JP2895962B2 - 新規レクチンおよびその製造方法 - Google Patents

新規レクチンおよびその製造方法

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明宏 川久保
泰之 牧野
正順 二宮
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、新規レクチンおよびその製造方法に関す
る。特に海藻、中でもキリンサイ属(Eucheuma属または
Kappaphycus属)の海藻に由来する新規レクチン及びそ
の製造方法に関する。
4技術 レクチンは動植物及び細菌等に見いだされる、免疫学
的産物ではない糖結合性のタンパク質あるいは糖タンパ
ク質の総称であり、とりわけ、陸上植物由来のレクチン
は赤血球凝集素として古くから知られている。しかし、
近年においては、陸上植物のみならず、海藻からもいく
つかのレクチンが見いだされており、これらのレクチン
の中には、赤血球を凝集させるだけでなく複合糖質を認
識するものなどが発見され(堀ら,Botanica Marina 29
巻,323−328頁,1986年など)、その生理的意義や特性が
注目されるに至っている。
近年の研究の進展によって、海藻のほとんどの種に何
らかの赤血球凝集活性が認められており(堀ら,Botanic
a Marina 31巻,133−138頁,1988年など)、その中のい
くつかのものに関してはすでに精製され、レクチンとし
ての性状が確認されている(塩見ら,日本水産学会誌46
巻,11号,1369−1373頁,1980年等)。しかし、海藻から
レクチンを工業的なレベルで生産することを考えた場
合、収量や精製方法、工業的なスケールでの藻体量の確
保など種々の問題がある。
現在多種類の動植物由来のレクチンが研究用試薬とし
て販売されており、その他の実用面における用途開発も
検討されているものの、海藻レクチンに関しては、ミル
属由来のレクチンが2種類試薬として販売されているの
みである。
一方、従来キリンサイ属の海藻は、カラギーナンの原
藻や海藻サラダの原料として利用されてきただけであ
り、そこに含有される有効成分に関しては、多糖類の利
用以外は未開発である。従って、かかる海藻資源の有効
利用といった観点からも、これらの海藻よりレクチンの
ような高付加価値のある物質を生産するといった技術は
大そう有用である。
発明の開示 かかる実情に鑑み、本発明者らは多種多様の海藻を収
集し、海藻中のレクチンに関して鋭意研究を行った結
果、キリンサイ属の海藻中に新規にレクチンを見出し、
その製造方法を確立することにより、本発明を完成し
た。
すなわち本発明は、 (a)ゲル濾過法による分子量が約25,000であり、 (b)ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSという)電
気泳動法による分子量が約29,000であり、 (c)等電点電気泳動法による等電点がpI4.5〜pI5.7の
範囲にあり、 (d)糖鎖を持たず、 (e)N末端領域のアミノ酸配列が、Gly−Arg−Tyr−T
hr−Val−X−Asn−Gln−Trp−Gly(XはGlnあるいはLy
s)であり、 (f)トリプシン処理ウサギ赤血球、ヒツジ赤血球及び
トリプシン処理ヒツジ赤血球に対して特異的な凝集活性
を有し、 (g)フェチン、アシアロフェチン、チログロブリン及
びイーストマンナンに対して結合特異性を示すことを特
徴とする新規レクチンを提供するものである。
また、本発明は、上記の新規レクチンの製造方法、す
なわち、キリンサイ属に属する海藻を原料とし、緩衝液
および溶媒−水混合液から選ばれる抽出溶媒で抽出し、
その抽出液を溶媒沈殿及びゲル濾過、好ましくはさらに
イオン交換クロマトグラフィーの工程を経ることによっ
て分離精製することを特徴とする新規レクチンの製造方
法を提供するものである。
まず、本発明のレクチンについて説明する。本発明の
新規レクチンは、上記の(a)〜(g)の特徴を有する
ものである。
以下、これらの特徴に基づいて本発明のレクチンにつ
いて具体的に説明する。
(a),(b)分子量 本発明のレクチンは、ゲル濾過法において、約25,000
の分子量を示し、またSDS電気泳動法において約29,000
の分子量を示すものである。
本発明におけるゲル濾過法による分子量の決定は、分
子量測定用ゲル濾過カラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィー〔以下、HPLCという、条件;カラム:Superdex
75HR(10×300mm)、溶離液:0.1M NaCl含有0.05Mリン酸
緩衝液(pH7.2)〕により行うことができる。より具体
的には、予め分子量既知の標準タンパク質〔アルドラー
ゼ(MW158,000)、トランスフェリン(MW80,000)、ウ
シ血清アルブミン(MW68,000)、オボアルブミン(MW4
3,000)、カーボニックアンヒドラーゼ(MW32,000)、
β−ラクトグロブリン(MW18,000)、アプロチニン(MW
6,500)、ビタミンB12(MW1,355)〕を用いて作成した
選択曲線から、本発明のレクチンの分子量を求めること
ができる。
また、ここでいうSDS電気泳動法とは、ドデシル硫酸
ナトリウムの存在下で行うポリアクリルアミドゲル電気
泳動法(以下、SDS−PAGEという)を意味する。本発明
におけるSDS電気泳動法による分子量の決定は、Laemmli
の方法(Nature,227巻,680頁,1976年)によるSDS−PAGE
に準じて行うことができる。具体的には、本発明のレク
チンをSDS(0.5%)および2−メルカプトエタノール
(0.5%)の存在下で100℃、3分間加熱処理した後、SD
S(0.1%)存在下、1.0mmの5〜20%濃度勾配ポリアク
リルアミドスラブゲルを用いて電気泳動を行い、次いで
移動したレクチン試料の所在を、同時に泳動した分子量
既知の標準タンパク質〔例えばウシ血清アルブミン(MW
66,000),卵白アルブミン(MW45,000)、ウサギ筋肉由
来のグリセルアルデヒド−3−フォスフェイトデヒドロ
ゲナーゼ(MW36,000)、牛赤血球由来のカーボニックア
ンヒドラーゼ(MW29,000)、牛膵臓由来のトリプシノー
