JP2904774B2 - 石油蒸留残油の水素化処理方法 - Google Patents

石油蒸留残油の水素化処理方法

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JP2904774B2 JP10167085A JP16708598A JP2904774B2 JP 2904774 B2 JP2904774 B2 JP 2904774B2 JP 10167085 A JP10167085 A JP 10167085A JP 16708598 A JP16708598 A JP 16708598A JP 2904774 B2 JP2904774 B2 JP 2904774B2
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賢 牛尾
徹 森田
庸之 大石
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、石油の常圧蒸留残
油および減圧蒸留残油(以下、石油蒸留残油という)の
水素化処理方法に関する。特に石油蒸留残油を水素化処
理するのに先だって、石油蒸留残油中に含まれている鉄
あるいは不溶性の鉄化合物(以下、鉄分という)からな
る微粒子を除去する水素化処理法に関する。 【0002】 【従来の技術】原油を分留し揮発油留分、灯油留分、軽
油留分、および常圧残油留分に分離することは石油精製
工業において一般的に行われている。また減圧蒸留を行
い、常圧残油留分をさらに減圧軽油留分と減圧残油留分
に分離することも一般に行われている。これらの石油炭
化水素留分はそれぞれ精製されて揮発油、灯油、軽油お
よび重油などの石油製品とされる。現在もっとも普通に
行われている精製方法は、高い圧力と高い温度で触媒の
存在下に水素と石油炭化水素を反応させる方法、すなわ
ち水素化処理法と総称されている方法である。 【0003】石油蒸留残油中には、多量の鉄分からなる
微粒子が含まれている。これらは、原油がタンカーで産
出地より運ばれ、タンクに貯蔵され、油送管などを経て
蒸留装置に送られる際、タンク、ラインならびに装置か
ら摩耗などにより混入してくるものである。 【0004】このような石油蒸留残油を固定床式水素化
処理装置の原料油とすると、該原料油中に含まれている
微粒子状の鉄分が反応器の中で、触媒上あるいは触媒粒
子間に堆積し、反応器を閉塞したり、あるいは触媒粒子
の活性を低下させたりする。このうち反応器の閉塞につ
いては、圧の増加をもたらし、時として装置の運転を止
めなくてはならず、極めて大きな損失となる。 【0005】そこで鉄分からなる微粒子を除去すること
ができれば大きなメリットがあらわれる。しかしながら
該微粒子は0.1〜20ミクロン程度と極めて小さく、
一般に石油精製工業に用いられるフィルターで除去する
ことは不可能である。 【0006】前記の方法以外に該粒子を除去する方法は
いくつか挙げることができる。たとえば濾紙や膜フィル
ターのような目の細かいものをフィルターとして用いる
ことである。しかしながら、こういったフィルターでは
極めて圧損が大きいうえ目づまりなどがおこり長時間使
用は困難でありまた交換を行なうとしても作業上の点か
ら原料油の大量処理には全く不向きである。別な方法と
して挙げられるのは遠心分離機器の利用である。しかし
ながらこれも構造上ならびに操作の見地から、処理量に
問題があり実用性は乏しい。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、原料
油を処理せずに固定床式水素化処理装置により反応させ
た場合、反応器の触媒床の上部に鉄が多量に析出し、閉
塞などの原因となり、圧力上昇がもたらされ、時として
装置の停止に至るため、大きな不利益を生ずるというト
ラブルを防止し、触媒の活性がなくなるまで、あるいは
当初の計画どおりの固定床式水素化処理装置の運転を長
期間にわたり安定して連続的に行えるようにした石油蒸
留残油の水素化処理方法を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、高勾配磁気
分離機を利用することで該微粒子の分離が可能であるこ
と、しかも処理能力が極めて大きいことを見い出し本発
明を完成するに至った。すなわち本発明は、鉄あるいは
鉄化合物からなる微粒子を5〜100ppm含有する石
油蒸留残油を高勾配磁気分離機により処理した後、固定
