JP2894309B2 - X線マイクロビームの生成方法及び生成装置 - Google Patents
X線マイクロビームの生成方法及び生成装置Info
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Description
の生成方法及び生成装置に関する。
フレネルゾーンプレート、全反射ミラー、および非対称
反射X線回折などが利用されていた。すなわち、フレネ
ルゾーンプレートを利用する方法では、光源から出射さ
れたX線は、X線フレネルゾーンプレートによって、仮
想光源である焦点位置に集光される。また、X線全反射
ミラー等の集光素子を使った方法では、X線の屈折率が
1より小さいために、ある臨界角よりもすれすれに物体
表面に入射したとき全反射を起こす現象を利用したX線
全反射ミラーをフレネルゾーンプレートの替わりに用い
ていた。更に、入射X線光路上に非対称反射の結晶分光
器を挿入し、反射鏡を用いて、その結晶分光器による疑
似発光点と元の発光点からのX線を同一位置に反射する
非対称反射X線回折法があった。あるいは、スリットや
ピンホールなどでX線束の断面積を限っても、空間的に
絞られたX線束を得ることができた。
は、以下の問題点がある。
エネルギーの変化に伴い焦点位置が変化してしまった。
また、全反射ミラーではエネルギーの選別機能がなかっ
た。非対称反射X線回折を用いる方法では例えば特開昭
62−15014号公報及び特開平4−43998号公
報に開示されているように、X線の波長の変化(エネル
ギーの変化)によって非対称の度合いが変わり、集光効
率が変わってしまう困難があった。
的は、X線の波長が変化しても非対称度や集光効率を一
定値に保つX線マイクロビームの生成方法及び生成装置
を提供することにある。
ームの生成方法は、結晶表面に平行でない反射格子面を
利用する非対称反射X線回折方法によるX線マイクロビ
ームの生成方法において、反射格子面に垂直な軸のまわ
りに結晶を回転して、ブラッグ条件を保存したまま、結
晶表面に対する入射角および出射角を変える。
て微小サイズのX線ビームを得てもよい。
面を逐次反射に利用してもよい。
は、上述のX線マイクロビームの生成方法を用いてい
る。
変化による非対称因子(非対称の度合い)を一定に保
ち、集光効率を変えずに人射X線のエネルギー走査を可
能にする。更に、本発明の方法と装置では、選別される
X線の波長が変化しても非対称度を一定値に保つことが
可能となる。また、X線のエネルギーとビームサイズ等
を含む集光条件を独立に設定することができる。
変化)による非対称の度合いあるいは集光効率が変わっ
てしまう困難を解決できる。
て図面を参照して説明する。
明の第1の実施の形態の非対称反射によるビームサイズ
の縮小の模式的側面図である。
晶表面に平行でない、反射面(格子面)を利用する非対
称反射において、図1のように格子面に垂直な軸のまわ
りに結晶を回転することにより、ブラッグ条件を乱すこ
となく結晶表面に対する入射角および出射角を変えるこ
とで、X線のエネルギーの変化による非対称因子(非対
称の度合い)を一定に保ち、集光効率を変えずに入射X
線のエネルギー走査を可能にする。非対称因子bとは、
結晶表面と入射および出射X線の方向とのなす角度θO
およびθGを用いて、 b=sinθO/sinθG と表される量であり非対称度とも言われ、非対称度bの
回折により入射X線の散乱面内の空間的広がりは、出射
X線で1/b倍に、角度発散はb倍にされる。ブラッグ
角θBおよび回折に関わる格子面と結晶表面のなす角α
を用いれば、 b=sin(θB+α)/sin(θB−α) と表される。ここで、αは−θBからθBまでの範囲をと
ることができる。複数の結晶を用いて逐次反射をさせれ
ば、ビームサイズをより小さくすることが可能である。
非対称反射において、格子面に垂直な軸のまわりに結晶
を回転(図1のφ)することにより、入射X線および出
射X線の表面に対する角度を変えることができる。結果
としてφ=90度のとき(このときα=0)のb=1を
含み、φ=0度〜180度の範囲で、非対称因子をbか
ら1/bまで変化させることができ、入射X線の波長
(またはエネルギー)が変わり、ブラッグ角の変化とし
ての非対称度の変化をφの回転により補償することがで
きる。すなわち、結晶の回転により、選別されるX線の
波長の変化に伴う非対称度の変化をφの回転を連動する
ことにより補償し、結果として非対称度を一定値に保つ
ことが可能となる。また、bの変化の結果として集光条
件を任意の値に設定することができ、ビームサイズを変
えることも可能となる。
明の第2の実施の形態の模式的平面図((a))及び模
式的側面図((b))である。
射に利用することにより、全体としてビームサイズを小
さくし、更に入射X線の回折に関わる角度幅が秒のオー
ダーであるため、角度幅の絞られたX線束が得られる。
シリコン単結晶3により、非対称反射のブラッグ反射を
受け、ビームサイズを限られる。使用したX線源は回転
陽極型のX線発生装置で、ビームサイズはlmm×1m
mである。波長0.05nmのX線に対して422反射
におけるブラッグ角は13.0度であり、(422)面
と結晶表面とのなす角度を12.0度になるようにカッ
トした結晶を用いて、非対称度bは24.3となる。
結晶4により回折させることにより更にビームサイズを
小さくすることができ、10μmほどになった。結晶3
および結晶4における散乱面と垂直な散乱面になるよう
結晶5および結晶6を配置し、水平方向および垂直方向
のビームサイズとも10μm程度にすることができた。
また、回折X線の角度発散は10秒程度であった。ここ
で、結晶3、4、5および6を回転させ、波長0.15
nmのX線を取り出す。この場合のブラッグ角は42.