ゲン(MW24,000)、大豆由来のトリプシンインヒビター
(MW20,100)、牛乳由来のα−ラクトグロブリン(MW1
4,200)〕とともに色素等で染色することにより検出
し、分子量を決定することができる。
これらの分子量測定の結果から、本発明のレクチンは
上述のゲル濾過法で分子量約25,000を示し、かつ上述の
SDS電気泳動法で分子量約29,000を示す単量体であると
思われる。
(c)等電点 本発明のレクチンは、その等電点がポリアクリルアミ
ドゲル等電点電気泳動法にて測定される場合に、pI4.5
〜pI5.7の範囲にあるものである。好ましくは、当該ポ
リアクリルアミドゲル等電点電気泳動法にてpI4.75、pI
4.95、pI5.05、pI5.20及びpI5.50から選ばれる少なくと
も一の等電点を示すものが挙げられる。
本発明におけるポリアクリルアミドゲル等電点電気泳
動法による等電点の決定は、常法に従い、両性担体とし
て2%のAmpholine(pH4〜6.5)を用い、7%のポリア
クリルアミドゲル中で460V定電圧にて20時間泳動するこ
とによって行うことができる。
(d)糖鎖の有無 本発明のレクチンは、少なくとも測定標準試料として
グルコースを用いたフェノール硫酸法〔Dubois,M.,Gill
es,K.A.,Hamilton,J.K.,Rebers,P.A.and Smith,F.(195
6),Anal,Chem.28,357〕による測定で、糖含量が実験誤
差内で0%を示すものであり、このことから糖鎖を有し
ないものであると判断される。
なお、糖含量は以下の式にて求めることができる。
{糖量/(タンパク質量+糖量)}×100=糖含量
(%) また、タンパク質量の測定には何ら制限はなく、既知
のいずれの方法をも用いることができる。
(e)N末端領域のアミノ酸配列 本発明のレクチンは、N末端領域にGly−Arg−Tyr−T
hr−Val−Gln−Asn−Gln−Trp−GlyまたはGly−Arg−Ty
r−Thr−Val−Lys−Asn−Gln−Trp−Glyからなるアミノ
酸配列を有するタンパク質である。
アミノ酸配列の分析は、例えばApplied Biosystems 4
77A PTHアナライザー等のアミノ酸分析機器を用いて行
うことができる。
すなわち、本発明に包含されるレクチンは、N末端領
域の10アミノ酸残基からなるアミノ酸配列が、N末端側
から6番目のアミノ酸残基がグルタミンかリジンである
かを除いては、共通したアミノ酸配列を有することを特
徴とする。さらに、N末端領域のアミノ酸配列の特徴に
加えて、本発明に包含されるレクチンはSDS電気泳動法
またはゲル濾過法による分子量がそれぞれ同一であり、
かつ等電点がpI4.5〜pI5.7の範囲で異なることから、そ
のアミノ酸配列の一部のアミノ酸残基(少なくともN末
端側から6番目のアミノ酸残基)が互いに異なるもので
あると考えられる。
(f)赤血球に対する凝集活性 本発明のレクチンは、ヒツジ赤血球、トリプシン処理
ウサギ赤血球及びトリプシン処理ヒツジ赤血球を特異的
に凝集させるという特徴を有し、その一方、ウサギ赤血
球、ウマ赤血球、ガチョウ赤血球、トリプシン処理ウマ
赤血球およびトリプシン処理ガチョウ赤血球のいずれに
対しては凝集活性を有しないものである。
なお、これらの赤血球に対する凝集活性は連続2倍希
釈法〔BOTANICA MARINA,第31巻、第133−138頁、(198
8)〕を用いて測定して求めることができる。
(g)糖結合特異性 本発明のレクチンは、単糖、オリゴ糖に対しては特異
的な結合を示さず、アシアロフェチン、フェチン、チロ
グロブリン及びイーストマンナンに対して結合特異性を
有し、またα1−アシッドグリコプロテインに対しても
弱い結合特異性を有するものである。中でもチログロブ
リンおよびイーストマンナンに対しては、特に強い結合
特異性を有している。即ち、これらのチログロブリン、
イーストマンナンは、糖タンパク質の中でも高マンノー
スタイプの糖鎖に富むものであることから、本発明のレ
クチンは、糖タンパク質中のN−グリコシド型糖鎖を認
識し、特にその中でも高マンノース型を強く認識するこ
とが理解される。
なお、レクチンの糖結合特異性は、当該レクチンが特
異的に凝集させることができる特定の赤血球、例えばヒ
ツジ赤血球、トリプシン処理ウサギ赤血球またはトリプ
シン処理ヒツジ赤血球を用い、その赤血球の凝集反応を
阻止しうる糖及び配糖体を調べることにより確認するこ
とができる。
さらにまた、本発明のレクチンは、マウスやヒトのリ
ンパ球に対して、幼若化活性を有することが確認されて
いる(試験例1参照)。なお、レクチンのリンパ球幼若
化作用の測定は、簡便でかつ客観性ある結果が得られる
ことから、培養したマウスリンパ球またはヒトリンパ球
に本発明のレクチンを加え、細胞への3H−チミジン取り
込みを放射能測定により測定する方法が好適に用いられ
る。
かかる作用を有する本発明のレクチンは、臨床的には
細胞性免疫の生体外(invitro)での検出ならびに評価
などに役立つと言える。
本発明のレクチンは、以上の特徴を有するものであれ
ば、その由来等に特に制限されることはないが、好まし
くは海藻、とりわけキリンサイ属(Eucheuma属またはKa
ppaphycus属)に属する海藻から分離精製、取得される
ものである。
本発明のレクチンの由来となり得る海藻としては、好
適には日本及び世界各地に成育するキリンサイ属(Euch
euma属またはkappaphycus属)の海藻が挙げられる。
ところで、従来の分類体系では紅藻キリンサイ属(学
名:Eucheuma属)としていた海藻を、近年Eucheuma属とk
appaphycus属に分離して記載している文献(TAXONOMY O
F ECONOMIC SEAWEEDS,2巻,157−219頁,1988年)が見ら
れるが、本発明におけるキリンサイ属とは、Eucheuma属
とKappaphycus属の二つの属をまとめたものを意味す
る。また本明細書において、各属名を区別して記載する
とき、適宜、属名:Eucheuma属をE.、属名:Kappaphycus
をK.と略記する。
本発明で用いられるキリンサイ属に属する海藻として
は、例えばトゲキリンサイ(E.serra)、ユーキュウマ
コットニー(E.cottonii)、カタメンキリンサイ(E.
