JP2902658B2 - Hiv‐1関連ポリペプチド類、診断システム類及びアッセイ方法 - Google Patents

Hiv‐1関連ポリペプチド類、診断システム類及びアッセイ方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ヒト免疫不全ウィルス1型(HIV−1)に
関連した、新規ポリペプチド抗原類及び診断システム類
及びアッセイ法におけるそれらの利用に関する。
発明の背景 後天性免疫不全症候群(AIDS)は今や全世界に広がっ
ており、特にアフリカでは、深刻な公衆衛生問題となっ
ている。ヒト免疫不全ウィルス1型(HIV−1)と称さ
れるレトロウィルスは以前にLAV,HTLV−III又はARVとし
て知られていたが、北米、西欧及び中央アフリカを含
む、その流行に悩まされているさまざまな地域で、AIDS
をひき起こすことが示された。
分子レベルでのHIV−1の研究から、北米及びアフリ
カの単離株のヌクレオチド配列中にいくつかの違いが明
らかにされている。しかしながら、北米、西欧及び中央
アフリカの単離株は、同様の生物学的性質と、同一の相
対分子量を持つ抗原交叉反応性蛋白を持つものと思われ
る。
HIV−1に感染した個体は、p19,p24と呼ばれる。gag
遺伝子がコードするウィルス性コア蛋白、及びp55と呼
ばれるそれらのプリカーサー蛋白に対する抗体類を産生
するようになる。さらにenv遺伝子がコードする外被糖
蛋白gp120(細胞外糖蛋白すなわちEGP)、gp41(経膜蛋
白すなわちTMP)及びgp160と呼ばれるそれらのプリカー
サー糖蛋白に対する抗体も観察されている。
多数のAIDS患者が、本疾患の進行段階にHIV−1コア
蛋白に対する抗体の消失を示すが、該外被抗原に免疫反
応性を持つ抗体は保持する。該外被産物はHIV−1感染
のさまざまなステージにある患者の血清中に一様に検出
される。HIV−1に対する血清変換についての報告はほ
とんど入手できないが、該外被蛋白に対する。抗体の出
現は、該コア蛋白に対する抗体の出現よりわずかに先立
つらしい。カールソンら(Carlson et al.)ランセッ
ト,1巻,第361−362頁,1987年を参照のこと。これらの
理由により、env遺伝子産物を表現する抗原の利用は、A
IDS関連のレトロウィルス類の被感染の診断において非
常に重要である。
AIDSは血液製剤によって伝染することがあるため、本
疾患がはじめて認識された頃から、該感染ウィルスに対
して特異的な抗体もしくは抗原について血液をスクリー
ニングする診断テストの開発がさかんに行なわれた。こ
の分野での努力が実を結んで、1985年の終わりまでにHI
V−1ウィルスに対する抗体を検出する市販のテストに
対する認可を5社が受けた。これらのテストはすべて、
培養したHIV感染Tリンパ球から得られたウィルス蛋白
を利用してのそれらの抗体類の検出に依るものである。
その培養細胞から得られたウィルスを粉砕し(たとえ
ば、界面活性剤とともに)、液体(“ウィルスライセー
ト”と呼ぶ)を得る。このライセート(ウィルス及び細
胞性蛋白の種々の断片を含む)がその後イムノアッセイ
の固相成分として一般的に使用される。
既存のテストは血液製剤を介してのHIV−1の伝染を
かなり減少させたようであるが、ウィルスライセートに
基づくテスト類は、結果が高率の偽陽性を示す等の、い
くつかの重大な欠点がある。この偽陽性は、現行のアッ
セイ類の固相成分中に使用されているウィルスライセー
ト調製物中における非ウィルス性蛋白の存在に一部分帰
因すると考えられる。
偽陽性結果の率を減らす目的で、本技術分野ではウィ
ルス性蛋白上に天然に存在する抗原性決定因子を模倣し
た合成ポリペプチドを用いた特異部位指向性の血清学的
アッセイの開発が始められている。たとえば、コサンド
に対する米国特許第4,629,783号、ワンら(Cosand,Wang
et al.)、プロシーディング オブ ザ ナショナル
アカデミー オブ サイエンスUSA、83巻:第6159−6
163頁,1986頁、及びケディら(Kennedy et al.)、サイ
エンス、231巻:第1556−1559頁、1986年には、該TMP
(gp41)を含む種々のHIV−1蛋白によって形成される
抗原性決定因子を模倣できると言われる数個のポリペプ
チド類について記述がある。
もっと具体的にいえば、コサンドに対する該特許は、
ポリペプチド39と称される26アミノ酸残基のポリペプチ
ドで、その配列はウェイン−ホブソンら(Wain−Hobson
et al)、セル、40巻:第9−15頁,1985年により記述
されたHIV−1単離株の該TMP配列に由来している。コサ
ンドの該特許は、ポリペプチド39がHIV−1 TMPによっ
て誘導された地理上の由来が同定されていない抗体類を
検出しうることを示唆するデータを含んでいる。
ワンら(Wang et al.)が前記で報告したペプチドナ
ンバー8は、ラトナーら(Ratoner et al.),ネイチャ
ー,313巻:第277−284頁,1985年が報告した該HIV−配列
のTMP残基586−606に対応する配列の21個のアミノ酸残
基を含む。ワンらによれば、ポリペプチド8は米国内の
複数の人らから採取された血清中の抗HIV−1−TMP抗体
を検出することが可能である。さらに、ワンらは、ある
種のウィルス単離株類に見られるような、587位のイソ
ロイシンをバリンに、また596位でのリジンをアルギニ
ンに保存的に置換したポリペプチド8のアナログ類は、
それらのアナログ類に結合したヒトの抗体にあまり影響
を及ぼさない、ということを報告した。
それより最近、グナンら(Gnann et al.),ジャーナ
ル オブ ザ インフェクショナル ディジージズ,156
巻,第261−267頁,1987年は、ウィレイら(Wiley et a
l.),プロシーディング オブ ザ ナショナル アカ
デミー オブ サイエンス USA,83巻:第5038頁,1986
年の該TMPアミノ酸残基配列に由来するポリペプチド
は、アメリカのAIDS患者の事実上100%の血清中に抗HIV
−1 TMP抗体を検出することができるが、ザイールのAID
S患者ではわずかに約84%にしかそれらの抗体を検出し
えないことを報告した。
それらの診断的試薬としての利用の他に、フィシンガ
ーら(Fischinger et al.),カサンーリサーチ,45巻,
第46945−6995頁,1985年は合成ポリペプチド類がHIVに
対するワクチンの成分として使用することができること
を示唆している。AIDSの予防及び治療へのこのアプロー
チは、ミュージングら(Muesing et al.),ネイチャ
ー,313巻:第450頁,1985年が報告したHIV−1単離株の
配列のうち503から532のTMP残基に対応するアミノ酸残
基配列を持つポリペプチドが、ウサギにおいてHIV中和
