JP2904727B2 - クラッド材 - Google Patents

クラッド材

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JP2904727B2
JP2904727B2 JP7194223A JP19422395A JP2904727B2 JP 2904727 B2 JP2904727 B2 JP 2904727B2 JP 7194223 A JP7194223 A JP 7194223A JP 19422395 A JP19422395 A JP 19422395A JP 2904727 B2 JP2904727 B2 JP 2904727B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe系もしくはC
u系のベース金属に対し、耐食性金属被覆層がシーム溶
接により接合されたクラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Fe系ないしCu系のベース金属
に、TiやZr等の耐食性金属被覆層を接合する方法と
しては、ベース金属板の表面に耐食性金属板を重ね合わ
せ、その上に配置された火薬の爆発力を利用して両者を
圧接する爆発圧接法、互いに積層されたベース金属板と
耐食性金属板とを圧延ロールにより圧延して両者を接合
する圧延法、さらにはスポット溶接を利用する方法等、
各種のものが実施ないし提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法におい
ては次のような問題点がある。 (1)爆発圧接法では、火薬の爆発に伴い騒音が発生する
ので、実施場所の制約を受けるケースが多い。また、製
造できるクラッド材の寸法や形状に制約が多く、製造コ
ストも割り高である欠点がある。さらに、薄板状のクラ
ッド材の製造には不向きであり、そのような薄板状のも
のを得るためには厚板を爆発圧接後、さらに圧延を施す
必要があるなど、工数が増大する難点がある。 (2)圧延法では、製造できるクラッド材が板状のものに
限られるほか、大掛かりな圧延設備が必要なので設備費
用が高くつく欠点がある。また、曲面を有するベース金
属に被覆を行うことができないなど、ベース金属の形状
に対する融通性に欠ける難点がある。さらに、圧延のみ
では爆発圧接法等に比べると接合力が不足しがちで、圧
延後の拡散熱処理が必要となる場合も多く、工数及びコ
ストが増大しやすい難点がある。 (3)スポット溶接を用いた方法では、散点状のスポット
溶接部を多数形成しなければならないため、接合に手間
がかかる。また、点接合であるため接合力が不足しやす
く、さらにはベース金属と耐食性金属被覆との間のシー
ル性を得にくい難点がある。
【0004】本発明の課題は、シーム溶接を用いて簡便
に製造され、しかも接合強度に優れたクラッド材を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明の
請求項1に係るクラッド材は、上述の課題を解決するた
めに下記のように構成されることを特徴とする。すなわ
ち、Fe又はFe合金で構成されるFe系ベース金属層
に対し、Ni系金属層が積層され、さらに、そのNi系
金属層に対し、Fe系ベース金属層とは反対側から金属
網が積層される。そして、Ni系金属層と反対側におい
て、金属網と接して耐食性金属被覆層が配置され、それ
らFe系ベース金属層、Ni系金属層、金属網及び耐食
性金属被覆層が、ローラ電極により線状もしくは面状に
形成されたシーム溶接部によって結合される。耐食性金
属被覆層はTi、Zr、Nb、Ta、Niのいずれかを
主成分とする金属、もしくはステンレス鋼により構成さ
れる。これにより、耐食性金属被覆層とベース金属層と
が強固に結合されたクラッド材が実現される。なお、F
e系ベース金属層は、例えば炭素鋼、ステンレス鋼、及
びその他の合金鋼により構成することができる。
【0006】上述の構成のクラッド材は、ベース金属層
に対し、Ni系金属層、金属網、耐食性金属被覆層をこ
の順序で積層し、その積層方向においてローラ電極によ
り加圧力を加えて通電することにより積層体を抵抗発熱
させ、さらにその状態でローラ電極を積層体に対し相対
的に回転させてシーム溶接部を形成することにより製造
することができる。この場合、積層体を複数のローラ電
極の間に挟み付けて通電することができる。一方、ロー
ラ電極により積層体を挟まずにシーム溶接を行う方法、
例えば耐食性金属被覆層側にローラ電極を配置し、これ
に対応して別のローラ電極を同じ側に配置するととも
に、一方のローラ電極側から少なくとも耐食性金属被覆
層、金属網及びNi系金属層を貫き、その積層面に沿っ
て横方向へ曲がった後、再び各層を上記とは逆順に貫い
て他方のローラ電極側へ抜ける通電経路を形成して溶接
を行う、いわゆるシリーズシーム溶接法等を用いること
もできる。なお、通電電流は交流電流及び直流電流のい
ずれを用いてもよい。
【0007】金属網は網目が形成されていることから通
電断面積が小さく、また隣接するNi系金属層及び耐食
性金属被覆層との接触面積も小さいので、抵抗発熱はそ
の近傍で特に大きくなる。そして高温となった金属網
は、ローラ電極による加圧力によって上記発熱により軟
化した耐食性金属被覆層及びベース金属層の少なくとも
一方へ食い込んで、その食込効果あるいは金属網の凹凸
による接合延べ面積の増加等に基づいて、耐食性金属被
覆層とベース金属層との間の結合力が高められるものと
推測される。
【0008】また、Ni系金属層は、下記のような機能
のうちの少なくともいずれかを有するものと推測され
る。 (1)抵抗発熱により少なくとも自身の一部が溶融するこ
とにより、あるいはベース金属層ないし金属網の一部と
共に溶融することにより液相を発生させ、その液相が金
属網とベース金属層との接触部へ供給される。Ni及び
その合金は、ベース金属層を構成するFe系材料との間
の濡れ性が良好であるため、生じた液相が一種のろう材
として作用し、金属網とベース金属層との間の結合力を
高める働きをする。また、生じた液相が金属網の網目に
も供給され、その網目において耐食性金属被覆層とベー
ス金属層とを、あるいは耐食性金属被覆層と金属網とを
接合するろう材の役割を果たす場合もありうる。 (2)仮に液相が生じない場合であっても、抵抗発熱によ
り少なくともその成分の一部が金属網及びベース金属層
へ、さらには網目を介して耐食性金属被覆層へ拡散・合
金化することにより、それらの間の結合力を高める働き
をする。
【0009】Ni系金属層としては、抵抗発熱により流
動性及び濡れ性に優れた液相を生ずることから、Cr、
B、Si、C、P、Mo、W、Feの少なくとも1種を
含有するNi合金、特に、Niを主成分とし、5〜16
重量%のCr、2〜4重量%のB、3.5〜5.5重量
%のSi及び2〜5重量%のFeを含有する合金を好適
に使用することができる。
【0010】こうして、上記金属網及びNi系金属層の
働きにより、耐食性金属被覆層とベース金属層とが強固
に結合されたクラッド材が実現される。特にNi系金属
層によるろう接効果あるいは拡散接合効果により、Ni
系金属層を使用せずにクラッド材を製造する場合と比較
してシーム溶接時の加圧力や溶接電流を低く抑えること
ができるので、例えば、ベース金属層や耐食性金属被覆
層の厚さが相当大きい場合でも、比較的小さな加圧力な
いし溶接電流により良好な接合状態を得ることができ
る。
【0011】ここで、金属網を、溶接温度近傍において
耐食性金属被覆層よりも硬質の材質で構成すれば、上記
金属網の耐食性金属被覆層側への食込効果が大きくなる
ので、接合強度を一層高めることができる。また、金属
網及びその接触部における発熱により耐食性金属被覆層
が適度に軟化するようにその発熱量を調整することによ
り、金属網の耐食性金属被覆層への食込みが促進されて
金属網と耐食性金属被覆層との間の結合力をより強固な
ものとすることができる。また、金属網と耐食性金属被
覆層とを互いに親和性の優れた材質により構成すること
により、両者の間の接合強度を高めることができる。こ
の場合、「親和性が優れている」とは、例えば接合温度
近傍における相互拡散性が優れていること、あるいはそ
れらの一部が溶融して生じた液相との濡れ性に優れてい
ることを意味する。
【0012】具体的な例として、金属網をFe系材料を
主体に構成し、耐食性金属被覆層をTi又はZrのいず
れかを主成分とする金属で構成する組合わせを例示する
ことができる。この場合は、両層の相互拡散による接合
効果と金属網の食込効果の双方において優れた結果が得
られる。金属網を構成するFe系材料としては、各種ス
テンレス鋼(例えばSUS304合金等)が網表面に錆
を生じにくく、また比較的高い電気比抵抗を有して通電
時の発熱性に優れていることから好適に使用される。
【0013】金属網の材質としては、Fe以外に、N
i、Cuのいずれかを主成分とするものも使用すること