gelatinae)、アマクサキリンサイ(E.amakusaensi
s)、E.denticulatum、E.muricatum、E.cupresoideum、
E.spinosum、E.arnoldii、E.alvarezii、E.striatum等
のEucheuma属、およびK.procrusteanum、K.cottonii、
K.striatum、K.alvarezii、K.arnoldii等のKappaphycus
属に属する海藻が挙げられる。好ましくはトゲキリンサ
イ(E.serra)、ユーキュウマ コットニー(E.cottoni
i)、カタメンキリンサイ(E.gelatinae)およびアマク
サキリンサイ(E.amakusaensis)である。
なお、従来から、E.cottoniiと呼ばれていたカラギー
ナン製造用原藻は、近年Eucheuma属より分離してKappap
hycus procrusteanumと呼ぶことを提案している文献(S
EAWEED CULTAVATION AND MARINE RANCHING,75−88頁,19
93年)もあるが、本発明ではユーキュウマ コットニー
(E.cottonii)と呼ぶことにする。
本発明のレクチンは、これらの海藻から、公知の抽出
方法、分離方法および精製方法等を適宜組み合わせて行
うことにより単離取得することができ、その代表的な製
造法について、以下詳細に説明する。
本発明のレクチンの製造方法は、海藻、とりわけキリ
ンサイ属に属する海藻を原料とし、緩衝液および溶媒−
水混合液から選ばれる抽出溶媒で抽出し、その抽出液を
溶媒沈殿およびゲル濾過によって分離精製することを特
徴とする方法であり、さらに必要によりイオン交換クロ
マトグラフィーを行ってもよい。
当該方法に使用される海藻としては、好適には前述の
キリンサイ属(Eucheuma属またはKappaphycus属)に属
する海藻が挙げられ、さらに当該キリンサイ属に属する
海藻としては、前述のトゲキリンサイ(E.serra)、ユ
ーキュウマ コットニー(E.cottonii)、カタメンキリ
ンサイ(E.gelatinae)、アマクサキリンサイ(E.amaku
saensis)、E.denticulatum、E.muricatum、E.cupresoi
deum、E.spinosum、E.arnoldii、E.alvarezii、E.stria
tum等のEucheuma属およびK.procrusteanum、K.cottoni
i、K.striatum、K.alvarezii、K.arnoldii等のKappaphy
cus属に属する海藻が挙げられる。レクチンの含有量や
入手のし易し等から判断し、好ましくはトゲキリンサイ
(E.serra)、ユーキュウマ コットニー(E.cottoni
i)、カタメンキリンサイ(E.gelatinae)、アマクサキ
リンサイ(E.amakusaensis)、E.denticulatum、E.spin
osum、E.alvarezii、K.procrusteanumおよびK.cottoni
i、K.alvareziiであり、特に好ましいのは、トゲキリン
サイ(E.serra)、ユーキュウマ コットニー(E.cotto
nii)、カタメンキリンサイ(E.gelatinae)およびアマ
クサキリンサイ(E.amakusaensis)である。
レクチンの製造にあたり、まず、これらの海藻を採取
し、海水にて良く洗浄した後、凍結乾燥を行い、その後
粉砕して海藻粉末とするのが好ましい。
次いで、得られた海藻粉末を適当な抽出溶媒を用いて
抽出する。
抽出溶媒としては、各種の緩衝液、水と混合しうる各
種の有機溶媒或いは有機溶媒と水の混合溶液等いずれも
使用することができる。好ましくは、緩衝液あるいは有
機溶媒と水との混合溶液が挙げられる。
緩衝液としては、特に制限されることなく公知の各種
の緩衝液が挙げられるが、好適にはpH3〜10の範囲に緩
衝能を有するものが挙げられる。
また、有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エ
タノール或いはイソプロパノールが好ましい。その中で
もとりわけ10%ないし40%迄のエタノール−水混合液を
用いるのが好適である。
具体的には、例えば海藻粉末に25%のエタノール水溶
液を加え、必要に応じ低温に保ちながら抽出し、海藻抽
出液を得る。次いで、該海藻抽出液を濾過、或いは遠心
分離することによって上清と抽出残査とに分離し、上清
を本発明のレクチンを含む抽出液として回収する(1次
抽出液)。また、抽出残査に再び25%のエタノール水溶
液を加えて、2次抽出を行って本発明のレクチンを含む
抽出液として回収してもよい(2次抽出液)。
さらに、上記の抽出液に対して、溶媒沈澱操作、例え
ば硫酸アンモニウムによる塩析(以下、硫安塩析とい
う)または有機溶媒による沈殿等を行うことにより本発
明のレクチンを含むタンパク質を回収することできる。
硫安塩析は、常法により行うことができ、通常0〜80
%飽和硫安、好ましくは20〜80%飽和硫安により沈澱し
た画分を回収することにより行われる。また、有機溶媒
による沈殿は、先の抽出操作で用いられる抽出溶媒の種
類に係わらず、任意の水溶性有機溶媒を用いて常法によ
り行うことができる。好ましい有機溶媒としてはアセト
ン、メタノール、エタノール或いはイソプロパノール等
が挙げられるが、とりわけエタノールが好適である。例
えば、エタノール−水混合液で抽出した場合、冷エタノ
ールを適量加えてエタノールの最終濃度が70%以上とな
るようにすると、本発明のレクチンを含むタンパク質は
沈殿となって析出してくる。
これらの方法によって得られる沈殿画分を常法によっ
て回収し、緩衝液(pH6〜8)に懸濁し、同緩衝液に対
して透析して溶媒を除去することにより本発明のレクチ
ンの粗製液を得ることができる。
次いで、溶媒除去を行ったレクチンの粗製液をゲル濾
過に供することにより、本発明のレクチンを容易に単離
精製することができる。
ゲル濾過で用いる充填剤は、排除限界分子量が100,00
0以下の各種製品を使用するのが好ましい。好ましく
は、かかる充填剤を充填したカラムを用いるゲル濾過カ
ラムクロマトグラフィーである。なお、溶離液として
は、レクチンの物理的および生化学的性質に影響を与え
ないものであれば特に限定されず、例えば0〜1M程度の
塩を含有する0.5〜100mM程度のリン酸緩衝液(pH6〜
9)が挙げられる。
具体的には、レクチンの粗製液をゲル濾過用カラムに
付した後、溶離液を供しながら、該カラム通過液を一定
の間隔で分取し、ヒツジ赤血球等の本発明のレクチンが
凝集活性を示す赤血球を用いて各画分の赤血球に対する
凝集活性をモニターすることによって行うことができ
る。なお、赤血球に対する凝集活性は連続2倍希釈法
〔BOTANICA MARINA,第31巻、第133−138頁、(1988)〕
により求めることができる。
その結果、本発明のレクチン画分として、紫外線吸収
(280nm)の最も大きなピークと赤血球に対する凝集活
性のピークが一致する画分を取得することができる。な
お、前述の1次抽出液、2次抽出液の両者から共に当該
レクチン画分が取得できる。
以上の操作により、SDS電気泳動においてシングルバ
ンドとして確認され得る、90数%以上の純度にまで精製
されたレクチンを製造取得することができる。また、原
料として用いる海藻の種類によっては、かかる操作によ
り99%以上の純度にまで精製されたレクチンを製造取得
することができる。
以上の方法により製造されるレクチンは、出発原料と
なる海藻の種類に係わらず、以下の特徴を有するもので
ある。
(a)ゲル濾過法による分子量が約25,000であり、 (b)SDS電気泳動法による分子量が約29,000であり、 (c)等電点電気泳動法にて、pI4.5〜pI5.7の範囲にあ
る1または2以上の等電点を示し、 (d)糖鎖を持たず、 (e)N末端領域のアミノ酸配列が、Gly−Arg−Tyr−T
hr−Val−X−Asn−Gln−Trp−Gly(XはGlnあるいはLy
s)であり、 (f)トリプシン処理ウサギ赤血球、ヒツジ赤血球及び
トリプシン処理ヒツジ赤血球に対して特異的な凝集活性
を有し、 (g)フェチン、アシアロフェチン、チログロブリン及
びイーストマンナンに対して結合特異性を示す。
また、上記ゲル濾過法により得られるレクチン画分
は、必要に応じてさらにイオン交換クロマトグラフィ
ー、好適には陰イオン交換クロマトグラフィーに供する
ことができる。具体的には、ゲル濾過後のレクチン画分
をジエチルアミノエチル(DEAE)基等の弱陰イオン交換
基を有する担体を用いた陰イオン交換クロマトグラフィ
ーに供し、好ましくは塩によるリニアグラジエント溶出
法で分画する。かかる方法により、ゲル濾過法により得
られるレクチン画分は、該画分に含有されるレクチンに
応じて、さらに等電点のみがわずかに異なる複数の画分
に分画することができる。すなわち、ゲル濾過法により
得られるレクチン画分に複数の等電点を有するレクチン
が含まれている場合、当該イオン交換クロマトグラフィ
ーにより各等電点を有する個々のレクチンに単離精製す
ることができる。
かかる方法により製造され得るレクチンは、分子量、
糖類の有無、アミノ酸配列、赤血球凝集活性および糖結
合特異性については、ゲル濾過法により得られるレクチ
ンの諸性質〔(a),(b)及び(d)〜(g)〕と同
じであり、かつ等電点電気泳動法による等電点がpI4.5
〜pI5.7の範囲にある一点を示すという特徴を有するも
のである。
なお、ゲル濾過法で得られるレクチン画分に含まれる
レクチンの数は、原料として用いられるキリンサイ属の
種類によって異なり、また含まれる各レクチンの等電点
もキリンサイ属の種類によってpI4.5からpI5.7の間でわ
ずかに違いが見られる。例えば、トゲキリンサイを原料
とする場合は、等電点電気泳動法にて、pI4.75又はpI4.
