JP2906475B2 - アルコールガス検出素子 - Google Patents
アルコールガス検出素子Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルコールガス検出素子に関する。更に詳
しくは、絶縁性基板上に有機錫化合物プラズマ重合膜を
酸化処理して得られた膜および電極を形成させたアルコ
ールガス検出素子に関する。
しくは、絶縁性基板上に有機錫化合物プラズマ重合膜を
酸化処理して得られた膜および電極を形成させたアルコ
ールガス検出素子に関する。
絶縁性基板上に有機錫化合物プラズマ重合膜を酸化処
理して得られた膜および電極を形成させたガス検出素子
が、先に本出願人によって提案されている(特開昭63−
261,148号公報および同63−179,057号公報)。この場合
の有機錫化合物プラズマ重合膜としては、金属光沢を有
するもの、具体的にはプラズマ重合の際に印加される高
周波電力として60W以上(電力密度として0.34W/cm2以
上)を用いたときに得られるプラズマ重合膜が用いら
れ、それが酸化処理されている。
理して得られた膜および電極を形成させたガス検出素子
が、先に本出願人によって提案されている(特開昭63−
261,148号公報および同63−179,057号公報)。この場合
の有機錫化合物プラズマ重合膜としては、金属光沢を有
するもの、具体的にはプラズマ重合の際に印加される高
周波電力として60W以上(電力密度として0.34W/cm2以
上)を用いたときに得られるプラズマ重合膜が用いら
れ、それが酸化処理されている。
そして、酸化処理プラズマ重合膜および電極を順次形
成させた場合には、メタン、エタンなどの炭化水素に対
してメタノールなどのアルコールの方が高感度を示すガ
ス検出素子が、また電極および酸化処理プラズマ重合膜
を順次形成させた場合には、アルコールに対して炭化水
素の方が高感度を示すガス検出素子がそれぞれ得られて
いる。
成させた場合には、メタン、エタンなどの炭化水素に対
してメタノールなどのアルコールの方が高感度を示すガ
ス検出素子が、また電極および酸化処理プラズマ重合膜
を順次形成させた場合には、アルコールに対して炭化水
素の方が高感度を示すガス検出素子がそれぞれ得られて
いる。
本発明の目的は、絶縁性基板上に有機錫化合物プラズ
マ重合膜を酸化処理して得られた膜および電極を形成さ
せたガス検出素子において、アルコールガスに対する感
度を更に高めたガス検出素子を提供することにある。
マ重合膜を酸化処理して得られた膜および電極を形成さ
せたガス検出素子において、アルコールガスに対する感
度を更に高めたガス検出素子を提供することにある。
本発明の他の目的は、酸化処理膜および電極を任意の
順序で形成させても、アルコールガスに対して高感度を
示すガス検出素子を提供することにある。
順序で形成させても、アルコールガスに対して高感度を
示すガス検出素子を提供することにある。
かかる本発明の目的は、絶縁性基板上に透明非晶質で
ある有機錫化合物プラズマ重合膜を酸化処理して得られ
た膜および電極を任意の順序で形成させたアルコールガ
ス検出素子によって達成される。
ある有機錫化合物プラズマ重合膜を酸化処理して得られ
た膜および電極を任意の順序で形成させたアルコールガ
ス検出素子によって達成される。
基板としては、石英、アルミナ、ステンレス鋼、ガラ
スなどの無機材料あるいはアクリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの有機材料がプレート
状、シート状などの形で用いられる。これらの基板上へ
の有機錫化合物のプラズマ重合膜および電極の形成順序
は、いずれを先に行ってもよい。
スなどの無機材料あるいはアクリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの有機材料がプレート
状、シート状などの形で用いられる。これらの基板上へ
の有機錫化合物のプラズマ重合膜および電極の形成順序
は、いずれを先に行ってもよい。
基板上あるいは電極を形成させた基板上へのプラズマ
重合膜の形成は、有機錫化合物としてテトラメチル錫、
テトラエチル錫、テトラ−n−ブチル錫、ジブチル錫ア
セテートなどを用い、例えば第1図に示されるような装
置を用いて行われる。
重合膜の形成は、有機錫化合物としてテトラメチル錫、
テトラエチル錫、テトラ−n−ブチル錫、ジブチル錫ア
セテートなどを用い、例えば第1図に示されるような装
置を用いて行われる。
まず、プラズマ反応容器1内を油回転ポンプ2に連結
されている分子ターボポンプ3の作動により10-5Torrの
オーダーに減圧する。減圧された反応容器内に、バルブ
4を調節することにより設定される任意の流量を流量計
5で計測しながら、有機錫化合物を10-2Torrのオーダー
迄導入し、高周波電源6からマッチングボックス7を介
して高周波(13.56MHz)を印加し、放電を起させる。こ
の際、マッチングボックスを調節することにより、反射
電力をできるだけ抑えて、印加電力と反射電力との差が
任意の電力になるようにする。一定時間放電したら、高
周波の印加および有機錫化合物の供給を中止し、メイン
バルブ(図示せず)を閉じ、反応容器をリークして、内
部電極8上に搭載した基板または電極を形成させた基板
9の表面にプラズマ重合膜として有機錫薄膜(約40〜60