床式水素化処理装置に供給することにより、水素化処理
することを特徴とする石油蒸留残油の水素化処理方法に
関する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いる原料油は、鉄分を5〜100ppm含有す
る石油蒸留残油である。前記の鉄分とはすでに述べたよ
うに鉄あるいは不溶性の鉄化合物の微粒子のことであ
る。 【0010】本発明で用いる石油蒸留残油としては、石
油の常圧蒸留残油および減圧蒸留残油が挙げられる。 【0011】該微粒子の粒径は0.1から100ミクロ
ンに及ぶが多くのものは、通常20ミクロン以下と極め
て小さなものである。 【0012】本発明で用いる該磁気分離機とは、均一な
高磁場空間内に強磁性の充填物を置き、磁場をかけ充填
物の周囲に通常100×103 〜20000×103
ウス/cm、好ましくは500×103 〜15000×
103 ガウス/cmもの高い磁場勾配を生じさせること
により充填物の表面に強磁性あるいは常磁性微粒子の物
質を着磁させて、弱常磁性微粒子あるいは反磁性微粒子
からそれらを分離できるように設計された磁気分離機で
ある。 【0013】上記の強磁性充填物としては、通常、1〜
1000μmの径をもつスチールウールあるいはスチー
ルネットの如き強磁性細線の集合体あるいはエキスパン
ドメタルあるいはスチールビーズ等が用いられる。好ま
しくはエキスパンドメタルあるいはスチールビーズが用
いられる。高勾配磁気分離機としては、励磁コイルによ
り均一な高磁場を発生させる電磁石型と、永久磁石によ
り均一な高磁場を発生させる永久磁石型とがある。 【0014】高勾配磁気分離機で石油蒸留残油中の該鉄
分の微粒子を除去する方法は、該石油蒸留残油を該高勾
配磁気分離機の磁場空間に導入し、磁場空間におかれた
強磁性充填物に該微粒子を着磁し除去することである。
高勾配磁気分離機を運転する際の変数としては、磁場強
度、線速度、処理温度があり、着磁させる粒子の種類、
大きさ、濃度などによって最適条件が選ばれる。 【0015】磁場強度とは、充填物が置かれている空間
内の磁場の強さで、通常500〜25000ガウス、好
ましくは1000〜20000ガウス、より好ましくは
2000〜15000ガウスの範囲である。処理温度と
は高勾配磁気分離機に導入される際の油の温度を指し、
通常は室温(15℃)〜400℃、好ましくは室温〜3
50℃、より好ましくは100〜350℃、最も好まし
くは100〜300℃である。粒子濃度とは、油中に含
まれ、けんだくしている鉄分粒子の濃度であり、通常
0.005〜0.1g/l、好ましくは0.01〜0.
1g/l、より好ましくは0.02〜0.05g/lで
ある。 【0016】また線速度とは磁場空間を通過する際の油
の線速度であり、通常0.1〜50cm/秒、好ましく
は0.2〜20cm/秒、より好ましくは0.5〜15
cm/秒である。分離したい粒子の磁性が小さいほど、
また粒径が小さいほど線速度は小さくする必要がある。 【0017】一方、鉄鉱石の磁気選鉱などで、強磁性の
比較的大きな粒子の分離に従来から使用されているドラ
ム型磁気分離機は、磁場強度が500ガウス、磁場勾配
が約500ガウス/cm程度であって、本発明で言う高
勾配磁気分離の磁場強度及び磁場勾配に比べて著しく小
さく、かかるドラム型磁気分離機は、装置の腐食または
摩耗により触媒中に夾雑物として混入してくる大粒径の
鉄粉を除去することはできるが、石油蒸留残油中に含有
する0.1〜20ミクロン程度の鉄微粒子の分離に使用
することはできない。 【0018】本発明では鉄分を分離除去した石油蒸留残
油を固定床式水素化処理する。固定床式水素化処理と
は、固定床に充填された触媒の存在下に原料油と水素を
高温高圧で反応させ、分解、脱硫、脱メタル反応を行
い、有用な油に転化する方法であり、直接脱硫、水素化
分解等を指す。 【0019】水素化処理触媒としては活性化されたアル
ミナやシリカ・アルミナやシリカ・マグネシア触媒等の
多孔性担体上にコバルト−モリブデン、ニッケル−モリ
ブデン、ニッケル−タングステン、コバルト−モリブデ
ン−ニッケルあるいは白金等の第VI族及び/又は第V
III族金属もしくは金属化合物よりなる水素化金属成
分を担持した触媒が用いられる。 【0020】水素化処理工程における条件としては、反
応温度300〜480℃、好ましくは350〜450
℃、反応圧力50〜200kg/cm2 (ゲージ)、好