ができる。このような金属網は、耐食性金属被覆層がN
b、Ta、Niのいずれかを主成分とする金属、又はス
テンレス鋼により構成される場合に好適に使用すること
ができる。これらの材質の金属網は、シーム溶接時にそ
の一部が溶融して生じた液相が、上記材質の耐食性金属
被覆層との間の濡れ性に優れていることから、一種のろ
う接効果により良好な接合性を達成することが可能とな
る。
【0014】Ni系金属層は、Niを主成分とする金属
箔を含むものとすることができる(請求項2)。金属箔
は熱伝導性が良好であり、シーム溶接部からの発熱を放
散させる一種の放熱板として機能し、耐食性金属被覆層
の接合面のうちシーム溶接が未完了の部分が酸化するこ
とを防止する効果が得られる。一方、Ni系金属層は、
ベース金属層上に形成されたメッキ層とすることもでき
る。メッキ層は、電解メッキ、無電解メッキ、さらには
蒸着、スパッタリング等の各種気相製膜法等により形成
することができる。また、Ni系金属層は、Niを主成
分とする金属の粉末層とすることもできる。その粉末層
の形成方法としては、金属粉末をフラックス等とともに
ペースト状に混練したものをベース金属層に塗布する方
法を例示することができる。また、金属粉末をベース金
属層上に溶射することにより、Ni系金属層を形成する
こともできる。
【0015】次に、金属網を単一の材質で形成する場合
には、板厚方向に貫通する複数の切れ目が全面に千鳥状
に形成された金属板を、その切れ目の形成方向と交差す
る向きに変形させて、切れ目をその変形方向に開口する
ことにより網目が形成された金属網(以下、本明細書で
は、このような金属網を「金属ラス網」と称する)とす
ることができる(請求項3)。金属ラス網は、Fe、N
i、Cuのいずれかを主成分とする金属により構成する
ことができる。このような金属ラス網は製造が容易であ
り、クラッド材の製造コスト低減に効果的である。金属
ラス網はさらに具体的には、金属板の、各切れ目の形成
方向に関して両側の部分を、該金属板の板厚方向におい
て互いに逆向きに変形することにより、切れ目が開口さ
せられたものとすることができる。また、切れ目を形成
・開口させることにより得られた金属ラス網に対し、圧
延を施したものを使用することもできる。
【0016】なお、金属網は、同一種類あるいは種類の
異なるものを複数枚積層して使用することも可能であ
る。
【0017】上記クラッド材においては、金属網とNi
系金属層を併用することにより、耐食性金属被覆層とベ
ース金属層との接合を行っていたが、金属網の介在のみ
により十分な接合力が確保できる場合には、Ni系金属
層を含まない構成とすることも可能である。その一例と
して、耐食性金属被覆層がTi、Zr、Nb、Ta、N
iのいずれかを主成分とする金属、又はステンレス鋼で
構成されるとともに、金属網は、その一部がFeを主成
分とする金属により構成されるか、あるいは全体もしく
は一部がNi又はCuのいずれかを主成分とする金属で
構成される態様を挙げることができる(請求項4)。そ
して、金属網をCuを主成分とする金属で形成する場合
には、Zn、Sn、Ni、Pの少なくとも1種を含有す
るCu合金により構成することができる(請求項5)。
具体的にはSnを1〜20重量%の範囲内で含有する合
金、より具体的には0.5重量%以下のPをさらに含有
する合金により構成することができる。
【0018】一方、金属網の一部をFeを主成分とする
金属により構成する場合の具体的な態様としては、Fe
を主成分とする材質の金属網と、Fe以外の金属を主成
分とする材質の金属網とが複数枚積層された多層構造網
を使用する態様を例示することができる。例えば、耐食
性金属被覆層側にFeを主成分とする材質の金属網が配
置され、Fe系ベース金属層側にNi又はCuを主成分
とする材質の金属網が配置された2層構造の網、あるい
はFeを主成分とする材質の2枚の金属網の間にNi又
はCuを主成分とする材質の金属網を配置した3層構造
の網を使用できる。
【0019】また、Ni系金属層を含まない構成の別の
例として、耐食性金属被覆層をTi、Zr、Nb、T
a、Niのいずれかを主成分とする金属、又はステンレ
ス鋼により構成し、金属網を、その全体がFe、Ni、
Cuのいずれかを主成分とする金属により構成された金
属ラス網とする態様を例示することができる(請求項
6)。金属ラス網を使用することで、クラッド材の製造
コストを節約することができる。
【0020】次に、請求項7に係るクラッド材は下記の
ように構成されることを特徴とする。すなわち、Feも
しくはFe合金又はCuもしくはCu合金で構成される
ベース金属層に対し、互いに材質の異なる2種以上の金
属線材を編み上げることにより形成された金属網が積層
される。また、その金属網と反対側において、前記金属
網と接するように耐食性金属被覆層が配置され、それら
ベース金属層、金属網及び耐食性金属被覆層が、ローラ
電極により線状もしくは面状に形成されたシーム溶接部
により結合される。
【0021】2種以上の金属線材を有する金属網を使用
することで、例えば次のような効果を得ることができ
る。 (1)電気比抵抗の互いに異なる材質の金属線材を組合せ
ることにより、その材質の組み合わせに応じて金属網全
体の電気抵抗値を調整することが可能となる。例えば、
単一の材質では電気比抵抗が高すぎて発熱量が大きくな
り、金属網が溶融ないし飛散してしまったり、あるいは
耐食性金属被覆層ないしベース金属層が軟化し過ぎて金
属網がそのいずれかに埋没してしまい、金属網の食込み
に基づく耐食性金属被覆層とベース金属層との結合力が
低下してしまうケースが生じうる。そこで、複数の材質
を使用して金属網を構成することにより、電気比抵抗を
調整すれば上述のような現象が回避でき、良好な結合状
態を達成することができるようになる。 (2)例えば2種の金属線材で金属網を構成する場合に
は、一方を耐食性金属被覆層に対する親和性ないし食込
み性の高い材質で構成し、他方をベース金属層に対する
親和性ないし食込み性の高い材質で構成することで、両
者の間の接合強度を高めることができる。
【0022】ここで、ベース金属層と金属網との間には
中間金属層を配置することもできる(請求項8)。この
場合、その中間金属層の材質は、ベース金属層及び金属
網の材質に応じて適宜選定することができ、例えばFe
又はFe合金により構成されるベース金属層(以下、F
e系ベース金属層という)が使用される場合には、Ni
系あるいはCu系金属層が使用できる。この場合、Ni
系又はCu系金属層の形成態様及び作用については、請
求項1のクラッド材におけるNi系金属層とほぼ同じで
あるので説明は省略する。また、Cu系のベース金属層
に適した中間金属層の材質と作用については後述する。
【0023】耐食性金属被覆層は、具体的にはTi、Z
r、Nb、Ta、Niのいずれかを主成分とする金属、
又はステンレス鋼により構成することができる(請求項
10)。また、金属網は、所定の方向に沿って互いにほ
ぼ平行に配列された多数の金属線材からなる第一の線材
の組と、これと交差する方向に沿って互いにほぼ平行に
配列され、かつ第一の線材の組とは異なる材質の多数の
金属線材からなる第二の線材の組とを含むものとして構
成することができる(請求項9)。
【0024】Fe系のベース金属層が使用される場合に
は具体的に、上記第一及び第二の線材の組の少なくとも
一方を、Fe、Ni、Cuのいずれかを主成分とする金
属により構成することができる(請求項11)。また、
さらに具体的には、第一の線材の組をステンレス鋼によ
り構成し、第二の線材の組をそれよりも電気比抵抗が小
さい材質で構成することができる。この場合、第二の線
材の組をFe、Ni、Cuのいずれかを主成分とする金
属により構成することができる。その一例として、第二
の線材の組を炭素鋼線で構成することができる。なお、
炭素鋼線の表面には亜鉛等による防食被覆が施されてい
てもよい。
【0025】一方、Cu又はCu合金で構成されるベー
ス金属層(以下、Cu系ベース金属層という)を使用す
る場合には、具体的に下記のように構成することができ
る。すなわち、Cu系ベース金属層に対し、それよりも
低融点の金属により構成される中間金属層が積層され
る。また、その中間金属層に対しCu系ベース金属層と
は反対側から金属網が積層される。その金属網は、所定
の方向に沿って互いにほぼ平行に配列された多数の金属
線材からなる第一の線材の組と、これと交差する方向に
沿って互いにほぼ平行に配列され、かつ第一の線材の組
とは異なる材質の多数の金属線材からなる第二の線材の
組を有し、それら第一及び第二の線材の組の少なくとも
一方が、Fe、Ni、Cuのいずれかを主成分とする金
属により構成される。そして、その金属網に対して中間
金属層と反対側からは耐食性金属被覆層が積層され、そ
れらベース金属層、中間金属層、金属網及び耐食性金属
被覆層が、ローラ電極により線状もしくは面状に形成さ
れたシーム溶接部により互いに結合される(請求項1
