JP2896444B2 - 液体金属精製装置 - Google Patents

液体金属精製装置

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JP2896444B2 JP2103758A JP10375890A JP2896444B2 JP 2896444 B2 JP2896444 B2 JP 2896444B2 JP 2103758 A JP2103758 A JP 2103758A JP 10375890 A JP10375890 A JP 10375890A JP 2896444 B2 JP2896444 B2 JP 2896444B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高速増殖炉の冷却材に使用される液体金属
ナトリウム中の不純物を除去、精製する液体金属精製装
置に関する。
〔従来の技術〕 液体金属冷却型高速増殖炉の冷却系は、炉心で発生す
る熱を除去、輸送する1次冷却系、この熱を中間熱交換
器を介して受ける2次冷却系、さらに蒸気発生器におい
て2次冷却系との熱交換により、蒸気を発生させタービ
ンを駆動する水・蒸気系から構成される。上記の1次及
び2次冷却系の冷却材としては液体金属ナトリウムが用
いられる。
このナトリウム中には、主要な不純物として水素と酸
素が存在する。水素及び酸素の混入要因としては、機
器、配管等内面や燃料棒表面に付着していた酸化物や水
分の分解によるもの、カバーガス中の不純物成分として
の水素、酸素によるものがある。また2次冷却系では、
水・蒸気系から水素が蒸気発生器の伝熱管を拡散、透過
して侵入し、水素濃度が上昇する。さらに2次冷却系内
の水素は、中間熱交換器の伝熱管を拡散、透過して、1
次冷却系へも侵入する。
冷却材ナトリウム中の水素、酸素不純物濃度が増加す
ると、ナトリウムの伝熱性能が劣化したり、機器、配管
等の材料腐食が促進されることになる。2次冷却系で
は、蒸気発生器の伝熱管破損による水漏洩を2次ナトリ
ウム中の水素濃度の上昇から検知することになっている
ため、ナトリウム中の水素及び酸素を除去、精製し、そ
れぞれの濃度を規定値以下に抑制する必要がある。
液体金属ナトリウム中の水素及び酸素不純物を除去、
精製する装置として、従来コールドトラップまたはナト
リウム中に含まれる不純物を吸蔵するゲッター材を用い
ている。前者はナトリウム中の不純物の溶解度の温度依
存性を利用するもので、ナトリウムを冷却し、不純物を
過飽和の状態にして、過飽和不純物をナトリウム化合物
の形でメッシュなどの内部充填物表面に析出させ、除去
するものである。後者は水素あるいは酸素を内部に吸収
する性質を有する金属または合金を、不純物のゲッター
材としてナトリウム中に設置し、水素及び酸素を除去す
るものである。
尚、本発明に先行する公知例として特開昭62−298403
号公報及び特開平1−140094号公報がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、いずれもナトリウム中の不純物の水
素及び酸素を機器内部に捕獲しておく方式である。この
ためコールドトラップでは、メッシュ部に析出、捕獲さ
れる水素、酸素それぞれのナトリウム化合物によりメッ
シュが閉塞し、寿命が尽きる。またゲッター方式による
ものでは、ゲッター材への水素、酸素の吸蔵限界により
寿命が尽きる。
1次冷却系、2次冷却系何れの場合も、前述したよう
に原子炉運転期間中、継続的に水・蒸気系から蒸気発生
器の伝熱管さらには中間熱交換器の伝熱管を拡散、透過
してナトリウム中に侵入する水素が上記の寿命を支配し
ている。
この寿命が尽きた時、コールドトラップの交換または
再生装置による再生が必要になり、またゲッター方式で
はゲッターの交換が必要になる。
コールドトラップの再生は、捕獲された水素の除去が
主で、精製系を主冷却系とバルブで隔離したうえで、コ
ールドトラップを加熱し、ナトリウム化合物の形でメッ
シュ部に捕獲されている水素及び酸素をナトリウム中に
再溶解させる。このナトリウムを自由液面をもつ容器に
導き、ナトリウム中の水素をガス空間に移動させ、この
ガス空間を排気することにより水素を系外に除去する。
交換、再生何れにしても下記の問題がある。
(1)交換 交換用代替機器の準備、交換作業、撤去機器の廃棄等
が必要であること、交換作業に伴うナトリウム中への不
純物の混入の可能性があることのほか、とくに1次冷却
系の場合放射線被爆の問題があり、交換作業が困難であ
る。
(2)再生 再生のためには再生系として、自由液面を有する容
器、加熱器、カバーガス系等付帯設備が必要であるこ
と、再生作業には長時間を要することに加えて、再生作
業中には高温、高酸素濃度のナトリウムがコールドトラ
ップ内を循環するため、充填メッシュを初めとするコー
ルドトラップ構造材が腐食し、再使用に耐えない可能性
