JP2894455B2 - ポリアミド系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物の製造方法

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JP2894455B2 JP40273390A JP40273390A JP2894455B2 JP 2894455 B2 JP2894455 B2 JP 2894455B2 JP 40273390 A JP40273390 A JP 40273390A JP 40273390 A JP40273390 A JP 40273390A JP 2894455 B2 JP2894455 B2 JP 2894455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリアミドとグラフト変
性ポリオレフィンとからなる新規な樹脂組成物を製造す
る方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミドは、優れた特性を有す
る熱可塑性樹脂であり、エンジニアリングプラスチック
として広汎に使用されている。
【0003】しかしながら、ポリアミドは、低温衝撃特
性、耐水性および耐塩水性などの特性については、必ず
しも満足のゆくものではなく、これらの点に関してさら
に改良が望まれている。
【0004】上記のようなポリアミドの特性を改善する
方法として、ポリアミドに他の樹脂を配合してポリアミ
ドの特性を改良しようとする提案がなされており、これ
らポリアミドに配合される他の樹脂として、変性ポリオ
レフィンなどを使用することも既に知られている。
【0005】すなわち、ポリアミドとポリオレフィンと
は、相互に良好な分散性を有していないため、単にポリ
アミドとポリオレィンとを溶融混練して得られた組成物
を用いて調製された成形体は、ポリアミド部とポリオレ
フィン部との間で相間剥離が生じ易く、ポリアミドの物
性を改善することができない。
【0006】そこで、ポリアミドとの相溶性を向上させ
るために、変性ポリオレフィンが使用されている(例え
ば特開昭60-35042号公報参照)。ところが、ポリアミド
は、一般に融点が高いため、ポリアミドと変性ポリオレ
フィンとを溶融混練する際には、両者の混合物を相当高
温に加熱する必要があり、この加熱によって、変性ポリ
オレフィンが熱劣化を受けることがあり、このため得ら
れる組成物の特性が予定している特性よりも低くなる傾
向がある。また、変性ポリオレフィンを良好にポリアミ
ド中に分散させるためには、変性ポリオレフィンの変性
率がある程度高いことが必要である。このような組成物
を溶融成形しようとする際には、架橋反応、ゲル化が進
行し、すなわち溶融安定性が悪くなることがある。さら
に、ポリアミドと変性ポリオレフインは、溶融粘度が大
きく異なるため、両成分を有効に混練し、分散性を良好
にすることが困難な傾向にあった。
【0007】このようにポリアミドに変性ポリオレフィ
ンを配合してポリアミドの特性を改善しようとする従来
の方法は、変性ポリオレフィンをポリアミド中に良好に
分散させることが困難であったため、所望の特性を有す
るポリアミド樹脂組成物を得ることは困難であった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、ポリアミドと変性ポリオレフ
ィンとが相互に均一に分散したポリアミド樹脂組成物を
提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリアミド樹脂組成物の製
造方法は、 (a) 濃硫酸中、30℃で測定した極限粘度[η]が0.
01〜0.5dl/gの範囲内にあるポリアミド低次重縮合
物またはジアミン成分とジカルボン酸成分とから形成さ
れる塩と、 (b) ポリオレフィン100重量部に対して、極性基含有
不飽和化合物が0.01〜10重量部の量でグラフトし
ている極性基含有ポリオレフィンとを、5:95〜9
8:2の範囲内の重量比で含有する混合物に、溶融状態
で、剪断応力を付与しながら、該低次重縮合物あるいは
該塩の少なくとも一部を重縮合させることを特徴として
いる。
【0010】本発明の製造方法によれば、ポリアミド前
駆体、すなわち低次重縮合物あるいはナイロン塩(a)と
特定の極性基含有ポリオレフィン(b)とを特定の割合で
含む混合物を溶融状態で剪断応力を付与しながらポリア
ミドオリゴマーの重縮合反応を行っているため、ポリア
ミドと変性ポリオレィンとが良好な分散状態を形成す
る。
【0011】従って、本発明の方法により得られたポリ
アミド組成物では、ポリアミドが本質的に有している優
れた特性を損なうことなく、強靭性、耐衝撃性、高温剛
性などの特性が向上すると共に、吸水性が低下する。
【0012】
【発明の具体的説明】次に本発明のポリアミド樹脂組成
物の製造方法について具体的に説明する。本発明で使用
されるポリアミド低次重縮合体の濃硫酸中、30℃で測
定した極限粘度[η]は、0.01〜0.5dl/gの範囲
内にあり、特に本発明においては0.05〜0.3dl/g
の極限粘度を有する低次重縮合体を使用することが好ま
しい。
【0013】このようなポリアミド低次重縮合体は、分
子内に通常は1個以上、好ましくは2個以上のアミド結
合を有する重縮合体であり、この低次重縮合体の数平均
分子量は、通常は20000以下、好ましくは300〜
5000の範囲内にある。
【0014】このようなポリアミド低次重縮合物として
は、例えば、アミノカルボン酸を重縮合して得られる低
次重縮合体、および、ジアミン成分とジカルボン酸成分
とを重縮合して得られる低次重縮合体を挙げることがで
きる。
【0015】また、本発明においては、上記のような低
次重縮合体の代わりに、あるいは低次重縮合体と共に、
ジアミン成分とジカルボン酸成分とから形成される塩を
用いることもできる。
【0016】従って、本発明においては、原料である
(a)成分として、ジアミン成分一分子とジカルボン酸成
分一分子とから形成される塩から、濃硫酸中、30℃で
測定した極限粘度[η]が0.01〜0.5dl/gの範囲
内、好ましくは0.05〜0.3dl/gの範囲内にあるオ
リゴマーまで使用することができる。
【0017】また、アミノカルボン酸の例としては、p-
アミノメチル安息香酸およびp-アミノ安息香酸を挙げる
ことができる。本発明で使用されるジアミン成分には、
脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンおよび芳香族ジアミン
がある。
【0018】ここで、脂肪族ジアミンの例としては、エ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチ
ルノナメチレンジアミン、2,4-ジメチルオクタメチレン
ジアミン、および2,2,5-トリメチルヘキサメチレンジア
ミンを挙げることができる。
【0019】また、脂環族ジアミンの例としては、1,3-
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、ビス(4,4′-アミノシクロ
ヘキシル)メタン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(3-メチル-4- アミノシ
クロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジン、ピペラジン、2,5-ジメチルピ
ペラジン、イソホロンジアミン、ジアミノメチレンノル
カンファン、ビスアミノプロピルポリテトラヒドロフラ
ン、およびポリオキシプロピレンジアミンを挙げること
ができる。
【0020】さらに、芳香族ジアミンの例としては、m-
フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-キシリ
レンジアミン、p-キシリレンジアミン、3,3′- ジアミ
ノジフェニル、4,4′- ジアミノジフェニル、3,3′-ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニル
エーテル、3,3′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジ
アミノジフェニルメタン、3,4′-ジアミノジフェニルエ
ーテル、3,3′-ジアミノジフェニルスルホン、4,4′-ジ
アミノジフェニルスルホン、3,3′-ジアミノジフェニル
スルフィドおよび4,4′-ジアミノジフェニルスルフィド
並びにこれらの誘導体を挙げることができる。
【0021】本発明で使用されるジカルボン酸には、脂
肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸および芳香族ジ
カルボン酸がある。ここで使用される脂肪族ジカルボン
酸の例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸およびグルタル酸を挙げ
ることができる。
【0022】また、脂環族ジカルボン酸の例としてはシ
クロヘキサンジカルボン酸を挙げることができる。さら
に、芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフ
タレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2-
クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチル
イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、5-ヒドロイシ
イソフタル酸およびビス-p- カルボキシフェニルメタン
を挙げることができる。
【0023】本発明において、上記のようなアミノカル
ボン酸、ジアミン成分およびジカルボン酸成分は、それ
ぞれ単独で使用することもできるし、組み合わせて使用
することもできる。さらに上記のような化合物から生成
される低次重縮合物あるいは塩は、単独で使用すること
もできるし、組み合わせて使用することもできる。
【0024】上記のようなアミノカルボン酸、ジアミン
成分およびジカルボン酸成分から低次重縮合体を生成す
る方法としては、例えばアミノカルボン酸、ジアミン成
分とジカルボン酸成分、ジアミン成分とジカルボン酸と
の塩などを、水およびリン系化合物の存在下に加熱する
方法を利用することができる。
【0025】ここで使用されるリン系化合物としては、
リン酸、その塩およびエステル化合物、亜リン酸、その
塩およびエステル化合物、並びに次亜リン酸およびその
塩を使用することができる。
【0026】具体的には、リン酸塩の例としては、リン
酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルお
よびリン酸コバルトを挙げることができる。リン酸エス
テルの例としては、具体的には、リン酸の、メチルエス
テル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オ
クタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエス
テルおよびフェニルエステルを挙げることができる。
【0027】また、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸
カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、
亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニ
ッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができる。
亜リン酸エステルの例としては、亜リン酸トリエステル
を挙げることができ、具体的には、亜リン酸の、メチル
エステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブ
チルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステ
ル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリ
ルエステルおよびフェニルエステルを挙げることができ
る。
【0028】さらに、亜リン酸塩の例としては、亜リン
酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウ
ム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン
酸ニッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができ
る。
【0029】また、次亜リン酸塩の例としては、次亜リ
ン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カル
シウム、次亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マグネシウ
ム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよび次
亜リン酸コバルトを挙げることができる。これらのリン
酸化合物は、単独であるいは組み合わせて使用すること
ができる。
【0030】また、低次重縮合体の調製に際しては、上
記のようなリン化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、
脂肪族モノカルボン酸などの化合物を用いてもよい。そ
して、この反応におけるその他の条件は、得られる低次
重縮合体の極限粘度[η]が0.01〜0.5dl/g、好
ましくは0.05〜0.3dl/gの範囲内になるように適
宜設定することができるが、反応温度は、通常は200
〜300℃、好ましくは220〜280℃の範囲内に設
定され、このような温度条件において0.2〜5時間反
応させることにより、上記のような極限粘度を有する低
次重合体を調製することができる。
【0031】本発明で使用される低次重合体の好適な製
造例を以下に示す。まず、アミノカルボン酸、ジカルボ
ン酸、ジアミンあるいはジカルボン酸とジアミンとの塩
などの重合原料は、水に溶解もしくは分散して使用す
る。この反応原料溶液あるいは分散液に、リン系化合物
を添加して反応を行う。この反応において、リン系化合
物は、原料100重量部に対して、通常は、0.01〜
10重量部の範囲内の量で使用される。また、水は、重
合原料100重量部に対して、通常は3〜40重量部、
好ましくは5〜30重量部の量で使用される。
【0032】次いで、反応原料溶液もしくは分散液を、
加圧下に、加熱する。このポリアミド低次重縮合物を調
製する際には、オートクレーブのような密閉加圧型反応
装置を用いることが好ましい。この反応は、窒素雰囲気
等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
【0033】そして、この反応におけるその他の条件
は、得られる低次縮重合体の極限粘度[η]が0.01
〜0.5dl/g、好ましくは0.05〜0.3dl/gの範囲
内になるように適宜設定することができるが、反応温度
を通常は200〜300℃、好ましくは220〜280
℃の範囲内に設定し、このような温度条件において0.
