JP2753654B2 - 感湿素子 - Google Patents
感湿素子Info
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- JP2753654B2 JP2753654B2 JP2311473A JP31147390A JP2753654B2 JP 2753654 B2 JP2753654 B2 JP 2753654B2 JP 2311473 A JP2311473 A JP 2311473A JP 31147390 A JP31147390 A JP 31147390A JP 2753654 B2 JP2753654 B2 JP 2753654B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は感湿素子に関し、さらに詳しくは耐水性およ
び感湿特性に優れた感湿素子に関する。
び感湿特性に優れた感湿素子に関する。
[従来の技術およびその課題] 従来の感湿素子としては、感湿材料としてセラミック
を用いて電気抵抗変化を検出するものや、高分子膜を誘
電体として用いて電気容量変化を検出するものが多く使
われている。
を用いて電気抵抗変化を検出するものや、高分子膜を誘
電体として用いて電気容量変化を検出するものが多く使
われている。
このうち、セラミックを用いたものは測湿範囲が狭
く、応答速度が遅い等の問題が残されているのに対し、
高分子膜を用いたものは測湿範囲がほぼ0〜100%RHと
広く、かつ応答速度も速いものが得られており、実用性
の高いものである。この高分子を用いた感湿膜をプラズ
マ重合法により形成した湿度センサーが先に本出願人に
よって提案されている(特開平2−114166号公報)。こ
の方法によって製造される感湿膜は、厚さ1000〜2000オ
ングストロームの均一で架橋度の高い親水性薄膜で、原
料モノマーとして芳香族または脂肪族化合物を使用した
ものである。しかしながら、これらの感湿素子は、応答
特性は優れているものの、高温高湿下で使用した時の温
度特性や耐水性に改善すべき点があった。
く、応答速度が遅い等の問題が残されているのに対し、
高分子膜を用いたものは測湿範囲がほぼ0〜100%RHと
広く、かつ応答速度も速いものが得られており、実用性
の高いものである。この高分子を用いた感湿膜をプラズ
マ重合法により形成した湿度センサーが先に本出願人に
よって提案されている(特開平2−114166号公報)。こ
の方法によって製造される感湿膜は、厚さ1000〜2000オ
ングストロームの均一で架橋度の高い親水性薄膜で、原
料モノマーとして芳香族または脂肪族化合物を使用した
ものである。しかしながら、これらの感湿素子は、応答
特性は優れているものの、高温高湿下で使用した時の温
度特性や耐水性に改善すべき点があった。
一般的に高分子を感湿膜に用いたセンサは耐水性に劣
り、耐水性向上のために何らかの保護膜を設けている。
しかし、耐水性を向上させるために保護膜を厚くすると
応答が遅くなり、実用にならないという問題があった。
り、耐水性向上のために何らかの保護膜を設けている。
しかし、耐水性を向上させるために保護膜を厚くすると
応答が遅くなり、実用にならないという問題があった。
本発明は、以上述べたような従来の事情に鑑みてなさ
れたもので、耐水性、温度特性に優れ、かつ応答速度の
速い感湿素子を提供することを目的とする。
れたもので、耐水性、温度特性に優れ、かつ応答速度の
速い感湿素子を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、絶縁性基板と、この基板上に形成された下
部電極と、この下部電極上に形成された感湿性誘電体薄
膜と、この薄膜上に形成された透湿性の金属被膜よりな
る上部電極と、 からなる素子本体の全面を感湿性誘電体薄膜の光学的膜
厚の保護膜の光学的膜厚の積が100μm2以下であり、か
つ保護膜の膜厚が1μm以上の範囲を満たす厚みの耐水
性保護膜で被覆したことを特徴とする感湿素子である。
部電極と、この下部電極上に形成された感湿性誘電体薄
膜と、この薄膜上に形成された透湿性の金属被膜よりな
る上部電極と、 からなる素子本体の全面を感湿性誘電体薄膜の光学的膜
厚の保護膜の光学的膜厚の積が100μm2以下であり、か
