JP2906922B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

Info

Publication number
JP2906922B2
JP2906922B2 JP14742993A JP14742993A JP2906922B2 JP 2906922 B2 JP2906922 B2 JP 2906922B2 JP 14742993 A JP14742993 A JP 14742993A JP 14742993 A JP14742993 A JP 14742993A JP 2906922 B2 JP2906922 B2 JP 2906922B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
lock
drive
slip
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14742993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH071992A (ja
Inventor
徹 岩田
和朗 岩田
友博 福村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP14742993A priority Critical patent/JP2906922B2/ja
Publication of JPH071992A publication Critical patent/JPH071992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2906922B2 publication Critical patent/JP2906922B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪の駆動スリップ
を抑制するための駆動力制御と、ロックアップ機能を有
する流体伝動装置のロックアップ締結力の制御とを実施
する、車両用駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロックアップ機能を有する流体伝動装置
であるトルクコンバータを介して駆動輪に駆動力を伝達
するようにした車両においては、エンジンのトルク変動
をトルクコンバータによって吸収して、車体の振動等を
低減することができる。しかし、駆動輪の駆動スリップ
を抑制するためにエンジンの出力を低減する、いわゆる
駆動力制御(トラクションコントロール)を同時に実施
した場合、駆動輪側の回転イナーシャがトルクコンバー
タで吸収されるため、駆動スリップを抑制する際の制御
応答性が劣化してしまう。この不具合を解決するため
に、例えば特開昭62-31769号公報に開示されているもの
が提案されている。この従来例によれば、駆動力制御を
実施する際にロックアップ締結力を急激に強める制御
(ロックアップ締結制御)を行うことによりトルクコン
バータによる駆動輪の回転イナーシャの吸収を防止し
て、駆動輪の駆動スリップを応答性良く吸収しようとし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、トルクコンバータの滑り状態を考慮せ
ずに、ロックアップ締結制御開始のタイミングを決定し
ているため、例えばトルクコンバータの滑りが大きいと
きに駆動力制御に加えてロックアップ締結力を急激に強
める制御を行うようにすると、エンジン側の回転イナー
シャが駆動輪側に伝達されて、駆動輪側の回転数が高ま
ってしまう。その結果、本来駆動スリップ発生に応じて
駆動力制御を早急に行うべき状況にある制御初期に、か
えってスリップが増加してしまい、駆動力制御の応答性
の悪化を招くことになる。
【0004】本発明は、ロックアップ機能を有する流体
伝動装置の滑り状態や駆動力制御の実施のタイミングを
考慮してロックアップ締結制御開始のタイミングを決定
するようにした車両用駆動力制御装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の請求項1の構成は、図1(a)に概念を示す如く、ロ
ックアップ機能を有する流体伝動装置を介して動力源か
ら駆動トルクを伝達される駆動輪の、駆動スリップ状態
を検出する駆動スリップ検出手段と、検出した駆動スリ
ップ状態に応じて該駆動輪の駆動力制御を行う駆動力制
御手段と、該駆動力制御手段による前記駆動力制御の実
施中、前記流体伝動装置のロックアップ制御またはロッ
クアップ締結制御を行うロックアップ制御手段とを具え
る、車両用駆動力制御装置において、前記流体伝動装置
に滑りが発生する状態を判断する滑り状態判断手段と、
