JP2892848B2 - カメラの制御装置 - Google Patents

カメラの制御装置

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JP2892848B2
JP2892848B2 JP3040867A JP4086791A JP2892848B2 JP 2892848 B2 JP2892848 B2 JP 2892848B2 JP 3040867 A JP3040867 A JP 3040867A JP 4086791 A JP4086791 A JP 4086791A JP 2892848 B2 JP2892848 B2 JP 2892848B2
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  • Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)
  • Indication In Cameras, And Counting Of Exposures (AREA)
  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、複数の作動系を段階
的に動作させて一連の撮影動作を実行するカメラの制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラの異常を検出して禁止
をかけたり、作動をもう一度やり直したりするシステム
はいくつかあった。
【0003】例えば、シャッタ羽根が開かないことを位
置検出手段を用いて検出して、その後のレリ−ズを禁止
したり、フィルム装填時のオ−トロ−ディングの際にパ
−フォレ−ションの送り信号が来ないことを検出してオ
−トロ−ディングのミス表示をしたりしていたのがその
例である。
【0004】これらの動作は比較的単純な動作であるこ
とと、ミスが出た場合にもう一度やり直しても殆どの場
合に再びミスを侵す確率が高いため、単に禁止をかけて
いるだけであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近はカメラ
の高機能化が進み、ズ−ムや沈胴といった複雑な機構が
組み込まれたり、コンパクト化の為に単一の動力を多種
の出力先に分割して使用する機構等が採用され、シ−ケ
ンスが複雑になったりしており、次のような二つの大き
な問題点がクロ−ズアップされてきた。
【0006】第1は、シ−ケンスの長さが長くなり、動
作時間も長くなることから、外界からカメラに与える影
響、例えばカメラの動作中に外力が加わってズ−ム機構
等に無理な力が加わってしまったり、制御部にノイズが
入ったりする確率が大きくなってきたことである。
【0007】第2は、機器の複雑化により、単一機能で
はめったに起こらず、殆ど問題にならなかったような機
器のミス、例えば遊星ギアと出力ギアとの歯先同士の喰
い付きなどによるエラ−等が目立ってきたことである。
【0008】 本発明は、以上の事情に鑑みなされたも
ので、複数の作動系を段階的に動作させて一連の撮影動
作を実行するカメラの制御装置において、ある作動系の
動作が正常に行われなかったとしても、必要最小限の時
間で確実にその動作を自動的に正常化して一連の撮影動
作を無事に最後まで実行することのできるカメラの制御
装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、本発明は、複数の作動系を段階的に動作させて一
連の撮影動作を実行するカメラの制御装置において、前
記作動系に異常が生じた場合には所定の作動系から動作
をやり直すと共に、異常状態と判定した作動系に応じて
溯る作動系の数を変更する制御手段を有するカメラの制
御装置とするものである。
【0010】
【0011】
【実施例】図1乃至図4は本発明の一実施例におけるカ
メラの機械的構成を示すものである。
【0012】図1は第1の実施例のカメラに配置され
る、図示せぬズ−ム機構、沈胴,繰出し機構等の複数の
動力伝達機構にモ−タからの動力を分割する動力分割装
置の概念図である。
【0013】図1において、この装置は複数個の出力ギ
ア9a〜9dを円周上に配置していて(この例では4個
としている)、且つ遊星ギア7の公転を妨げない様に、