抗体類を誘導することができることを見出したチャンら
(Chanh et al.),EMBO,5巻,第3065−71頁,1986年の報
告により支持されている。グナンら(Gnann et al.),
ジャーナル オブ バイロロジイ,61巻,第2639−41頁,
1987年は前記のウェイン−ホブソンら(Wain−Hobson e
t al.)の、HIV−1単離株の598−609残基に対応するポ
リペプチドを用いて同様の結果を報告している。
本発明の簡単な要約 中央アフリカ人達からの生体試料中の抗HIV−1抗体
を検出できる能力が改良された2種の特異的ポリペプチ
ドが発見されている。そこで、本発明は以下の式で表わ
される配列を有する12個のアミノ酸残基を必須成分とし
てなるポリペプチドに関する: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンのいずれ
かを示す。) また、少なくとも2種のポリペプチド類の混合物を含
む組成に関する。ここで第1の該ポリペプチド類は以下
の式のアミノ酸残基配列を持ち: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンを示
す。)そして、第2の該ポリペプチドはヒト免疫不全ウ
ィルス(HIV)によって誘導される抗体類と免疫反応し
うる。
さらに、体液試料中の抗HIV−1抗体の存在をアッセ
イする方法に関する。免疫反応混合物は、体液試料を以
下の式のポリペプチドと混合することにより作られる: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンを示
す。) 該免疫反応混合物は、該試料中に存在するいずれの抗
HIV−1抗体類もが、該ポリペプチドと免疫反応し、ポ
リペプチド含有性免疫反応産物を形成するのに十分な時
間にわたり、生物学的アッセイ条件下に維持される。
形成されたいずれのポリペプチド含有性免疫反応産物
の存在もその後検出され、それにより当該試料中のいず
れの抗HIV−1抗体の存在も検出される。
他の態様においては、体液試料中の抗HIV抗体類の存
在をアッセイする方法は、少なくとも2つのポリペプチ
ド類の混合物を含む組成と体液試料を混合することによ
り免疫反応混合物を形成することを含む。該組成におい
て、第1の該ポリペプチドは以下の式で表わされるアミ
ノ酸残基配列を有し: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンを示
す)、また、第2の該ポリペプチドは: このように形成された該免疫反応混合物は、該試料中
に存在するいずれの抗HIV抗体もが該組成のポリペプチ
ドと免疫反応して、ポリペプチド含有性免疫反応産物を
形成するのに十分な時間にわたり、生物学的アッセイ条
件下に維持される。
形成されたいずれのポリペプチド含有性免疫反応産物
の存在もその後検出され、それによって該試料中のいず
れの抗HIV抗体の存在も検出される。
また、以下の式のポリペプチド: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンを示
す。) を含有するパッケージを含む、体液試料中の抗HIV−1
抗体の存在をアッセイするキット型の診断システムに関
する。
他の態様においては、体液試料中の抗HIV抗体の存在
をアッセイするキット型の診断システムは、少なくとも
2種のポリペプチド類を含有するパッケージを含む。こ
こで第1の該ポリペプチド類は以下の式で示され: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンを示
す。)、また第2の該ポリペプチド類は、 のいずれかである。
本発明の詳細な説明 A.定義 アミノ酸:ここで同定されるアミノ酸残基はすべて、
天然のL体である。ジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー,243巻,第3557−59頁,1969年の標準ポ
リペプチド命名法を遵守して、アミノ酸残基の略号は以
下の対応表に示す通りとする: 全てのアミノ酸残基配列がここでは、アミノ末端からカ
ルボキシ末端への一般的方向に左から右の順序の式で表
現してあることに注意すべきである。さらに、アミノ酸
残基配列の始めあるいは終わりのダッシュは、該ポリペ
プチド鎖中に1つ以上のアミノ酸残基で全部で約50残基
までを有する他の配列への結合を示すことに注意するべ
きである。
ポリペプチド及びペプチド:ポリペプチド及びペプチ
ドは、隣接する残基類のアルファアミノ基とカルボキシ
ル基間のペプチド結合により互いに結合した約50以下の
アミノ酸残基の直列を表わすものとして、ここで互換性
を持って使用される用語である。
蛋白質:蛋白質は、ポリペプチドにおけるのと同様
に、互いに結合した50以上のアミノ酸残基の直列を表わ
すものとして、ここで使用される用語である。
B.ポリペプチド類 本発明のポリペプチドは、以上の式で表わされる配列
を持つ12個のアミノ酸残基を必須成分として成る。
(式中、Zはイソロイシン(I)もしくはメチオニン
(M)を示す。) 本発明の該ペプチド類は、少なくとも2つのシスティ
ン残基を含む。それゆえに、主題となる上記のペプチド
類は種々の酸化型で存在しうる。該システイン残基のス
ルフヒドリル基が還元された単量体型に加えて、2つ以
上のペプチド分子のスルフヒドリル基が酸化されて、ペ
プチド間及びペプチド内ジスルフィド結合を形成する二
量体型あるいは多量体型も存在しうる。本発明の該ポリ
ペプチド類は2つのシステイン残基を持つため、それら
は環状モノマー類あるいは直鎖もしくは環状ダイマー類
及び種々の長さの直鎖ポリマー類を形成しうる。これら
のさまざまな酸化形態を本対象発明の一部とみなし、
“ポリペプチド”及び“ペプチド”の用語に含める。
本発明のポリペプチドは、DNA組換え技術を含む該ポ
リペプチド技術分野の当業者には既知の、いかなる技術
によっても合成することができる。固相メリフィールド
型合成のような合成化学技術が、純度、抗原的特異性、
望ましくない副産物の欠除、製造の容易さ等の理由から
好ましい。利用できる多くの該技術の優れた概要が、固
相ペプチド合成については、J.M.スチュワードとJ.D.ヤ
ング(J.M.Steward and J.D.Young)、“固相ペプチド
合成",W.H.フリーマン社,サンフランシスコ,1969年;M.
ポダンスツキーら(M.Bodanszky et al.),“ペプチド
合成",ジョンウィリー アンド サンズ社,第2版,197
6年及びJ.マイエンホファー(J.Meienhofer),“ホル
モン性蛋白及びペプチド",第2巻,第46頁,アカデミッ
ク プレス(ニューヨーク),1983年に、また古典的溶
液合成については、E.シュローダーとK.キューブケとK.
