JP2906575B2 - 自動変速機の変速装置 - Google Patents

自動変速機の変速装置

Info

Publication number
JP2906575B2
JP2906575B2 JP2118084A JP11808490A JP2906575B2 JP 2906575 B2 JP2906575 B2 JP 2906575B2 JP 2118084 A JP2118084 A JP 2118084A JP 11808490 A JP11808490 A JP 11808490A JP 2906575 B2 JP2906575 B2 JP 2906575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
transmission
torque
rotation
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2118084A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0415338A (ja
Inventor
尚士 柴山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2118084A priority Critical patent/JP2906575B2/ja
Publication of JPH0415338A publication Critical patent/JPH0415338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2906575B2 publication Critical patent/JP2906575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ワンウェイクラッチを有しない変速装置に
対して最小限の変更によって変速品質の向上を図り得る
自動変速機の変速装置に関する。
(従来の技術) まず、最も一般的な自動変速機の変速装置によりパワ
ーオンダウンシフトする場合について説明する。
例えば、高速段側のバンドブレーキを解放し定速段側
のクラッチを締結することで4−3ダウンシフトを行な
う場合、バンドブレーキを解放することによりギアをニ
ュートラルとし、その間で、タービン回転が上昇して3
速となった時のタービン回転に同調しようとする。
この状態で3速で実現するためにクラッチを締結させ
るわけであるが、そのクラッチの締結タイミングが非常
に難しい。
即ち、第13図のクラッチ締結の同期時の特性に示すよ
うに、丁度タービン回転が3速に同期した時にクラッチ
が締結すれば比較的衝撃なく変速を終了できる。
しかし、第13図のクラッチ締結の早過ぎ時の特性に示
すように、タービン回転が3速での回転に同期しないう
ちにクラッチが締結する場合には、タービン回転が強制
的にクラッチ容量によって上昇され、エンジンブレーキ
力が発生する為、一瞬マイナスの出力軸トルクが発生す
る。
そして、その後に3速での駆動トルクが伝わるように
なる為、上記マイナストルクから3速駆動トルクへの落
差が同期成功時に比べて大となり、大きなショックが発
生する。
また、駆動系にガタがある場合には、トルクが正負に
入れ代わる瞬間にガタ打ち音も発生して、運転者に対し
て異常な不快感を与える。
逆に、第13図のクラッチ締結遅過ぎ時の特性に示すよ
うに、タービン回転が3速での回転に同期してもまたク
ラッチが掴めず、しばらくしてから締結を開始すると、
タービン回転が一旦上昇してから下降し、エンジン回転
もそれに伴なって変化し、いわゆる『空吹き』が発生し
て運転者に違和感を与える。
また、3速に回転同期させる時にタービン回転をクラ
ッチ容量によって強制的に下降させるために回転エネル
ギが放出されて、図示のような衝撃的なショックトルク
が発生する。
以上のように自動変速機のダウンシフトでは、 タービン回転が低速段側に同期する以前は、低速段
側クラッチのトルク容量の発生を十分に低減させてお
く。
タービン回転が低速段側の同期した瞬間は、低速段
側クラッチのトルク容量をすばやく上昇させる。
が重要なポイントとなる。
そこで、ダウンシフトの変速品質の向上を図る案とし
て、例えば、『SEAペーパー890530』の55ページ〜58ペ
ージに示すように、上記低速段側クラッチのみによる変
速装置に代え、第14図に示すように、フォワードクラッ
チとワンウェイクラッチとオーバランクラッチを有する
変速装置が知られるに至っている。