2〜5時間反応させることにより、上記のような極限粘
度を有する低次重縮合体を調製することができる。
【0034】本発明の製造方法においては、極性基含有
不飽和化合物でグラフト変性された変性ポリオレフィン
(b)の存在下に、溶融混練しながら上記のような(a)成分
の重縮合反応を行う。
【0035】個々で使用されるポリオレフィンとして
は、 α-オレフィンの単独重合体および共重合体、 エチレンと、エチレン以外の α-オレフィンおよび/ま
たはジエン化合物との共重合体、 エチレンまたはエチレン以外の α-オレフィンと、ジエ
ン化合物との共重合体、エチレンおよび/またはエチレ
ン以外の α-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体 環状オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合体およ
びこれら重合体もしくは共重合体の水添物を挙げること
ができる。
【0036】ここで α-オレフィンの具体的な例として
は、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘ
キセン-1、デセン-1、4-メチルペンテン-1、3-メチルペ
ンテン-1、3-メチルブテン-1およびスチレンを挙げるこ
とができる。
【0037】また、ジエン成分の具体的な例としては、
ブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン、ノルボルナジエンおよび1,4-ヘキ
サジエンを挙げることができる。
【0038】さらに環状オレィンの具体的な例として
は、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、シクロペン
テン、トリシクロデセン、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エ
ン誘導体、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10] -3- ドデ
セン誘導体、ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,0
9.14] -4-ヘプタデンセン誘導体、オクタシクロ[8,8,0,
12.9,14.7,111.18,113.16,03.8,012.17] -5- ドコセン
誘導体、ペクタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14] -4- ヘ
キサデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-イコセン誘導体、
ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4,
3,0,12.5] -3- デセン誘導体、トリシクロ[4,3,0,12.5]
-3-ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6,5,1,13.6,
02.7,09.13] -4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペ
ンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ[4,7,0,12.5,0
8.13,19.12] -3- ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ
[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,112.15] -4- エイコ
セン誘導体、および、ノナシクロ[9,10,1,1,4,7,03.8,0
2.10,012.12,113.20,014.19,115.18] -5-ペンタコセン
誘導体を挙げることができる。
【0039】上記のような単量体成分から形成されるポ
リオレフィンの具体的な例としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ(ブテン-1)、エチレン・プロピレ
ン共重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチレン・ヘ
キセン-1共重合体、エチレン・4-メチルペンテン-1共重
合体、ポリ(4-メチルペンテン-1)、ポリ(3-メチルペ
ンテン-1)、4-メチルペンテン-1・デセン-1共重合体、
プロピレン・ブテン-1共重合体、エチレン-プロピレン-
エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン-プロピレ
ン-ジシクロペンタジエン共重合体、プロピレン・ブテン
-1・4-メチルペンタン-1共重合体、エチレン・プロピレン
・ブテン-1共重合体、エチレン・トリシクロデセン共重合
体、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体を挙げる
ことができる。本発明においては、上記のようなポリオ
レフィンを単独であるいは組み合わせて使用することが
できる。
【0040】また、ポリオレフィンの重合度および共重
合体の組成などに関して特に制限はない。このようなポ
リオレフィンの製造方法自体は既に公知であり、本発明
においても、公知の技術を利用して製造されたポリオレ
フィンを使用することができる。
【0041】本発明で使用される極性基含有ポリオレフ
ィンは、上記のようなポリオレフィンに特定量の極性基
含有不飽和化合物をグラフトすることにより合成される
変性ポリオレフィンである。
【0042】ここでポリオレフィンに導入される極性基
としては、水酸基、酸無水基、ジカルボン酸基、ジカル
ボン酸(部分)エステル基、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基、エポキシ基、N-置換アミノ基、N-置換アミ
ド基、イミド基およびN-置換イミド基を挙げることがで
きる。
【0043】上記のような極性基は、ポリオレフィンに