元素%の割合でSnを含み、他にC、Oを含んでいる)を
形成させたものを取り出す。
されている分子ターボポンプ3の作動により10-5Torrの
オーダーに減圧する。減圧された反応容器内に、バルブ
4を調節することにより設定される任意の流量を流量計
5で計測しながら、有機錫化合物を10-2Torrのオーダー
迄導入し、高周波電源6からマッチングボックス7を介
して高周波(13.56MHz)を印加し、放電を起させる。こ
の際、マッチングボックスを調節することにより、反射
電力をできるだけ抑えて、印加電力と反射電力との差が
任意の電力になるようにする。一定時間放電したら、高
周波の印加および有機錫化合物の供給を中止し、メイン
バルブ(図示せず)を閉じ、反応容器をリークして、内
部電極8上に搭載した基板または電極を形成させた基板
9の表面にプラズマ重合膜として有機錫薄膜(約40〜60
元素%の割合でSnを含み、他にC、Oを含んでいる)を
形成させたものを取り出す。
このプラズマ重合の際に印加される高周波電力を、前
記特許公開公報に記載される如く、40W以下(電力密度
0.22W/cm2以下)とすることにより、透明非晶質である
有機錫化合物プラズマ重合膜を膜厚約0.1〜1μmで形
成させることができる。
記特許公開公報に記載される如く、40W以下(電力密度
0.22W/cm2以下)とすることにより、透明非晶質である
有機錫化合物プラズマ重合膜を膜厚約0.1〜1μmで形
成させることができる。
かかるプラズマ重合膜の酸化処理は、電極をプラズマ
重合膜の上に形成させる場合には、電極形成の前後いず
れの時期においても行うことができる。酸化処理は、約
150〜700℃、好ましくは約300〜500℃の温度で行われ
る。この際の加熱処理は空気中でも行われるが、純酸素
または窒素、空気などで希釈された濃度100〜30%の酸
素ガス雰囲気中で行うと、空気中で行った場合と比較し
てより低温、より短時間で酸化することができ、その結
果基板や電極などへの熱損傷が防止されるようになる。
重合膜の上に形成させる場合には、電極形成の前後いず
れの時期においても行うことができる。酸化処理は、約
150〜700℃、好ましくは約300〜500℃の温度で行われ
る。この際の加熱処理は空気中でも行われるが、純酸素
または窒素、空気などで希釈された濃度100〜30%の酸
素ガス雰囲気中で行うと、空気中で行った場合と比較し
てより低温、より短時間で酸化することができ、その結
果基板や電極などへの熱損傷が防止されるようになる。
電極としては、一般にくし形電極が用いられる。そし
て、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法などにより、クロム(膜厚約0.05〜0.1μm)および
金(膜厚約0.1〜1μm)の積層電極として一般に形成
される。また、絶縁性基板上にまず電極を形成させる場
合には、スクリーン印刷法などにより、金電極を形成さ
せてもよい。
て、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法などにより、クロム(膜厚約0.05〜0.1μm)および
金(膜厚約0.1〜1μm)の積層電極として一般に形成
される。また、絶縁性基板上にまず電極を形成させる場
合には、スクリーン印刷法などにより、金電極を形成さ
せてもよい。
かかるガス検出素子の一態様が第2図に平面図として
示されており、絶縁性基板11上にくし形電極12−酸化処
理プラズマ重合膜13(a)または酸化処理プラズマ重合
膜13−くし形電極12(b)が順次形成されている。ま
た、第3図の裏面図に示されるように、絶縁性基板11の
裏面側には、電極14,14′に接続された薄膜ヒーター15
が設けられている。
示されており、絶縁性基板11上にくし形電極12−酸化処
理プラズマ重合膜13(a)または酸化処理プラズマ重合
膜13−くし形電極12(b)が順次形成されている。ま
た、第3図の裏面図に示されるように、絶縁性基板11の
裏面側には、電極14,14′に接続された薄膜ヒーター15
が設けられている。
〔作用〕および〔発明の効果〕 絶縁性基板上に、透明非晶質である有機錫化合物プラ
ズマ重合膜を酸化処理して得られた膜および電極を任意
の順序で形成させることにより、一層アルコール系ガス
に対する選択性にすぐれたガス検出素子が得られた。
ズマ重合膜を酸化処理して得られた膜および電極を任意
の順序で形成させることにより、一層アルコール系ガス
に対する選択性にすぐれたガス検出素子が得られた。
その効果の程度は、金属光沢を有する有機錫化合物プ
ラズマ重合膜を酸化処理して得られた膜を形成させた場
合と比較して、電極−酸化処理プラズマ重合膜の形成順
序では、炭化水素よりもアルコールに対する感度の方が
すぐれているという逆転した効果を示し、また酸化処理
プラズマ重合膜−電極の形成順序では、炭化水素に対す
るアルコール感度が約1.5倍程度高められるという効果
を示している。
ラズマ重合膜を酸化処理して得られた膜を形成させた場
合と比較して、電極−酸化処理プラズマ重合膜の形成順
序では、炭化水素よりもアルコールに対する感度の方が
すぐれているという逆転した効果を示し、また酸化処理
プラズマ重合膜−電極の形成順序では、炭化水素に対す
るアルコール感度が約1.5倍程度高められるという効果