この装置では、ダウンシフトが開始すると、第15図の
回転特性及び油圧特性に示すように、バンドブレーキの
油圧が抜けてタービン回転が上昇する。この時、ワンウ
ェイクラッチに接続されているリングギアメンバは変速
開始当初はフロントキャリアメンバ側に対して高回転し
ているのでワンウェイクラッチが空走してワンウェイク
ラッチおけるトラックの授受は無い。
タービン回転が更に上昇して遊星歯車列内部が3速状
態になると、リングギアメンバ回転がフロントキャリア
メンバ回転と一致し、ワンウェイクラッチがトルク伝達
を開始する。
このようにして、ワンウェイクラッチを用いると3速
に同期する直前まではフロントキャリアメンバとリング
ギアメンバ間には全くトルク伝達が発生せず、3速に同
期した瞬間に両メンバ間の伝達トルクを瞬時に上昇させ
てタービン回転がそれ以上上昇することを防ぐ作用が行
なわれ、良好な変速フィーリングを得るシステムとなっ
ている。
即ち、ダウンシフトでは、ワンウェイクラッチの作用
によって、3速への同期直前までの低速段クラッチ容量
の発生を完全防止し、3速への同期の瞬間に低速段クラ
ッチの容量を急上昇させる、いわば理想に近い同期作用
を得る。
しかし、フォワードクラッチとワンウェイクラッチの
組合せのみであると、エンジンブレーキレンジでエンジ
ンブレーキを得ようとする場合、このワンウェイクラッ
チが空走してしまってエンジンブレーキ力が得られなく
なってしまう。その対策として、このようにワンウェイ
クラッチを挿入した場合には、ワンウェイクラッチを介
さないで結合するオーバランクラッチを並列に設ける。
このようにすれば、エンジンブレーキレンジにおい
て、リアリングギアメンバとフロントキャリアメンバが
オーバランククラッチによって締結されるのでエンジン
ブレーキを発生できるシステムとなる。
以上のように、ある1つの回転メンバと他の1つの回
転メンバの間に直結クラッチを設置し、更に、ワンウェ
イクラッチを介して結合するクラッチを配置することに
よって、変速品質の向上とエンジンブレーキの確保との
両立が達成出来る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の変速装置にあって
は、フォワードクラッチとオーバランクラッチとはその
作動時期が全く異なるものである為、フォワードクラッ
チ用の油圧ピストンとオーバランクラッチ用の油圧ピス
トンの2ピストンが必要となると共に、各ピストンへの
油圧を供給するコントロールバルブ系,油路としても2
系統,2本必要となり、多大なスペースや複雑な油圧回路
を必要とする問題がある。
この結果、1つのクラッチによる変速システムを有す
る自動変速機に、上記2つの独立したクラッチ,1つのワ
ンウェイクラッチによる変速システムを適用しようとす
ると、油圧ピストンや油路の増設が必要であるばかりで
なく、コントロールバルブも大変更が必要となり、変速
品質向上策として採用することが大変困難である。
また、特に全長スペースの乏しいFF横置の自動変速機
では油圧ピストンを増設するだけのスペースが小変更で
は簡単に取れない。
本発明は、上述のような問題に着目してなされたもの
で、遊星歯車列を有し、少なくとも2段以上の前進変速
段を持つ自動変速機の変速装置において、ワンウェイク
ラッチを有さない変速装置に対し、油圧回路系の変速を
要さず最小限のスペース増に抑えながら、ダウンシフト
時の変速品質の向上とエンジンブレーキ確保との両立を
図ることを課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するための本発明の移動変速機の変速
装置では、1つの油圧ピストンにより連動して締結解放
される2つのクラッチによる手段とした。
即ち、第1図のクレーム対応図に示すように、遊星歯
車列を有し、少なくとも2段以上の前進変速段を持つ自
動変速機において、 前記遊星歯車列の回転要素に結合される第1の回転メ
ンバ及び第2の回転メンバと、 前記第1の回転メンバと第2の回転メンバを結合可能
とする第1の多板クラッチと、 前記遊星歯車列の回転要素のいずれにも結合されない
第3の回転メンバと、 前記第3の回転メンバと第2の回転メンバと結合可能
とする第2の多板クラッチと、 前記第1の回転メンバと第3の回転メンバとの間えト
ルク伝達を一回転方向のみ行なうワンウェイクラッチ要
素と、 隣接して配置される前記第1の多板クラッチと第2の
多板クラッチを、ダウンシフト時に解放から締結させ、
エンジンブレーキ変速段で締結を維持する単一の油圧ピ
ストント、 前記油圧ピストンへの油圧の給排を行なう単一の油圧