95の等電点を示すレクチンが、ユーキュウマ コットニ
ーを原料とする場合はpI5.05またはpI5.20の等電点を示
すレクチンが、カタメンキリンサイまたはアマクサキリ
ンサイを原料とする場合はpI4.95、pI5.20またはpI5.50
の等電点を示すレクチンが得られる。
なお、ゲル濾過法によって取得されるレクチン、更に
陰イオン交換クロマトグラフィーによって取得されるレ
クチンおよびそれら各レクチンの混合物は、それぞれマ
ウスおよびヒトリンパ球に対して、幼若化活性を有する
ことが確認されている。
本発明のレクチンは、従来のレクチンと物理化学的性
質が異なり、糖鎖への結合特異性などの生化学的性質も
異なる新規レクチンである。また従来公知のレクチンで
あるPHA(phytohemagglutinin)、コンカナバリンA等
と同様に、その独特な糖鎖結合特異性を利用して検査試
薬、免疫調節剤、糖質の分離分析用特異的吸着剤等の用
途が考えられるほか、その糖類への親和性を利用した他
の様々な方面への応用が期待される。
また、リンパ球に由来する細胞、その他有用物質を産
生する細胞を大量培養する際の増殖因子として培地に添
加するという利用も期待される。
さらに本発明のレクチンは、リンパ球に対して幼若化
活性を示すことから、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、マウス
等の哺乳動物に対して、例えば臓器や骨髄移植の際の拒
絶反応の抑制剤、リンパ球活性化を介して抗腫瘍効果を
奏しえる抗腫瘍剤、もしくは関節リウマチ、免疫不全等
の自己免疫疾患等における予防または治療剤として、あ
るいは医学・薬学における試薬として用いることができ
る。
本発明のレクチンは、単一物もしくは等電点の異なる
複数のものの混合物として、医薬上許容される担体、賦
形剤、希釈剤等と混合して散剤、カプセル剤、錠剤、軟
膏等に製剤化して患者に投与することができる。また、
自体既知の手段にて凍結乾燥製剤としてもよい。更にま
た、同様に化粧品としての使用も可能である。かかる目
的のため、本発明のレクチンは、通常成人1日当たり、
0.1〜1000mgの範囲で、患者の疾患、症状、体重、性別
および年齢等を考慮して適宜選択される量を1日1回〜
数回に分けて投与される。
さらに、本発明の製造方法によれば、かかる有用なレ
クチンを海藻、とりわけキリンサイ属に属する海藻より
簡便な方法で分離精製して大量に取得することが可能で
あり、レクチンの工業的生産をもたらすことができる。
図面の簡単な説明 図1は、トゲキリンサイ由来のレクチン粗製液をゲル
濾過クロマトグラフィーに付したクロマトグラムを示
す。図2は、トゲキリンサイ由来レクチン粗製液のゲル
濾過クロマトグラフィー後の活性画分(レクチンES0)
をDEAEイオン交換クロマトグラフィーに付したクロマト
グラムを示す。図3は、ユーキュウマ コットニー由来
レクチン粗製液のゲル濾過クロマトグラフィー後の活性
画分(レクチンEC0)をDEAEイオン交換クロマトグラフ
ィーに付したクロマトグラムを示す。図4は、カタメン
キリンサイ由来レクチン粗製液のゲル濾過クロマトグラ
フィー後の活性画分(レクチンEG0)のDEAEイオン交換
クロマトグラフィーに付したクロマトグラムを示す。図
5は、アマクサキリンサイ由来レクチン粗製液のゲル濾
過クロマトグラフィー後の活性画分(レクチンEA0)のD
EAEイオン交換クロマトグラフィーに付したクロマトグ
ラムを示す。なお、各図中、−は吸光度(280nm)、…
…は赤血球凝集活性の力価を意味する。
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例およ
び試験例を挙げるが、本発明は、これらによって限定さ
れるものではない。
実施例1〜4 トゲキリンサイ(E.serra)由来のレクチン、ユーキ
ュウマ コットニー(E.cottonii)由来のレクチン、カ
タメンキリンサイ(Eucheuma gelatinae)由来のレクチ
ンまたはアマクサキリンサイ(E.amakusaensis)由来の
レクチンの分離精製、及びその物理化学的および生化学
的試験等について説明する。
(1)藻体の調製 (1−1) 四国の太平洋沿岸に成育するトゲキリン
サイを採取し、海水にてよく洗浄した後、凍結乾燥を行
い、粉砕機にて粉砕し海藻粉末を得た。
(1−2) 熱帯海域にてカラギーナン原藻として大
量に養殖されているユーキュウマ コットニーを採取
し、海水にて良く洗浄した後、凍結乾燥を行い、粉砕機
にて粉砕し海藻粉末を得た。
(1−3) 九州の太平洋沿岸に成育するカタメンキ
リンサイを採取し、海水にてよく洗浄した後、凍結乾燥
を行い、粉砕機にて粉砕し海藻粉末を得た。
(1−4) 四国および九州に成育するアマクサキリ
ンサイを採取し、海水にてよく洗浄した後、凍結乾燥を
行い、粉砕機にて粉砕し海藻粉末を得た。
(2)藻体からのレクチンの抽出 (2−1) 上記(1−1)のトゲキリンサイ海藻粉
末100gに20%のエタノール水溶液1000mlを加え冷蔵庫中
で一晩撹拌しながら抽出し、海藻抽出液を得た。遠心分
離によって上清と抽出残査を分離し、上清を回収した。
抽出残査に再び同量の20%エタノール水溶液を加えて2
次抽出を行い、同様にして上清を回収した。その結果、
840mlの1次抽出液と900mlの2次抽出液を得た。
(2−2) 上記(1−2)のユーキュウマ コット
ニー海藻粉末100gに23%のエタノール水溶液1000mlを加
え冷蔵庫中で一晩撹拌しながら抽出し、海藻抽出液を得
た。遠心分離によって上清と抽出残査を分離し、上清を
回収した。抽出残査に再び同量の23%のエタノール水溶
液を加えて2次抽出を行い、同様にして上清を回収し
た。その結果、830mlの1次抽出液と895mlの2次抽出液
を得た。
(2−3) 上記(1−3)のカタメンキリンサイ海
藻粉末100gに25%のエタノール水溶液1000mlを加え冷蔵
庫中で一晩撹拌しながら抽出し、海藻抽出液を得た。遠
心分離によって上清と抽出残査を分離し、上清を回収し
た。抽出残査に再び同量の25%のエタノール水溶液を加
えて2次抽出を行い、同様にして上清を回収した。その
結果、840mlの1次抽出液と890mlの2次抽出液を得た。
(2−4) 上記のアマクサキリンサイ海藻粉末100g
に25%のエタノール水溶液1000mlを加え冷蔵庫中で一晩
撹拌しながら抽出し、海藻抽出液を得た。遠心分離によ
って上清と抽出残査を分離し、上清を回収した。抽出残
