JP2898010B2 - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JP2898010B2 JP1105286A JP10528689A JP2898010B2 JP 2898010 B2 JP2898010 B2 JP 2898010B2 JP 1105286 A JP1105286 A JP 1105286A JP 10528689 A JP10528689 A JP 10528689A JP 2898010 B2 JP2898010 B2 JP 2898010B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、たとえば超音波振動子をその共振点にて
駆動することにより、結石の破壊や腫瘍の切除などを行
う超音波治療装置に関する。
[従来の技術] 近年、結石の破壊や腫瘍の切除など、超音波振動子を
用いて種々の治療を行う超音波治療装置が実用化されて
いる。
この種の超音波治療装置にあっては、上記治療を効率
良く行うため、超音波振動子をその共振点にて駆動する
ようになっている。すなわち、超音波振動子を駆動する
場合、PLL(位相固定ループ)を用いて、超音波振動子
に加える電圧と流れる電流との位相差が零となるように
発振周波数を制御することにより、共振点を追尾させる
ようになっている。
ところで、超音波振動子の等価回路は、一般に、第5
図に示されるように、コイルLとコンデンサCと抵抗R
とを直列接続した直列共振回路に、制動コンデンサ(制
動容量性成分)Cdが並列に接続された形となっている。
このような超音波振動子に電圧を印加すると、制動コン
デンサCdには電流idが、また直列共振回路には電流i1
それぞれ流れる。上記電流id,i1のうち、超音波振動に
変換されるのは電流i1だけである。したがって、直列共
振回路の共振点(機械的共振点)にて駆動するのが、最
も効率の良いものとなっている。
しかしながら、超音波振動子は、上述の如く制動コン
デンサCdを有する。このため、最も効率の良い機械的共
振点にて駆動することができないものとなっていた。す
なわち、第6図に示すように、制動コンデンサCdの容量
サセプタンスωCdにより、PLLによるロック点PRと機械
的共振点ftとがずれたものとされていた。
そこで、上記欠点を解決するものとして、たとえば実
開昭54−136943号公報にて開示されるよう構成された駆
動装置が提案されている。この駆動装置では、第7図に
示すように、超音波振動子Sと並列にインダクタ(誘導
性成分)Ldを接続し、このインダクタLdの誘導リアクタ
ンスωLdにより上記制動コンデンサCdの容量サセプタン
スωCdが相殺されるようにしている。この結果、第8図
に示す如く、PLLによるロック点PRと機械的共振点ftと
が一致されるようになる。このため、駆動回路Dによる
機械的共振点での駆動が可能とされている。
一方、超音波振動子は、その形状や電歪素子の特性な
どにより、制動コンデンサの容量サセプタンスの大きさ
が異なったものとなっている。このため、多種の超音波
振動子を接続して使用する超音波治療装置において、上
述のような駆動装置を用いた場合、すべての超音波振動
子が有する制動コンデンサの容量サセプタンスを相殺す
ることができない。すなわち、1種のインダクタを用意
する駆動回路では、容量サセプタンスの大きさが異なる
多種の超音波振動子をそれぞれの機械的共振点にて駆動
することができない。このため、超音波治療装置として
は、治療が効率良く行えないという欠点があった。
[発明が解決しようとする課題] 上述したように、従来の超音波治療装置においては、
容量サセプタンスの大きさが異なる多種の超音波振動子
をそれぞれの機械的共振点にて駆動することができない
ため、治療を効率良く行うことができないという欠点が
あった。
そこで、この発明は、接続される超音波振動子が有す
る制動容量性成分の容量サセプタンスの大きさが異なる
場合でも、常に超音波振動子をその機械的共振点にて確
実に駆動することが可能となり、種々の治療を効率良く
行うことができる超音波治療装置を提供することを目的
としている。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、この発明の超音波治療
装置にあっては、制動容量性成分を有する超音波振動子
と、この超音波振動子をその共振点にて駆動する駆動回
路と、前記超音波振動子に並列に接続された容量性成分
と、この容量性成分と前記制動容量性成分との合成容量