管路と、 を備えることを特徴とする。
(作 用) 本発明の変速制御装置が適用されている自動変速機に
おいて、ダウンシフトを、高速段側で締結されているバ
ンドブレーキを解放し、両多板クラッチを締結して行な
うものとする。
まず、ダウンシフト指令が出力されると、バンドブレ
ーキへの油圧が抜けてニュートラル状態となり、タービ
ン回転が上昇する。その後、クラッチ圧が単一の油圧管
路から単一の油圧ピストンに供給され、油圧ピストンに
押し力が発生する。
この時、タービン回転が低速段側の回転に同期する前
は、第1の回転メンバが第2の回転メンバより高回転と
なっている為、ワンウェイクラッチ要素が空走し、第1
の回転メンバと第2の回転メンバ間の伝達トルクは、第
1の多板クラッチによる伝達トルクのみとなり、伝達ト
ルク容量は低い。そして、タービン回転が上昇して低速
段側の回転に同期すると、第1の回転メンバの回転と第
2の回転メンバの回転とが一致し、その瞬間からワンウ
ェイクラッチ要素がトルク伝達に寄与し、第1の回転メ
ンバと第2の回転メンバ間の伝達トルクは、第1の多板
クラッチと第2の多板クラッチとを合せた伝達トルクが
発生する。
従って、バンドブレーキが完全に解放される以前から
クラッチを締結するように締結タイミングを設定してお
くと、クラッチ締結が開始されてからタービン回転との
同期前は、トルク伝達容量が低い第1の多板クラッチの
みの締結によるトルク伝達となる為、タービン回転のト
ルク容量による強制的上昇が抑えられて出力軸トルクに
一瞬出るマイナストルクは大幅に減少する。
そして、タービン回転と同期すると、同期した瞬間か
らトルク容量が急上昇する為、タービン回転の上昇が抑
えられる従来のワンウェイクラッチタイプと同様の同期
検知容量制御が行なわれ、ショックが防止されて変速品
質が向上する。
また、エンジンブレーキレンジでエンジンブレーキを
得る場合には、ワンウェイクラッチ要素は空走するもの
の第1多板クラッチが締結されている為、この第1の多
板クラッチを介して第2の回転メンバから第1の回転メ
ンバへエンジンブレーキトルクが伝達されることにな
り、エンジンブレーキの効きが確保される。
直、車両でのエンジンブレーキトルクはエンジン駆動
トルクの数分の1である為、1つクラッチによるトルク
容量で十分なエンジンブレーキトルクを伝達することが
出来る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
第2図は実施例の変速装置(ロークラッチユニット)
が適用された自動変速機のパワートレーンを示すスケル
トン図、第3図は実施例のロークラッチユニット部分で
ある第2図A部の詳細断面図である。
第2図に示す自動変速機は、2列の単純遊星歯車列に
よるフロントプラネタリーギアFPとリアプラネタリーギ
アRPを有し、前進4段・後退1段の変速段が達成され
る。
構成的には、エンジン駆動トルクがクランクシャフト
1及びトルクコンバータ2を介して入力されるインプッ
トシャフト3と、駆動輪に連結されるアウトプットシャ
フト4との間に、フロントプラネタリーギアFPとリアプ
ラネタリーギアRPとが設けられている。
そして、両プラネタリーギアFP,RPの回転要素の固
定,解放,連結の組合せ選択により前進4段・後退1段
を得る変速要素として、リバースクラッチR/C、ハイク
ラッチH/C、ロークラッチユニットL/C、ロー&リバース
ブレーキL&R/B、バンドブレーキB/B、ワンウェイクラ
ッチOWCが設けられている。
尚、フロントプラネタリーギアFPの回転要素として
は、フロントサンギアSF,フロントリングギアRF及びフ
ロントプラネットキャリアCFを有し、リアプラネタリー
ギアの回転要素としては、リアサンギアSR,リアリング
ギアRR及びリアプラネットキャリアCRを有する。
前記リバースクラッチR/Cは、インプットシャフト3
とフロントサンギアメンバ5を接続する。
前記ハイクラッチH/Cは、インプットシャフト3とフ
ロントプネットキャリアメンバ6を接続する。
前記ロークラッチユニットL/Cは、フロントプラネッ
トキャリアメンバ6とリアリングギアメンバ7とを接続
する。
前記ロー&リバースブレーキL&R/Bは、フロントプ
ラネットキャリアメンバ6をケース8に固定する。
前記バンドブレーキB/Bは、フロントサンギアメンバ
5をケース8に固定する。
前記ワンウェイクラッチOWCは、フロントプラネット
キャリアメンバ6の一方向の回転を固定する。
前記ロークラッチユニットL/Cは、リアリングギアメ
ンバ7(第1の回転メンバ)及びフロントプラネットキ
