JP2897550B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2897550B2
JP2897550B2 JP4267701A JP26770192A JP2897550B2 JP 2897550 B2 JP2897550 B2 JP 2897550B2 JP 4267701 A JP4267701 A JP 4267701A JP 26770192 A JP26770192 A JP 26770192A JP 2897550 B2 JP2897550 B2 JP 2897550B2
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  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置に係り、特に点火タイミングの遅角制御が
行われる内燃機関における吸気バルブの開弁タイミング
を制御するのに適した内燃機関のバルブタイミング制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関から排出される排気ガスには、
炭化水素(HC),一酸化炭素(CO),窒素酸化物
(NOx )等の未燃物質が含まれている。このため、内
燃機関を車両に搭載する場合、これらの未燃物質を除去
する必要がある。三元触媒は、これらの未燃物質を効率
良く浄化する物質として知られており、良好な排気エミ
ッションが要求される車両においては、三元触媒コンバ
ータを排気通路中に設けることにより、排気ガスを浄化
している。
【0003】ところで、三元触媒は、その温度が所定の
活性温度領域にあるときにHC,CO,NOx を有効に
浄化し、その温度が活性温度領域に達していない場合、
浄化能力が著しく低下するという性質を有している。こ
のため、内燃機関から排出される排気ガスにより、三元
触媒が十分に暖まるまでは、未燃成分を多量に含有した
排気ガスが大気中に排出されることになる。
【0004】従って、内燃機関が始動されたら、三元触
媒をいち早く活性温度領域まで昇温させる必要があり、
このための装置として、内燃機関の暖機が終了するまで
点火タイミングを遅角制御する装置が知られている。す
なわち、内燃機関が暖機中、つまり、三元触媒が十分に
暖まっていない間は、点火タイミングを遅角させること
により内燃機関から意識的に不完全燃焼の高温ガスを排
出させ、三元触媒の早期昇温を図るものである。
【0005】特開平1−92582号公報は、このため
の装置の応用例を開示している。この装置は、上記の点
火タイミングの遅角制御を、複数の燃焼室に設けられた
点火プラグに同時に点火信号を送信する同時着火方式の
内燃機関で実現するための装置である。
【0006】同時着火方式とは、例えば4気筒の内燃機
関において、ピストンが同じ動作をする燃焼室に設けら
れた2つの点火プラグに同時に点火信号を送信する方式
である。尚、この場合、一方の燃焼室が圧縮工程〜爆発
工程に移行するとすれば、他方の燃焼室は、排気工程〜
吸気工程に移行するはずである。すなわち、一方の点火
プラグから発せられたスパークは、その点火プラグが配
置されている燃焼室内に爆発を引き起こすが、他方の点
火プラグは単に空打ち点火をしたにすぎず、スパークが
発生しないのと何らかわりがない。
【0007】ところが、上記の点火タイミング遅角制御
が行われると、点火が遅れた分だけ、本来空打ち点火が
行われるはずの燃焼室内ですでに吸気工程が始まってお
り、その間に吸入された燃料ガスによりバックファイヤ
が発生する場合がある。
【0008】そこで、上記公報記載の装置では、点火タ
イミングの遅角量に制限を設けて、空打ち点火が吸気工
程にかかるのを防止し、これによるバックファイヤの防
止を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内燃機関にお
いて点火タイミングを遅角制御した場合は、通常の点火
タイミングで点火した場合に比べて燃料の燃焼速度が遅
く、かつ燃焼圧が低い。このため、遅角制御が行われる
と、排気工程が終了してもなお、燃焼室内に高温の不完
全燃焼ガスが残留していることになる。
