JP2906385B2 - 集電装置用すり板 - Google Patents

集電装置用すり板

Info

Publication number
JP2906385B2
JP2906385B2 JP3206091A JP20609191A JP2906385B2 JP 2906385 B2 JP2906385 B2 JP 2906385B2 JP 3206091 A JP3206091 A JP 3206091A JP 20609191 A JP20609191 A JP 20609191A JP 2906385 B2 JP2906385 B2 JP 2906385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite material
plate
ground plate
ceramic
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3206091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0538001A (ja
Inventor
和夫 田口
正則 尾崎
修 小太刀
晋作 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Toyo Denki Seizo KK
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Toyo Denki Seizo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd, Toyo Denki Seizo KK filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP3206091A priority Critical patent/JP2906385B2/ja
Publication of JPH0538001A publication Critical patent/JPH0538001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2906385B2 publication Critical patent/JP2906385B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
  • Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集電装置に用いられる
すり板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集電装置用のすり板は、トロリー線と接
触して摺動するものであるため、耐摩耗性、耐アーク
性、通電性に優れていることが要求される。現在、この
ような要求に応えるものとして銅系または鉄系の焼結合
金よりなるすり板が広く用いられている。銅系すり板の
標準的な組成は、Cu80〜85%、Sn9〜12%、Fe3〜6
%、C2〜5%であり、鉄系すり板の標準的な組成は、
Fe77〜82%、Cu8〜10%、Sn1〜2%、Pb4〜7%、C
5〜7%である。
【0003】すり板に対する要求は昨今の車両の高速化
の進展につれていっそう厳しさを増すと共に、新たにト
ロリー線に対する追随性も重視されるようになってきて
いる。トロリー線に対する追随性が不十分であると、高
速走行時に離線がはげしくなり、アークが頻繁に発生し
て、すり板およびトロリー線の損耗が大きくなるだけで
なく、電波障害を引き起こすという問題がある。現在使
用されているすり板は、主成分が比重の大きい銅または
鉄であるため、すり板自体の質量が大きく、トロリー線
に対する追随性を高めることが困難であった。
【0004】これを改善するものとして、軽量で高導電
性を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金を主成
分とし、これに耐摩耗性を付与する目的でセラミック繊
維、セラミック粒子およびセラミックウィスカーのうち
の1種または2種以上を分散させた複合材で構成したす
り板が有望視されている(特開平3-86002 号公報) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このアルミニウム系複
合材よりなるすり板は、きわめて軽量で、しかも従来の
銅系または鉄系のすり板と同等以上の性能を有すること
が確認されているが、まだ次のような問題点を有してい
る。
【0006】すなわち、複合材を構成するセラミック繊
維、セラミック粒子、セラミックウィスカーは、一般に
高価であり、比較的安いものでもその価格はアルミニウ
ム材料の5倍以上にもなるため、すり板の原料コストが
高くつく欠点がある。
【0007】また上記のセラミック繊維等を含有する複
合材は、切削加工、研削加工、穿孔加工が非常に困難で
あり、加工工具の寿命の著しい低下が問題となってい
る。加工の際には、一般の高速度工具、超硬工具は損耗
が激しくて使用できないため、ダイヤモンド工具が使用
されるが、ダイヤモンド工具はきわめて高価であるた
め、これが、すり板の加工コストを高騰させる要因とな
る。
【0008】さらに上記の複合材は、耐摩耗性、耐アー
ク性などの摺動集電に関する諸特性には優れているが、
セラミック材の量が多い場合などには十分な靱性が得ら
れないという問題がある。すり板材質が十分な靱性を有
しない場合には、車両走行時の衝撃荷重によりすり板が
破損し、集電トラブルを起こしたり、トロリー線を損傷
させたり、破損すり板が飛散して事故を起こしたりする
等、大きな問題を引き起こすおそれがある。
【0009】本発明は、上記のような問題点に鑑み、ア
ルミニウム系複合材よりなるすり板の、原料コストを低
減し、最終すり板形状を得るための切削、研削、穿孔等
の加工性を改善し、さらに車両走行時における衝撃強度
を向上させることを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段とその作用】上記目的を達
成するため本発明は、すり板の、摺動面を含む一部分
を、アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリクス
中にセラミック繊維、セラミック粒子およびセラミック
ウィスカーのうちの1種または2種以上を分散させた複
合材で構成し、他の部分を、前記複合材のマトリクスと
同じ溶湯から鋳造された前記複合材のマトリクスと一体
のアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成したこと
を特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明のすり板は、摺動面を含む一部分にしか
セラミック繊維等のセラミック材が含まれていないた
め、高価なセラミック材の使用量を少なくでき、原料コ
ストを低減できると共に、加工に要する時間を短くで
き、かつ加工工具の損耗を少なくできることから、加工
コストを低減できる。さらに複合材以外の部分は複合材
と一体となったアルミニウムまたはアルミニウム合金で
あるため、これが複合材部分の衝撃強度を補強する形と
なり、すり板全体としては十分な衝撃強度が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 円筒状に成形されたアルミナ短繊維プリフォーム(多孔
質繊維成形体)を金型にセットし、溶湯鍛造法によりAl
−Si系 A4032合金の溶湯を注入し、加圧、凝固させて、
図1のようなビレットを得た。このビレット1は外周部