ャリアメンバ6(第2の回転メンバ)と、前記リアリン
グギアメンバ7及びフロントプラネットキャリアメンバ
6を結合可能とする直結ロークラッチ10(第1の多板ク
ラッチ)と、プラネタリーギアの回転要素のいずれにも
結合されないアウターロータ12b(第3の回転メンバ)
と、前記アウターロータ12bとフロントプラネットキャ
リアメンバ6とを結合可能とする介在ロークラッチ11
(第2の多板クラッチ)と、前記リアリングギアメンバ
7とアウターロータ12bとの間でトルク伝達を一回転方
向のみ行なうスプラグ型ワンウェイクラッチ12(ワンウ
ェイクラッチ要素)と、隣接して配置される前記直結ロ
ークラッチ10と介在ロークラッチ11との締結解放作動を
する単一のロークラッチピストン13(油圧ピストン)
と、前記ロークラッチピストン13へロークラッチ圧の給
排を行なう単一のロークラッチ油圧路14(油圧管路)と
を備えている。
尚、スプラグ型ワンウェイクラッチ12は、第3図に示
すように、インナーロータ12a,アウターロータ12b及び
スプラグ12cを有して構成され、インナーロータ12aはリ
アリングギアメンバ7に固定され、アウターロータ12b
には、介在ロークラッチ11のクラツチプレートを軸方向
移動可能に嵌合するスプライン15が形成されている。
また、リアリングギアメンバ7の外周部とフロントプ
ラネットキャリアメンバ6の内周部にもスプライン15が
形成されている。
前記直結ロークラッチ10及び介在ロークラッチ11は、
それぞれ2枚のドリブンプレートと2枚のドライブプレ
ートの交互組合せにより構成され、ロークラッチピスト
ン13の押し力作用面には、介在ロークラッチ11,中間プ
レート16,デッシュプレート17,直結ロークラッチ10,リ
テーニングプレート18,スナップリング19が順次配置さ
れている。
尚、第3図において、20は皿バネ式リターンスリン
グ、21はシール用Dリグ、22は排油用ボール弁、23はク
ラッチ油室、24はスラストベアリング、25はシールリン
グ、26はケース8に取付けられる静止部材である。
次に、作用を説明する。
第4図は実施例の自動変速機で各レンジ位置での変速
作動表を示す図で、Dレンジでは、1速はロークラッチ
ユニットL/CとワンウェイクラッチOWCの作動により得ら
れ、2速はロークラッチユニットL/CとバンドブレーキB
/Bの作動により得られ、3速はハイクラッチH/Cとロー
クラッチユニットL/Cの作動により得られ、4速はハイ
クラッチH/CとバンドブレーキB/Bの作動により得られ
る。
次に、第5図に示す各特性の4−3タウンシフトタイ
ムチャートに基づいて4速から3速へのダウンシフト時
の作用について説明する。
4−3ダウンシフトは、4速側で締結されているバン
ドブレーキB/Bを解放し、ロークラッチユニットL/Cを締
結して行なわれる。
まず、ダウンシフト指令が出力されると、バンドブレ
ーキB/Bの油圧が抜けてニュートラル状態となり、ター
ビン回転が上昇する。
その後、ロークラッチ圧がロークラッチ圧油路14から
のロークラッチピストン13に供給され、ロークラッチピ
ストン13に押し力が発生する。
この時、タービン回転が3速側の回転に同期する前
は、リアリングギアメンバ7がフロントプラネットキャ
リアメンバ6より高回転となっている為、スプラグ型ワ
ンウェイクラッチ12が空走し、リアリングギアメンバ7
とフロントプラネットキャリアメンバ6間の伝達トルク
は、直結ロークラッチ10による伝達トルクのみとなり、
伝達トルク容量は低い。
そして、タービン回転が上昇して3速側の回転に同期
すると、リアリングギアメンバ7の回転とフロントプラ
ネットキャリアメンバ6のカーテンとが一致し、その瞬
間からスプラグ型ワンウェイクラッチ12からトルク伝達
に寄与し、リアリングギアメンバ7とフロントプラネッ
トキャリアメンバ6間の伝達トルクは、直結ロークラッ
チ10と介在ロークラッチ11とを合せた伝達トルクが発生
する。
従って、バンドブレーキB/Bが完全に解放される以前
からロークラッチユニットL/Cを締結するように締結タ
イミングを設定しておくと、ロークラッチユニットL/C
の締結が開始されてからタービン回転との同期前は、ト
ルク伝達容量が低い直結ロークラッチ10のみの締結によ
るトルク伝達となる為、タービン回転のトルク容量によ
る強制的上昇が抑えられて出力軸トルクとして一瞬出る
マイナストルクは大幅に減少する。
そして、タービン回転と同期すると、同期した瞬間か
ら介在ロークラッチ11による伝達トルクが加わり、トル
ク容量が急上昇する為、タービン回転の上昇が抑えられ
る従来のワンウェイクラッチタイプと同様の同期検知容