2)。
【0026】Cu系のベース金属層が使用される構成に
おいては、金属網を構成する2種の線材の組合せとし
て、具体的には、第一及び第二の線材の組の一方を耐食
性金属被覆層に対して親和性ないし食込み性の高い材質
で構成し、他方をCu系ベース金属層に対して親和性の
高い材質で構成することで、両者の間の接合強度を高め
ることができる。ここで、ベース金属層に対して親和性
の高い材質のなかでも、中間金属層の溶融により発生し
た液相との濡れ性が良好な材質を選定することが望まし
い。そして、その中間金属層の材質として、Cu系ベー
ス金属層と上記金属網との両方に濡れ性が良好な材質を
選定することが望ましい。
【0027】このように各層及び金属網の材質を選定す
ることで、下記のような効果が達成される。すなわち、
金属網は網目が形成されていることから通電断面積が小
さいので、抵抗発熱は金属網の近傍で大きくなる。そし
て金属網は、ローラ電極による加圧力によって少なくと
も耐食性金属被覆層側へ食い込むとともに、中間金属層
はその発熱によって少なくともその一部が溶融して液相
を生じ、それがろう材的に機能して金属網とベース金属
層とを融着させることにより、耐食性金属被覆層がベー
ス金属層に強固に接合されたクラッド材が形成される。
この液相は、金属網の網目を通って、その耐食性金属被
覆層との接触側にも回り込み、接合強度の向上に寄与す
る場合もある。
【0028】また、Cu系ベース金属層が使用される構
成において中間金属層は、シーム溶接時の発熱に伴い十
分な量の液相が生ずるように、その融点が1000℃以
下、望ましくは950℃以下の材質を使用するのがよ
い。一方、融点が70℃以下の合金を使用すると、クラ
ッド材が使用される環境の温度が少し上昇しただけで中
間金属層が軟化し、ベース金属層と金属網との接合強度
が急速に低下することとなるので、それ以上の融点のも
のを使用するのがよく、より望ましくは融点が100℃
以上のものを使用するのがよい。
【0029】上記中間金属層は具体的には、Cuないし
Cu合金との濡れ性に優れた金属ないし合金、例えば、
Pb、Sn、Znのうちの少なくとも1種を合計で50
重量%以上含有するもので構成することができる(請求
項13)。このうち、Pb−Sn系をベースとする合金
(例えば、各種ハンダ類)を特に好適に使用することが
できる。中間金属層を上述のような合金で構成すること
で、金属網とCu系ベース金属層との間のろう接性が高
められ、接合強度がより優れたクラッド材を得ることが
できる。上述のような中間金属層をベース金属層上に形
成する方法としては、構成金属ないし合金の箔を使用す
る方法の他、溶融メッキ法や、合金粉末をフラックス等
とともにペースト状に混練したものをベース金属層表面
に塗布する方法等も採用することができる。なお、中間
金属層の融点を調整したり強度を高めるために、上記合
金にIn、Ga、Zn、Ag及びCuのうちの1種以上
を添加することができる。
【0030】一方、上記以外の合金では、下記のような
ものが中間金属層の構成材料として使用可能である。 ・Ag及びCuを合計で50重量%以上含有するもの。 ・Cuを70重量%以上、Pを3重量%以上含有するも
の。
【0031】Cu系ベース金属層が使用される構成にお
いて耐食性金属被覆層が、Ti及びZrのいずれかを主
成分とする金属で構成される場合には、金属網を構成す
る線材の組の一方をステンレス鋼により、他方をCuを
主成分とする金属により構成することができる。上述の
ように構成することにより、耐食性金属被覆層は金属網
の発熱により適度に軟化し、ステンレス鋼線材部の食込
効果が促進されて接合力が高められる。
【0032】一方、耐食性金属被覆層がNb、Ta、N
iのいずれかを主成分とする金属、又はステンレス鋼で
構成される場合には、金属網を構成する線材の組の一方
をNiを主成分とする金属により、他方をCuを主成分
とする金属により構成することが有効である。この場
合、Niを主成分とする線材の組は、シーム溶接時にそ
の一部が溶融して液相を生じ、その液相によるろう接効
果により耐食性金属被覆層と金属網との間の接合力が増
大する。
【0033】次に、請求項14以下のクラッド材は、金
属網を含まない構成を有するクラッド材に係るものであ
る。すなわち、耐食性金属被覆層の材質によっては、金
属網を用いなくとも、Ni系又はCu系金属層のみで接
合強度の良好なシーム溶接部を形成できる場合がある。
請求項14のクラッド材は、Fe系ベース金属層と、そ
のFe系ベース金属層に積層されるNi系又はCu系金
属層と、Fe系ベース金属層とは反対側からNi系又は
Cu系金属層に積層され、Nb、Ta、Ni、Zrのい
ずれかを主成分とする金属、もしくはステンレス鋼によ
り構成される耐食性金属被覆層と、それらを互いに結合
するシーム溶接部とを含むことを特徴とする。この場
合、請求項1のクラッド材におけるNi系金属層と同様
に、本項のクラッド材においてもそのNi系金属層及び
Cu系金属層は、Ni又はCuを主成分とする金属箔と
したり、あるいはベース金属層上に形成されたメッキ層
とすること、さらには粉末層ないし溶射層とすることが
できる。
【0034】上記構成においては、例えば耐食性金属被
覆層がNiを主成分とする金属、又はステンレス鋼によ
り構成される場合に、特に良好な接合強度が達成され
る。例えば耐食性金属被覆層を、Niを主成分とし、1
3〜35重量%のCrと、3〜25重量%のFeと、3
〜35重量%のMoとを含有するNi合金(例えば商標
名ハステロイ、請求項15)、あるいはNiを主成分と
し、13〜30重量%のCrと3〜35重量%のFeと
を含有するNi合金(例えば商標名インコネル)等で構
成することにより、耐薬品性及び高温耐食性が特に優れ
たクラッド材を得ることができる。
【0035】Ni系金属層を使用する場合は、これをC
r、B、Si、C、P、Mo、W、Feの少なくとも1
種を含有するNi合金、特にNiを主成分とし、5〜1
6重量%のCr、2〜4重量%のB、3.5〜5.5重
量%のSi及び2〜5重量%のFeを含有する合金で構
成することができる(請求項16)。このような合金で
構成されたNi系金属層は、抵抗発熱時に溶融して流動
性及び濡れ性に優れた液相を生ずるので、接合強度に優
れたクラッド材を得ることができる。
【0036】一方、Cu系金属層を使用する場合は、こ
れをZn、Sn、Ni、Pの少なくとも1種を含有する
Cu合金で構成することにより、接合強度の優れたクラ
ッド材を得ることができる(請求項17)。この場合、
Cu系金属層は、具体的には次のようなCu合金で構成
することができる。 ・Znを20〜50重量%の範囲内で含有する合金(例
えば真鍮等)。 ・Znを3〜30重量%、Niを5〜40重量%(ただ
し、ZnとNiの合計含有量は50重量%を超えない)
の範囲内で含有する合金(例えば洋白等)。
【0037】以上説明した本発明の各クラッド材のう
ち、Fe系ベース金属層を有するものについては、例え
ば次のような機器ないし構造物に好適に使用することが
できる。 ・蒸留塔、反応器、反応塔、反応槽、薬品貯留槽、攪拌
槽、高圧ガスタワー、ヘッドタンク、セパレータ等の各
種塔槽類の内面ライニング。 ・熱交換器の内面被覆。特に、管板部の被覆。 ・タンクローリーの内面被覆。 ・真空蒸発缶の内面被覆。
【0038】また、Cu系ベース金属層を有するクラッ
ド材は、例えば電気メッキや各種電解処理等に使用され
る電極あるいはブスバー等に好適に使用することができ
る。
【0039】なお、以上述べたクラッド材構成のすべて
において、耐食性金属被覆層は、ベース金属層の一方の
側のみでなく、他方の側にも同様の態様で接合すること
ができる。さらに、ベース金属層の両面で耐食性金属被
覆層の材質ないし接合様態を異ならせることも可能であ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面を用いて説明する。図1は、Fe系のベース
金属層を有する本発明のクラッド材の製造方法を模式的
に示すものであって、(a)に示すように、炭素鋼、ス
テンレス鋼等で構成されたFe系ベース金属層1の上
に、Ni系金属層としてのNi箔2を重ね、さらにその
上にステンレス鋼等で構成される金属網3、及びTi、
Zr等で構成される耐食性金属被覆層としての耐食性金
属板材4をこの順序で積層する。続いて同図(b)に示
すように、それらの積層体5をその積層方向において、
2つのローラ電極6の間で挟み付け、図示しない空圧機
構等の荷重付与手段により加圧力をかけながら、交流電
源7によりそれらローラ電極6を介して積層体5に通電
する。これにより、その通電部において積層体5が抵抗
発熱し、その状態でローラ電極6を積層体5に対し、そ
の板面に沿う方向に相対回転させることにより、図2に
示すように、ベース金属層1、Ni箔2、金属網3及び
耐食性金属板材4を互いに結合する線状のシーム溶接部
8が形成されて本発明のクラッド材10となる。ここ
で、シーム溶接部8は、積層体5の板面方向に沿って所
定の間隔で複数形成されている。なお、ローラ電極6へ
の通電は連続的に行っても、断続的に行ってもいずれで
もよい。なお、以下の図面において、Ni箔2、金属網
3及び耐食性金属板材4の厚さは誇張して描いている場
合があり、実際のクラッド材における寸法とは必ずしも
対応していない。
【0041】一方、図24に示すように、ローラ電極6
により積層体5を挟まずにシーム溶接を行う方法、例え
ばシリーズシーム溶接法を用いることもできる。すなわ
ち、耐食性金属板材4側にローラ電極6を配置し、これ
に対応して別のローラ電極6を同じ側に配置する。そし
て、それらローラ電極6に通電すると、一方のローラ電
極6側から少なくとも耐食性金属板材4、金属網3及び
Ni箔2を貫き、その積層面に沿って横方向へ曲がった
後、再び各層を上記とは逆順に貫いて他方のローラ電極
6側へ抜ける通電経路Iが形成されて、シーム溶接部が
形成される。
【0042】図3及び図4は、図2に示すクラッド材1
0の推測される断面構造の模式図を示している(図3は
B−B断面、図4はA−A断面)。金属網3は網目が形
成されていることから、隣接するNi箔2及び耐食性金
属板材4との間の接触面積(すなわち通電断面積)が小
さいので、抵抗発熱はその近傍で特に大きくなる。この
発熱により、Fe系ベース金属層1に比べて軟化しやす
いTiないしZr等で構成された耐食性金属板材4が適
度に軟化し、ローラ電極6の加圧力により金属網3が、
その軟化した耐食性金属板材4へ比較的大きく食い込む
ことにより、両者が互いに強固に結合されるものと考え
られる。
【0043】一方Ni箔2は、その抵抗発熱により少な
くとも自身の一部が溶融することにより、あるいはベー
ス金属層1もしくは金属網3の一部と共に溶融すること
により液相を発生させ、その液相が主に金属網3とベー
ス金属層1との接触部へ供給されるものと考えられる。
そして、Ni箔2を構成するNiは、ベース金属層1を
構成するFe系材料との間の濡れ性もしくは相互拡散性
が良好なことから、金属網3とベース金属層1との結合
力を高める作用をするものと推測される。
【0044】このようにして、図3に示すように、金属
網3の食込効果と、Ni箔2によるろう接ないし成分拡
散効果の相乗作用により、耐食性金属板材4がベース金
属層1と強固に結合されるものと考えられる。なお、金
属網3と耐食性金属板材4との間の食込部には、両者の
間の成分拡散に伴う拡散層3aが形成される場合もあり
うる。
【0045】また、図4に示すように、積層体5の、シ
ーム溶接部8が形成されない部分においては各層1〜4
の間での結合は生じない。ここで、クラッド材10全体
における耐食性金属板材4とベース金属層1との結合力
は、シーム溶接部8の形成本数、形成間隔及び形成幅を
変更することにより適宜調整することが可能である。ま
た、シーム溶接部8の幅は、ローラ電極6の幅を変更す
ることにより調整される。また、特に広幅のシーム溶接
部8(あるいは面状のシーム溶接部)が必要な場合は、
隣接するシーム溶接部8が互いに接するようにないしは
一部が重なるように形成すればよい。
【0046】次に、耐食性金属板材4の材質及び厚さ
は、クラッド材が使用される環境に応じて設定される。
そして、金属網3の厚さ(ないし金属網を形成する線材
の線径)及び網目の開き、ならびにNi系金属層の材質
と厚さは、耐食性金属板材4の材質と厚さに応じて、ベ
ース金属層1との間で最適の接合力が得られるよう適宜
に選定される。こうして、各層1〜4の材質と寸法が決
定されると、これに対応してシーム溶接の条件、すなわ
ち、溶接電流値、ローラ電極6による加圧力、溶接速度
(例えばローラ電極6の回転速度)、通電時間、休止時
間等が適宜設定されることとなる。例えば、溶接電流の
値は、抵抗発熱が極端に大きくなって金属網3が溶融し
たり、逆に発熱が小さくなり過ぎて各層の接合状態が不
充分とならない範囲内で調整される。また、ローラ電極
6による加圧力は、金属網3が耐食性金属板材4(又は
ベース金属層1)への圧入が過不足なく起こり、かつ積
層体5表面への電極ローラ6の極端な食込みが生じない
範囲で調整される。
【0047】例えば、ステンレス鋼網3及びNi箔2を
使用して、TiないしZr系の耐食性金属板材4と、炭
素鋼製のベース金属層1とを接合する場合、耐食性金属
板材4の厚さをT、金属網3の線径をMとすると、M/
Tの値を0.1〜0.4の範囲で設定するのがよい。M/Tが
0.1未満となると金属網3の耐食性金属板材4への食込
みが不足して接合強度が低下する。また、0.4を越える
と、逆に食込みが大きくなり過ぎ、金属網3の網目が耐
食性金属板材4の表面に浮き上がって外観不良を起こし
たり、金属網3の一部が耐食性金属板材4の表面側へ突
き抜けてクラック等が生じたりして、ベース金属層1に
対する防食効果が損なわれることにもつながりうる。M
/Tの値は、望ましくは0.15〜0.30とするのがよい。
【0048】一方、網目の間隔(隣接する線材の内側同
士、すなわち空隙の間隔とする)をDとした場合、D/
Mは1〜10の範囲で設定するのがよい。D/Mが1未満と
なると、網目の間隔が小さくなり過ぎて金属網3の食込
み深さが不足し、接合強度が低下したり、Ni箔2の溶
融により生じた液相が網目に浸透しにくくなり、金属網
3の網目を介した耐食性金属板材4とベース金属層1と
のろう接効果が十分に達成できなくなる。一方、D/M
が10を越えると耐食性金属板材4に食い込む金属網3の
線材の間隔がまばらになって、接合効果の低下につなが
る。D/Mの値は、望ましくは1.5〜7とするのがよい。
【0049】次に、金属網3のみ、あるいはNi系金属
層ないしCu系金属層のみを耐食性金属板材4とベース
金属層1との間に積層してクラッド材10を構成する場
合も、シーム溶接部8の形成は図1に示すものと同様の
原理に基づいて行われる。そして、そのシーム溶接部8
は、例えばステンレス鋼製の金属網3とZr製の耐食性
金属板材4を使用する構成では、図5に示すようなもの
になると推測される。すなわち、金属網3は、耐食性金
属板材4側に大きく食い込んで固着されるとともに、ベ
ース金属層1との接触部には、通電による抵抗発熱によ
り成分拡散層13が形成されて金属網3とベース金属層
1とが結合されるものと考えられる。また、金属網3の
網目において、耐食性金属板材4とベース金属層1とが
直接接触する部分にも若干の成分拡散層11が生じる場
合がある。さらに金属網3の耐食性金属板材4への食込
部の周辺にも成分拡散層12が生じうる。
【0050】一方、金属網3を使用しない場合である
が、例えば金属層としてNi箔2を使用し、耐食性金属
板材4としてNb薄板を使用する場合は、そのシーム溶
接部8は、図6に示すような構造となるものと推測され
る。すなわち、Ni箔2と耐食性金属板材4及びベース
金属層1との間の接触部で抵抗発熱が起こりNi箔2が
溶融するとともに、生じた液相と耐食性金属板材4及び
ベース金属層1との間で成分拡散が生じて拡散層14及
び15が形成され、耐食性金属板材4とベース金属層1
とが接合されるものと考えられる。
【0051】次に、金属網3を使用して、厚さが特に大
きい耐食性金属板材4をベース金属層1と接合する場
合、シーム溶接に必要な電流密度を確保するためには、
耐食性金属板材4の厚さに合わせて溶接電流を高くする
か又は通電時間を長くする必要が生ずる。ところが、金
属網3は耐食性金属板材4との接触面積が小さく電気比
抵抗が高いことから、溶接電流の増大に伴い、金属網3
近傍において過剰な発熱が生じやすくなる。その結果、
図7(a)に示すように、耐食性金属板材4が軟化し過
ぎて金属網3が耐食性金属板材4中に完全に埋没してし
まい、金属網3の食込みによる接合効果が損なわれる場
合がある。このような場合、同図(b)に示すように、
2ないしそれ以上の枚数の金属網3を重ねて使用すれ
ば、上記のような埋没が生じても、それら複数の金属網
3の一部のものがベース金属層1と耐食性金属板材4と
の間にまたがって存在することで、所定の結合力を確保
することができるようになる。
【0052】一方、同図(c)に示すように、2枚の材
質の異なる金属網3a及び3bを積層して使用すること
もできる。一例として、耐食性金属板材4がTiないし
Zr系の材料で構成されている場合、その耐食性金属板
材4に対する食込性がよい材質の網、例えばFe系網3
a(例えばステンレス鋼網)を耐食性金属板材4側に配
置し、そのFe系網3a及びFe系ベース金属層1のい
ずれとも親和性の高い材質の網、例えばNi系網3b
(例えばNi金属網)をベース金属層1側に配置してシ
ーム溶接部を形成すると、Fe系網3aがNi系網3b
を仲立ちとしてFe系ベース金属層1に強固に結合さ
れ、接合力の大きいクラッド材を得ることができる。こ
の場合、例えば2枚のFe系網3aの間にNi系網3b
を挟み込んだ3層構造の金属網を使用してもよい。