【0010】この状態で吸気工程が開始され、吸気バル
ブが開弁されると、燃焼室内に残留していた燃焼中の高
温ガスは、吸気管内に蓄えられていた負圧により吸引さ
れて吸気ポートを逆流する。そして、吸気管内の燃料に
引火してバックファイヤが発生する。
【0011】つまり、上記従来の装置は、空打ち点火に
よるバックファイヤを防止することはできても、遅角制
御により生じる高温不完全燃焼ガスによるバックファイ
ヤを防止することができない。
【0012】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、点火タイミングの遅角制御と合わせて吸気バル
ブの開弁タイミングの遅角制御を行うことにより、点火
タイミングの遅角制御時に発生するバックファイヤを防
止する内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、運転状態
に基づいて点火タイミングを決定する点火タイミング制
御装置を備える内燃機関の吸気バルブの開弁タイミング
を、可変バルブタイミング機構を制御することにより変
更する内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
図1の原理図に示すように、前記内燃機関1の点火タイ
ミングが、前記点火タイミング制御装置2により遅角制
御されているときに、前記内燃機関1が排気工程から吸
気工程への移行中であってピストンが上死点から下死点
に達するまでの間に前記内燃機関1の吸気バルブ1aが
開弁するように、前記可変バルブタイミング機構3を制
御する開弁タイミング設定手段4を有する内燃機関のバ
ルブタイミング制御装置により解決される。
【0014】
【作用】上記構成の内燃機関のバルブタイミング制御装
置において、前記点火タイミング制御装置2は、前記内
燃機関1の点火タイミングを決定する。前記開弁タイミ
ング設定手段4は、前記点火タイミング制御装置2が、
点火タイミングの遅角制御を行っているか否かを判別す
る。
【0015】そして、点火タイミングが遅角制御されて
いると判別した場合、前記開弁タイミング設定手段4
は、前記可変バルブタイミング機構3に、開弁タイミン
グを遅角させるための信号を供給する。
【0016】前記可変バルブタイミング機構3は、前記
開弁タイミング設定手段4から供給された信号に基づい
て、前記内燃機関1の吸気バルブ1aのバルブタイミン
グを遅角させ、前記吸気バルブ1aが開弁するタイミン
グを、上死点から下死点までの間に設定する。
【0017】すなわち、ピストンが上死点を超えて下降
を始めても、吸気バルブ1aはまだ閉弁しており、吸気
バルブ1aが開弁するまで、ピストンの下降と共に燃焼
室内では断熱膨張により温度及び圧力が低下し続ける。
従って、吸気バルブ1aが開弁されると、吸気ポート内
に待機していた燃料が低圧低温の燃焼室内に吸入され
る。
【0018】
【実施例】図2は、本実施例装置の構成図を示す。同図
において、符号10はエアクリーナ、12はスロットル
弁、14は吸気ポート、16は吸気バルブ、18はシリ
ンダブロック、20はシリンダヘッド、22はピスト
ン、24はコネクティングロッド、26はクランク軸、
28は燃焼室、30は点火プラグ、32は排気バルブ、
34は排気ポートを示す。これらは、内燃機関としては
周知の構成要素ばかりであるため、その詳細な連結関係
の説明は省略する。
【0019】この内燃機関は、所謂ダブルオーバーヘッ
ドカムシャフト(DOHC)型の内燃機関であり、吸気
バルブ16の吸気カム軸36と、排気バルブ32の駆動
用の排気カム軸38とを備えている。これらのカム軸3
6及び38の軸端には、プーリ40及び42が取り付け
られ、タイミングベルト44によって、クランク軸26
上のタイミングプーリ50に巻き掛けられている。
【0020】これらのカム軸36及び38の回転中に、
吸気バルブ16及び排気バルブ32は、それぞれのタイ
ミングでバルブスプリング46に抗して開弁することは
周知の通りである。また、符号48はイグナイタを示
し、内燃機関の電子制御装置から送信される信号に基づ
いて、所定のタイミングで点火プラグ30に点火信号を
分配する。
