JP2902054B2 - ヒト型結核菌の検出方法 - Google Patents

ヒト型結核菌の検出方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ヒト型結核菌(即ち、ミコバクテリウム・
チュベルクロシス;Mycobacterium tuberculosis)の検
出方法に関する。
[従来の技術] ヒト型結核菌は、ヒトの結核の病原微生物であり、そ
の検査は臨床上極めて重要である。ヒト型結核菌は、ヒ
トに対して強い病原性を示し、ほとんど全ての臓器およ
び組織に結核性病変を起こす。特に肺結核が圧倒的に多
い。ミコバクテリア(Mycobacteria)属に属する微生物
として、前記のヒト型結核菌のほかに、非定型抗酸菌例
えばウシ型結核菌(即ち、ミコバクテリウム・ボビス;
M.bovis)またはトリ型結核菌(即ち、ミコバクテリウ
ム・アビウム;M.avium)が知られている。これらの非定
型抗酸菌は病原性が弱いが、ヒト、特にヒトの肺をしば
しば侵す。しかし、肺結核と臨床症状が酷似しているた
め、その鑑別が極めて重要である。従って、ヒト型結核
菌の同定と非定型抗酸菌との分別を短時間に行なうこと
は、的確な化学療法を実施するにあたり、特に重要な意
義を有する。
従来、結核菌の検出方法としては培養法が汎用されて
いた。例えば、特公昭51−7723号公報には、小川培地に
結核菌を接種して培養し、ヒト型結核菌とウシ型結核菌
とを識別する技術が記載されている。しかしながら、こ
れら従来の培養法によれば、培養に3〜8週間の期間が
必要であり、更に最終的な同定に2〜4週間かかる。従
って、早期診断には不都合であった。
一方、早期診断方法として、特開昭63−180859号公報
には、ヒト型結核菌に特異的なモノクローナル抗体をハ
イブリドーマ細胞にラインによって産生させ、このモノ
クローナル抗体を用いる測定方法が記載されている。し
かし、この方法では被検試料の前処理が煩雑であった。
また、各種の結核菌に特異的なI125ラベル化DNAプロー
ブを用いるハイブリダイゼーション法も開発されている
(例えば、Diagn.Microbiol.Infect.Dis.1987;8:69−7
8)。しかしながら、この方法は放射性物質を用いるの
で特殊な設備を必要とし、更に、臨床試料からヒト型結
核菌を直接的に検出・同定することが必ずしも常に可能
なわけではなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は、臨床試料中に含まれているヒト型結核菌
の早期検出を実現するために種々研究を重ねた結果、特
定のDNAプライマーを用いて、臨床試料中のヒト型結核
菌DNAを増幅することによって、ヒト型結核菌を特異的
に、高感度で、しかも迅速に検出・同定することができ
ることを見いだした。従って、本発明の目的は、ヒト型
結核菌を特異的に、高感度で、しかも迅速に検出・同定
する手段を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的は、本発明により、式 で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマーと、式 で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマーと、DNAポリメラーゼと、
水性液体被検試料とを含む混合液をDNA増幅工程にか
け、続いて、得られた反応液をDNA検査工程にかけるこ
とを特徴とする、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberc
ulosis)の検出方法によって達成することができる。
本明細書においては記載の簡略化のために以下の記号
を用いる。
A:アデニン C:シトシン G:グアニン T:チミン DNA:デオキシリボ核酸 tRNA:転写リボ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dNTP:デオキシヌクレオシド三リン酸 bp:塩基対 本発明では、PCR(polymerase chain reaction)法を
DNA増幅工程として用いることができる。PCR法を利用す
ると、微量の細胞DNAから、目的とするDNA領域のみを自
動的に約100万倍にまで増幅することができる(Scienc
e,239:487−491,1988)。PCR法では、増幅させるDNA領
域を挟んで+鎖および−鎖に対する2種のDNAプライマ
ーと、耐熱性DNAポリメラーゼとを用いて増幅サイクル
を繰り返す。
本発明方法で用いることのできる第1および第2のDN
Aプライマーは、ヒト型結核菌DNAにおいて、ヒト型結核
菌DNAが有する特異的タンパク質である19kDaタンパク質
