JP2901184B2 - 整雪作業装置を有した屋内用クローラ車 - Google Patents

整雪作業装置を有した屋内用クローラ車

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JP2901184B2
JP2901184B2 JP8329991A JP32999196A JP2901184B2 JP 2901184 B2 JP2901184 B2 JP 2901184B2 JP 8329991 A JP8329991 A JP 8329991A JP 32999196 A JP32999196 A JP 32999196A JP 2901184 B2 JP2901184 B2 JP 2901184B2
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bucket
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洋二郎 榊
恭男 森川
弘之 佐藤根
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整雪作業装置を有
した屋内用クローラ車に関し、更に詳しくは、主として
屋内人工スキー場や最近流行しつつある屋内人工スノー
ボード遊戯場にて、人工雪等用いて形成された雪面を整
雪する際に用いられる整雪作業装置を有した屋内用クロ
ーラ車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の如く屋内人工スキー場や屋
内人工スノーボード遊戯場にて雪面を整雪する際には、
走行の為の駆動部にクローラを有したクローラ車と呼ば
れる作業車が一般的に用いられてなる。
【0003】尚、前記クローラ車は、雪面での整雪作業
を行ううえで、荒れた雪面をグルーミングするための雪
面グルーミング用回転ローラ(図示せず)、コース上方
より滑り落ちた雪をかき集める排土板(図示せず)や該
排土板にてかき集められた雪をコース上方の所定の箇所
へと大量に移送するためのバケット(図示せず)等の各
種整雪作業装置をアタッチメントとして適宜取り替えて
使用することが出来るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成からなるクローラ車及び該クローラ車用の整雪作業装
置に於いては下記の様な問題点があった。即ち、前記ク
ローラ車は主として屋内人工スキー場や屋内人工スノー
ボード遊技場等の屋内で使用されるものであるが、いま
だ屋内で使用されるクローラ車の駆動源は軽油にて動力
を発するディーゼルエンジンが燃料コストを安価におさ
えることが出来るという理由で使用されてなることか
ら、排気ガス中に比較的多量のカーボン、NOx、亜硫
酸ガス等を含み、又異臭を放つことになる。
【0005】尚、屋外、屋内を問わず一般的に前記ディ
ーゼルエンジンには上記の様な各種有毒ガス等を除去す
るために各種触媒を用いた排気浄化装置が設けられては
いるが、如何せん、該排気浄化装置は排気ガスの温度が
約300℃以上にならないと実質的機能を有さず、よっ
て排気ガスの温度が約300℃以上になるまでは有毒ガ
ス等のみならず異臭を絶つことすら出来ないのが現状で
あり、特に屋内人工スキー場や屋内人工スノーボード遊
技場等の屋内では常時室内温度を一定の低温に保たなけ
ればならないこともあり、従って容易に換気を行うこと
すら出来ないという極めて重大な問題が生じていた。
【0006】更に、上記構成からなるクローラ車は、屋
内人工スキー場や屋内人工スノーボード遊技場等の屋内
で使用されることから、クローラ又は該クローラと接触
してなる回転輪に錆が発生した場合には、振動や摩擦に
よって所定箇所より剥離した錆が雪面に落下して雪面を
汚すことになる。よって屋外ならば何ら目立つこともな
いが雪面であれば特に錆が目立ってしまい遊技者に不快
感を与えることになるだけでなく、その除去作業も極め
て煩雑なものとなるばかりか、例えば遊技者が転倒等し
た際に眼球等を傷つける直接原因となる場合もあり、よ
って屋内で使用するクローラ車の錆の発生のみならずク
ローラ又は該クローラと接触してなる回転輪との摩擦よ
