JP2902197B2 - 大気圧イオン化質量分析装置 - Google Patents

大気圧イオン化質量分析装置

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JP2902197B2 JP4018121A JP1812192A JP2902197B2 JP 2902197 B2 JP2902197 B2 JP 2902197B2 JP 4018121 A JP4018121 A JP 4018121A JP 1812192 A JP1812192 A JP 1812192A JP 2902197 B2 JP2902197 B2 JP 2902197B2
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    • H01J49/165Electrospray ionisation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気圧イオン化法(A
tmospheric PressureIoniza
tion 、略称はAPI)、あるいは化学イオン化な
どの分子反応によるイオン化機能を利用した大気圧イオ
ン化質量分析装置に係り、とくに多価イオンの分析精度
の向上を計った大気圧イオン化質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大気圧イオン化法の1つであるエレクト
ロスプレイイオン化法(Electro Spray
Ionization,ESI)を利用した液体クロマ
トグラフ直結型質量分析計(LC/ESI質量分析計)
は、従来の電子衝撃形イオン化を利用したガスクロマト
グラフ直結形質量分析計に比べ、そのイオン化機構にお
いて衝撃少なく穏やかに試料をイオン化しているためイ
オン化の際の試料の分解が少なく、とくにペプチド等の
高分子の測定における擬分子イオンや多価イオンが観察
し易くなるという特徴を有している。
【0003】図2は、上記LC/ESI質量分析計の概
念図である。液体クロマトグラフ1より溶出する試料お
よび移動相は試料パイプ2を通ってESIプローブ3に
送られネブライザーガス4と共にその先端より霧化され
る。上記霧化試料は電界により帯電,加速されて第1細
孔電極6を通過し中間圧力部5内に導入される。上記電
界はESI電源20とイオン加速電源13、およびドリ
フト電源14等により与えられる。
【0004】上記霧化の初期において、霧化試料は移動
相(試料の溶媒膜)に包まれた粒子状を呈し、ESI電
源20の高電圧(約5〜8kv)により帯電した状態と
なっている。この霧化試料液滴は第1細孔電極6に達す
る間に移動相成分の蒸発により次第に小さくなり試料分
子イオンに変化する。すなわち、試料粒子が小さくなる
とその表面に存在する移動相層の表面張力よりも試料イ
オンと移動相電荷間のクーロン反発力の方が大きくなる
ので、試料粒子内部の試料イオンが移動相層を飛び出し
試料分子のみのイオンに変化する。この現象をIon
Evaporationと呼ぶ。
【0005】この試料分子イオンは第1細孔電極6を通
り、さらに、第2細孔電極7を通って質量分析部8に送
られ、質量分析される。上記質量分析においては、入射
される試料分子イオンの質量のバラツキが少ないほど、
分析感度が向上する。また、上記Ion Evapor
ationは、イオン化傾向の大きい試料ほど効率が高
いので、例えばペプチドのようなNH,OH,CO等の
高い極性を有する高分子試料を高感度で測定することが
でき、特に、医用分析分野で注目を集めている。上記高
分子試料は熱破壊され易いため、GC質量分析計では全
く測定が不可能であった。
【0006】しかしながら、上記Ion Evapor
ationによりイオン化される実際の試料分子には未
だ相当数の移動相分子、とくに水の分子が付加してお
り、中間圧力部5を通過する際に中性分子との衝突によ
り部分的に解離されるものの、水分子が付着した状態の
試料分子イオンも第2細孔電極7を通過する。周知のこ
とであるが、通常、LCに使用する分析カラムが、汎用
カラムの場合には導入する移動相流量が相当量必要であ
る。一方、ESIプローブ3に導入する移動相を増やす
と、霧化される帯電液滴の大きさは大となり、さらに、
水分子が付着した状態の試料分子イオンが増えることに
なる。上記水分子が付着している試料分子イオンは質量
分析部8内の電場10の入り口までの自由空間や電場1
0内で中性粒子と衝突し水分子が解離される。
【0007】水分子の解離を電場10を通過する試料分
子イオンの運動エネルギー幅より求めると、試料がイン
シュリン(分子量;5,735)の場合、一個の試料分
子から解離される水の分子数は、30個から60個であ