【0053】一方、それとは別の方法として、金属網3
を構成する縦横の線材を、電気比抵抗の互いに異なる材
質で構成し、その材質の組み合わせに応じて金属網全体
の電気抵抗値を調整するようにしてもよい。図8(a)
及び(b)はその具体例を示しており、交差する金属線
材の一方の組16がステンレス鋼で、他方の組17がそ
れよりも電気比抵抗の小さい炭素鋼で構成されている。
この炭素鋼線材17は、防食のために表面を亜鉛で被覆
したものを使用することができる。なお、炭素鋼に換え
て、NiないしCu等を主成分とし、ステンレス鋼より
も電気比抵抗の小さい合金により線材の組17を形成し
てもよい。なお、図8(c)に示すように縦横の線材の
組のそれぞれにおいて、材質の異なる線材18及び19
を交互に配列する構成としてもよい。
【0054】次に、金属網3は、線材を編み上げて製造
したものの他、図9に示すように、板厚方向に貫通する
複数の切れ目が全面に千鳥状に形成された金属板を、そ
の切れ目の形成方向と交差する向きに変形させて切れ目
をその変形方向に開口することにより網目を形成した、
金属ラス網33を使用することができる。このような金
属ラス網33は、例えば図10に示すような装置34を
用いて製造することができる。
【0055】装置34は、金属板35を上面で支持する
テーブル36と、そのテーブル36の端面に対応して設
けられ、その端面に沿って昇降する昇降刃37を備えて
いる。また、図示はしていないが、装置34は下記の構
成要素も備えている。 ・昇降刃37を昇降させる昇降機構。 ・昇降刃37を、テーブル36上の金属板35に対し相
対的に横方向に移動させる横移動機構。 ・テーブル36上の金属板35を、昇降刃37が対応し
ている端部側へ所定ピッチで間欠的に送り出す板送り機
構。 なお、昇降刃37の下部には、複数の刃部39が波状に
形成されている。また、テーブル36の上縁部に沿っ
て、上記刃部39に対応する刃部38が形成されてい
る。なお、40は金属板35の浮き上がりを防止するた
めの押さえ部材である。
【0056】その作動であるが、図11(a)に示すよ
うに、金属板35を1ピッチだけテーブル36の端面部
から突出させ、その状態で昇降刃37を下降させると、
金属板35は、テーブル36側の刃部38と昇降刃37
側の刃部39の対応する内縁部との間で厚さ方向に剪断
されて破線状の切れ目41が形成されるとともに、その
切れ目41によって金属板35の本体から分割された突
出部42が刃部39によって押し下げられる。その押し
下げられた突出部42は、切れ目41から下方へ変形・
開口することとなる。
【0057】次に、同図(b)に示すように、昇降刃3
7を上昇させて切れ目41の長さの約半分に相当する距
離だけ横方向に移動させるとともに、テーブル36の端
部から金属板35をさらに1ピッチだけ突出させる。続
いて、昇降刃37を下降させることにより、(a)と同
様の機構に基づいて、すでに形成されている切れ目41
とほぼ平行に、かつ各切れ目41の長さの半分だけずれ
た位置に(すなわち千鳥状に)新たな切れ目43が形成
されつつ、その突出部44が下方へ押し下げられる。こ
れにより、(c)に示すように、その突出部44と、先
に形成されている突出部42とによって、テーブル36
の幅方向に1列に連なる菱形状の網目45が形成される
こととなる。そして、再び昇降刃37を上昇させ、昇降
刃37を上記とは逆向きに横方向へ移動させて原位置へ
戻せば、装置34は(a)に示す状態に復帰する。以
下、同様の工程を繰り返すことにより、図9に示す金属
ラス網33を形成することができる。なお、図11
(d)に示すように、こうして得られた金属ラス網33
に対し、圧延ロール33aを用いて圧延を施したものを
使用してもよい。
【0058】例えば、TiないしZr製の耐食性金属板
材4と炭素鋼製のベース金属層1とを、金属ラス網33
(例えばFe系金属ラス網)により接合する場合は、耐
食性金属板材4の厚さをT、金属ラス網33を作るため
の金属板の厚さをMとすると、M/Tの値を0.1〜
0.6の範囲で設定するのがよい。M/Tが0.1未満
となると金属ラス網3の耐食性金属板材4への食込みが
不足して接合強度が低下する。また、0.6を越える
と、逆に食込みが大きくなり過ぎ、金属ラス網33の網
目が耐食性金属板材4の表面に浮き上がって外観不良を
起こしたり、金属ラス網33の一部網目が耐食性金属
板材4の表面側へ突き抜けてクラック等を生じたりし
て、ベース金属層1に対する防食効果が損なわれること
にもつながりうる。M/Tの値は、望ましくは0.2〜
0.5とするのがよい。
【0059】一方、図9に示すように、菱形状の網目4
5の間隔Dを、その長対角線の寸法Rと短対角線の寸法
Sとの平均値(すなわち(R+S)/2)で定義した場
合、D/Mは1.1〜40の範囲で設定するのがよい。D/
Mが1.1未満となると、網目の間隔が小さくなり過ぎて
金属ラス網33の食込み深さが不足し、接合強度が低下
することとなる。一方、D/Mが40を越えると耐食性金
属板材4に食い込む網目の密度が疎になり過ぎて、接合
効果の低下につながる。D/Mの値は、望ましくは2〜3
0とするのがよい。
【0060】以下、Fe系ベース金属層を有する上記ク
ラッド材の使用例について説明する。図12は、ベース
金属層1を円筒状に形成したクラッド材10の例を示し
ている。この場合、耐食性金属板材4は円筒内面(もし
くは外面:この場合は図12において、ベース金属層1
と耐食性金属板材4との位置関係が反転する)を覆うよ
うに配置されるとともに、シーム溶接部8は、(a)に
示すように円筒の周方向に沿うものを複数本、円筒の軸
方向に沿って所定の間隔で形成したり、(b)に示すよ
うに螺旋状に形成したり、さらには(c)に示すように
円筒の軸方向に沿う直線状のものを複数本、円筒の周方
向に沿って所定の間隔で形成することができる。このよ
うな形状のものは、例えば、塔槽類や熱交換器の胴部、
あるいはパイプ内面又は外面に耐食性金属被覆を施す場
合等に適用できる。
【0061】図13は、ベース金属層1が中空円錐状な
いし円錐台状に形成された例を示しており、耐食性金属
板材4はその内面側に配置される。そして、シーム溶接
部8は、(a)に示すようにその周方向に沿って形成し
たり、あるいは(b)に示すようにその母線に沿う方向
に形成することができる。このような形状のものは、例
えば塔槽類上部ないし下部の縮径部分に適用することが
できる。
【0062】図14に示すベース金属層1は、円形の平
面形状を有し、その中央部が凸曲面状に膨出する蓋状に
形成されて、その内面側(凹部側)が耐食性金属板材4
で覆われている。このような形状のものは、例えば塔槽
類や熱交換器等の鏡板に適用することが可能である。図
15は、シーム溶接部8の形成パターンの例を示してお
り、(a)、(b)は同心円状に形成した例を、
(c)、(d)は放射状に形成した例を、さらに(e)
は同心円状のものと放射状のものとを組み合わせた例
を、(f)は直径方向に延びる直線状のものを所定の間
隔で形成した例をそれぞれ示している。
【0063】ここで、耐食性金属板材4は、予め複数部
分に分割されたものを溶接(例えばTIG溶接)等で接
合することにより、内面全面を覆う形状に形成してもよ
い。図15(g)は、耐食性金属板材4を放射状に分割
して形成した例を示しており、その放射状の突き合わせ
部が継ぎ目溶接部9により接合されて一体化され、シー
ム溶接部8によりベース金属層1と接合される。なお、
シーム溶接部8は、継ぎ目溶接部9を避けつつ同心円状
に形成されている。一方、(e)及び(h)に示す例に
おいては、耐食性金属板材4は円形の分割面により、円
形の内側部4aとドーナツ状の外側部4bとに分割され
ており、外側部4bはさらに放射状に分割され、それら
各々の突き合わせ部が継ぎ目溶接部9により接合され
る。なお、ベース金属層1は、耐食性金属板材4の内側
部4aに対応する内側部分と、それ以外の部分(外側部
分)とに分割して形成することが可能である。この場
合、その分割された内側部分及び外側部分に対し、予め
別々に耐食性金属板材4をシーム溶接部8により接合し
ておき、その後それら内側部分及び外側部分のベース金
属層1同士及び耐食性金属板材4同士を溶接等で接合す
るようにしてもよい。
【0064】図16は、ベース金属層1が方形板状に形
成されたクラッド材の例を示しており、(a)はクラッ
ド材10の一辺に沿う方向に延びるシーム溶接部8が複
数本、それと交差する方向に所定の間隔で並んで形成さ
れた例を、(b)はその並んで配置されたシーム溶接部
8の両端部側に、それと交差する方向に延びるシーム溶
接部8を配置した例を、(c)は板の中央から放射状に
延びるシーム溶接部8を形成した例をそれぞれ示してい
る。また、図17に示すように、ベース金属層1の板面
に突起部10bが形成されている場合には、その突起部
10bを避けつつシーム溶接部8を形成することも可能
である。
【0065】図18は、厚板状に形成されたベース金属