極性基含有不飽和化合物をグラフトさせることにより調
製することができる。ここで使用される極性基含有不飽
和化合物の例としては、 α,β-不飽和カルボン酸、その無水物およびエステ
ル; α,β-不飽和イミド化合物; エポキシ基含有不飽和化合物; 水酸基含有不飽和化合物; アミド基含有不飽和化合物; および アミノ基含有不飽和化合物を挙げることができる。
【0044】ここで使用することができるα,β-不飽和
カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチ
ルマレイン酸、メチルフマル酸、シトラコン酸およびグ
ルタコン酸を挙げることができ、また、α,β-不飽和カ
ルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸を挙げることができる。さ
らに、α,β-不飽和カルボン酸エステルの例としては、
上記のカルボン酸の低級アルキルエステル(例えば、メ
チルメタクリレートおよびメチルアクリレート)を挙げ
ることができる。これらのα,β-不飽和カルボン酸類
は、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。
【0045】エポキシ基含有不飽和化合物の例として
は、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、ビニルグリシジルエーテルおよびアクリルグリシジ
ルエーテルを挙げることができる。上記のようなエポキ
シ基含有化合物は、単独であるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0046】水酸基含有不飽和化合物の例としては、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレートおよびヒド
ロキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
上記のような水酸基含有化合物は、単独で、あるいは組
み合わせて使用することができる。
【0047】α,β-不飽和イミド化合物の例としては、
マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミ
ド、N-ブチルマレイミド、N-オクチルマレイミド、N-フ
ェニルマレイミド、N-(o-メチルフェニル)マレイミ
ド、N-(m-メチルフェニル)マレイミド、N-(p-メチル
フェニル)マレイミド、N-(メトキシフェニル)マレイ
ミド、N-(クロルフェニル)マレイミド、N-ベンジルマ
レイミド、N-ナフチルマレイミド、N-シクロヘキシルマ
レイミド、N-カルボキシフェニルマレイミド、イタコン
イミド、N-メチルイタコンイミドおよびN-フェニルイタ
コンイミドを挙げることができる。上記のようなα,β-
不飽和イミド化合物は、単独で、あるいは組み合わせて
使用することができる。
【0048】アミド基含有不飽和化合物の例としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアク
リルアミドおよびN,N-ジメチルメタクリルアミドを挙げ
ることができる。上記のアミド基含有不飽和化合物は、
単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0049】アミノ基含有不飽和化合物の例としては、
N-(6-アミノヘキシル) -マレイミドを挙げることがで
きる。なお、上記α,β-不飽和カルボン酸イミド化合物
およびアミド基含有不飽和化合物は、例えばα,β-不飽
和カルボン酸に、付加反応条件を調製しながら、アンモ
ニアあるいはアミン類を作用させることにより調製する
ことができる。また、アミノ基含有不飽和化合物は、
α,β-不飽和カルボン酸に、ジアミン化合物を作用させ
ることにより調製することができる。ここでアミン類と
しては、アンモニアの他、メチルアミン、エチルアミ
ン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、
オレイルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、アニリン、ナフチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、
ジブチルアミン、ジステアリルアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、メチルアニリ
ンおよびフェニルナフチルアミンなどを使用することが
できる。また、ジアミン類としては、ヘキサメチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、デカメチレンジアミ
ンおよびエチレンジアミンなどを使用することができ
る。
【0050】これらのアンモニア、アミン類あるいはジ
アミン類は、単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。特に好適な極性基含有不飽和化合物として
は、アクリル酸、無水マレイン酸、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、N-フェ
ニルマレイミド、メチルメタクリレート、メチルアクリ
レートおよびN-(6-アミノヘキシル) -マレイミドを挙
げることができる。
【0051】本発明で使用される極性基含有ポリオレフ
ィンは、上述のようなポリオレフィンに上記の極性基含
有不飽和化合物をグラフト重合させることにより調製す
ることができる。即ち、例えば極性基含有ポリオレフィ
ンを調製するに際しては、まず、上述のポリオレフィン
と極性基含有不飽和化合物との混合物を調製する。この
際、ポリオレフィン100重量部に対して、極性基含有
不飽和化合物が0.01〜10重量部、好ましくは0.
1〜5重量部グラフト重合するように極性基含有不飽和
化合物とポリオレフィンとの配合量を調整する。例え
ば、反応性の低い極性基含有不飽和化合物を使用する場
合には、グラフト量よりも仕込量を多くすることができ
る。
【0052】上記のポリオレフィンと極性基含有不飽和
