JP2901684B2 - マグネトロンスパッタリング用ターゲット材 - Google Patents

マグネトロンスパッタリング用ターゲット材

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JP2901684B2 JP2041448A JP4144890A JP2901684B2 JP 2901684 B2 JP2901684 B2 JP 2901684B2 JP 2041448 A JP2041448 A JP 2041448A JP 4144890 A JP4144890 A JP 4144890A JP 2901684 B2 JP2901684 B2 JP 2901684B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • C23C14/3407Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
    • C23C14/3414Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、マグネトロンスパッタリング用ターゲット
材に関し、詳細には、マグネトロンスパッタリング法に
より基板上への薄膜の形成(以降、成膜という)を行う
際に用いるターゲット材であって、中でも強磁性体薄膜
の成膜に用いるターゲット材に関するものである。
(従来の技術) 成膜方法として、スパッタリング法は優れた再現性及
び簡易さを有するため多くの産業分野で使用されてい
る。中でも、マグネトロンスパッタリング法は、成膜速
度が大きく、しかも低温プロセスであるため、広汎に使
用されている。
即ち、マグネトロンスパッタリング法は、ターゲット
の裏側にバッキングプレートを介して永久磁石又は電磁
石を配置し、スパッタガスのイオン化効率を高め、高密
度のプラズマをターゲット表面に収束させ、高速スパッ
タリングを達成している。このようにターゲットの裏に
磁石を配置するという非常に簡便な手法により、成膜速
度を大幅に向上し得ることから、広汎に使用されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記従来のマグネトロンスパッタリング法
は、ターゲット材に強磁性体を用いて強磁性体薄膜の成
膜を行う際は、下記〜の問題点がある。
スパッタリングによりターゲット材表面にエロージ
ョン領域が形成されると、該領域に磁界が集中し、益々
局所的にエロージョンが進むという悪循環に陥り、つい
にはターゲット材に深い溝状凹部が形成され、ターゲッ
ト材の寿命が低下し、その利用率が極めて悪くなる。
又、上記局所的エロージョンの進行に伴って、ター
ゲット材の内部を通っていた磁束がターゲット材の外部
に漏洩し、益々放電領域が局所化するため、膜厚分布が
不均一になる。
更には、漏洩磁場の急速な増大により放電電圧が著
しく変動し、安定した成膜ができなくなる。例えば、タ
ーゲット材が寿命に達するまで膜厚を精密に制御する事
が、難しくなる。
これらは、強磁性体薄膜を成膜し、磁気記録媒体や薄
膜磁性材料を製作する上で重大且つ深刻な問題点であ
る。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は前記の問題点を解決し、強磁性体
薄膜の成膜を行う際においても、局所的エロージョンの
発生を防止し得、その結果ターゲット材の利用率が良く
なり、膜厚分布が均一になり、又、ターゲット材が寿命
に達するまで精密な膜厚制御が可能となるマグネトロン
スパッタリング用ターゲット材を提供しようとするもの
である。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明に係るマグネト
ロンスパッタリング用ターゲット材は次のような構成と
している。
即ち、請求項1に記載のターゲット材は、マグネトロ
ンスパッタリングに用いられるターゲット材において、
ターゲット材の結晶方位の中のスパッタリングイールド
の低い結晶方位を、ターゲット面に垂直方向に優先的に
配向せしめてなることを特徴とするマグネトロンスパッ
タリング用ターゲット材である。
請求項2に記載のターゲット材は、前記ターゲット材
が体心立方構造を有する鉄,鉄合金,又はNi合金であっ
て、ターゲット面の(110)面の反射強度が、その値を
等方分布の反射強度で規格化した場合に、1.0未満であ
る請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング用ター
ゲット材である。
請求項3に記載のターゲット材は、前記ターゲット材
が面心立方構造を有するNi,Ni合金,又は鉄合金であっ
て、ターゲット面の(111)面の反射強度が、その値を
等方分布の反射強度で規格化した場合に、1.0未満であ
る請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング用ター
ゲット材である。
(作用) 強磁性体薄膜の成膜時のターゲット材に生じるエロー
ジョンの形態は、装置の磁場の強さや分布、及び、ター
ゲット材の飽和磁束密度や透磁率等の磁気特性の影響を
受ける事が知られている。この中、ターゲット材の磁気
特性は、特殊な場合はある程度の効果が得られるまでに