該滑り状態判断手段により前記流体伝動装置の滑りが所
定値以上になると判断されたとき、前記ロックアップ制
御手段による前記流体伝動装置のロックアップ締結制御
を禁止するロックアップ締結制御禁止手段とを設けたこ
とを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の請求項2の構成は、図1
(b)に概念を示す如く、ロックアップ機能を有する流
体伝動装置を介して動力源から駆動トルクを伝達される
駆動輪の、駆動スリップ状態を検出する駆動スリップ検
出手段と、検出した駆動スリップ状態に応じて該駆動輪
の駆動力制御を行う駆動力制御手段と、該駆動力制御手
段による前記駆動力制御の実施中、前記流体伝動装置の
ロックアップ制御またはロックアップ締結制御を行うロ
ックアップ制御手段とを具える、車両用駆動力制御装置
において、前記駆動力制御手段により駆動力制御が開始
されてから駆動スリップがピークを越えたと判断された
ときに、前記ロックアップ制御手段による前記流体伝動
装置のロックアップ締結制御が開始されるようにする、
ロックアップ締結制御遅延手段を設けたことを特徴とす
るものである。
【0007】
【作用】本発明の請求項1の車両用駆動力制御装置にあ
っては、駆動力制御手段により駆動スリップ状態に応じ
て行う駆動輪の駆動力制御の実施中、ロックアップ制御
手段はロックアップ機能を有する流体伝動装置のロック
アップ制御またはロックアップ締結制御を行おうとする
が、滑り状態判断手段により前記流体伝動装置の滑りが
所定値以上になると判断された場合には、ロックアップ
締結制御禁止手段が、前記ロックアップ制御手段による
前記流体伝動装置のロックアップ締結制御を禁止するか
ら、ロックアップに伴う回転イナーシャの急激な伝達を
防止することができる。これにより、本来駆動スリップ
発生に応じて駆動力制御を早急に行うべき状況にある制
御初期に、回転イナーシャの伝達により駆動輪側の回転
数が高まってかえってスリップが増加する不具合が防止
される。
【0008】また、本発明の請求項2の車両用駆動力制
御装置にあっては、駆動力制御手段により駆動スリップ
状態に応じて行う駆動輪の駆動力制御の実施中、ロック
アップ制御手段はロックアップ機能を有する流体伝動装
置のロックアップ制御またはロックアップ締結制御を行
おうとするが、ロックアップ締結制御遅延手段が、前記
ロックアップ制御手段による前記流体伝動装置のロック
アップ締結制御の開始のタイミングを前記駆動力制御の
開始後の駆動スリップがピークを越えたと判断されたと
きまで遅延させるので、前記流体伝動装置の滑りが大き
くなる駆動力制御開始当初にはロックアップが実施され
ず、駆動力制御を所定時間実施して前記流体伝動装置の
滑りを低減した後に遅延してロックアップが実施される
から、ロックアップに伴う回転イナーシャの急激な伝達
を防止することができる。これにより、本来駆動スリッ
プ発生に応じて駆動力制御を早急に行うべき状況にある
制御初期に、回転イナーシャの伝達により駆動輪側の回
転数が高まってかえってスリップが増加する不具合が防
止される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は本発明の車両用駆動力制御装置の第1
実施例の構成を示す図である。この第1実施例は、動力
源としてのエンジンの駆動トルク自体を調整することに
より駆動輪に付与するトルクを調整する、エンジン制御
方式のトラクションコントロールを採用し、後輪駆動方
式として構成されている。
【0010】図2において、1はトラクションコントロ
ーラ(TCSCU)であり、TCSCU1は、図示しな
い車輪速センサより左右前輪および左右後輪の車輪速信
号VFL,VFR,VRL,VRRを入力されて、エン
ジン電子制御装置(ECU)2および変速機コントロー
ラ(ATCU)3にエンジントルク低減量を表わすトラ
クションコントロール作動信号TDを出力する。ECU
2は、内燃機関の作動状態を制御するため、図示しない
内燃機関に機関制御信号を出力する。ATCU3は、上
記トラクションコントロール作動信号に加え、図示しな
いエンジン回転数センサからのエンジン回転数信号Ne
および図示しない内燃機関からのエンジン出力状態信号
Ec(アクセル開度センサからのアクセル開度信号で代
用してもよい)を入力されて、オーバーランクラッチソ
レノイド制御信号をオーバーランクラッチ回路のオーバ
ーランクラッチソレノイド4に出力するとともに、ロッ
クアップON/OFF信号をデューティサイクルDでロ
ックアップ回路のロックアップソレノイド5に出力す
る。
【0011】上記オーバーランクラッチ回路は、オーバ
ーランクラッチソレノイド4、シャトルシフトバルブ