量制御が行なわれ、ショックが防止されて変速品質が向
上する。
また、1速固定レンジや2速固定レンジ等のエンジン
ブレーキレンジでエンジンブレーキを得る場合には、直
結ロークラッチ10が締結されている為、この直結ローク
ラッチ10を介してフロントプラネットキャリアメンバ6
からリアリングギアメンバ7へエンジンブレーキトルク
が伝達されることになり、エンジンブレーキの効きが確
保される。
即ち、ある車両でエンジン駆動トルクが、例えば、15
〜20kg・mである場合にエンジンブレーキトルクは3〜
6kg・m程度である為、1つのクラッチでのトルク容量
で十分なエンジンブレーキトルクを伝達することが出来
る。
次に、ロークラッチユニットL/Cでのバンドブレーキ
に類似するサーボ効果が発揮される理由について、第6
図及び第7図に示すトルク容量特性に基づいて説明す
る。
まず、第6図の多板クラッチ特性を示すように、多板
クラッチでは、相対すべり回転が正側と負側とでは伝達
トルク容量a,bが全く同じとなる。
また、第6図のバンドブレーキ特性に示すように、バ
ンドブレーキでは、相対すべり回転が正側での伝達トル
ク容量bと負側での伝達トルク容量aが下記の様合に異
なり、サーボ効果が得られる為、増速変速での解放要素
に向き、遊星歯車列の反力要素として用いられる。
μ:摩擦係数 θ;バンド巻角 また、第6図のワンウェイクラッチ特性に示すよう
に、ワンウェイクラッチでは、相対すべり回転が負側で
は伝達トルク容量aが零となり、正側では伝達トルク容
量bが無限大となる。
これに対し、実施例のロークラッチユニットL/Cのよ
うに、同時に締結される直結ロークラッチ10及び介在ロ
ークラッチ11とスプラグ型ワンウェイクラッチ12とによ
り組合せユニットとした場合には、ワンウェイクラッチ
12が空走する相対すべり回転が負側では直結ロークラッ
チ10のクラッチ枚数によって伝達トルク容量aが得ら
れ、ワンウェイクラッチ12がトルク伝達に寄与する相対
すべり回転が正側では直結ロークラッチ10と介在ローク
ラッチ11との全体のクラッチ枚数によって伝達トルク容
量bが得られる。
即ち、伝達トルク容量はb>aとなり、バンドブレー
キと同様にサーボ効果が得られる。
しかも、伝達トルク容量比b/aは、クラッチ枚数の増
減で任意に調整できる。
以上説明してきたように、実施例の自動変速機の変速
装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
1つのロークラッチ圧油路14からの油圧により作動
する1つのロークラッチピストン13により連動して締結
解放される2つのクラッチ10,11と1つのワンウェイク
ラッチ12によるロークラッチユニットL/Cとした為、ワ
ンウェイクラッチを有さず、多板クラッチ1つによる変
速装置に対し、油圧回路系の変更を全く要さず、最小限
のスペース増に抑えながら、上記のように、ダウンシフ
ト時の変速品質の向上とエンジンブレーキ確保との両立
を図ることが出来る。
つまり、第4図の締結作動表に示すように、油圧回路
系は、単一のロークラッチの時とまったく同じである。
また、スペース的には、2つのクラッチ10,11のクラ
ッチプレートは直列配置である為、1つのクラッチの場
合に対する軸方向スペース増は非常に少なくとも済む
し、また、ワンウェイクラッチ12は、伝達される総トル
ク容量の半分を負担すれば良い為、小型のものを使うこ
とが出来る。
実際に、従来のワンウェイクラッチを有さず、ローク
ラッチ1つによる変速装置を持つFF横置換の自動変速機
の軸方向寸法を全く変えずに、ロークラッチが設けられ
ていた部分に実施例のロークラッチユニットL/Cを設置
することが出来た。
また、従来技術で示したフォワードクラッチとワンウ
ェイクラッチとオーバランクラッチを有する変速装置に
代えて適用した場合には、油圧ピストン分の軸方向寸法
の短縮化が図られた。
上記のように、ローラッチユニットL/Cは伝達トル
ク容量比b/aをクラッチ枚数の増減で任意に調整できる
為、バンドブレーキよりも設計自由度が高く、しかも摩
擦材の摩擦係数変化の影響を受けにくい変速要素として
自動変速機に適用することが出来る。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要素を逸脱しない範囲における設計変更等があっても
本発明に含まれる。
例えば、実施例では、第8図に示すレイヤアウトによ
るロークラッチユニットの例を示したが、第9図,第10
図,第11図及び第12図に示すように、ワンウェイクラッ