る。同様に電場10の出口から磁場11の出口までの空
間内でも試料分子イオンは中性粒子と衝突により水分子
を解離する。上記のように水分子は磁場11の入口まで
に相当数が解離されるものの、残存量が大きいと試料分
子イオンの質量のばらつきが大きくなり、その殆どが検
出器12に到達できないため分析感度が低下することに
なる。
【0008】図4は上記図1の従来装置で測定した牛の
インシュリンのマススペクトル測定結果例である。m/
z=1000〜1850にかけて存在するはずのイオン
ピークがランダムなイオンピーク群にマスクされて判別
できず、また測定の都度上記イオンピーク群がばらつく
ので到底有為なデータにはならないことがわかる。その
原因の一つとして、液滴が大きくなると、第一細孔電
極、第2細孔電極の表面に該液滴が付着し、場合によっ
ては瞬間的に該細孔を塞いでしまうことになる。また、
第1細孔電極と第2細孔電極の表面の汚れやその目詰ま
りが促進されいわゆる、チャージアップが発生し、細
孔を通過するイオン量が不安定となつたり、気化ガスの
指向性を悪くするからであるといわれていた
【0009】そこで、上記欠点を改良するために、特開
昭60−79657号公報,特開昭60−127453
号公報記載の技術があり、US.Pat.No.4,9
77,320記載の技術が提案されている前記特開昭
60−79657号公報記載の技術は、「細孔を有する
第1細孔電極と、差動排気部と、差動排気部に存在する
第2細孔電極とよりなる大気圧分析計のイオン源におい
て、前記第1細孔電極と第2細孔電極を加熱し、これら
細孔の目づまりや汚れを防止するようにしたものであ
前記特開昭60−127453号公報記載の技術
は、液体試料を気化してイオン源室に導き、ここでコロ
ナ放電用針電極への電圧印加で大気圧下でイオン化して
細孔を介して真空の質量分析計へ送りこむ大気圧イオン
化試料分析計に送りこむ試料導入装置において、外周部
に加熱源を備えて一方端から注入される液体試料を温度
制御可能に加熱して気化させ、他方端から霧状のジェツ
ト流として噴出 させ、他端をイオン源室に接続する構成
にしたものである。また、上記水分子の解離の不十分を
防止するための、US.Pat.No.4,977,3
20記載の技術では、図3に示すように、第1細孔電極
6の前部にヒータ22を巻きつけた細管21を設け、細
管21の先端よりESIプローブ3が噴射する霧化試料
を導入するようにしたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭60−79
657号公報記載の技術は、気体イオンを対象とした大
気圧イオン化質量分析計のイオン源であり、試料を含む
微小帯電液滴に対して配慮が不十分であるという問題点
があった。上記特開昭60−127453号公報記載の
技術も、液体試料を加熱しパイプにより、空気中に噴霧
するものであり、微小帯電液滴を対象とするものではな
く、分析精度への配慮が不十分であるという問題点があ
った。上記US.Pat.No.4,977,320の
開示技術では、ヒータを細管に直接巻きつけるために温
度分布が不均一となり、イオンの熱分解が生じ分析精度
への配慮が不十分でありるという問題点があった
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決するためになされたもので、微小帯電液滴の生成に
対しても十分な配慮がされ、試料導入部の温度分布が均
一となり、イオンの熱分解が生ずることに対する配慮も
十分になされ、該微小帯電液滴の脱溶媒を行うと共に
構造を堅牢化してメインテナンスを容易化し、同時に分
子量が、例えば10000以上の蛋白質試料を感度高
く、且つ安定に分析することのできる大気圧イオン化質
量分析装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る大気圧イオン化質量分析装置の構成
は、試料を含んだ微小帯電液滴を大気圧下で生成させる
イオン化部と、中間圧力室と、前記中間圧力室より圧力
の低い質量分析室を有する質量分析装置において、前記
中間圧力室の圧力が大気圧より低く維持されるように排
気抵抗をもって前 記イオン化部と前記中間圧力室の間に
設けられた細管と、発熱体と、前記発熱体と前記細管の
間に設けられて前記発熱体の発生する熱を前記細管に伝
導する熱伝導体を有し、前記イオン化部で生成された微
小帯電液滴は、前記細管を通過することにより脱溶媒さ
れ、さらに、前記中間圧力室を介して前記質量分析部に
導かれて質量分析されることを特徴とするするものであ
る。前記記載の大気圧イオン化質量分析装置において、
該熱伝導体は金属であることを特徴とするものである。
前記記載の大気圧イオン化質量分析装置において、該細