6、オーバーランクラッチコントロールバルブ7、オー
バーランクラッチレデューシングバルブ8およびオーバ
ーランクラッチ9等を具えて成る。このオーバーランク
ラッチ回路では、ATCU3からのオーバーランクラッ
チソレノイド制御信号によりオーバーランクラッチソレ
ノイド4がOFFになった場合には、上記各バルブの所
定の作動に応じて導かれる油圧によってオーバーランク
ラッチ9が締結側に作動してエンジンブレーキの作用を
なし、オーバーランクラッチソレノイド4がONになっ
た場合には、オーバーランクラッチ9は締結しない。
【0012】上記ロックアップ回路は、ロックアップソ
レノイド5、ロックアップコントロールバルブ10、オ
イルポンプ11およびトルクコンバータ12を具えて成
り、トルクコンバータ12は、ポンプインペラ13、タ
ービンランナ14、ロックアップピストン15等より成
る。ロックアップソレノイド5は、ATCU3から入力
されるデューティサイクルDを表わす信号によってON
/OFFの割合(デューティ比)を連続的に制御され、
この制御によってロックアップソレノイド5がONにな
った場合には、ピストン油圧がロックアップコントロー
ルバルブ10でドレーンされて低下する。このピストン
油圧の低下により、オイルポンプ11が発生するコンバ
ータ油圧がトルクコンバータ12のB室に作用してロッ
クアップピストン15が締結される。一方、ロックアッ
プソレノイド5がOFFになった場合には、コンバータ
油圧がトルクコンバータ12のA室に作用してロックア
ップピストン15が解放される。
【0013】ロックアップピストン15が締結された場
合、ポンプインペラ13はタービンランナ14にロック
されるので、トルクコンバータ12は継手として作用す
ることになる。一方、ロックアップピストン15が解放
された場合、ポンプインペラ13はタービンランナ14
に対して滑ることになり、トルクコンバータ12はコン
バータとして作用することになり、トルクを増幅する。
ここで、ATCU3がロックアップソレノイド5に入力
するロックアップON/OFF信号のデューティー比を
1対1とした場合、ロックアップピストン15の作動油
圧はドレーンおよびコンバータ油圧の間の値となり、ロ
ックアップピストン15は半締結状態(半クラッチ状
態)となる。その結果、トルクコンバータ12は、継手
およびコンバータの中間の状態、すなわちスリップロッ
クアップ状態になる。なお、デューティ比を1対1から
適宜変更することにより、ロックアップピストン15の
締結状態を締結から解放までの間の任意の中間状態にす
ることができるので、上記半クラッチ状態を経て締結状
態になるように制御することにより、スムーズな締結が
可能になる。
【0014】本実施例では、流体伝動装置としてのトル
クコンバータ12に滑りが発生する状態を判断するため
にエンジン負荷を用いているので、ATCU3は入力さ
れたエンジン回転数(トルクコンバータ入力回転数)N
eおよびエンジン出力状態信号Ecに基づいてエンジン
の負荷状態を予め推定しておくものとする。ATCU3
は、上記各入力信号に基づいて、図3の制御プログラム
を実行してロックアップ締結制御、ロックアップ制御お
よびオーバーランクラッチ制御を行う。
【0015】図示しないオペレーションシステムによっ
て所定周期毎の定時割込みにより繰返し実行される図3
の制御プログラムにおいて、まずステップ101で、ト
ラクションコントロール作動信号TDによってトラクシ
ョンコントロール(駆動力制御)の実施の有無を判別す
る。この判別は、TCSCU1が入力された各車輪速V
FL,VFR,VRL,VRR等に基づきトラクション
コントロールを実施していないときはエンジントルク低
減量TDが0となり、トラクションコントロールを実施
しているときはTD≠0となることを利用している。
【0016】上記ステップ101で、トラクションコン
トロール非実施と判別された場合には、制御をステップ
102に進めて通常のロックアップ制御および通常のオ
ーバーランクラッチ制御を行い、トラクションコントロ
ール実施と判別された場合には、制御をステップ103
に進める。ステップ103では、エンジン回転数信号N
eおよびエンジン出力状態信号Ecより求めたエンジン
の負荷状態に応じてロックアップ締結制御または通常の
ロックアップ制御を行う。
【0017】すなわち、ステップ103内に併記したマ
ップに示すように、しきい値P1 よりも右側のエンジン
負荷大領域では通常のロックアップ制御(スリップロッ
クアップ制御を含む)を行い、しきい値P1 よりも左側
のエンジン負荷小領域ではロックアップソレノイド5の
デューティ比を最大値(100%)にするロックアップ