チの位置を適用箇所によって適宜異ならせたものも含ま
れる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明にあっては、遊星歯
車列を有し、少なくとも2段以上の前進変速段を持つ自
動変速機において、遊星歯車列の回転要素に結合される
第1の回転メンバ及び第2の回転メンバと、第1の回転
メンバと第2の回転メンバを結合可能とする第1の多板
クラッチと、遊星歯車列の回転要素のいずれにも結合さ
れない第3の回転メンバと、第3の回転メンバと第2の
回転メンバとを結合可能とする第2の多板クラッチと、
第1の回転メンバと第3の回転メンバとの間でトルク伝
達を一回転方向のみ行なうワンウェイクラッチ要素と、
隣接して配置される前記第1の多板クラッチと第2の多
板クラッチを、ダウンシフト時に解放から締結させ、エ
ンジンブレーキ変速段で締結を維持する単一の油圧ピス
トンと、油圧ピストンへの油圧の給排を行なう単一の油
圧管路と、を備えている構成としたため、ワンウェイク
ラッチを有さない変速装置に対し、油圧回路系の変更を
要さず最小限のスペース増に抑えながら、ダウンシフト
時の変速品質の向上とエンジンブレーキの確保との両立
を図ることが出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の自動変速機の変速装置を示すクレーム
対応図、第2図は実施例の変速装置が適用された自動変
速機のパワートレーンを示すスケルトン図、第3図は実
施例の変速装置部分である第2図A部の詳細断面図、第
4図は実施例の自動変速機での変速作動表を示す図、第
5図は実施例装置での4−3ダウンシシフト時における
各変速過渡特性のタイムチャート図、第6図は多板クラ
ッチ,バンドブレーキ,ワンウェイクラッチの各伝達ト
ルク容量特性図、第7図は実施例のロークラッチユニッ
トの伝達トルク特性図、第8図は実施例のロークラッチ
ユニットの簡略図、第9図,第10図,第11図,第12図は
クラッチユニットの変形例を示す簡略図、第13図は従来
の単一多板クラッチでの4−3ダウンシフト時の変速過
渡特性図、第14図はワンウェイクラッチタイプの従来の
変速装置を示す簡略図、第15図は第14図に示す変速装置
での変速過渡特性を示すタイムチャートである。 FP……フロントプラネタリーギア(遊星歯車列) RP……リアプラネタリーギア(遊星歯車列) L/C……ロークラッチユニット(変速装置) 7……リアリングギアメンバ(第1の回転メンバ) 6……フロントプラネットキャリアメンバ(第2の回転
メンバ) 10……直結ロークラッチ(第1の多板クラッチ) 11……介在ロークラッチ(第2の多板クラッチ) 12……スプラグ型ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラ
ッチ要素) 12b……アウターロータ(第3の回転メンバ) 13……ロークラッチピストン(油圧ピストン) 14……ロークラッチ圧油路(油圧管路)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊星歯車列を有し、少なくとも2段以上の
    前進変速段を持つ自動変速機において、 前記遊星歯車列の回転要素に結合される第1の回転メン
    バ及び第2の回転メンバと、 前記第1の回転メンバと第2の回転メンバを結合可能と
    する第1の多板クラッチと、 前記遊星歯車列の回転要素のいずれにも結合されない第
    3の回転メンバと、 前記第3の回転メンバと第2の回転メンバとを結合可能
    とする第2の多板クラッチと、 前記第1の回転メンバと第3の回転メンバとの間でトル
    ク伝達を一回転方向のみ行なうワンウェイクラッチ要素
    と、 隣接して配置される前記第1の多板クラッチと第2の多
    板クラッチを、ダウンシフト時に解放から締結させ、エ
    ンジンブレーキ変速段で締結を維持する単一の油圧ピス
    トンと、 前記油圧ピストンへの油圧の給排を行なう単一の油圧管
    路と、 を備えていることを特徴とする自動変速機の変速装置。
JP2118084A 1990-05-08 1990-05-08 自動変速機の変速装置 Expired - Lifetime JP2906575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2118084A JP2906575B2 (ja) 1990-05-08 1990-05-08 自動変速機の変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2118084A JP2906575B2 (ja) 1990-05-08 1990-05-08 自動変速機の変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0415338A JPH0415338A (ja) 1992-01-20