改善される事が判っている。しかし、多くの場合は本来
的に飽和磁束密度や透磁率が高く、その改善は極めて難
しいものである。従って、局所的エロージョンの発生を
防止するには、ターゲット材の磁気特性以外の材質特性
に依らざるを得ない。そこで、このような考え方に基づ
き種々研究を重ね、その結果ターゲット材の結晶方位な
どがエロージョンの形態に影響を及ぼすという知見が得
られた。本発明は、かかる知見に基づくものである。
即ち、入射イオンの結晶軸に対する空間的な角度によ
って、スパッタされる原子数、即ち、スパッタリングイ
ールドに差が生じる。そのため、ターゲット材の結晶方
位の如何によって、スパッタリングイールドに大きな差
が生じることになる。例えば、スパッタリングイールド
の高い順番に結晶方位を並べると、体心立方構造を有す
る金属では、〈110〉,〈100〉,〈111〉、面心立方構
造の金属では〈111〉,〈100〉,〈110〉、ダイヤモン
ド構造の物質では〈111〉,〈100〉,〈110〉となる。
かかる結晶方位の違いにより、大きなものでは、スパッ
タリングイールドに2〜3倍の差が生じる。故に、ター
ゲット材の結晶方位の中で、スパッタリングイールドの
低い結晶方位を、ターゲット面に垂直方向に優先的に配
向させておけば、スパッタリングによりターゲット材表
面に一旦エロージョン領域が形成された場合、それ以降
のエロージョン形態については、ターゲット材の結晶方
位が等方分布している場合に比し、前記領域(エロージ
ョン部)の底部でのエロージョン進行速度が低くなり、
斜面でのエロージョン進行速度が高くなる。その結果、
エロージョン部の斜面での横方向へのエロージョン速度
が増大し、エロージョンが主に横方向へ進み、溝部の幅
が広がるようになる。従って、ターゲット材に深い溝状
凹部が形成されず、局所的エロージョンの発生を防止し
得るようになる。
本発明に係るマグネトロンスパッタリング用ターゲッ
ト材は、ターゲット材の結晶方位の中のスパッタリング
イールドの低い結晶方位を、ターゲット面に垂直方向に
優先的に配向せしめるようにしている。故に、局所的エ
ロージョンの発生を防止し得るようになる。その結果、
ターゲット材の利用率が良くなり、膜厚分布が均一にな
り、又、ターゲット材が寿命に達するまで精密な膜厚制
御が可能となる。
尚、前記ターゲット材が体心立方構造を有する鉄,鉄
合金,又は,Ni合金の場合は、(110)面が最もスパッタ
リングイールドの高い結晶面であり、かかる(110)面
の中のターゲット面に平行に配列するものの割合を少な
くすると、スパッタリングイールドの低い結晶方位がタ
ーゲット面に垂直方向に優先的に配向することになる。
上記(110)面の配列の割合はターゲット面の(110)面
の反射強度に基づき評価し得る。従って、前記結晶方位
を得るには、ターゲット面の(110)面の反射強度が小
さいものを選定すればよく、かかる反射強度はX線回折
法により確認し得る。該反射強度としては、反射強度の
測定値を等方分布の反射強度で規格化(ノーマライズ)
したものが通常用いられる。即ち、等方性材料(標準試
料)での反射強度を基準とし、該強度に対する測定値の
倍率(相対強度)が用いられる。
上記の如く反射強度として相対強度を使用すると、前
記体心立方構造のターゲット材の場合は、ターゲット面
の(110)面の反射強度を、1.0未満にすると、即ち、等
方性材料の場合(反射強度:1.0)よりも小さくすると、
前記の如き結晶方位の優先的配向状態が得られ、確実に
局所的エロージョンの発生を防止し得る。
又、面心立方構造を有するNi,Ni合金,又は,鉄合金
の場合は、ターゲット面の(111)面の反射強度を、1.0
未満にすると、前記の如き結晶方位の優先的配向状態が
得られ、確実に局所的エロージョンの発生を防止し得
る。
(実施例) 実施例1 Fe−10%Co材を種々の条件で冷間圧延及び焼鈍して、
種々の集合組織を有する板材を作った。尚、これらはい
づれも体心立方構造を有するものである。該板材を直
径:4インチ,厚み:1.25mmのターゲット材に加工した
後、その片面に銅製バッキングプレートを接着し、該プ
レート直下にサマリウム−コバルト系の希土類磁石を配
置し、マグネトロンスパッタリング用カソードに成し
た。
上記カソードを用いて、アルゴンガス圧:3×10-3tor
r,放電電流:1.0Aの条件で、ターゲット材が寿命に達す
るまで連続的に放電してマグネトロンスパッタリングを
行い、放電電位及びターゲット材の寿命(利用率)を調
べた。
又、前記板材から試料を採取し、X線回折法によりタ
ーゲットの反射強度ピーク値を測定し、等方性材料を基
準とする相対強度を求め、ターゲット材の結晶方位の違
いを調査した。
第1図にターゲット材の(110)面の反射強度と利用
率との関係を示す。尚、該利用率はターゲット材の全体
積に対する使用された体積の割合(%)である。体心立
方構造を有する該Fe−10%Co製ターゲット材において、
(110)面は最もスパッタレートが高い結晶面であり、
スパッタイールドが高い結晶方位の割合を減らす事によ
り、ターゲット材の利用率が著しく改善される事が判
る。即ち、ターゲット材のターゲット面の(110)面の
反射強度を等方性材料の場合(反射強度:1.0)よりも小
さくすると、ターゲット材の利用率が等方性材料の場合
よりも高くなり、改選され、このターゲット材利用率の
