JP2902781B2 - 弾性記憶を有する熱可塑性組成物とその製造方法 - Google Patents

弾性記憶を有する熱可塑性組成物とその製造方法

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JP2902781B2 JP3500152A JP50015291A JP2902781B2 JP 2902781 B2 JP2902781 B2 JP 2902781B2 JP 3500152 A JP3500152 A JP 3500152A JP 50015291 A JP50015291 A JP 50015291A JP 2902781 B2 JP2902781 B2 JP 2902781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリオレフィンをベースとした弾性記憶
(弾性メモリー、memoire elastique)を有する新規な
熱可塑性組成物と、その製造方法に関するものである。
約0.850〜0.890の相対密度を有し、場合によっては弱
い残留結晶化度を有するエチレンと、炭素数が3〜8の
少なくとも1種類のα−オレフィンとの共重合体および
その合成方法は既に公知である。この組成物は機械的特
性(破断点伸び、圧縮永久歪、永久伸び、ショアー硬
度)がバランスしている点に特徴あるが、この組成物の
用途として考えられる多くの分野、例えば、密封継手、
靴のパーツ、可撓性チューブ、緩衝部材、建設用あるい
は自動車産業用のプロフィルとして用いるには弾性記憶
性が不十分である。
本発明が解決しようとする課題は、上記エチレン/α
−オレフィン共重合体を改良して、上記の用途に使用で
きるような弾性記憶性を示すように機械的特性をバラン
スさせることにあり、特に、機械的特性バランスを下記
のように改良することにある: (1)破断点伸びを大きくし、 (2)永久伸びまたは圧縮永久歪を小さくし、 (3)ショアー硬度を小さくする。
さらに詳細には、機械的特性バランスを下記のように
改良する: (1)破断点伸びを600%以上にし、 (2)100%伸び後の永久変形量を約32%以下にし、 (3)70℃で72時間圧縮した後の圧縮永久歪を約80%以
下にし、 (4)ショアー硬度は約78以下にする。
本発明の基本は、相対密度が約0.850〜0.890エチレン
/α−オレフィン共重合体と、その他の高分子量の熱可
塑性ポリマーを少なくとも1種類含む系とを組み合わせ
る点にある。
一般に、分子量が比較的大きなポリマーは一般に互い
に非相溶性である。性質が異なる2つのポリマーを混合
すると、その混合物の引張強度や破断点伸びなどの機械
的特性は低下する。2つのポリマーを混合した時に、混
合物の機械的特性が2つのポリマーの低い方の機械的特
性よりも良くなるように十分に相溶化するのは稀であ
る。しかし、2種のポリマーに相溶性が有る場合には、
その混合物は好ましい機械的特性を示し、さらに他の好
ましい特性も示すようになる。
アメリカ合衆国特許第4,203,884号には、結晶性熱可
塑性ポリオレフィンと、ポリノルボルネンと、ポリノル
ボルネンのガラス転移温度をゴム温度範囲まで下げるの
に十分な量の可塑剤とで構成される組成物が有利な特性
を示すということが記載されている。この特許には、特
に、75〜10重量部のポリオレフィンと、25〜90重量部の
ポリノルボルネンと、100重量部のポリノルボルネン当
たり30〜400重量部の可塑剤との混合物から成る組成物
は弾性プラスチック、つまり熱可塑性プラスチックと同
様な加工が可能なエラストマーになるということが記載
されている。この特許によれば、可塑剤の一部は溶融状
態では熱可塑性ポリオレフィン相中に存在し、冷却後に
は、この可塑剤が結晶ポリオレフィン相からポリノルボ
ルネン相へ実質的に移行してポリノルボルネン相の一部
となり、その結果、熱可塑性が向上し、組成物の応用範
囲が広くなる。一般に、熱可塑性の度合いが同じである
場合には、組成物中の可塑剤が多くなるにつれてポリオ
レフィンの量は少なくなる。
アメリカ合衆国特許第4,203,884号には、10〜90重量
部の結晶性ポリオレフィンと、小粒子の状態で分散した
架橋ポリノルボルネンと、ポリノルボルネンのガラス転
移温度をゴム温度範囲まで下げるのに十分な量の可塑剤
との混合物からなる組成物が開示されている。すなわち
ポリノルボルネンを架橋させると、組成物の特性バラン
ス、特に引張強度、耐溶剤性、高温特性が向上する。こ
の組成物は、ポリノルボルネンと、可塑剤と、ポリオレ
フィンと、架橋剤とをポリノルボルネンを架橋するのに
