JP2896265B2 - 搬送装置の荷受台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、荷受面をその荷受面側
には平行状態で折曲規制するとともに荷受面とは反対面
側には折曲可能とする搬送装置の荷受台に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば実公昭６１−９８５４号公
報に記載されているように、１階に設備されているコン
ベヤラインと、２階、３階あるいは４階にあるコンベヤ
ラインとを立体的に結ぶため、搬送物を縦方向に搬送す
る搬送装置がある。

【０００３】このような搬送装置では、無端状のチェー
ンに複数の荷受台を連結し、搬送物を上方に搬送する際
に荷受台が水平状態を保ち、下方に回帰する際にチェー
ンの張設状態に沿って荷受台が折曲可能となっている。

【０００４】そして、従来の荷受台は、複数並設される
スラットバーで荷受面を構成し、この各スラットバーの
端部に隣接するスラットバーの水平状態で端面同士が当
接する当接部材を取付けるとともに、複数のスラットバ
ーの両端下面にチェーンを連結することにより、上記の
ように水平状態で折曲規制するとともに下方に折曲可能
とするように構成されている。

【０００５】また、当接部材をスラットバーに取付ける
には、スラットバーの端部に挿入されてボルト、ナット
で取付けられる取付部材に対して、当接部材をボルト、
ナットで取付けるようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、複数のスラ
ットバーによる荷受面が水平状となるには、スラットバ
ーに連結されるチェーンのピッチと各スラットバーに取
付けられる当接部材のピッチとが一致する必要がある。

【０００７】しかし、従来の荷受台では、スラットバー
に取付けられる取付部材に当接部材をボルト、ナットで
取付ける構造であるため、その取付精度のばらつきによ
り、当接部材のピッチとチェーンのピッチとが合わない
部分が生じた場合、荷受面を水平状に構成できない問題
があり、しかも、組立工数が多く、組立てに手間がかか
る問題がある。

【０００８】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、複数のスラットバーで構成される荷受面を確実
に水平状に構成することができ、しかも、簡単に組立て
ることができる搬送装置の荷受台を提供することを目的
とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、荷受面12をそ
の荷受面12側には平行状態で折曲規制するとともに荷受
面12とは反対面側には折曲可能とする搬送装置の荷受台
11において、複数並設されて前記荷受面12を構成するス
ラットバー13と、前記各スラットバー13の端部に挿入さ
れる取付部26および隣接するスラットバー13の平行状態
で端面同士が当接する当接部27を一体に形成した支持部
材21と、前記各スラットバー13の荷受面12とは反対面側
に、前記支持部材21の取付部26に螺着する締付手段49に
より連結されたチェーン41とを備えたものである。

【００１０】

【作用】本発明では、スラットバー13の端部に支持部材
21の取付部26を挿入し、締付手段49を各スラットバー13
の荷受面12とは反対面側に連結されるチェーン41を介し
て取付部26に螺着して締付けることにより、スラットバ
ー13、支持部材21およびチェーン41が一体的に固定され
る。また、支持部材21の取付部26と当接部27とが一体で
あるとともに取付部26に対してチェーン41を連結するこ
とにより、当接部27のピッチとチェーン41のピッチとが
一致し、複数のスラットバー13で構成される荷受面12が
水平状に構成される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。

【００１２】図５ないし図７は搬送物を縦方向に搬送す
るようにした搬送装置を示し、この搬送装置は、一対の
内側チェーン１が複数のスプロケット2a，2b，2c，2dに
よって略Ｌ字形に張設されているとともに、一対の外側
チェーン３が複数のスプロケット4a，4b，4c，4d，4eに
よって略矩形状に張設され、それら両チェーン１，３の
各スプロケット2a，4aに同軸に設けられたスプロケット
５とモータ６で駆動されるスプロケット７との間にチェ
ーン８が張設されており、モータ６の駆動により両チェ
ーン１，３が同期して回動される。

【００１３】また、チェーン１，３には複数の荷受台11
が連結されている。この荷受台11は、図１ないし図４に
示すように、搬送物を載せる荷受面12が、複数並設した
スラットバー13の上面に構成されている。