管は金属であることを特徴とするものである。前記記載
の大気圧イオン化質量分析装置において、該熱伝導体
は、前記細管の一方端から他方端までほぼ接触するよう
に構成してあることを特徴とするものである。前記記載
のいずれかの大気圧イオン化質量分析装置において、該
発熱体を複数設けたことを特徴とするものである。前記
記載の大気圧イオン化質量分析装置において、該複数の
発熱体を前記細管の軸方向の異なった位置にそれぞれ設
けたことを特徴とするものである。前記記載のいずれか
の大気圧イオン化質量分析装置において、該発熱体によ
り、上記細管の先端部を比較的つよく加熱するようにし
たことを特徴とするものである
【0013】
【作用】本発明に係る大気圧イオン化質量分析装置の構
成を、試料を含んだ微小帯電液滴を大気圧下で生成させ
るイオン化部と、中間圧力室と、中間圧力室より圧力の
低い質量分析室を有する質量分析装置で、中間圧力室の
圧力が大気圧より低く維持されるように排気抵抗をもっ
てイオン化部と中間圧力室の間に設けられた細管と発熱
体の発生する熱を細管に伝導する熱伝導体とを設けるこ
とにより、中間圧力室の真空洩れが防止され、均一に細
管が熱伝導体で加熱され、微小帯電液滴が効率的に脱溶
媒され、質量分析の精度を向上させることができる
【0014】
【実施例】図1は本発明による第1細孔電極61を採用
した大気圧イオン化質量分析装置実施例の部分図であ
る。図1においては第1細孔電極61にヒータ23が付
加されている点が図2と異なり、また、第1細孔電極6
1の長さが図2の第1細孔電極6の開口部長さ(肉厚)
の0.2mmに較べて略5mmに増やされている点が異
なっている。図1において、ESIプローブ3の先端よ
り噴射される霧化試料と移動相は液滴上の移動相の蒸発
と破裂を繰返して小径化され、イオン化されて第1細孔
電極61に達する。
【0015】次いで第1細孔電極61内における加熱に
より試料分子イオンと水の分子との結合状態が不安定化
され、中間圧力領域5内において電界加速されて中性粒
子と衝突して移動相分子、とくに水の分子が試料分子イ
オンから解離される。実用的には第1細孔電極61と第
2細孔電極7間電圧を100〜150v、第1細孔電極
の温度を120℃、中間圧力部5の真空度を約0.5T
orr程度に設定すると試料分子の平均自由行程は0.
1mmになり、約7mmの中間圧力領域5内を移動する
間に試料分子イオンは中性粒子と約70回衝突する。上
記多数回の衝突により試料分子イオンから水分子を含む
移動相分子が解離され、試料分子イオンの質量は均一化
される。
【0016】また、上記第1細孔電極61の温度が高い
ほど上記解離が進むものの試料分子イオンの熱破壊も進
行するので、本発明では第1細孔電極61の温度を80
〜140℃の間に設定する。また、本発明においては中
間圧力部5の真空度を0.1〜1Torr の間に保つ
ようにする。このとき、80〜140℃の第1細孔電極
61を通過し中間圧力部5に導入された試料分子イオン
には、中間圧力部5内における中性粒子との衝突により
水の分子を最も効率良く解離するために必要な運動エネ
ルギーが与えられる。なお、このときの試料分子イオン
の平均自由工程は0.05〜0.5mmである。
【0017】また、第1細孔電極61の温度を150
℃、あるいは180℃のように高くすると分析結果に現
れる試料分子イオンピーク値は逆に低下することよりみ
て上記0.1〜1Torr という真空度値が適当と判
断できる。上記真空度を0.1Torr よりも高く
し、さらにドリフト電源14の電圧を高めると、電荷数
が少ないイオンのピーク値が高くなるもののESIイオ
ン分析が目的とする電荷数が多いイオンのピーク値が相
対的に低下するという問題が発生する。また、上記真空
度を1Torrより低くすると、中間圧力部5内におけ
る試料イオンの散乱が増え分析感度は急激に低下する。
このように、第1細孔電極61の温度と、中間圧力部5
の真空度にはそれぞれ最適範囲が存在する。
【0018】図5は以上の条件を満たしてた場合の牛の
インシュリンのマススペクトル測定データである。図4
に示した従来データに較べて、牛のインシュリン固有の
マススペクトルがm/z=957,1148,1435
等において明瞭に得られることがわかる。
【数1】 数1は上記第1細孔電極61の通過により移動相成分が
完全に気化される入射霧化試料粒子の半径rの範囲を与
える理論式である。
【0019】これより、例えば(TN−Td)=100
℃とすると、図1ではX=0.005mであるからr<
0.05μmの範囲の霧化試料の移動相成分を完全に気
化できることになる。これに対して図2の従来装置では
X=0.002mと短くなっており、さらにヒータを備
えていないので上記(TN−Td)が低いため、上記図