十分な温度で混練する動的加硫法によって得られる。
このアメリカ合衆国特許第4,203,884号で使用可能な
結晶性可塑性ポリオレフィンとしてはポリエチレンとプ
ロピレンが挙げられているが、この特許の表1または2
の結果を比較するとプレピレンの方が好ましいことが分
かる。この特許には特に、30重量部の架橋ポリノルボル
ネンと、密度が0.960g/cm3のポリエチレン70重量部とか
らなる破断点伸びが170%で永久伸び変形が39%である
組成物が記載されている。この特許にはさらに、10重量
部の架橋ポリノルボルネンと、90重量部のポリプロピレ
ンとからなるショアーD硬度が63で、破断点伸びが390
%で、永久伸び変形が57%である組成物も記載されてい
る。
本発明の第1の対象は、約5〜20重量部のポリノルボ
ルネンと、約80〜95重量部の少なくとも1種類のポリオ
レフィンと、ポリノルボルネンのガラス転移温度をゴム
の範囲まで下げるのに十分な可塑剤とで構成される弾性
記憶性を有する熱可塑性組成物において、ポリオレフィ
ンとして下記の組成物を選択することを特徴とする熱可
塑性組成物にある: (1)エチレンと、プロピレンおよびブテン−1の中か
ら選択されるα−オレフィンとの少なくとも1種類の共
重合体で、密度が約0.850〜0.890、フローインッデック
スが約0.3〜15dg/分である共重合体80〜100%および (2)少なくとも1種類のプロピレン重合体0〜20%。
本発明の弾性記憶性を有する熱可塑性組成物に含まれ
る上記ポリオレフィン組成物の主成分であるエチレン
と、α−オレフィンとの共重合体自体は公知であり、種
々の方法で製造することができる。
その公知の第1のグループは、モンテジソン(MONTED
ISON)社からデュトラル(DUTRAL登録商標)の名称で市
販されている65〜80モル%のエチレンと、20〜35モル%
のプロピレンとの共重合体であり、これは相対密度が0.
850〜0.870で、残留結晶化度がゼロ、従って結晶融点を
持たず、幾何平均分子量が90〜100kg/molで、多分散度
指数が2.2〜2.9であるポリオレフィンゴムである。公知
の第2のグループは、ミツイ(MITSUI)からタフマー
(TAFMER登録商標)の名称で市販されている78〜92モル
%のエチレンと、8〜22モル%のプロピレンおよびブテ
ン−1の中から選択されるのα−オレフィンとの共重合
体で、これは相対密度が0.860〜0.890で、残留結晶度が
1〜14%で、結晶融点Jが75℃で、幾何平均分子量が60
〜120kg/mole、多分散度指数が2.2〜2.7であるポリオレ
フィンゴムである。
さらに、フローインデックスが0.3〜15dg/分で、相対
密度が0.865〜0.885で、エチレンに由来する繰り返し単
位が77〜91モル%で、プロピレンおよび/またはブテン
−1に由来する繰り返し単位が9〜23モル%で、結晶融
点Jが100〜125℃であるエチレンと、プロピレンおよび
/またはブテン−1との共重合体からなるポリオレフィ
ンゴムを選択することができる。このポリオレフィンゴ
ムは下記の少なくとも1つの特徴を有することができ
る: (1)多分散度指数が3.5〜15、好ましくは4〜8、 (2)幾何平均分子量(下記で定義)が35〜70kg/mol
e、 (3)相対密度dと、プロピレンおよびブテン−1に由
来する 繰り返し単位の含有率x(モル%で示す)との関係が
下記の式で表される: 0.9085≦d+0.002x≦0.918 (4)残留結晶化度(下記の方法で決定する)が3〜15
%。
本発明では、結晶融点Jとは、共重合体試料に対して
下記の3段階の操作: (1)10℃から150℃まで、8℃/分で融解、 (2)150℃から10℃まで、8℃/分で結晶化、 (3)10℃から150℃まで、8℃/分で融解。
を行って得られる、結晶化後の溶融曲線の最大値で決ま
る温度を意味するものとする。
本発明では、残留結晶化度は共重合体試料を5℃/時
間で190℃から室温まで冷却した後のX線回折によって
決定する。
本発明では、幾何平均分子量は下記の式で定義され
る: (ここで、Wiは質量Miの物質の重量成分であり、 Nはゲル浸透クロマトグラフィーで溶出した成分の数を
示す。) これらのタイプの共重合体は特に、18〜42体積%のエ
チレンと、58〜82体積%のオレフィン(プロピレン+ブ
テン−1)とで構成されるガス流を、有機アルミニウム
活性化剤と周期律表の第4B、5B、6B及び8族の遷移金属
化合物からなるチーグラータイプの触媒の存在下で、温
度160〜270℃、圧力400〜850バールで共重合させて得ら
れる。
本発明の弾性記憶を有する熱可塑性組成物で、エチレ