値を相殺するよう、前記超音波振動子に並列に接続され
た誘導性成分とから構成されている。
[作用] この発明は、上記した手段により、超音波振動子の種
類にかかわらず、その容量性成分と制動容量性成分との
合成容量値が一定とされるようにしているため、超音波
振動子の種類が異なる場合であっても、1種の誘導性成
分により確実に上記制動容量性成分を相殺できるように
なるものである。
[実施例] 以下、この発明の一実施例について図面を参照して説
明する。
第1図は、この発明の第1の実施例の要部の構成を概
略的に示すものである。すなわち、超音波治療装置の本
体1には、コネクタの各ピン22a,22bを介して、たとえ
ばハンドピース(プローブ)20a,20bのどちらか一方が
接続されるようになっている。
上記ハンドピース20aには、制動コンデンサ(制動容
量性成分)C1を有する超音波振動子21aが設けられてい
る。この超音波振動子21aには、コンデンサ(容量性成
分)C3が並列に接続されている。
上記ハンドピース20bには、制動コンデンサ(制動性
容量成分)C2を有する超音波振動子21bが設けられてい
る。この超音波振動子21bには、コンデンサ(容量性成
分)C4が並列に接続されている。
一方、超音波治療装置の本体1には駆動回路10が設け
られている。この駆動回路10は、上記コネクタのピン22
a,22bに接続されている。上記駆動回路10は、上記本体
1に接続されたハンドピース20aの超音波振動子21a、ま
たはハンドピース20bの超音波振動子21bをそれぞれの機
械的共振点にて駆動するものである。
また、上記超音波治療装置の本体1の内部にはインダ
クタ(誘導性成分)Lが設けられている。このインダク
タLは、上記コネクタのピン22a,22bの相互間に設けら
れ、本体1に接続されるハンドピース20a,20bそれぞれ
の超音波振動子21a,21bと並列に接続されるようになっ
ている。上記インダクタLは、ハンドピース20aにおけ
る制動コンデンサC1とコンデンサC3との合成容量値(容
量サセプタンスの和)を相殺するためのものである。ま
た、インダクタLは、ハンドピース20bにおける制動コ
ンデンサC2とコンデンサC4との合成容量値を相殺するた
めのものである。
ここで、上記容量性成分としてのコンデンサC3,C4
ついて説明する。上記コンデンサC3,C4は、ハンドピー
ス20aにおける合成容量値、およびハンドピース20bにお
ける合成容量値を一定とし、またこれら合成容量値を上
記インダクタLのインダクタンスと等しくするためのも
のである。すなわち、コンデンサC3,C4は、それぞれ超
音波振動子21a,21bの種類の違いによる制動コンデンサC
1,C2の容量サセプタンスの大きさを補償するよう機能
する。
このような構成において、本体1にハンドピース20a
が接続されたとする。すると、コネクタのピン22a,22b
を介して、駆動回路10と超音波振動子21aとが接続され
る。また、上記コネクタのピン22a,22bを介して、イン
ダクタLと制動コンデンサC1およびコンデンサC3とが並
列に接続される。
この接続により、制動コンデンサC1とコンデンサC3
の合成容量値が、インダクタLのインダクタンスにより
相殺される。すなわち、制動コンデンサC1とコンデンサ
C3との合成容量値は、インダクタLのインダクタンスと
等しくされている。これにより、超音波振動子21aの制
動コンデンサC1の容量サセプタンスは確実に相殺され
る。この結果、ハンドピース20aの超音波振動子21aを、
その機械的共振点にて確実に駆動可能となる。したがっ
て、ハンドピース20aによる治療、たとえば結石の破壊
や腫瘍の切除などを効率良く行うことができるようにな
る。
また、超音波治療装置の本体1に、たとえばハンドピ
ース20bが接続された場合であっても、その合成容量値
がインダクタLのインダクタンスにより相殺されること
になる。このため、ハンドピース20bの超音波振動子21b
を、その機械的共振点にて確実に駆動可能となる。よっ
て、ハンドピース20bによる種々の治療を効率良く行う
ことができるものである。
上記したように、各種の超音波振動子がそれぞれに有
する制動コンデンサの容量サセプタンスの大きさの違い
が、コンデンサ(C3,C4)により補償されるようにして
いる。
すなわち、本体に接続されるハンドピースの超音波振
動子の種類が異なる場合でも、その合成容量値は一定と
されるようになっている。このため、制動コンデンサの
容量サセプタンスの大きさが異なる超音波振動子を駆動
するような場合であっても、1種のインダクタにより、