【００１４】このスラットバー13は、アルミニウム製
で、押出し成形により、断面略矩形中空状の長尺に形成
されており、上面に断面円形で上面が開口された一対の
溝部14が長手方向に沿って形成されているとともに、下
面の一対の片部15間にスリット部16が長手方向に沿って
開口形成されている。

【００１５】そして、スラットバー13の一対の各溝部14
には、例えばウレタンなどの合成樹脂製で断面円形に細
長く形成された弾性部材17が圧入固定されており、この
弾性部材17の上部はスラットバー13の上面より上方に突
出されている。

【００１６】また、各スラットバー13の両端には支持部
材21が取付けられている。この支持部材21は、水平部22
と鉛直部23とからなる断面略Ｌ字形の金属製の芯材24を
インサート成形により合成樹脂製の被覆材25で覆い、ス
ラットバー13の端部に挿入される取付部26と、スラット
バー13の端部に突出配置される当接部27とを一体に形成
している。

【００１７】この取付部26は、芯材24の水平部22の両側
縁部28が上方に折曲形成されており、この水平部22の内
側に一対のボス部29が形成されているとともに、この各
ボス部29の内側にねじ孔30が形成され、また、被覆材25
の下面にスラットバー13のスリット部16に嵌合するガイ
ド部31が突出形成され、各ボス部29の上側に逃げ孔32が
形成されているとともに各ボス部29のねじ孔30の下側に
通孔33が形成されている。一方、当接部27は、略矩形の
ブロック状に形成され、隣接するスラットバー13が互い
に平行状態のときに端面の当接面34が互いに面接触する
ように構成されている。

【００１８】また、複数並設されたスラットバー13の両
端下面に沿って一対のチェーン41が連結されている。こ
のチェーン41は、両側に内側連結板42と外側連結板43と
をそれぞれ交互に配置し、その内側連結板42と外側連結
板43との重合部分をローラ44のローラピン45で回転自在
に連結して構成されている。各内側連結板42の上縁部か
らはそれぞれ外側に向けて略Ｌ字形に当接片部46が折曲
形成され、この各当接片部46には孔部46a が形成されて
いる。かつ、各外側連結板43の上縁部からはそれぞれ外
側に向けて略Ｌ字形に取付片部47が折曲形成され、この
各取付片部47には取付孔47a が形成されている。

【００１９】そして、ワッシャ48を嵌合した締付手段と
してのボルト49のねじ軸部49a を、取付片部47の取付孔
47a 、スラットバー13のスリット部16およびスラットバ
ー13の端部に挿入配置された支持部材21の通孔33を通じ
てねじ孔30に螺着し、取付片部47と取付部26との間でス
ラットバー13の片部15を挟持し、スラットバー13と支持
部材21とチェーン41とを一体的に固定する。

【００２０】このようにチェーン41で連結した荷受台11
は、荷受面12が平行状態となる状態で、隣接する各スラ
ットバー13に取付けた支持部材21の当接部27の当接面34
同士が面接触し、荷受面12側に折曲されるのが規制さ
れ、すなわち荷受面12が下方に下がる変位が規制され、
かつ、隣接するスラットバー13の相対する縁部下面がチ
ェーン41の当接片部46の上面と当接し、隣接するスラッ
トバー13の上下方向のずれが防止されている。また、荷
受面12とは反対面側には、チェーン41の折り曲げに対応
して隣接する各スラットバー13の支持部材21の当接部27
間が離反して折曲可能となる。

【００２１】また、荷受台11の前後部には連結バー51，
52がそれぞれ配設され、各連結バー51，52は、チェーン
41の端部に回転自在に連結された連結板53の取付片部54
に図示しないボルトにより固定されており、隣接するス
ラットバー13と水平状態となった際に支持部材21の当接
部27の当接面34に面接触するようになっている。

【００２２】そして、荷受台11の進行方向前端の連結バ
ー51の両端部が内側チェーン１にそれぞれ連結され、進
行方向後端の連結バー52の両端部が外側チェーン３にそ
れぞれ連結されている。

【００２３】なお、その両連結バー51，52間の距離は、
各チェーン１，３の上昇部1a，3a間の距離に等しく構成
されている。

【００２４】そのため、チェーン１，３の回動により、
中央域である搬送空間61の下部に荷受台11が水平状に進
入し、各連結バー51，52が各チェーン１，３の上昇部1
a，3aに達すると、荷受台11は水平状態のまま搬送空間6
1を上昇し、最上昇位置に達したらチェーン１，３の張
設状態に沿って屈曲して下降回帰するようになってい
る。