ン/α−オレフィン共重合体と混合して使用可能なプロ
ピレン重合体は、少なくとも80モル%のプロピレンに由
来する繰り返し単位と、20モル%以下のエチレンまたは
4〜8個の炭素原子を有するα−オレフィンに由来する
繰り返し単位とで構成される共重合体にすることができ
る。
本発明ではポリノルボルネンとはビシクロ[2,2,1]
ヘプテン−2の重合体または非晶質共重合体と、アメリ
カ合衆国特許第3,676,390号に記載のその置換誘導体と
を意味する。ポリノルボルネンのガラス転移温度をゴム
温度範囲まで下げることができる可塑剤としては、石油
から得られる芳香族系、ナフテン系またはパラフィン系
の凝固点が0℃以下、引火点が180℃以上の重質オイル
またはジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート等
のフタル酸ジエステル等が適している。これらの可塑剤
は単独または混合して使用できる。
本発明組成物の特性バランスを改良するために、ポリ
ノルボルネンを架橋、例えば動的加硫法(valcanisatio
n dynamique)で架橋するのが有利である。
従って、本発明の第2の対象は、5〜20重量部の架橋
ポリノルボルネンと、80〜95重量部の少なくとも1種類
のポリオレフィンと、ポリノルボルネンのガラス転移温
度をゴム温度範囲まで下げるのに十分な量の可塑剤とで
構成される熱可塑性組成物において、ポリオレフィンと
して下記成分からなる組成物を選択することを特徴とす
る熱可塑性組成物にある: (1)エチレンと、プロピレンまたはブテン1−の中か
ら選択されるα−オレフィンとからなる、密度が0.850
〜0.890で、フローインッデックスが約0.3〜15dg/minで
ある少なくとも1種類の共重合体を80〜100%、 (2)少なくとも1種類のプロピレン重合体0〜20%。
本発明の熱可塑性組成物で使用するエチレン/α−オ
レフィン共重合体は、上記の非架橋ポリノルボルネンを
含む組成物の場合と同じである。
本発明の熱可塑性組成物では、可塑化された架橋ポリ
ノルボルネンは小粒子の状態で分散して存在しするのが
好ましく、そうすることによって、組成物は成形が可能
になり、他の熱可塑性素材と同様に加工することができ
る。
本発明の熱可塑性組成物中のポリノルボルネンを架橋
するには、ジエンゴムの加硫に適した任意の方法を用い
ることができる。ゴム用架橋剤として適したものの中で
は、硫黄、過酸化物、フェノール樹脂、下記構造を有す
る化合物: (ここで、R1,R2はCHnX3-n基であり、互いに同一でも
異っていてもよく、Xはフッ素、塩素、臭素の中から選
択されるハロゲン原子であり、nは0から3までの整数
を表す) アゾ化合物、マレイミド、キノノイドおよびウレタン化
合物をベースとした加硫剤を挙げることができ、例えば
遊離硫黄または硫黄供与化合物、例えばテトラメチルチ
ウラムジスルフィド、チウラムジスルフィド、ベンゾチ
アジルジスルフィドまたはジペンタメチレンチウラムヘ
キサスルフィドあるいはm−フェニレンビス(マレイミ
ド)、ベンゾキノンジオキシム、過酸化鉛、ヘキサクロ
ロパラキシレン、ジ−オルトトリルグアニジン、4,4′
−ジチオジモルフォリンを挙げることができる。これら
の加硫剤は、少なくとも1つの加硫活性剤または促進
剤、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベンゾチア
ゾールスルファミド、塩化錫、ジブチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛、フェニルエチルジチオカルバミン酸亜鉛、エ
チルジチオカルバミン酸テルル、クロロスルホン酸ポリ
エチレン等と組み合わせて用いるのが好ましい。遊離硫
黄または硫黄供与化合物を加硫剤として用いる場合に
は、大量(例えば加硫剤重量の1〜3倍)の加硫活性剤
または促進剤を使用するのが好ましい。
架橋反応系の各成分、特に加硫剤は、ポリノルボルネ
ンがゴム状弾性を失わない範囲でほぼ完全に架橋される
ような、当業者には公知の比率で使用する。上記の式
(1)の化合物、例えばヘキサクロロパラキシレンを加
硫剤として用いる場合には、ポリノルボルネンに対して
0.1〜6重量%を用いる。本発明の熱可塑性組成物で
は、沸騰キシレンなどの溶剤によって10%以上、好まし
くは5%以上抽出されないような状態までポリノルボル
ネンを架橋するのが好ましい。沸騰キシレン中では非架
橋ポリノルボルネンはエチレン/α−オレフィン共重合
体とともに完全に溶解する。この抽出試験によってエチ
レン/α−オレフィン共重合体自体は実質的に架橋され