化合物とは、通常は過酸化物の存在下に、上記混合物を
ポリオレフィンの融点以上の温度に加熱する方法、ポリ
オレフィンと極性基含有不飽和化合物との混合物を過酸
化物が溶解している溶液中で加熱する方法等を利用して
反応させることができる。
【0053】なお、本発明において、極性基含有ポリオ
レフィンは、極性基含有ポリオレフィン全体のグラフト
重合量が上記範囲内になるように極性基を導入すること
により形成されたものであってもよいし、高いグラフト
重合量の極性基含有ポリオレフィンを調製し、この高い
グラフト重合量の極性基含有ポリオレフィンを未変性の
ポリオレフィンで希釈してグラフト重合量を上記範囲内
に調整した極性基含有ポリオレフィンであってもよい。
【0054】本発明においては、例えば上記のようにし
てグラフト重合を行うことにより、ポリオレフィン(未
変性物)100重量部に対して、極性基含有化合物が
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部グ
ラフト重合している極性基含有ポリオレフィン(b)を調
製し、この極性基含有ポリオレフィンの存在下、特定の
条件下で、ポリアミド低次重縮合物および/またはジア
ミン成分とジカルボン酸成分とから形成される塩(a)の
重縮合反応を行う。
【0055】本発明において、この重縮合反応に際し
て、ポリアミド低次重縮合物および/またはジアミン成
分とジカルボン酸成分とから形成される塩(a) と、極性
基含有ポリオレフィン(b) とは、5:95〜98:2の
範囲内、好ましくは50:50〜95:5の範囲内の重
量比になるように混合されて使用される。なお、本発明
において、上記(a)成分と(b)成分との配合比は、両
者の合計量の内分比、即ち(a)成分と(b)成分との合計量
を100としたときの両者の相対的な重量比を表す。
【0056】上記の極性基含有ポリオレフィン(b) は、
ポリアミド低次重縮合反応物および/またはジアミン成
分とジカルボン酸成分とから形成される塩(a) の重縮合
反応が進行しているいずれかの段階で存在していればよ
く、例えば(a)成分と(b)成分とを予めドライブレンドし
て使用することもできるし、(a)成分と(b)成分とを別々
にフィードしてもよい。さらに、 (a)成分が重縮合反応
が進行している反応装置内に(b)成分をフィードしても
よい。
【0057】そして、本発明の製造方法においては、重
縮合反応を溶融状態で剪断応力を賦与しながら行う。従
って、反応温度は、通常はポリアミド低次重縮合体の融
点以上の温度、好ましくは融点から融点よりも50℃高
い温度の範囲内に設定される。このような温度で重縮合
反応を行うことにより、極性基含有ポリオレフィンが熱
劣化を受けにくくなる。
【0058】そして、本発明においては、上記の重縮合
反応を反応原料、すなわち、 (a)成分と (b)成分とを含
む混合物に剪断応力を賦与しながら行う。特に本発明の
製造方法では、原料として低次重縮合体のような低分子
量のポリアミドを使用するため、極性基含有ポリオレフ
ィンとポリアミドとの混練温度をポリアミドの分子量に
対応させて低温から高温に移行させながら溶融混練する
ことができる。この場合の昇温速度は、通常は10℃/
分〜2000℃/分の範囲内に設定される。このように
反応温度を移行させながら重縮合反応を行うことによ
り、極性基含有ポリオレフィンを過度に加熱することが
ないので、極性基含有ポリオレフィンの熱劣化を有効に
防止することができる。
【0059】本発明においては、例えば上記のようにし
て加熱して溶融状態になった反応原料を、剪断応力を賦
与しながら重縮合させる。反応原料に剪断応力を賦与す
る方法としては、溶融状態にある反応原料を撹拌しなが
ら重縮合させる方法を採用することができる。特に本発
明においては、ブラベンダーあるいは押出機のような反
応原料に高い剪断応力を賦与することができる装置(撹
拌装置)を使用することが好ましい。さらに、このよう
な装置の中でも、反応型押出機を使用することが好まし
く、反応型押出機の中でもベント付二軸押出機を使用す
ることが特に好ましい。
【0060】例えば、上記のような装置を用いた重縮合
反応の時間は、得ようとするポリアミドの特性を考慮し
て適宜設定することができるが、通常は1分〜3時間で
ある。
【0061】このようにして重縮合反応を行うことによ
り、反応原料中のポリアミド低次重縮合物あるいはジア
ミン成分とジカルボン酸成分との塩は、高分子量化す
る。このようにして得られたポリアミド樹脂組成物か
ら、例えばm-クレゾール等を用いてポリアミド樹脂成分
を抽出し、その極限粘度を測定すると、このポリアミド
樹脂成分の濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]
は、通常0.3〜2.0dl/g、好ましくは0.5〜1.
5dl/gの範囲内の値を示すようになる。すなわち、例え
ばポリアミド低次重縮合物を使用した場合、得られるポ
リアミドの分子量は、原料として使用したポリアミド低
次重縮合物の分子量の通常は10〜150倍、好ましく
は20〜100倍になる。
【0062】さらに、本発明の方法によれば、上記のよ
うにして重縮合反応を行うことにより、生成したポリア
ミドと極性基含有ポリオレフィンとが非常に良好な分散
状態を構成する。殊にポリアミドの使用量が多い場合、
ポリアミド中に極性基含有ポリオレフィンが微細に分散
した状態になる。本発明の方法を採用することにより、
ポリアミド低次重縮合物が相互に重縮合して高分子化す
るだけでなく、ポリアミド低次重縮合物の一部は、極性
基含有ポリオレフィンとも反応すると考えられ、従っ
て、本発明の方法により製造された組成物中には、通常
は、ポリアミドおよび極性基含有ポリオレフィンの他、
ポリアミド(あるいはポリアミド低次重縮合物、ジアミ
ンとジカルボン酸との塩)と極性基含有ポリオレフィン
との反応生成物も含有されている。本発明の方法により
製造される組成物中における上記のようなポリアミドと
極性基含有ポリオレフィンとの反応生成物の含有率は、
使用する原料の組成あるいは種類によって異なるが、全
樹脂成分に対して、通常は80重量%以下、さらに0.