って発生する粉塵等を如何に防止するかが重大な問題と
なっていた。
【0007】更に、上記構成からなるクローラ車は、屋
内人工スキー場や屋内人工スノーボード遊技場等に於い
てコース上方より滑り落ちた雪をかき集めた後、かき集
めた雪をコース上方の所定の箇所へと移送しなければな
らないが、如何せん、クローラ車に具備されたクローラ
はクローラ車が横方向に傾斜する様な傾斜面を走行する
際に雪面との摩擦抵抗が極めて低くなり、よってクロー
ラ車は傾斜面に沿って横滑りを容易に起こすこととな
る。よって一般的には何らかの滑り止め具をクローラ部
に取付けることによって幾分摩擦抵抗を増大させること
は出来るが、如何せん、最近の屋内人工スキー場や屋内
人工スノーボード遊技場の雪面内には雪面の温度を一定
に保つためのアイスマットや断熱材、更に冷却管を含む
各種配管等が敷設されてなることから、単純に何らかの
滑り止め具をクローラに取付けただけでは、整雪作業時
に該滑り止め具が不意に雪面内に敷設されたアイスマッ
トや断熱材、更に冷却管を含む各種配管等まで達してそ
れらを損傷するおそれもあり、よってアイスマットや断
熱材、各種配管等にクローラに設けた滑り止め具が到達
した場合でもアイスマットや断熱材、更に冷却管を含む
各種配管等を容易に損傷しないような滑り止め具の開発
が急務であった。
【0008】又、屋内、屋外を問わず、クローラ車によ
って整雪作業を行う場合には、通常整雪作業の各工程毎
に雪面グルーミング用回転ローラ、排土板、バケット等
の各種整雪作業装置をアタッチメントとして使用する
が、各種整雪作業装置の脱着作業が極めて煩雑で、且つ
時間もかかることから、極めて短時間で、且つ容易に各
種整雪作業装置を使い分けて整雪作業に係る時間を短縮
させる必要が生じていた。
【0009】更に、上記の如くクローラ車が雪面グルー
ミング用回転ローラを用いて整雪作業を行う場合に於い
て、例えば、整雪作業を行う場所が屋内人工スキー場や
屋内人工スノーボード遊技場である場合には、雪面内に
雪面の温度を一定に保つためのアイスマットや断熱材、
更に冷却管を含む各種配管等が敷設されてなることか
ら、該回転ローラが荒れた雪面内に必要以上に没入し、
前記同様にアイスマットや断熱材、更に冷却管を含む各
種配管等を損傷させる場合もあり、何れにしても何らか
の解決策が望まれていた。
【0010】然して、本発明は上記各種問題を全て解決
するものであり、屋内人工スキー場や屋内人工スノーボ
ード遊技場等の屋内でクローラ車を使用した場合であっ
ても、有毒ガスや異臭の発生のみならず雪面を汚す錆や
粉塵等の発生をも防止すると共に、極めて短時間のうち
に各種整雪作業装置を使い分けて整雪作業に係る時間を
短縮することが可能で、しかも雪面内に配設されたアイ
スマットや断熱材及び冷却管を含む各種配管等をも損傷
させることなく整雪作業を行うことが出来る極めて優れ
整雪作業装置を有した屋内用クローラ車を提供するこ
とを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために全く新しい整雪作業装置屋を有した屋内用
クローラ車を提供すべく以下の手段を講じたものであ
る。即ち、本発明は、クローラ車1が、一方向への移動
時に雪を掬い取ることが可能なバケット7と雪面をグル
ーミングするための雪面グルーミング用回転体8aとから
なる整雪作業装置を有し、しかも該バケット7には、他
方向への移動時に雪面を均すことが出来る均し手段とし
ての先鋭な削刃部1gと上方から付される押圧力により雪
面を固めることが出来る押圧面部が設けられ、且つ前記
雪面グルーミング用回転体8aには、雪面内に没する回転
体8aの雪面からの深さ寸法を任意に設定変更可能なグル
ーミング深度調整手段が設けられてなり、しかも動力源
に液化ガス燃料にて動力を発生する内燃機関2が排気浄
化装置3を有して設けられてなることから、沸点が低い
液化ガスは常に常温で気化すると共に、空気との混合も
良好となって燃焼効率の高い完全燃焼を容易に行えるこ
ととなり、よって排気ガス中にカーボン、亜硫酸ガス等
を含むことが少なく、又異臭を放つこともないために、
屋内で使用する場合に大気中の汚染による害を大幅に低
減することが出来る利点を有する。
【0012】更に、クローラ車1には、排気浄化装置3