ていないことが確認できる。エチレン/α−オレフィン
共重合体が架橋されると組成物の熱可塑性に好ましくな
い影響を及ぼす。
本発明の組成物は、下記の公知の添加剤を加えること
によって特殊用途に応じてその特性を改善することがで
きる: (1)白色顔料(酸化チタン)または着色顔料、 (2)シランまたはチタン酸塩などのカップリング剤、 (3)メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩等の分解
抑制剤、 (4)2,2,4−トリメチル−2,2−ジヒドロキノリン重合
体などの安定剤、 (5)長鎖脂肪族アミン、ステアリン酸塩などの加工助
剤、 (6)カーボンブラック、シリカ、カオリン、アルミ
ナ、クレー、アルミノケイ酸塩、タルク、炭酸塩等の粉
末充填剤、 (7)ステアリン酸などの潤滑剤。
特に粉末充填剤を加えることによって、本発明中の熱
可塑性組成物の引張強度が増し、場合によっては破断点
伸びも改善する。組成物に加えることができる充填剤の
量はポリノルボルネン100重量部当たり150重量部に達す
るが、この量は当然充填剤の性質によって異なる。
高い耐オゾン性および/または耐熱老化性が望まれる
利用分野においては、本発明の組成物はオレフィンエラ
ストマーを含有することも可能である。この場合には、
エチレン/α−オレフィン共重合体、ポリノルボルネン
およびオレフィンエラストマーの合計が100重量部とな
るようにポリノルボルネンの1部をオレフィンエラスト
マーで置き換えて使用する。本発明の組成物中で使用可
能なオレフィンエラストマーとしては、特に3〜6個の
炭素原子を有する少なくとも1つのα−オレフィンと、
少なくとも1つのジエンと、エチレンとのターポリマー
を挙げることができる。特に、エチレン/プロピレン/
ジエンターポリマーが好ましく、このジエンは直鎖また
は環状の共役ジエンまたは非共役ジエン、例えばブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−
デカジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビ
ニル−2−ノルボルネン、2−アルキル−2,5−ノルボ
ルナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−
(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘ
キセニル)−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジ
エン、ビシクロ[2.2.2.]オクタ−2,5−ジエン、シク
ロペンタジエン、4,7,8,9−テトラヒドロインデンおよ
びイソプロピルインデンテトラヒドロインデンなどの中
から選択するのが好ましい。本発明中で使用可能なター
ポリマーエラストマーは一般に15〜60モル%のプロピレ
ン由来の繰り返し単位と、0.1〜20モル%のジエン由来
の繰り返し単位を含有する。
本発明の組成物で使用可能なオレフィンエラストマー
は、一般に、組成物中に存在するポリノルボルネンの重
量の1/3までと置き換えて使用することができる。
架橋ポリノルボルネンを含む本発明の熱可塑性組成物
は、動的加硫法、すなわち、ポリノルボルネンと、可塑
剤と、エチレン/α−オレフィン共重合体と、架橋系
(上記定義のもの)との混合物をポリノルボルネンを架
橋させるのに十分な温度と時間で混練して製造するのが
好ましい。この混練はバンバリー(Banbury)混練機、
ブラベンダー(Brabender)混練機、レオコード(Rheoc
ord)混練機または押出機等の公知の装置で、約110℃〜
220℃で約3〜5分以上行えばよい。この時間は温度が
高い場合は短縮することができる。混練の前に混合物を
密閉式ミキサーを用いて40℃〜100℃の中温で均質化す
ることができる。
本発明により以下の特性を有する生成物が得られる。
(1)破断点伸びが約600%以上、 (2)100%伸び後の永久変形量が約32%以下、 (3)70℃で72時間圧縮した後の圧縮永久歪が約80%以
下、 (4)ショアーA硬度が約78以下。
特に、エチレン/α−オレフィン共重合体の相対密度
が0.875以下である場合、本発明によって以下のような
特性を持つ材料が得られる: (1)ショアーA硬度が約50以下、 (2)100%伸び後の永久変形量が約30%以下。
本発明の組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形、
その他の熱可塑性材料の加工に適した任意の方法を用い