層1の板面に浅い凹所1aを形成し、対応する形状の耐
食性金属板材4をそこに嵌め込むとともに、その耐食性
金属板材4の縁部にのみシーム溶接部8を形成した例を
示している。また、図19は、クラッド材10を熱交換
器の管板71に適用した例を示している。その製造方法
であるが、まず予めベース金属層1及び耐食性金属板材
4に多数の貫通孔40aを形成し、その耐食性金属板材
4をベース金属層1の上面に重ね合わせ、その重なり部
においてシーム溶接部8を形成する。次に、そのベース
金属層1を円筒状の胴体部50と溶接により一体化す
る。そして、ベース金属層1の各貫通孔40aに管材4
0を挿入し、それらの端面同士を一致させた状態で管材
40の周縁部と耐食性金属板材4とを固着・溶接する。
【0066】以上、Fe系ベース金属層を有するクラッ
ド材の実施の形態について説明したが、続いて以下に、
Cu系ベース金属層を有するクラッド材の実施の形態に
ついて説明する。ここで、クラッド材の製造方法として
は、Fe系ベース金属層を有するクラッド材に対し、図
1及び図2を用いて説明したものとほぼ同様の原理に基
づく手法を適用することができるので、主にそれとの相
異点について説明することにする。
【0067】まず、図20に示す態様においては、Cu
系ベース金属層51上に中間金属層として例えばSn−
37重量%Pb合金層(以下、ハンダ層という)52が
形成され、その上に金属網53と耐食性金属被覆層とし
てTi、Zr等で構成された耐食性金属板材54が積層
されて、積層体55が形成される。Sn−Pb合金層5
2は、合金粉末とフラックスとをペースト状に混練した
もの(ソルダーペースト等)をベース金属層51表面に
塗布することにより形成することができるが、合金箔を
使用したり、あるいは溶融メッキ層として形成すること
もできる。
【0068】次に、金属網53は、図8を援用して示す
ように、交差する金属線材の一方の組56がステンレス
鋼で、他方の組57がCuで構成されている。このよう
な金属網53を含む積層体55に通電した場合、Fe系
ベース金属層を有するクラッド材の場合と同様に、通電
断面積の小さい金属網53近傍における抵抗発熱が大き
くなる。ここで、金属網53のCu線材部57は電気比
抵抗が低いので、抵抗発熱は主にステンレス鋼線材部5
6及びそれと耐食性金属板材54ないしハンダ層52と
の接触部で生ずることとなる。そして、シーム溶接部5
8の構造は、図21に示すようなものになると推測され
る。すなわち、金属網53は、そのステンレス鋼線材部
56が、抵抗発熱により軟化した耐食性金属板材54側
へローラ電極6(図1等)による加圧力により比較的大
きく食い込むとともに、Cu系線材部57は抵抗発熱に
より溶融したハンダ層52により、いわばハンダ付けさ
れる形でCu系ベース金属層51と接合されることとな
る。このようにして、耐食性金属板材54とCu系ベー
ス金属層51とは、金属網53とハンダ層52とを介し
て互いに接合されてクラッド材20が形成されるものと
推測される。
【0069】例えば、TiないしZr系の耐食性金属板
材をCu系ベース金属層と接合する場合、耐食性金属板
材の厚さをT、金属網の線径をM、網目の間隔(隣接す
る線材の内側同士、すなわち空隙の間隔とする)をDと
するとき、Fe系ベース金属層を使用したクラッド材の
場合と同様に、M/T及びD/Mの好ましい範囲が存在
する。この場合、M/Tの値は0.1〜0.4、望ましくは0.
15〜0.3とするのがよく、D/Mの値は1〜10、望ましく
は1.5〜7とするのがよい。
【0070】以下、Cu系ベース金属層を有する上記ク
ラッド材の使用例について説明する。まず、図22
(a)に示す例においてはベース金属層51は、横長板
状に形成された本体部51aと、その本体部51aの両
端部から上方へ突出して形成された突出部51bと、及
び各突出部51bの上端部から横方向外側へ張り出した
板状の張出部51cとを備えており、それぞれ両板面を
含めた全面がTi、Zr等の耐食性金属板材54で覆わ
れるとともに、本体部51aと張出部51cにシーム溶
接部58が形成されている。
【0071】図22(b)は、その本体部51aの断面
図を示しており、ベース金属層51の両面にハンダ層5
2が形成され、その上に図20に示すような金属網53
が積層され、さらに全体が耐食性金属板材54で覆われ
ている。耐食性金属板材54は、ベース金属層51の一
方の縁部側でその両側縁部が溶接部59により継ぎ合わ
されて、ベース金属層51を包み込んでいる。そして、
この状態でローラ電極6によりシーム溶接を施すことに
より、ベース金属層51の両面にシーム溶接部58が同
時に形成されることとなる。ここで、シーム溶接部58
は、本体部51aに対してはその長手方向に沿って延び
るものが、張出部51cに対してはその張出方向に沿っ
て延びるものが、それぞれ所定の間隔で複数形成されて
いる。このような形状のクラッド材20は、電気メッキ
や各種電解処理等に使用される電極や給電用のブスバー
などに適用することができ、特に張出部51cを電解液
外に配置して給電のための端子部とし、本体部51a
を、それ自体が電解液中に浸漬された状態で、例えば被
メッキ部材やメッキ材料保持用のバスケット等を懸架す
るための懸架部とする、液浸漬型のブスバーとして好適
に使用することができる。
【0072】次に、図23(a)〜(d)に示すよう
に、円形ないし方形の断面形状を有する棒状ないしバー
状に形成されたベース金属層51に対し、その外周面を
耐食性金属板材54で覆ってシーム溶接部58を形成す
ることもできる。シーム溶接部58は、棒状ないしバー
状のベース金属層51の長手方向に沿うものが、その断
面周方向に沿って所定の間隔で複数本形成されている。
なお、(b)及び(d)においては、ベース金属層51
は中空形状に形成されている。これらの形状のものも、
電極基体ないしブスバー等に好適に使用することができ
る。
【0073】
【実施例】
(実施例1)縦50cm、横50cm、厚さ12mmの板状に形成し
たベース金属層上に、それと同面積の各種金属箔(厚さ
10〜100μm)、各種金属網(線径:0.1〜0.5mm、網目間
隔:16〜100mesh)、耐食性金属板材(厚さ0.5〜1.5m
m)を適宜積層し、図1に示す方法により、ベース金属
層の長手方向に沿うシーム溶接部を25mm間隔で形成して
クラッド材とした(表1:試料番号1〜20、表2:試
料番号21〜28)。一方、比較のために、金属網及び
金属箔を使用せず、耐食性金属板材とベース金属層とを
直接重ね合わせてシーム溶接を施した試料(表3:試料
番号31〜38)も合わせて作製した。
【0074】各部に使用した材質は下記の通りである。 ・ベース金属層:炭素鋼(SS400)、ステンレス鋼(SUS
304)。 ・耐食性金属板材:Ti、Zr、Nb、Ta、Ni、T
i−Pd合金(Pd:0.15wt%、残部Ti、wt%は重量%
を示す)、ステンレス鋼(SUS316)、Ni合金(ハステ
ロイC-276、Fe:5wt%、Cr:16wt%、Mo:16wt%、
残部Ni)。 ・金属網:ステンレス鋼網(SUS304)、ステンレス鋼と
炭素鋼の複合網(縦の線材をステンレス鋼(SUS304)
で、横の線材を炭素鋼(SS400、亜鉛被覆されたもの)
で構成、線径:0.1〜0.5mm、網目間隔:16〜100mes
h)、ステンレス鋼とNi又はCuとの複合網(縦の線
材をステンレス鋼(SUS304)で、横の線材をNi又はC
uで構成、線径:0.1〜0.5mm、網目間隔:16〜100mes
h)、Cu−Sn−P合金網(JIS-C5111、Sn:3.5〜
4.5wt%、P:0.03〜0.35wt%、残部Cu)及びNi網
(線径:0.1〜0.5mm、網目間隔:16〜100mesh)。な
お、表1の試料番号7、18は、ステンレス鋼(SUS30
4)製の金属ラス網を使用。金属ラス網作製に使用した
ステンレス鋼板材の厚さは0.6mmであり、形成された網
目は図9に示す菱形状のもので、その長対角線側の寸法
Rは6.0mm、短対角線側の寸法Sは3.2mmとした。 ・金属箔:Ni、Cu、真鍮(Zn:30wt%、残部C
u)、洋白、(JIS-C7521、Cu:61.0〜67.0wt%、Ni:1
6.5〜19.5wt%、残部Zn)、Niろう材(アライド社製、
MBF−20、Cr:7.0wt%、Fe:3.0wt%、Si4.5w
t%、ホウ素3.2wt%、残部Ni)。
【0075】また、シーム溶接の条件は下記の範囲で調
整した: ・溶接電流:5000〜25000A ・通電時間:5〜50サイクル ・休止時間:5〜50サイクル ・加圧力:500〜1500kg ・電極幅:5〜20mm ・溶接速度:500〜1500mm/分。 そして、得られたクラッド材に対し、曲げ試験(内側曲
げ半径:クラッド材の厚さの2倍、曲げ角度:180°)
を行い、耐食性金属板材とベース金属層との間の剥がれ
発生の有無に基づいて接合状態の良否の判定を行った。