が設けられてなることから、排気ガス中に含まれる微量
の炭化水素、一酸化炭素、NOx等や異臭をより確実に
除去することが出来る利点を有する。
【0013】更に、クローラ車1のクローラ4又は該ク
ローラ4と接触してなる回転輪の少なくとも何れか一方
には、防錆手段のみならず磨耗軽減手段又は磨耗防止手
段の少なくとも何れか一方が設けられてなることから、
従来の様に錆や摩擦による粉塵等が雪面に落ちるのを確
実に防止することが可能となり、よって遊技者に不快感
を与えることもなく、又遊技者が転倒等した際にも眼球
等を傷つける様な怪我の直接原因を確実に除去すること
が出来るという大きな利点を有する。
【0014】更に、クローラ車1のクローラ4には、ク
ローラ4の横滑りを軽減するか又は防止するための着脱
自在な滑り止め具6が設けられ、しかも該滑り止め具6
の少なくとも接地部側にはゴムスパイク6cが設けられて
なることから、クローラ4の摩擦抵抗を増大させるべく
滑り止め具6を該クローラ4に取付けて整雪作業を行う
際に、傾斜面でのクローラ4の横滑りを軽減するか又は
防止することが出来るだけでなく、該滑り止め具6が雪
面内のアイスマットや断熱材、更に冷却管を含む各種配
管等に到達した場合でもゴムスパイク6cを介してアイス
マットや断熱材、更に各種配管等が損傷するのを防止す
ることが出来る利点を有する。
【0015】更に、クローラ車1には、一方向への移動
時に雪を掬い取ることが可能なバケット7と雪面をグル
ーミングするための雪面グルーミング用回転体8aとから
なる整雪作業装置を有し、しかも該バケット7には、他
方向への移動時に雪面を均すことが出来る均し手段とし
ての先鋭な削刃部1g設けられてなることから、雪面で
の整雪作業を行ううえで、バケット7にコース上方等よ
り滑り落ちた雪をかき集める排土板の機能を付しつつか
き集めた雪をコース上方等の所定の箇所へと大量に移送
することが出来るだけでなく、何ら特別な均し装置等を
一切クローラ車に取付けることなくクローラ車の移動方
向のみで雪面を均すことが出来、よって整雪作業にかか
る大幅な時間短縮を図ることが出来る利点を有する。
【0016】又、バケット7には、上方から上方から押
圧力を付すことで雪面を固めることが出来る押圧面部が
設けられてなることから、雪面を均しながら雪面を固め
る作業を同時進行で行うことが出来、よって整雪作業に
かかる大幅な時間短縮を図ることが出来る利点を有す
る。
【0017】更に、クローラ車に設けられる雪面グルー
ミング用回転体8aの周部には、複数の突起片9が所定の
間隔で設けられてなることから、雪面を一定の深さで確
実にほぐすことが出来る利点を有する。
【0018】更に、複数の突起片9が、雪面グルーミン
グ用回転体8aの周部に千鳥状又は螺旋状に配設されてな
ることから、雪面を回転体8aの長さ方向の略全体に沿っ
てほぐし残りのない様に、より確実に効率良くほぐすこ
とが出来る利点を有する。
【0019】又、前記雪面グルーミング用回転体8aに
は、雪面内に没する回転体8aの雪面からの深さ寸法を任
意に設定変更可能なグルーミング深度調整手段が設けら
れてなることから、クローラ車が雪面グルーミング用回
転体8aを用いて整雪作業を行う場合に、該回転体8aが荒
れた雪面内に必要以上に没入してアイスマットや断熱材
及び冷却管を含む各種配管等を損傷するのを確実に防止
することが出来る利点を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
<第一実施形態> 以下、本発明の整雪作業装置を有した屋内用クローラ
整雪作業装置の第一実施形態及び機能を図面に従って
説明する。図1に於いて、1は本発明に於ける屋内用の
クローラ車を示し、1aはクローラ車上部構造物を示す。
尚、該クローラ車上部構造物1aの前方側には、該上部構
造物1aの略中央部に装着された液化ガス燃料容器2a内に
充填された液化ガス燃料により所定の馬力及びトルク値
等の動力を発生する液化ガス燃料専用か又は通常のガソ
リン用内燃機関の一部を改造した動力源としての内燃機
関2が設けられてなる。
【0021】従って、動力源に液化ガス燃料によって動
力を発生する内燃機関2が設けられてなることから、前
