JP2904779B1 - 粉粒体殺菌装置 - Google Patents

粉粒体殺菌装置

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JP2904779B1 JP10191586A JP19158698A JP2904779B1 JP 2904779 B1 JP2904779 B1 JP 2904779B1 JP 10191586 A JP10191586 A JP 10191586A JP 19158698 A JP19158698 A JP 19158698A JP 2904779 B1 JP2904779 B1 JP 2904779B1
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Abstract

【要約】 【課題】 粉粒体が有する本来の香味、風味などの品質
を損なわずに連続的に効率よく殺菌して低菌数の粉粒体
を供給できる粉粒体殺菌装置を提供する。 【解決手段】 一端近傍に圧力保持機能を有する供給装
置を設け、この供給装置を経て粉粒体を加圧された非凝
縮性気体中に供給するとともに他端に第1絞りノズルを
設けた原料供給路と、この第1絞りノズルを経て非凝縮
性気体と共に供給された粉粒体を水蒸気および非凝縮性
気体を含む加熱加圧混合気体に混合して移送する間に加
熱処理するとともに出口などに少なくとも1個の第2絞
りノズルを設けた加熱処理装置とを備えた粉粒体殺菌装
置を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体殺菌装置に
関するものであり、更に詳述すると、食品、医薬品、漢
方薬品、化粧品、飼料、肥料などの粉粒体が本来有する
香味、風味、分散性、形状、外観、色相などの品質を損
なわずに連続的に効率よく殺菌して低菌数の粉粒体を提
供できるようにした粉粒体殺菌装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、粉粒体、例えば香辛料などはそ
れぞれ風味、香りに特徴を持ち、その風味及び香りの良
さは味と共に品質を左右するものである。この場合、特
に香辛料などにおいてはそのほとんどが植物の種子、果
実、根茎、葉、樹皮、蕾、花などを利用するものであ
り、通常これらの表面は微生物で汚染されているため、
その用途に応じて殺菌処理が必要となる。
【0003】従来、粉粒体食品の殺菌方法としては加熱
殺菌法が一般的に行われている。しかし加熱殺菌法で
は、成分、香り、味、色などの変質、有効成分の逸散な
どを伴い、食品そのものの品質を低下させる問題があっ
た。放射線殺菌、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイドなどのガス殺菌法が提案されているが、いずれも
食品衛生法上許可されておらず、食品の殺菌法として適
用されるに至っていない。
【0004】粉粒体食品を過熱水蒸気の高速気流に分散
して移動させて数秒で殺菌する方法(特公昭63−50
984号公報)や粉粒体食品を過熱水蒸気などを用い、
間接加熱された旋回流発生加熱管中で加熱処理する方法
(特公平5−53号公報)が提案されているが、下記
1)〜3)の欠点がある。 1)水蒸気100%の気体中での殺菌であるので、処理
物への水蒸気水分の浸透量が多い。 2)飽和水蒸気圧曲線の飽和温度付近では特に処理物へ
の蒸気の凝縮量が多くなるので、それを避けるために過
熱水蒸気にして殺菌温度を数度から数十度高く設定せざ
るを得ない。 3)水分、加熱によって粘着性の出る原料(例えば、オ
ニオン、ガーリックなど)などは、装置内部、特に高圧
ロータリバルブなどに付着、固化などを起こして、装置
の連続運転が不可能となり、水分浸透に弱い粉粒体(パ
ン粉、デンプン粉、野菜片、茶葉、抹茶など)などは品
質劣化など、品質ダメージが大きい問題がある。
【0005】高速あるいは低速攪拌羽根付き耐圧混合機
を用いて粉粒体を加圧水蒸気により殺菌する方法が提案
されている(特開昭58−121954号公報、特開平
2−92253号公報、特開平3−83567号公報、
特開平7−274916号公報、特開平8−24280
7号公報、特開平8−318147号公報など)が、や
はり処理物への水蒸気の過度の浸透、それに伴う処理物
の成分の変質、また比較的長時間加熱となるための品質
劣化など大きい問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
低い温度で殺菌効果のでる殺菌処理を行い、かつ処理物
への水蒸気凝縮量を最小限にして、食品、医薬品、漢方
薬品、化粧品、飼料、肥料などの粉粒体、特に水分、加
熱によって粘着性の出る粉粒体(例えば、オニオン、ガ
ーリックなど)や水分浸透に弱い粉粒体(パン粉、デン
プン粉、野菜片、茶葉、抹茶など)などについても、そ
れらが本来有する香味、風味、薬効、性能、分散性、色
相などの品質を損なわずに連続的に容易に効率よく殺菌
して低菌数の粉粒体を供給できる粉粒体殺菌装置を提供
することである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上記課題を解決するた
め請求項1の発明は、一端近傍に圧力保持機能を有する
供給装置を設け、この供給装置を経て粉粒体を加圧され
た非凝縮性気体中に供給するとともに他端に第1絞りノ
ズルを設けた原料供給路と、この第1絞りノズルを経て
非凝縮性気体と共に供給された粉粒体を水蒸気および非
凝縮性気体を含む加熱加圧混合気体に混合して移送する
間に加熱処理するとともに出口などに少なくとも1個の
第2絞りノズルを設けた加熱処理装置とを備えたことを