1〜50重量%の割合で上記のような反応生成物が含有
されている場合が多い。
【0063】上記のような重縮合反応に際しては、水が
生成するが、本発明においてはこの反応生成水を除去し
ながら重縮合反応を行うことが好ましい。なお、本発明
の製造方法における縮重合反応に際しては、上記の (a)
成分および (b)成分の他に、重合体の製造の際に使用さ
れる添加材を配合することもできる。このような添加剤
の例としては、フェノール系安定剤のような熱安定剤等
の各種安定剤、重合触媒および反応開始剤等を挙げるこ
とができる。
【0064】このようにして得られたポリアミド樹脂組
成物は、従来から使用されているポリアミドと同様に、
例えばエンジニアリングプラスチック等として使用する
ことができる。
【0065】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方
法は、従来から行われているポリマーブレンド法とは異
なり、低次重縮合体などの低分子量のポリアミドを反応
させながら剪断応力の賦与下に極性基含有ポリオレフィ
ンをブレンドしているため、ポリアミドマトリックス中
へ極性基含有ポリオレフィンが良好に分散する。このた
め従来のポリマーブレンド法で製造した樹脂組成物と比
較して、本発明の方法で製造した樹脂組成物は、アイゾ
ット衝撃強度、引っ張り伸び、靭性等の力学的特性が良
好になる。
【0066】しかも、溶融する際に加熱を穏和な条件で
行うことができるので、極性基含有ポリオレフィンが熱
劣化しにくくなる。このため、得られた樹脂組成物の剛
性が損なわれることが少ない。
【0067】さらに、本発明においては、ポリマーブレ
ンド法と比較して変性率の低い極性基含有ポリオレフィ
ンを使用することができる。このため混練中に樹脂組成
物のゲル化が起こりにくく、樹脂組成物の流動性に変動
が少ないので、本発明の方法により製造された樹脂組成
物は、良好な成形性を有している。
【0068】また、ポリアミドの調製と極性基含有ポリ
オレフィンとの混練操作とを、同時に行うことができる
ので、従来の方法では不可欠であった高粘度反応機を用
いたポリアミドの調製工程が省略でき、プロセスの簡略
化をはかることができる。また低次重縮合物は、モノマ
ーと比較すると飛散しにくいため、原料を仕込む際にモ
ノマーの飛散に伴う配合成分比率の変動が少なくなる。
さらに、作業環境の汚染も有効に防止できる。
【0069】次に本発明の実施例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定
的に希釈されるべきではない。
【0070】
【実施例1】 [極性基含有ポリオレフィンの合成]MFRが0.5g
/10分のホモポリプロピレン1500g、無マレイン酸
34.2g、および2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-プチル
ペルオキシ)ヘキシン-3(日本油脂(株)製、商品名:
パーヘキシン 25B)1.05gを混合し、スクリュー径
が20mmの一軸押出機を用いて200℃で溶融反応させ
た。
【0071】生成物はMFRが20g/10分の無水マレ
イン酸変性ポリプロピレンであり、無水マレイン酸のグ
ラフト量は、0.12g/100gであった。 [ポリアミドオリゴマーの合成]ヘキサメチレンジアミ
ン255.6g、テレフタル酸255.8g、イソフタ
ル酸109.6gおよび次亜リン酸ナトリウム1水塩
0.47gにイオン交換水155.3gを加えて原料水
溶液を調製した。
【0072】次に、この原料水溶液を容量1リットルの
オートクレーブに仕込、窒素ガス置換を充分に行った
後、オートクレーブ内の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2
設定し、撹拌しながら2時間かけて250℃の温度にな
るように加熱した。
【0073】さらに、この温度で1時間重縮合を行いオ
リゴマー(低次重縮合体)を調製した。1時間経過後、
撹拌を停止し、オートクレーブ底部から圧差10Kg/cm2
でオリゴマーを取り出した。取り出されたオリゴマー
を、窒素気流中160℃の温度および300mmHgの圧力
で一晩乾燥させた。
【0074】このオリゴマーの、濃硫酸中、30℃で測
定した極限粘度[η]は、0.10dl/gであった。 [ポリアミド樹脂組成物の合成]上記のようにして得ら
れたオリゴマー900gと変性ポリプロピレン100g
とをドライブレンドし、二軸押出機(スクリュー径:3
0mm、L/D=42、バレル温度(℃)=160/26
0/345/345/335/335/335/335
/335、第3、第4および第6ゾーンは、大気解放ベ
ント、回転数:80 rpm)に供給して溶融状態で混練し
ながら、重縮合を行い、樹脂組成物を吐出させた。
【0075】得られたポリアミド樹脂組成物から、m-ク
レゾールを用いてポリアミド樹脂成分を抽出して、その
極限粘度を測定したところ、[η]は1.0dl/gであっ
た。上記のようにして得られたポリアミド樹脂組成物か
ら調製された試験片(射出成形体)について、曲げ試
験、アイゾット衝撃強度、熱変形温度を測定した。
【0076】なお、本発明において、上記の特性は、以
下に記載する方法で測定した値である。 [曲げ試験]ASTM-D790に準拠し、試験片形状 3.2×62
×127mm、曲げ速度5mm/分の条件で曲げ試験を行い、
曲げ弾性率(FM:Kg/cm2)および曲げ強度(FS:Kg/c
m2)を求めた。 [アイゾッド衝撃強度]ASTM-D256に準拠し、試験片形
状 63.5×12.7×3.2mmを用いて行った。
【0077】ノッチ付きおよびノッチ無し。なお、以下
に示す表において、アイドッド衝撃強度の項目中にカッ
コ内に記載した数字は、サンプル中に占めるNB(Not B
reak)のサンプル数を表している。 [引っ張り試験]ASTM-D-638に準拠して行った。 [熱変形温度]ASTM-D-648に準拠して行った。
【0078】試験片形状6.4×12.7×127mm。
【比較例1】実施例1において、極性基含有ポリオレフ
ィンを使用せずに、ポリアミドオリゴマーだけを二軸押
出機に供給して重縮合反応を行い、極限粘度[η]=
1.0dl/gのポリアミドを調製した。
【0079】このポリアミドと実施例1で調製した変性
ポリプロピレンとを、800:200の割合でドライブ