をコードするDNA配列の上流5′側の約16〜30塩基のオ
リゴヌクレオチドおよび3′側の約16〜30塩基のオリゴ
ヌクレオチドである。具体的には、第1のDNAプライマ
ーとして、塩基配列 からなるヘキサデカヌクレオチド部分を少なくとも含有
するオリゴヌクレオチド、好ましくは塩基配列 からなるエイコサヌクレオチド部分を少なくとも含有す
るオリゴヌクレオチドを用いることができる。
また、本発明方法では第2のDNAプライマーとして、
具体的には、塩基配列 からなるヘキサデカヌクレオチド部分を少なくとも含有
するオリゴヌクレオチド、好ましくは塩基配列 からなるエイコサヌクレオチド部分を少なくとも含有す
るオリゴヌクレオチドを用いることができる。
第1および第2のDNAプライマーとして、16塩基未満
のオリゴヌクレオチドを用いると特異性が充分ではない
ので好ましくない。また、30塩基を越えるオリゴヌクレ
オチドを用いると自己重合する可能性が高くなるので好
ましくない。
本発明方法で用いる第1および第2のDNAプライマー
を構成する各塩基は、当業者に公知の任意の態様で修飾
(例えば、ビオチン化、発光物質によるラベル化)され
ていてもよい。
本発明で用いる前記の第1および第2のDNAプライマ
ーは、通常のDNA自動合成機(例えば、アプライドバイ
オシステムズ社製)を用いて、公知のDNA合成法(例え
ば、ホスホアミダイト法)によって調製することができ
る。
本発明では、DNAポリメラーゼとして、耐熱性DNAポリ
メラーゼ、特に約95℃までの温度で活性を維持すること
のできる耐熱性DNAポリメラーゼ、例えば、市販のTaqポ
リメラーゼを用いることができる。
本発明方法で用いる液体被検試料は、ヒト型結核菌を
含有している疑いのある試料であれば特に制限されな
い。例えば、喀痰、胃吸引液、気管支肺胞洗浄液、便、
尿、髄液または血液を用いることができる。これらの液
体被検試料に対して、DNA増幅工程にかける前に、DNA抽
出処理(例えば、フェノール/クロロホルム処理)を実
施するのが好ましい。
本発明方法では、前記の第1および第2のDNAプライ
マー、DNAポリメラーゼならびに液体被検試料を含む混
合液を用いる。第1および第2のDNAプライマーおよびD
NAポリメラーゼの使用量は、液体被検試料の種類によっ
て変化するが、PCR法によるDNA増幅工程を実行すること
ができる範囲で容易に決定することができる。
この混合液は、場合により、緩衝液(例えば、トリス
塩酸緩衝液)、安定化剤(例えば、ゼラチン)、または
塩類(例えば、塩化ナトリウム)を含有することができ
る。
本発明方法では、前記の混合液を用いてPCR法の増幅
サイクルを実施する。増幅サイクルは、 (i)DNAの変性工程(約90℃〜約95℃で、約10秒間〜
約2分間)、 (ii)1本鎖DNAとプライマーとのアニーリング工程
(約37℃〜約70℃で、約30秒間〜約3分間)、および (iii)DNAポリメラーゼによるDNA合成工程(約65℃〜
約80℃で、約30分間〜約5分間)とからなる。1サイク
ル毎にDNAは2倍に増幅され、nサイクル後には2n倍に
増幅される。本発明においては、前記の増幅サイクルを
10〜60回、好ましくは20〜40回繰り返す。最後のサイク
ルにおいては、工程(iii)で加熱時間を約5〜10分間
に延長してDNA合成が完全に行なわれるようにするのが
好ましい。
被検試料中にヒト型結核菌が存在する場合には、前記
の増幅サイクル終了後に、約50〜1000bpのDNAが大量に
合成される。このDNAを次のDNA検査工程によって検出す
る。
DNA検査工程としては、ゲル電気泳動およびエチジウ
ムブロマイド染色を利用する方法、ドット・ハイブリダ
イゼーション法、またはジデオキシ法による塩基配列決
定法などを用いることができる。ゲル電気泳動を行なう
場合には、例えば、アガロースゲルを担体としたサブマ
リーン型電気泳動、またはアクリルアミドを用いたスラ
ブ型電気泳動を使用することができる。
ドット・ハイブリダイゼーション法を行なう場合に
は、非放射性プローブ(例えば、ビオチン化プローブま
たは化学発光物質でラベルしたプローブ)を用いること
ができる。
更に、ジデオキシ法による塩基配列決定法を利用する
場合には、蛍光ラベルを使用したDNAオートシークエン
サー(アプライドバイオシステムズ社)を用いることが
できる。
[作用] 本発明方法においては、第1のプライマーとして、特
にはヒト型結核菌DNAの19kDaタンパク質をコードする配
列の第981位から始まる20塩基のオリゴヌクレオチドを
用い、そして第2のプローブとして、特にはヒト型結核
菌DNAの19kDaタンパク質をコードする配列の第1300位か
ら始まる20塩基のオリゴヌクレオチドを用いるので、被
検試料中にヒト型結核菌が存在する場合にのみ、ヒト型