が10%アルミナ/ A4032合金の複合材2よりなり、内部
が A4032合金3よりなるものである。
【0013】次にこのビレット1を押出加工して断面形
状が長方形の図2のような棒材4を得た。この棒材をT
6処理した後、切断加工、穿孔加工を施して、図3およ
び図4に示す形状のすり板5を製造した。
【0014】またこの実施例1との比較のため、円柱状
のプリフォームを用いて、断面全体が10%アルミナ/ A
4032合金のビレットを作製し、実施例1と同様に押出加
工、T6処理、切断加工、穿孔加工を行って、同じ形の
すり板を製造した。
【0015】実施例1のすり板は、比較例のすり板に比
べると、摺動集電特性は同等であるが、アルミナ短繊維
の使用量が数分の1で済み、しかも切断加工に使用した
バンドソーの刃の寿命が約10倍となり、原料コスト、加
工コストの大幅な低減が実現した。
【0016】次に衝撃強度を調べるため、実施例1のす
り板から図5のような試験片6を、比較例のすり板から
図6のような試験片7を切り出し、シャルピー試験を行
った。試験片の断面寸法は10mm×10mmである。その結果
は次のとおりであった。 実施例1のすり板:0.91〜1.43 kg・m/cm2 比較例のすり板 :0.56〜0.69 kg・m/cm2 この結果によれば、実施例1のすり板は、比較例のすり
板より衝撃強度が大幅に改善されていることが明らかで
ある。
【0017】実施例2 図7および図8に示す形状のすり板8と平面形状が同じ
で、厚さが半分のアルミナ短繊維プリフォームを、図7
および図8に示す形状のすり板8と同じ形状のキャビテ
ィを有する加圧鋳造装置(スクイズキャスティングマシ
ン)にセットし、ADC12 合金を加圧鋳造して、摺動面側
が10%アルミナ/ ADC12合金の複合材で、反対側がADC1
2 合金よりなる図7および図8に示す形状のすり板8を
作製した。
【0018】またこの実施例2との比較のため、図7お
よび図8に示す形状のすり板8と同じ形状のアルミナ短
繊維プリフォームを、実施例2と同じ加圧鋳造装置にセ
ットし、ADC12 合金を加圧鋳造して、全断面が10%アル
ミナ/ ADC12合金の複合材よりなる実施例2と同じ形状
のすり板を作製した。
【0019】実施例2のすり板は、比較例のすり板と比
べると、摺動集電特性は同等であるが、アルミナ短繊維
の使用量を半分で済ますことができた。また加圧鋳造後
に行った、すり板前端凸部と後端凹部の仕上げ切削加工
では、実施例2のすり板の方が工具寿命が大幅に長くな
ることが確認された。
【0020】次に衝撃強度を調べるため、実施例2のす
り板から図9のような試験片9を、比較例のすり板から
図6のような試験片7を切り出し、シャルピー試験を行
った。試験片の断面寸法は10mm×10mmである。その結果
は次のとおりであった。 実施例2のすり板:0.86〜1.28 kg・m/cm2 比較例のすり板 :0.46〜0.66 kg・m/cm2 この結果によれば、実施例2のすり板は、比較例のすり
板より衝撃強度が大幅に改善されていることが明らかで
ある。
【0021】なお以上の各実施例はアルミナ短繊維を使
用した場合であるが、アルミナシリカ繊維、炭化ケイ素
ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、チタン酸カリウム
ウィスカーを使用した場合についても同様の検討を行
い、同様の結果が得られている。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ラミック材とアルミニウムまたはアルミニウム合金との
複合材よりなるすり板の良好な摺動集電特性を減じるこ
となく、高価なセラミック材の使用量を少なくでき、ま
た切削等の加工性を改善でき、しかも衝撃強度を向上さ
せることができる。このため原料コスト、加工コストの
大幅低減が可能となり、車両走行時の衝撃荷重に対する
強度も高まることから、前記複合材よりなるすり板の実
用化に大きく貢献できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で作製したビレットの斜視
図。
【図2】 図1のビレットを押出加工して得た棒材の断
面図。
【図3】 図2の棒材から製作した実施例1のすり板の
平面図。
【図4】 図3のすり板の正面図。
【図5】 実施例1のすり板から切り出した試験片の斜
視図。
【図6】 実施例1との比較のためのすり板から切り出
した試験片の斜視図。
【図7】 本発明の実施例2で作製したすり板の平面
図。
【図8】 図7のすり板の正面図。
【図9】 実施例2のすり板から切り出した試験片の斜
視図。
【符号の説明】
1:ビレット 2:複合材 3:アルミニウム合金
4:棒材 5、8:すり板 6、7、9:シャルピー試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小太刀 修 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 松山 晋作 神奈川県大和市上草柳字扇野338番地1 東洋電機製造株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−144703(JP,A) 特開 平3−86002(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺動面を含む一部分が、アルミニウムまた
    はアルミニウム合金のマトリクス中にセラミック繊維、
    セラミック粒子およびセラミックウィスカーのうちの1
    種または2種以上を分散させた複合材よりなり、他の部
    分が、前記複合材のマトリクスと同じ溶湯から鋳造され
    前記複合材のマトリクスと一体のアルミニウムまたは
    アルミニウム合金よりなることを特徴とする集電装置用
    すり板。
JP3206091A 1991-07-24 1991-07-24 集電装置用すり板 Expired - Lifetime JP2906385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3206091A JP2906385B2 (ja) 1991-07-24 1991-07-24 集電装置用すり板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3206091A JP2906385B2 (ja) 1991-07-24 1991-07-24 集電装置用すり板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0538001A JPH0538001A (ja) 1993-02-12
JP2906385B2 true JP2906385B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=16517665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3206091A Expired - Lifetime JP2906385B2 (ja) 1991-07-24 1991-07-24 集電装置用すり板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2906385B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201223198D0 (en) * 2012-12-21 2013-02-06 Jaguar Cars Sleeve member and method of casting