【0021】吸気バルブ16の駆動用の吸気カム軸36
には、カム軸36を、プーリ40すなわちクランク軸2
6に対して相対的に回転させることによりバルブタイミ
ングを制御するタイプの可変バルブタイミング機構60
が連結される。図3〜図5は、この可変バルブタイミン
グ機構の構成図を示す。以下、これらの図に沿って、本
実施例装置に使用した可変バルブタイミング機構につい
て説明する。
【0022】図3に示すように、吸気カム軸36の一端
には、インナスリーブ62がボルト64によって固定さ
れ、インナスリーブ62上には、アウタスリーブ66が
ローラ軸受け68によって回転自在に取付けられてい
る。尚、アウタスリーブ66は吸気カム軸36の駆動用
のプーリ40と一体に形成されている。
【0023】インナスリーブ62とアウタスリーブ66
は、それぞれ軸方向に延びる突起62a及び66aを備
えている。図3におけるIV断面図である図4に示すよう
に、これらの突起62a,66aは、約90°間隔で交
互に設けられ、それぞれ近接する突起59a,62a間
には、同軸回りを回転するローラ70及び72が配置さ
れている。
【0024】尚、本実施例装置においては、ローラ7
0,72は、スライダ74の周囲に4組設けられてお
り、突起62a,66aの端部は、それぞれローラ7
0,72の側面に接している。図3に示すように、この
スライダ74は、ローラ軸受け76を介して、内ネジを
有するナット78上に回転自在に取り付けられている。
【0025】また、図3において符号80はステップモ
ータを示す。ステップモータ80の出力軸80aは外ネ
ジを有しており、ナット78の内ネジと係合している。
さらに、ステップモータ80のハウジングには、ナット
78の外周に設けられた案内溝78aに係合する案内部
80bが設けられている。このため、出力軸80aが回
転すると、ナット78は、その軸方向に直線運動する。
【0026】ところで、図4及び図5(図4におけるV
矢視図)に示すように、突起部62a及び66aのロー
ラ70,72と接触する端面のうち一方は、図5中に矢
線で示す軸方向に対して平行に(図5中、62b)、他
方は斜めに(図5中、66b)成形されている。そし
て、平行な端面62bと斜めの端面66bとが対になっ
て各ローラ70,72に接している。
【0027】このため、スライダ74、すなわちローラ
70,72が軸方向に直線運動すると、突起部62aと
突起部66aとは相対的に回転することになる。換言す
れば、図3に示すステップモータ80の出力軸80aが
回転して、ナット78と共にスライダ74が軸方向に移
動すると、インナスリーブ62とアウタスリーブ66と
が相対的に回転することになる。
【0028】また、上記したように、インナスリーブ6
2は吸気カム軸36にボルト64で固定されており、他
方アウタスリーブ66は、吸気カム軸36駆動用のプー
リ40と一体に形成されている。このため、インナスリ
ーブ62とアウタスリーブ66とが相対的に回転する
と、吸気カム軸36は、プーリ40すなわちクランク軸
50に対して相対的に回転し、吸気バルブ16のバルブ
タイミングが変化することになる。
【0029】図6は、吸気バルブ14の通常のバルブタ
イミング(図6(A))と、ステップモータ80により
吸気カム軸36とプーリ40とを相対的に回転させたと
きのバルブタイミングを示す。本実施例装置において
は、図6(A)に示すように、通常状態では吸気バルブ
が上死点(TDC)手前α°CAで開弁し(I.O)、下
死点(BDC)後β°CAで閉弁する(I.C)。バルブ
タイミング変更時には、図6(B)に示すように、TD
C後γ°CAで開弁してBDC後θ°CAで閉弁する。また
排気バルブ32のバルブタイミングは、図6(A)及び
(B)で同一であり、BDC手前で開弁して、TDC後
に閉弁する。
【0030】尚、可変バルブタイミング装置は、図示の
構造に限るものではなく、例えば、吸気カム軸36に、
吸気バルブ16をTDC手前α°CAで開弁させるカム
と、TDC後γ°CAで開弁させるカムとを隣接して設
け、それぞれのカムの力を吸気バルブ16に伝達するた
めに独立に設けられた2つのタペットを抜き差しするこ
とにより、有効なカムを切り換えることによりバルブタ
