JP2906953B2 - 絶縁性放熱シート及びその製造方法 - Google Patents

絶縁性放熱シート及びその製造方法

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JP2906953B2 JP30122393A JP30122393A JP2906953B2 JP 2906953 B2 JP2906953 B2 JP 2906953B2 JP 30122393 A JP30122393 A JP 30122393A JP 30122393 A JP30122393 A JP 30122393A JP 2906953 B2 JP2906953 B2 JP 2906953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐薬品性、絶縁性及び
耐プラズマガス性に優れたポリオレフィン系合成ゴムを
用いた絶縁性放熱シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】絶縁性
放熱シートとしては、従来よりシリコーンゴム系のもの
が使用されているが、その主たる用途は、パワートラン
ジスターやサイリスタ等の発熱性電子部品の放熱であっ
た。
【0003】しかし、従来より使用されていたシリコー
ンゴム系放熱シートは、シリコーンゴムの透湿係数が1
00gmm/m2・24hrと高いため、高温高湿雰囲
気中では、体積固有抵抗率の低下を招き、絶縁性に不安
があった。また、シリコーンゴム系放熱シートは、耐塩
酸、耐アルカリ等の耐薬品性に不安があり、適用範囲が
せばめられていた。更に、シリコーンゴム系放熱シート
は、プラズマガスに対しては比較的耐久性が優れていた
が、長時間プラズマガスにさらされると劣化してしまう
という欠点があった。
【0004】一方、ポリオレフィン系ゴムによる絶縁性
放熱シートについては、特公昭57−42921号公報
で提案されている。このものは合成ゴムに窒化ホウ素を
高充填する方法としてロールを使用するが、この方法で
は窒化ホウ素にずれ応力がかからないようにすれば窒化
ホウ素が崩壊又は配向しにくくなるとされているが、実
質的にこのような条件でのロール配合は量産性に欠け、
コスト高となるのみでなく、製造した放熱シートの熱抵
抗が高くなつてしまうという不利があった。
【0005】また、ポリオレフィン系合成ゴムは、過酸
化物加硫により架橋させてゴムを製造する方法が従来よ
り使用されていたが、この方法は熱風加硫では発泡して
しまい、量産性に優れたトンネル式熱風乾燥炉が使用で
きなかった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、耐薬品性、絶縁性、耐プラズマガス性に優れたポリ
オレフィン系合成ゴム系絶縁性放熱シートを量産性よく
製造することができる絶縁性放熱シート及びその製造方
法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、中間部に
ガラス繊維クロス層を設けた、電気絶縁性と熱伝導性に
優れた無機充填材を60〜90%(重量%、以下同じ)
充填したシロキサン含有エチレンプロピレンジエンゴム
シートによる絶縁性放熱シートが有効であること、そし
てかかるシートを製造する際に、無機充填材を60〜9
0%配合した付加反応硬化型シロキサン含有エチレンプ
ロピレンジエンゴム組成物にてガラス繊維クロスの目止
め処理を行い、硬化後、無機充填材を60〜90%配合
した過酸化物硬化型及び/又は付加反応硬化型シロキサ
ン含有エチレンプロピレンジエンゴム組成物を該ガラス
繊維クロスに塗工し硬化することが有効で、ガラス繊維
クロスが予め付加反応硬化型シロキサン含有エチレンプ
ロピレンジエン組成物で目止め、硬化されることによ
り、その後の塗工工程において、塗工液の裏貫けによる
ピンホール、塗工むらによるシート膜厚のバラツキが解
消され、絶縁性(耐電圧)の向上、熱抵抗の低減が達成
されることを知見し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0008】従って、本発明は、ガラス繊維クロス層が
無機充填材を60〜90%含有する付加反応硬化型シロ
キサン含有エチレンプロピレンジエンゴム組成物の硬化
物にて目止め処理されていると共に、この目止め処理さ
れたガラス繊維クロス層の少なくとも片面に無機充填材
を60〜90%含有するシロキサン含有エチレンプロピ
レンジエンゴムシートが積層されてなる絶縁性放熱シー
ト、及び、ガラス繊維クロスに無機充填材を60〜90
%配合した付加反応硬化型シロキサン含有エチレンプロ
ピレンジエンゴム組成物にて、予めガラス繊維クロスの
目止め処理を行い、該組成物を加熱硬化した後に、この
目止め処理済ガラス繊維クロスの少なくとも片面に無機