キューブケ,“ペプチド類";第1巻,アカデミック プ
レス(ニューヨーク),1965年に出ており、上記のそれ
ぞれをここに参考文献として挙げる。このような合成に
使用できる適当な保護基類は上記の文献及び、ここに参
考文献として挙げるJ.F.W.マコーミー(J.F.W.McOmi
e),“有機化学における保護基",プリーナム プレ
ス,ニューヨーク,1973年に記述されている。
一般に、これらの方法には伸長中のペプチド鎖に1つ
以上のアミノ酸残基類もしくは適切に保護されたアミノ
酸残基類を連続的に付加することが含まれる。通常、該
第1アミノ酸残基のアミノ基もしくはカルボキシル基の
いずれかが適切な、選択的に除去可能な保護基によって
保護される。リジンのような反応性側基を含むアミノ酸
に対しては、別の選択的に除去可能な保護基が利用され
る。
例に挙げたような固相合成を用いて、保護しもしくは
誘導体としたアミノ酸をその非保護カルボキシル基もし
くは非保護アミノ基により不活性の固形担体に付着させ
る。該アミノ基もしくは該カルボキシル基の該保護基が
その後選択的に除去され、適切に保護された相補(アミ
ノあるいはカルボキシル)基を持つ本配列中の次のアミ
ノ酸を、該アミド結合を形成するのに適切な条件下です
でに該固形担体に付着した該残基と混合及び反応させ
る。該アミノあるいは該カルボキシル基の該保護基がそ
の後、この新たに加えられたアミノ酸残基から除去さ
れ、(適切に保護された)次の該アミノ酸がさらに加え
られ、同様に続く。所望の該アミノ酸類をすべて正しい
配列に結合させた後、残留している末端及び側基保護基
類(及び固形担体)はいずれも連続的もしくは同時的に
除去され、該最終ポリペプチドを得る。
この発明の該ポリペプチド類を便宜的にラベルあるい
は固体基質、もしくはキャリアーに付着させることがで
きる“連結子”を供給する目的で、いずれかの末端に追
加的基準を加えた場合を除けば、この発明の該ポリペプ
チド類は約12個のアミノ酸残基を含む。この発明の該ポ
リペプチド類とともに使用することができるラベル、固
体基質及びキャリアーを以下に述べる。
アミノ酸残基連続子類は通常、少なくとも1残基で、
40以上の残基も可能であるが、たいてい1から10の残基
であり、AIDS誘発ウィルス類のエピトープ類に近似の配
列類を含まない。連結に用いられる典型的なアミノ酸残
基類は、チロシン,システイン,リジン,グルタミン酸
及びアスパラギン酸等である。さらに、この発明のポリ
ペプチド配列は、たとえばアセチル化もしくはチオグリ
コール酸アミド化等の末端NH2アシル化、たとえばアン
モニア、メチルアミン等による末端カルボキシルアミド
化等により修飾されることにより、本来の配列とは異な
ることができる。
連結子によりキャリアーと結合して、本技術分野でキ
ャリアーハプテン共役体として知られるものを形成する
と、本発明のポリペプチドはHIV−1と免疫反応してこ
れを中和する抗体を誘導することができる。
C.ポリペプチド混合物類 本発明は同時に少なくとも2種のポリペプチド類の混
合物を含む組成に関し、該ポリペプチド類の1つは以下
の式で表わされるアミノ酸残基配列を有する(すなわち
表1に各アミノ酸残基配列を示しているp3及びp4の群か
ら選択される): (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンを示
す。)該混合物中に存在する第2の該ポリペプチドは、
HIV−1,HIV−2等の、AIDSを引き起こすか、もしくはAI
DSに伴なうウィルスの蛋白の一部に相当するアミノ酸残
基配列を一般に持っており、当該蛋白により誘導される
抗体と免疫反応することができる。さらに好ましくは、
該組成物は同じく表1にアミノ酸残基配列を示してある
該ポリペプチドp1,p2及び/又はp5のうちの少なくとも
1つをさらに混合して含有する。一般的には、種々の当
該ポリペプチド類はおよそ同モル量で存在する。
D.HIV−1 中和抗体を誘導するための接種物及び方法 種々の文法型での“接種物(inoculum)”という語は
ここでは、HIV−1中和抗体類を誘導するための活性成
分として以下の式で表わされるアミノ酸残基配列を持つ
ポリペプチドを含有する、医薬的に許容しうる水性希釈
剤を含む組成物を意味する: LGBWGCSGKJIC, (式中、Bはイソロイシン(I),ロイシン(L)もし
くはメチオニン(M)のいずれかを示し、かつJはヒス
チジン(H)もしくはロイシン(L)のいずれかを示
す。)上記の式で表わされるアミノ酸残基配列類を有す
る好ましいポリペプチド類p1,p2,p3及びp4である。従っ
て、免疫学的有効量で投与された場合、本発明の接種物
は、HIV−1と免疫反応してこれを中和する抗体類を誘
導する。
抗体類を誘導するためにポリペプチドを使用する場
合、該ポリペプチドは単独、もしくは共役体あるいはポ
リペプチドポリマーとしてキャリアーに結合させて使用
することができることが理解されるが、表現を易しくす
るために、本発明の該ポリペプチド類の種々の態様をこ
こでは“ポリペプチド”という用語とその種々の文法型
でひとまとめにして呼んでいる。
35個より少ないアミノ酸残基を含有するポリペプチド
については、すでに述べたように該抗体産生を誘導する
目的にはキャリアーに結合した該ペプチドを使用するの
が望ましい。
同様にすでに述べたように、該ポリペプチドをキャリ
アーに結合させるのを助けるために該アミノ末端もしく
は該カルボキシル末端に1以上のアミノ酸残基を加える
ことができる。該ポリペプチドの該アミノ末端もしくは
該カルボキシル末端に加えられたシステイン残基は、ジ
スルフィド結合により共役体を形成するにあたって特に
有効であることが見出されている。もっとも、30の共役
体類を調製するために本技術分野でよく知られた他の方
法を使用することも可能である。他の結合方法の例とし
ては、クリプステインら(Klipstein et al.),ジャー
ナル オブ ザ イン フェクショナル ディジージィ
ズ,147巻,第318−326頁,1983年等のマイケル付加反応
産物,グルタルアルデヒドのようなジアルデヒド類の利
用、もしくは該キャリアーへのアミド結合を形成たする
ための水溶性カルボジイミドの利用におけるような35カ
ルボジイミド技術の利用がある。活性反応基類による蛋
白共役あるいは結合の概要については、オーラミーズら
(Aurameas et al.),スカンジナビアン ジャーナル
オブ イムノロジィ,8巻,増刊7,第7−23頁,1978年
を参照のこと。
有用なキャリアー類は本技術分野ではよく知られてお
り、一般にそれ自身蛋白である。このようなキャリアー
類の例には、キーホールリンペットヘモシアニン(KL
H),エデスチン,チログロブリン、ウシ血清アルブミ
ン(BSA)もしくはヒト血清アルブミン(HSA)等のアル
ブミン類、ヒツジ赤血球(SRBC)等の赤血球細胞類、破
傷風トキソイド、コレラトキソイド、ポリ(D−リジ
ン:D−グルタミン酸)のようなポリアミノ酸類と同様に
B型肝炎ウィルスコア粒子もしくは該コア粒子の免疫原
性断片類等がある。
キャリアーの選択は該接種物の最終的な使用により多
く依存しており、本発明に特に包含されることのない規
準に基づく。たとえば、接種をうける特定の哺乳動物に
不適当な反応をひきおこすことのないキャリアーを選択
すべきである。
当該接種物は、一般にはキャリアーに結合した共役体
として、有効な免疫原量の本発明のポリペプチドを含
む。単位投与量あたりのポリペプチドの該有効量は、本
技術分野においてよく知られるように、特に接種される
哺乳動物の種、その哺乳動物の体重及び選択された接種
処方に依存する。接種物は、一般に一回の接種(投与)
あたり約10ミクログラムから約500ミリグラムの濃度の
ポリペプチドを含有するが、好ましくは一回投与あたり
約50ミクログラムから約50ミリグラムである。
本発明の接種物に関係する“投与単位”という用語
は、動物に対する一回投与量として適当な物理的に別々
の単位を意味し、各単位は必要な希釈剤;すなわち、担
体(carrier)もしくは賦形剤(vehicle)等とともに、
所望の免疫原性効果をもたらすように計算してあらかじ
め決められた量の活性物量を含有する。本発明の接種物
の該新規投与単位に対する明細は、ここに詳細に開示す
るように(a)該活性物質の独特の性質及び達成される