特徴とする粉粒体殺菌装置である。
【0008】本発明においては、過熱水蒸気を用いず、
非凝縮性気体および水蒸気を含む加熱加圧混合気体中で
粉粒体を加熱処理するので、粘着性の出る粉粒体(オニ
オン、ガーリックなど)や水分浸透に弱い粉粒体(パン
粉、デンプン粉、野菜片、茶葉、抹茶など)であっても
粉粒体への水蒸気水分の浸透量が少なくなり、より低温
で品質を損なわずに連続的に容易に効率よく殺菌処理な
どの加熱処理を行うことができる。
【0009】原料供給路に設けた第1絞りノズルを経て
圧力や温度などを制御されて非凝縮性気体と共に(例え
ば、温度約80〜200℃、圧力常圧〜10kg/cm
2 G程度、流速10〜40m/sec.程度)粉粒体を
加熱処理装置へ供給して、加熱処理装置中で粉粒体を、
水蒸気(例えば、温度約80〜200℃、圧力常圧〜1
0kg/cm2 G程度、流速10〜40m/sec.程
度)および非凝縮性気体を含む加熱加圧混合気体(例え
ば、水蒸気/非凝縮性気体の重量比は、20/1〜2/
1が好ましく、9/1程度がさらに好ましい)の高速気
流中に混合、浮遊、接触せしめて、加熱処理装置中を移
送する間に殺菌処理などの加熱処理(例えば、温度約8
0〜200℃、圧力常圧〜10kg/cm2 G程度、滞
留時間約3sec.〜60sec.程度)を行う。加熱
処理装置は間接加熱により約80〜300℃程度に加熱
することが好ましい。
【0010】本発明においては、加熱処理装置への粉粒
体の送り込みにロータリバルブなどのバルブを使用せ
ず、「絞りノズル」(第1絞りノズル)を用いて圧力を
制御して移送するとともに、加熱処理装置において加熱
処理された粉粒体を、例えば、次の乾燥、冷却工程へ移
送するためにロータリバルブなどのバルブを使用せず、
加熱処理装置の出口などに少なくとも1個の「絞りノズ
ル」(第2絞りノズル)を用いて圧力を、例えば常圧に
なるように制御して移送する方式を用いる。ロータリバ
ルブなどのバルブを使用しない方式により水蒸気雰囲気
と処理物とが接するすべての通り道において、処理物が
一瞬たりとも静止することがなく、常に高速気流中を移
動することになるため、バルブ類などの装置に処理物が
付着して固化するなどの連続運転の妨げとなるような現
象を全て防ぐことができる。
【0011】本発明において、非凝縮性気体として酸素
を含まない気体、例えば窒素、炭酸ガスなどの不活性ガ
スを用いることにより、処理物の酸化を防ぐことができ
る。
【0012】本発明において、加熱処理装置などにおけ
る条件設定を調整することにより、殺菌と乾燥を同じ加
熱処理装置内で行うようにすることができる。このよう
にすれば加熱処理した粉粒体をあらためて「乾燥処理」
を行うことが不必要となり、粉粒体殺菌装置を小型化、
簡便化でき、イニシャルコストもランニングコストも低
減でき経済的になる。
【0013】その他、本発明においては、水蒸気および
非凝縮性気体を含む加熱加圧混合気体を加熱処理装置へ
供給する際、例えば混合気体供給用ブロワに回転数調整
可変のインバータを付けることにより、混合気体の気流
速度を変化させ、この調整により、殺菌環境、水蒸気の
凝縮量が最適なものとなるように制御し、粉粒体の品質
の向上を図ることができる。
【0014】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
の粉粒体殺菌装置において、前記第2絞りノズルを経て
移送される加熱処理された粉粒体を水蒸気および非凝縮
性気体と分離、乾燥後、排出する乾燥装置を備えたこと
を特徴とする。本発明においては、必要に応じて第2絞
りノズルを経て移送される加熱処理された粉粒体を乾燥
する乾燥装置を設けることができる。加熱処理された粉
粒体から水蒸気(および非凝縮性気体)を分離すれば粉
粒体の品質を向上できる。
【0015】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載の粉粒体殺菌装置において、前記乾燥
装置から排出された粉粒体を冷却するための冷却装置を
備えたことを特徴とする。冷却装置で冷却された粉粒体
はそのまま製品とすることができる。
【0016】本発明の請求項4の発明は、請求項1から
請求項3のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置において、
前記供給装置を経て粉粒体を加熱加圧した非凝縮性気体
中に供給して予熱することを特徴とする。この予熱によ
り、処理物への水蒸気の浸透量をさらに少なく抑えるこ
とが可能となる。予熱の方法は特に限定されないが、原
料供給路中で加熱加圧した非凝縮性気体中に粉粒体を供
給して予熱すれば、加熱処理装置中における粉粒体の付
着や固化を抑制できる上、水蒸気の割合を低減したり、
加熱処理時間を短縮したりできる。
【0017】本発明の請求項5の発明は、請求項1から
請求項4のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置において、
前記供給装置を経て粉粒体を加圧された非凝縮性気体中
に供給した後、前記原料供給路を間接加熱して予熱する
ことを特徴とする。粘着性が出る原料(オニオン、ガー
リックなど)などの場合は、原料供給路を間接加熱して
予熱することにより品質の維持が計れ、かつ粉粒体の付
着や固化を抑制できる。
【0018】本発明の請求項6の発明は、請求項1から
請求項5のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置において、
第1絞りノズルの端部を前記加熱処理装置に直接接続し
たことを特徴とする。原料供給路に設けた第1絞りノズ
