JP2900134B2 - 紐類調節用止具 - Google Patents

紐類調節用止具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてスキーウ
ェアー、防寒コート、アノラック、ハーフコート等の裾
部等に取付けられ、これら着衣に装着された紐、帯等の
紐類を通して紐類の長さの調節止めや、カーデガンの前
身ごろ相互の開閉或はナップザック等の各種の袋物の開
閉のための紐類による絞り止めに使用する紐類調節用止
具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の紐類調節用止具は、径方
向に紐通し孔を穿設した外筒と、この外筒に嵌合し軸部
の径方向に貫通した紐通し孔を有する嵌合子と、該嵌合
子を軸方向に摺動させるバネの三部品からなっており、
特開昭62−111414号公報、特開昭63−272
302号公報には、部品点数を少なくするために、前記
嵌合子の下部にバネを一体的に設けたものが開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの紐類調節用止
具は、いずれも嵌合子をバネに抗して外筒内へ押し込
み、外筒の紐通し孔と嵌合子の紐通し孔を一致させた状
態で紐通し孔に紐を貫通させ、所定位置で嵌合子をバネ
の力で復元させることによって、外筒と嵌合子の紐通し
孔に食い違いを形成することで紐を蛇行させ固定しよう
とするものであることから、嵌合子を押圧しながら移動
調節する必要があって調節操作性が悪いだけでなく、専
ら機能的な外形デザインとなるために装飾性に劣り、取
付け対象物とのデザイン的バランスを崩す場合が多いこ
とに解決すべき課題があった。
【0004】また、これらの紐類調節用止具は、外筒と
嵌合子の紐通し孔に食い違いを形成することで紐を蛇行
させ固定しようとするものであることから、食い違い部
分の角部で紐類に損傷を与える結果、紐類の耐久性を低
下させる点も解決すべき課題であった。
【0005】本発明の目的とするところは、衣服類の裾
の絞りや袋物の開口状態の調節設定及び維持を確保し、
装飾品の一種として機能するとともに、取付け対象物と
のデザイン的バランスを崩すことのない、製作性、装飾
性、操作性等に優れた紐類調節用止具を安価に提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の紐類調節用止具
は、上記課題を解決し目的を達成するものであって、衣
服や袋物の生地に固定するものと紐類に装着するものの
二種類がある。
【0007】衣服や袋物の生地に固定する紐類調節用止
具は、中心部に紐類制動用通路1を設けるとともにその
周囲に紐類の通過抵抗により撓み変形する制動片2を形
成したゴム等の弾性部材からなる表主体3に、加締用筒
脚4の一端に形成した埋設用鍔5を、前記紐類制動用通
路1の中心に加締用筒脚4の中心を一致させて埋設一体
化し、表主体3の裏面中央に加締用筒脚4を突設した調
節止具体6と、取付け対象生地に貫通された前記加締用
筒脚4を通して加締める中心穴11を開設した裏止め体
7とから構成とし、表主体3の制動片2の周面に、輪郭
形状又は輪郭形状と凹凸或は色彩とによる装飾性を具備
させるものとする。
【0008】また裏止め体7は、表主体3と同様、表面
に装飾性を具備させたものとするとともに加締用筒脚4
を加締めるための座付き穴8を形成した構成として、取
付け対象物の表裏面側のいずれにおいても装飾性のある
体裁の良い状態とする場合もある。
【0009】
【発明の実施の形態】上記のように構成した衣服や袋物
の生地に固定する紐類調節用止具は、予め加締用筒脚4
と裏止め体7を金属板部材の塑性加工により製作し、調
節具主体5を一般的に実施されているインサート成形手
段、例えば、平面輪郭形状を円形とした表主体形成用凹
部の内面中心部に紐類制動用通路1と制動片2用のスリ
ット及び文字、図柄等形成用の突起を形成を形成した多
数個の上型と、表主体形成用凹部に対応する位置に加締
用筒脚4を支持するとともに前記紐類制動用通路1と制
動片2用の突起と衝合する高さで加締用筒脚4の内径を
外径とする支持突起及び埋設用鍔5が表主体形成用凹部
内に埋設される深さの周溝を支持突起の根元に形成した
下型とを用い、前記予め製作した加締用筒脚4を、埋設
用鍔5を上とし筒部が周溝に嵌るように下型の支持突起
に支持させた後、上下型を閉めて溶融弾性ゴム又は溶融
ウレタン樹脂を成形空間内へ射出することにより製作す
る。
【0010】 そして装飾性は、輪郭形状の選択又は輪郭
形状と凹凸、着色、塗料の塗布等によって実施し、文
字、模様等形成用凹部を形成した場合には該凹み部分に
のみ塗着することにより装飾性を具備させる。
【0011】 この紐類調節用止具は、スキーウェアー、
防寒コート、アノラック、ハーフコート等の裾部に装着
された紐、帯等の紐類、カーデガンの前身ごろ相互の結
び紐或はナップザック等の各種の袋物の開閉のための紐
類を、紐類制動用通路1から通すのであるが、独立した
状態で紐類を通すか、対象物に加締固定した状態におい
てその紐類を通すかのいずれかであり、紐類を通した場
合の紐類の表面と制動片2との抵抗によって制動片2が
撓み変形し、その復元力により紐類を止めるように作用
し、衣類等の裾や袋物の縁を絞った状態に維持するので
ある。
【0012】
【実施例】図1は実施例1に係る紐類調節用止具の分解
断面図、図2は調節止具体6の平面図及び部分平面図で
あって、紐類通し通路1の形状の異なる (イ)(ロ)(ハ)
(ニ)の四つの事例を示し、図3は実施例1に係る紐類
調節用止具を対象物の生地に固定した状態を示す断面
図、図4は実施例2に係る紐類調節用止具の分解断面図
である。
【0013】 (実施例1)図1、図3に示す紐類調節用止具は 取付け対象物(衣
服、袋物等)の生地Sに、表主体3の装飾表面が表とな
るように固定し、対象物に装着されている紐類Rを通し
て使用する場合の紐類調節用止具であって、調節止具体
6と裏止め体7とから構成されている。
【0014】 図2に示す 調節止具体6は、中心部に紐類
制動用通路1を設けるとともにその周囲に紐類の通過抵
抗により撓み変形する制動片2を形成したウレタンゴム
又は樹脂等の弾性部材からなる平面円形であって、図1
において成形時に表面に文字、図柄、記号等の凹凸装飾
部が形成される表主体3に、薄いステンレス板を打ち抜
きプレス成形してなる加締用筒脚4の一端に形成した埋
設用鍔5を、前記紐類制動用通路1の中心に加締用筒脚
4の中心を一致させて埋設一体化し、表主体3の裏面中
央に加締用筒脚4を突設させた構成であり、裏止め体7
は、ステンレス板を打ち抜きプレス成形して加締用筒脚
4が挿通される中心穴11が開設されたリング形状とな
っている。
【0015】 また調節止具体6に形成する紐類制動用通
路1と制動片2は、紐類の通過抵抗により撓み変形する
形状、例えば図2に示した (イ) 〜 (ニ) 等の各種形態
から選択して採用されるものである。
【0016】 さらに加締用筒脚4の埋設用鍔5には、埋
設強度向上と回転止めを目的として複数の貫通孔(図示
省略)を開設する場合もある。
【0017】 (実施例2) 実施例2に係る紐類調節用止具であって、図4に示すよ
うに、裏止め体7が表主体3と同様、表面に装飾性を具
備させたものとし、中心部に加締用筒脚4を加締めるた
めの座付き穴8を設けた構成で、合成樹脂部材又はアル
ミニウム部材から製作したものであり、他の構成は実施
例1と同様であるため、図面上同一符号を付して説明を
省略する。
【0018】 なお各実施例において表主体1等の平面形
状を円形としたものについて図示説明しているが、平面
輪郭形状は、花形、星形、多角形等とし、装飾性を良好
とする場合もある。
【0019】 また、実施例1、2の紐類調節用止具は、
生地Sを介在させることなく、調節止具体6と裏止め体
7を加締結合すれば、生地等に取付けることなく独立し
て紐類に装着し独立単体の紐類調節用止具とすることが
できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明した本発明の紐類調節用止具に
よれば、表主体1又は表主体1と裏止め体7自体に、紐
類制動用通路1と制動片2を形成した構成であるから、
構造が簡単であって製作、組立、装着も簡単となり、紐
類調節用止具又は紐類をいずれの方向に移動させても、
制動片2に弾性撓み変形が生じ、その復元力よって紐類
を押圧止することができ、衣服類の裾の絞りや袋物の開
口状態の調節設定及び維持を確保することが可能とな
る。
【0021】 このため従来の紐調節固定具のように、嵌
合子をバネに抗して外筒内へ押し込みながら移動調節す
る面倒な操作をしなくても、単に紐類調節用止具又は紐
類を移動させるだけの簡単な操作で、衣服類の裾の絞り
や袋物の開口状態の調節設定及び維持ができる。
【0022】 また表主体1又は裏止め体7には、文字、
図柄、着色或は異色部材の使用等の手段によって表面に
装飾性を具備させているから、装飾品の一種として機能
するとともに、取付け対象物とのデザイン的バランスを
崩すことも解消される。
【0023】 したがって本発明によれば、製作性、装飾
性、操作性に優れた紐類調節用止具を安価に提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る紐類調節用止具の分解
断面図である。
【図2】紐類調節用止具の構成部品である調節止具体の
平面図と部分平面図であって、紐類通し通路の形状が異
なる (イ)(ロ)(ハ)(ニ)の四つの事例を示す。
【図3】本発明の実施例1に係る紐類調節用止具を対象
物の生地に固定した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例2に係る紐類調節用止具の分解
断面図である。
【符号の説明】
1 紐類制動用通路 2 制動片 3 表主体 4 加締用筒脚 5 埋設用鍔 6 調節止具体 7 裏止め体 8 座付き穴 11 中心穴 S 生地 R 紐類
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−123110(JP,U) 実開 平3−69414(JP,U) 実開 昭62−123111(JP,U) 実開 平7−36713(JP,U) 実公 平6−31933(JP,Y2) 実公 昭39−10649(JP,Y1) 実公 昭36−30900(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A44B 21/00 A44B 11/00 - 11/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に紐類制動用通路(1) を設けると
    ともにその周囲に紐類の通過抵抗により撓み変形する制
    動片(2) を形成したゴム等の弾性部材からなる表主体
    (3) に、加締用筒脚(4) の一端に形成した埋設用鍔(5)
    を、前記紐類制動用通路(1) の中心に加締用筒脚(4) の
    中心を一致させて埋設一体化し、表主体(3) の裏面中央
    に加締用筒脚(4) を突設した調節止具体(6) と、取付け
    対象生地に貫通された前記加締用筒脚(4) を通して加締
    める中心穴(11)を開設した裏止め体(7) とから構成され
    ていることを特徴とする紐類調節用止具。
  2. 【請求項2】 表主体(3) の制動片(2) の周面に、輪郭
    形状又は輪郭形状と凹凸或は色彩とによる装飾性を具備
    させた請求項1記載の紐類調節用止具。
  3. 【請求項3】 裏止め体(7) は、表主体(3) と同様、表
    面に装飾性を具備させたものとするとともに加締用筒脚
    (4) を加締めるための座付き穴(8) が形成された構成で
    ある請求項1又は2記載の紐類調節用止具。
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