締結制御を行い、即座にロックアップ締結するようにす
る。なお、この例ではロックアップ締結力を急激に増加
させるためにデューティ比を100%にしているが、デ
ューティ比を通常よりも高める制御やデューティ比変化
速度(増加速度)を早めるようにしてもよい。
【0018】次のステップ104では、上記ステップ1
03と同様にして求めたエンジンの負荷状態に応じてオ
ーバーランクラッチ制御を行う。すなわち、しきい値P
2 よりも左側のエンジン小負荷領域では通常のオーバー
ランクラッチ締結条件により通常のオーバーランクラッ
チ制御を行い、しきい値P2 よりも右側のエンジン大負
荷領域では、前記通常のオーバーランクラッチ制御より
も締結領域を拡大したオーバーランクラッチ制御を行
う。この締結領域の拡大は、例えば図4に斜線を付けて
示した通常のオーバーランクラッチ締結領域を規定する
アクセル開度および車速のしきい値を、大きくすること
により行うものとし、拡大された締結領域は図4に一点
鎖線で包囲した領域となる。なお、アクセル開度および
車速が通常または拡大されたオーバーランクラッチ締結
領域内の場合は、オーバードライブスイッチがONにな
っている場合も、オーバーランクラッチが締結されるこ
とになる。
【0019】次のステップ105では、TCSCU1か
らのエンジントルク低減量TDに応じてエンジントルク
の低減制御を行う。なお、ATCU3は、上記ステップ
103,104においてロックアップ制御手段、ロック
アップ締結制御禁止手段および滑り状態検出手段として
機能し、TCSCU1は、上記ステップ101,105
において駆動スリップ検出手段および駆動力制御手段と
して機能する。
【0020】次に、この第1実施例の作用を図5および
図6によって説明する。一般に、流体伝動装置としての
ロックアップ機構付きのトルクコンバータを有する自動
変速機においては、図6の特性図に示すように、トルク
コンバータ速度比e(入出力軸回転数比γ)とトルク増
幅比rとは、両者の積で表わされる効率ηがη=e×r
<1の制約を受けるため、トレードオフの関係になる。
その際、トルクコンバータの滑り量は、コンバータ領域
の速度比e=0で最大になる。このようなトルクコンバ
ータの滑りが大きいときに、駆動力制御に加えてロック
アップ締結力を急激に強めると、エンジン側の回転イナ
ーシャが駆動輪側に伝達されて駆動輪側の回転数が高ま
り、本来駆動スリップ発生に応じて駆動力制御を早急に
行うべき状況にある制御初期に、かえってスリップが増
加してしまい、駆動力制御の応答性の悪化を招くことに
なる。
【0021】本実施例においては、図3のステップ10
3で、エンジン負荷によってトルクコンバータに滑りが
発生する状態を判断し、トルクコンバータの滑りに応じ
てロックアップ締結制御および通常のロックアップ制御
を使い分けしている。すなわち、駆動力制御実施中、ス
テップ103でトルクコンバータ12の滑りが大きくな
ると見なすことができるエンジン負荷大領域の場合に
は、ロックアップ締結力を急激に強めることになるロッ
クアップ締結制御を禁止して通常のロックアップ制御を
行うとともに、ステップ104で、通常よりも締結領域
を拡大したマップによりオーバーランクラッチ制御を行
う。
【0022】上記ステップ103,104の実行による
作用を図5のタイムチャートで説明する。瞬時t0 〜t
1 の間は、駆動スリップは発生しておらず、エンジン出
力が徐々に増加するのに応じてロックアップデューティ
Dも徐々に増加しているため、スリップロックアップ制
御(通常のロックアップ制御)が行われており、オーバ
ーランクラッチ9は解放されている。瞬時t1 に駆動ス
リップが発生し、駆動力制御(エンジントルク低減制
御)によりエンジン出力が急激に低下する。このとき、
従来例であれば直ちにロックアップ締結制御(ロックア
ップデューティ100%)を行うところであるが、本実
施例ではロックアップに伴う回転イナーシャの急激な伝
達を防止するためロックアップ締結制御を禁止している
ので、ロックアップデューティDは徐々に増加し続けて
おり、上記スリップロックアップ制御が継続し、代わり
に瞬時t1 〜t2の間、オーバーランクラッチ9が締結
される。
【0023】瞬時t2 〜t3 の間は、上記駆動力制御に
より駆動スリップが抑制され、エンジン出力が徐々に回
復し、それに応じてロックアップデューティDも徐々に
増加しており、オーバーランクラッチ9は解放されてい
る。瞬時t3 に再び駆動スリップが発生し、駆動力制御
によりエンジン出力が減少する。この場合は、上記と違
ってエンジン負荷が小さいのでトルクコンバータ12の
滑りが小さくなると見なすことができるエンジン負荷小
領域の場合であるから、直ちにロックアップ締結制御