記クローラ車1を屋内人工スキー場や屋内人工スノーボ
ード遊技場等の屋内で使用した場合でも、沸点が低い液
化ガスは常に常温で気化すると共に、空気との混合も良
好となって燃焼効率の高い完全燃焼を容易に行えること
となり、よって排気ガス中にカーボン、NOx、亜硫酸
ガス等を含むことが少なく、又異臭を放つこともないた
めに、屋内で使用する場合に大気中の汚染による害を大
幅に低減することが出来る利点を有する。
【0022】3は前記内燃機関2の排気経路間に設けら
れると共に、内部所定の触媒を具備した排気浄化装置を
示し、3aは該排気浄化装置の外観を覆う如く設けられた
断熱カバーを示す。
【0023】よって、上記の如く排気浄化装置3が設け
られたことにより、排気ガス中に含まれる微量の炭化水
素、一酸化炭素、NOx等や異臭をより確実に除去する
ことが出来る利点を有する。
【0024】4はクローラ車駆動用のクローラを示すと
共に、該クローラ4はクローラ車1の前方側に位置する
駆動輪5と後方側に位置する遊動輪5aとに掛け渡されて
構成されたものであり、しかも該クローラ4はゴム材を
介して無端軌条に形成されると共に、該クローラ4の内
側上方に位置するクローラ車上部構造物1a側には、該ク
ローラ4を支持すべく樹脂材によって形成されたキャリ
アローラ5bが設けられると共に、該クローラ4の内側下
方、即ち該クローラ4の接地面側には、図2に示す様
に、外周中央部に凹状部5dが形成されるべく樹脂材によ
って全体が断面視略鼓状に形成されたトラックローラ5c
が複数設けられてなる。
【0025】尚、上記クローラ4内の略中央部には所定
の間隔を有して対峙する一対の案内突部4cを有した補強
鉄芯4bが該クローラ4の長手方向に沿って環状に配設さ
れ、しかも該各案内突部4cの夫々の外壁と前記トラック
ローラ5cの凹状部5dの両内壁5eとの間には前記クローラ
4の横方向への遊び量となる隙間(矢印A)が夫々形成
されてなる。更に、該両内壁5eの内側傾斜角と各案内突
部4cの外側傾斜角とは略同一となるように形成されてな
り、しかも前記案内突部4c全体は前記同様のゴム材によ
って覆われてなる。
【0026】従って、クローラ4がゴム材より形成さ
れ、しかもキャリアローラ5b及びトラックローラ5cは夫
々樹脂材によって形成されてなることから、ゴムと樹脂
の接触摩擦抵抗が小さくなって、クローラ4の案内突部
4cを傷めることがなくなり、結果として防錆手段の一つ
が設けられているのと同じことになる。更に、クローラ
4に設けられた補強鉄芯4bの各案内突部4cの夫々の外壁
と前記トラックローラ5cの凹状部5dの両内壁5eとの間に
は前記クローラ4の横方向への遊び量となる隙間(矢印
A)が夫々形成されてなることから、この場合であって
も、実質的に磨耗軽減手段を具備しているのと同じにな
る。よって該クローラ車1を屋内人工スキー場や屋内人
工スノーボード遊技場等の屋内で使用した場合であって
も、従来の様に錆や摩擦による粉塵等が雪面10に落ちる
のを確実に防止することが可能となり、よって遊技者に
不快感を与えることもなく、又遊技者が転倒等した際に
も眼球等を傷つける様な怪我の直接原因を確実に除去す
ることが出来るという大きな利点を有する。
【0027】 <第二実施形態> 尚、上記第一実施形態に於いて、クローラ車1のクロー
ラ4はゴム材より形成されてなるが、例えば、図3に示
す様に、上記構成からなるクローラ車1のクローラ4
に、硬質のゴム材等より円柱状に形成され、且つ所定の
配設パターンに配設された複数のゴムスパイク6cを有し
たベースプレート6bを夫々螺子等によって具備した一対
の係止プレート6aを連結プレート6dによって一体的に連
結した構成からなる着脱自在な構成からなる滑り止め具
6を、前記クローラ4に所定間隔で複数装着してもよ
く、この場合にはクローラ4と雪面との摩擦抵抗を容易
に、且つ確実に増大させて傾斜面におけるゴムクローラ
4の横滑りを軽減するか又は防止することが出来る利点
を有するだけでなく、整雪作業時において、該滑り止め
具6が雪面10内のアイスマットや断熱材、更に冷却管を
含む各種配管等に到達した場合でもゴムスパイク6cを介
してアイスマットや断熱材、更に冷却管を含む各種配管
等が損傷するのを確実に防止することが出来る利点を有