充填材を60〜90%含有する付加反応硬化型及び/又
は過酸化物硬化型シロキサン含有エチレンプロピレンジ
エンゴム組成物を塗工し、硬化させてなる絶縁性放熱シ
ートの製造方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の絶縁性放熱シートは、ガラス繊維クロス層
が無機充填材を60〜90%含有する付加反応硬化型シ
ロキサン含有エチレンプロピレンジエンゴム組成物の硬
化物にて目止め処理されていると共に、この目止め処理
されたガラス繊維クロス層の少なくとも片面に無機充填
材を60〜90%含有するシロキサン含有エチレンプロ
ピレンジエンゴムシートが積層されてなる絶縁性放熱シ
ートである。
【0010】ここで、本発明に用いるガラス繊維クロス
は、市販のものを使用すればよいが、その厚みは0.0
3〜0.15mm、格子間隔50〜5,000μmのも
のが熱伝導性及び強度の点から好ましい。
【0011】また、ガラス繊維クロスは、市販のシラン
カップリング剤で処理すればゴム材料との密着性が向上
するが、シランカップリング剤としては、ビニルメトキ
シシラン、ビニルエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0012】上記ガラス繊維クロスを目止め処理するた
めに使用される付加反応硬化型シロキサン含有エチレン
プロピレンジエンゴム組成物としては、特に制限される
ものではないが、(1)エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体60%以上と、ケイ素原子結合水素原子を含ま
ないオルガノポリシロキサン40%以下とからなる混合
物、(2)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を
少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロ
キサン、(3)白金又は白金化合物、(4)無機充填材
を含有するものが好適に用いられる。
【0013】ここで、第1必須成分のエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体としては、プロピレン含有率が4
0〜70%、特に40〜60%のものが好ましく、ま
た、そのジエンモノマーは例えばエチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなど
が一般的である。更に、この共重合体はヨウ素価が1〜
40、特に5〜30であることが好ましい。
【0014】このような共重合体としては、市販のポリ
オレフィン系合成ゴム成分を使用することができ、具体
的にEP22(日本合成ゴム(株)製)、エスプレン5
67(住友化学工業(株)製)、EPT3045(三井
石油化学工業(株)製)、EP33(日本合成ゴム
(株)製)などが例示される。
【0015】本発明では、上記エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体にケイ素原子に結合した水素原子を有し
ないオルガノポリシロキサンを混合して用いることが好
ましい。
【0016】オルガノポリシロキサンとしては、下記一
般式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中R1は、同一又は異種の非置換又は置換一
価炭化水素基、特に炭素数1〜10の一価炭化水素基
で、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等の
アルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、
ベンジル基、β−フェニルエチル基等のアラルキル基な
どや、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン
原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、2−シア
ノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等で
あり、aは1.99〜2.02の正数である。)で示さ
れ、1分子中に少なくとも2個以上のビニル基、アリル
基、ブテニル基等のアルケニル基を有するものが好適に
使用される。この場合、アルケニル基以外の基としては
メチル基が50モル%以上であるものが好ましい。メチ
ル基が50モル%より少ないと、製造しにくく経済的で
ない。
【0017】また、上記式(1)のオルガノポリシロキ
サンは、その平均重合度が500〜10,000、特に
3,000〜10,000であることが望ましい。
【0018】このようなオルガノポリシロキサンとして
具体的には、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニ
ルフェニルポリシロキサン、メチル(3,3,3−トリ
フルオロプロピル)ポリシロキサン等が例示される。
【0019】なお、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体とオルガノポリシロキサンとの混合割合は、前記共
重合体を100〜60%、好ましくは100〜70%、
かつ、オルガノポリシロキサンを0〜40%、好ましく
は0〜30%とする。混合割合が上記範囲外では硬化し
たゴムの強度が低下する。
【0020】次に、上記組成物の第2成分は、1分子中
にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
【0021】この場合、上記オルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは架橋剤として作用するもので、例えば下
記一般式(2) Hb1 cSiO(4-b-c)/2 …(1) (但し、式中R2は、同一又は異種の脂肪族不飽和基を
除く非置換又は置換一価炭化水素基、特に炭素数1〜1
0のもので、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基、ベンジル基、β−フェニルエチル基等のアラ
ルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基など
であり、bは0.002〜1.0の正数、cは1.99
〜2.02の正数、b+cは1.992〜3.0であ
る。)で示される。
【0022】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示
することができる。
【0023】
【化1】 (kは2〜10の整数、m,nはそれぞれ0〜10の整
数である)。
【0024】また、第2成分の配合量は、第1成分中の
ジエン及びアルケニル基1個当り、上記シロキサンのケ
イ素原子に結合した水素原子を0.7〜5個、特に1〜
3個与える量とすることが好ましい。水素原子を0.7
個未満与えるような量では十分な架橋効果が得られない
場合があり、5個を越えて与えるような量を配合しても
特性の改善がみられない場合がある。
【0025】更に、第3成分の白金又は白金化合物は、
上述した第1成分と第2成分との付加反応を進行させる
ための触媒であり、例えば白金、白金ブラック、塩化白
金酸、塩化白金酸とオレフィン又はアルデヒドとの錯
塩、塩化白金酸のアルコール変性物などが挙げられる。
なお、この白金又は白金化合物の使用量は、触媒量とす
ることができるが、組成物に応じて第1成分と第2成分
との反応による硬化速度が望ましいものとなるように適
宜増減することが好ましく、通常は第1成分の使用量に
対して白金量で1ppm〜1%である。
【0026】更に、第4成分の無機充填材としては、窒
化ホウ素、アルミナ、窒化アルミニウム、石英粉などが
挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用し
て用いることができるが、特に窒化ホウ素が絶縁性等の
点から好ましい。窒化ホウ素としては、特に限定される
ものではないが、黒鉛と同様の層状構造をもつ低圧型の
ヘキサゴナルボロンナイトライド(h−BN)が使用さ
れる。このような、窒化ホウ素としては、KBN(h)
−10、KBN(h)−SQ、KBN(h)−SP、K
BN(h)−S(信越化学工業(株)製),商品名)や
VHP−EX(昭和電工社製,商品名)などが挙げられ
る。
【0027】なお、上記充填材の配合量は、組成物全体
の60〜90%、特に60〜80%である。60%未満
では放熱シートの熱抵抗が高くなって放熱性が悪く、9
0%を越えると放熱シートの強度が低下し、コスト的に
も高くなってしまう。
【0028】本発明の組成物には、上述した必須成分に
加え、必要に応じて硬化物の物性を調節するための任意
成分、例えばヒュームドシリカ、沈殿シリカ、アルミニ
ウムシリケート、溶融石英粉末、けいそう土、炭酸カル
シウム、二酸化チタン、カーボンブラック等の充填剤、
老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などを添加すること
ができる。
【0029】また、本発明では、上記成分の組成物をス
ラリー状で使用することが好ましく、その溶媒としては
種々の有機溶剤が使用されるが、例えばトルエン、キシ
レン、ベンゼン、ソルベントナフサ、工業用ガソリン、
シクロヘキサノン、n−ヘキサンなどが挙げられる。ス
ラリー粘度は、100〜100,000cpのものが使
用できるが、好ましくは500〜50,000cpがよ
い。
【0030】本発明において、上記付加反応硬化型シロ
キサン含有エチレンプロピレンジエンゴム組成物を用い