JP2906575B2 true JP2906575B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=14727601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2118084A Expired - Lifetime JP2906575B2 (ja) 1990-05-08 1990-05-08 自動変速機の変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2906575B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100341748B1 (ko) * 1999-07-08 2002-06-24 이계안 자동변속기용 기어 트레인
JP6079584B2 (ja) * 2013-11-25 2017-02-15 マツダ株式会社 自動変速機

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02113165A (ja) * 1988-10-20 1990-04-25 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機構

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0415338A (ja) 1992-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4544057A (en) Rotary transmission
US4548101A (en) Transmission mechanism with parallel transmission systems including torque converter in the first speed one only
US7942781B2 (en) High-efficiency vehicular transmission
US8535203B2 (en) System and method for idle engine stop
JPH0338461B2 (ja)
JPH0712185A (ja) 動力列及びパワートランスミッション
CA1116888A (en) Non-synchronous four speed automatic transmission with overdrive
US7156768B2 (en) Multi-stage transmission
KR100204960B1 (ko) 차량용자동변속기의파워트레인
US6648795B2 (en) Transmission system for vehicle
GB2104984A (en) Overdrive transaxle drive line
US6056665A (en) Five speed planetary transmission
JPH08100846A (ja) 車両用自動変速機のパワートレーン
US6869377B2 (en) Motor vehicle gearbox
JP4260522B2 (ja) 動力伝達装置
US4033436A (en) Transmission and torque converter with lock-up clutch
US20020033071A1 (en) Transmission system for vehicle
JP2906575B2 (ja) 自動変速機の変速装置
US7175562B2 (en) Multi-stage transmission
JPH10513529A (ja) パワートレインを改良した自動変速機
US8037776B2 (en) Gear brake device for a multi-speed manual transmission
GB2069636A (en) Rotary power transmission
JP3513135B2 (ja) 車両用変速装置
JP2585921Y2 (ja) 油圧クラッチ
JP2001227600A (ja) 自動変速機