イミングを変更する構造にしてもよい。
【0031】図2において、符号90は本実施例装置の
要部で、内燃機関の運転状況を各種センサの出力信号か
ら検出し、その状況に応じて吸気バルブタイミングを設
定する制御回路である。制御回路90は、マイクロプロ
セッシングユニット(MPU)90a,メモリ90b,
入力ポート90c,出力ポート90d、及びこれらのユ
ニット間で命令やデータの相互通信を行うためのバス9
0eで構成される。
【0032】また、メモリ90bの不揮発部分、例えば
リードオンリメモリ(ROM)には、本実施例装置の要
部であるバルブタイミング制御実行用のプログラム、そ
の他点火タイミング制御等を実行するためのプログラム
が格納されている。そして、制御装置90がこれらのプ
ログラムを実行することで、点火タイミング制御装置2
及び開弁タイミング設定手段4が実現される。
【0033】各種センサとして、符号92はクランク各
センサを示す。このクランク各センサ92は、クランク
軸26と共に回転する永久磁石片と、この永久磁石が発
する磁界を検出するホール素子とで構成され、TDC,
BDC毎にパルス信号を発する。
【0034】符号94は、エフロメータを示し、内燃機
関に供給される吸入空気量に応じた信号を発する。ま
た、符号96は、スロットルポジションセンサを示し、
アクセル開度に応じた信号を発する。更に、シリンダブ
ロック18の冷却ジャケットには、水温センサ94が設
けられており、冷却水の温度THWに応じた信号を発し
ている。そして、これらのセンサは、それぞれ制御回路
90の入力ポート90cに接続され、それぞれの信号を
制御回路90に供給している。
【0035】入力ポート90cは、各センサから供給さ
れる信号のうちアナログ信号をディジタル信号に変換す
る変換器、並びにクランク角センサ92から供給される
パルス信号に基づいて、クランク角ω及び機関回転数N
eを計算する回路を備えている。
【0036】一方、出力ポート90dは、イグナイタ4
8及び可変バルブタイミング機構60に接続され、点火
タイミングの指示信号と、所望のバルブタイミングを得
るためのステップモータ80駆動信号とを送信してい
る。
【0037】以下、本実施例装置がROMに格納されて
いるプログラムに沿って行う処理について説明するが、
それに先立って図7〜図9に沿って、制御の概要につい
て説明する。尚、図8,図9において図2と同一の構成
部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0038】一般に内燃機関の排気系には、良好な排気
エミッションを確保するために三元触媒からなる排気ガ
ス浄化装置が組み込まれており、内燃機関の始動直後か
ら良好な排気エミッションを確保するためには、始動後
いち早く三元触媒を活性温度領域まで昇温させる必要が
ある。
【0039】このため、内燃機関が十分に暖機されてい
ない場合は点火タイミングを遅角させ、意識的に不完全
燃焼ガスを排気系に排出させる方法が従来より用いられ
ている。不完全燃焼ガスは、完全燃焼した排気ガスに比
べて高温であり、三元触媒をいち早く昇温させることが
できるからである。
【0040】図7は、内燃機関の燃焼室28内の圧力、
すなわち燃焼圧の変動を表す図で、図7(A)は通常の
点火タイミング(TDC前の時刻t1 )に点火した場合
を、また、図7(B)は遅角したタイミング(TDC後
の時刻t2 )に点火した場合の様子を表している。
【0041】図7(A)に示すように、通常の点火タイ
ミングで点火した場合、燃焼圧が急激に上昇して、その
後BDCに達する頃にはすでに最低レベルにまで下がっ
ている。これは、通常の点火タイミングにおいては、燃
焼室に供給された燃料は、爆発的に完全燃焼することを
示している。
【0042】一方、図7(B)に示すように、点火時期
を遅角させた場合、燃焼圧は急激に上昇しない代わりに
長期間低レベルで維持される。同図に示す場合は、排気
工程が終了するはずのTDC近傍に達する頃になっても
まだ最低レベルに達していない。つまり、点火タイミン
グが遅角された場合、十分な圧縮圧が得られないため燃
焼速度が低下し、長期間燃焼が持続されることを意味し
ている。このため排気系には燃焼途中の高温ガスが排出