する。
【0028】 <第三実施形態> 更に、上記構成からなるクローラ車1の前部には、該ク
ローラ車1の前進時(一方向への移動時)に雪を掬い取
ることが可能なバケット7が、該バケット7を鉛直方向
に昇降自在とすべく油圧シリンダ1hを介して駆動する俯
仰動アーム1bと該バケット7を鉛直方向に揺動自在とす
るための揺動用油圧シリンダ1cとを介して設けられる
が、図4(イ)に示す様に、該バケット7は開口前縁部
1dを雪面10に点接地状態で起立させ、その後クローラ車
1が前進することでコース上方より滑り落ちた雪をかき
集める排土板として使用したり、又かき集められた雪を
コース上方の所定の箇所へと大量に移送し、排雪するた
めに使用されるが、該バケット7の雪面10と対向する底
部の略中央から前方に向かっては前記クローラ車1の移
動時に雪面10の雪を容易にバケット7内へと案内すべく
該雪面を摺動する第1平面部1eが設けられ、且つ該第1
平面部1eの後端部、即ちバケット7の底部の略中央より
該バケット7の後方にかけては、同図(ロ)に示す様
に、前記第1平面部1eの全面を該雪面10に密着させた
際、該第1平面部1eの後端部より所定の角度で上方傾斜
を有する第2平面部1fが設けられてなり、しかも該第2
平面部1fの後端部、即ちバケット7の底部の後方には、
同図(ハ)に示す様に、クローラ車1の後進時(他方向
への移動時)に凹凸のある雪面10を均すことが出来る均
し手段としての先鋭な削刃部1gとが一体的に設けられて
なることから、雪面10での整雪作業を行ううえで、バケ
ット7にコース上方より滑り落ちた雪をかき集める排土
板の機能を付しつつかき集めた雪をコース上方の所定の
箇所へと大量に移送することが出来るだけでなく、従来
の様に特別な均し装置等を一切クローラ車に取付けるこ
となくクローラ車の移動方向の変更とバケット7の角度
を変更することによって凹凸のある雪面10を確実に均す
ことが出来、よって整雪作業においてアタッチメントと
しての各種整雪装置等の交換にかかる時間を全く有する
ことなく整雪作業にかかる時間を大幅に短縮することが
出来る大きな利点を有する。
【0029】更に、同図(ハ)に示すバケット姿勢でシ
リンダ1hを往復伸縮(矢印B)させて、第2平面部1fで
雪面10を叩くか、シリンダ1hを強力に縮める方向に作用
させて、クローラ車1を前進又は後進(矢印C)させる
ことによって雪面10を締め固める作業を容易に、且つ瞬
時に行うことが出来、よって締め固められた雪面10は、
スキー及びスノーボードの滑走に最適となるだけでな
く、整雪作業にかかる大幅な時間短縮をも図ることが出
来る利点を有する。
【0030】 <第四実施形態> 更に、上記構成からなるクローラ車1の後部には、該ク
ローラ車の前進時に、雪面をグルーミング(掘削してほ
ぐす)するための雪面グルーミング用回転体8aと整雪板
8bを備えたミル用シリンダ8が設けられ、しかも該ミル
用シリンダ8の近傍には、雪面内に没する回転体8aの雪
面からの深さ寸法を任意に設定変更可能なグルーミング
深度調整手段としての昇降ソリ8cとソリ昇降寸法調整用
ハンドル8dが設けられてなる。
【0031】尚、上記雪面グルーミング用回転体8aは、
図5(イ)に示す様に、クローラ車1の幅方向で全て一
定の長さを有すると共に、複数の掘削用突起片9を一定
のピッチで夫々位置ズレするように順次取り付けた複数
の長板状基台9aを、同図(ロ)に示す様に、所定の間隔
を有して対峙する複数の円盤体9bの外周部に一定のピッ
チで取り付けることで内部に回転軸9cを形成すべく略円
筒駕籠状に形成されてなり、よって円盤体9bの外周部に
一定のピッチで取付けられた長板状基台9aの各掘削用突
起片9は必然的に略円筒駕籠状に形成された回転体8aの
周部に螺旋状に配設されることとなる。
【0032】従って、前記雪面グルーミング用回転体8a
の周部には複数の突起片9が所定の間隔で設けられてな
ることから、雪面を一定の深さ(矢印D)で確実にほぐ
すことが出来るが、上記の如く複数の突起片9が、回転
体8aの周部に螺旋状に配設されてなることから、雪面を
回転体8aの長さ方向の略全体に沿ってほぐし残りのない
様に、より確実に効率良くほぐすことが出来る利点を有