て最終製品や、工業製品に製造することができる。本発
明の組成物は密封継手、靴用パーツ、可撓管、ダンピン
グ部材、建設用または自動車産業用のプロフィル等の成
形に特に応用することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が以下の実施
例に限定されるものではない。
実施例1(比較例) 第1段階では、密閉式のミキサー中で温度80℃、100
回転/分で6分間、ポリノルボルネンに可塑剤、充填
剤、分解防止剤、加硫剤、顔料および潤滑剤を配合す
る。この配合物に加硫促進剤を加え、温度を60℃に設定
したシリンダーミキサーに通してシート状にする。
第2段階ではこのゴム状組成物に結晶ポリオレフィン
を加え、この混合物をブラベンダー(Brabender)混練
機に移し、温度180℃、90回転/分で8分間以上混練を
行う。この組成物を圧縮成形で2.5mmのプレートにした
後、以下の特性を測定する: (1)NFT規格51 109に準じて測定したショアーA硬度
(この実施例に関する下記の表中の数値はショアーD硬
度に相当する) (2)NFT規格51 034に準じて測定した破断点伸び(%
で表示)、測定はH3試験片を用いて延伸率100mm/minで
行った (3)NFT規格NFT51 034に準じて測定した100%伸び後
の永久変形量(%で表示)、測定はASTMマイクロ試験片
を用いて延伸速度500mm/minで行った。
(4)NFT規格51 016に準じて測定した10回屈曲後のマ
ッティア(Mattia)撓み(ノッチのmmで表示)。
この比較実施例で使用したものは以下の通り: (1)ポリオレフィンはエチレン/ブテン−1共重合体
で、相対密度が0.918、フローインデックスが1.1dg/
分、融解温度が122℃、結晶率が35%である、本出願人
よりロトレックス(LOTREX)の名称で商品化されている
もの、 (2)ポリノルボルネンは本出願人よりノルソレックス
(NORSOREX)の名称で商品化されているもの、 (3)可塑剤は、ナフサオイルでパイオニア(PIONEE
R)の名称で商品化されているもの、 (4)粉末充填剤は焼成カオリンである、 (5)加硫剤は下記の構造を持つフェノール樹脂: (ここでnは4または5で、Rはアルキル基を示し、シ
ェネクタディ(SCHENECTADY)社よりSP 1045の名称で商
品化されている)、 (6)加硫促進剤は酸化亜鉛と1重量部の塩化第1スズ
Sncl2×2H2Oと1重量部の酸化マグネシウムの混合物で
ある。
混合物全体に占める重量部数は、下記の表中に示して
ある。
組成物中の各成分の含有量および各特性の測定値は下
記の表に表してある。
実施例2〜7 ポリオレフィン以外は同じ成分を用いて実施例1の操
作を同じ条件で繰り返した。各組成とその特性は下記の
表に示してある。
実施例2および3で使用するポリオレフィンは、84.6
モル%のエチレンに由来する繰り返し単位と、6.7モル
%のプロピレンに由来する繰り返し単位と、8.7モル%
のブテン−1に由来する繰り返し単位からなり、相対密
度が0.881で、フローインデックスが1.2dg/分で、結晶
融点Jが107℃、多分散度指数Mw/Mnが4.7で、残留結晶
度が11%で、幾何平均分子量が65kg/moleであるターポ
リマーである。このターポリマーは、175℃から250℃ま
で上昇する3つの加熱帯域を有する反応器中で、45体積
%のブテン1−と、17体積%のプロピレンと、38体積%
のエチレンとの混合物を共重合させて得られたものであ
る。
実施例5および6で用いるポリオレフィンは、このタ
ーポリマーと、ヘキスト(HOECHEST)社より商品名ホス
タレン(HOSTALEN)PPK 1032で市販されているプロピレ
ンポリマーと、商品名ペルオキシモン(PEROXYMON)F40
MGで商品化されているマスターバッチ[α,α′−ビス
(ターシャル−ブチルペロキシ)−m.P−ジイソプロピ
ルベンゼン40%と、エチレン/プロピレン/ジエンのタ
ーポリマー60%とで構成される]との混合物である。
実施例4で用いるポリオレフィンは、78.9モル%のエ
チレンに由来する繰り返し単位と、11.6モル%のピロピ
レンに由来する繰り返し単位と、9.5モル%のブテン−
1に由来する繰り返し単位からなり、相対密度が0.871
で、フローインデックスが2.6dg/分で、多分散度指数が
4.7で、結晶融点Jが109℃で、残留結晶度が6%で、幾
何平均分子量が58kg/moleであるターポリマーである。
実施例7で用いたポリオレフィンは、このターポリマ
ーと、ポリプロピレン:ホスタレン(HOSTALEN)PPK 10