太陽ギア6,遊星ギア7と同一直線の位置関係になって
いる。各出力ギア9a〜9dそれぞれには遊星ギア7の
左右方向の公転を規制するストッパ10a−1〜10a
−4及び10b−1〜10b−4が不図示の機構により
進退可能に配置されている。そしてこのストッパ10a
−1〜10a−4,10b−1〜10b−4により遊星
ギア7が噛み合う出力ギア9a〜9dを選択し、且つ該
ストッパ10a−1〜1010a−4,10b−1〜1
0b−4にて回転ア−ム5を固定している。これによ
り、太陽ギア6の左右回転で前記ストッパ10a−1〜
1010a−4,10b−1〜10b−4と軸8が突き
当たって遊星ギア7の公転の左右両回転が止められ、出
力ギア9a〜9dに対して、どちらの回転方向にも動力
伝達が可能となっている。なお、出力ギア9a〜9dそ
れぞれの動力伝達先については後述する。
【0014】図4は図1に示した動力分割装置(具体的
な構成は図2及び図3により後述する)によりズ−ム機
構及び沈胴,繰出し機構を介して動力が伝達される撮影
レンズ鏡筒及びその近傍の構成を示す図である。
【0015】図4において、53は凸レンズユニット5
1と凹レンズ52を内蔵するレンズ筒で、3箇所のピン
53aによって後述するカムリング54及び鏡筒55に
保持されている。
【0016】54はカムリングで、円筒上の側面部にレ
ンズ筒53と凹レンズユニット52を移動するためのカ
ム溝が3本づつ切られており、鏡筒55に回転可能に支
持され、出力ギア9cに連結された不図示の動力伝達機
構(ズ−ム機構)の最終段ギアと噛合するズ−ムギア5
8と噛み合うギア部54aを有している。
【0017】55は不図示のカメラ本体に図中上下(光
軸)方向のみに移動可能にガイドされている鏡筒で、前
述のレンズ筒53のピン53aと嵌合する3箇所の直進
溝55aを有し、さらにズ−ムポジション用のコ−ドパ
タ−ン57を一体的に有し、更には沈胴の為のメスネジ
部55c,沈胴を妨げるロック部55bを有している。
【0018】56はコ−ド用ブラシで、カムリング54
に一体的に構成され、該カムリング54の回転に伴っ
て、コ−ドパタ−ン57上を摺動し、凸レンズユニット
51と凹レンズユニット53との位置により決定される
合成焦点距離情報を、後述の制御回路に伝達する。
【0019】58は前述したように出力ギア9cに連結
されたズ−ム機構の最終段ギアと噛合するズ−ムギア
で、軸58aが不図示のカメラ本体に回転可能に支持さ
れていて、ギア部58bがカムリング54aと噛み合っ
ている。
【0020】59は、不図示のカメラ本体に軸59aに
より回動可能に支持され、出力ギア9aに連結された不
図示の動力伝達機構(沈胴,繰出し機構)を介して動力
伝達がなされるヘリコイドギアで、ヘリコイドネジ部5
9cが鏡筒55のメスヘリコイド部55cと噛合してい
て、ヘリコイドギア59の回動により鏡筒55を含む鏡
筒ユニット(51〜55により成る)を図中光軸方向に
前後させ、沈胴動作を行うことが出来る様になってい
る。
【0021】60及び61は沈胴スイッチで、それぞれ
鏡筒ユニット(51〜55)の繰出し(突出)状態で沈
胴スイッチ60がONし、沈胴状態で沈胴スイッチ61
がONするようになっている。
【0022】62はバヨネットロックレバ−で、不図示
のカメラ本体の軸64に長溝62が嵌合してこれにより
図中左右方向にのみ作動可能に支持され、そのラック部
62cは出力ギア9bに連結された不図示の動力伝達機
構(バヨネットロック機構)により動力伝達されている
バヨネットギア63と噛み合っており、その爪62bが
図4の状態で鏡筒55の爪部55bと当接して、該鏡筒
55が図中下側に沈胴しないようにロックしている。
又、他端には腕62dを有し、該腕62dがバヨネット
スイッチ65の中央部コモン端子に当接し、図4ではバ
ヨネットロックレバ−62がロック状態であることを、
又図4からバヨネットロックレバ−62が右方向に作動
し、爪62bと鏡筒55の爪部55bとの係合が外れた
時にアンロック状態である事を、それぞれ後述する制御
回路に伝達している。
【0023】図2及び図3は図1に概念図を示した動力
分割装置の具体的な構成の縦断面及び平面を表す図であ
る。
【0024】図2において、6及び7は図1にて説明し
たように太陽ギア及び遊星ギアであり、又9a〜9dは