するが、屋内用クローラ車1であれば該クローラ車の具
体的な種類等も限定されない。
【0033】更に、前記雪面グルーミング用回転体8aに
は、同図(ハ)に示す様に、雪面10内に没する回転体8a
の雪面10からの深さ寸法を任意に設定変更可能なグルー
ミング深度調整手段が設けられてなることから、クロー
ラ車1が雪面グルーミング用回転体8aを用いて整雪作業
を行う場合に、該回転体8aが荒れた雪面10内に必要以上
に没入してアイスマットや断熱材及び冷却管を含む各種
配管等を損傷するのを確実に防止することが出来る利点
を有する。
【0034】尚、上記実施形態に於いて、クローラ車1
の駆動源に液化ガス燃料にて動力を発生する内燃機関2
が用いられ、しかも該内燃機関2を有したクローラ車1
には排気ガス中に含まれる微量のカーボン、一酸化炭
素、亜硫酸ガス等や異臭をより確実に除去することが出
来る排気浄化装置3が設けられてなるが、要は排気ガス
中にカーボン、一酸化炭素、亜硫酸ガス等を含むことが
少なく、又異臭を放つことがない液化ガス燃料にて動力
を発生する内燃機関2を有していれば具体的な内燃機関
2の種類や型式等も決して限定されない。
【0035】更に、上記実施形態に於いて、クローラ車
1の駆動用のクローラ4がゴム材で、しかもキャリアロ
ーラ5b、トラックローラ5cが夫々樹脂材によって形成さ
れてなるが、クローラ4又は各ローラ5b,5cの一方のみ
が樹脂材によって形成されることで防錆手段を構成して
もよく、又防錆手段が必ずしもクローラ4及び該クロー
ラ4と接触してなる回転輪の少なくとも何れか一方を樹
脂材で形成するに限らず、例えば防錆手段がクローラ4
又は該クローラ4と接触してなる回転輪の少なくとも何
れか一方がステンレス等の材料で形成されていてもよ
く、又鍍金やパーカーライジング等の表面処理が回転輪
又はクローラ4の少なくとも何れか一方に施されていて
もよいが、各種防錆手段が各ローラ5b,5c以外の駆動輪
5や遊動輪5aに施されていてもよいのは言うまでもな
い。
【0036】更に、上記実施形態に於いて、クローラ4
に設けられた補強鉄芯4bの各案内突部4cの夫々の外壁と
前記トラックローラ5cの凹状部5dの両内壁5eとの間に
は、前記クローラ4の横方向への遊び量となる隙間が夫
々形成されることで磨耗軽減手段を有した構成にしてな
るが、必ずしも磨耗軽減手段が上記の様な隙間である必
要はなく、磨耗軽減手段が前記の如くクローラ4又は該
クローラ4と接触してなる回転輪の少なくとも何れか一
方に設けられた硬質表面コート等の表面処理であっても
よく、具体的な磨耗軽減手段の種類や構成等も決して限
定されるものではない。
【0037】又、上記実施形態に於いて、クローラ車1
のクローラ4には、クローラ4の横滑りを軽減するか又
は防止するための着脱自在な滑り止め具6が設けられ、
しかも該滑り止め具6の少なくとも接地部側にはゴムス
パイク6cが設けられてなるが、該ゴムスパイク6c並びに
滑り止め具6の具体的な形状、取付け手段、取付け数量
等も決して限定されない。
【0038】更に、上記実施形態に於いて、クローラ車
1には、該クローラ車1の一方向への移動時に雪を掬い
取ることが可能なバケット7と、クローラ車1の他方向
への移動時に凹凸の雪面を均すことが出来る均し手段と
が設けられ、しかも該均し手段が該バケット7の底部に
削刃部1gを有した第2平面部1fから構成され、しかも該
バケット7には俯仰動アーム1bと揺動用油圧シリンダ1c
とが設けられてなることから、例えばクローラ車1を後
進させつつ削刃部1gで雪面10を均しながら雪面を固める
作業を同時進行で行うことが出来、よって整雪作業にか
かる大幅な時間短縮を図ることが出来る利点を有する
が、雪面を固める際に、バケット7の底部に設けられた
第1平面部1eを単独で用いてもよいのはいうまでもない
、必ずしも均し手段が削刃部1gを有した第2平面部1f
に限定されるものではなく、例えば、削刃部1gからなる
均し手段が略平面状の板体(図示せず)で形成され、且
つ該板体がバケット7の底部にボルト等を介して取付け
られた構成等であってもよく、均し手段のバケット7へ
の形成箇所等も決して限定されないのは言うまでもな
い。
【0039】更に、上記実施形態に於いて、クローラ車