(ロックアップデューティ100%)を実施し、それに
よりロックアップ締結状態になる。
【0024】なお、この実施例において、ロックアップ
制御に重み付けするため、ロックアップ線図を低速側に
ずらして早期にロックアップし易くするようにしたり、
スリップロックアップ制御時の制御ゲインを高めて締結
までの時間を短縮するようにしたり、オーバーランクラ
ッチ制御に重み付けするため、オーバーランクラッチソ
レノイド制御デューティ比を高めるようにしてもよい。
また、エンジン負荷状態の判断にエンジン回転数信号N
eおよびエンジン出力状態信号Ecを用いる代わりに、
過給圧、エンジン吸入空気量、エンジン水温、推定また
は計測したエンジントルク等を用いてもよい。さらに、
内燃機関の出力制御は、エンジン電子制御装置での空燃
比制御、点火時期制御のみならず、電子制御スロットル
を用いた吸入空気量制御や過給圧制御としてもよい。
【0025】図7は本発明の車両用駆動力制御装置の第
2実施例の構成を示す図であり、第1実施例と同一の部
分には同一符号を付けて説明を省略する。この第2実施
例の第1実施例との相違点は、エンジン電子制御装置
(ECU)2への入力信号を追加したことと、オーバー
ランクラッチ回路の記入を省略したことである。すなわ
ち、ECU2は、エンジントルク低減量を表わすトラク
ションコントロール作動信号TDの他、エンジン回転数
信号Neおよびアクセル開度信号Accを入力されると
ともに、ATCU3からロックアップ状態信号Ruを入
力される。
【0026】ATCU3は、上記各入力信号に基づいて
図8の制御プログラムを実行してロックアップ締結制御
およびロックアップ制御を行い、ECU2は、上記各入
力信号に基づいて図9の制御プログラムを実行して駆動
力制御を行う。
【0027】図示しないオペレーションシステムによっ
て所定周期毎の定時割込みにより繰返し実行される図8
の制御プログラムにおいて、まずステップ111で、ト
ラクションコントロール作動信号TDによってトラクシ
ョンコントロール(駆動力制御)の実施の有無を判別す
る。この判別は、TCSCU1が入力された各車輪速V
FL,VFR,VRL,VRR等に基づきトラクション
コントロールを実施していないときはエンジントルク低
減量TDが0となり、トラクションコントロールを実施
しているときはTD≠0となることを利用している。
【0028】上記ステップ101でトラクションコント
ロール非実施と判別された場合には、制御をステップ1
12に進めて駆動スリップ状態か否かを判別し、そこで
駆動スリップ状態でないと判別された場合はステップ1
13で通常のロックアップ制御を行う。なお、ATCU
3は、この駆動スリップ状態の判別において実際のスリ
ップがスリップ基準値を越えるが否かにより判断するも
のとするが、スリップ変化率が所定値以上で駆動スリッ
プ発生と判断するようにしてもよい。その際、ATCU
3はロックアップ締結制御遅延手段として機能する。一
方、ステップ112で駆動スリップ状態と判別された場
合およびステップ111でトラクションコントロール実
施中と判別された場合には、制御をステップ114に進
める。ステップ114では、増加し続けていた駆動スリ
ップがピークを越えたか否かを判別し、ピークに達して
いなければ次のステップ115でエンジントルクを所定
量に設定してからステップ113で通常のロックアップ
制御を行う。一方、駆動スリップがピークを越えた場合
には、制御をステップ116に進める。
【0029】ステップ116では、後述するステップ1
23で決定された補正量ΔTDによって補正された後の
エンジントルク低減量TDに基づいて、ロックアップデ
ューティDの補正量ΔDを算出する。このΔDの算出
は、解放〜スリップ〜締結の過程を経る通常のロックア
ップ制御に対し、補正後のTDに応じてロックアップ締
結力をどの程度強めたらよいかを考慮して、それに相当
するロックアップデューティ付加分を求めるものであ
る。次のステップ117では、得られた補正量ΔDに対
し、1制御周期当たり何%ロックアップデューティを変
化させるかを規定するデューティ変化速度の上限値を算
出し、この値に基づいてリアルタイムでロックアップデ
ューティDを決定し、決定されたロックアップデューテ
ィDによってロックアップ締結制御を実行する。
【0030】図示しないオペレーションシステムによっ
て所定周期毎の定時割込みにより繰返し実行される図9
の制御プログラムにおいて、まずステップ121で、A
TCU3から入力されたロックアップ状態信号Ruによ
って通常のロックアップ制御時と比べてロックアップ締
結状態が厳しいか否かを判別し、厳しくない場合(通常
のロックアップ制御)には制御をステップ122に進め