べき特殊な該免疫学的作用、及び(b)動物及びヒトに
おける免疫学的使用にむけてこのような活性物質を合成
する該技術分野に固有の限定によって指示されるととも
に、それらに直接に依存しており、これらは本発明の特
徴となっている。
接種物は一般に該乾燥固体ポリペプチド共役体から、
水性組成物を形成するように水、生理食塩水もしくはリ
ン酸緩衝化生理食塩水のような生理学的に耐容しうる
(許容しうる)希釈剤中に該ポリペプチド共役体を分散
させて調製される。
接種物は同様に該希釈剤の一部としてアジュバントも
含有してよい。完全フロイントアジュバント(CFA)、
不完全フロイントアジュバント(IFA)及びみょうばん
(alum)は本技術分野ではよく知られた物質であり、い
くつかの会社から市販品を入手できる。
HIV−1ウィルス中和抗体を誘導するために、免疫原
となる量の本発明の接種物を、マウス、ウサギ、ヤギ、
ウマ、ヒト等の哺乳動物に、一般的には経皮もしくは筋
肉内注射により投与する。投与された(接種された)該
動物はその後、該接種物中に活性成分として存在するポ
リペプチドが、中和性抗HIV−1抗体を誘導するのに十
分な期間維持管理される。必要ならば、こうして誘導さ
れた該抗体をその後採収してHIV−1に対する受動免疫
化の組成物中、もしくは生体試料中のHIV−1−TMPを検
出する診断アッセイ及びシステム中に用いることができ
る。
E.抗体類及び抗体組成類 “抗体”という用語は、ここではその種々の文法型
で、免疫グロブリン分子類及び免疫グロブリン分子類の
免疫学的に活性な部分、すなわち抗体結合部位あるいは
パラトープ(paratope)を含む分子類の意味で用いられ
る。例となる抗体分子類には、完全免疫グロブリン分子
類、準完全免疫グロブリン分子類、及び本技術分野でFa
b,Fab′,F(ab′)2及びF(v)として知られる部分を
含む該パラトープを含有する免疫グロブリン分子の部分
がある。
本発明の抗体組成物は、以下の式のポリペプチドと免
疫反応するHIV−1中和抗体分子類を含むことに特徴が
ある: (式中、Bはイソロイシン、ロイシンもしくはメチオニ
ンのいずれかを示し、Jはヒスチジンもしくはロイシン
のいずれかを示す。)好ましくは、該ポリペプチドはp3
もしくはp4である。該抗体組成物はさらに以下の式のHI
V−1 TMP関連ポリペプチド類と免疫反応する抗体類が実
質上存在しないことに特徴がある: 本発明の抗体組成は一般に、本発明の接種物で哺乳動
物を免疫し、それにより適当なポリペプチド免疫特異性
を持つ抗体分子類を該哺乳動物中に誘導することにより
産生される。該抗体分子類をその後、該哺乳動物から採
取して、たとえば免疫アフィニティクロマトグラフィー
のようなよく知られた技術により所望の程度にまで単離
する。このように産生された該抗体組成は、とりわけ、
生体試料中のHIV−1を検出するための本発明の診断方
法類及びシステム類において使用することができる。
本発明の該抗体組成物類は、完全なHIV−1 TMP分子に
よって示される該エピトープと比較すると相対的に少な
いエピトープを指向するパラトープを含有するため、天
然由来の多クローン性抗体類と比較するとオリゴクロー
ン性であるということができる。従って、該完全なTMP
分子につりあげられた天然由来の抗体類は該TMP分子上
すべてのエピトープ類に結合しポリクローナルと言われ
るのに対して、この発明の抗体類は該ポリペプチドが模
倣する相対的に少ないエピトープに結合する。
本発明はモノクローナル抗体組成物にも関する。モノ
クローナル抗体組成物は、検出限界内でHIV−1 TMPに有
効に結合することができるただ1種類の抗体結合部位を
含む。よって、本発明のモノクローナル抗体組成物は、
たとえHIV−1 TMP以外の蛋白質に結合しうる抗体類を含
有するとしても、一般にHIV−1 TMPに対して唯一の結合
親和性を示す。
モノクローナル型式に適した抗体類、一般に全抗体類
がナイマンら(Niman et al.),プロシーディング オ
ブ ザ ナショナル サイエンス,U.S.A,80巻,第4949
−4953頁、1983年が記述したハイブリドーマ技術を用い
て調製でき、参考文献としてここに入れる。簡単に言う
と、モノクローナル抗体組成物が産生されるハイブリド
ーマを形成するには、骨髄腫もしくは他の無限継代細胞
系を本発明のポリペプチドで高免疫化した哺乳動物の脾
臓から得たリンパ球と融合させる。
該骨髄腫細胞系は該リンパ球と同じ種族のものである
ことが望ましい。一般的には、129G1X+株のマウスが好
ましい哺乳動物である。本発明での使用に適したマウス
骨髄腫にはヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン
感受性(HAT)細胞系類P3×63−Ag8.653,及びSp2/0−Ag
14があるが、それぞれCRL1580及びCRL1581の名称でアメ
リカタイプカルチャーコレクション社,ロックビル,MD
から入手できる。
脾細胞は一般にポリエチレングリコール(PEG)1500
を用いて骨髄腫細胞と融合される。融合されたハイブリ
ッドはHATに対する感受性により選別される。本発明の
該抗体分子類を分泌するハイブリドーマは、実施例2で
述べる酵素結合型免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて
同定する。
本発明のモノクローナル抗体組成は、適切な該ポリペ
プチド特異性を持つ抗体分子類を分泌するハイブリドー
マを含有する栄養培地を含むモノクローナルハイブリド
ーマ培養の開始により産生することができる。該培養
は、該ハイブリドーマが該培地中に該抗体分子類を分泌
するのに十分な条件で十分な期間維持される。その後、
該抗体含有の培地を回収する。さらに該抗体分子類をよ
く知られた技術により単離することができる。
これらの組成の調製に有効な培地は、本技術分野では
良く知られていると同時に購入可能であり、合成培地
類、同系交配マウス類等を含む。合成培地の例として
は、4.5gm/lグルコース、20mmグルタミン、及び20%牛
胎児血清を添加したダルベッコの最小必須培地(DMEM;
ダルベッコら(Dulbecco et al.),バイロロジイ,8
巻,第396頁,1959年)がある。同系交配マウス株の例と
してはBalb/cがある。
上記の方法で産生された該モノクローナル抗体組成類
は、例えば、HIV−1 TMP含有性免疫反応産物の形成が求
められる診断及び治療条件で使用することができる。
F.診断システム類 本発明のキット型診断システムは、包装剤試薬とし
て、本発明のポリペプチド、ポリペプチド混合物、抗体
組成物もしくはモノクローナル抗体組成物を含む。包装
された該試薬の使用説明書も通常包含される。
ここで使用する“パッケージ”という用語は本発明の
ポリペプチド、抗体組成物もしくはモノクローナル抗体
組成物を固定範囲内に保持することができるガラス、プ
ラスチック、紙、金属薄片等の固体基質もしくは物質を
意味する。よって、たとえば、パッケージはミリグラム
量の企図されるポリペプチドを入れるために使用するガ
ラスバイアルでもよく、あるいはミクログラム量の企図
されるポリペプチドを有効に付着させてある、すなわち
抗体が免疫学的に結合できるように該ポリペプチドを連
結させてある微少滴定用プレートウェルでもよい。
“使用説明書”は一般に、該試薬濃度あるいは混合す
べき試薬と試料の相対量、試薬/試料混合物の維持時
間、温度、緩衝条件等のアッセイ方法パラメーターを少
なくとも1つ記述した明白な表記を含む。
好ましい態様では、本発明の診断システムはポリペプ
チドp3及び/又はp4、好ましくはp3とp4の混合物を含有
する。
同様に最低2つのポリペプチド類を含有する診断シス
テムであることが望ましく、ここで第1の該ポリペプチ
ド類は以下の式で表わされるアミノ酸残基配列を有す
る: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンのいずれ
かを示す。)第2の該ポリペプチド類はHIV−1,HIV−2
等のHIVによって誘導される抗体類と免疫反応すること
ができ、好ましくはp1,p2及びp5の群より選択される。
各ポリペプチドは該キット中に別々に包装されて、たと
えば別々の固形担体の一部として存在することもでき
る。好ましくは、第1と第2の該ポリペプチドは混合物