1には、雪面グルーミング用回転体8aが設けられ、且つ
該回転体8aの周部には複数の突起片9が所定の間隔で設
けられ、しかも該突起片9が回転体8aの周部に螺旋状に
配設されてなることから、雪面を回転体8aの長さ方向の
略全体に沿ってほぐし残りのない様に、より確実に効率
良くほぐすことが出来る利点を有するが、必ずしも突起
片9が回転体8aの周部に螺旋状に配設される必要はな
く、例えば突起片9が千鳥状に回転体8aの周部に設けら
れていてもよく、この場合であっても雪面を一定の深さ
で確実にほぐすことが出来るが、例えば、図6(イ)に
示す様に、該突起片9が2本のボルト9dを介して長板状
基台9aに強固に取付けられ、しかも該突起片9のボディ
の両端に角柱状の起刃部9eを夫々有し、且つクローラ4
の回転方向(矢印E)側に位置する各起刃部9eの一面側
9fに該起刃部9eが先鋭となる様な傾斜面を形成し、且つ
他面側9gを略垂直状に形成してなる構成であってもよ
く、この場合には、両端の先鋭な起刃部9eがより確実に
雪面内に入り込んで該雪面を微細状にほぐすことが出来
る利点を有するだけでなく、他面側9gが略垂直状に形成
されてなることから突起片9自体の剛性をも向上させる
ことが出来る利点があるが、同図(ロ)の様に、両端の
先鋭な起刃部9eがクローラ4の回転方向(矢印E)側に
位置する各起刃部9eの一面側9fを開口状態に形成すると
共に、該一面側9fから他面側9gかけて平面視略円弧状に
形成された構成であってもよく、この場合には、凍りつ
いた雪の塊やアイスバーン状に凍った雪面を確実に掻き
切る様に破砕することが出来る利点を有するだけでな
く、先鋭で、しかも平面視略円弧状に形成されることで
上記同様突起片9自体の剛性も確実に向上させることも
出来る利点を有するが、突起片9の回転体8aへの取付け
構造のみならず突起片9の具体的な形状や配設数量等も
決して限定されないのは言うまでもない。
【0040】又、上記実施形態に於いて、雪面グルーミ
ング用回転体8aには、雪面内に没する雪面グルーミング
用回転体8aの雪面からの深さ寸法を任意に設定変更可能
なグルーミング深度調整手段が設けられてなることか
ら、クローラ車1が雪面グルーミング用回転体8aを用い
て整雪作業を行う場合に、該回転体8aが荒れた雪面内に
必要以上に没入してアイスマットや断熱材及び冷却管を
含む各種配管等を損傷するのを確実に防止することが出
来るが、必ずしもグルーミング深度調整手段が雪面グル
ーミング用回転体8aに設けられてなくともよく、該グル
ーミング深度調整手段がクローラ車1に設けられた構成
であってもよく、グルーミング深度調整手段の具体的な
機構や取付け箇所等も決して限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】叙上の様に、本発明の整雪作業装置を有
した屋内用クローラ車には、駆動源に液化ガス燃料にて
動力を発生する内燃機関が用いられてなることから、沸
点が低い液化ガスは常に常温で気化すると共に、空気と
の混合も良好となって燃焼効率の高い完全燃焼を容易に
行えることとなり、よって排気ガス中にカーボン、NO
x、亜硫酸ガス等を含むことが少なく、又異臭を放つこ
ともないために、該クローラ車を屋内人工スキー場や屋
内人工スノーボード遊技場等の屋内で使用する場合に大
気中の汚染による害を大幅に低減することが出来るだけ
でなく、該クローラ車に液化ガス燃料にて動力を発生す
る内燃機関を用いることで燃焼効率の高い完全燃焼を容
易に行えることから、内燃機関の潤滑油を汚したり、薄
めたりすることが少なくなり、よって潤滑油の消費を低
減させるだけでなく、ノッキングを起しにくい静かな動
力を得ることが可能となり、又もともとの値段も安価な
ことから内燃機関の寿命を延ばして維持管理等の諸経費
をも節約することが出来るだけでなく、雪面を汚す錆や
粉塵等の発生をも防止したり雪面内に配設されたアイス
マットや断熱材及び冷却管を含む各種配管等をも損傷さ
せることなく整雪作業を行える極めて優れた整雪作業装
置を有した屋内用クローラ車を提供することが出来る格
別な効果を有する。
【0042】更に、本発明の整雪作業装置を有した屋内
クローラ車の整雪作業装置によれば、クローラ車の具