され、三元触媒には大きな熱量が供給されることにな
る。
【0043】しかし、上記の図6(A)に示したよう
に、内燃機関の通常のバルブタイミングでは、少しでも
吸気及び排気工程を長く確保するために、TDC付近に
おいて吸気バルブと排気バルブが共に開弁する状態、所
謂バルブオーバーラップの状態が存在するように設定さ
れている。
【0044】図8は、吸気バルブ16を従来同様、通常
のバルブタイミングで開閉させている場合のTDC直前
(BTDCα°CA)の様子(図7(A))、及びTDC
における様子(図7(B))を示している。
【0045】上記したように、点火タイミングを遅角さ
せた場合、燃焼室内の燃焼は長期間持続される。すなわ
ち、ピストン22が再びTDCに達する頃になっても燃
焼室内にはまだ高温の不完全燃焼ガスが、ある燃焼圧を
伴って残留している。
【0046】このため、図8(B)に示すように、TD
C近傍で吸気バルブ16が開弁すると、燃焼室22から
吸気ポート14へ高温不完全燃焼ガス(図8中、●)が
逆流する。そして、吸気ポート14内の燃料(図8中、
○)に引火してバックファイヤが発生する。
【0047】図9は、本実施例装置において、点火タイ
ミングを遅角制御すると共に、TDC後(ATDC)に
吸気バルブ16が開弁するようにバルブタイミングの遅
角制御を行った際の状態を表している。
【0048】すなわち、図9(A)〜図9(D)に示す
ように、BTDCにおいて開弁していた排気バルブ32
が閉弁した直後においては、吸気バルブ16は開弁して
おらず、ピストン22が下降してATDCγ°CAに達し
て始めて吸気バルブ16が開弁する。
【0049】この場合、TDC直後(図9(B))にお
いては、上記図8の場合と同様に燃焼室28内に高温不
完全燃焼ガス(各図中、●)が充満しているが、吸気バ
ルブ16が閉じているのでバックファイヤは発生しな
い。この状態でピストン22が下降するため、燃焼室2
8内では断熱膨張が行われ(図9(C))、吸気バルブ
16が開弁するATDCγ°CAに達するまでには、不完
全燃焼ガスの温度が下が低下すると共に、燃焼室28内
の圧力も低下する。
【0050】従って、ATDCγ°CAにおいて吸気バル
ブ16が開弁しても、もはや高温の不完全燃焼ガスが吸
気ポート14に逆流することはなく、これによるバック
ファイヤは完全に防止されることになる。
【0051】図10は、上記のバルブタイミング遅角制
御を行うために制御装置90が実行するルーチンの一例
のフローチャートを示す。このルーチンは、所定時間
毎、例えば25msec毎に実行される時間割り込みルーチ
ンとして構成される。
【0052】この処理が起動すると、先ず内燃機関の運
転状態を検知し、点火タイミングの遅角制御を行うべき
か否かの判定を行う。すなわち、冷却水温THWを検出
するため水温センサ94の出力信号を読み込み(ステッ
プ101)、THWが所定温度Kに達しているか否かを
判別する(ステップ102)。
【0053】本実施例装置においては、THW<Kの場
合、内燃機関が十分に暖機されていない、すなわち、三
元触媒が活性温度領域に達していないと判断して、点火
タイミングの遅角制御を行うため、ステップ103に進
む。
【0054】ここで、点火タイミングの遅角制御は、公
知の方法を用いる。すなわち、上記の各種センサ92,
94,96から機関回転数Ne,スロットル開度,吸入
空気量Qを読み込み(ステップ103)、これらの値に
基づいてインジェクタ(図示せず)における燃料噴射時
間TAUを演算する(ステップ104)。
【0055】そして、このTAUと、最適な点火タイミ
ング遅角量との関係を表すマップ(図示せず)を用いて
決定した点火タイミング遅角量ωを、イグナイタ48に
指示する(ステップ105)。尚、TAUと、最適な点
火タイミング遅角量との関係を表すマップは、メモリ9
0b内のROMに記憶されている。
【0056】ステップ106は、本発明の遅角量検出手
段に該当し、上記ステップ105で決定したωを、点火
タイミング遅角量として検出すると共に、ωが所定の遅
角量ω0 を超えているか否かを判別する。
【0057】ここで、ω0 は燃焼室28内に残留した高