結核菌DNAの19kDaタンパク質をコードする遺伝子の一部
に相当する320bp部分が短時間のうちに特異的に大量に
増幅合成される。従って、被検試料におけるヒト型結核
菌の存在を極めて特異的に検出することができる。更
に、被検試料中のヒト型結核菌の量が微量であってもDN
Aが増幅合成されるので、高感度である。しかも、本発
明方法における増幅工程および検査工程の所要時間は合
計しても約4〜8時間であり、極めて迅速である。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを、380A−DNA
合成装置(アプライドバイオシステムズ社)により、ト
リチル−オンの条件下で合成した。27%アンモニア水溶
液でカラムから切り出し、55℃で1晩加熱した。得られ
た溶液2mlをイオン交換水1mlで希釈し、希釈液をOPC(O
ligonucleotide purification column)カートリッジ
(アプライドバイオシステムズ社)に1〜2滴/秒の速
度で加えた。溶出液を希釈アンモニア水溶液5mlで3
回、イオン交換水5mlで2回、2%TFA溶液5mlで2回、
そして更にイオン交換水5mlで2回洗浄した。吸着した
ヌクレオチドを20%アセトニトリル溶液1mlで3回溶出
して精製オリゴヌクレオチドを得た。こうして得られた
第1のプライマー(以下、プライマー1と称する)およ
び第2のプライマー(以下、プライマー2と称する)を
用いて以下の例2〜例4を実施した。
例2:各種微生物に対する特異性 以下の第1表に示すとおり、ミコバクテリア(Mycoba
cteria)属に属する各種の菌、グラム陽性菌、グラム陰
性菌および真菌の各DNAが、前記例1で調製したプライ
マーによって増幅されるか否かを調べた。
DNA増幅操作 500μlのエッペンドルフチューブ中で、以下の成分
からなる反応液100μlを調製した。
Taq DNAポリメラーゼとしては、AmpliTaq DNAポリメ
ラーゼ(シータス社)を用いた。
次に、反応液をミネラルオイル(SigmaCal M−3516)
100μlで覆った。得られた試料をDNA Thermal Cycler
(Perkin−Elemer Cetus社)に入れた。(i)94℃で1
分間、(ii)65℃で2分間および(iii)72℃で2分間
の3工程からなる増幅サイクルを37回繰り返した。な
お、37回目の最後のサイクルでは、工程(iii)を5分
間行なった。
DNA検査操作 前記のDNA増幅操作によって得られた反応液各10μl
を、エチジウムブロマイド(0.5μg/ml)含有の2%ア
ガロースゲルで、電気泳動した。第1表の「増幅」欄に
示すように、ヒト型結核菌とウシ型結核菌では320bpにD
NAバンドが観察されたが、それ以外の微生物ではDNAバ
ンドは全く観察されなかった。なお、ヒト型結核菌とウ
シ型結核菌とは非常に近い種であることが知られている
とおり、本発明方法でも両者が陽性となる。しかし、ウ
シ型結核菌感染の出現率は極めて近く、しかも免疫無防
備状態のヒトに起きるだけであるので、両者が陽性にな
っても臨床診断の目的には事実上影響はない。以下の第
1表に、試験に用いた微生物と増幅結果を示す。
例3:ヒト型結核菌に対する感度 ヒト型結核菌の培養株を用いて培養法および本発明方
法の感度を比較した。
1%小川培地上のヒト型結核菌(例2で用いた株)の
1ループを生理食塩水1mlに懸濁させ、希釈シリーズ
(1倍、10-3倍、10-4倍、10-5倍、10-6倍、10-7倍、お
よび10-8倍)を調製した。各希釈シリーズの1/10容量部
を培地上に接種し、コロニー数を計数した。
一方、前記の各希釈シリーズからフェノール/クロロ
ホルムでDNAを抽出し、抽出DNAの1/10量を前記例2記載
のDNA増殖工程およびDNA検査工程にかけた。結果を第1
図のA欄に示す。第1図のA欄において、上段(Diluti
on)は希釈度を示し、中段(PCR)は本発明方法の結果
を示し、そして下段(Colonies)は培養法におけるコロ
ニー数を示す。第1図のA欄から明らかなように、本発
明方法によれば10-6倍希釈液からDNAを増幅して検出す
ることができることがわかる。これに対し、培養法で
は、10-6倍または10-7倍希釈液に対して陽性である。即
ち、本発明方法は前培養ヒト型結核菌に関して、培養法
とほぼ同様な感度を有している。
例4:生体試料におけるヒト型結核菌の検出 (i)本発明方法による検査 ヒト(49人)から喀痰および気管支肺胞洗浄液を採集
し、2%水酸化ナトリウム水溶液で液化し、遠心処理
(2000×g、10分間)した。得られたペレットを、1mM
−EDTA含有10mMトリス緩衝液(pH8.0)で洗浄し、1%
ドデシル硫酸ナトリウム含有10mMトリス緩衝液(pH8.