てガラス繊維クロスの目止め処理を行う方法としては、
該組成物のスラリーを使用し、図1,2に示すような公
知の含浸機により行うことができる。
【0031】ここで、図1は垂直型の含浸機で、かき取
り具を使用するものであり、1はガラス繊維クロス、2
は上記組成物のスラリー3を収容するタンク、4は浸漬
ロール、5はかき取り具、6は縁取り具である。また、
図2は水平型の含浸機で、絞りロール7を使用するもの
である。なお、8はオーバーフロー機構である。
【0032】本発明は、ガラス繊維クロスに上記のよう
に付加反応硬化型シロキサン含有エチレンプロピレンジ
エンゴム組成物を含浸させた後、これを加熱硬化する
が、加熱硬化は熱風により行うことができ、この場合ト
ンネル式熱風乾燥炉を使用することができる。なお、上
記組成物として過酸化物硬化型の組成物では熱風加熱を
行うと発泡が生じ、熱風乾燥炉の使用は困難であるが、
付加反応硬化型の組成物の場合は発泡を生じずに熱風加
熱硬化を行うことができる。
【0033】この加熱硬化の条件は適宜選定されるが、
100〜250℃、30秒〜60分の条件を採用するこ
とができる。
【0034】次に、本発明においては、目止め処理され
たガラス繊維クロスの片面、好ましくは両面に無機充填
材を60〜90%含有するシロキサン含有エチレンプロ
ピレンジエンシートを積層するが、この場合該ゴムシー
トの形成に用いるシロキサン含有エチレンプロピレンジ
エンゴム組成物としては、付加反応硬化型のものでも過
酸化物硬化型のものでもよい。
【0035】この場合、付加反応硬化型の組成物として
は、上述した付加反応硬化型の組成物と同様のものを使
用することができ、一方、過酸化物硬化型の組成物とし
ては、上記した付加反応硬化型の組成物において、
(2)成分の1分子中にケイ素原子に結合した水素原子
を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン、(3)成分の白金又は白金化合物の代わり
に、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ
−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物を用いた
ものを使用すればよい。
【0036】上記ゴムシートをガラス繊維クロスに形成
する方法としては、目止め処理されたガラス繊維クロス
に、付加反応硬化型及び/又は過酸化物硬化型シロキサ
ン含有エチレンプロピレンジエン組成物のスラリーを塗
工し、膜厚調整を行うが、塗工方法としては公知のナイ
フコーター、ブレードコーター、スプレーコーター、傾
斜板カーテンコーターなどが使用できる。次に、溶剤の
除去のため、自然乾燥すればよいが、量産性を考慮して
熱風乾燥炉を使用してもよい。その後、塗工した組成物
を硬化すれば絶縁性放熱シートが得られるが、この場合
熱プレスや加圧熱ロールなどの公知の方法で加硫すれば
よい。なお、量産性等の点から目止め処理済ガラス繊維
クロスの片面に付加反応硬化型及び/又は過酸化物硬化
型シロキサン含有エチレンプロピレンジエン組成物のス
ラリーを塗工し、熱風乾燥した後にもう一方の面に該組
成物のスラリーを塗工し、熱風乾燥し、プレフォームを
製造し、このプレフォームをカッターにて所定の形状、
寸法にカットした後に熱プレスにより加硫することが推
奨される。
【0037】加硫条件は、100〜25℃、特に150
〜200℃、30秒〜60分、特に5〜30分とするこ
とができる。また、上記ゴムシートの厚さは100〜
3,000μm、特に200〜800μmとすることが
好ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明は下記の効果を有する。 1.スラリー状の原料をガラス繊維クロスに含浸、塗工
する際に、量産性に優れた連続処理装置が使用できるの
で、コスト的に有利である。 2.合成ゴムへの窒化ホウ素の分散が、ロール等の高い
ずれ応力がかかるものを使用せず、スラリー分散用のミ
キサーで行えるので、殆んどずれ応力がかからないの
で、窒化ホウ素が崩壊することがなく、熱抵抗が高くな
らず、性能上有利な放熱シートが製造できる。 3.スラリー状の付加反応硬化型シロキサン含有エチレ
ンプロピレンジエンゴム組成物でガラス繊維クロスに予
め目止め処理をする際に、熱風加熱硬化炉が使用でき、
クロスの目止めが完全に行えるので、ピンホールや次工
程での塗工むらが発生せず、絶縁性が高く、膜厚バラツ
キによる熱抵抗バラツキがなく、品質的に優れた放熱シ
ートが製造できる。 4.合成ゴム中に窒化ホウ素が高充填でき、しかもガラ
ス繊維クロス層が中間に設けられるので、引裂強度に優
れた放熱シートが製造できる。 5.合成ゴムとして、シロキサン含有エチレンプロピレ
ンジエンゴム組成物の硬化物を使用するので、耐塩酸、
耐アルカリ、耐プラズマガス性に優れ、更に高温高湿雰