体的な種類に限定されることなく、極めて短時間のうち
に各種整雪作業装置を使い分けて整雪作業に係る時間を
短縮することが可能で、しかも雪面内に配設されたアイ
スマットや断熱材及び冷却管を含む各種配管等をも損傷
させることなく整雪作業を行うことが出来るという格別
な効果を有するに至った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の整雪作業装置を有した屋内用クローラ
車の第一実施形態を示し、同図(イ)は平面図、同図
(ロ)は側面図、同図(ハ)は正面図。
【図2】本発明の整雪作業装置を有した屋内用クローラ
車のクローラ及びトラックローラの要部拡大一部断面
図。
【図3】本発明の整雪作業装置を有した屋内用クローラ
車に用いられる滑り止め具を示し、同図(イ)は平面
図、同図(ロ)は正面図、同図(ハ)は底面図。
【図4】本発明の整雪作業装置を有した屋内用クローラ
車の整雪作業装置の一部を構成するバケットの使用状態
を示し、同図(イ),(ロ),(ハ)は要部断面図。
【図5】本発明の整雪作業装置を有した屋内用クローラ
車の整雪作業装置の一部を構成する雪面グルーミング用
回転体を示し、同図(イ)は長板状基台の分解図、同図
(ロ)は回転体の側面図、同図(ハ)は回転体の使用状
態を示す拡大側面図。
【図6】本発明の雪面グルーミング用回転体に使用され
る突起片の他の実施形態を示し、同図(イ),(ロ)は
要部拡大斜視図。
【符号の説明】
1…クローラ車 1a…クローラ上部構造物 1b…俯
仰動アーム 1c…揺動用油圧シリンダ 1d…開口前
縁部 1e…第1平面部 1f…第2平面部 1g…削
刃部 1h…油圧シリンダ 2…内燃機関 2a…液
化ガス燃料容器 3…排気浄化装置 3a…断熱カバ
ー 4…クローラ4b…補強鉄芯 4c…案内突部
5…駆動輪 5a…遊動輪 5b…キャリアクローラ
5c…トラッククローラ 5d…凹状部 5e…内壁
6…滑り止め具 6a…係止プレート 6b…ベース
プレート 6c…緩衝体6d…連結プレート 7…バケ
ット 8…ミル用シリンダ 8a…雪面グルーミング
用回転体 8b…整雪板 8c…ソリ 8d…ソリ昇降
寸法調整用ハンドル 9…突起片 9a…長板状基台
9b…円盤体 9c…回転軸 9d…ボルト 9e…起刃
部 9f…一面側 9g…他面側 10…雪面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊 洋二郎 大阪市此花区伝法四丁目3番55号 株式 会社鴻池組内 (72)発明者 森川 恭男 大阪府寝屋川市池田中町23番3号 大淀 小松株式会社内 (72)発明者 佐藤根 弘之 大阪府寝屋川市池田中町23番3号 大淀 小松株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−218817(JP,A) 特開 昭54−83233(JP,A) 実開 昭64−57124(JP,U) 実開 昭62−99604(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01H 4/02 E01H 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向への移動時に雪を掬い取ることが
    可能なバケット(7) と雪面をグルーミングするための雪
    面グルーミング用回転体(8a)とからなる整雪作業装置を
    有し、しかも該バケット(7) には、他方向への移動時に
    雪面を均すことが出来る均し手段としての先鋭な削刃部
    (1g)と上方から付される押圧力により雪面を固めること
    が出来る押圧面部が設けられ、且つ前記雪面グルーミン
    グ用回転体(8a)には、雪面内に没する回転体(8a)の雪面
    からの深さ寸法を任意に設定変更可能なグルーミング深
    度調整手段が設けられてなり、しかも動力源に液化ガス
    燃料にて動力を発生する内燃機関(2) が排気浄化装置
    (3) を有して設けられてなることを特徴とする整雪作業
    装置を有した屋内用クローラ車。
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