同様に出力ギアである。
【0025】ここで、前述の出力ギア9a〜9dは以下
に述べる様な動力源となるものである。
【0026】出力ギア9aは不図示の沈胴,繰出し機構
と連結されており、レンズ筒53,カムリング54等を
保持している鏡筒55の沈胴,繰出しを行うヘリコイド
ギア59を図中省略の上記沈胴,繰出し機構を介して回
転させるものである。
【0027】出力ギア9bは不図示のバヨネットロック
機構と連結されており、繰出している鏡筒55を図示せ
ぬカメラ本体に固定させて沈胴させないようにするバヨ
ネットロックレバ−62を駆動するバヨネットギア63
を図中省略の上記バヨネットロック機構を介して回転さ
せるものである。
【0028】出力ギア9cは不図示のズ−ム機構と連結
されており、鏡筒55内のカムリング54を動かしてズ
−ミングを行うズ−ムギア58を図中省略の上記ズ−ム
機構を介して回転させるものである。
【0029】出力ギア9dは図示せぬフィルム給送用遊
星ギアと噛み合っていて、これらでフィルム給送用の遊
星ギア機構を構成しており、該出力ギア9d自身が太陽
ギアになっている。そして、この出力ギア9dの左或は
右回転によりフォ−ク或はスプ−ルを選択的に回転させ
ることになり、公知のフィルムパトロ−ネ内よりのフィ
ルムの巻上げ或は巻戻しが行われる。
【0030】次に、図2及び図3等を用いて上記の太陽
ギア6,遊星ギア7及び出力ギア9a〜9dを含む動力
分割装置の構成について説明する。なお、これらの図で
は、図面簡略化のため、動力分割に必要な部品(ギア,
スプリング等)のみを示しており、それらを取り付けた
り、位置決めをしたりする地板類は省略してある。
【0031】図2,図3に示される様に遊星ギア7の次
に動力の伝達される出力ギア9a〜9dを円周上に配置
し、遊星ギア7を360度公転できる構成にしている。
なお、本実施例では出力ギアを4個としているが、これ
が4個である必要はなく、2個以上の複数個であればよ
い。
【0032】遊星ギア7は遊星軸8aを中心に回転する
様になっていて、スプリング8bを入れることによって
自転に対しある程度の抵抗を受ける様になっている。上
記遊星軸8aと遊星ギア7は回転ア−ム5に取付けられ
ており、該回転ア−ム5上には太陽ギア6が配置され、
この太陽ギア6は出力軸3の回転によって回転する構成
となっている。
【0033】出力軸3はモ−タ1の動力によって回転す
るが、出力軸3にはある程度の回転力トルクが必要であ
るため、カメラに使用されるモ−タの場合には、減速機
構2を通してその力が出力軸3に伝達される。
【0034】回転ア−ム5と出力軸3は軸受4に回転可
能に固定されていて、回転ア−ム5は軸受4の外側と、
又出力軸3は軸受4の内側で回転摺動する様になってい
る。そしてその軸受4は出力ギア9a〜9dを回転可能
に固定している軸付きの地板(図中省略)にインサ−ト
成形の様な形で一体に成形されている。これによって回
転ア−ム5が太陽ギア6を中心に回転しようとする力
は、遊星ギア7の公転力のみによって発生する。
【0035】 回転ア−ム5には数個の立曲げ部分があ
るが、その中の立曲げ部5aには穴が形成されており、
又回転ア−ム5の上方に配置された回転止めア−ム12
にも穴12bが形成されており、これら穴に挿入される
回転ア−ム用軸13aによって回転止めア−ム12は回
転ア−ム5に対して回転可能に止められている。これに
よって回転止めア−ム12は回転アーム用軸13aを中
心に回転することができ、回転範囲がほぼ水平に近い状
態で回転が行われるのでその先端部12cは上下運動に
近い動きをする。又、回転止めア−ム12には穴12a
が形成されており、この穴12aに前述の遊星軸8aが
貫通した状態になっている(図2の状態)。この状態に
おいて、この穴12aは長穴になっているため、回転止
めア−ム12の上下回転(言い換えると先端部12cの
上下運動)には何ら規制は加えないが、遊星軸8aと一
体となっている回転ア−ム5の水平方向の回転に連動し
て、水平に回転をする。そして、回転ア−ム用軸13a
にはト−ションスプリング13bが通っており、回転止
めア−ム12の先端部12cを上に上げるように付勢し
ている。
【0036】回転止めア−ム12の上方にはパルス板1
4が配置され、そこに形成された穴14bに回転ア−ム