32と、上記マスターバッチ ペルオキシモン(PEROXIMO
N)F40MGとの混合物である。
実施例1に記載の特性の他に、NFT規格46 011に準じ
て試験片Aでの70℃、72時間後の圧縮永久歪(%で表
示)を測定した。実施例2〜7の硬度はショアーAで示
してある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 65/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5〜20重量部のポリノルボルネンと、80〜
    95重量部の少なくとも1種類のポリオレフィンと、ポリ
    ノルボルネンのガラス転移温度をゴム温度範囲まで下げ
    るのに十分な量の可塑剤との混合物によって構成される
    弾性記憶を備えた熱可塑性組成物において、 上記ポリオレフィンが下記の(1)と(2)とで構成さ
    れる組成物であることを特徴とする熱可塑性組成物: (1)相対密度が0.850〜0.890で、フローインデックス
    が0.3〜15dg/分である少なくとも1種類のエチレンとプ
    ロピレンおよびブテン−1の中から選択されるα−オレ
    フィンとの共重合体:80〜100% (2)少なくとも1種類のプロピレン重合体:0〜20%。
  2. 【請求項2】5〜20重量部の架橋ポリノルボルネンと、
    80〜95重量部の少なくとも1種類のポリオレフィンと、
    ポリノルボルネンのガラス転移温度をゴム温度範囲まで
    下げるのに十分な量の可塑剤とからなる弾性記憶を備え
    た熱可塑性組成物において、 上記ポリオレフィンが下記の(1)と(2)とで構成さ
    れる組成物であることを特徴とする熱可塑性組成物: (1)相対密度が0.850〜0.890で、フローインデックス
    が0.3〜15dg/分である少なくとも1種類のエチレンとプ
    ロピレンおよびブテン−1の中から選択されるα−オレ
    フィンとの共重合体:80〜100% (2)少なくとも1種類のプロピレン重合体:0〜20%。
  3. 【請求項3】エチレン/α−オレフィン共重合体がプロ
    ピレンおよびブテン−1の中から選択されるα−オレフ
    ィンを9〜23モル%含有する請求項1または2に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】エチレン/α−オレフィン共重合体と、ポ
    リノルボルネンと、オレフィンエラストマーとの合計が
    100重量部となるようにポリノルボルネンの1部をオレ
    フィンエラストマーで置換した請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】エチレン/α−オレフィン共重合体の結晶
    融点Jが100〜125℃である請求項3に記載の組成物。
  6. 【請求項6】エチレン/α−オレフィン共重合体の多分
    散度指数が3.5〜15である請求項3〜5のいずれか一項
    に記載の組成物。
  7. 【請求項7】エチレン/α−オレフィン共重合体の幾何
    平均分子量が35〜70kg/moleである請求項3、5および
    6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】ポリノルボルネンが、溶媒で10%以上抽出
    されなくなるまで架橋されている請求項2に記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】白色顔料、着色顔料、カップリング剤、分
    解防止剤、安定剤、加工助剤、粉末状充填剤および潤滑
    剤のうち少なくとも1つの添加剤をさらに含有する請求
    項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】上記添加剤が、ポリノルボルネン100重
    量部あたり150重量部以下の粉末充填剤である請求項9
    に記載の組成物。
  11. 【請求項11】ポリノルボルネン、可塑剤、エチレン/
    α−オレフィン共重合体および架橋系を、ポリノルボル
    ネンの架橋形成に十分な温度と時間で混練する請求項2
    に記載の熱可塑性組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】上記混練を温度110〜220℃で3〜15分行
    う請求項11に記載の方法。
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