ルの端部を加熱処理装置に直接接続し、粉粒体を非凝縮
性気体と共に加熱処理装置の高速気流中へ供給すれば、
粉粒体の付着や固化を起こさずに粉粒体を安定して容易
に加熱処理装置に供給できる。
【0019】本発明の請求項7の発明は、請求項1から
請求項5のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置において、
第1絞りノズルの端部が前記加熱処理装置の内部に延在
するように接続したことを特徴とする。原料供給路に設
けた第1絞りノズルの端部が加熱処理装置の内部に延在
するように接続し、粉粒体を非凝縮性気体と共に加熱処
理装置内の高速気流中へ供給すれば、粘着性が出る原料
(オニオン、ガーリックなど)などであっても粉粒体の
付着や固化を起こさずに粉粒体を安定して容易に加熱処
理装置に供給できる。
【0020】本発明の請求項8の発明は、請求項1から
請求項7のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置において、
前記加熱処理装置として少なくとも1つの旋回流発生加
熱装置を用いることを特徴とする。原料供給路に設けた
第1絞りノズルを経て非凝縮性気体と共に粉粒体を旋回
流発生加熱処理装置へ供給すれば、旋回流発生加熱処理
装置中で旋回流が発生し、粉粒体は水蒸気および非凝縮
性気体を含む高速加熱加圧混合気体と渦巻状に流動し、
これにより粉粒体は満遍なく混合気体にさらされて、加
熱処理される。旋回流発生加熱処理装置は間接加熱によ
り約80〜300℃程度に加熱することが好ましい。旋
回流となって流動する粉粒体などはこの間接加熱された
旋回流発生加熱処理装置の内壁に接触して沿って流れ、
加熱されて、効率よく加熱、処理されることになる。旋
回流発生加熱装置は粉粒体の種類や処理量などによって
は1つ用いてもよいが、1つ以上複数用いることができ
る。複数用いることにより高処理速度で効率よく加熱、
処理できる。
【0021】本発明の請求項9の発明は、請求項1から
請求項8のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置において、
前記加熱処理装置に気相分離装置を設けたことを特徴と
する。本発明においては、必要に応じて加熱処理装置に
気相分離装置を設けることができる。気相分離装置を設
けて、加熱処理装置中の圧力を所定の圧力に精密に制御
できる。また、加熱処理に用いた混合気体の少なくとも
1部を系外に排出すれば、次の乾燥工程、冷却工程など
における負荷を軽減でき、粉粒体殺菌装置自体を小型
化、簡便化でき、経済的になる。
【0022】本発明の請求項10の発明は、請求項1か
ら請求項9のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置におい
て、前記乾燥装置に熱風供給装置を設け、この熱風供給
装置から供給される熱風により第2絞りノズルを経て移
送される加熱処理された粉粒体を乾燥することを特徴と
する。熱風供給装置から供給される空気、窒素、炭酸ガ
スなど、あるいはこれらの混合物などの熱風により粉粒
体を乾燥することにより、効率良く乾燥でき粉粒体への
水蒸気の浸透量をさらに少なく抑えることが可能とな
る。乾燥条件の具体例としては、例えば上記熱風の圧力
が常圧、温度が常温〜200℃程度、(熱風/処理物)
の重量比が20/1〜2/1程度を挙げることができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明で用いる粉粒体は、食品、
医薬品、漢方薬品、化粧品、飼料(魚粉、ヌカなど)、
肥料などである。本発明で用いる粉粒体食品の原料の具
体例としては、ブラックペパー、ホワイトペパー、ジン
ジャー、ナツメグ、メース、シナモン、コリアンダー、
クミン、カルダモン、レッドペパー、マスタード、オー
ルスパイス、クローブ、バジル、タイム、マジョラム、
セージ、ターメリック、フェンネル、キャラウェイ、デ
イル、ガーリック、オニオン、サフラン、カレーパウダ
ー、チリパウダーなどの香辛料が挙げられ、その他、か
つお節、昆布粉、茶葉、抹茶、乾燥野菜類、穀類(原形
粒および粉末を含む)、大豆粉末、コンニャク粉末など
又はこれらの混合物が挙げられる。
【0024】その他、本発明で用いる粉粒体として、医
薬品、化粧品の原料としての漢薬系植物原料、具体的に
は例えばセンナ、センブリ、オウレン、オウバク、ゲン
チアナ、ショウキョウ、ダイオウ、マオウ、シャクヤク
など、またオガクズ、フスマなどの混合培地からなるキ
ノコ培地などの栽培原料などを挙げることができる。こ
の場合、粉粒体食品などは原形(ホール)のまま使用す
ることも、これらの原料の粒度を例えば500μm未満
にして用いることもできる。例えば150〜420μm
であることが好ましい場合がある。なお、このような粒
度の粉粒体を得るための方法としては、特に制限され
ず、公知の粉砕方法から適宜選択することができる。例
えば、スタンプミル、ピンミル、振動ミル、ロールミル
粉砕法、凍結後粉砕法などが挙げられる。
【0025】食品、医薬品、漢方薬品、化粧品、飼料、
肥料などの粉粒体原料には、総じて芽胞が付着、存在し
ているので、用途に応じて芽胞を殺菌する必要がある。
芽胞は加熱に対して抵抗性が高く、例えば南方の香辛料
などの中には大気圧下で100℃付近で数時間加熱して
も死滅しない芽胞が多数存在する。粉粒体を大気圧下で
120℃程度まで加熱すると、粉粒体に含まれる水分が
ほとんど蒸発してしまうので、このような条件下では、
120℃以上に加熱しても短時間では芽胞はほとんど死
滅しない。したがって、このような芽胞を効率的に加熱