囲気中でも体積固有抵抗の低下がなく、電気絶縁性に優
れる。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0040】〔実施例1〜3、比較例1〜2〕ポリオレ
フィン系合成ゴムEP22(日本合成ゴム(株)製,ヨ
ウ素価22)、(CH2=CH)(CH3)SiO単位
0.5モル%と(CH32SiO単位99.5モル%と
からなる両末端が水酸基で封鎖された平均重合度8,0
00のメチルビニルポリシロキサン、比表面積が200
2/gのシリカアエロジル200(日本アエロジル
(株)製)を表1に示す割合で2本ロールを用いて配合
した後、トルエンに溶かして20%ゴムトルエン溶液と
した。
【0041】次に、得られた20%ゴムトルエン溶液に
下記式(A)で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン2部、塩化白金酸の5%イソプロピルアルコー
ル溶液0.1部、ヘキサゴナルボロンナイトライドKB
N(h)−10(信越化学工業(株)製),商品名)2
00部、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン
溶液0.1部を添加後、混合し、ガラス繊維クロスの目
止め用組成物を調製した。次に、含浸機と熱風乾燥炉が
連結された図3に示す製造装置を使用して、厚み0.0
6mm、格子間隔50μm、質量488g/m2で、ビ
ニルトリメトキシシラン処理されたガラス繊維クロスに
目止め用組成物による含浸目止め処理を行った。なお、
ウエブ速度は1m/min、熱風乾燥炉の温度は150
℃であった。また比較のため、オルガノハイドロジェン
ポリシロキサン塩化白金酸の5%イソプロピルアルコー
ル溶液、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン
溶液の代わりに、ジクミルパーオキサイド2部を添加し
たもので同様の目止め処理を行った。
【0042】
【化2】
【0043】ここで図3において、9は熱風乾燥炉、1
0は巻き取りロールであり、他の参照符号は図1と同様
である。
【0044】得られた実施例1〜3の目止め処理済のガ
ラス繊維クロスは、格子間隔に均一にゴムが充填されて
おり、目あき等の不具合はなかった。しかし、比較例1
の過酸化物により硬化したものは発泡してしまった。
【0045】
【表1】
【0046】次に、表1に示す実施例1〜3の組成物を
図4に示すナイフコーターと熱風乾燥炉の連結された製
造装置にて目止め処理済ガラス繊維クロスの片面に塗
工、乾燥した(ウェブ速度1m/min、熱風乾燥炉8
0℃)。更に、もう一方の面に同様に材料を塗工、乾燥
した。得られたプレフォームを縦×横=300×300
mmにカットし、熱プレスを使用して、120℃,50
kg/cm2 条件で10分間プレスし、絶縁性放熱シ
ートを得た。得られた放熱シート及び比較例2としてガ
ラス繊維クロスにBNを配合したシリコーンゴム層を設
けた絶縁放熱シートTC−45BG(信越化学工業
(株)社製,商品名)の物性及び耐薬品性の結果を表2
に示す。
【0047】なお、図4において、11は目止め処理済
ガラス繊維クロス、12は塗工液、13はナイフ、14
は熱風乾燥炉、15は巻き取りロールである。
【0048】
【表2】
【0049】なお、熱抵抗は下記方法により測定した。熱抵抗 トランジスタTO−3型の打ち抜きサンプルをトランジ
スタ・2SD113(東芝社製,商品名)とフィン・F
BA−150−PS((株)オーエス社製,商品名)の
間に挟んでトルクインバーターに取り付け、トランジス
タ過度熱抵抗測定器・TH−156(桑野電機社製,商
品名)によってDC10V.3Aの電力を印加し、1分
後のΔVEB(mV)から次式によって算出した。
【0050】
【数1】 ΔVEBS…サンプルを挟んだものΔVEB ΔVEBO…放熱グリース・G746(信越化学工業
(株)社製,商品名)をトランジスタに塗布した時のΔ
EB C…トランジスタのΔVEBの温度係数(ΔVEB/ΔT≒
2.2mV/℃) α…ベース電流による補正項(α=0.9W)
【0051】〔実施例4〜6、比較例2〕ポリオレフィ
ン系合成ゴムエスプレン567(住友化学工業(株)
製,プロピレン含有量46重量%,ヨウ素価5)、(C
2=CH)(CH3)SiO単位0.5モル%と(C6
5 SiO単位10モル%と(CH32SiO単位8
9.5モル%とからなる平均重合度8,000のメチル
ビニルフェニルポリシロキサン、HAFカーボンを表3
に示す割合で2本ロールを用いて配合後、トルエンに溶
かし、30%ゴムトルエン溶液とした。得られた30%
ゴムトルエン溶液にジクミルパーオキサイド3部を添加
し、塗工液を調製した。
【0052】次に、図4に示す製造装置を使用して、実
施例3で得られた目止め処理済ガラス繊維クロスに上記