を示している。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 アルミナ基板上に蒸着法によりクロム(0.05μm)/
金(0.1μm)積層電極を形成させた後、その上にテト
ラメチル錫を40Wの高周波電力を用いて3000Åの膜厚で
プラズマ重合させ、形成させたプラズマ重合膜を空気中
で500℃に3時間加熱し、ガス検出素子を作製した。
金(0.1μm)積層電極を形成させた後、その上にテト
ラメチル錫を40Wの高周波電力を用いて3000Åの膜厚で
プラズマ重合させ、形成させたプラズマ重合膜を空気中
で500℃に3時間加熱し、ガス検出素子を作製した。
得られたガス検出素子の裏面側に取り付けられた薄膜
ヒーターによりガス検出素子を400℃の一定温度に保持
した状態で、次の各種ガスに対する感度(ガス接触時の
抵抗値と大気中の抵抗値との比)を濃度2000ppmで測定
し、次のような結果を得た。
ヒーターによりガス検出素子を400℃の一定温度に保持
した状態で、次の各種ガスに対する感度(ガス接触時の
抵抗値と大気中の抵抗値との比)を濃度2000ppmで測定
し、次のような結果を得た。
第1表 ガス 感度 エタノール 3.3 メタノール 2.5 プロパン 1.0 メ タ ン 1.0 実施例2 実施例1において、プラズマ重合膜形成−電極形成−
酸化処理と、その順序を変えてガス検出素子を作製し、
各種ガスに対する感度を測定した。
酸化処理と、その順序を変えてガス検出素子を作製し、
各種ガスに対する感度を測定した。
第2表 ガス 感度 エタノール 3.5 メタノール 2.7 プロパン 1.0 メ タ ン 1.0 実施例3 実施例1において、プラズマ重合膜形成−酸化処理−
電極形成と、その順序を変えてガス検出素子を作製し、
各種ガスに対する感度を測定した。
電極形成と、その順序を変えてガス検出素子を作製し、
各種ガスに対する感度を測定した。
第3表 ガス 感度 エタノール 3.4 メタノール 2.5 プロパン 1.0 メ タ ン 1.0 比較例 実施例2において、プラズマ重合膜の形成を高周波電
力200Wで行った。得られたガス検出素子の各種ガスに対
する感度の測定では、次のような結果が得られた。
力200Wで行った。得られたガス検出素子の各種ガスに対
する感度の測定では、次のような結果が得られた。
第4表 ガス 感度 エタノール 2.2 メタノール 1.7 プロパン 1.0 メ タ ン 1.0
第1図は、本発明で用いられるプラズマ重合装置の概略
図である。第2図(a)および(b)は、いずれも本発
明に係るガス検出素子の一態様の平面図である。また、
第3図は、ガス検出素子の裏面図である。 (符号の説明) 1……プラズマ反応容器 6……高周波電源 7……マッチングボックス 8……内部電極 11……絶縁性基板 12……電極 13……酸化処理プラズマ重合膜
図である。第2図(a)および(b)は、いずれも本発
明に係るガス検出素子の一態様の平面図である。また、
第3図は、ガス検出素子の裏面図である。 (符号の説明) 1……プラズマ反応容器 6……高周波電源 7……マッチングボックス 8……内部電極 11……絶縁性基板 12……電極 13……酸化処理プラズマ重合膜
Claims (1)
- 【請求項1】絶縁性基板上に、透明非晶質である有機錫
化合物プラズマ重合膜を酸化処理して得られた膜および
電極を任意の順序で形成させてなるアルコールガス検出
素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23911189A JP2906475B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | アルコールガス検出素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23911189A JP2906475B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | アルコールガス検出素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03102254A JPH03102254A (ja) | 1991-04-26 |
JP2906475B2 true JP2906475B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=17039963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23911189A Expired - Fee Related JP2906475B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | アルコールガス検出素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2906475B2 (ja) |
-
1989
- 1989-09-14 JP JP23911189A patent/JP2906475B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03102254A (ja) | 1991-04-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |