JP2904662B2 - ガス封入型リフロー装置 - Google Patents

ガス封入型リフロー装置

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JP2904662B2 JP33281192A JP33281192A JP2904662B2 JP 2904662 B2 JP2904662 B2 JP 2904662B2 JP 33281192 A JP33281192 A JP 33281192A JP 33281192 A JP33281192 A JP 33281192A JP 2904662 B2 JP2904662 B2 JP 2904662B2
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篤雄 小西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不活性ガス、還元ガス封
入型リフロー装置に関し、更に詳しくは、その構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス封入型リフロー装置の構造を
図3に示す概略断面図を参照しながら以下に説明する。
【0003】この装置本体には、所定のガス雰囲気が形
成される空間を有する横型のトンネル31が備えられ、
そのトンネル31内部の上面および下面にそれぞれ遠赤
外線パネルヒータ32aおよび32bが設置され、さら
にこの下面側の遠赤外線パネルヒータ32a上には部材
搬送用のベルトコンベア33が設置されている。
【0004】このトンネル31の中央部の上部および下
部には置換用ガス注入口34が設けられ、ここからトン
ネル内部雰囲気を不活性ガスもしくは還元ガス、例えば
窒素ガス、水素ガスまたは窒素水素フォーミングガスを
注入して置換する。また、トンネル入口及び出口のそれ
ぞれの上部には、トンネル内部雰囲気ガスを排出するガ
ス排出口35が設けられている。さらに、トンネル内部
雰囲気の酸素を低濃度保つために、窒素ガス等の不活性
ガスを用いた外気遮断用のガスカーテン装置36がトン
ネル両側の入口及び出口の上部および下部に設けられて
いる。
【0005】このような構成の装置を用いてハンダ材を
使用しロウ付けを行う場合、図4に示すように、置換用
ガス注入口34から不活性ガスもしくは還元ガス37が
注入され、ガス排出口35からはトンネル内部のガスが
排出されるようになっている。また、トンネル31内の
ガス雰囲気中では進入外気39や酸素を多く含んだガス
40は、不活性ガスもしくは還元ガスより質量が大きい
ため、トンネル31内の下層部に溜まりやすくなってお
り、一方、不活性ガスもしくは還元ガス37はトンネル
31内の上層部に溜まりやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記不活性
ガスもしくは還元ガス型リフロー装置(以下リフロー炉
と称する)でハンダ材を使用しハンダ付けを行う場合、
200℃〜400℃の高温下でハンダ付けを行うことが
多く、酸化による欠陥が生じるのを防いで良好なハンダ
付けを行うためには、トンネル内雰囲気中の酸素濃度を
一定レベル以下、具体的には酸素濃度100ppm前後
に抑える必要がある。
【0007】しかし、上述したように従来の技術では、
トンネルは横型であるため、酸素より軽い不活性ガスも
しくは還元ガスはトンネル内上層部にかたまりやすく、
排出口から排出されやすくなり、一方、酸素ガスはトン
ネル内下層部にかたまりやすく、上方に設けられた排出
口からは排出されにくくなり、酸素濃度のコントロール
が困難になるという問題が生じていた。したがって、こ
の装置では酸素濃度を一定レベル以下にコントロールし
ようとする場合、大量の不活性ガスもしくは還元ガスの
封入が必要となり、コストの上昇を招く要因となってい
た。その上、部材搬送用のベルトコンベアは、トンネル
内下層部を通過するため、上述した理由により効率良く
ハンダ付けがなされず、時には酸化によるハンダ付け不
良も発生する。
【0008】また、ガス流量が多くなればその供給ガス
によりトンネル内雰囲気が冷却され、トンネル内の温度
分布が不均一となり、トンネル内の温度コントロールも
困難になる。この対策として、不活性ガスもしくは還元
ガス用の加熱ヒータ等、余分な設備を備えなければなら
ない。しかし、このような設備においては、ガス加熱レ
ベルにも限界が生じ、あまり効果的ではなかった。
【0009】また、トンネル外部から進入する外気につ
いても、トンネル内部雰囲気の温度よりかなり低いため
(通常は25℃前後)、トンネル内の下層部に残留しや
すく、しかも、排出口がトンネルの上部にあるため外部
へ排出されにくく、低酸素濃度雰囲気を作り出しにくい
要因となっていた。
【0010】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、トンネル内の下層部の酸素を多く含
んだガスの排出を効率良く行うとともに、トンネル内に
注入した不活性ガスもしくは還元ガスの流出を防いで、
トンネル内部の温度分布を均一に保つことにより、信頼
性の高いハンダ付けを行うことができるガス封入型リフ
ロー装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のガス封入型リフロー装置は、内部にリフ
ローを行うための空洞を有するトンネルと、そのトンネ
ル内部に不活性ガスもしくは還元ガスを注入するための
ガス注入口と、そのトンネル内部のガスを排出するため
のガス排出口とを備えたガス封入型リフロー装置におい
て、そのトンネルは縦型の空洞を有し、かつその空洞内
にはヒータ及び被処理部材を上下方向に搬送するコンベ
アが備えられているとともに、このトンネルの上部には
少なくとも部材搬出口が設けられ、かつトンネルの下部
には少なくともガス排出口とガス注入口及び部材搬入口
が設けられていることによって特徴付けられる。
【0012】
【作用】縦型のトンネル内の上層部では、酸素より質量
の軽い不活性ガスもしくは還元ガス(水素ガス、窒素ガ
ス、水素フォーミングガス等)が高密度となり、また温
度も高く、低酸素雰囲気が形成され、安定化状態にな
る。この雰囲気中でのハンダ付けでは、酸化が抑えられ
て、かつ効率良く行われる。また、酸素を多く含んだガ
スは、トンネル下部に設けられたガス排出口より効率良
く排出される。また、トンネル内のガス雰囲気より温度
の低い進入外気も同様にトンネル下部に設けられたガス
排出口より排出される。したがって、不活性ガスもしく
は還元ガスを大量に注入する必要がなく、トンネル内部
の酸素濃度及び温度を一定レベルに保持できる。
【0013】
【実施例】図1は本発明実施例の概略断面図である。以
下にこの図面を参照しながら本発明実施例を説明する。
【0014】この装置本体には、ガス雰囲気が形成され
る空間を有する縦型のトンネル1が備えられ、そのトン
ネル1内部の中央部に遠赤外線パネルヒータ2が設けら
れ、また、この遠赤外線パネルヒータ2を取り囲むかた
ちで部材搬送用のベルトコンベア3が設置されている。
また、このベルトコンベア3には搬送部材設置用フック
3aが、所定間隔で取り付けられている。さらに、トン
ネル1下部の部材搬入口6及びトンネル1上部の部材搬
出口7にはそれぞれ部材の投入、取り出しのためのベル
トコンベア3b1 ,3b2 が設置されている。また、ト
ンネル1の内部雰囲気を不活性ガスもしくは還元ガスに
置換するためのガス注入口4がトンネル1の最下部に設
けられ、ここからトンネル1内部に不活性ガスもしくは
還元ガス、例えば窒素ガス、水素ガスまたは窒素水素フ
ォーミングガスを注入して内部雰囲気を置換する。ま
た、ガス排出口5b,5aは、それぞれトンネル1の最
上部及び最下部に設けられており、その先端部に排気フ
ァン(図示せず)が設置されている。この排気ファンに
より、トンネル1内部の酸素濃度に応じてトンネル内部
の雰囲気ガスの排出量を調節する。
【0015】以上の構成からなる本発明実施例のリフロ
ー装置の作用を、トンネル内部のガスの対流の様子を表
す図2を参照しながら、以下に説明する。酸素より質量
の軽い不活性ガス及び還元ガス13は、ガス注入口4か
らトンネル1内部に注入され、トンネル内の上層部へ徐
々に移動する。一方、トンネル1内部の下層部に残留す
る比較的酸素ガスを多く含んだガス10は、トンネル1
の下部に設けられているガス排出口5aから排出ガス1
1として排出される。また、部材搬入口6より進入する
温度の低い外気12も同様にガス排出口5aから排出さ
れる。このようなガスの対流により、トンネル内部で
は、ほぼ温度分布は均一となるが、特に、ベルトコンベ
アでトンネル内上層部に運ばれるにしたがって酸素濃度
は低くなり、また温度は加熱ガス14とともに安定した
状態となるため、この雰囲気中でのハンダ付けにおいて
は、ハンダ材や被ハンダ材の酸化を極力抑えることがで
き、また少量の封入ガスで効率よく行うことができる。
【0016】また、ここでガス排出口5b及び部材搬出
口7から、排出ガス11としてトンネル1内の上層部の
加熱ガス14が部材搬出時等に一部排出されるが、トン
ネル1の内部は外気等の影響をほとんど受けない。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス封入
型リフロー装置によれば、トンネル内部は縦型の空洞を
有し、かつその空洞内にはヒータ及び被処理部材を上下
方向に搬送するコンベアが備えられているとともに、こ
のトンネルの上部には少なくとも部材搬出口が設けら
れ、かつトンネルの下部には少なくともガス排出口とガ
ス注入口及び部材搬入口を備えた構成としたので、酸素
は効率良くガス排出口から排出されてハンダ材や被ハン
ダ材の酸化を抑制することができ、しかもトンネル内に
封入するガスは少量でよく、このためトンネル内部の温
度はほとんど変動がなく温度分布は均一となる。この結
果、効率良くハンダ付けを行うことができ、しかも、ば
らつきなどの不良がない信頼性の高いハンダ付けを行う
ことができる。
【0018】さらに、大量の不活性ガスもしくは還元ガ
スを必要としないことからランニングコストを抑えるこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の概略断面図
【図2】本発明実施例の作用説明図
【図3】従来例の概略断面図
【図4】従来例の作用説明図
【符号の説明】
1・・・・トンネル 2・・・・パネルヒータ 3・・・・ベルトコンベア 4・・・・ガス注入口 5a,5b・・・・ガス排出口 6・・・・部材搬入口 7・・・・部材搬出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/34 507 H05K 3/34 507J (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27B 9/00 - 9/40 B23K 1/008 B23K 31/02 310 C25D 5/50 H05K 3/34 507

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にリフローを行うための空洞を有す
    るトンネルと、そのトンネル内部に不活性ガスもしくは
    還元ガスを注入するためのガス注入口と、そのトンネル
    内部のガスを排出するためのガス排出口とを備えたガス
    封入型リフロー装置において、上記トンネルは縦型の空
    洞を有し、かつその空洞内にはヒータ及び被処理部材を
    上下方向に搬送するコンベアが備えられているととも
    に、このトンネルの上部には少なくとも部材搬出口が設
    けられ、かつトンネルの下部には少なくとも上記ガス排
    出口とガス注入口及び部材搬入口が設けられていること
    を特徴とするガス封入型リフロー装置。
JP33281192A 1992-12-14 1992-12-14 ガス封入型リフロー装置 Expired - Fee Related JP2904662B2 (ja)

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