レンドし、このブレンド物を二軸押出機(バレル温度
(℃)=220/330/345/345/340/3
40/340/340/340)に供給して溶融混練し
て樹脂組成物を得た。
【0080】上記のようにして得られた樹脂組成物から
形成された射出成形体の曲げ試験、アイゾッド衝撃強
度、熱変形温度を測定した。結果を第1表に示す。
【0081】
【実施例2】実施例1において、オリゴマー800gと
変性ポリプロピレン200gとをブレンドした以外は、
実施例1と同様に操作して樹脂組成物を調製した。
【0082】得られた樹脂組成物から形成された射出成
形体の曲げ試験、アイゾッド衝撃強度、熱変形温度を測
定した。結果を第1表に示す。
【0083】
【比較例2】実施例1において、ポリアミド800gと
変性ポリプロピレン200gとをブレンドおした以外
は、実施例1と同様に操作して樹脂組成物を調製した。
【0084】得られた樹脂組成物から形成された射出成
形体の曲げ試験、アイゾッド衝撃強度、熱変形温度を測
定した。結果を第1表に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【実施例3、比較例3】実施例1、比較例1において、
変性ポリプロピレンとして無水マレイン酸のグラフト量
が0.5g/100gのものを用いた以外は、実施例
1、比較例1と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0087】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片(射出成形体)を調製し、この試験片
について曲げ試験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試
験、熱変形温度測定、吸水試験を行った。
【0088】結果を第2表に示す。
【0089】
【実施例4、比較例4】実施例2、比較例2において、
変性ポリプロピレンとして無水マレイン酸のグラフト量
が0.5g/100gのものを用いた以外は、実施例
2、比較例2と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0090】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定、吸水試験を行った。
【0091】結果を第2表に示す。
【0092】
【実施例5、比較例5】実施例3、比較例3において、
ポリアミドオリゴマーまたはポリアミド700gと変性
ポリプロピレン300gとを混合した以外は、実施例
3、比較例3と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0093】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片(射出成形体)
について、曲げ試験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試
験、熱変形温度測定、吸水試験を行った。
【0094】結果を第2表に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
【実施例6】 [ポリアミドオリゴマーの合成]ヘキサメチレンジアミ
ン255.6g、テレフタル酸201.0g、アジピン
酸144.6、次亜リン酸ナトリウム1水塩0.47g
およびイオン交換水149.8gを用いた以外は、実施
例1と同様にしてポリアミドオリゴマーを調製した。 [組成物の合成]上記のようにして調製されたポリアミ
ドオリゴマー900gと、無水マレイン酸グラフト率が
0.5g/100gの変性ポリプロピレンを100g用
いて、バレル温度(℃)=180/280/345/3
45/335/335/300/300に設定した二軸
押出機を用いた以外は、実施例1と同様にして混練して
樹脂組成物を調製した。
【0097】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定、吸水試験を行った。
【0098】結果を第3表に示す。
【0099】
【比較例6】実施例6において合成したポリアミドオリ
ゴマーを二軸押出機に供給して、重縮合反応を行い、極
限粘度[η]=1.0dl/gのポリアミドを調製した。
【0100】このポリアミドと無水マレイン酸グラフト
率が0.5g/100gの変性ポリプロピレンを90
0:100の割合でドライブレンドして、バレル温度
(℃)=220/300/345/345/335/3
35/300/300に設定した二軸押出機を用いて混
練し、樹脂組成物を調製した。
【0101】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定、吸水試験を行った。
【0102】結果を第3表に示す。
【0103】
【実施例7】 [ポリアミドオリゴマーの合成]ヘキサメチレンジアミ
ン255.6g、テレフタル酸182.7g、アジピン
酸160.7g、次亜リン酸ナトリウム1水塩0.47
gおよびイオン交換水149.8gを用いた以外は実施
例6と同様にしてポリアミドオリゴマーを調製した。 [組成物の合成]上記のようにして調製されたポリアミ
ドオリゴマー900gと無水マレイン酸グラフト量が
0.1g/100gの変性ポリプロピレン100gと
を、バレル温度(℃)=180/280/345/34
5/335/335/335/300に設定した二軸押
出機を用いた以外は実施例6と同様にして混練して樹脂
組成物を調製した。
【0104】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定、吸水試験を行った。
【0105】結果を第3表に示す。
【0106】
【実施例8】実施例7において、ポリアミドオリゴマー
800gと変性ポリプロピレン200gとをブレンドし
た以外は、実施例7と同様にして樹脂組成物を調製し
た。
【0107】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定、吸水試験を行った。
【0108】結果を第3表に示す。
【0109】
【表3】
【0110】
【実施例9】 [ポリアミドオリゴマーの合成]ヘキサメチレンジアミ
ン255.6g、アジピン酸321.5g、次亜リン酸
ナトリウム1水塩0.47gおよびイオ交換水144.