として存在し、およそ同モルで混合されるのが望まし
い。
さらに最低2つの固形担体を持つ診断システムが好ま
しく、該キット中に別々に包装されるのが好ましい。第
1の固形担体は最低2つのポリペプチド類の混合物がそ
こに有効に付着されている固体基質を含む。第1の該ポ
リペプチド類は以下の式で表わされるアミノ酸残基配列
を有し: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンのいずれ
かを示す。)また第2の該ポリペプチド類はp1及びp2の
群から選択される。第2の固形担体はポリペプチドp5が
そこに有効に付着した固体基質を含む。
好ましい態様としては、本発明の診断システムはさら
に、本発明のポリペプチドもしくは抗体分子を含有する
複合体の組成を表示することができるラベルもしくは指
示手段を含む。
ここで使用する“複合体”という語は、抗体−抗原反
応もしくは受容体−リガンド反応のような特異的結合反
応の生成物を意味する。例となる複合体には免疫反応生
成物がある。
ここで使用する“ラベル”及び“指示手段”という用
語はその種々の文法型で、複合体の存在を示す検出可能
なシグナルを作成する際に、直接あるいは間接的に含ま
れる単一原子類もしくは分子類を意味する。いずれのラ
ベルもしくは指示手段も、発現蛋白、ポリペプチドもし
くは本発明の抗体あるいはモノクローナル抗体組成の一
部である抗体分子に結合あるいは取り込まれるか、ある
いは別々に使用することができ、それらの原子類もしく
は分子類は単独もしくは他の試薬類と共役して使用する
ことができる。このようなラベル類はそれ自体、臨床診
断化学でよく知られており、他の新規蛋白法及び/ある
いはシステムとともに利用される場合に限り、本発明の
一部を構成するものである。
該ラベル手段は、抗体類あるいは抗原類にそれらを変
性させずに化学的に結合して、有効な免疫蛍光トレーサ
ーである蛍光色素(染料)を形成する蛍光ラベル化剤で
もよい。適当な蛍光ラベル化剤にはフルオレセイン イ
ソシアネート(FIC)、フルオレセイン イソチオシア
ネート(FITC)、5−ジメチルアミン−1−ナフタレン
スルホニルクロライド(DANSC)、テトラメチルローダ
ミン イソチオシアネート(TRITC)、リサミン、ロー
ダミン8200スルホニルクロライド(RB200SC)等の蛍光
色素がある。免疫蛍光分析技術の記述はアンティボディ
アズ ア トウール、マーカロニスら(Marchalonis et
al.)編集,ジョン ウィリイ アンド サンズ社,第
189−231頁,1982年のドゥルーカ(DeLuca)、“免疫蛍
光分析”に見られるが、参考文献としてここに挙げる。
好ましい態様では、該指示基はホースラディッシュ
パーオキシダーゼ(HRP)、グルコース オキシダーゼ
等の酵素である。該第一指示基がHRPあるいはグルコー
スオキシダーゼのような酵素の場合は、受容体−リガン
ド複合体(免疫反応体)が形成されたという事実を目に
見えるようにするために追加試薬類が必要である。HRP
に対するこのような追加試薬類には過酸化水素とジアミ
ノベンジジンのような酸化色素前駆物質が含まれる。グ
ルコースオキシダーゼと供に用いる有効な追加試薬は2,
2′−アジノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン−
G−スルホン酸)(ABTS)である。
放射性元素も有効なラベル化剤であり、ここでその使
用を具体的に示す。例となる放射性ラベル化剤はガンマ
線放射をおこす放射性元素である。124I,125I,128I,
132I及び51Crのようなそれ自身がガンマ線を放射する元
素は、ガンマ線放射性の放射性元素指示基類の1部類の
代表例である。特に好ましくは125Iである。有効なラベ
ル化手段のもう1つのグループは11C,18F,15O及び13N
のようなそれ自身が陽電子を放射する元素である。その
ように放射された陽電子は、該動物体内に存在する電子
と衝突してガンマ線を産生する。3Hの111インジウムの
ようなベータ線放射体も有効である。
ラベル体の結合、すなわちポリペプチド類及び蛋白質
のラベル化は本技術分野ではよく知られている。たとえ
ば、ハイブリドーマが産生した抗体分子類は該培地中の
成分として供給された放射性同位元素含有アミノ酸類の
代謝的取り込みによってラベルすることができる。例と
しては、ガルフレら(Galfre et al.)、メソッドオブ
エンザイモロジィ(Meth.Enzymol.),73巻,第3−46
頁,1981年を参照のこと。活性化作用基による蛋白共役
もしくは結合の技術が特に応用できる。例としては、オ
ーラミーズら(Aurameas et al.),スカンジナビアン
ジャーナル オブイムノロジィ、8巻,増刊7:第7−
23頁,1978年,ロッドウェルら(Rodwell et al.),バ
イオテクノロジィ,3巻,第889−894頁,1984年,及び米
国特許第4,493,795号を参照のこと。
該診断システム類は、特異的結合剤を、好ましくは別
個のパッケージとして、含むこともできる。“特異的結
合剤”とは本発明の試薬種、もしくはそれらの種を含む
複合体に選択的に結合しうる分子種であるが、それ自身
は本発明のポリペプチドあるいは抗体分子組成物ではな
い。特異的結合剤の例としては、二次抗体分子類、補体
蛋白類もしくはその断片、黄色ブドウ球菌蛋白A等があ
る。該特異的結合剤は好ましくは該試薬種にその試薬種
が複合体の一部として存在する際に結合する。
好ましい態様では、該特異的結合剤はラベルされてい
る。しかしながら、該診断システムがラベルされていな
い特異的結合剤を含む場合は、該結合剤は一般に増幅剤
もしくは試薬として使用される。これらの態様では、該
ラベル化特異的結合剤は、該増幅剤が試薬種を含有する
複合体に結合する場合に、該増幅剤に特異的に結合する
ことができる。
本発明の該診断キット類は、血清、血漿あるいは尿と
いった体液試料中の少なくとも抗HIV−1抗体類の存在
もしくは量を検出するための“ELISA"フオルマットで使
用することができる。“ELISA"は、試料中に存在する抗
原もしくは抗体を検出及び定量するために、固相に結合
した抗体もしくは抗原、及び酵素−抗原もしくは酵素−
抗体共役体を用いる酵素結合型免疫吸着剤アッセイを意
味する。該ELISA技術の記述はロスアルトス,CA,のレイ
ンジ メディカル出版社が1982年に出版したD.P.サイツ
ら(D.P.Sites et al.)による基礎と臨床の免疫学、第
4版の22章、及び米国特許第3,654,090号;第3,850,752
号;及び第4,016,043号に見られるが、これらのすべて
を参考文献としてここに挙げる。
従って、好ましい態様では、本発明のポリペプチド、
抗体分子組成物もしくはモノクローナル抗体分子組成物
は、該当する診断システム中のパッケージを含む固形担
体を形成するように固体基質に付着させることができ
る。
該試薬は一般に水性培地からの吸着によって該固体基
質に付着させるが、当業者に周知の他の付着様式も使用
できる。
有用て固体基質類も本技術分野では周知である。この
ような物質は水に不溶性で、ファルマシア ファイン
ケミカルズ社(ピスカタウェイ,NJ)からSEPHADEXの商
標で購入できる交叉結合型デキストラン;アガロース;
アボット ラボラトリーズ社、ノースシカゴ,ILから購
入できる直径が約1ミクロンから約5ミリメートルのポ
リスチレンビーズ;板,細長い片あるいはかい状等のポ
リビニルクロライド、ポリスチレン、交叉結合型ポリア
クリルアミド、ニトロセルロースもしくはナイロン基材
の膜;又はポリスチレンもしくはポリビニルクロライド
製などのチューブ、プレートもしくは微少選定プレート
ウェルが含まれる。
ここで述べるいずれの診断システムの該試薬種,ラベ
ルされた特異的結合剤あるいは増幅剤も、液体中分散あ
るいは実質的な乾燥粉体、たとえば凍結乾燥型で、溶液
中に供給することができる。該指示手段が酵素である場
合は、該酵素の基質もシステムの別個のパッケージで供
給することができる。先の述べた微少適定プレートのよ
うな固形担体及び1つ以上の緩衝剤もこの診断アッセイ
システム中に別々のパッケージ化要素として包含される
ことができる。
ここで診断システムに関して述べるパッケージ用物質
は、診断システム類に通常利用されているものである。
これらの物質にはガラス及びプラスチック(たとえば、
ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカルボネート)
ボトル類、バイヤル類、プラスチック及びプラスチック
−ホイル薄層包被等が含まれる。
G.アッセイ方法 本発明は、体液試料中のHIV−1に対する抗体類の存
在と好ましくはその量を、本発明のポリペプチドと当該
抗体類を含有する複合体を産生させることによって検出
するための方法に関する。当業者には、 そのような複合体を形成させるのに利用できるよく知
られた臨床的診断化学手法は多数あることがわかるであ
ろう。従って、ここに例となるアッセイ方法を述べる
が、本発明はそれに限定されない。
拮抗性あるいは非拮抗性のいずれかの異種間及び同種
間の種々のアッセイ計画を、本発明のポリペプチドを用
いて体液試料中のHIV−1 TMPに対する抗体の存在、及び
好ましくはその量の検出のために使用することができ
る。たとえば、本発明は抗HIV−1抗体類の存在につい
て身体試料をアッセイする方法に関し、当該方法は以下
の処置を含む: (a)体液試料を以下の式で表わされるアミノ酸残基配
列を持つポリペプチドと混合することによる免疫反応混
合物の形成: (式中、Zはイソロイシンもしくはメチオニンのいずれ
かを示す。)好ましくは、該体液試料は既知量の血液も
しくは血清あるいは血漿のような血液に由来する生成物
として供給されるが、尿、唾液、精液、膣分泌液もしく
は脳−脊髄液(CSF)も使用できる。好ましくは該ポリ
ペプチドは固形担体の一部として存在し、たとえば本発
明のポリペプチドは微少適定プレートウェルの内壁に付
着しており、それにより形成された該免疫反応混合物は
固体相及び液体相を有することになる。
(b)該試料中に存在するいずれの抗HIV−1抗体もが
該ポリペプチドと免疫反応(免疫学的に結合)してポリ
ペプチド含有性免疫反応産物を形成するのに十分な時間
と温度、すなわち約10分から約16−20時間といったあら
かじめ決定された時間と、約4度Cから約45度Cの温度
の生物学的アッセイ条件下での該混合物の維持。
生物学的アッセイ条件とは、本発明の該ポリペプチド
分子類及びアッセイを求められる該抗HIV−1抗体類の
生物学的活性が維持される条件であり、約4度Cから約
45度Cの温度範囲、約5から約9のpH範囲及び蒸留水か
ら1モル塩化ナトリウムまでの範囲のイオン強度を含
む。このような条件を最適化する方法は本技術分野では
よく知られている。
(c)形成されたいずれのポリペプチド含有性免疫反応
産物の存在に対するアッセイ、またそれにより該免疫反
応混合物中のいかなる抗HIV−1抗体類の存在も測定さ
れる。好ましくは、形成されたいずれのポリペプチド含
有性免疫反応産物の量も測定され、それにより該試料中
に存在する抗HIV−1抗体類の量が測定される。
いずれのポリペプチド含有性(抗HIV−1抗体含有
性)免疫反応産物の存在に対するアッセイも、直接的あ
るいは間接的のいずれかで、本技術分野においてよく知
られたアッセイ技術により達成することができる。たと
えば、好ましい態様では、段階(b)の該ポリペプチド
含有性免疫反応産物は以下の段階によって、段階(c)
によるアッセイのためにさらに調製される: (i)ラベル化反応混合物を形成するための、生物学的
に活性なラベルされた特異的結合剤と該ポリペプチド含
有性免疫反応産物との混合。ラベルされた該特異的結合
剤は該ポリペプチド含有性免疫反応産物中に存在するい
ずれの免疫グロブリンとも結合して、ラベルされた複合
体を形成することができる。好ましくは、ラベルされた
該特異的結合剤は異種の抗ヒトFc抗体類のような第2の
抗体分子類を含む。さらに好ましくは、ラベルされた該
特異的結合試薬は免疫グロブリン種特異性である。
(ii)こうして形成された該ラベル化反応混合物は、ラ
ベルされた該特異的結合剤がポリペプチド含有性免疫反
応産物として存在するいずれの抗HIV−1抗体類とも結
合してラベルされた複合体を形成するのに十分なあらか
じめ決められた時間にわたり生物学的アッセイ条件下に
維持される。
ラベルされた該複合体の存在をアッセイすることによ
り、該試料中の抗HIV−1抗体類の存在をアッセイする
ことになる。好ましい態様では、該複合体の一部として
結合しているラベルされた該特異的結合剤の量が測定さ
れ、それにより該試料中の抗HIV−1抗体類の存在と量
が測定できる。その量はゼロということもありうるが、
それにより該試料中には抗HIV−1抗体類は存在しな
い、すなわち検出できる限界以下であることを示してい
る。ラベルされた特異的結合剤の存在と量をアッセイす
る方法は使用された該ラベルに依存しており、このよう
なラベルとアッセイ方法は本技術分野では周知である。
他の方法として、米国特許第4,536,479号;第4,233,4
01号;第4,233,402号及び第3,996,345号に記載されてい
る方法のような同種間アッセイ法類を、処置(c)の該
ポリペプチド含有性免疫反応産物を検出するのに使用す
ることができる。該特許類の開示をここに参考文献とし
て挙げる。
実施例 1.ポリペプチド合成 ポリペプチド類p1,p2,p3,p4及びp5はメリーフィール
ド(Merrifield)、アドバンスト エンザイモロジィ,3
2巻,第221−96頁,1969年が述べた古典的固相技術を、4
30A型自動ペプチド合成器(アプライド バイオシステ
ムズ社,フォスターシティ,CA)での使用に適合された
ものを用いて合成した。ポリペプチド樹脂をフッ化水素
で分断し、抽出して、逆相18カラム(ウォーターズ ア
ソシエイツ,ミルフォード,MA)を用いて高速液体クロ
マトグラフィーで純度を分析した。
HIV−2単離株の該配列に由来するポリペプチドp5の
アミノ酸残基配列をC項の表1に示してある。比較を容
易にするために、4つの異なるHIV−1単離株に由来す
るポリペプチド類p1,p2,p3及びp4のアミノ酸残基配列を
表2に示してある。
2.ELISAシステム及び手法 1マイクログラム(μg)のポリペプチドp1,p2,p3,p
4もしくはp5を含有する100マイクロリットル(μl)の
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)をポリビニル製96ウェル
マイクロリットルプレート(マイクロテストIII,ファル
コン社)のウェル中に混合した。該プレートを、PBSが
蒸発して該ポリペプチド類がウェルの壁面上に吸着(そ
こへの有効な連結により被膜化)するように、その後37
℃で約16時間維持した。150μlのELISA希釈液〔0.2%
ポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン
(ツウイーン20)、10%加熱不活性化ウシ胎児血清(FC
S)及び0.5ミリモル(mM)チメロサル(thimerosal)を
含むPBS〕をその後各ウェル中に混合し、過剰の蛋白結
合部位を遮蔽した。
該希釈液を含むウェルを約23℃で1時間維持した後、
該希釈液を振って、あるいは吸引により除去して、本発
明の診断システム、すなわち、内壁に本発明のポリペプ
チドを有効に付着させた微少適定プレートウェル(ポリ
ペプチド被膜付ウェル)を形成した。
ELISA希釈液で1:64に希釈した各血清を100μlずつポ
リペプチド被膜付ウェル中に混合した。その結果できた
固−液相免疫反応混合物を23℃で90分維持し、ポリペプ
チド含有性免疫反応産物を形成させた。該希釈血清をそ
の後、ELISA洗浄器(イムノ ウオッシュ12,ナンク社)
を用いて吸引によりウェルから除去した。各ウェルをそ
の後ELISA洗浄液(0.2%ツウイーン20を含むPBS)で4
回洗浄し、吸引乾燥した。
アフィニティ精製によるホースラディッシュ パーオ
キシターゼラベル化ヤギ抗ヒトIgG(ベーリンガー マ
ンハイムバイオケミカルズ社)を、10%加熱不活性化FC
S及び0.5mMチメルゾールを含むPBSで30,000分の1に希
釈したものを100μlずつ各ウェル中にその後混合し
た。その結果できたラベル化反応混合物を約23℃で90分
維持し、ポリペプチド含有性のラベル化複合体を形成さ
せた。未反応のラベルされた該抗体を振って除去し、各
ウェルを前述のように洗浄及び吸引乾燥した。
100μlの発色性基質溶液〔0.4mg/ml o−フェニレン
ジアミン(OPD)及び0.01%H2O2を含むクエン酸緩衝液