5と図4間の相違が生じたものと思われる。
【0020】では、第1細孔の長さXの最適値はどのよ
うな範囲にあるのであろうか。第1細孔の内径を細くし
てその長さを長くすれば良いことは自明であるが、図1
に示すように、第1細孔電極61の厚みを厚くして、そ
こに細孔を穿つことには実際上限度がある。そこで本発
明では図6に示すように所要の内径を有するパイプ16
を利用するようにする。
【0021】前述のように、第1細孔を介して中間圧力
部5内の真空がリークする。このリーク量は内径の4乗
に比例するので上記のように内径を0.5mm程度から
0.1mm程度に低めると、リーク量は略600分の1
に低下する。したがって、リーク量の観点からは、第1
細孔径を細めればその長さを大幅に短くできることにな
る。
【0022】図2の従来装置では第1細孔電極61に容
易に加工できる細孔の直径は0.5mm程度であった。
しかし、上記パイプ16を用いる場合はその直径を0.
1mm程度にまで狭めることができる。また、上記パイ
プは入手容易であり、その直径を0.4mm以下にすれ
ば、実用的にみて中間圧力部の真空洩れの問題は楽に回
避できる。また、上記パイプ16の外径は通常は1/1
6インチ(1.58mm)以上であり、これに対応して
ドリル加工容易な第1細孔電極61の取り付け孔の長さ
は50mm程度である。パイプ16は上記取り付け孔に
挿入されて溶接または銀ロー付けされる。
【0023】図7は上記パイプ16の端部を比較的薄い
第1細孔電極61の孔に取付けた場合であり、この場合
も取付け加工容易なパイプ16の長さは略50mmであ
る。上記のようにパイプ16の長さを50mm程度、ま
たはそれ以下にすると、例えばタングステンワイヤをパ
イプ16内に通して試料の詰まりを容易に除くことがで
き、また、その際にパイプ16を曲げたり、損傷するこ
ともないので、第1細孔電極部の保守が容易となり、保
守のために装置稼働停止にする時間も極めて短くなるの
で装置全体のスループットを向上することができるので
ある。
【0024】また、超音波により上記パイプ16内を洗
浄することもできる。この場合には第1細孔電極61や
ヒータ23等を取り外す必要があるが、その際にパイプ
16の長さが50mm以下と短いのでこれを取扱中に損
傷することがない。上記のようにパイプ16の長さを短
くすることにより、図3に示したUS.Pat.No.
4,977,320の装置における細管21の洗浄,交
換等が極めて困難という問題を完全に解消することがで
きる。
【0025】すでに図4により第1細孔電極61の孔の
長さが5mmと短い場合でも十分な高分子の分析精度が
得られることを示した。パイプ16の長さを50mm程
度までのばした場合はどうであろうか。図8は上記パイ
プ16の長さを20mmにした場合、図9はこれを20
mmにした場合の牛のインシュリンの分析結果例であ
る。図8の結果は従来装置では到底期待することのでき
ないような高い感度が本発明により得られることを示し
ている。しかし、図9になると感度が目だって減少して
おり、これよりパイプ16を長くし過ぎると感度が減少
することがわかる。したがってパイプ16の長さは50
mmが限度と結論付けることができる。
【0026】上記感度はパイプ16の加熱方法によりさ
らに改善することができる。すなわち、試料分子はパイ
プ16内では断熱膨張により温度が急激に低下する。一
方、第1細孔電極61からの熱伝導によりパイプ16を
加熱するようにするとその先端部の温度は最も低くなる
ので試料分子の加熱度は最も低く、このため試料分子の
脱移動相効果も低い。したがって、パイプ16の先端部
を相対的に強く加熱することにより上記難点を改善する
ことができる。
【0027】図10はパイプ16を全長に所要の温度分
布を与えることのできる本発明の実施例の断面図であ
る。パイプ16にはヒータ24が嵌合され、ヒータ24
は例えば金属材のヨークと複数のヒータ巻線26,27
等により構成されている。ヒータ巻線26,27等に供
給する電力を別個に制御することにより、パイプ16の
長手方向に任意の温度分布を与えることができる。
【0028】上記試料分子の断熱膨張は、必ずしもパイ
プ16の中で一様に起るとは限らない。例えばパイプ1
6の出口付近では真空度が高いので上記断熱膨張も大き
いと考えられる。また出口付近の真空度や試料ガスの粘
性,平均温度等にも影響される。したがって、最良の分
析感度を得るには実験的にパイプ16の温度分布を設定
する必要があり、必要によっては上記ヒータ巻線の数を
増やしてそれぞれの温度を別個に制御するようにする。
また、ヒータ24は上記温度分布を自由に決定できるも
のであれば図10の構造に限られることはない。
【0029】
【発明の効果】上記詳細に説明した如く、本発明の構成
によれば、試料を含む微小帯電液滴に対しては配慮が十
分であり、中間圧力室により該装置の真空洩れを防止す
るようにし、均一に細管が熱伝導体で加熱され、微小帯
電液滴の熱分解に対する配慮も十分にし、微小帯電液滴
が効率的に脱溶媒され、質量分析の精度を向上した大気
圧イオン化質量分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるイオン化部と分析部の実施例の
部分断面図である。
【図2】従来のLC/ESI質量分析計の概念図であ
る。
【図3】従来装置の分析部の部分断面図である。
【図4】図2の装置における牛インシュリンのマススペ
クトル測定データ例である。
【図5】図1に示した本発明装置における牛インシュリ
ンのマススペクトル測定データ例である。
【図6】本発明による第1細孔電極の断面図である。
【図7】本発明による第1細孔電極の断面図である。
【図8、9】本発明実施例装置における牛インシュリン
のマススペクトル測定データ例である。
【図10】本発明による他の第1細孔電極の断面図であ
る。
【符号の説明】
1…液体クロマトグラフ、2…試料パイプ、3…ESI
プローブ、4…ネブライザーガス、5…中間圧力部、
6,61…第1細孔電極、7…第2細孔電極、8…質量
分析部、9…データ処理装置、10…電場、11…磁
場、12…検出器、13…イオン加速電源、14…ドリ
フト電源、16…パイプ、21…細管、22,23,2
4…ヒータ、25…ヨーク、26,27…ヒータコイ
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−79657(JP,A) 特開 昭60−127453(JP,A) 米国特許4977320(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/62 G01N 30/72 H01J 49/00 - 49/48

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を含んだ微小帯電液滴を大気圧下で
    生成させるイオン化部と、中間圧力室と、前記中間圧力
    室より圧力の低い質量分析室を有する質量分析装置にお
    いて、前記中間圧力室の圧力が大気圧より低く維持され
    るように排気抵抗をもって前記イオン化部と前記中間圧
    力室の間に設けられた細管と、発熱体と、前記発熱体と
    前記細管の間に設けられて前記発熱体の発生する熱を前
    記細管に伝導する熱伝導体を有し、前記イオン化部で生
    成された微小帯電液滴は前記細管を通過することによ
    り脱溶媒され、さらに、前記中間圧力室を介して前記質
    量分析部に導かれて質量分析されることを特徴とする大
    気圧イオン化質量分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の大気圧イオン化質量分析
    装置において、該熱伝導体は金属であることを特徴とす
    る大気圧イオン化質量分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2記載のいずれかの大気圧イ
    オン化質量分析装置において、該細管は金属であること
    を特徴とする大気圧イオン化質量分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項2、3記載の大気圧イオン化質量
    分析装置において、該熱伝導体は、前記細管の一方端か
    ら他方端までほぼ接触するように構成してあることを特
    徴とする大気圧イオン化質量分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3記載のいずれかの大気
    圧イオン化質量分析装置において、該発熱体を複数設け
    たことを特徴とする大気圧イオン化質量分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の大気圧イオン化質量分析
    装置において、該複数の発熱体を前記細管の軸方向の異
    なった位置にそれぞれ設けたことを特徴とする大気圧イ
    オン化質量分析装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6記載のいずれかの大気
    圧イオン化質量分析装置において、該発熱体により、上
    記細管の先端部を比較的、つよく加熱するようにしたこ
    とを特徴とする大気圧イオン化質量分析装置
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