て、エンジントルク低減量TDの補正量ΔTDを0にし
てエンジントルク低減量TDを補正せずにそのまま用い
て駆動力制御を行う。また、厳しい場合には、制御をス
テップ123に進める。
【0031】ステップ123では、図中に併記したマッ
プに示すように、エンジントルク低減量TDに対する補
正量ΔTDをアクセル開度Accおよびエンジン回転数
Neに応じて決定する。この補正量ΔTDは、Acc、
Neが所定値に達するまでは0で、その後はリニアに増
加する値を取る。次のステップ124では、上記ロック
アップ締結制御の終了後、例えば前述したロックアップ
デューティ変化速度がプラスから0を経てマイナスに転
じた時点からアクセル開度Acc、エンジン回転数Ne
およびギヤ位置Gpに応じて算出した所定時間(遅延時
間Δt)が経過した後に補正量ΔTDを0にする。それ
により、エンジントルク低減量TDは補正を加えられな
い値に復帰するので、その値を用いて駆動力制御を行
う。
【0032】次に、この第2実施例の作用を図10によ
って説明する。本実施例では、上述した駆動力制御の制
御初期に応答性の悪化を招く不具合を、増加し続けてい
た駆動スリップが図8のステップ114においてピーク
を越えたと判断されるまではロックアップ締結制御を実
施しないことにより、言い換えればロックアップ締結制
御を所定時間遅延させることにより、解消している。
【0033】例えば、図10に示すように、瞬時t11
しきい値S*を越えるスリップが発生した場合、ロック
アップ制御無しの従来例では図示点線のようにスリップ
が増加し続ける。また、スリップ発生(瞬時t11)と同
時にロックアップ締結制御を開始するようにした従来例
(同時に駆動力制御も開始している)においては、ロッ
クアップ締結力の増加が急激過ぎて図示一点鎖線のよう
なイナーシャに伴うトルク変動が発生する。これに対
し、本実施例は、瞬時t11からスリップがピークを過ぎ
る瞬時t12までロックアップ締結制御の開始のタイミン
グを遅延し、瞬時t12からエンジントルを所定値に設定
するような駆動力制御を例えば全気筒燃料供給カットに
よって行っているので、上記不具合は生じない。また、
本実施例は、ロックアップを多用した場合にトルクコン
バータの制御がルーズになる不具合を防止することもで
き、エンジンに燃費向上にもなる。
【0034】なお、この実施例において、トラクション
コントロール実施中にロックアップ線図を低速側にずら
して早期にロックアップし易くするようにしてもよい。
また、エンジン負荷状態の判断にエンジン回転数信号N
eおよびエンジン出力状態信号Ecを用いる代わりに、
過給圧、エンジン吸入空気量、エンジン水温、推定また
は計測したエンジントルク等を用いてもよい。さらに、
内燃機関の出力制御は、エンジン電子制御装置での空燃
比制御、点火時期制御のみならず、電子制御スロットル
を用いた吸入空気量制御や過給圧制御としてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の
車両用駆動力制御装置によれば、駆動力制御手段により
駆動スリップ状態に応じて行う駆動輪の駆動力制御の実
施中、ロックアップ制御手段はロックアップ機能を有す
る流体伝動装置のロックアップ制御またはロックアップ
締結制御を行おうとするが、滑り状態判断手段により前
記流体伝動装置の滑りが所定値以上になると判断された
場合には、ロックアップ締結制御禁止手段が前記ロック
アップ制御手段による前記流体伝動装置のロックアップ
締結制御を禁止するから、ロックアップに伴う回転イナ
ーシャの急激な伝達を防止することができ、本来駆動ス
リップ発生に応じて駆動力制御を早急に行うべき状況に
ある制御初期にかえってスリップが増加する不具合は生
じない。
【0036】また、本発明の請求項2の車両用駆動力制
御装置によれば、駆動力制御手段により駆動スリップ状
態に応じて行う駆動輪の駆動力制御の実施中、ロックア
ップ制御手段はロックアップ機能を有する流体伝動装置
のロックアップ制御またはロックアップ締結制御を行お
うとするが、ロックアップ締結制御遅延手段が、前記ロ
ックアップ制御手段による前記流体伝動装置のロックア
ップ締結制御の開始のタイミングを前記駆動力制御の開
始後の駆動スリップがピークを越えたと判断されたとき
まで遅延させるので、前記流体伝動装置の滑りが大きく
なる駆動力制御開始当初にはロックアップが実施され
ず、駆動力制御を所定時間遅実施して前記流体伝動装置
の滑りを低減した後に遅延してロックアップが実施され
るので、ロックアップに伴う回転イナーシャの急激な伝
達を防止することができ、本来駆動スリップ発生に応じ
て駆動力制御を早急に行うべき状況にある制御初期にか