0)500μlに懸濁させ、フェノール/クロロホルムでDN
Aを抽出した。得られたDNAを、酵母tRNA(10μg)の存
在下に、エタノールで沈殿させた。得られた沈殿を10mM
トリス緩衝液(pH8.0)100μlに溶かし、その溶液10μ
lについて、前記例2に記載のDNA増幅操作およびDNA検
査操作を行なった。
比較する目的で、前記と同じ各臨床試料について、
(ii)顕微鏡による観察および(iii)培養法による検
査を実施した。
(ii)顕微鏡による観察 即ち、前記と同じ喀痰および気管支肺胞洗浄液をスラ
イドガラス上に固定し、チール・ネールゼン(Ziel−Ne
elsen)法で染色し、顕微鏡(500倍)で観察して判定し
た。
(iii)培養法による検査 前記と同じ喀痰および気管支肺胞洗浄液を2倍量の4
%水酸化ナトリウム水溶液と室温で15分間混合し、混合
液100μlを1%小川培地に接種し8週間37℃で培養し
た。チール・ネールゼン(Ziel−Neelsen)法で抗酸菌
を選別し抗酸菌をナイアシンテスト(ナイアシンテスト
小林;小林製薬製)によりヒト型結核菌を同定した。
前記(i)、(ii)および(iii)の結果を第2図に
示す。第2図において、「列1」は顕微鏡検査、培養法
および本発明方法のいずれにおいても陽性の試料であ
り、「列2」は顕微鏡検査が陰性で、培養法および本発
明方法がいずれも陽性の試料であり、「列3」は顕微鏡
検査および培養法が陰性で、本発明方法だけが陽性の試
料であり、そして「列4」は顕微鏡検査、培養法および
本発明方法のいずれにおいても陰性の試料である。第2
図から明らかなように、顕微鏡による観察および培養法
による検査で陰性になる試料に対しても、本発明方法は
陽性を示す(320bpにバンドが現われる)。
また、以下の第2表に、培養法(iii)および本発明
方法(i)の比較結果を示す。第2表において(+)は
陽性を、(−)は陰性を示し、数値は検体数を示す。
第2表から明らかなとおり、培養法で陽性の試料(15
検体)は、本発明方法でも全て陽性であった。更に、培
養法で陰性であった試料(34検体)のうち9検体の試料
が本発明方法では陽性であった。従って、臨床的試料に
対しては、本発明方法の方が培養法よりも感度が高いこ
とがわかる。
例5:ヒト型結核菌患者喀痰の試験 前記例3に記載の操作を繰り返すが、前培養ヒト型結
核菌を使用する代わりに、ヒト型結核菌患者の喀痰を用
いた。即ち、ヒト型結核菌患者の喀痰1mlをTE緩衝液で
希釈し、希釈シリーズ(1倍、10-3倍、10-4倍、10
-5倍、10-6倍、10-7倍、および10-8倍)を調製した。結
果を第1図のB欄に示す。第1図のB欄において、上段
(Dilution)は希釈度を示し、中段(PCR)は本発明方
法の結果を示し、そして下段(Colonies)は培養法にお
けるコロニー数を示す。第1図のB欄から明らかなよう
に、本発明方法によれば10-6倍希釈液からDNAを増幅し
て検出することができることがわかる。これに対し、培
養法では、10-4倍までの希釈液に対して陽性である。即
ち、本発明方法はヒト型結核菌患者の試料に関して、培
養法よりも100倍も高い感度を有している。
[発明の効果] 本発明方法によれば、被検試料におけるヒト型結核菌
の存在を、特異的に、高感度に、しかも迅速に検出する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、前培養ヒト型結核菌(A欄)およびヒト型結
核菌患者喀痰(B欄)を本発明方法および従来の培養法
で検査した結果を示す説明図であって、図面に代わる写
真である。 第2図は、各種の試料を本発明方法によって増幅した結
果を示す説明図であって、図面に代わる写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 昭行 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台1―14―1 (72)発明者 竹脇 俊一 千葉県千葉市さつきヶ丘2―10―21― 106 (56)参考文献 特開 平3−164199(JP,A) Nucleic Acids Res earch,17(3),1249(1989) 臨床検査,34(4),429−431 (1990) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/00 - 3/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有する第1のDNAプライマーと、式 で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有する第2のDNAプライマーと、DNAポリメラーゼと、
    水性液体被検試料とを含む混合液をDNA増幅工程にか
    け、続いて、得られた反応液をDNA検査工程にかけるこ
    とを特徴とする、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberc
    ulosis)の検出方法。
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