殺菌するには湿熱状態で(水蒸気と非凝縮性気体からな
る混合気体中で)120℃程度以上に加熱する必要があ
る。しかし多量の水蒸気を用いて加圧下に湿熱状態で1
20℃程度以上に加熱する従来の殺菌方法は前記のよう
に、水蒸気の粉粒体への浸透などによる品質の変化や劣
化が起きるので、本発明においては、例えば空気、窒
素、炭酸ガスあるいはこれらの2種以上の混合物などの
安全性の高い非凝縮性気体および水蒸気を含む加熱加圧
混合気体を用いて芽胞の殺菌に必要な所定の圧力に加圧
して湿熱状態で例えば120℃程度あるいはそれ以上の
温度に加熱する。このようにすることにより、粉粒体原
料中の水分を失うことなく、その他の品質を損なうこと
なく、耐熱芽胞を死滅させることができる。前記のよう
に、粉粒体食品を過熱水蒸気の高速気流に分散して移動
させて数秒で殺菌する方法(特公昭63−50984号
公報)や粉粒体食品を過熱水蒸気などを用い、間接加熱
された旋回流発生加熱管中で加熱処理する方法(特公平
5−53号公報)は、飽和水蒸気圧曲線の飽和温度付近
で運転すると、加熱処理物への水分凝縮量が多くなり、
ぬれてしまい、品質的にダメージが大きくなってしま
う。そこで品質を保つ為に、過熱度を飽和温度より十数
度以上高く設定せざるを得ない。しかし、本発明におい
ては蒸気100%ではなく、非凝縮性の気体と蒸気の混
合気体であるため、この気体の水蒸気分圧の飽和温度近
辺においても、水分凝縮量が比較的少ないので、それ程
ぬらさず、水分浸透を適度に抑えて加熱殺菌処理でき
る。したがって、本発明においては上記方法と比較し
て、過熱度の分だけ混合気体の温度を下げることができ
るので、その結果、より品質を損なわずに粉粒体を加熱
殺菌処理することが可能となる。
【0026】以下、図面に基づいて本発明の実施形態を
説明する。図1は、本発明の粉粒体殺菌装置の一実施形
態を示す説明図である。図1において、本発明の粉粒体
殺菌装置1は、粉粒体貯蔵器2中の粉粒体3を高圧ロー
タリバルブ(供給装置)4を経て原料供給路10へ供給
する。一方、圧縮機などから減圧弁を経て予め加圧した
空気などの非凝縮性気体5をブロア6で吸入し、フィル
タ7で微生物、ごみなどを除去して、所定の温度まで加
熱するヒータ8を経て原料供給路10へ供給する。粉粒
体3はこの非凝縮性気体5中に供給される。原料供給路
10の他端には第1絞りノズル9が設けられている。ま
た、本発明の粉粒体殺菌装置1は、この第1絞りノズル
9を経て非凝縮性気体と共に供給された粉粒体3を水蒸
気および非凝縮性気体を含む加熱加圧混合気体に混合し
て移送する間に殺菌や熱変性など加熱処理するとともに
出口に第2絞りノズル11を設けた加熱処理装置12を
備えている。
【0027】それぞれ別に供給される水蒸気13、およ
び圧縮機などから減圧弁を経て予め加圧した空気などの
非凝縮性気体14はフィルタ14Aで微生物、ごみなど
を除去した後、ミキサ15で混合されて混合気体とさ
れ、ブロア16で吸入され、ヒータ17で所定の温度に
加熱されて加熱処理装置12中に高速気流となって供給
される。また、本発明の粉粒体殺菌装置1は、第2絞り
ノズル11を経て移送される加熱処理された粉粒体を水
蒸気および非凝縮性気体と分離、乾燥後、排出する乾燥
装置18を備えている。前記乾燥装置18には熱風供給
装置19が設けられており、この熱風供給装置19は必
要に応じて加圧された空気などの非凝縮性気体20をブ
ロア21で吸入し、フィルタ22で微生物、ごみなどを
除去し、所定の温度まで調節するヒータ23を経て熱風
を乾燥装置18に供給する。熱風を供給する管路24に
は前記第2絞りノズル11が連結されており、第2絞り
ノズル11で圧力をほぼ常圧に制御された粉粒体を含む
水蒸気および非凝縮性気体の混合気体が管路24に移送
され、熱風と混合されて乾燥されつつ管路24を経てサ
イクロンなどの乾燥装置本体25に供給されてさらに乾
燥されるようになっている。乾燥装置本体25内で乾燥
された粉粒体は常圧タイプのロータリバルブ(排出装
置)26を経て、系外に排出され、タンク27に貯えら
れる。乾燥装置本体25内で分離された混合気体は乾燥
装置本体25の上部から系外に排出される。
【0028】上記の構成の本発明の粉粒体殺菌装置1の
運転を開始すると、粉粒体貯蔵器2中の粉粒体3は高圧
ロータリバルブ4を経て供給され、ブロア6、フィルタ
7、ヒータ8を経て所定の温度、圧力に制御された空気
などの非凝縮性気体5中に混合されて、予熱され、第1
絞りノズル9を経て所定の圧力に制御されて加熱処理装
置12に移送される。一方、水蒸気13および必要に応
じて加圧された空気などの非凝縮性気体14はフィルタ
14A、ミキサ15、ブロア16、ヒータ17を経て所
定の温度、圧力に制御された混合気体となって加熱処理
装置12中に高速気流となって供給される。そして、第
1絞りノズル9を経て非凝縮性気体と共に供給された粉
粒体3は、加熱処理装置12内で加熱加圧混合気体に混
合され、移送される間に殺菌や熱変性などの加熱処理が
行われる。加熱処理された粉粒体3は混合気体とともに
出口に設けられた第2絞りノズル11を経て管路24に
圧力を制御されて(好ましくは、常圧になるように圧力
を制御されて)移送される。第2絞りノズル11を経て
移送された粉粒体3は、ブロア21、フィルタ22、ヒ
ータ23を経て所定の温度、圧力に制御された熱風と混
合され、乾燥されながら移送されて間接加熱されたサイ
クロンなどの乾燥装置本体25に供給されて乾燥され
る。そして、乾燥装置本体25内で乾燥された粉粒体3
は常圧タイプのロータリバルブ26を経て、系外に排出
されて、製品を入れるタンク27に貯えられる。乾燥装