【００２５】したがって、搬送空間61の下部側の搬入部
62において、一側方向から搬入される搬送物を水平状態
の荷受台11上に受取り、そのまま荷受台11が搬送空間61
を上昇し、上部側の搬出部63において、荷受台11上の搬
送物を他側方向に搬出するようになっている。

【００２６】また、このように構成された搬送装置は枠
体71内に配設されている。この枠体71は、枠材72が四隅
に立設されるとともに、この隣接する枠材72間に複数の
横継ぎ材73，74が連結されて枠組みが形成され、隣接す
る枠材72間の外面を覆ってパネル75，76が配設されてい
る。一側のパネル76には搬入部62の位置に対応して搬入
口77が形成され、他側のパネル76には搬出部63の位置に
対応して搬出口78が形成されている。

【００２７】そうして、前述のように、荷受台11は、ス
ラットバー13の端部に支持部材21の取付部26を挿入し、
スラットバー13の両端下面に配置されるチェーン41の取
付片部47を通じてボルト49を取付部26に螺着することに
より、ボルト49の締付けで、スラットバー13、支持部材
21およびチェーン41の３つの部材を一体的に固定でき、
簡単に組立てることができる。

【００２８】また、支持部材21の取付部26と当接部27と
が一体であるとともに取付部26に対してチェーン41を連
結することにより、当接部27のピッチとチェーン41のピ
ッチとが一致し、複数のスラットバー13で構成される荷
受面12を確実に水平状に構成することができる。しか
も、隣接するスラットバー13の相対する縁部下面がチェ
ーン41の当接片部46の上面と当接し、複数のスラットバ
ー13の上下方向のずれを防止することができる。

【００２９】なお、荷受台11が水平状となる際に隣接す
る支持部材21の当接部27同士が当接するが、当接部27が
ウレタンなどの合成樹脂製の被覆材25で構成されている
ので、当接時の衝突音を低減し、低騒音化を図ることが
できる。

【００３０】また、スラットバー13には、ボルト49を通
すためのスリット部16を押出し成形時に一体に形成して
いるため、孔開けなどの後加工を行なわずにすむ。

【００３１】また、各スラットバー13の上面に弾性部材
17が取付けられているため、荷受台11上に載り移る搬送
物を複数の弾性部材17で受取り、その載り移り時の衝
撃、騒音の発生を低減することができ、かつ、弾性部材
17と搬送物との摩擦により搬送中の搬送物の位置ずれを
防止することができる。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、支持部材に取付部と当
接部とを一体に形成するとともに取付部に対してチェー
ンを連結することにより、当接部のピッチとチェーンの
ピッチとが一致し、複数のスラットバーで構成される荷
受面を確実に水平状に構成することができる。しかも、
締付部材により、スラットバー、支持部材およびチェー
ンを一体的に固定でき、簡単に組立てることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の搬送装置の荷受台の一実施例を示す一
部の断面図である。

【図２】同上実施例の断面図である。

【図３】同上実施例の一部の平面図である。

【図４】同上実施例の一部の正面図である。

【図５】同上実施例の搬送装置の正面図である。

【図６】同上実施例の搬送装置の側面図である。

【図７】同上実施例の搬送装置の平面図である。

【符号の説明】

11 荷受台 12 荷受面 13 スラットバー 26 取付部 27 当接部 41 チェーン 49 締付手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65G 17/06 B65G 17/48

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷受面をその荷受面側には平行状態で折
   曲規制するとともに荷受面とは反対面側には折曲可能と
   する搬送装置の荷受台において、 複数並設されて前記荷受面を構成するスラットバーと、 前記各スラットバーの端部に挿入される取付部および隣
   接するスラットバーの平行状態で端面同士が当接する当
   接部を一体に形成した支持部材と、 前記各スラットバーの荷受面とは反対面側に、前記支持
   部材の取付部に螺着する締付手段により連結されたチェ
   ーンとを備えたことを特徴とする搬送装置の荷受台。