改善の程度は上記ターゲット材の(110)面の反射強度
を小さくするほど大きくなる事がわかる。
(110)面よりスパッタイールドが低い(200)或いは
(111)面の反射強度と利用率との関係を第2図に示
す。スパッタレートが低い結晶面をターゲット面に平行
に配向させる事により、ターゲット材の利用率が著しく
改善されている。これは、スパッタイールドの低い結晶
方位をターゲット面に垂直方向に優先的に配向させた事
により、エロージョンが主に横方向へ進み、局所的エロ
ージョンによる深溝が形成されなかったためである。こ
のように、結晶方位を制御する事により、ターゲット材
の利用率が改善されるので、ターゲット材の寿命が向上
する。
等方性材料と、(110)面の相対強度が0.2(等方性材
料の(110)面の反射強度の0.2倍)のターゲット材とに
ついての放電電位の経時変化を、第3図に示す。等方性
材料では、2.5時間後に局所的エロージョン進行による
放電電位の急激な低下が認められるが、(110)面の相
対強度:0.2のターゲット材では、かかる急激な変化は認
められず、放電電位の変化はかなり緩やかである。
以上の如く、スパッタイールドの高い結晶面の相対的
割合を等方性材料に比し低くする事〔即ち、スパッタイ
ールドの高い結晶面(体心立方構造を有するものでは
(110)面、面心立方構造を有するものでは(111)面)
の反射強度を等方性材料の場合(反射強度:1.0)よりも
小さくする事〕、即ち、スパッタイールドの低い結晶方
位をターゲット面に垂直方向に優先的に配向させる事
が、局所的エロージョンの発生の防止に有効であり、ひ
いてはターゲット材の寿命(利用率)の向上や放電電位
の安定化に極めて有効であることがわかる。
実施例2 前記体心立方構造のFe−10%Co材に代えて、面心立方
構造を有するNi−17%Fe材を使用した点が、特徴点であ
り、又、実施例1の場合と異なる主な点である。上記Ni
−17%Fe材について、実施例1の場合と同様の方法によ
り、種々の集合組織を有するターゲット材を作り、これ
らをマグネトロンスパッタリング用カソードに成した
後、実施例1の場合と同様の放電試験を行った。
第4図にターゲット材の(111)面の反射強度と利用
率との関係を示す。該(111)面は面心立方構造の場
合、最もスパッタレートが高い結晶面であり、スパッタ
イールドが高い結晶方位の割合を減らす事により、ター
ゲット材の利用率が改善される事が判る。即ち、ターゲ
ット材のターゲット面の(111)面の反射強度を等方性
材料の場合(反射強度:1.0)よりも小さくすると、ター
ゲット材の利用率が等方性材料の場合よりも高くなり、
改善され、このターゲット材利用率の改善の程度は上記
ターゲット材の(111)面の反射強度を小さくするほど
大きくなる事がわかる。
第5図に等方性材料、及び、(111)面の相対強度が
0.4のターゲット材の放電電位の経時変化を示す。スパ
ッタイールドが高い結晶面の(111)面の相対的割合を
等方性材料に比し低くする事によって、放電電位が安定
化することが確認された。
(発明の効果) 本発明に係るマグネトロンスパッタリング用ターゲッ
ト材料によれば、強磁性体薄膜の成膜を行う際において
も、局所的エロージョンの発生を防止し得るようにな
る。従って、ターゲット材の利用率(寿命)を向上し得
るとともに、膜厚分布を均一にし得、又、ターゲット材
が寿命に達するまで精密な膜厚制御を成し得るようにな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1に係るターゲット材の(110)面の反
射強度とターゲット材利用率との関係を示す図、第2図
は実施例1に係るターゲット材の(200)及び(111)面
の反射強度と利用率との関係を示す図、第3図は(11
0)面の相対強度が0.2のターゲット材、及び、等方性材
料の放電電位の経時変化を示す図、第4図は実施例2に
係るターゲット材の(111)面の反射強度と利用率との
関係を示す図、第5図は(111)面の相対強度が0.4のタ
ーゲット材、及び、等方性材料の放電電位の経時変化を
示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネトロンスパッタリングに用いられる
    ターゲット材において、ターゲット材の結晶方位の中の
    スパッタリングイールドの低い結晶方位を、ターゲット
    面に垂直方向に優先的に配向せしめてなることを特徴と
    するマグネトロンスパッタリング用ターゲット材。
  2. 【請求項2】前記ターゲット材が体心立方構造を有する
    鉄,鉄合金,又は,Ni合金であって、ターゲット面の(1
    10)面の反射強度が、その値を等方分布の反射強度で規
    格化した場合に、1.0未満である請求項1に記載のマグ
    ネトロンスパッタリング用ターゲット材。
  3. 【請求項3】前記ターゲット材が面心立方構造を有する
    Ni,Ni合金,又は,鉄合金であって、ターゲット面の(1
    11)面の反射強度が、その値を等方分布の反射強度で規
    格化した場合に、1.0未満である請求項1に記載のマグ
    ネトロンスパッタリング用ターゲット材。
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