ましくは75〜150kg/cm2 (ゲージ)、液空間
速度0.1〜10hr-1、好ましくは0.2〜4h
-1、また水素/油比約100〜2000Nl/lの各
領域の値がそれぞれ採用される。 【0021】以下本発明の好ましい態様を図によって説
明する。図1において、図中1は高勾配磁気分離機、1
2は水素化処理装置である。2〜6は開閉バルブ、7〜
11はラインを示す。ここでライン7より導入された石
油蒸留残油は1の高勾配磁気分離機に導入される。この
ときバルブ4,5,6は閉じられ、2,3が開けられて
いる。1の磁場空間に置かれた充填物に鉄あるいは鉄の
化合物からなる微粒子は着磁され、該微粒子が減少した
石油蒸留残油はライン11を通り固定床式水素化処理装
置12に送られる。 【0022】長時間運転を継続すると、1の充填物は着
磁物が多くなり、該粒子の除去率が減少することがあ
る。その際はバルブ2,3を閉じ、4を開け石油蒸留残
油をバイパスする。その後バルブ5,6が開けられ、ラ
イン9より処理時と逆方向に洗浄油が速い線速、好まし
くは処理時の10倍以上、で流され、その直後に磁場が
切られる。この操作によって充填物に着磁していた該微
粒子は洗われ、ライン10を通り排出される。短時間後
に再び流れは元の状態に戻され、処理運転が繰り返され
る。 【0023】 【実施例】以下の実施例により本発明を詳細に説明す
る。 (高勾配磁気分離機による処理例) 石油蒸留残油を電磁石型高勾配磁気分離機を用いて次の
条件で処理した。 磁場強度:20キロガウス 線速度 :3.0cm/秒 温度 :150℃ 充填物 :スチールウール このように得られた処理油と原料油の鉄含有量を求め
た。結果を表1に記す。 【0024】 【表1】 【0025】(実施例)表1に示す処理油を用い、アル
ミナ担体にMo、Co、Niを各々担体に対して5wt%
担持した触媒で、固定床式水素化処理装置により水素化
処理を行った。条件は次のとおりである。 反応温度:400℃ LHSV:0.3hr-1 水素分圧:120kg/cm2 反応時間:4000時間 【0026】反応終了後各反応器の触媒と付着物を、反
応塔上部、中部、下部、からそれぞれとり出し、焼成
後、触媒と付着物トータルのFe量を測定した。結果を
表2に示す。 【0027】(比較例)表1に示す処理油の代わりに、
表1に示す原料油を用いた他は、実施例と同様に水素化
処理およびFe量の測定を行った。結果を表2に示す。 【0028】 【表2】 【0029】表2に示すように高勾配磁気分離機で処理
した油を原料として固定床式水素化処理装置により水素
化処理すると、反応塔上部の触媒床の鉄量が著しく減少
することがわかる。 【0030】 【発明の効果】比較例で述べたように、原料油を処理せ
ずに固定床式水素化処理装置により反応させた場合、反
応器の触媒床の上部に鉄が多量に析出するため、閉塞等
の原因となり、圧力上昇をもたらす。そのため時として
装置の停止に至らしめるため、大きな不利益を生ずる。
本発明によれば上述のトラブルを防止し、触媒の活性が
なくなるまで、あるいは当初の計画どおりの固定床式水
素化処理装置の運転が続けられることになる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の方法の1実施形態を説明するフロー
シートである。 【符号の説明】 1・・高勾配磁気分離機 2〜6・・バルブ 7・・原料ライン 8・・バイパスライン 9〜10・・洗浄ライン 11・・ライン 12・・固定床式水素化処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迫田 尚夫 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾5−13−1 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 32/02 C10G 67/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.鉄あるいは鉄化合物からなる微粒子を5〜100p
    pm含有する石油蒸留残油を高勾配磁気分離機により処
    理した後、固定床式水素化処理装置に供給することによ
    り、水素化処理することを特徴とする石油蒸留残油の水
    素化処理方法。
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