査に再び同量の25%エタノール水溶液を加えて2次抽出
を行い、同様にして上清を回収した。その結果、845ml
の1次抽出液と890mlの2次抽出液を得た。
(3) 抽出液からのレクチンの回収 (3−1) 上記(2−1)のトゲキリンサイ由来の
抽出液からレクチンを回収するために、該抽出液に冷エ
タノールを最終濃度83%となるように適量加え、レクチ
ンを含むタンパク質を沈殿として析出させた。該沈殿物
を遠心分離によって回収し、50mMのリン酸緩衝液(pH7.
2)に懸濁し、同緩衝液に対して透析を行ってエタノー
ルを除去し、レクチンの粗製液を得た。
(3−2) 上記(2−2)のユーキュウマ コット
ニー由来の抽出液からレクチンを回収するために、該抽
出液に冷エタノールを最終濃度80%となるように適量加
え、レクチンを含むタンパク質を沈殿として析出させ
た。該沈殿物を遠心分離によって回収し、50mMのリン酸
緩衝液(pH7.2)に懸濁し、同緩衝液に対して透析を行
ってエタノールを除去し、レクチンの粗製液を得た。
(3−3) 上記(2−3)のカタメンキリンサイ由
来の抽出液からレクチンを回収するために、該抽出液に
冷エタノールを最終濃度81%となるように適量加え、レ
クチンを含むタンパク質を沈殿として析出させた。該沈
殿物を遠心分離によって回収し、50mMのリン酸緩衝液
(pH7.2)に懸濁し、同緩衝液に対して透析を行ってエ
タノールを除去し、レクチンの粗製液を得た。
(3−4) 上記(2−4)のアマクサキリンサイ由
来の抽出液からレクチンを回収するために、冷エタノー
ルを最終濃度81%となるように適量加え、レクチンを含
むタンパク質を沈殿として析出させた。該沈殿物を遠心
分離によって回収し、50mMのリン酸緩衝液(pH7.2)に
懸濁し、同緩衝液に対して透析を行ってエタノールを除
去し、レクチンの粗製液を得た。
(4) レクチンのゲル濾過による精製 (4−1) (3−1)で得られたトゲキリンサイ由
来のレクチン粗製液をゲル濾過クロマトグラフィーに供
した。カラムとしてファルマシア社製Superdex 75pgを
充填した(内径26mm、充填長60cm)ものを用いた。具体
的には、0.1MのNaClを含む50mMのリン酸緩衝液(pH7.
2)で緩衝化したこのカラムに(3−1)のトゲキリン
サイから抽出したレクチン粗製液を付して、ゲル濾過カ
ラム通過液をUVモニターを用いて280nmにおける吸光度
を検出することによりタンパク質量を測定しながら、1
分間隔で分取し、同時にヒツジ赤血球を用いて各画分の
凝集活性をモニターした。その結果、リテンションタイ
ム60分付近における最も大きなピークと凝集活性のピー
クとが一致した。
このゲル濾過クロマトグラフィーの結果、1次抽出液
からは約800mg、2次抽出液からは約160mgのトゲキリン
サイ由来のレクチンが得られた。このレクチンはSDS電
気泳動(0.1%SDS存在下、1.0mm厚さの5〜20%濃度勾
配ポリアクリルアミドスラブゲルを用いて、20mAの定電
流で70分間電気泳動)でシングルバンドを示し、その純
度は(5)及び(6)記載のDEAEイオン交換クロマトグ
ラフィー及び分析用ゲル濾過クロマトグラフィーで測定
した結果、それぞれ95%及び99.9%であった。また、抽
出液からの回収率は、赤血球に対する凝集活性から換算
して95%であった。結局、100gのトゲキリンサイ凍結乾
燥粉末から960mgのトゲキリンサイ由来のレクチンを回
収することができた。ゲル濾過クロマトグラフィーにて
精製されたこのトゲキリンサイ由来のレクチンをES0と
し、以下の実験に使用した。以上の結果を図1に示す。
(4−2) 上記と同様の条件で、(3−2)で得ら
れたユーキュウマ コットニー由来のレクチン粗製液を
ゲル濾過クロマトグラフィーに供し、かつヒツジ赤血球
を用いて各画分の凝集活性をモニターした。
その結果、1次抽出液からは約174mg、2次抽出液か
らは約20mgのSDS電気泳動(上記条件と同じ)でシング
ルバンドを示すレクチンが得られ、その純度は、(5)
及び(6)記載のDEAEイオン交換クロマトグラフィー及
び分析用ゲル濾過クロマトグラフィーにて、それぞれ95
%及び97%であった。また、抽出液からの回収率は、赤
血球に対する凝集活性から換算して90%であった。100g
のユーキュウマ コットニー凍結乾燥粉末から200mg弱
のレクチンが回収された。ゲル濾過クロマトグラフィー
にて精製されたこのレクチンをEC0とし、以下の実験に
使用した。
(4−3) 上記と同様の条件で、(3−3)で得ら
れたカタメンキリンサイ由来のレクチン粗製液をゲル濾
過クロマトグラフィーに供し、かつヒツジ赤血球を用い
て凝集活性をモニターした。
その結果、1次抽出液からは約210mgのSDS電気泳動
(上記条件と同じ)でシングルバンドを示すカタメンキ
リンサイ由来のレクチンが得られ、その純度は、(5)
及び(6)記載のDEAEイオン交換クロマトグラフィー及
び分析用ゲル濾過クロマトグラフィーにて、それぞれ92
%及び93%であった。また抽出液からの回収率は、赤血
球に対する凝集活性から換算して90%であった。100gの
カタメンキリンサイ凍結乾燥粉末から約200mgのレクチ
ンが回収された。ゲル濾過クロマトグラフィーにて精製
されたこのレクチンをEG0とし、以下の実験に使用し
た。
(4−4) 上記と同様の条件で、(3−4)で得ら
れたアマクサキリンサイ由来のレクチン粗製液をゲル濾
過クロマトグラフィーに供し、かつヒツジ赤血球を用い
て凝集活性をモニターした。
その結果、1次抽出液からは約210mgのSDS電気泳動
(上記条件と同じ)でシングルバンドを示すアマクサキ
リンサイ由来のレクチンが得られ、その純度は、(5)
及び(6)記載のDEAEイオン交換クロマトグラフィー及
び分析用ゲル濾過クロマトグラフィーにて、それぞれ91
%及び93%であった。また抽出液からの回収率は、赤血
球に対する凝集活性から換算して90%であった。100gの
アマクサキリンサイ凍結乾燥粉末から約200mgのレクチ
ンが回収された。ゲル濾過クロマトグラフィーにて精製
されたこのレクチンをEA0とし、以下の実験に使用し
た。
(5) DEAEイオン交換クロマトグラフィーによる分画 (5−1) (4−1)で得られたトゲキリンサイ由
来のレクチンES0をDEAEイオン交換クロマトグラフィー
に供した。
具体的には、ゲル濾過クロマトグラフィーにより得ら
れたES0を、まず20mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)に