6度であり、非対称因子bは57.0となった。集光条
件は大きく変わり、ビームサイズは5μm程度となっ
た。
線方向の結晶表面に対する角度を2.3度となるように
し非対称度を2.4程度にするとビームサイズは波長を
変化させても10μm程度のままであった。また、φの
回転によりX線の出射方向の結晶表面に対する角度を変
化させることによりビームサイズは10μmから数cm
程度まで、連続的に変化させることができた。
を乱すことなく微小サイズのX線束のエネルギーを広い
範囲で走査することができるようになり、エネルギー走
査による実験であるEXAFS(Extended X
−ray Absorption Fine Stru
cture)等の実験を微小ビームサイズで容易に行え
るようになるという効果がある。また、集光条件を制御
してビームサイズを自由に変えることができるようにな
る。これにより、試料の局所歪解析や微小領域の構造解
析が行える。すなわち、本発明の方法と装置では、選別
されるX線の波長の変化に伴う非対称度の変化を補償し
て、結果として非対称度を一定値に保つことが可能とな
る。また、X線のエネルギーとビームサイズ等を含む集
光条件を独立に設定することができる。
ビームサイズの縮小の模式的側面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 結晶表面に平行でない反射格子面を利用
する非対称反射X線回折方法によるX線マイクロビーム
の生成方法において、 前記反射格子面に垂直な軸のまわりに結晶を回転して、
ブラッグ条件を保存したまま、前記結晶表面に対する入
射角および出射角を変えることを特徴とするX線マイク
ロビームの生成方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のX線マイクロビームの
生成方法において、 複数の結晶からの逐次反射を経過して微小サイズのX線
ビームを得ることを特徴とするX線マイクロビームの生
成方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載のX線マイクロビームの
生成方法において、 前記複数の結晶間で、互いに垂直な散乱面を逐次反射に
利用することを特徴とするX線マイクロビームの生成方
法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3の何れか1項に記
載のX線マイクロビームの生成方法を用いていることを
特徴とするX線マイクロビームの生成装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9002942A JP2894309B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | X線マイクロビームの生成方法及び生成装置 |
NL1007118A NL1007118C2 (nl) | 1996-09-27 | 1997-09-25 | Werkwijze voor het opwekken van een röntgenstralenmicrobundel en inrchting daarvoor. |
US08/936,384 US5914998A (en) | 1996-09-27 | 1997-09-25 | X-ray microbeam generating method and device for the same |
FR9712008A FR2754102B1 (fr) | 1996-09-27 | 1997-09-26 | Procede de generation d'un microfaisceau de rayons x et dispositif pour celui-ci |
FR9800776A FR2756449B1 (fr) | 1996-09-27 | 1998-01-26 | Procede de generation d'un microfaisceau de rayons x et dispositif pour celui-ci |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9002942A JP2894309B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | X線マイクロビームの生成方法及び生成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10197697A JPH10197697A (ja) | 1998-07-31 |
JP2894309B2 true JP2894309B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=11543425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9002942A Expired - Fee Related JP2894309B2 (ja) | 1996-09-27 | 1997-01-10 | X線マイクロビームの生成方法及び生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2894309B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4660712B2 (ja) * | 2000-11-30 | 2011-03-30 | 財団法人新産業創造研究機構 | X線マイクロビーム生成装置 |
-
1997
- 1997-01-10 JP JP9002942A patent/JP2894309B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10197697A (ja) | 1998-07-31 |
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