もある。
本発明の目的は、液体金属精製装置の水素除去負荷を
軽減することにより装置の寿命を長くし、或いは装置を
コンパクト化して設備費の低減を図るとともに、交換、
再生等の保守作業を不要とすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、冷却系から液
体金属を導きこの液体金属中に不純物として含まれる水
素及び酸素を除去するコールドトラップを備える液体金
属精製装置において、冷却系とコールドトラップの間
に、容器と、容器内の上部を隔離する管板と、管板に上
端開口を接続し下端を閉塞し、この管板から互いに並行
して垂下する水素透過性金属管からなる管群と、水素透
過性金属管周りに液体金属を送るべく容器の壁に設けら
れた導入口と、容器の底部に設けられ液体金属を流出さ
せる流出口と、液体金属から分離し各金属管内に透過し
た水素を容器内の上部を通じて排気する真空排気手段と
を有する水素除去設備を設けたことを特徴とする。
そして、上記液体金属精製装置には、容器内の管群と
直交し液体金属の流れ方向を交互に反転させる邪魔板を
設けることが好ましい。また冷却系と容器との間に液体
金属を加熱する液体金属加熱手段を設けることが好まし
い。さらに真空排気手段に液体金属から分離した水素を
液化する水素処理手段を設けることが好ましい。
〔作用〕
上記構成によれば、液体金属中に不純物として含まれ
る水素及び酸素が水素透過性金属管からなる管群の外側
を通過すると、液体金属中に含まれる水素は水素透過性
金属管を拡散・透過して管群内に入り、管群に連通した
真空排気手段により系外へ排出される。
これによりコールドトラップの水素除去負担が軽減さ
れ装置としての寿命が長くなる。
さらに、管群に邪魔板を設置した構成とすることによ
り管群外側を通過する液体金属の流路を長くし、液体金
属中に含まれる水素の水素透過性金属管への拡散・透過
を高めることが出来る。
そして、液体金属加熱手段を設置した構成として容器
に流入する液体金属の温度を高くすると、水素の拡散係
数が大きくなり水素の水素透過性金属管への拡散・透過
を高めることが出来る。
最後に、真空排気手段に水素処理手段を設置して、排
出される水素を液化または固化減容処理することにより
機器がコンパクトになる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図により説明する。
第1図は本実施例になる液体金属精製装置の系統構成
を示す。図において、高速増殖炉の1次または2次冷却
系の主配管9にコールドトラップの入口配管10、ナトリ
ウムポンプ30及び出口配管11を介してコールドトラップ
1が設置されている。コールドトラップ1には、流入す
るナトリウムを冷却するための冷却ダクト3並びに冷却
ガス系が、またコールドトラップ内部には析出する不純
物捕獲用の金属性メッシュ2が充填されている。コール
ドトラップ入口配管10には、内部に水素透過性金属管6
からなる管群を有する容器5が設置されており、上記金
属管群は、排気管7、真空ポンプ8に接続され、管内部
が排気される構造となっている。水素透過性金属として
は、水素透過量が大きいと同時にナトリウムと共存性を
有する必要があり、例えばニッケルが好適である。
第2a図に、上記の水素透過性金属管群を内部に有する
容器5の縦断面図を示し、第2b図にその水平断面図を示
す。管群は管板20を介して上部のガス空間21に連なり、
真空系接続部19において第1図で示した排気管7、真空
ポンプ8に接続される。ナトリウム入口17から容器5に
流入するナトリウムは水素透過性金属管群の管束部16を
流れ、ナトリウム出口18から出ていく構造となってい
る。
冷却系の主配管9から分岐したナトリウムはナトリウ
ムポンプ30により容器5内に送られ、水素透過性金属管
群の管束部16を通過する。この時管外のナトリウム側と
管内の真空側との水素濃度差により、ナトリウム中の水
素は水素透過性金属管6を拡散、透過し管内15へ移動す
る。管内15へ移動した水素は排気系により排出され、そ
の結果ナトリウム中の水素がナトリウム系外へ除去され
ることになる。コールドトラップ1へは水素が除去され
たナトリウムが流入するため、主として酸素を捕獲する
ことになり、コールドトラップ1の負荷が軽減され寿命
が長くなる。容器5で水素が、コールドトラップ1で酸
素が除去、精製されたナトリウムは出口配管11を通って
主配管9に戻る。
第3図に他の実施例を示す。本図では、水素透過性金
属管6の管群をコールドトラップ1本体内に設置し、コ
ールドトラップ1と一体化し、機器構成の簡素化を図っ
たものである。動作については第1図で示した実施例と
同じである。
第4a図から第4c図にさらに他の実施例を示す。本実施
例では第2図で示した容器5の管群に複数の邪魔板12
a、12bを設置し、ナトリウムの流れが管束に対して直交
