JP2907932B2 - 発光素子駆動回路 - Google Patents

発光素子駆動回路

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発光素子駆動回路に利用され、特に、発光素
子の光出力の安定化方式に関する。
〔概要〕
本発明は、発光素子を入力データ信号に従ってパルス
電流で駆動する発光素子駆動回路において、 周囲温度を検出し、検出された温度変化に対応して、
駆動パルス電流の振幅値を直線的または非直線的に変化
させることにより、 発光素子の光出力電力を温度変化に対して安定に保つ
ことができるようにしたものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の発光素子(以下、LDという。)駆動回
路は、第3図に示すように、パルス電流駆動回路1より
出力されるパルス電流を減衰回路3に入力し、減衰回路
3で外部からの制御信号Cによりその振幅を一定の値に
減衰させて、LDモジュール5中のLD5aを発光させ、LDモ
ジュール5中のPINダイオード5bによりその光出力電力
を検出し、直流通過形のインピーダンス回路8を介して
APC回路6に入力し、そこでLD5aの光出力電力に応じた
制御電圧を発生し、バイアス回路7を制御することによ
り、温度変化等の外部条件に対し、LD5aのバイアス電流
を制御してLD5aのIB(バイアス電流)−L(光出力電
力)特性によるしきい値電流の変化に追従させ、常に光
出力電力を安定にする回路方式となっていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述した従来のLD駆動回路では、温度変化により、LD
のしきい値電流がIB−L特性によってはバイアス電流制
御が不可能となる場合が考えられ、光出力電力を従来の
バイアス電流のみの制御では、安定に動作することがで
きない欠点を有していた。以下、第4図により詳細に説
明する。
第4図は、第3図の従来例の温度に対するIB−L特性
を示したものである。
第4図によれば、25℃の状態において、LD5aのIB−L
特性に対して、一定のパルス電流IP2とバイアス電流IB2
とを設定することによって、一定の光出力電力L2が得ら
れるようになる。この状態において、温度が0℃の状態
になった場合は、通常、光出力電力L2一定に保つよう
に、LDモジュール5内のPINダイオード5bによって光出
力電力の変化に対してAPC回路6にその変化量の情報を
送り、バイアス回路7によって一定の光出力電力となる
ようにバイアス電流を制御する。しかし、LD5aのIB−L
特性によっては制御されるバイアス電流IB1は、パルス
電流IP1が25℃の場合のパルス電流IP2と同じ振幅である
場合では、LD5aのしきい値電流およびLD5aのIB−L特性
の傾き等で光出力電力が第4図のようにL2からL1へと変
わり一定とならない場合が生じる。
また、温度が60℃の状態となった場合においても同様
に、パルス電流IP3がパルス電流IP2と同じ電流振幅であ
る場合では、光出力電力を一定に保とうとする回路動作
によって0℃とは逆にバイアス電流IB3がLD5aのしきい
値電流を超えてしまい、光出力電力の消光比を著しく劣
化させる状態がしばしば発生することが考えられる。
本発明の目的は、前記の欠点を除去することにより、
温度変化に対してもLDの光出力電力が安定に保つことが
できるLD駆動回路を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、発光素子の駆動パルス電流を発生する駆動
パルス電流発生手段と、発生された駆動パルス電流の振
幅を外部からの制御信号により所定の値に設定する振幅
制御手段と、前記発光素子の光出力電力を検出し検出さ
れた光出力電力に応じて前記発光素子のバイアス電流を
制御するバイアス制御手段とを備えた発光素子駆動回路
において、前記振幅制御手段は、温度変化に対して非直
線特性を有する負特性サーミスタにより周囲温度を検出
する温度センサ回路と、この温度センサ回路の検出電圧
の大きさに応じて前記駆動パルス電流の振幅値を小さく
させる減衰回路とを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記の発光素子駆動回路において、
前記非直線的温度補償手段に代えて、周囲温度を検出
し、温度変化に対して直線的に前記駆動パルス電流の振
幅値を変化させる直線温度補償手段を含むことを特徴と
する。
〔作用〕
LDは温度によりそのIB−L特性が変化する。特に、そ
の変化は立上りのしきい値電流と特性曲線の傾斜に現れ
る。そしてこの変化は温度変化に対して一般的に非直線
的である。そこで、例えば、温度センサとして、温度に
対して特性が非直線性である負特性サーミスタを用い
て、周囲温度を検出し、その検出電圧の大きさに応じて
減衰回路の減衰度を大きくして、駆動パルス電流の振幅
値を小さくなるようにする。これにより、温度変化に対
してLDの発光出力電力を安定に保つことができる。
また、LDの温度による特性変化は、温度変化が小さい
場合には、直線的な変化として近似できる。この場合に
は、例えば、温度センサーとして温度に対して特性がほ
ぼ直線的であるA型の正特性サーミスタを用い、その検
出電圧の大きさに応じて減衰回路の減衰度を小さくし
て、駆動パルス電流の振幅値を大きくするようにする。
これにより、同様に、温度変化に対してLDの発光出力電
力を安定に保つことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック構成図であ
る。
本実施例は、LD5aの駆動パルス電流を発生する駆動パ