つ保護膜の膜厚が1μm以上の範囲を満たす厚みの耐水
性保護膜で被覆したことを特徴とする感湿素子である。
本発明において、耐水性の保護膜はシリコーン系ポリ
マー、例えばシリコーンゴムであることを好適とする。
マー、例えばシリコーンゴムであることを好適とする。
本発明の感湿素子は、実施例を兼ねてその構成を示す
第1図のように、絶縁性基板(図示せず)上に形成され
た下部電極1と、該電極1上に形成された感湿性誘電体
薄膜2と、該薄膜2上に形成された透湿性の金属被膜よ
りなる上部電極3と、これらの積層体の全面を覆う保護
膜4とで構成されている。なお図中、5は上部電極のリ
ード取り付け部である。
第1図のように、絶縁性基板(図示せず)上に形成され
た下部電極1と、該電極1上に形成された感湿性誘電体
薄膜2と、該薄膜2上に形成された透湿性の金属被膜よ
りなる上部電極3と、これらの積層体の全面を覆う保護
膜4とで構成されている。なお図中、5は上部電極のリ
ード取り付け部である。
絶縁性基板としては、一般にガラス、石英、アルミ
ナ、ポリイミドフィルム等が用いられる。
ナ、ポリイミドフィルム等が用いられる。
感湿性誘電体薄膜としては、例えば原料モノマーとし
て芳香族または脂肪族化合物を使用したプラズマ重合膜
が挙げられる。ここで原料モノマーとしては、例えば、
ベンゼン、n−ウンデカンのような炭化水素化合物、1
−オクタノール、m−クレゾールのような水酸基含有化
合物、2−オクタノンのようなケトン含有化合物、n−
カプロン酸のようなカルボン酸含有化合物等が挙げら
れ、感湿素子とした場合に目的とされる感度に応じて適
宜選択することができるが、取り扱い上は室温で液状の
ものが好ましい。
て芳香族または脂肪族化合物を使用したプラズマ重合膜
が挙げられる。ここで原料モノマーとしては、例えば、
ベンゼン、n−ウンデカンのような炭化水素化合物、1
−オクタノール、m−クレゾールのような水酸基含有化
合物、2−オクタノンのようなケトン含有化合物、n−
カプロン酸のようなカルボン酸含有化合物等が挙げら
れ、感湿素子とした場合に目的とされる感度に応じて適
宜選択することができるが、取り扱い上は室温で液状の
ものが好ましい。
プラズマ重合は、残留ガス圧がモノマー流量に対して
無視できる程度の真空度、好ましくは10-5Torr以下に排
気した後、モノマーガスを導入する。モノマーの融点が
高く(m.p.>0℃)、充分なモノマーガス流量が得られ
ないときには、配管全体を暖めて、一定温度に制御し、
モノマーの蒸気圧を高くすることが好ましい。プラズマ
重合は、所定の膜厚になったところで止め、このように
して得られた重合膜を感湿性誘電体薄膜として用いる。
無視できる程度の真空度、好ましくは10-5Torr以下に排
気した後、モノマーガスを導入する。モノマーの融点が
高く(m.p.>0℃)、充分なモノマーガス流量が得られ
ないときには、配管全体を暖めて、一定温度に制御し、
モノマーの蒸気圧を高くすることが好ましい。プラズマ
重合は、所定の膜厚になったところで止め、このように
して得られた重合膜を感湿性誘電体薄膜として用いる。
感湿性誘電体薄膜の厚みは、望ましくは1000〜2000オ
ングストロームである。1000オングストローム未満であ
ると絶縁不良等により、歩留まりが悪化しやすく、2000
オングストロームを超えると基板間との剥離が起きやす
くなる。
ングストロームである。1000オングストローム未満であ
ると絶縁不良等により、歩留まりが悪化しやすく、2000
オングストロームを超えると基板間との剥離が起きやす
くなる。
保護膜としては、シリコーンゴムが上部電極との密着
性や耐熱性、耐薬品性、水蒸気透過性等の点で最も望ま
しいものであった。保護膜の厚みは、100μm2を感湿性
誘電体薄膜の膜厚で割った値以下であり、望ましくは50
〜150μmである。50μm未満であると、感湿特性や耐
水性への効果が薄れ、150μmを超えると応答が遅れ、
実用に向かない。
性や耐熱性、耐薬品性、水蒸気透過性等の点で最も望ま
しいものであった。保護膜の厚みは、100μm2を感湿性
誘電体薄膜の膜厚で割った値以下であり、望ましくは50
〜150μmである。50μm未満であると、感湿特性や耐
水性への効果が薄れ、150μmを超えると応答が遅れ、
