなり、当該平坦面形成の故に卵の安全保護と
いう点を犠性にせざるを得ないものとなつてい
た。

他方、更に、この種卵容器には、生産年月日
や、生食の可能機関などの表示や生産者名の表示
などについても可能な限り表示したいという潜在
的要求がある。しかし、上記の如く容器の大部分
が凹凸であるためこれらの表示を見易く確実に行
うことが出来にくいという欠点を解消することが
できなかつた。

そこで、本出願人は、これらの諸問題を解決す
ることを目的とし、かつ、解決することができる
に至つた卵容器をここに提案するものである。併
せて、従来一般に使用されているホツチキス止め
や融着による蓋に閉止手段にも何等の支障も生じ
させることなく、又、改変を加える必要もなく、
従来通りに封止手段を利用することができる卵容
器を提供するものである。

〈問題点を解決するために手段〉 本考案は、これらの諸目的を達成することがで
きるものであつて、その構成を実施例に対応する
第１図〜第４図に基いて説明すると、開閉自在な
身部Ａと蓋部Ｂとこれら両部Ａ，Ｂ相対接するフ
ランジ部の一辺において連結する連接部Ｃとから
なり、身部Ａ及び蓋部Ｂの相対向する複数箇所に
は夫々、両部Ａ，Ｂの閉塞姿勢において卵保持用
空間を形成するための凹部１ａ，１ｂ及び隔壁２
ａ，２ｂと支柱部６ａ，６ｂがそれぞれ形成され
ている卵容器であつて、かつ、前記身部Ａ及び蓋
部Ｂのうち相隣る少なくとも二つの凹部１ａ，１
ａまたは１ｂ，１ｂの、前記連接部Ｃ側を含むフ
ランジ部の外端Ｆ側に位置する部分を、一連的の
突出膨出３させ、該膨出部３の外端Ｆ側の壁面を
平坦な壁面４に形成してなる卵容器において、該
膨出部３形成した部分の前記凹部１ａ，１ａまた
は１ｂ，１ｂ間の残余部の隔壁５を他の部分の前
記隔壁２ａ，２ｂよりも特別に高くに突出形成し
てなる卵容器である。

〈作用〉 本考案はこのように構成したものであるから、
第２図乃至第３図に示した如く、身部Ａと蓋部Ｂ
との閉塞姿勢において、外端Ｆ側に形成した平坦
壁面４に、所要事項即ちバーコード１１のほか必
要に応じて生産年月日、生食可能期間、生産者、
などを印刷表示しまた印刷表示したラベル１０を
貼付して用いることができるものでありながら、
該平坦壁面４を形成する膨出部３を形成した部分
の二つの凹部１ａ，１ａ間を通常の隔壁２ａに比
して特別に高く突出形成した隔壁５によつて区画
し、両凹部１ａ，１ａ内に入れた卵の衝突接触を
確実に阻止することができるのである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例について図面の基づいて説
明する。

第１図乃至第４図に示した第１実施例は10個入
りの卵容器について示したものであつて、第１図
は卵容器の身部Ａと蓋部Ｂとを解放姿勢とした斜
視図であつて、通常の開閉自在な身部Ａと蓋部Ｂ
とこれらのフランジ部の両部Ａ，Ｂを一辺におい
て連結する連接部Ｃとを有し、身部Ａと蓋部Ｂと
の相対向する10箇所にそれぞれ卵保持空間を形成
するための凹部１ａ…，１ｂ…とこれらの凹部１
ａ，１ｂを区画する隔壁２ａ，２ｂと支柱部６
ａ，６ｂとをそれぞれ形成してある卵容器であつ
て、更に前記連接部Ｃと直交する身部Ａの外端の
フランジ部Ｆ即ち同図において左下側の一対の凹
部１ａ，１ａの凹入基端側部分で、かつ該外端フ
ランジ部Ｆ側に位置する部分を、外端フランジ部
Ｆの位置まで突出膨出３させ、該膨出部３の外端
フランジ部Ｆ側の壁面を第２〜４図に示したよう
に前記連接部Ｃの長手方向と直交する状態で平坦
な壁面４とし、該膨出部３の連接部Ｃの長手方向
と直向する方向の幅を凹部１ａ，１ａの同方向の
凹入部間の幅に略等しい幅に形成するとともに、
該平坦壁面４の凹入角を他の凹部形成部分の凹入
角よりも急角度に形成したものとし、更に、これ
ら両凹部１ａ，１ａの前記膨出部３形成部分に続
く奥側部分を第１図に示すように他の隔壁２ａ，
２ａ比して特別に高く形成した突出隔壁５を膨出
形成したものである。

また、前記連接部Ｃの内面側には該連接部Ｃの
長手方向に沿つて、糸、モノフイラメント、細幅
テープ等からなる切断用索条８を配設し、その両
端部分が連接部Ｃに固着されている構造とし、更
に、該連接部Ｃの長手方向両端部には、この切断
用索条８をはさんで両側に切込み９，９を形成
し、該切込み９，９によつて形成された遊端部分
を切断用索条８の開封時における摘み部に形成し
てある。

しかして、このように形成された、卵容器は、
第４図仮想線で示したように身部Ａの各凹部１ａ
内に卵Ｅを収容し、身部Ａ上に蓋部Ｂを覆い、両
部Ａ，Ｂのフランジ部の遊端縁部分F′，F′または
この遊端縁部分に連なる３角状非凹入部Ｇを、従
来一般に使用されているホツチキス打設機または
スポツト熱融着機等の封かん機によつてホツチキ
ス針止やスポツト融着等による封かんをする。