3gを使用した以外は実施例1と同様にしてポリアミド
オリゴマーを調製した。 [組成物の合成]このポリアミドオリゴマー800gと
無水マレイン酸グラフト量が0.1g/100gの変性
ポリプロピレン200gとを使用し、バレル温度(℃)
を180/280/345/345/330/330/
300/265/265に設定した二軸押出機を用いた
以外は実施例6と同様にして混練して樹脂組成物を調製
した。
【0111】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0112】結果を第4表に示す。
【0113】
【比較例7】実施例9において、合成したポリアミドオ
リゴマーを二軸押出機に供給して重縮合反応を行い、極
限粘度[η]=0.90dl/gのポリアミドを調製し
た。
【0114】このポリアミドと、無水マレイン酸グラフ
ト量が0.1g/100gの変性ポリプロピレンとを8
00:200の割合でドライブレンドしたものを用い、
実施例9と同様にして混練して樹脂組成物を調製した。
【0115】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0116】結果を第4表に示す。
【0117】
【実施例10】実施例9において、ポリアミドオリゴマ
ー700gと変性ポリプロピレン300gとをブレンド
した以外は、実施例9と同様にして樹脂組成物を調製し
た。
【0118】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0119】結果を第4表に示す。
【0120】
【比較例8】比較例7において、ポリアミド700gと
変性ポリプロピレン300gとをブレンドした以外は、
比較例7と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0121】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0122】結果を第4表に示す。
【0123】
【実施例11】 [マイレン化EPRの合成]MFRが1.1g/10分
である非晶性のエチレンプロピレンランダムコポリマー
1500g、無水マレイン酸7.5g、パーヘキシン2
5B 0.6gを用いて250℃で反応させてマレイン
化EPRを調製した。 [組成物の合成]このマレイン化EPR 200gと、
実施例9のオリゴマー800gとを使用した以外は、実
施例9と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0124】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0125】結果を第4表に示す。
【0126】
【表4】
【0127】
【比較例9】実施例1において、ポリアミドオリゴマー
800gと、未変性のポリプロピレン200gを用いた
以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物の調製を試み
た。しかし層状剥離をおこしたため、ペレット化できな
かった。
【0128】
【実施例12】 [極性基含有ポリエチレンの合成]MFRが0.03g
/10分のポリエチレン1500g、無水マレイン酸1
8.0gおよびパーヘキシン25B 1.05gを混合
し、スクリュー径が20mmの一軸押出機を用いて250
℃で溶融反応させた。
【0129】生成物は、MFRが0.01g/10分の
無水マレイン酸変性ポリエチレンであり、無水マレイン
酸のグラフト量は1.0g/100gであった。 [樹脂組成物の合成]実施例1で合成したポリアミドオ
リゴマー600gと無水マレイン酸変性ポリエチレン4
00gとを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組
成物を調製した。
【0130】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0131】結果を第5表に示す。
【0132】
【実施例13】 [極性基含有ポリオレフィンの合成]MFRが20g/
10分のポリ(4-メチルペンテン-1)1500g無水マ
レイン酸15g、パーヘキシン25B 1.50gを混
合し、スクリュー径が20mmの一軸押出機を用いて26
0℃で溶融反応させた。
【0133】生成物は、MFRが30g/10分の無水
マレイン酸変性8ポリ(4-メチルペンテン-1)であり、
無水マレイン酸のグラフト量は、0.47g/100g
であった。 [樹脂組成物の調製]実施例1で合成したポリアミドオ
リゴマー700gと無水マレイン酸変性ポリ(4-メチル
ペンテン-1)300gとを用いた以外は、実施例1と同
様にして樹脂組成物を調製した。
【0134】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様にして試験片を調製し、この試験片について曲げ試
験、引っ張り試験、アイゾット衝撃試験、熱変形温度測
定を行った。
【0135】結果を第5表に示す。
【0136】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 69/00 - 69/50 C08L 77/00 - 77/12 C08L 51/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 濃硫酸中、30℃で測定した極限粘
    度[η]が0.01〜0.5dl/gの範囲内にあるポリア
    ミド低次重縮合物および/またはジアミン成分とジカル
    ボン酸成分とから形成される塩と、 (b) ポリオレフィン100重量部に対して、極性基含
    有不飽和化合物が0.01〜10重量部の量でグラフト
    している極性基含有ポリオレフィンとを、5:95〜9
    8:2の範囲内の重量比で含有する混合物に、溶融状態
    で、剪断応力を付与しながら、該低次重縮合物あるいは
    該塩の少なくとも一部を重縮合させることを特徴とする
    ポリアミド系樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミド低次重縮合物が、アミノカル
    ボン酸の低次重縮合物、もしくはジアミン成分とジカル
    ボン酸成分とから形成される低次重縮合体であることを
    特徴とする請求項第1項記載のポリアミド系樹脂組成物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 重縮合反応を、反応型押出機を用いて行
    うことを特徴とする請求項第1項もしくは第2項記載の
    ポリアミド系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応型押出機が、ベント付二軸押出機で
    あることを特徴とする請求項第3項記載のポリアミド系
    樹脂組成物の製造方法。
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