実用に向かない。
以上のように、感湿膜が非常に薄いため、ごく微量の
湿気の透過で湿度測定が可能であり、かつ、シリコーン
ゴムは一般的には防湿剤として知られているが、その水
蒸気透過性が良いために応答を損なわず、保護膜を厚く
することができ、従って、感湿特性、耐水性の向上が可
能になった。
湿気の透過で湿度測定が可能であり、かつ、シリコーン
ゴムは一般的には防湿剤として知られているが、その水
蒸気透過性が良いために応答を損なわず、保護膜を厚く
することができ、従って、感湿特性、耐水性の向上が可
能になった。
本発明の感湿素子の製造方法は、洗浄した絶縁基板の
上に、耐食性金属、例えばNi,Ta,Cr,Al,Au等を下部電極
として真空蒸着やスパッタリングにより厚さ1000〜5000
オングストロームに形成する。次に必要に応じて絶縁層
を形成した後、プラズマ重合装置、例えば誘導結合形プ
ラズマ重合装置や容量結合形プラズマ重合装置を用いて
プラズマ重合を行い、例えば、厚み1000〜2000オングス
トロームの感湿性誘電体薄膜を形成する。
上に、耐食性金属、例えばNi,Ta,Cr,Al,Au等を下部電極
として真空蒸着やスパッタリングにより厚さ1000〜5000
オングストロームに形成する。次に必要に応じて絶縁層
を形成した後、プラズマ重合装置、例えば誘導結合形プ
ラズマ重合装置や容量結合形プラズマ重合装置を用いて
プラズマ重合を行い、例えば、厚み1000〜2000オングス
トロームの感湿性誘電体薄膜を形成する。
次いで、該基板を大気中に取り出した後、真空蒸着や
スパッタリングにより透湿性の金属被膜よりなる上部電
極を形成する。上部電極は直接外気にさらされるため
に、耐食性のある金属、例えばNiCr,Cr,Ta,Ni,Au,Pd,Pt
等を使用するのがよい。なお、上部電極に透湿性を与え
るために多孔質にする必要があるが、これには膜厚を50
〜200オングストロームにすることで島状構造を形成さ
せればよい。
スパッタリングにより透湿性の金属被膜よりなる上部電
極を形成する。上部電極は直接外気にさらされるため
に、耐食性のある金属、例えばNiCr,Cr,Ta,Ni,Au,Pd,Pt
等を使用するのがよい。なお、上部電極に透湿性を与え
るために多孔質にする必要があるが、これには膜厚を50
〜200オングストロームにすることで島状構造を形成さ
せればよい。
上部電極の形成法としては、すでに本出願人が開発し
た斜め蒸着で形成してもよい(特開平2−108952号公
報)。この場合には、膜厚をさらに厚くさせることがで
き、電極の機械的強度が大きくなる。
た斜め蒸着で形成してもよい(特開平2−108952号公
報)。この場合には、膜厚をさらに厚くさせることがで
き、電極の機械的強度が大きくなる。
次に、上下電極のリード取り付け部を除いて、全面を
耐水性の保護膜で覆う。保護膜の形成方法としては、例
えば塗布が挙げられるが、形成済のフィルムを素子本体
に密着させる方法であってもよい。以上のようにして本
発明の感湿素子が得られる。
耐水性の保護膜で覆う。保護膜の形成方法としては、例
えば塗布が挙げられるが、形成済のフィルムを素子本体
に密着させる方法であってもよい。以上のようにして本
発明の感湿素子が得られる。
[作用] 本発明では、素子本体の全面が耐水性の保護膜で覆わ
れ、しかもこの保護膜は厚く形成されているので、高湿
下での温度特性に優れ、結露状態や水中での洗浄時にお
ける耐水性も良好である。その反面、耐水性をあげるた
め保護膜を厚くすると応答特性が悪くなりやすい。
れ、しかもこの保護膜は厚く形成されているので、高湿
下での温度特性に優れ、結露状態や水中での洗浄時にお
ける耐水性も良好である。その反面、耐水性をあげるた
め保護膜を厚くすると応答特性が悪くなりやすい。
本発明では、感湿性誘電体薄膜の光学的膜厚と保護膜
の光学的膜厚の積が100μm2以下の範囲を満たす厚みの
ものを用いることにより、微量の水分量で測定ができ、
素子そのものの応答が速くなった。さらに、保護膜の厚
みによって応答を制御することが可能である。
の光学的膜厚の積が100μm2以下の範囲を満たす厚みの
ものを用いることにより、微量の水分量で測定ができ、
素子そのものの応答が速くなった。さらに、保護膜の厚
みによって応答を制御することが可能である。
