JP2893903B2 - 虚血―再灌流障害予防、治療剤 - Google Patents
虚血―再灌流障害予防、治療剤Info
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Description
治療剤に関するものであり、詳細には、後記スルホンア
ニリド化合物(I)または医薬として許容されるその塩
を有効成分とする虚血−再潅流障害の予防、治療剤に関
するものである。
臓、肝臓、膵臓、消化管、筋肉、皮ふなどほとんど全て
の臓器で問題となるところにより、これら活性酸素によ
る虚血障害を防止する薬剤を見出すべく先ず、ラットや
マウスの小動物の足を事務用の輪ゴムでしばり、一定時
間後そのゴムを切り血液の再潅流を許す事により生ずる
足の腫れを厚さの増加、または重量の増加で測る方法を
開発した(大柳善彦:フリーラジカルの臨床、2巻、12
5−138頁、1987、日本医学館・東京)。この方法ではプ
ロスタグランジン合成阻害剤などは足浮腫の抑制を示さ
ず、代表的な活性酸素であるスーパーオキシド(以下O2
-)を特異的に除去するスーパーオキシド・ディスムテ
ース(以下SOD)が抑制を示す。
(虚血−再潅流障害)の防止剤とプロスタグランジン合
成阻害に関係しない新しいタイプの抗炎症剤が見出せる
スクリーニング系である。
治療剤としてSODが知られているが(例えば、特開平1
−110631号公報)、SODは蛋白酵素であり、保存、品質
管理が比較的難しいし、また経口投与で無効である等の
難点がある。このためこの発明者は、これらの難点を解
決しようと、新たな観点から、鋭意研究の結果、この発
明を完成した。
有効成分として使用する化合物は次式(I)で示される
化合物または医薬として許容されるその塩である。
基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基または式: で示される基を、 R3は水素またはR2とR3とがそれらの結合している炭素
と一緒になって環: を形成する、 R4およびR5はそれぞれ水素またはハロゲンを、Xは−
O−または−S−をそれぞれ意味する) 有効成分化合物(I)の医薬として許容される塩の好
ましい例としては常用の無毒性塩であり、無機塩基との
塩、その例として、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、たとえばカルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩;有機塩基との塩、その例として、例えばトリエ
チルアミン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールア
ミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N′−ジベンジ
ルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等のような塩基
との塩が挙げられる。
の定義の好ましい具体例および説明を以下詳細に述べ
る。
6個を意味するものとする。
素および沃素である。
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、第三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル
等のような炭素原子1〜6個を有する直鎖または分枝鎖
アルカン残基、さらに好ましくは炭素原子1〜4個を有
するものが挙げられる。
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル、3,3−ジメチルブチリル等の直鎖または分枝鎖低級
アルカノイル基が挙げられる。
として使用する化合物(I)は、例えば特開昭63−1908
69号公報、特開昭63−313765号公報、特開昭57−136560
号公報、特開昭55−20777号公報等に記載されている公
知の化合物である。
すると次の通りである。
含む哺乳動物へ、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠
剤、顆粒剤、粉末、トローチ剤、丸剤、軟膏剤、坐剤、
注射剤、シロップ剤等の慣用の医薬製剤の形で、経口ま
たは非経口投与することができる。
スクロース、でん粉、マンニット、ソルビット、ラクト
ース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム等の賦形剤、例えばセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリ
プロピルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエ
チレングリコール、スクロース、でん粉等の結合剤、例
えばでん粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルでん粉、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウ
ム、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、例えばステアリン
酸マグネシウム、エアロシル、タルク、ラウリル硫酸ナ
トリウム等の滑沢剤、例えばクエン酸、メントール、グ
リシン、オレンジ末等の矯味剤、例えば安息香酸ナトリ
ウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピル
パラベン等の保存剤、例えばクンエン酸、クエン酸ナト
リウム、酢酸等の安定化剤、例えばメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニウム等の
懸濁化剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース
等の分散剤、例えば水等の希釈剤、例えばカカオバタ
ー、白色ワセリン、ポリエチレングリコール等の基材ワ
ックスのような製剤化に慣用の有機または無機の各種担
体を用いる常法によって製造することができる。
/または年令ならびに/または疾病の程度さらには投与
経路のような種々の要因によって変化するが、通常は、
経口投与により、1日当り0.5〜1000mg、好ましくは1
〜500mgを投与する。有効な1回投与量は、患者の体重1
kgあたり0.01〜20mgの範囲、好ましくは0.05〜2mgの範
囲内で選択される。
として使用される化合物(I)または医薬として許容さ
れるその塩はマウス虚血足浮腫抑制作用を有し、心臓、
腎臓、消化管、肺臓、肝臓、膵臓、筋肉、皮ふ等の虚血
−再潅流障害(傷害)の発症の予防およびその治療に有
効に使用することができる。具体的に特に、心臓の冠動
脈閉塞後の自然開通、血栓溶解剤や手術による開通後、
心筋梗塞や不整脈の予防、治療に有効である。
上記のように各種臓器移植、臓器手術の際、虚血の状態
におかれた後、再潅流時における臓器の障害(傷害)の
治療に有効であるばかりか、各種臓器移植、臓器の手術
の前に、この発明の薬剤を投与しておけば再潅流時の臓
器の障害を防止または軽減することもできる。このこと
はまた、手術時間に余ゆうを与え、より良質の手術を可
能にすることにつながる。
剤は自然に虚血の状態になった場合の障害、例えば心筋
梗塞、不整脈等の治療にも有効である。
植の際免疫抑制剤と併用すると効果的である。
の各種濃度のジメチルスルホキサイド5%生食液(0.5m
l/30g体重)を尾静脈より注射して、直ちに固定装置を
用いて右後足くるぶしの直ぐ上を事務用輪ゴム(断面1
×1mm、直径42mm)で約15回巻いてしばる。ケージにも
どして20分後、同上固定装置を用いてハサミでゴムを切
り、再びケージにもどす。20分後、首を引いて殺して直
ちに左右後足の厚さをダイアル・シックネス・ゲージKG
−1(シチズン時計社製)で測定、その差を足の腫れと
する。抑制率はジメチルスルホキサイド5%生食液のみ
を投与した対称群(6匹)より求め平均抑制率とする。
同実験を別の日にさらに2回以上くり返えし平均抑制率
の平均値をグラフ上にプロットして、用量−抑制曲線を
引く。この線が30%抑制率上にある時の薬剤濃度を読み
取って「30%抑制量(ED30)」とした。結果は次表に示
した通りである。
この溶液にヒドロキシプロピルメルセルロースを加え懸
濁液を調製する。次いで、有機溶媒を減圧下に除去し、
固形分散組成物を得る。
の無水エタノール(5リットル)中懸濁液にスクロース
を加え、得られる混合物を撹拌する。次いで、有機溶媒
を減圧下に除去し、固形分散組成物を得る。この組成物
を常法によって細粒剤とする。
エタノール(5リットル)中懸濁液に、ラクトースおよ
び低級置換ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加
え、得られる混合物を撹拌し、次いで有機溶媒を減圧下
に除去して、固形分散組成物を得る。この組成物を常法
によって顆粒剤とした後、ステアリン酸マグネシウムを
加え常法によって錠剤とする。この錠剤は1錠中に2mg
の化合物1を含有する。
チルセルロース(5.1mg)、二酸化チタン(1.6mg)、ポ
リエチレングリコール6000(0.8mg)、タルク(0.4m
g)、黄色酸化鉄(0.1mg)よりなるコーティング層で常
法によってフィルムコートして、1錠中に2mgの化合物
1を含有するフィルムコーティング錠を得る。
施例1〜4と同様の製剤をそれぞれ得る。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式: (式中、R1は低級アルキル基を、R2は低級アルカノイル
基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基または式: で示される基を、 R3は水素またはR2とR3とがそれらの結合している炭素と
一緒になって環: を形成する、 R4およびR5はそれぞれ水素またはハロゲンを、 Xは−O−または−S−をそれぞれ意味する)で示され
る化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分
として含有する虚血−再潅流障害予防、治療剤。 - 【請求項2】一般式で示される化合物が4′−アセチル
−2′−(2,4−ジフルオロフェノキシ)メタンスルホ
ンアリニドである特許請求の範囲第1項記載の虚血−再
潅流障害予防、治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2242997A JP2893903B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | 虚血―再灌流障害予防、治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2242997A JP2893903B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | 虚血―再灌流障害予防、治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04124130A JPH04124130A (ja) | 1992-04-24 |
JP2893903B2 true JP2893903B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=17097357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2242997A Expired - Lifetime JP2893903B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | 虚血―再灌流障害予防、治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2893903B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0656669A (ja) * | 1992-06-11 | 1994-03-01 | Asahi Breweries Ltd | 活性酸素消去作用を持つプテリン誘導体製剤 |
US5604260A (en) * | 1992-12-11 | 1997-02-18 | Merck Frosst Canada Inc. | 5-methanesulfonamido-1-indanones as an inhibitor of cyclooxygenase-2 |
UA68348C2 (en) * | 1997-04-18 | 2004-08-16 | Searle & Co | Use of cyclooxygenase-2 inhibitors in preventing cardiovascular disorders |
-
1990
- 1990-09-12 JP JP2242997A patent/JP2893903B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04124130A (ja) | 1992-04-24 |
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