(5.0g無水クエン酸及び7.0gNa2HPO4を含む500ml脱イオ
ン化水,pH5)〕を各ウェル中に混合し、顕色反応混合物
を形成させた。該顕色反応混合物を約23℃で30分間維持
した後、100μlの1M HClを各ウェル中に混合して、該
顕色反応を止めた。その結果できた溶液を、ELISA検針
器(タイターテクマルチスキャン,フローラボラトリー
ズ社,イングルウッド,CA)を用いて492ナノメーターの
吸収(OD492)についてアッセイした。血清陽性(HIV感
染)は、24の正常対照(非感染)血清の平均OD492値プ
ラス3標準偏差よりも大きいOD492値と定義した。全血
清は最低3回アッセイした。
HIV−1感染した米国人患者の血清をサンディエゴ,CA
で(n=84)、また疾病管理センター(CDC)により全
米各地から(n=79)収集した。40のHIV−1陽性の血
清の一覧表には、12名の無症候性血清陽性患者(CDCグ
ループII)、13名の全身性リンパ管皮膚病(CDCグルー
プIII)もしくはAIDS関連性複合ARC(CDCグループIV−
A)の患者、及び15名の明白なAIDS患者(CDCグループI
V−CもしくはIV−D)からの標本が含まれていた。疾
病管理センター、モービディティ モータル(Morbid.M
ortal)ウィークリィ レポート、35巻、第334頁,1976
年を参照のこと。
ザイール人のHIV−1感染患者及び健康で正常なザイ
ール人対照からの血清が1983年にキンシャサ(kinshas
a)で収集され、ブルン−ベツィネットら(Brun−Vozin
et et al.),サイエンス,226巻,第453頁,1984年によ
って特性が示された。
1980年にギニア−ビサウでHIV−2陽性の血清が収集
され、HIV−1、HIV−2及びSTLV抗原に対する免疫ブロ
ッティング(immunoblotting)及び免疫蛍光検査により
特性が示された。これはファルツら(Fultz et al.),
第3回国際AIDS会議,抄録MP.72,1987年による。
すべての血清試料はコードを付け、部分標本に分けて
−20℃で保存した。
上記の血清類の抗HIV抗体類の存在についての、ポリ
ペプチドp1,p2,p3,p4及びP5を用いてのアッセイの結果
を表3に示す。
表3から、コサンドの特許で記述されているポリペプ
チド39のカルボキシ末端の12個の残基に一致するアミノ
酸残基配列を持つポリペプチドp2は、米国人患者から得
られたHIV−1感染血清の100%と免疫反応したが、ザイ
ール人のHIV−1感染血清の88.2%しか検出しなかった
ことがわかる。
a+=陽性;−=陰性(該ペプチドELISAに対する陽性
の基準は24の陰性対照血清の一覧に対する平均OD492
ラス3標準偏差と定義した。標本は1:64の血清希釈率で
陽性もしくは陰性を判定した。) b ND=判定せず,標本量不足 同様に、ポリペプチドp2に比較すると、イソロイシン
の代わりにロイシンを含むアミノ酸残基配列のポリペプ
チドp1は該HIV−1感染の米国人血清の99.4%と免疫反
応したが、該HIV−1感染のザイール人血清の86.8%と
した免疫反応しなかった。
ポリペプチドp1及びp2と対照的に、表3に示した結果
は本発明の該ポリペプチド類、すなわちポリペプチドp3
及びp4は、検査したザイール人のAIDS血清のそれぞれ9
4.1%及び97.1%中に、抗HIV−1 TMP抗体類を検出した
ことを示している。本発明の該ポリペプチド類とポリペ
プチドp1及びp2の間の感受性の程度の違いは以下の1)
及び2)の理由により予想されなかった。すなわち、
1)ポリペプチドp1及びp2は米国人及びザイール人の両
方の血清中のHIV−1−TMP抗体類に対して同等の感受性
を持つらしい。2)ポリペプチドp1,p3及びp4の該アミ
ノ酸残基配列はすべてザイール人のHIV−1単離株類に
由来しているが、それらの抗HIV−1−TMP抗体類に対す
る感受性には予想されない差がある。
上で述べた感受性の差に対する理由はわかっていな
い。しかしながら、それらの差はHIV−1被感染に対す
るより高レベルの感受性を達成するようにp1及びp2のよ
うなポリペプチド類とともにポリペプチドp3及び/ある
いはp4を用いることができることを示唆している。さら
に、表3に示した感受性の差は、本発明のポリペプチド
をp5のようなHIV−2に特異的なポリペプチドと併用す
ることにより、HIV−1もしくはHIV−2の被感染に対し
て、HIV−2由来のポリペプチドだけを使用した場合に
達成しうるよりも高いレベルの感受性を達成することが
できることを示している。
該ザイール人のAIDS血清のうちポリペプチドp1と反応
しなかった5検体、ポリペプチドp3もしくはp4と反応し
なかった1検体、及びp1及びp4と反応した8検体につい
て、マコーミックら(MoCormic et al.),アメリカン
ジャーナル オブ ザ トロピカルメディスン アン
ド ハイジェニクス(Am.J.Trop.Med.Hyg.),36巻,第1
02頁,1987年の培養方法により感染HIV−1の存在をアッ
セイした。さらに、それらの血清について、完全ウィル
ス(ウィルスライセート)抗原(リットン バイオネテ
ィクス社,ケンジントン,MD)を使用する市販のELISA診
断システムを用いて抗HIV−1抗体類の存在をアッセイ
し、また抗原材料としてCDC HIV−1 451株を用いるウェ
スタン免疫ブロッティングにより特異的HIV−1蛋白に
対する抗体類をアッセイした。表4に示すそれらのアッ
セイの結果は、ポリペプチドp3及びp4がポリペプチドp1
とは反応しなかったザイール人血清5検体のすべてと反
応したことを示している。さらに、該ポリペプチドp1陰
性血清のうち5検体全部が感染HIV−1を含むことがわ
かったが、ウェスタンブロットアッセイでは陰性もしく
は不明であったため、本発明の該診断システム類は抗HI
V−1 TMP抗体類に対する感受性が改善された免疫アッセ
イシステムである。
3.抗体産生及び中和アッセイ リンら(Lin et al.),バイオケミストリー,18巻,
第690−697頁,1979年の方法により、交叉結合m−メレ
イミドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシニミドエステ
ルを用いて、ポリペプチドp1を該カルボキシ末端システ
イン残基でキーホールリンペットヘモサイアニン(KL
H)キャリアー蛋白に結合させた。免疫化前血清試料を
採取した後、2匹のウサギにそれぞれ0日目に1mlの完
全フロインド補助液中に浮化した250μgの結合ポリペ
プチドを6ケ所皮下注射した。14日目に、該ウサギ類に
不完全フロインド補助液中の250μgの結合ポリペプチ
ドを皮下注射した。21日目に、1mlのみょうばん(alu
m)懸濁液中の250μgの結合ポリペプチドをそれらの腹
膜内注射した。3回目の注射の後7日目及び14日目にウ
サギの血清を採取し、−20℃で保存した。抗体濃度は実
施例2の該ELISAの手法で測定した。
該ウサギ抗ポリペプチドp1抗血清のHIV−1感染力中
和能力を、チャンら(Chanh et al.),EMBO,5巻,第306
5−71頁,1986年が報告したのと同じ逆転写酵素(RT)活
性アッセイによって測定した。表4に示すこの試験の結
果は、本発明の接種物による免疫化がHIV−1中和抗体
類を誘導することを示している。
上記の具体的態様及び実施例を含む明細書は、本発明
を具体的に示すことを意図したものであり、これらに限
定されるものと解釈すべきではない。本発明の真の目的
と範囲からはずれることなく、数多くの変化及び改良を
遂げることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 The Journal of In fectious Diseases, Vol.156(2),(1987)p261− 267 Cell,Vol.46(1), (1986),p63−74 Science Vol.237, (1987)p1346−1349 Nature,Vol.326(1987), p662−669 J.Virol.,Vol.61 (1987)p2639−2641 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/16,7/08,7/06 G01N 33/569 A61K 38/00 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンのいずれ
    かを示す) のアミノ酸残基配列で表わされる12個のアミノ酸残基か
    らなるポリペプチド。
  2. 【請求項2】 で示される請求の範囲1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 で示される請求の範囲1に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】抗HIV抗体を検出するための組成物であっ
    て、少なくとも2種のポリペプチドの混合物を含み、第
    1のポリペプチドは、以下の式: (式中、Zのイソロイシン若しくはメチオニンのいずれ
    かを示す) の配列で表わされる12個のアミノ酸残基からなり、かつ
    第2のポリペプチドは、ヒト免疫不全ウィルスによって
    誘導される抗体と免疫反応することができることを特徴
    とする組成物。
  5. 【請求項5】第2のポリペプチドが、以下の式から成る
    群: から選ばれた式で表わされるアミノ酸残基配列を有す
    る、請求の範囲4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】体液試料中の抗HIV−1抗体の存在をアッ
    セイする方法であって、以下のa)〜c)の工程、すな
    わち: a)以下の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンのいずれ
    かを示す) の配列で表わされる12個のアミノ酸残基からなるポリペ
    プチドと、体液試料とを混合することにより免疫反応混
    合物を形成する工程; b)該試料中に存在する抗HIV−1抗体が前記ポリペプ
    チドと免疫反応してポリペプチド含有性免疫反応産物を
    形成するのに十分な時間にわたり、生物学的アッセイ条
    件下に該免疫反応混合物を維持する工程;及び c)形成したポリペプチド含有性免疫反応産物の存在を
    アッセイし、もって該試料中の抗HIV−1抗体の存在を
    アッセイする工程、 を含むことを特徴とするアッセイ方法。
  7. 【請求項7】該ポリペプチド含有性免疫反応産物が工程
    (c)によるアッセイのためにさらに以下の工程によっ
    て調整される、請求の範囲6に記載の方法: (i)前記ポリペプチド含有性免疫反応産物中に存在す
    るヒト免疫グロブリンと結合しうるラベルされた抗体分
    子を該ポリペプチド含有性免疫反応産物と混合すること
    により、ラベル化反応混合物を形成する工程、及び (ii)ラベルされた該抗体が前記ポリペプチド含有性免
    疫反応産物として存在する抗HIV−1抗体と免疫反応し
    てラベル化複合体を形成するのに十分な時間にわたり生
    物学的アッセイ条件下で、(i)で形成された該ラベル
    化反応混合物を維持する工程。
  8. 【請求項8】工程(a)の該混合に先立ち該ポリペプチ
    ドを固体基質に付着させる、請求の範囲7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】体液試料中の抗HIV−I抗体の存在をアッ
    セイする方法であって、以下の(a)〜(c)の工程、
    すなわち: a)体液試料を、少なくとも2種のポリペプチドの混合
    物を含む組成物であって、第1のポリペプチドは、以下
    の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンのいずれ
    かを示す) の配列で表わされる12個のアミノ酸残基からなり、かつ
    第2のポリペプチドが、以下の式から成る群: から選ばれた式で表わされる該組成物と混合することに
    より免疫反応混合物を形成する工程; b)該試料中に存在するHIV抗体が前記ポリペプチドと
    免疫反応してポリペプチド含有性免疫反応産物を形成す
    るのに十分な時間にわたり、生物学的アッセイ条件下に
    該免疫反応混合物を維持する工程;及び c)形成したポリペプチド含有性免疫反応産物の存在を
    アッセイし、もって該試料中の抗HIV抗体の存在をもア
    ッセイする工程; を含むことを特徴とするアッセイ方法。
  10. 【請求項10】該ポリペプチド含有性免疫反応産物が工
    程(c)によるアッセイのためにさらに以下の工程によ
    って調整される、請求の範囲9に記載の方法: (i)免疫反応産物として存在するヒト免疫グロブリン
    と結合しうるラベルされた抗体分子を該ポリペプチド含
    有性免疫反応産物と混合することにより、ラベル化反応
    混合物を形成する工程、及び (ii)ラベルされた抗体がポリペプチド含有性免疫反応
    産物として存在する抗HIV抗体と免疫反応してラベル化
    複合体を形成するのに十分な時間にわたり生物学的アッ
    セイ条件下で、(i)で形成された該ラベル化反応混合
    物を維持する工程。
  11. 【請求項11】工程(a)の該混合に先立ち該ポリペプ
    チドを固体基質に付着させる、請求の範囲9に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】体液試料中の抗HIV−1抗体の存在をア
    ッセイするキット型診断システムであって、以下の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンを示す) のアミノ酸残基配列で表わされるポリペプチドを含有す
    るパッケージを含むことを特徴とする診断システム。
  13. 【請求項13】体液試料中の抗HIV抗体の存在をアッセ
    イするキット型診断システムであって、少なくとも2種
    のポリペプチドを含有するパッケージを含み、第1のポ
    リペプチドが、以下の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンを示す) のアミノ酸残基配列で表わされ、第2のポリペプチド
    が、ヒト免疫不全ウィルスによって誘導される抗体と免
    疫反応しうることを特徴とする診断システム。
  14. 【請求項14】該第2のポリペプチドが以下の式から成
    る群: から選ばれた式で表わされるアミノ酸残基配列を有する
    請求の範囲13に記載の診断システム。
  15. 【請求項15】該第1及び第2のポリペプチドが混合さ
    れている、請求の範囲13に記載の診断システム。
  16. 【請求項16】ポリペプチド含有性免疫反応産物の存在
    を表示するラベルされた特異的結合剤を別個のパッケー
    ジ中にさらに含有する、請求の範囲13に記載の診断シス
    テム。
  17. 【請求項17】該ポリペプチドが固体基質に付着した、
    請求の範囲13に記載の診断システム。
  18. 【請求項18】(a)以下の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンを示す) のアミノ酸残基配列で表わされるポリペプチドが有効に
    付着している固体基質を含む第1の固体担体;及び (b)以下の式からなる群: から選ばれた式で表わされるアミノ酸残基配列を有する
    ポリペプチドが有効に付着している固体基質を含む第2
    の固形担体: を含むことを特徴とするキット型診断システム。
  19. 【請求項19】(a)少なくとも2種のポリペプチドの
    混合物が有効に付着している固体基質を含む第1の固形
    担体であって、第1のポリペプチドが以下の式: (式中、Zはイソロイシン若しくはメチオニンを示す) のアミノ酸残基配列で表わされ、第2のポリペプチドが
    以下の式から成る群: から選ばれた式で表わされるアミノ酸残基配列を有する
    第1の固体担体; 及び (b)以下の式: で表わされるアミノ酸残基配列を有するポリペプチドが
    有効に付着している固体基質を含む第2の固形担体: を含むことを特徴とするキット型診断システム。
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