[実施例] 次に本発明の実施例について図面を参照して詳細に説
明する。
明する。
第1図は本発明の一実施例による感湿素子を示したも
ので、第1図(a)は平面図、第1図(b)は(a)に
おけるA−A′線による断面図である。この感湿素子を
次のようにして製造した。
ので、第1図(a)は平面図、第1図(b)は(a)に
おけるA−A′線による断面図である。この感湿素子を
次のようにして製造した。
22×22mm、厚さ0.3mmの硬質ガラス製の絶縁性基板を
超音波洗浄し、乾燥させた後に、真空蒸着によりNiCrを
1000オングストロームの厚さに蒸着し、下部電極1とす
る。
超音波洗浄し、乾燥させた後に、真空蒸着によりNiCrを
1000オングストロームの厚さに蒸着し、下部電極1とす
る。
次に第2図に示すようなプラズマ重合装置を用い、容
積約2lのガラス製反応容器6内に設置されたテフロン台
7の上に上記試料8を下部電極2を上側にして設置す
る、流量調整バルブ9とメインバルブ10を開き、液溜め
11と流量調整バルブ9との間にあるモノマー以外のガス
を排気した後、流量調整バルブ9を閉じて、反応容器6
内を5×10-6Torrに排気した。このようにした後、流量
調整バルブ9を少しずつ開き、モノマーガス流量が0.05
〜0.30SCCM、好ましくは0.15SCCMとなるよう調整する。
そして次の条件でプラズマ重合を行った。
積約2lのガラス製反応容器6内に設置されたテフロン台
7の上に上記試料8を下部電極2を上側にして設置す
る、流量調整バルブ9とメインバルブ10を開き、液溜め
11と流量調整バルブ9との間にあるモノマー以外のガス
を排気した後、流量調整バルブ9を閉じて、反応容器6
内を5×10-6Torrに排気した。このようにした後、流量
調整バルブ9を少しずつ開き、モノマーガス流量が0.05
〜0.30SCCM、好ましくは0.15SCCMとなるよう調整する。
そして次の条件でプラズマ重合を行った。
モノマー ;m−クレゾール 印加電力 ;30W モノマー流量;0.15SCCM 重合時間 ;5分 基板温度 ;20℃ 周波数 ;13.56MHZ 反応容器容積;2 メインバルブ;閉 なお、ここではモノマーとしてm−クレゾールを使用
したが、使用するモノマーの融点が高く、充分なモノマ
ーガス流量が得られない場合は、液溜め11、流量調整バ
ルブ9、反応容器6に至るまでの配管全体を暖めて一定
温度に制御し、モノマーの蒸気圧を高くする必要があ
る。モノマーガス流量が一定になった後に、誘導コイル
12により周波数13.56MHZ、出力20〜50Wで高周波磁界を
反応容器に印加する。また、メインバルブ10を閉じた系
でグロー放電が安定するモノマーについてはこれを閉
じ、グロー放電を発生させる。重合条件によっても異な
るが、3〜10分で膜厚が1000〜2000オングストロームに
なったところで印加をやめる。このようにして感湿性誘
電体薄膜2が得られる。
したが、使用するモノマーの融点が高く、充分なモノマ
ーガス流量が得られない場合は、液溜め11、流量調整バ
ルブ9、反応容器6に至るまでの配管全体を暖めて一定
温度に制御し、モノマーの蒸気圧を高くする必要があ
る。モノマーガス流量が一定になった後に、誘導コイル
12により周波数13.56MHZ、出力20〜50Wで高周波磁界を
反応容器に印加する。また、メインバルブ10を閉じた系
でグロー放電が安定するモノマーについてはこれを閉
じ、グロー放電を発生させる。重合条件によっても異な
るが、3〜10分で膜厚が1000〜2000オングストロームに
なったところで印加をやめる。このようにして感湿性誘
電体薄膜2が得られる。
次に、真空蒸着によりNiCrを80オングストロームの膜
厚になるように蒸着し、透湿性の上部電極3とした。
厚になるように蒸着し、透湿性の上部電極3とした。
次に上部電極上から素子本体の全面を覆うように、耐
水性保護膜4としてシリコーンゴムを厚み100μmで形
成し、本発明の感湿素子を得た。
水性保護膜4としてシリコーンゴムを厚み100μmで形
成し、本発明の感湿素子を得た。
なお、基板、下部電極、感湿性誘電体薄膜および上部
電極の材料・厚みおよび形成方法は目的に応じて任意に
選定可能である。
電極の材料・厚みおよび形成方法は目的に応じて任意に