て透析することにより、脱塩及び緩衝化を行った。カラ
ムとしてはTSK−gel DEAE−5PW(東ソ−社製、サイズ:
7.5mm×7.5cm)を用い、溶離液として溶離液A(20mM炭
酸ナトリウム緩衝液、pH9.5)および溶離液B(20mM炭
酸ナトリウム緩衝液,pH9.5+0.5M塩化ナトリウム)を用
いた。緩衝化したES0を溶離液Aで平衡化したカラムに
付し、0−5分:溶離液A 100%、5−40分:溶離液
B 0−50%、流速1.0ml/minの条件にてリニアグラジ
エント(直線型勾配)溶出を行った。溶出液のタンパク
質含量を280nmでの吸光度を検出することにより測定
し、同時に溶出画分のヒツジ赤血球に対する凝集活性を
測定した。結果を図2に示す。
その結果、ES0より溶出時間の異なる2つの活性画分
が得られた。それぞれの画分をES1、ES2として分取し、
以下の試験に供した。
(5−2) (4−2)で得られたユーキュウマ コ
ットニー由来のレクチンEC0を上記と同様の条件にてDEA
Eイオン交換クロマトグラフィーに供した。その結果、
溶出時間の異なる2つの活性画分が得られた。結果を図
3に示す。それぞれの画分をEC1、EC2として回収し、以
下の試験に供した。
(5−3) (4−3)で得られたカタメンキリンサ
イ由来のレクチンEG0を上記と同様の条件にてDEAEイオ
ン交換クロマトグラフィーに供した。その結果、溶出時
間の異なる3つの活性画分が得られた。結果を図4に示
す。それぞれの画分をEG1、EG2、及びEG3として回収
し、以下の試験に供した。
(5−4) (4−3)で得られたアマクサキリンサ
イ由来のレクチンEA0を上記と同様の条件にてDEAEイオ
ン交換クロマトグラフィーに供した。その結果図5に示
すように、EA0より溶出時間の異なる3つの活性画分が
得られた。それぞれの画分をEA1、EA2及びEA3として回
収して以下の試験に供した。
(6) ゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量測定 (6−1) ES0および(5−1)で得られた活性画
分ES1、ES2をそれぞれSuperdex 75HRカラム(10×300m
m)を備したゲル濾過HPLCに供して、各画分に含まれる
レクチンの分子量を測定した。
具体的には、0.1MのNaClを含む0.05Mリン酸緩衝液(p
H7.2)にて緩衝化した上記カラムを用い、標準タンパク
質としてアルドラーゼ(MW158,000)、トランスフェリ
ン(MW80,000)、ウシ血清アルブミン(MW68,000)、オ
ボアルブミン(MW43,000)、カーボニックアンヒドラー
ゼ(MW32,000)、β−ラクトグロブリン(MW18,000)、
アプロチニン(6,500)、ビタミンB12(MW1,355)を用
いて分子量を測定した。その結果:ES0、ES1及びES2のい
ずれもが分子量約25,000であった。
(6−2) (6−1)と同様にして、EC0および
(5−2)で得られた活性画分EC1、EC2のそれぞれにつ
いてゲル濾過HPLCによって分子量を測定した。その結
果、EC0、EC1及びEC2のいずれもが分子量約25,000であ
った。
(6−3) (6−1)と同様にして、EG0及び(5
−3)で得られた活性画分EG1、EG2及びEG3のそれぞれ
についてゲル濾過HPLCによって分子量を測定した。その
結果、EG0、EG1、EG2及びEG3のいずれもが分子量約25,0
00であった。
(6−4) (6−1)と同様にして、EA0及び(5
−4)で得られた活性画分EA1、EA2及びEA3のそれぞれ
についてゲル濾過HPLCによって分子量を測定した。その
結果、EA0、EA1、EA2及びEA3のいずれもが分子量約25,0
00であった。
(7) SDS−PAGEによる分子量測定 (7−1) SDS−PAGEは、Laemmliの方法に従って行
った(Nature,227巻,680頁,1976年)。具体的には、
(5−1)で得られたES0、ES1及びES2を0.5%SDS及び
0.5% 2−メルカプトエタノールの存在下で100℃、3
分間の加熱処理をした後、0.1%SDSの存在下で1.0mm厚
さの5〜20%濃度勾配ポリアクリルアミドスラブゲルを
用いて電気泳動を行った。尚、分子量の測定にはウシ血
清アルブミン(MW66,000)、卵白アルブミン(MW45,00
0)、ウサギ筋肉由来のグリセルアルデヒド−3−フォ
スフェイトデヒドロゲナーゼ(MW36,000)、牛赤血球由
来のカーボニックアンヒドラーゼ(MW29,000)、牛膵臓
由来のトリプシノーゲン(MW24,000)、大豆由来のトリ
プシインヒビター(MW20,100)、牛乳由来のα−ラクト
グロブリン(MW14,200)からなる分子量マーカーを用い
た。タンパク質の染色は、0.25%クマーシーブリリアン
トブルーR−250を含む7.5%酢酸−50%メタノール混液
中で2時間行い、脱色は7.5%酢酸−5%メタノールを
含む溶液を用いて行った。
この結果、ES0、ES1及びES2のいずれもが分子量約29,
000であった。
(7−2) (7−1)と同様にしてSDS−PAGEによ
って(5−2)で得られたEC0、EC1及びEC2の分子量を
測定した。その結果、EC0、EC1及びEC2のいずれもが分
子量約29,000であった。
(7−3) (7−1)と同様にしてSDS−PAGEによ
って(5−3)で得られたEG0、EG1、EG2及びEG3の分子
量を測定した。その結果、EG0、EG1、EG2及びEG3のいず
れもが分子量約29,000であった。
(7−4) (7−1)と同様にしてSDS−PAGEによ
って(5−4)で得られたEA0、EA1、EA2及びEA3の分子
量を測定した。その結果、EA0、EA1、EA2及びEA3のいず
れもが分子量約29,000であった。
(8) 等電点電気泳動法による等電点測定 (8−1) ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動
によってES0、ES1及びES2の等電点測定を行った。具体
的には、両性担体として2% Ampholine,pH4.0〜6.5を
用い、7%ポリアクリルアミドゲル中460V定電圧にて20
時間泳動した。泳動緩衝液として陽極側に0.01Mリン酸
溶液を、陰極側に0.01M水酸化ナトリウム溶液を用い
た。泳動後ゲルを固定染色し、タンパク質を検出した。
その結果、等電点はES0がpI4.75とpI4.95、ES1がpI4.