えってスリップが増加する不具合は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明の概念図である。
【図2】本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施例の
構成を示す図である。
【図3】同例における、変速機コントローラによるロッ
クアップ締結制御、ロックアップ制御およびオーバーラ
ンクラッチ制御の制御プログラムを示すフローチャート
である。
【図4】同例における、通常のオーバーランクラッチ制
御よりも締結領域を拡大したオーバーランクラッチ制御
の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図5】同例の作用を説明するための図である。
【図6】同例の作用を説明するための図である。
【図7】本発明の車両用駆動力制御装置の第2実施例の
構成を示す図である。
【図8】同例における、変速機コントローラによるロッ
クアップ締結制御およびロックアップ制御の制御プログ
ラムを示すフローチャートである。
【図9】同例における、エンジン電子制御装置による駆
動力制御の制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図10】同例の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 トラクションコントローラ(TCSCU;駆動スリ
ップ検出手段、駆動力制御手段) 2 エンジン電子制御装置(ECU) 3 変速機コントローラ(ATCU;ロックアップ制御
手段、ロックアップ締結制御禁止手段、滑り状態検出手
段) 4 オーバーランクラッチソレノイド 5 ロックアップソレノイド 9 オーバーランクラッチ 10 ロックアップコントロールバルブ 12 流体伝動装置(トルクコンバータ) 15 ロックアップピストン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−31769(JP,A) 特開 昭62−231836(JP,A) 特開 平5−149423(JP,A) 特開 昭57−163731(JP,A) 特開 平2−176264(JP,A) 特開 平3−33553(JP,A) 特開 平4−113070(JP,A) 特開 昭59−73663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 29/00 - 29/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックアップ機能を有する流体伝動装置
    を介して動力源から駆動トルクを伝達される駆動輪の、
    駆動スリップ状態を検出する駆動スリップ検出手段と、
    検出した駆動スリップ状態に応じて該駆動輪の駆動力制
    御を行う駆動力制御手段と、該駆動力制御手段による前
    記駆動力制御の実施中、前記流体伝動装置のロックアッ
    プ制御またはロックアップ締結制御を行うロックアップ
    制御手段とを具える、車両用駆動力制御装置において、 前記流体伝動装置に滑りが発生する状態を判断する滑り
    状態判断手段と、 該滑り状態判断手段により前記流体伝動装置の滑りが所
    定値以上になると判断されたとき、前記ロックアップ制
    御手段による前記流体伝動装置のロックアップ締結制御
    を禁止するロックアップ締結制御禁止手段とを設けたこ
    とを特徴とする、車両用駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 ロックアップ機能を有する流体伝動装置
    を介して動力源から駆動トルクを伝達される駆動輪の、
    駆動スリップ状態を検出する駆動スリップ検出手段と、
    検出した駆動スリップ状態に応じて該駆動輪の駆動力制
    御を行う駆動力制御手段と、該駆動力制御手段による前
    記駆動力制御の実施中、前記流体伝動装置のロックアッ
    プ制御またはロックアップ締結制御を行うロックアップ
    制御手段とを具える、車両用駆動力制御装置において、 前記駆動力制御手段により駆動力制御が開始されてから
    駆動スリップがピークを越えたと判断されたときに、前
    記ロックアップ制御手段による前記流体伝動装置のロッ
    クアップ締結制御が開始されるようにする、ロックアッ
    プ締結制御遅延手段を設けたことを特徴とする、車両用
    駆動力制御装置。