流となるようにしたものである。これにより管束部を通
過するナトリウムの流路を長くすることができ、水素の
除去効果を大きくすることが可能である。
第5図はさらに他の実施例を示す。主配管9と容器5
との間にナトリウム温度を設定、制御できる加熱装置13
を設置したものである。これは、金属が高温であるほど
水素拡散係数が大きくなることから、容器5に入るナト
リウムを高温にし、水素透過性金属管6を拡散、透過す
る水素量を増加させるようにするものである。
第6図はさらに他の実施例で、管群内の排気系に水素
処理設備14を設置したものである。水素処理設備として
は、例えば水素を酸素による酸化で水とし液化するもの
で、水素透過性金属管6を介してナトリウム中から排出
される水素を液化、減容し、最終処理を容易にすること
ができる。
本発明は、以上説明したように構成されているので以
下に記載されるような効果を奏する。
ナトリウム中の水素は、水素透過性金属管からなる管
群の管束部を通過する過程で、管内側へ拡散、透過し、
ナトリウム系外へ排出される。したがってコールドトラ
ップ(ゲッター方式のトラップの場合も同様)では主と
して酸素を捕獲することになり、精製装置の負荷低減、
長寿命化が可能である。その結果、精製系のコンパクト
化、付帯設備の低減を図ることができるとともに、交
換、再生等の保守、補修作業が不要な液体金属精製装置
が提供される。
〔発明の効果〕
本発明によれば、液体金属中に不純物として含まれる
水素及が水素透過性金属管を拡散・透過して管群内に入
り、管群に連通した真空排気手段により系外へ排出され
るのでコールドトラップの水素除去負担が軽減され装置
としての寿命が長くなる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る液体金属精製装置の系統
を示す線図、第2a図は第1図の水素透過性金属管群を内
部に有する容器の縦断面、第2b図は第1図の水素透過性
金属管群を内部に有する容器の水平断面、第3図は本発
明の他の実施例に係る液体金属精製装置の系統を示す線
図、第4a図は本発明の他の実施例に係る水素透過性金属
管群を内部に有する容器の縦断面、第4b図は第4a図に示
した容器のB−B水平断面、第4c図は第4a図に示した容
器のC−C水平断面、第5図は本発明他の実施例に係る
液体金属精製装置の系統を示す線図、第6図は本発明他
の実施例に係る液体金属精製装置の系統を示す線図であ
る。 1……コールドトラップ、2……メッシュ、 3……冷却ダクト、4……冷却ガス系、 5……容器、6……水素透過性金属管、 7……排気管、8……真空ポンプ、9……冷却系主配
管、 10……コールドトラップ入口配管、 11……コールドトラップ出口配管、 12a、12b……邪魔板、13……加熱装置、 14……水素処理設備、15……管内、16……管束部、 17……ナトリウム入口、18……ナトリウム出口、 19……真空系接続部、20……管板、 21……ガス空間、30……ナトリウムポンプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却系から液体金属を導き該液体金属中に
    不純物として含まれる水素及び酸素を除去するコールド
    トラップを備える液体金属精製装置において、前記冷却
    系と前記コールドトラップの間に、容器と、該容器内の
    上部を隔離する管板と、該管板に上端開口を接続し下端
    を閉塞し、該管板から互いに並行して垂下する水素透過
    性金属管からなる管群と、前記水素透過性金属管周りに
    前記液体金属を送るべく前記容器の壁に設けられた導入
    口と、該容器の底部に設けられ前記液体金属を流出させ
    る流出口と、前記液体金属から分離し各金属管内に透過
    した水素を前記容器内の上部を通じて排気する真空排気
    手段とを有する水素除去設備を設けたことを特徴とする
    液体金属精製装置。
  2. 【請求項2】前記容器内の管群と直交し前記液体金属の
    流れ方向を交互に反転させる邪魔板を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の液体金属精製装置。
  3. 【請求項3】前記冷却系と前記容器との間に前記液体金
    属を加熱する液体金属加熱手段を設けたことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の液体金属精製装置。
  4. 【請求項4】前記真空排気手段に前記液体金属から分離
    した水素を液化する水素処理手段を設けたことを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の液体金属精製
    装置。
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