その制動コンデンサの容量サセプタンスを確実に相殺で
きるようになる。これにより、種々の超音波振動子をそ
れぞれの機械的共振点にて確実に駆動可能となる。した
がって、超音波治療装置としての駆動効率を向上でき、
各種の治療を効率良く行うことができるものである。
第2図は、上記第1の実施例におけるコンデンサC3
C4を、それぞれ可変容量コンデンサ(容量性成分)Ca,C
aによって構成した場合を例に示すものである。
この第2の実施例においては、可変容量コンデンサC
a,Caをそれぞれ調整することにより、それぞれのハンド
ピース30a,30bにおける合成容量値が一定とされるよう
になっている。
このような構成によれば、超音波振動子が有する制動
コンデンサの容量サセプタンスの大きさに応じた種々の
コンデンサを用いることなく、1種類の部品により構成
可能となる。このため、組立ておよび調整が容易であ
る。
なお、上記第1の実施例と同様な効果が実現可能なこ
とは勿論である。
第3図は、上記第1の実施例におけるコンデンサC3
C4に、それぞれ可変抵抗Ra,Raを直列に接続した場合を
例に示すものである。
この第3の実施例においては、容量性成分、つまりコ
ンデンサと抵抗とを直列に接続した際のアドミッタンス
(Y=G+jB)が、第4図に示す如く、変化されるよう
になっている。このため、可変抵抗Ra,Raをそれぞれ調
整することにより、それぞれのハンドピース40a,40bに
おける合成容量値を一定とすることができるものであ
る。
このような構成によれば、可変容量コンデンサを用い
た場合よりも、より安価に、また小型に構成できる。し
かも、温度などの環境の変化に対しても、非常に安定し
たものとすることができる。
なお、この発明は上述した実施例に限定されるもので
はなく、この発明の要旨を変えない範囲において、種々
変型実施可能なことは勿論である。
[発明の効果] 以上、詳述したようにこの発明によれば、接続される
超音波振動子が有する制動容量性成分の容量サセプタン
スの大きさが異なる場合でも、常に超音波振動子をその
機械的共振点にて確実に駆動することが可能となり、種
々の治療を効率良く行うことができる超音波治療装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図はそれぞれこの発明の一実施例を示す
もので、第1図は第1の実施例の要部を示す超音波治療
装置の概略構成図、第2図は第2の実施例の要部を示す
超音波治療装置の概略構成図、第3図は第3の実施例の
要部を示す超音波治療装置の概略構成図、第4図は第3
の実施例における容量性成分のアドミッタンスを示す図
であり、第5図乃至第8図はいずれも従来技術とその問
題点を説明するたるに示すもので、第5図は一般的な超
音波振動子の等価回路を示す回路図、第6図は第5図に
おける超音波振動子のアドミッタンスを示す図、第7図
は超音波振動子の駆動装置の一例を示す構成図、第8図
は第7図における超音波振動子のアドミッタンスを示す
図である。 1…超音波治療装置の本体、10…駆動回路、20a,20b,30
a,30b,40a,40b…ハンドピース、21a,21b…超音波振動
子、C1,C2…制動コンデンサ、C3,C4…コンデンサ、Ca
…可変容量コンデンサ、Ra…可変抵抗、L…インダク
タ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動容量性成分を有する超音波振動子と、
    この超音波振動子に並列に接続された容量性成分と超音
    波駆動本体のコネクタに着脱自在に接続するコネクタを
    有する超音波ハンドピースと、 前記超音波振動子をその共振点にて駆動する駆動回路
    と、この駆動回路に並列に接続された誘導性成分と前記
    駆動回路に接続された前記超音波ハンドピースのコネク
    タに着脱自在に接続するコネクタとを有する超音波駆動
    本体と、 を設けると共に、 前記超音波ハンドピースに設けられた前記超音波振動子
    の有する制動容量性成分と前記超音波振動子に並列に接
    続された容量性成分との合成容量値を、前記超音波駆動
    本体に設けられた誘導性成分と相殺するよう構成したこ
    とを特徴とする超音波治療装置。
  2. 【請求項2】前記容量性成分は、その容量値が制御可能
    に構成されていることを特徴とする請求項(1)に記載
    の超音波治療装置。
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