置本体25内で分離された混合気体は乾燥装置本体25
の上部から系外に排出されるようになっている。
【0029】以上のようにして、粉粒体が本来有する香
味、風味、薬効、性能、分散性、色相などの品質を損な
わず殺菌や熱変性などの加熱処理を連続的に容易に効率
よく行って低菌数の粉粒体を製造することができる。
【0030】図2は、本発明の粉粒体殺菌装置の他の実
施形態を示す説明図である。図2において、本発明の粉
粒体殺菌装置1Aは、図1に示した本発明の粉粒体殺菌
装置1に乾燥装置18から排出された粉粒体3を冷却す
るための冷却装置30を備えた点以外は、図1に示した
本発明の粉粒体殺菌装置1と同様になっている。図1と
図2において同じ符号のものは同じものを示す。常圧タ
イプのロータリバルブ26を経て移送された乾燥後の粉
粒体3は、必要に応じて加圧された空気などをブロア3
1、フィルタ32、クーラ33、ヒータ34を経て所定
の温度、圧力に制御したドライな冷風と混合され、冷却
されながら移送されてサイクロンなどの冷却装置本体3
5に供給され、冷却装置本体35内でさらに冷却され
る。冷却された粉粒体3は常圧タイプのロータリバルブ
36を経て、系外に排出されて、製品を入れるタンク3
7に貯えられる。冷却装置本体35内で分離された気体
は冷却装置本体35の上部から系外に排出されるように
なっている。
【0031】図3は、本発明の粉粒体殺菌装置の他の原
料供給路の実施形態を示す説明図である。図1〜図3に
おいて同じ符号のものは同じものを示す。図3におい
て、粉粒体貯蔵器2中の粉粒体3は粉粒体貯蔵器2の底
部に設けられた同方向に回転する2軸スクリュウ2Aに
より移送され、第1高圧ロータリバルブ4Aおよび第2
高圧ロータリバルブ4Bを経由して原料供給路10に供
給される。一方、図示しない圧縮機から供給される空気
などの非凝縮性気体5は減圧弁6Aで減圧され、ブロア
6、フィルタ7、ヒータ8を経て所定の温度、圧力に制
御されて原料供給路10に供給される。原料供給路10
に供給された粉粒体3は所定の温度、圧力に制御された
非凝縮性気体5中に混合され移送される間に所定の温度
に予熱される。このようにすることにより粉粒体3のフ
ィード量の変化を最小限に抑えながら安定して原料供給
路10に供給、予熱できる。
【0032】図4は、本発明の粉粒体殺菌装置の他の原
料供給路の実施形態を示す説明図である。図1〜図4に
おいて同じ符号のものは同じものを示す。図4におい
て、ヒータ8の代わりに、間接加熱装置8Aを設けた以
外は図3に示した原料供給路10と同様になっている。
図示しない圧縮機から供給される空気などの非凝縮性気
体5は減圧弁6Aで減圧され、ブロア6、フィルタ7を
経て所定の圧力に制御され、原料供給路10に供給され
たこの非凝縮性気体5と混合された粉粒体3は、スチー
ムによって間接加熱された間接加熱装置8A中のコイル
8B内を移送される間に所定の温度に予熱される。特に
水分、加熱によって粘着性の出る粉粒体(例えば、オニ
オン、ガーリックなど)や水分浸透に弱い粉粒体(パン
粉、デンプン粉、野菜片、茶葉、抹茶など)などの場合
はこのような間接加熱による予熱が好ましい。
【0033】図5(A)、(B)は、本発明の粉粒体殺
菌装置の第1ノズルを加熱処理装置に接続する実施形態
を示す説明図である。図1〜図5において同じ符号のも
のは同じものを示す。図5(A)は、原料供給路10の
端部に設けられた第1絞りノズル9の端部9Aが加熱処
理装置12に直接接続されている例を示す。図5(B)
は、原料供給路10の端部に設けられた第1絞りノズル
9の端部9Bが加熱処理装置12の内部に延在するよう
に接続されている例を示す。9Cは第1絞りノズル10
を加熱処理装置12に支持、固定するための固定部であ
る。本発明で用いる絞りノズルは、この絞りノズル中を
気体流が高速で通過し、ノズル先端から噴出するに伴っ
て、ノズルの手前側管内と先端との間に気体の圧力差が
生じ、手前側の方がより高圧に保たれるものであり、そ
の構造としては、粉粒体を同伴する気体流がその内側を
流れるような管体の一部分において、管の流路断面積
が、気体流の進行方向に対して手前端から管の先端に向
かって徐々に小さく絞りこまれているものを基本構造と
する。上記圧力差は、絞りノズルの管の手前側と先端と
の断面積比、管形状、内部気体流の諸条件などによって
変化することになるが、内部気体流の諸条件に変化のな
い場合は、絞りノズルの先端部分の流路断面積の異なっ
た絞りノズルを複数用意しておきそれらを交換すること
により、圧力差をコントロールすることが可能となる。
本発明に適用するのに望ましい絞りノズルの基体構造と
しては、粉粒体を同伴した気体流を安定して円滑に詰ま
ることなく、連続移送させる目的を考慮して、円管から
一方向に徐々に断面積が小さくなるよう絞り込まれて、
先端が適正に設計された断面積となるような、細長い円
錐形で、内側がなめらかに加工された、シンプルな、金
属ノズル(好ましくはステンレス製)が望ましい。しか
し、本発明の「絞りノズル」の基本構造は、粉粒体のつ
まりや管体への付着が起こり難い構造であればよく、上
記例に示した基本構造に特に限定されるものではない。
例えば、オリフィスのついた、流路断面積の可変の「絞
りノズル」でも使用可能である。
【0034】図6は、本発明の粉粒体殺菌装置の他の実
施形態を示す説明図である。図6において、本発明の粉
粒体殺菌装置1Bは、図2に示した本発明の粉粒体殺菌
装置1Aの加熱処理装置12を旋回流発生加熱処理装置
12Aとした点以外は、図2に示した本発明の粉粒体殺
菌装置1Aと同様になっている。図1〜図2において同
じ符号のものは同じものを示す。第1絞りノズル9を経