結果を表1〜3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】表1及び表2に示す本発明のクラッド材は
いずれも良好な接合状態を示したのに対し、表3に示す
比較例のクラッド材はいずれも剥がれが発生しているこ
とがわかる。
【0080】(実施例2)縦5cm、横100cm、厚さ6mmの
板状に形成したCu系ベース金属層上に、中間金属層
(厚さ10〜100μm)を配置し、その上に金属網及び耐食
性金属板材(厚さ0.5〜1.5mm)を積層した。その積層体
に対し、図1に示す方法により、ベース金属層の長手方
向に沿う線状のシーム溶接部を互いに密接して形成して
クラッド材を得た(表4、試料番号41〜51)。ここ
で、中間金属層のみを使用した試料(表4、試料番号5
2)、及び金属網と中間金属層を使用せず、耐食性金属
板材とベース金属層とを直接重ね合わせてシーム溶接を
施した試料(試料番号53〜56)も合わせて作製し
た。
【0081】各部に使用した材質は下記の通りである。 ・ベース金属層:無酸素銅。 ・耐食性金属板材:Ti、Zr、Nb、Ta、ステンレ
ス鋼(SUS304)、Ni。 ・金属網:ステンレス鋼(SUS304)とCuの複合網(縦
の線材をステンレス鋼で、横の線材をCuで構成、線
径:0.1〜0.5mm、網目間隔:16〜100mesh)、NiとC
uの複合網(縦の線材をNiで、横の線材をCuで構
成、線径:0.1〜0.5mm、網目間隔:16〜100mesh)。 ・中間金属層:ハンダ(組成:Sn−37wt%Pb、Sn
−47wt%Pb−3wt%Cu、及びSn−50wt%Pb、ベース
金属層に溶融塗布)。
【0082】また、シーム溶接の条件は下記の範囲で調
整した: ・溶接電流:5000〜25000A ・通電時間:5〜50サイクル ・休止時間:5〜50サイクル ・加圧力:500〜1500kg ・電極幅:5〜20mm ・溶接速度:500〜1500mm/分。 そして、得られたクラッド材に対し、曲げ試験(内側曲
げ半径:クラッド材の厚さの2倍、曲げ角度:180°)
を行い、耐食性金属板材とベース金属層との間の剥がれ
発生の有無に基づいて接合状態の良否の判定を行った。
結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】実施例のクラッド材はいずれも良好な接合
状態を示したのに対し、比較例のクラッド材はいずれも
剥がれが発生していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクラッド材の製造方法を概念的に示す
図。
【図2】本発明のクラッド材のシーム溶接部の形成工程
を示す斜視図。
【図3】図2のB−B断面図。
【図4】同じくA−A断面図。
【図5】Fe系ベース金属層に対し、金属網のみを用い
て耐食性金属板材を接合した場合のシーム溶接部の断面
模式図。
【図6】同じく、Ni系又はCu系金属層のみを使用し
て耐食性金属板材を接合した場合のシーム溶接部の断面
模式図。
【図7】金属網1枚のみ使用した場合と、2枚の金属網
を使用した場合の効果の違いを説明する模式図。
【図8】異なる材質の線材を使用して形成された複合金
属網の例を示す説明図。
【図9】金属ラス網の一例を示す平面図。
【図10】金属ラス網の製造装置の概念図。
【図11】金属ラス網の製造工程説明図。
【図12】ベース金属層を円筒状に形成した例を示す斜
視図。
【図13】同じく円錐状に形成した例を示す斜視図。
【図14】同じく偏平蓋状に形成した例を示す斜視図。
【図15】そのシーム溶接部の形成パターンを示す模式
図。
【図16】ベース金属層を方形板状に形成した例を示す
模式図。
【図17】板面上に形成された突起部を避けつつシーム
溶接部を形成した例を示す平面及び側面図。
【図18】耐食性金属板材の縁部にのみシーム溶接部を
形成した例を示す平面及び側面図。
【図19】耐食性金属板材の板面に多数の管材を接合し
た例を示す平面及び側面図。
【図20】Cu系ベース金属層を使用したクラッド材の
例を示す説明図。
【図21】そのシーム溶接部の拡大断面模式図。
【図22】Cu系ベース金属層を使用したクラッド材の
適用例の斜視図と、そのC−C断面図。
【図23】Cu系ベース金属層を使用したクラッド材の
別の適用例を示す斜視図。
【図24】シリーズシーム溶接法によりシーム溶接部を
形成する方法例を示す説明図。
【符号の説明】
1 Fe系ベース金属層 2 Ni箔(Ni系金属層) 3 金属網 4 耐食性金属板材(耐食性金属被覆層) 6 ローラ電極 8 シーム溶接部 10、20 クラッド材 16 ステンレス鋼線材 17 炭素鋼線材 33 金属ラス網 35 金属板 41、43 切れ目 45 網目 51 Cu系ベース金属層 52 ハンダ層(中間金属層) 53 金属網 54 耐食性金属板材(耐食性金属被覆層) 58 シーム溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 20/00 360 B23K 20/00 360D 360E 20/16 20/16 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/01 B23K 11/06 510 B23K 20/00 360 B23K 20/16

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe又はFe合金で構成されるFe系ベ
    ース金属層と、 そのFe系ベース金属層に積層されるNi系金属層と、 そのNi系金属層に対し、前記Fe系ベース金属層とは
    反対側から積層される金属網と、 前記Ni系金属層と反対側において、前記金属網と接し
    て配置され、Ti、Zr、Nb、Ta、Niのいずれか
    を主成分とする金属、又はステンレス鋼により構成され
    る耐食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    Fe系ベース金属層、Ni系金属層、金属網及び耐食性
    金属被覆層を互いに結合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部において、前記金属網が前記耐食性金
    属被覆層及び前記ベース金属層の少なくとも一方へ食い
    込んでいることを特徴とするクラッド材。
  2. 【請求項2】 前記Ni系金属層のNi成分の一部が前
    記ベース金属層へ拡散・合金化している請求項1記載の
    クラッド材。
  3. 【請求項3】 前記Ni系金属層はNiを主成分とする
    金属箔を含むものとされ、前記金属網はFe、Ni、C
    uのいずれかを主成分とする金属により構成されている
    請求項1又は2に記載のクラッド材。
  4. 【請求項4】 前記金属網は、板厚方向に貫通する複数
    の切れ目が全面に千鳥状に形成された金属板を、その切
    れ目の形成方向と交差する向きに変形させ、前記切れ目
    をその変形方向に開口することにより網目が形成された
    ものである請求項1ないし3のいずれかに記載のクラッ
    ド材。
  5. 【請求項5】 Fe又はFe合金で構成されるFe系ベ
    ース金属層と、 そのFe系ベース金属層に積層され、かつその一部がF
    eを主成分とする金属により構成されているか、又は全
    体もしくは一部がNi、Cuのいずれかを主成分とする
    金属により構成されている金属網と、 前記Fe系ベース金属層とは反対側から前記金属網に積
    層され、Ti、Zr、Nb、Ta、Niのいずれかを主
    成分とする金属、又はステンレス鋼により構成される耐
    食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    Fe系ベース金属層、金属網及び耐食性金属被覆層を互
    いに結合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部において、前記金属網が前記耐食性金
    属被覆層及び前記ベース金属層の少なくとも一方へ食い
    込んでいることを特徴とするクラッド材。
  6. 【請求項6】 前記金属網は、Zn、Sn、Ni、Pの
    少なくとも1種を含有するCu合金で構成されている請
    求項5記載のクラッド材。
  7. 【請求項7】 Fe又はFe合金で構成されるFe系ベ
    ース金属層と、 そのFe系ベース金属層に積層され、かつ全体がFe、
    Ni、Cuのいずれかを主成分とする金属により構成さ
    れる金属網であって、板厚方向に貫通する複数の切れ目
    が全面に千鳥状に形成された金属板を、その切れ目の形
    成方向と交差する向きに変形させ、前記切れ目をその変
    形方向に開口することにより網目が形成された金属網
    と、 前記Fe系ベース金属層とは反対側から前記金属網に積