ルス電流発生手段としてのパルス電流駆動回路1と、発
生された駆動パルス電流の振幅を外部からの制御信号C
により所定の値に設定する振幅制御手段としての減衰回
路3と、LDのバイアス電流IBを供給するバイアス供給手
段としてのバイアス回路7と、LD5aの光出力電力を検出
し検出された光出力電力に応じてLD5aのバイアス電流IB
を制御するバイアス制御手段としてのPINダイオード5
b、直流通過形のインピーダンス回路8およびAPC回路6
とを備えたLD駆動回路において、 本発明の特徴とするところの、 出力が減衰回路3に接続され、減衰回路3から出力さ
れる駆動光パルス電流の振幅値を周囲温度の変化に対し
て非直線的に変化させる非直線的温度補償手段としての
温度センサー回路2を備え、温度センサー回路2と減衰
回路3とにより、温度変化に対応して駆動パルス電流の
振幅値を換える振幅可変回路4を構成したものである。
なお、LD5aとPINダイオード5bとはLDモジュール5とし
て一体化されている。
次に、本実施例の動作について第2図に示す特性図を
参照して説明する。
入力データ信号aおよび入力クロック信号bがパルス
電流駆動回路1に入力されると、パルス電流駆動回路1
は駆動パルス電流IPを発生して、減衰回路3に入力され
る。減衰回路4では、まず正常の周囲温度(例えば25
℃)において、LD5aからの光出力電力L2が所定の値にな
るように、駆動パルス電流IPの振幅の大きさを調整した
駆動パルス電流IP2aを出力し、LD5aに入力する。
これにより、LD5aは発光する。同時にPINダイオード5
bはLD5aからの光パルスを検出する。この検出された光
パルスは直流通過形のインピーダンス回路8を通り、直
流電流にされた後、APC回路6にて電圧変換され基準電
圧と比較されると同時に直流増幅され、バイアス回路7
の制御電圧として入力され、バイアス回路7からは、駆
動光パルス電流IP2の条件で、LD5aからの光出力電力がL
2になるバイアス電流IB2aを出力する。
次に、周囲温度が25℃から0℃に変化した場合につい
て説明する。
温度センサ回路2は、例えば、温度とともに非直線的
に抵抗値が減少する負特性のサーミスタを用いると、検
出電圧は25℃の場合に比して大となる。そこでこの検出
電圧の変化に対応して減衰回路3の減衰度が大きくなる
ようにし、丁度LD5aからの光出力電力がL2一定となるよ
うに、振幅値を小さくした駆動パルス電流IP1aがLD5aに
入力されるようにし、さらにそのときのバイアス電流I
B1aを設定する。
次に、周囲温度が25℃から60℃に上昇した場合には、
前述の0℃の場合とは反対に、駆動パルス電流は振幅値
の大きい駆動パルス電流IP3aとし、さらに、そのときの
バイアス電流IB3aを設定する。
以上説明したように、本実施例によれば周囲温度の変
化に対してLDの光出力電力を安定に保つことができる。
なお、以上の実施例においては、振幅可変回路とし
て、駆動光パルス電流の振幅値が、温度変化に対して非
直線的に変化する回路を用いたけれども、例えば、温度
変化範囲の小さい場合には、例えば、温度センサーとし
て、温度に対して一様に抵抗の増加するA形の正特性サ
ーミスタを用いることにより、簡単に、温度変化に対し
て直線的に駆動パルス電流の振幅値を変える振幅可変回
路4を構成することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、温度変化によるLD特
有のIB−L特性をパルス電流によって補償することで、
LDバイアス電流をLDしきい値電流変化に対して、適切な
電流にすることが可能となり、LDの光出力電力を温度の
変化に対して安定に保つことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック構成図。 第2図はその回路動作図を示す特性図。 第3図は従来例を示すブロック構成図。 第4図はその回路動作図を示す特性図。 1……パルス電流駆動回路、2……温度センサー回路、
3……減衰回路、4……振幅可変回路、5……LDモジュ
ール、5a……発光素子、5b……PINダイオード、6……A
PC回路、7……バイアス回路、8……インピーダンス回
路、a……入力データ信号、b……入力クロック信号、
c……制御信号、IB、IB1〜IB3、IB1a〜IB3a……バイア
ス電流、IP、IP1〜IP3、IP1a〜IP3a……駆動パルス電
流。
フロントページの続き (72)発明者 村上 一幸 宮城県黒川郡大和町吉岡字雷神2番地 宮城日本電気株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−78588(JP,A) 特開 平1−251682(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子の駆動パルス電流を発生する駆動
    パルス電流発生手段と、 発生された駆動パルス電流の振幅を外部からの制御信号
    により所定の値に設定する振幅制御手段と、 前記発光素子の光出力電力を検出し検出された光出力電
    力に応じて前記発光素子のバイアス電流を制御するバイ
    アス制御手段と を備えた発光素子駆動回路において、 前記振幅制御手段は、温度変化に対して非直線特性を有
    する負特性サーミスタにより周囲温度を検出する温度セ
    ンサー回路と、 この温度センサー回路の検出電圧の大きさに応じて前記
    駆動パルス電流の振幅値を小さくさせる減衰回路と を含むことを特徴とする発光素子駆動回路。
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