て非凝縮性気体と共に粉粒体3をサイクロンなどの旋回
流発生加熱処理装置12Aへ供給すれば、矢印で示した
ように旋回流発生加熱処理装置12A中で旋回流が発生
し、粉粒体3は水蒸気および非凝縮性気体を含む高速加
熱加圧混合気体と渦巻状に流動し、これにより粉粒体3
は満遍なく混合気体にさらされて、加熱処理される。旋
回流発生加熱処理装置12Aはヒータhなどにより外部
から間接加熱して、約80〜300℃程度に加熱するこ
とが好ましい。旋回流となって流動する粉粒体3などは
この間接加熱された旋回流発生加熱処理装置12Aの内
壁に沿って流れ、接触し、加熱されて、効率よく加熱処
理される。前記図1および図2に示した加熱処理装置1
2は直管、螺旋管などのストレート管であるが、この加
熱処理装置12中の滞留時間が0.5〜2sec.程度
であればストレート管の長さを長くすれば混合気体の流
速が例えば約20m/sec.であっても実際的に対応
できる。しかし、滞留時間が2sec.を越えるとスト
レート管の長さが長くなり過ぎ(例えば滞留時間5se
c.で流速20m/sec.とするとストレート管の長
さは100mとなる)、現実に対応できなくなる。そこ
で、粉粒体の種類や処理量などにより滞留時間が2se
c.以上が必要とされる場合はサイクロンなどの旋回流
発生加熱処理装置を使用することが好ましく、また旋回
流発生加熱処理装置を使用すれば粉粒体殺菌装置を小型
化できる利点がある。
【0035】図7(A)〜(D)は、本発明の粉粒体殺
菌装置に用いる旋回流発生加熱処理装置の他の実施形態
を示す説明図である。図7(A)は縦型サイクロンを示
し、(B)は縦型サイクロンを2個連結して使用する例
を示し、(C)は横型サイクロンを示し、(D)は横型
サイクロンを2個連結して使用する例を示す。hは間接
加熱用のヒータを示す。旋回流発生加熱装置は粉粒体の
種類や処理量などによっては1つ用いてもよいが、1つ
以上複数用いることができる。複数用いることにより高
処理速度で効率よく加熱処理できる。図8(E)〜
(F)は、本発明の粉粒体殺菌装置に用いる旋回流発生
加熱処理装置の他の実施形態を示す説明図である。図8
(A)は他の縦型サイクロンを示し、(B)は他の縦型
サイクロンを2個連結して使用する例を示す。hは間接
加熱用のヒータを示す。
【0036】図9は、本発明の粉粒体殺菌装置の他の実
施形態を示す説明図である。図9において、本発明の粉
粒体殺菌装置1Cは、図6に示した本発明の粉粒体殺菌
装置1Bの旋回流発生加熱処理装置12Aに気相分離装
置40を設けた点以外は、図6に示した本発明の粉粒体
殺菌装置1Bと同様になっている。図1〜図9において
同じ符号のものは同じものを示す。気相分離装置40は
粉末分離器41、リリーフ弁42、流量計43、冷却器
44、圧力センサ45などから構成されており、圧力セ
ンサ45の信号が図示しない制御装置に送られるように
なっている。圧力センサ45で所定の圧力を越える圧力
が検出された場合は、圧力センサ45からの信号に基づ
いて前記制御装置からリリーフ弁42に信号が送られて
リリーフ弁42が開けられて、混合気体の1部が加熱処
理装置12Aから気相分離装置40を経て系外に排出さ
れる。水蒸気および非凝縮性気体からなる混合気体中に
同伴された粉粒体3は粉末分離器41で分離され、リリ
ーフ弁42、流量計43を経て、冷却器44で水と接触
されて冷却され、水蒸気は水となり、この水は冷却器4
4の底部から系外に排出され、分離され冷却された非凝
縮性気体は冷却器44の上部から系外に排出される。気
相分離装置40を設けることにより、加熱処理装置12
A中の圧力を所定の圧力に精密に制御できるとともに、
加熱処理に用いた混合気体の1部を系外に排出できるの
で、次の乾燥工程、冷却工程などにおける負荷を軽減で
き、粉粒体殺菌装置1C自体を小型化、簡素化できる。
【0037】図10は、本発明の粉粒体殺菌装置の他の
実施形態を示す説明図である。図10において、本発明
の粉粒体殺菌装置1Dは、図9に示した本発明の粉粒体
殺菌装置1Cにおいて複数の旋回流発生加熱処理装置1
2A、12Bおよび12Cを直列に連結して使用し、旋
回流発生加熱処理装置12Cに気相分離装置40を設け
た点以外は、図9に示した本発明の粉粒体殺菌装置1C
と同様になっている。図1〜図10において同じ符号の
ものは同じものを示す。第1絞りノズル9を経て非凝縮
性気体と共に粉粒体3をサイクロンなどの旋回流発生加
熱処理装置12A、12Bおよび12C(分離用サイク
ロン)へ供給すれば、それぞれの旋回流発生加熱処理装
置12A、12Bおよび12C中で旋回流が発生し、粉
粒体3は水蒸気および非凝縮性気体を含む高速加熱加圧
混合気体と渦巻状に流動し、これにより粉粒体3は満遍
なく混合気体にさらされて、効率良く加熱処理されると
ともに、旋回流発生加熱処理装置12C(分離用サイク
ロン)中で気相と粉粒体3とに分離される。旋回流発生
加熱処理装置12A、12Bおよび12Cはヒータhな
どにより外部から間接加熱して、約80〜300℃程度
に加熱することが好ましい。旋回流となって流動する粉
粒体3などはこの間接加熱された旋回流発生加熱処理装
置12A、12Bおよび12Cの内壁に沿って流れ、加
熱されて、効率よく加熱処理される。
【0038】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から
逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0039】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるもので
はない。
【0040】(実施例1) オニオン粉粒体の殺菌処理例 20#〜40#に粒度を揃えたオニオンの粉粒体原料を
図4に示した間接加熱装置8Aを用いて予熱し、図8に
示した本発明の粉粒体殺菌装置ICを用いて下記の条件
で殺菌処理したところ、粉粒体殺菌装置ICの運転に何
ら支障なく、長時間連続して安定的に、高品質を保持し
たまま殺菌処理ができた。(条件) 粉粒体(原料)3の処理量;200kg/h 原料投入空気流(原料供給路10における空気5の流
れ);15m/sec、3.0kg/cm2 G圧、80
℃ 蒸気13、空気14および空気5からなる混合流(第1
絞りノズル以降);15m/sec、2.5kg/cm
2 G、130℃ 旋回流発生加熱装置12A中の蒸気:空気流量比=2.
5:1 旋回流発生加熱装置12A中における殺菌処理時間;約
4sec 管路24中の乾燥空気流;15m/sec、常圧、80
℃ ブロア31、フィルタ32、クーラ33、ヒータ33を
経た冷却空気流:15m/sec、常圧、20℃ タンク37中へ排出後の製品品温;32℃ タンク37中の製品;だま発生なし
【0041】上記の条件で殺菌処理したオニオン粉粒体
製品および殺菌処理前のオニオン粉粒体(原料)につき
一般生菌、耐熱性菌、大腸菌群などの微生物分析を行う
とともに、香り、味、色などの品質評価を行った。結果
を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から、本発明の粉粒体殺菌装置1Cを
用いて、粘着性の出る粉粒体(オニオン)の品質を損な
わずに連続的に容易に効率よく殺菌処理できることが判
る。
【0044】(比較例1)比較のため実施例1と同オニ
オン粉粒体(原料)を用い、特公昭63−50984号
公報記載の殺菌装置を用い以下の条件で殺菌処理した。
しかし殺菌処理運転開始後約15分後、高圧ロータリバ
ルブのロータとケーシング間の隙間に、オニオンの加熱
粘着成分が層状に貼り付いて、高圧ロータリバルブが高
負荷のため停止し、装置の運転続行が不可能になった。 (条件) 粉粒体(原料)の処理量;200kg/h 過熱水蒸気流;15m/sec、1.5kg/cm2
圧、160℃ 殺菌処理時間;約4sec 乾燥空気流:15m/sec、105℃ 冷却空気流;15m/sec、20℃ 排出後の製品品温;33℃ 製品にだま発生した;薄層状の固化した塊が時々排出さ
れた。
【0045】
【発明の効果】本発明の粉粒体殺菌装置は、過熱水蒸気
を用いず、非凝縮性気体および水蒸気を含む加熱加圧混
合気体中で粉粒体を加熱処理するので、粘着性の出る粉
粒体(オニオン、ガーリックなど)や水分浸透に弱い粉
粒体(パン粉、デンプン粉、野菜片、茶葉、抹茶など)
などであっても粉粒体への水蒸気水分の浸透量が少なく
なり、より低温で品質を損なわずに連続的に容易に効率
よく殺菌処理などの加熱処理を行うことができる。本発
明においては、ロータリバルブなどのバルブを使用しな
い方式により、水蒸気雰囲気と処理物とが接するすべて
の通り道において、処理物が一瞬たりとも静止すること
がなく、常に高速気流中を移動することになるため、バ
ルブ類などの装置に処理物が付着して固化するなどの連
続運転の妨げとなるような現象を全て防ぐことができ
る。本発明において非凝縮性気体として酸素を含まない
気体、例えば窒素、炭酸ガスなどの不活性ガスを用いる
ことにより、処理物の酸化を防ぐことができる。本発明
においては、加熱処理装置などにおける条件設定を調整
することにより殺菌と乾燥が同じ加熱処理装置内で行う
こともできる。このようにすれば加熱処理した粉粒体を
あらためて「乾燥処理」を行うことが不必要となる。
【0046】本発明においては、必要に応じて第2絞り
ノズルを経て移送される加熱処理された粉粒体を乾燥す
る乾燥装置を設けることができる。乾燥して加熱処理さ
れた粉粒体から水蒸気(および非凝縮性気体)を分離す
れば粉粒体の品質を向上できる。
【0047】本発明においては、必要に応じて冷却装置
を設けることができる。冷却装置で冷却された粉粒体は
品質が維持されそのまま製品とすることができる。
【0048】供給装置を経て粉粒体を加熱加圧した非凝
縮性気体中に供給して予熱することにより、処理物への
水蒸気の浸透量をさらに少なく抑えることが可能とな
る。原料供給路中で加熱加圧した非凝縮性気体中に粉粒
体を供給して予熱すれば、加熱処理装置中における粉粒
体の付着や固化を抑制できる上、水蒸気の割合を低減し
たり、加熱処理時間を短縮したりできる。
【0049】供給装置を経て粉粒体を加圧された非凝縮
性気体中に供給した後、原料供給路を間接加熱して予熱
すれば、粘着性が出る原料(オニオン、ガーリックな
ど)や水分浸透に弱い粉粒体(パン粉、デンプン粉、野
菜片、茶葉、抹茶など)などであっても品質を維持し、
付着や固化を抑制できる。
【0050】第1絞りノズルの端部を前記加熱処理装置
に直接接続し、粉粒体を非凝縮性気体と共に加熱処理装
置内の高速気流中へ供給すれば、粉粒体の付着や固化を
起こさずに粉粒体を容易に加熱処理装置に供給できる。
【0051】第1絞りノズルの端部が加熱処理装置の内
部に延在するように接続し、粉粒体を非凝縮性気体と共
に加熱処理装置内の高速気流中へ供給すれば、粘着性が
出る原料(オニオン、ガーリックなど)や水分浸透に弱
い粉粒体(パン粉、デンプン粉、野菜片、茶葉、抹茶な
ど)などであっても粉粒体の付着や固化を起こさずに粉
粒体を容易に加熱処理装置内の高速気流中に供給でき
る。
【0052】加熱処理装置として少なくとも1つの旋回
流発生加熱装置を用い、原料供給路に設けた第1絞りノ
ズルを経て非凝縮性気体と共に粉粒体をこの旋回流発生
加熱処理装置へ供給すれば、旋回流発生加熱処理装置中
で旋回流が発生し、粉粒体は水蒸気および非凝縮性気体
を含む高速加熱加圧混合気体と渦巻状に流動し、これに
より粉粒体は満遍なく混合気体にさらされて、加熱処理