75、ES2がpI4.95であった。
(8−2) (8−1)と同様に等電点を測定した。
その結果、EC0はpI5.05とpI5.20、EC1はp5.05およびEC2
はpI5.20であった。
(8−3) (8−1)と同様に等電点を測定した。
その結果、EG0はpI4.95、pI5.20及びpI5.50、EG1はp4.9
5、EG2はpI5.20、EG3はpI5.50であった。
(8−4) (8−1)と同様に等電点を測定した。
その結果、EA0はpI4.95、pI5.05およびpI5.20、EA1はp
4.95、EA2はpI5.20、EA3はpI5.50であった。
(9) 糖含量の測定 (9−1) フェノール硫酸法〔Dubois,M.,Gilles,
K.A.,Hamilton,J.K.,Rebers,P.A.,and Smith,F.(195
6),Anal.Chem.28,357〕により、ES0、ES1及びES2に含
まれる糖量を測定した。糖量の測定標準試料としてグル
コースを用いた。タンパク質量の測定はバイオラッド社
のDCプロテインアッセイキットを使用して行った。な
お、糖含量は以下の式にて求めた。
{糖量/(タンパク質量+糖量)}×100=糖含量
(%) その結果、ES1が0.01%、ES2が0.02%であり、トゲキ
リンサイ由来のレクチンは糖鎖を有しないと考えられ
る。なお、ES0については再現性のあるデータが得られ
なかった。これは精製の過程で該レクチンとは無関係の
糖類がわずかに混入したままの場合があるためと考えら
れる。
(9−2) (9−1)と同様にして、EC0、EC1及び
EC2の糖含量を求めた結果、糖含量はEC0が0.5%、EC1が
0.03%及びEC2が0.02%であった。これより、ユーキュ
ウマ コットニー由来のレクチンは糖鎖を有しないと考
えられる。
(9−3) (9−1)と同様にして、EG1、EG2及び
EG3の糖含量を求めた結果、糖含量はEG1が0.15%、EG2
が0.01%及びEG3が0.01%であった。これより、カタメ
ンキリンサイ由来のレクチンは糖鎖を有しないと考えら
れる。
(9−4) (9−1)と同様にして、EA1、EA2及び
EA3の糖含量を求めた結果、糖含量はEA1が0.15%、EA2
が0.01%及びEA3が0.01%であった。これより、アマク
サキリンサイ由来のレクチンは糖鎖を有しないと考えら
れる。
(10)N末端領域のアミノ酸配列分析 トゲキリンサイ由来のレクチン(ES0、ES1及びES
2)、ユーキュウマ コットニー由来のレクチン(EC0、
EC1及びEC2)、カタメンキリンサイ由来のレクチン(EG
0、EG1、EG2及びEG3)由来のレクチンおよびアマクサキ
リンサイ由来のレクチン(EA0、EA1、EA2及びEA3)それ
ぞれをApplied Biosystems 477A PTHアナライザーに供
し、N末端から10残基までのアミノ酸配列を分析した。
その具体的な結果を下表に示すが、いずれのレクチン
についても、N末端より10残基のアミノ酸配列はGly−A
rg−Tyr−Thr−Val−X−Asn−Gln−Trp−Glyであり、
Xで示されるN末端から6番目のアミノ酸がグルタミン
かリジンであるかを除いて同一であった。
(11)種々の赤血球に対する凝集活性 トゲキリンサイ由来のレクチン(ES0、ES1及びES
2)、ユーキュウマ コットニー由来のレクチン(EC0、
EC1及びEC2)、カタメンキリンサイ由来のレクチン(EG
0、EG1、EG2及びEG3)由来のレクチンおよびアマクサキ
リンサイ由来のレクチン(EA0、EA1、EA2及びEA3)それ
ぞれについて、各種赤血球に対する凝集活性を測定し
た。赤血球として、ウサギ赤血球、ヒツジ赤血球、ウマ
赤血球、ガチョウ赤血球、トリプシン処理ウサギ赤血
球、トリプシン処理ヒツジ赤血球、トリプシン処理ウマ
赤血球及びトリプシン処理ガチョウ赤血球を用いた。測
定は連続2倍希釈法〔BOTANICA MARINA,第31巻、第133
−138頁、(1988)〕にて行った。結果を表1に示す。
上記の各キリンサイ属由来のレクチンは海藻の種類に関
係なく、いずれもヒツジ赤血球、トリプシン処理ウサギ
赤血球及びトリプシン処理ヒツジ赤血球を特異的に凝集
させることが確認された。
(12)糖結合特異性 トゲキリンサイ由来のレクチン(ES0、ES1及びES
2)、ユーキュウマ コットニー由来のレクチン(EC0、
EC1及びEC2)、カタメンキリンサイ由来のレクチン(EG
0、EG1、EG2及びEG3)由来のレクチンおよびアマクサキ
リンサイ由来のレクチン(EA0、EA1、EA2及びEA3)それ
ぞれについて糖結合特異性を調べた。
具体的には、まず表2に列記する種々の単糖、オリゴ
糖及び配糖体について、様々な濃度溶液を調製し、それ
らの溶液それぞれに最小凝集濃度に調製した各レクチン
を加えて室温で2時間反応させた。次いで、それらの中
にヒツジ赤血球を添加し、該ヒツジ赤血球の凝集反応を
調べて、各レクチンの赤血球に対する凝集活性を阻止す
る糖濃度を求めて、各レクチンの糖結合特異性を判断し
た。
トゲキリンサイ由来、ユーキュウマ コットニー由
来、カタメンキリンサイ由来およびアマクサキリンサイ
由来のレクチンの各分画について、種々の糖が凝集反応
を50%阻止するために要する濃度(μg/ml)を表2に合
わせて示す。
いずれのレクチンも、単糖及びオリゴ糖に対しては特
異的な結合を示さず、アシアロフェチン、フェチン、チ
ログロブリンおよびイーストマンナンに対して結合特異
性を有し、α1−アシッドクリコプロテインに対しても
弱い結合特異性を示した。中でもチログロブリン、イー
ストマンナンに対しては、特に強い結合特異性を示し
た。
これらのことから、上記の各キリンサイ属由来のレク
チンは糖タンパク質のN−グリコシド型糖鎖を認識し、
特にその中でも高マンノース型を強く認識することがわ
かった。
試験例1 トゲキリンサイ属由来、ユーキュウマ コッ
トニー由来、カタメンキリンサイ由来およびアマクサキ
リンサイ由来のレクチンのマウス及びヒトリンパ球に対
する幼若化活性の測定試験 (a)マウスリンパ球に対する幼若化活性の測定 マウス(BALB/C,雌、17週令)脾臓より、常法に従い
リンパ球画分を取得し、これを10%牛胎児血清含有PRMI
1640培地で3回洗浄後、5×106細胞/ml濃度のリンパ球