選定可能である。
上記で得られた感湿素子と、保護膜を形成していない
他は上記と同様にして作成した感湿素子との140℃、90
%RH、12時間後の感湿特性をそれぞれ第3図および第4
図に示す。これらの図における横軸は測定湿度(%R
H)、縦軸は20℃の0%RH容量(C0)を基準とし、{(C
x−C0)/C0}×100(式中のCxは各測定湿度)より計算
される変化率(%)である。(以後、変化率は上式にて
算出される値である。)両図において、□は20℃におけ
る測定結果を、+は40℃における測定結果をそれぞれ示
す。同図からわかるように、保護膜を有する素子である
第3図では、20℃で測定しても、40℃で測定しても一定
の変化率が得られているのに対し、保護膜のない素子で
ある第4図では、20℃と40℃で変化率が異なっている。
このように、本発明の感湿素子は感湿特性が従来のもの
に比べて向上している。
他は上記と同様にして作成した感湿素子との140℃、90
%RH、12時間後の感湿特性をそれぞれ第3図および第4
図に示す。これらの図における横軸は測定湿度(%R
H)、縦軸は20℃の0%RH容量(C0)を基準とし、{(C
x−C0)/C0}×100(式中のCxは各測定湿度)より計算
される変化率(%)である。(以後、変化率は上式にて
算出される値である。)両図において、□は20℃におけ
る測定結果を、+は40℃における測定結果をそれぞれ示
す。同図からわかるように、保護膜を有する素子である
第3図では、20℃で測定しても、40℃で測定しても一定
の変化率が得られているのに対し、保護膜のない素子で
ある第4図では、20℃と40℃で変化率が異なっている。
このように、本発明の感湿素子は感湿特性が従来のもの
に比べて向上している。
次に、本発明の感湿素子の浸漬試験による変化を測定
した、第5図は室温(25℃)の純水中に30分浸漬した後
の変化率(%、試験前の0%RH容量基準)を、浸漬試験
前(図中□で示す。)と浸漬試験後(図中+で示す。)
とで比較して示す図であり、第6図は30℃の純水中で15
分間超音波洗浄した後の変化率(%、超音波洗浄前の0
%RH容量基準)を上記と同様に示す図である。
した、第5図は室温(25℃)の純水中に30分浸漬した後
の変化率(%、試験前の0%RH容量基準)を、浸漬試験
前(図中□で示す。)と浸漬試験後(図中+で示す。)
とで比較して示す図であり、第6図は30℃の純水中で15
分間超音波洗浄した後の変化率(%、超音波洗浄前の0
%RH容量基準)を上記と同様に示す図である。
本発明の感湿素子は、いずれの場合にも浸漬試験前後
で変化率がほぼ同一であり、耐水性に優れたものである
ことがわかる。
で変化率がほぼ同一であり、耐水性に優れたものである
ことがわかる。
また、第7図は、保護膜の厚みによる応答変化(63.2
%応答)を測定したもので、100μmの厚みでも10秒以
内の応答が得られており、応答特性の点でも遜色はなか
った。
%応答)を測定したもので、100μmの厚みでも10秒以
内の応答が得られており、応答特性の点でも遜色はなか
った。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の感湿素子は、素子本体
が耐水性の保護膜で覆われているので、感湿特性に優
れ、かつ結露や水中に浸漬した時の耐水性も良好で、応
答速度も速いものである。
が耐水性の保護膜で覆われているので、感湿特性に優
れ、かつ結露や水中に浸漬した時の耐水性も良好で、応
答速度も速いものである。
また、保護膜の厚みを変化させることで、応答を制御
することが可能である。プローブ側で何らかのフィルタ
を設けなくともよい等の効果も有する。
することが可能である。プローブ側で何らかのフィルタ
を設けなくともよい等の効果も有する。
第1図は本発明の一実施例の平面図および断面図、第2
図は本発明の感湿素子の製造に用いられるプラズマ重合
装置の一例の概略構成図、第3図および第4図はそれぞ
れ本発明による感湿素子および従来例による感湿素子の
感湿特性図、第5図および第6図はそれぞれ純粋浸漬前
後および超音波洗浄前後の感湿特性図、第7図は応答時