温不完全燃焼ガスが吸気ポート14に逆流する恐れのあ
る最小の値として設定された点火タイミング遅角量であ
る。すなわち、上記ステップ106は、ωを用いてバッ
クファイヤ発生の危険性を判断しており、ω>ω0 の場
合には、その恐れがあると判断する。
【0058】ω>ω0 と判別されたら、バックファイヤ
防止のため、バルブタイミングの遅角制御を行う。すな
わち、遅角量ωに応じた吸気バルブ遅角量を演算し(ス
テップ107)、そのバルブタイミング遅角量を実現す
るステップ数だけステップモータ80を駆動して(ステ
ップ108)処理を終了する。
【0059】そして、内燃機関が十分に暖機され、上記
ステップ102でTHW≧Kと判別されたら、点火タイ
ミングを基準のタイミングに戻して遅角制御を止める
(ステップ109)。このため、もはやバルブタイミン
グを遅角する必要もなく、基準のバルブタイミングに戻
すための駆動信号を設定して(ステップ110)、ステ
ップモータを駆動する。
【0060】また、本実施例装置においては、点火タイ
ミングの遅角量がω0 に達していない場合は、バルブタ
イミングを遅角制御しない構成としているため、上記ス
テップ106で、ω≦ω0 と判別された場合にも、バル
ブタイミングを基準値に戻して処理を終了する。
【0061】尚、点火タイミング遅角量ωが大きいほ
ど、バックファイヤが発生する危険性が高くなるため、
本実施例装置においては吸気バルブの遅角量と点火タイ
ミングの遅角量ωとの間に比例関係があるものとして演
算しているが、これに限るものではなく、例えば、両者
の関係を表すマップを用いて、より精度良く両者の関係
を再現できる構成としてもよい。
【0062】また、上記の構成では、点火タイミングの
遅角量ωが所定のしきい値ω0 に達していない場合はバ
ルブタイミングの遅角制御を実行しない構成としている
が、点火タイミングが遅角されている場合は常にバルブ
タイミングの遅角制御を行う構成としてもよい。さら
に、本実施例装置では、THWが所定の温度に達するま
で遅角制御を行う構成としているが、内燃機関の始動後
所定時間だけ遅角制御する構成としてもよい。
【0063】図11は、本実施例装置の動作をまとめた
図を示す。以下、同図を用いて本実施例装置の効果につ
いて説明する。
【0064】図11(A)は、内燃機関始動後の時間と
点火タイミングとの関係を表す図を示す。上記したよう
に、本実施例装置は、内燃機関が十分に暖機されていな
い場合、点火タイミングを遅角制御して三元触媒の早期
昇温を図る。すなわち、図11(A)においては、内燃
機関始動後、時刻t1 に点火タイミングの遅角制御が始
まる。
【0065】ここで、従来の装置では、この遅角制御に
より高温不完全燃焼ガスが吸気ポートに逆流して、バッ
クファイヤを引き起こしていたが、本実施例装置におい
ては、図11(B),(C)に示すように、吸気バルブ
16のバルブタイミングを遅角制御して、TDC近傍に
おける高温不完全燃焼ガスの逆流を防止することがで
き、バックファイヤが発生することがない。
【0066】さらに、この吸気バルブ16の遅角量は、
点火タイミングの遅角量が大きいときには大きく(図1
1(B))、点火タイミングの遅角量が小さいときには
小さく、連続的に設定することができる。このため、従
来の装置ではバックファイヤが多発するとして設定でき
なかった領域まで点火タイミングを遅角することが可能
となるうえ、吸気工程における吸気バルブ開度が必要以
上抑えられることがなく、内燃機関の出力低下を最小限
にすることができる。
【0067】そして、内燃機関の温度が所定の温度に達
したら(図11(A)中、時刻t2)、点火タイミング
の遅角制御を終了すると共に、図11(D)に示すよう
な、バルブオーバーラップを有するバルブタイミングに
よる通常運転に切り替わる。
【0068】このように、本実施例装置によれば、バッ
クファイヤを確実に防止することができるうえ、従来の
装置に比べて点火タイミングの遅角可能幅が広がり、三
元触媒の昇温に要する時間を短縮することが可能とな
り、暖機中の出力低下をも最小限にくい止めることが可
能となる。
【0069】尚、上記の実施例においては、点火タイミ
ングの遅角量がω0 に達したら、吸気バルブ16の遅角