される。
【0053】加熱処理装置に必要に応じて加熱処理装置
に気相分離装置を設けることができる。気相分離装置を
設けて、加熱処理装置中の圧力を所定の圧力に精密に制
御できる。また、加熱処理に用いた混合気体の少なくと
も1部を系外に排出すれば、次の乾燥工程、冷却工程な
どにおける負荷を軽減でき、粉粒体殺菌装置自体を小型
化、簡素化でき、経済的となる。
【0054】乾燥装置に熱風供給装置を設け、この熱風
供給装置から供給される熱風により第2絞りノズルを経
て移送される加熱処理された粉粒体を乾燥することによ
り、効率良く乾燥でき粉粒体への水蒸気の浸透量をさら
に少なく抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粉粒体殺菌装置の一実施形態を示す
説明図である。
【図2】 本発明の他の粉粒体殺菌装置を示す説明図で
ある。
【図3】 本発明の粉粒体殺菌装置の他の原料供給路の
実施形態を示す説明図である。
【図4】 本発明の粉粒体殺菌装置の他の原料供給路の
実施形態を示す説明図である。
【図5】 (A)は、第1絞りノズルの端部が加熱処理
装置に直接接続されている例を示す説明図であり、
(B)は、第1絞りノズルの端部が加熱処理装置の内部
に延在するように接続した例を示す説明図である。
【図6】 本発明の粉粒体殺菌装置の他の実施形態を示
す説明図である。
【図7】 (A)は縦型サイクロンを示す説明図であ
り、(B)は縦型サイクロンを2個連結して使用する例
を示す説明図であり、(C)は横型サイクロンを示す説
明図であり、(D)は横型サイクロンを2個連結して使
用する例を示す説明図である。
【図8】 (E)は他の縦型サイクロンを示す説明図で
あり、(B)は他の縦型サイクロンを2個連結して使用
する例を示す説明図である。
【図9】 本発明の粉粒体殺菌装置の他の実施形態を示
す説明図である。
【図10】 本発明の粉粒体殺菌装置の他の実施形態を
示す説明図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D 本発明の粉粒体殺菌装置 3 粉粒体 4 高圧ロータリバルブ(供給装置) 9 第1絞りノズル 9A、9B 端部 10 原料供給路 11 第2絞りノズル 12 加熱処理装置 12A、12B、12C 旋回流発生加熱処理装置 18 乾燥装置 26 ロータリバルブ(排出装置) 30 冷却装置 40 気相分離装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 2/00 - 2/26 A23L 3/00 - 3/54

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端近傍に圧力保持機能を有する供給装
    置を設け、この供給装置を経て粉粒体を加圧された非凝
    縮性気体中に供給するとともに他端に第1絞りノズルを
    設けた原料供給路と、この第1絞りノズルを経て非凝縮
    性気体と共に供給された粉粒体を水蒸気および非凝縮性
    気体を含む加熱加圧混合気体に混合して移送する間に加
    熱処理するとともに出口などに少なくとも1個の第2絞
    りノズルを設けた加熱処理装置とを備えたことを特徴と
    する粉粒体殺菌装置。
  2. 【請求項2】 前記第2絞りノズルを経て移送される加
    熱処理された粉粒体を水蒸気および非凝縮性気体と分
    離、乾燥後、排出する乾燥装置を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の粉粒体殺菌装置。
  3. 【請求項3】 前記乾燥装置から排出された粉粒体を冷
    却するための冷却装置を備えたことを特徴とする請求項
    1あるいは請求項2記載の粉粒体殺菌装置。
  4. 【請求項4】 前記供給装置を経て粉粒体を加熱加圧し
    た非凝縮性気体中に供給して予熱することを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の粉粒体殺菌装
    置。
  5. 【請求項5】 前記供給装置を経て粉粒体を加圧された
    非凝縮性気体中に供給した後、前記原料供給路を間接加
    熱して予熱することを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置。
  6. 【請求項6】 第1絞りノズルの端部を前記加熱処理装
    置に直接接続したことを特徴とする請求項1から請求項
    5のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置。
  7. 【請求項7】 第1絞りノズルの端部が前記加熱処理装
    置の内部に延在するように接続したことを特徴とする請
    求項1から請求項5のいずれかに記載の粉粒体殺菌装
    置。
  8. 【請求項8】 前記加熱処理装置として少なくとも1つ
    の旋回流発生加熱装置を用いることを特徴とする請求項
    1から請求項7のいずれかに記載の粉粒体殺菌装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱処理装置に気相分離装置を設け
    たことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに
    記載の粉粒体殺菌装置。
  10. 【請求項10】 前記乾燥装置に熱風供給装置を設け、
    この熱風供給装置から供給される熱風により第2絞りノ
    ズルを経て移送される加熱処理された粉粒体を乾燥する
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の粉粒体殺菌装置。
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