    層され、Ti、Zr、Nb、Ta、Niのいずれかを主
    成分とする金属、又はステンレス鋼により構成される耐
    食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    Fe系ベース金属層、金属網及び耐食性金属被覆層を互
    いに結合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部において、前記金属網が前記耐食性金
    属被覆層及び前記ベース金属層の少なくとも一方へ食い
    込んでいることを特徴とするクラッド材。
  8. 【請求項8】 Fe又はFe合金で構成される前記ベー
    ス金属層と、 そのベース金属層に積層される前記金属網であって、電
    気比抵抗の互いに異なる材質の金属線材を編み上げるこ
    とにより形成され、その材質の組み合わせに応じて該金
    属網全体の電気抵抗値が調整されるとともに、所定の方
    向に沿って互いにほぼ平行に配列された多数の金属線材
    からなる第一の線材の組と、これと交差する方向に沿っ
    て互いにほぼ平行に配列され、かつ前記第一の線材の組
    とは異なる材質の多数の金属線材からなる第二の線材の
    組とを有し、それら第一及び第二の線材の組の少なくと
    も一方が、Fe、Ni、Cuのいずれかを主成分とする
    金属により構成される前記金属網と、 その金属網と反対側において該金属網と接して配置さ
    れ、Ti、Zr、Nb、 Ta、Niのいずれかを主成分
    とする金属、又はステンレス鋼により構成される耐食性
    金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    ベース金属層、金属網及び耐食性金属被覆層を互いに結
    合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部において、前記金属網が前記耐食性金
    属被覆層及び前記ベース金属層の少なくとも一方へ食い
    込んでいることを特徴とするクラッド材。
  9. 【請求項9】 前記第一の線材の組をステンレス鋼によ
    り構成し、前記第二の線材の組をそれよりも電気比抵抗
    が小さい材質で構成した請求項8記載のクラッド材。
  10. 【請求項10】 前記第二の線材の組をFe、Ni、C
    uのいずれかを主成分とする金属により構成した請求項
    9記載のクラッド材。
  11. 【請求項11】 Fe又はFe合金で構成される前記ベ
    ース金属層と、 そのベース金属層に積層される前記金属網であって、所
    定の方向に沿って互いにほぼ平行に配列された多数の金
    属線材からなる第一の線材の組と、これと交差する方向
    に沿って互いにほぼ平行に配列され、かつ前記第一の線
    材の組とは異なる材質の多数の金属線材からなる第二の
    線材の組とを有し、前記第一の線材の組をステンレス鋼
    により構成し、前記第二の線材の組を、前記第一の線材
    の組とは異なる材質の金属であってFe、Ni、Cuの
    いずれかを主成分とする金属により構成される前記金属
    網と、 その金属網と反対側において該金属網と接して配置さ
    れ、Ti、Zr、Nb、Ta、Niのいずれかを主成分
    とする金属、又はステンレス鋼により構成される耐食性
    金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    ベース金属層、金属網及び耐食性金属被覆層を互いに結
    合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部において、前記金属網が前記耐食性金
    属被覆層及び前記ベース金属層の少なくとも一方へ食い
    込んでいることを特徴とするクラッド材。
  12. 【請求項12】 前記第二の線材の組を炭素鋼線で構成
    した請求項10又は11に記載のクラッド材。
  13. 【請求項13】 前記ベース金属層と前記金属網との間
    に、中間金属層が配置されている請求項8ないし12の
    いずれかに記載のクラッド材。
  14. 【請求項14】 Cu又はCu合金で構成されるベース
    金属層と、 そのベース金属層に積層され、かつ該Cu系ベース金属
    層よりも低融点の金属により構成される中間金属層と、 その中間金属層に対し前記ベース金属層とは反対側から
    積層される金属網であって、所定の方向に沿って互いに
    ほぼ平行に配列された多数の金属線材からなる第一の線
    材の組と、これと交差する方向に沿って互いにほぼ平行
    に配列され、かつ前記第一の線材の組とは異なる材質の
    多数の金属線材からなる第二の線材の組とを有し、それ
    ら第一及び第二の線材の組の少なくとも一方が、Fe、
    Ni、Cuのいずれかを主成分とする金属により構成さ
    れる金属網と、 その金属網に対し前記中間金属層とは反対側から積層さ
    れる耐食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    ベース金属層、中間金属層、金属網及び耐食性金属被覆
    層を互いに結合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部において、前記金属網が前記耐食性金
    属被覆層及び前記ベース金属層の少なくとも一方へ食い
    込んでいることを特徴とするクラッド材。
  15. 【請求項15】 前記中間金属層は、Pb、Sn、Zn
    のうちの少なくとも1種を合計で50重量%以上含有す
    るものである請求項14 記載のクラッド材。
  16. 【請求項16】 Fe又はFe合金で構成されるFe系
    ベース金属層と、 そのFe系ベース金属層に金属網を介することなく接し
    て積層されるNi系又はCu系金属層と、 前記Fe系ベース金属層とは反対側から前記Ni系又は
    Cu系金属層に金属網を介することなく接して積層さ
    れ、Ni及びZrのいずれかを主成分とする金属により
    構成される耐食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状もしくは面状に形成され、それら
    Fe系ベース金属層、Ni系又はCu系金属層及び耐食
    性金属被覆層を互いに結合するシーム溶接部と、 を含むことを特徴とするクラッド材。
  17. 【請求項17】 前記耐食性金属被覆層は、Niを主成
    分とし、13〜35重量%のCrと、3〜25重量%の
    Feと、3〜35重量%のMoとを含有するものである
    請求項15記載のクラッド材。
  18. 【請求項18】 前記Ni系金属層は、Niを主成分と
    し、5〜16重量%のCrと、2〜4重量%のB、3.
    5〜5.5重量%のSi及び2〜5重量%のFeを含有
    するものである請求項16又は17に記載のクラッド
    材。
  19. 【請求項19】 前記Cu系金属層は、Zn、Sn、N
    i、Pの少なくとも1種を含有するCu合金で構成され
    ている請求項18記載のクラッド材。
  20. 【請求項20】 Fe又はFe合金で構成されるFe系
    ベース金属層と、 そのFe系ベース金属層に金属網を介することなく接し
    て積層されるNi系金属層と、 前記Fe系ベース金属層とは反対側から前記Ni系金属
    層に金属網を介することなく接して積層され、Nb及び
    Taのいずれかを主成分とする金属により構成される耐
    食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状又は面状に形成され、それらFe
    系ベース金属層、Ni系金属層及び耐食性金属被覆層を
    互いに結合するシーム溶接部と、 を含むことを特徴とするクラッド材。
  21. 【請求項21】 Fe又はFe合金で構成されるFe系
    ベース金属層と、 そのFe系ベース金属層に金属網を介することなく接し
    て積層されるCu系金属箔と、 前記Fe系ベース金属層とは反対側から前記Cu系金属
    箔に金属網を介することなく接して積層され、Nb及び
    Taのいずれかを主成分とする金属により構成される耐
    食性金属被覆層と、 ローラ電極により線状又は面状に形成され、それらFe
    系ベース金属層、Cu系金属箔及び耐食性金属被覆層を
    互いに結合するシーム溶接部とを含み、 前記シーム溶接部の形成されない領域において前記Cu
    系金属箔と前記耐食性金属被覆層とが接合されていない
    ことをことを特徴とするクラッド材。
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