間の保護膜厚依存性を示す特性図である。 1……下部電極、2……感湿性誘電体薄膜 3……上部電極、4……保護膜 5……リード取り付け部、6……反応容器 7……テフロン台、8……試料 9……流量調整バルブ、10……メインバルブ 11……液溜め、12……誘導コイル
図は本発明の感湿素子の製造に用いられるプラズマ重合
装置の一例の概略構成図、第3図および第4図はそれぞ
れ本発明による感湿素子および従来例による感湿素子の
感湿特性図、第5図および第6図はそれぞれ純粋浸漬前
後および超音波洗浄前後の感湿特性図、第7図は応答時
間の保護膜厚依存性を示す特性図である。 1……下部電極、2……感湿性誘電体薄膜 3……上部電極、4……保護膜 5……リード取り付け部、6……反応容器 7……テフロン台、8……試料 9……流量調整バルブ、10……メインバルブ 11……液溜め、12……誘導コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−114166(JP,A) 特開 昭57−141546(JP,A) 特開 昭58−193445(JP,A) 特開 昭57−71121(JP,A) 特開 昭54−88194(JP,A) 特開 昭60−188835(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】絶縁性基板と、この基板上に形成された下
部電極と、この下部電極上に形成された感湿性誘電体薄
膜と、この薄膜上に形成された透湿性の金属被膜よりな
る上部電極と、 からなる素子本体の全面を、感湿性誘電体薄膜の光学的
膜厚と保護膜の光学的膜厚の積が100μm2以下であり、
かつ保護膜の膜厚が1μm以上の範囲を満たす厚みの耐
水性保護膜で被覆したことを特徴とする感湿素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2311473A JP2753654B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 感湿素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2311473A JP2753654B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 感湿素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04184160A JPH04184160A (ja) | 1992-07-01 |
JP2753654B2 true JP2753654B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=18017649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2311473A Expired - Fee Related JP2753654B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 感湿素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2753654B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100633655B1 (ko) | 1999-12-22 | 2006-10-11 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 센서 소자 및 그 제조 방법 |
JP2021047014A (ja) * | 2018-01-16 | 2021-03-25 | アルプスアルパイン株式会社 | 湿度検知装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2498329A1 (fr) * | 1981-01-19 | 1982-07-23 | Commissariat Energie Atomique | Hygrometre capacitif a dielectrique mince et son procede de fabrication |
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