JP14742993A 1993-06-18 1993-06-18 車両用駆動力制御装置 Expired - Fee Related JP2906922B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14742993A JP2906922B2 (ja) 1993-06-18 1993-06-18 車両用駆動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14742993A JP2906922B2 (ja) 1993-06-18 1993-06-18 車両用駆動力制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH071992A JPH071992A (ja) 1995-01-06
JP2906922B2 true JP2906922B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=15430123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14742993A Expired - Fee Related JP2906922B2 (ja) 1993-06-18 1993-06-18 車両用駆動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2906922B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH071992A (ja) 1995-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7769516B2 (en) Automatic gear control device
US7149616B2 (en) Control apparatus and method for vehicle
US7235036B2 (en) Lockup control apparatus and method for vehicular torque converter
US8296023B2 (en) Control apparatus and control method for continuously variable transmission
JP3384157B2 (ja) トルクコンバータのロックアップ制御装置
JP3496526B2 (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置
KR19980042099A (ko) 로크-업 토크 컨버터를 갖는 자동 변속기에 결합된 내연 기관을위한 연료 차단 및 연료 공급 회복 제어 시스템
JP4600259B2 (ja) パワートレーンの制御装置
JP2906922B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
US7473208B2 (en) Shift control device of automatic transmission
JPH11223263A (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置
JP3527778B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH10122008A (ja) エンジンの自動停止始動装置及び方法
JP6951143B2 (ja) 車両制御装置及び車両制御方法
JP2964366B2 (ja) 車両の減速時の制御装置
JPH11311326A (ja) 自動変速機のストール防止装置
JP3430869B2 (ja) 車両用無段変速機のロックアップ制御方法
JP2000337495A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2005172078A (ja) トルクコンバータのロックアップ制御装置
JPH05231530A (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP2008025376A (ja) パワートレーンの制御装置、制御方法、制御方法を実行させるプログラムおよびプログラムを記録した記録媒体。
JP2952729B2 (ja) 車両用自動変速機のトルクコンバータの制御装置
JP3453941B2 (ja) 車両用直結クラッチのスリップ制御装置
JP3246155B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP3556018B2 (ja) 自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees