JP2898316B2 - 人体用エヤゾール製品 - Google Patents

人体用エヤゾール製品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な人体用エヤゾール製品に関する。さら
に詳しくは、安全で使用感にすぐれた人体用エヤゾール
製品、とくにエヤゾール制汗剤などとして好適に使用し
うる人体用エヤゾール製品に関する。
〔従来の技術〕
近年、人体用エヤゾール製品、とくにエヤゾール制汗
剤の使用量が増加してきている。制汗剤にはエヤゾール
タイプ以外にもロールオンタイプ、スティックタイプな
どがあるが、いずれも使用感においてエヤゾールタイプ
と比較すると劣るため、エヤゾールタイプが主流になっ
てきている。さらにエヤゾールタイプの中には粉体を配
合したタイプと主剤をアルコールなどの溶剤に溶解した
粉体を配合しないタイプがある。粉体を配合したタイプ
のエヤゾール制汗剤は皮膚に粉体を付着させることが可
能なので、皮膚のベトツキ感を減少することができる利
点をもっている。
しかしながら、現在市販されている粉体を配合したタ
イプのエヤゾール制汗剤にはつぎのような欠点がある。
(1)ミストがこまかすぎて粉体が飛び散る。
(2)粉体が皮膚からはがれ落ちる。
(3)制汗効果が持続しにくい。
さらに現在使用されている噴射剤はフロン−11、フロ
ン−12、フロン−114やLPGなどの混合物であるがアメリ
カ合衆国ではエヤゾール製品中、医薬品などの不可欠も
のに用いる以外はその使用が禁止されている。
そこで、本件出願人は叙上の欠点を解消し、前記のご
とくアメリカ合衆国での使用が制限されているフロン−
11、フロン−12およびフロン−114を使用せずに現在の
日本の法律上の規制に適合する安全なエヤゾール制汗剤
を開発している(特公昭63−7163号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、本発明者らは、前記人体用エヤゾール
製品は充分に使用に供しうるとはいうものの、使用時に
おける再分散性にやや難があるため、さらに再分散性に
すぐれた人体用エヤゾール製品を開発するべく鋭意研究
を重ねた結果、かかる再分散性にすぐれ、同時に安全性
にもすぐれた人体用エヤゾール製品を見出し、本発明を
完成するにいたった。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は制汗効果を有する薬剤、粉体およ
びこれらの助剤からなる有効成分ならびに噴射剤として
ジメチルエーテルが配合され、ステム孔径が0.4〜1.0m
m、ハウジング下孔径が0.6〜2.0mm、ベーパータップ孔
径が0.6〜2.0mmであって、ハウジング下孔径がベーパー
タップ孔径下であるバルブが用いられてなる使用感のす
ぐれた人体用エヤゾール製品に関する。
〔作用および実施例〕
本発明において用いられる制汗効果を有する薬剤とし
ては、アルミニウムクロロハイドレートのほかにたとえ
ばアルミニウムフェノールスルフォネートなどがあげら
れる。
本発明において用いられる粉体としては、タルクのほ
かにたとえばカオリン、ベントナイトなどがあげられ
る。
なお、アルミニウムクロロハイドレートは粉体として
の働きもする。
また本発明において用いられる助剤としては活性剤や
粉体の分散剤などがあげられる。
しかし本発明においては各成分は、それ単独でその働
きをするのではなく相互に関連した複合的な働きをする
ために、一応前記のごとく分類はしたが、各成分を単純
に分類することはむしろ困難である。そのためエヤゾー
ル製品中では有効成分としてひとまとめにして取りあつ
かうほうが好ましいと考えられる。
本発明において配合する有効成分の量としては3〜15
%(重量%、以下同様)が好ましく、とくに好ましくは
5〜12%である。有効成分の量が3%よりも少ないばあ
いには制汗効果が低下し、15%よりも多いばあいには粉
体が多くなりすぎたり、ベトツキを生じやすい活性剤や
粉体の分散剤が多くなりすぎたり、さらにそれら両方の
相剰作用のため、非常に粉っぽくなったり、ウェットな
感じになったり、さらには極端な制汗効果が発揮されす
ぎたりして、いずれも好ましくない。
噴射剤としてジメチルエーテルを配合するのは本発明
のひとつの大きな要素である。その理由のひとつは、ジ
メチルエーテルを用いたばあいにはエヤゾール製品内で
の有効成分の再分散性が格段に向上するからである。塩
化メチレンなどは特有の臭いがありかつ皮膚に刺激を与
えるので好ましくない。また、ペンタンも蒸発速度や蒸
発の潜熱の点ではよいが、引火性が高いため好ましくな
い。
本発明において配合されるジメチルエーテルの量は噴
射剤中5〜50%が好ましく、とくに好ましくは10〜45%
である。ジメチルエーテルの配合量が5%よりも少ない
ばあいには再分散性が充分に発揮されなくなる傾向があ
り、また50%よりも多いばあいには適切な噴射状態がえ
られないだけでなく、使用感がわるくなる傾向がある。
本発明において配合される噴射剤は25℃においてゲー
ジ圧力が1〜2.5kg/cm2となるように調整される。この
ように25℃においてゲージ圧力を1〜2.5kg/cm2とする
のは、25℃においてゲージ圧力が1kg/cm2よりも小さな
ガスでは相対的にガス量を増加させる必要があり、25℃
においてゲージ圧力が2.5kg/cm2よりも大きなガスでは
取り扱いが困難であったり適切な噴霧状態がえられなく
なり、いずれも好ましくないからである。
本発明において25℃においてゲージ圧力を1〜2.5kg/
cm2とするために配合される可燃性液化ガスとしては、
たとえば液化石油ガス(LPG)などが用いられる。この
ような可燃性液化ガスの量は50〜95%が好ましく、とく
に好ましくは55〜95%である。配合量が50%よりも少な
いばあいにはミストの状態が粗くなり使用感が劣り、ま
た配合量が95%よりも多いばあいにはミストの状態がこ
まかくなりすぎ、有効成分の付着が非常にわるくなる傾
向がある。
以上のごとく、本発明におけるエヤゾール製品によれ
ば前記した従来のエヤゾール製品の欠点が改良され、比
較的乾燥性のよい溶剤と圧力が適度に高い噴射剤を使用
して、適当なミストの状態をつくることにより、粉体の
飛び散りや粉体の皮膚からのはがれ落ちを防止し、制汗
効果などを持続させることが可能となり、さらに使用時
における再分散性が格段に向上するのである。
また本発明の人体用エヤゾール製品は粉体を配合した
タイプに関して述べたが、粉体を配合しないタイプにも
すぐに応用のきくものである。
なお、現在のエヤゾール製品の安全基準は法律的な定
めはないが、実質的に人体に使用するものに対しては、
火炎長試験における火炎長を25cm未満とする必要がある
が、本発明においてはシステム孔径が0.4〜1.0mm、ハウ
ジング下孔径が0.6〜2.0mm、ベーパータップ孔径が0.6
〜2.0mmであって、ハウジング下孔径がベーパータップ
孔径以下であるバルブが用いられているので、かかる安
全基準は満足されるのである。前記ステム孔径は0.4mm
未満であるばあいには、粉体の詰りにより噴霧をするこ
とができなくなり、また、1.0mmをこえると火炎長試験
における火炎長が25cm未満であるという条件を満足しな
くなるため、0.4〜1.0mm、なかんづく0.5〜1.0mmであ
る。また、前記ハウジング下孔径は0.6mm未満であるば
あいには、粉体の詰りにより噴霧することができなくな
ったり、適切な噴霧状態がえられなくなり、また2.0mm
をこえるばあいには、使用時に内容物が多量に噴射さ
れ、火炎長を25cm未満とすることが困難となるので、0.
6〜2.0mm、なかんづく困難となる。また、前記ベーパー
タップ孔径は0.6mm未満であるばあい、使用時に勢いよ
く内容物が噴射されるので、皮膚に痛みを生じるように
なるとともに火炎長を25cm未満とすることが困難とな
り、また2.0mmをこえるばあい、全量を噴霧することが
困難となるため、0.6〜2.0mm、なかんづく1.0〜2.0mmで
ある。
また、火炎長が25cmをこえないようにし、使用時に内
容物が勢いよく噴射されることを防ぐために、ハウジン
グ下孔径はベーパータップ孔径以下であることが必要で
ある。
なお、前記各種孔径はいずれも直径を示し、実質的に
同一の断面積を有するものであれば、本発明はその形状
などによって限定されるものではない。
つぎに本発明の人体用エヤゾール製品を実施例および
比較例をあげて詳細に説明する。
実施例1〜5 第1表に示す各成分の配合組成に調製した本発明の人
体用エヤゾール製品について試験を行なった結果を第1
表に示す。
比較例1〜3 第1表に示す各成分の配合組成に調製された市販の人
体用エヤゾール製品について試験を行なった結果を第1
表に示す。
ここで実施例1〜5および比較例1〜3は粉体を配合
したタイプのものである。
第1表から本発明の人体用エヤゾール製品はすべての
試験において良好な結果を示しているが、粉体を配合し
たタイプの市販の人体用エヤゾール製品はいずれも何ら
かの点で劣り、すべての試験に合格するものではないこ
とがわかる。
なお第1表において試験結果の評価はつぎの基準によ
った。
○:良好 △:やや不良 ×:不良 〔発明の効果〕 本発明の人体用エヤゾール製品は、安全で使用感にす
ぐれ、しかも知用時に軽く振とうするだけで有効成分が
製品内で均一に分散するという再分散性にすぐれたもの
であるので、たとえばエヤゾール制汗剤などとして好適
に使用しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/30 B65D 83/14 B (56)参考文献 特開 平1−272518(JP,A) 特開 平3−109316(JP,A) 特開 昭61−165320(JP,A) 特開 昭59−84802(JP,A) 特開 昭57−75912(JP,A) 特開 昭63−68686(JP,A) 特開 昭59−93001(JP,A) 特開 昭59−84801(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 - 7/48 A61K 9/12 C09K 3/30 B05B 9/04 B65D 83/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制汗効果を有する薬剤、粉体およびこれら
    の助剤からなる有効成分ならびに噴射剤としてジメチル
    エーテルが配合され、ステム孔径が0.4〜1.0mm、ハウジ
    ング下孔径が0.6〜2.0mm、ペーパータップ孔径が0.6〜
    2.0mmであって、ハウジング下孔径がベーパータップ孔
    径以下であるバルブが用いられてなる使用感のすぐれた
    人体用エヤゾール製品。
  2. 【請求項2】噴射剤中のジメチルエーテルの量が5〜50
    重量%である請求項1記載の人体用エヤゾール製品。
JP1286596A 1989-11-01 1989-11-01 人体用エヤゾール製品 Expired - Fee Related JP2898316B2 (ja)

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