他方封かん姿勢において、第２，４図に示した
ように、バーコード１１を印刷した紙や樹脂フイ
ルムなどのシート１０を前記膨出部３の平坦壁面
４に貼着するる。

このようにして形成された卵収容包装容器は、
市場に流通されるる。

開封を行なうには、第１，２図に示したよう
に、連接部Ｃの端部に形成してある摘み部１２を
摘んで外方向に引き離すようにして引つ張ると既
述のように切断用索条８の存在によつて当該連接
部Ｃが切断される。

第５図に示した第２実施例は、上記第１実施例
に示した膨出部３を容器の身部Ａまたは蓋部Ｂの
連接部Ｃとは反対側の長手方向のフランジ部F′側
に沿つて形成した場合の構造を示す実施例で、容
器の長手方向のフランジ部F′側の５箇所の凹部１
ａを一連に結ぶ姿勢に膨出部３を形成し、その平
坦壁面４が容器の長手方向の外側（即ちフランジ
部F′）に向かつて位置するように形成し、それぞ
れの相隣る凹部１ａ，１ａ間に前記第１実施例の
場合と同様に他の隔壁に比して特別に高く突出形
成した突出隔壁５を膨出形成したものである。本
考案はこのような構造として実施することができ
るものである。

以上は本考案の代表的と思われる実施例につい
て説明したが、本考案は上記実施例のもののみに
限定されるものではなく、本考案にいう厚生要件
を備え、かつ、本考案にいう目的を達成すること
ができ、後記の効果を有する範囲内において、適
宜改変して実施することができるものである。

改変の代表的な例について示すと、次のとおり
である。

膨出部３は必ずしも２つの凹部１ａ，１ａ間の
みに形成されているものである必要はなく、平坦
壁面の必要な大きさに応じて３つ以上の凹部１ａ
に対して形成してもよく、容器の幅方向または長
手方向の連接部Ｃ側を含む一側外端のみでなく、
相対する両側の外端側に形成してもよく、また四
辺にそれぞれ形成したものであつてもよい。

また、該膨出部３は身部Ａ側に形成されている
もののみに限られるものではなく、蓋部Ｂ側に形
成されているものであつてもよく、膨出部３の膨
出深さは第１実施例に示したように、凹部１ａま
たは１ｂ凹入深さの略1/2程度の深さのものであ
ればよく、それ以上に深いものとしてもよく、更
には凹部の凹入深さと略等しい深さのものとして
もよい。また、隔壁５の突出高さは紫柱部６ａま
たは６ｂ突出高さと略等しい高さか祖、それより
もやや低い程度の高さとしておくのが、実質的に
卵保護の効果がある。

〈考案の効果〉 本考案は以上の説明から既にあきらかなよう
に、容器の収納凹部の壁面の一部に外側に向けて
平坦壁面を形成したものであつて、該平坦壁面に
バーコードなどの表示を行なうことができるもの
でありながら、該平坦壁面の形成によつて損なわ
れる内容卵の衝突接触を特別に高く形成した突出
隔壁の形成によつて確実に防止することができる
という顕著な効果を有し、更に、容器形成のため
の使用材料を特に多く必要とすることもなく、従
来行なわれていた容器の開封索等の自動取り付け
手段や、ホツチキス針止め等の封かん装置等に何
等の支障や改変を必要とすることもないという効
果をも有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は容器の開放姿勢を示す斜視図、第２図
は容器の閉塞姿勢を示す身部側の斜視図、第３図
は容器の閉塞姿勢を示す側面図、第４図は第３図
における−線に沿つた部分断面図、第５図は
別実施例の容器の開放姿勢を示す斜視図である。 図中、Ａは身部、Ｂは蓋部、Ｃは連接部、Ｆは
外端、１ａ，１ｂは凹部、２ａ，２ｂは隔壁、３
は膨出部、４は平坦壁面、５は突出隔壁、６ａ，
６ｂは支柱部を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 開閉自在の身部Ａと蓋部Ｂとこれら両部Ａ，
   Ｂを相対接するフランジ部の一辺において連結
   する連接部Ｃとからなり、身部Ａ及び蓋部Ｂの
   相対向する複数箇所には夫々、両部Ａ，Ｂの閉
   塞姿勢において卵保持用空間を形成するための
   凹部１ａ，１ｂ及び隔壁２ａ，２ｂと支柱部６
   ａ，６ｂがそれぞれ形成されている卵容器であ
   つて、かつ、前記身部Ａ及び蓋部Ｂのうち相隣
   る少なくとも二つの凹部１ａ，１ａまたは１
   ｂ，１ｂの、前記連接部Ｃ側を含むフランジ部
   の外端Ｆ側に位置する部分を、一連的の突出膨
   出３させ、該膨出部３の外端Ｆ側に壁面をラベ
   ル、その他の表示が可能な平坦な壁面４に形成
   してなる卵容器において、 該膨出部３を形成した部分の前記凹部１ａ，
   １ａまたは１ｂ，１ｂの間の残余部の隔壁５を
   他の部分の前記隔壁２ａ，２ｂよりも高く突出
   形成してなる卵容器。 (2) 膨出部３が身部Ａ側に形成されている実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の卵容器。 (3) 膨出部３が蓋部Ｂ側に形成されている実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の卵容器。 (4) 膨出部３が卵容器の連接部に直交する方向の
   外端Ｆ側に形成されている実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の卵容器。 (5) 膨出部３が容器の長手方向の外端F′側に形成
   されている実用新案登録請求の範囲され第１項
   に記載の卵容器。