塗工液を塗工した(ウェブ速度1m/min、熱風乾燥
炉90℃)。得られたプレフォームを縦×横=300×
300mmにカットし、熱プレスを使用して、170
℃,30kg/cm2 条件で10分間プレスし、絶縁
性放熱シートを得た。得られた放熱シートの物性及び耐
薬品性の結果を表4に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】上記の結果より、実施例1〜6で得られた
絶縁性放熱シートは、従来のシリコーンゴム系放熱シー
トに比較して耐塩素性及び耐アルカリ性に優れ、しかも
塩素系やフッ素系のプラズマガスに対しても優れた耐久
性があることが認められる。また、40℃,90%RH
の雰囲気中で5時間放置した直後に体積固有抵抗率を測
定した結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】上記の結果より、実施例1〜6のシート
は、絶縁破壊強度に優れると同時に高温高湿の雰囲気中
でも体積固有抵抗率の低下がなく、電気絶縁性に優れて
いることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】含浸機の一例を示す概略断面図である。
【図2】含浸機の他の例を示す概略断面図である。
【図3】目止め処理装置の一例を示す概略断面図であ
る。
【図4】ゴムシート形成装置の一例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】 1 ガラス繊維クロス 3 スラリー 9 熱風乾燥炉 11 目止め処理済ガラス繊維クロス 14 熱風乾燥炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 勉 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−63246(JP,A) 特開 昭56−161140(JP,A) 特開 昭58−21446(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維クロス層が無機充填材を60
    〜90重量%含有する付加反応硬化型シロキサン含有エ
    チレンプロピレンジエンゴム組成物の硬化物にて目止め
    処理されていると共に、この目止め処理されたガラス繊
    維クロス層の少なくとも片面に無機充填材を60〜90
    重量%含有するシロキサン含有エチレンプロピレンジエ
    ンゴムシートが積層されてなる絶縁性放熱シート。
  2. 【請求項2】 付加反応硬化型シロキサン含有エチレン
    プロピレンジエンゴム組成物が、(1)エチレン−プロ
    ピレン−ジエン共重合体60重量%以上と、ケイ素原子
    結合水素原子を含まないオルガノポリシロキサン40重
    量%以下とからなる混合物、(2)1分子中にケイ素原
    子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノ
    ハイドロジェンポリシロキサン、(3)白金又は白金化
    合物、(4)無機充填材として窒化ホウ素を含有してな
    る請求項1記載の絶縁性放熱シート。
  3. 【請求項3】 ガラス繊維クロスに無機充填材を60〜
    90重量%配合した付加反応硬化型シロキサン含有エチ
    レンプロピレンジエンゴム組成物にて、予めガラス繊維
    クロスの目止め処理を行い、該組成物を加熱硬化した後
    に、この目止め処理済ガラス繊維クロスの少なくとも片
    面に無機充填材を60〜90重量%含有する付加反応硬
    化型及び/又は過酸化物硬化型シロキサン含有エチレン
    プロピレンジエンゴム組成物を塗工し、硬化させること
    からなる絶縁性放熱シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 付加反応硬化型シロキサン含有エチレン
    プロピレンジエンゴム組成物によるガラス繊維クロスの
    目止め処理を該組成物のスラリーを含浸した後に熱風加
    熱硬化することにより行う請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 目止め処理済ガラス繊維クロスの片面に
    付加反応硬化型及び/又は過酸化物硬化型シロキサン含
    有エチレンプロピレンジエン組成物のスラリーを塗工
    し、熱風乾燥した後にもう一方の面に該組成物のスラリ
    ーを塗工し、熱風乾燥し、プレフォームを製造し、この
    プレフォームをカッターにてカットした後に熱プレスに
    より加硫する請求項4記載の製造方法。
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