制御を行う事としたが、これに限るものではなく、三元
触媒を加熱するための点火タイミングの遅角制御が行わ
れているときは常にバルブタイミングを遅角制御する構
成としてもよい。
【0070】また、本実施例装置には、連続的なバルブ
タイミングの変更が可能な可変バルブタイミング機構6
0を用いているが、離散的にタイミングを切り換えるタ
イプの機構を用いて、点火タイミングの遅角制御が行わ
れているか否により、そのタイミングを切り換える構成
としてもよく、この構成とすればより安価に製造するこ
とが可能となる。
【0071】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、従来の装
置では、点火タイミングの遅角制御を行うと、高温不完
全燃焼ガスが吸気ポートに逆流してバックファイヤを発
生することがあったのに対して、吸気バルブのバルブタ
イミングを遅角制御することにより高温不完全燃焼ガス
の逆流を防止することが可能となる。
【0072】従って、点火タイミングの遅角制御時に生
じるバックファイヤを防止することが可能となり、内燃
機関の安全性、耐久性及び車両の乗り心地の向上を図る
ことができるという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御
装置の原理図である。
【図2】本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御
装置の一実施例の構成図である。
【図3】本実施例装置に使用する可変バルブタイミング
機構の構成断面図である。
【図4】本実施例装置に使用する可変バルブタイミング
機構の一部の正面断面図である。
【図5】図4に示すバルブタイミング機構の一部の V矢
視図である。
【図6】本実施例装置に使用する可変バルブタイミング
機構を備えた内燃機関のバルブタイミングを表す図であ
る。
【図7】内燃機関の燃焼圧と点火タイミングとの関係を
表す図である。
【図8】通常のバルブタイミングで吸気バルブが開閉す
る際の動作を説明するための図である。
【図9】遅角制御されたバルブタイミングで吸気バルブ
が開閉する際の動作を説明するための図である。
【図10】本実施例装置が実行するバルブタイミング制
御ルーチンのフローチャートである。
【図11】本実施例装置の動作をまとめた図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 1a,16 吸気バルブ 2 点火タイミング制御装置 3、60 可変バルブタイミング機構 4 開弁タイミング設定手段 28 燃焼室 30 点火プラグ 36 吸気カム軸 40 タイミングプーリ 62 インナスリーブ 62a,66a 突起 66 アウタスリーブ 70,72 ローラ 80 ステップモータ 90 制御装置 92 クランク角センサ 94 エアフロメータ 96 スロットルセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 43/00 301 F02D 13/02 F02P 5/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転状態に基づいて点火タイミングを決
    定する点火タイミング制御装置を備える内燃機関の、吸
    気バルブの開弁タイミングを、可変バルブタイミング機
    構を制御することにより変更する内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置において、 前記内燃機関の点火タイミングが、前記点火タイミング
    制御装置により遅角制御されているときに、前記内燃機
    関が排気工程から吸気工程への移行中であってピストン
    が上死点から下死点に達するまでの間に前記吸気バルブ
    が開弁するように、前記可変バルブタイミング機構を制
    御する開弁タイミング設定手段を有することを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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