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0538001A (ja) 1993-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4678720A (en) Silver-copper-titanium brazing alloy
EP0573780B1 (en) Wire electrode for wire cutting electro-discharge machining
JP2906385B2 (ja) 集電装置用すり板
US7052637B1 (en) Manufacturing of components for valve mechanisms for internal combustion engines
JPH08150502A (ja) 耐欠損性および耐摩耗性に優れた切削工具
JPH06234061A (ja) 集電装置用すり板
JPH08317503A (ja) 集電装置用摺板
JPH08317504A (ja) 集電装置用摺板
JP2890909B2 (ja) 材質的に緻密化した歯形面を有する回転歯車ポンプの歯車部材の製造方法
JP3941352B2 (ja) ワイヤ放電加工用電極線及びその製造方法
JPH0762480A (ja) 低線膨張急冷凝固アルミニウム合金およびその製造方法
JPS6213422B2 (ja)
JPH0215625B2 (ja)
JPS599298B2 (ja) ワイヤ−カツト放電加工用電極線
JPS59170230A (ja) ワイヤ放電加工用電極線
JPH07110410B2 (ja) 集電装置用すり板
JPS58197244A (ja) ワイアカツト放電加工電極線用合金線
JPH02213442A (ja) コンプレッサ用ロータ材
JPH04365824A (ja) 集電装置用すり板の製造方法
JPS59159955A (ja) ワイヤ放電加工用電極線
JPH10245647A (ja) 絶縁被覆電線用銅線材およびその製造方法
JPH09316576A (ja) 集電装置用摺板
JPS6334022A (ja) 放電加工用電極線
JPH07208190A (ja) 過給機のロータ
CN114433836A (zh) 一种高强度az91d合金材料加工工艺

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309

EXPY Cancellation because of completion of term