懸濁液を調製した。この懸濁液100μlに各濃度に調製
した各キリンサイ由来のレクチンを含むPRMI1640培地10
0μlを加え、同培地中5%CO2下37℃で培養した。培養
50時間後、3H−チミン(0.5μCi/10μl)を添加し、更
に6時間培養した。この培養液中の培養細胞をセルハー
ベスタを用いてガラス状繊維フィルター(Whatman)上
に回収し、乾燥後、カウンテイングバイアルに入れ、液
体シンチレーションカウンターでリンパ球に取り込まれ
3H−チミジン量を測定した。放射線取り込み量から、
スティミュレーションインデックスを調べたところ、ト
ゲキリンサイ由来のレクチン(ES0、ES1及びES2)、ユ
ーキュウマ コットニー由来のレクチン(EC0、EC1及び
EC2)、カタメンキリンサイ由来のレクチン(EG0、EG
1、EG2及びEG3)およびアマクサキリンサイ由来のレク
チン(EA0、EA1、EA2及びEA3)はいずれも、マウスリン
パ球幼若化活性を有することが認められた。
(b)ヒトリンパ球に対する幼若化活性の測定 ヒト血液より密度勾配遠心法によって5×106細胞/ml
濃度のヒト末梢血液由来のリンパ球懸濁液を調製した。
この懸濁液100μlに各濃度に調製した各キリンサイ由
来のレクチンを含むをRPMI1640培地100μlを加え、同
培地中5%CO2下37℃で培養した。培養50時間後、3H−
チミジン(0.5μCi/10μl)を添加し、更に6時間培養
した。この培養液中の培養細胞をセルハーベスタを用い
てガラス状繊維フィルター(Whatman)上に回収し、乾
燥後、カウンテイングバイアルに入れ、液体シンチレー
ションカウンターでリンパ球に取り込まれた3H−チミジ
ン量を測定した。放射線取り込み量からスティミュレー
ションインデックスを調べたところ、トゲキリンサイ由
来のレクチン(ES0、ES1及びES2)、ユーキュウマ コ
ットニー由来のレクチン(EC0、EC1及びEC2)、カタメ
ンキリンサイ由来のレクチン(EG0、EG1、EG2及びEG3)
およびアマクサキリンサイ由来のレクチン(EA0、EA1、
EA2及びEA3)はいずれもヒトリンパ球に対して幼若化活
性を有することが認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 望 愛媛県伊予市森728番地 株式会社海藻 資源研究所内 (56)参考文献 特開 平3−279396(JP,A) Journal of Applie d Phycology,Vol.5 (2),p.213−218(1993) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/405,1/14 C07K 1/16,1/30 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キリンサイ属(Eucheuma属またはKappaphy
    cus属)に属する海藻に由来し、以下の特徴を有するレ
    クチン: (a)ゲル濾過法による分子量が約25,000であり、 (b)SDS電気泳動法による分子量が約29,000であり、 (c)等電点電気泳動法による等電点がpI4.5〜pI5.7の
    範囲にあり、 (d)糖鎖を持たず、 (e)N末端領域のアミノ酸配列が、Gly−Arg−Tyr−T
    hr−Val−X−Asn−Gln−Trp−Gly(XはGlnあるいはLy
    s)であり、 (f)トリプシン処理ウサギ赤血球、ヒツジ赤血球及び
    トリプシン処理ヒツジ赤血球に対して特異的な凝集活性
    を有し、 (g)フェチン、アシアロフェチン、チログロブリン及
    びイーストマンナンに対して結合特異性を示す。
  2. 【請求項2】等電点電気泳動法による等電点がpI4.75、
    pI4.95、pI5.05、pI5.20およびpI5.50からなる群から選
    ばれる少なくとも一つである請求の範囲第1項に記載の
    レクチン。
  3. 【請求項3】キリンサイ属に属する海藻がトゲキリンサ
    イ(Eucheuma serra)、ユーキュウマ コットニー(Eu
    cheuma cottonii)、カタメンキリンサイ(Eucheuma ge
    latinae)及びアマクサキリンサイ(Eucheuma amakusae
    nsis)からなる群から選択されるいずれか一つであるこ
    とを特徴とする請求の範囲第1項に記載のレクチン。
  4. 【請求項4】キリンサイ属(Eucheuma属またはKappaphy
    cus属)に属する海藻を、緩衝液及び溶媒−水混合液か
    ら選ばれるいずれかの抽出溶媒で抽出し、その抽出液を
    溶媒沈殿及びゲル濾過の工程を経ることによって分離精
    製することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項
    に記載のレクチンの製造方法。
  5. 【請求項5】ゲル濾過後、さらにイオン交換クロマトグ
    ラフィーに付すことを特徴とする請求の範囲第4項に記
    載のレクチンの製造方法。
  6. 【請求項6】得られるレクチンがpI4.75、pI4.95、pI5.
    05、pI5.2およびpI5.5からなる群から選択される少なく
    とも一つの等電点を有するものであることを特徴とする
    請求の範囲第4項または第5項に記載のレクチンの製造
    方法。
  7. 【請求項7】抽出および溶媒沈殿で用いられる溶媒のい
    ずれかが、アセトン、メタノール、エタノール及びイソ
    プロパノールからなる群から選択されるいずれか一つで
    ある請求の範囲第4〜6項のいずれかに記載のレクチン
    の製造方法。
  8. 【請求項8】抽出および溶媒沈殿で用いられる溶媒のい
    ずれかが、エタノールである請求の範囲第4〜6項のい
    ずれかに記載のレクチンの製造方法。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Journal of Applied Phycology,Vol.5(2),p.213−218(1993)

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