5の立曲げ部5bが貫通かつ固定され、又長穴14aに
は遊星軸8aの切欠き部8dが固定されているため、回
転ア−ム5の水平回転と一体に該パルス板14も水平回
転する。
【0037】パルス板14の上方にはア−ム15が配置
され、ア−ム用軸15bによって回転可能に止められて
いる。又、ア−ム用軸15bは不図示の地板によって固
定されている。このア−ム用軸15bにも上述の回転止
めア−ム12と同様なト−ションバネ15cがかけられ
ており、その付勢方向はア−ム一端部15aが図2にお
いて図中下方に力が向く様になっている。ア−ム一端部
15aには突起15eが固着されていて、パルス板14
に設けられた大穴14cを抜けて回転止めア−ム12の
中心部12dを下に付勢している。
【0038】ア−ム15の他端15dにはプランジャ1
6の可動ヨ−ク16aが配置されており、プランジャ1
6を通電させ可動ヨ−ク16aを図1,図2において図
中下方向に吸引すると、前記突起15eは図中上方に動
く。尚、各ト−ションバネ13b,15cのバネバラン
スの強さは、回転止めア−ム12の上下の動きがア−ム
15の突起15eの動きに連動する様に設定されてい
る。
【0039】ア−ム15の突起15eが回転止めア−ム
12を例えば図1中下方に付勢する際に、その中心を押
す理由と効果を以下に述べる。
【0040】遊星ギア7の公転に連動して水平に回転す
る回転ア−ム5に更に連動して回転する回転止めア−ム
12の水平方向の回転中心は、出力軸3つまりは太陽ギ
ア6の真上(図1において12dの当たり)になる。遊
星ギア7がどの様な位置で公転していても、この回転止
めア−ム12の中心(12d)は回転中心であるため、
回転止めア−ム12が太陽ギア6,遊星ギア7,回転ア
−ム5等に連動してどの様な位置にあっても(例えば図
5〜図9の各(a)等の状態)、同じ条件でそこ(12
d)をア−ム15の突起15eで押すことが可能で、回
転止めア−ム12の先端12cを上下に動かすことがで
きる。このため、遊星ギア7の公転を止めて出力ギア9
a〜9dに動力を伝達するために回転止めア−ム12の
先端12cをクラウンストッパ10の切欠きに入れるた
めの動作は、ア−ム15の突起15eが回転止めア−ム
12の回転状態に関係なくその中心(12d)を付勢す
るだけの簡単な機構でよい。
【0041】出力ギア9a〜9dの真上、つまり回転ア
−ム5と回転止めア−ム12の間にはクラウンストッパ
10と抜けストッパ11が不図示の地板に重なった状態
で固定されている。各ストッパ10,11には切欠きが
設けられ、その切欠きの間に回転止めア−ム12の先端
12cが通り抜けられる様な形状となっている。これに
よって抜けストッパ11の切欠きは、クラウンストッパ
10の切欠きの「ひさし」の様な状態になっている。そ
して、この切欠きは出力ギア9a〜9dの上方に位置し
ている。各ストッパ10,11の固定される高さ(図2
の上下方向の高さ)は、以下の2つの状態が可能な様に
設定されている。つまり、 1)プランジャ16の吸引に連動して回転止めア−ム1
2の先端12cが上方に動いた時は、該回転止めア−ム
12の先端12cは両ストッパ10,11の切欠きとは
かからない。
【0042】2)プランジャ16が吸引を行っていない
場合は、ア−ム15に設けられた突起15eが回転止め
ア−ム12を下に付勢することによってクラウンストッ
パ10の切欠きの端面10aと10bが回転止めア−ム
の先端12cの高さにくる(図2の状態)。
【0043】 これによって、上記1)の状態では、回
転ア−ム5とそれに取付けられている部品(回転止めア
−ム12,遊星軸8a、パルス板14等)と遊星ギア7
は一体となって軸受4を中心にして自由に回転でき、出
力軸3,太陽ギア6の回転に伴って遊星ギア7は自由に
公転する。この際、遊星ギア7は円周上に配置された出
力ギア9a〜9dと順次噛み合いながら公転していく。
【0044】又、上記2)の状態になると、回転止めア
−ム12の水平方向の回転はクラウンストッパ10の端
面10a,10bによって規制されるので回転ア−ム5
もそれと一体となっているために回転することができ
ず、遊星ギア7の公転を止めることになる。この状態は
ちょうど図2,図3に相当する。
【0045】公転が上記の様にして規制された遊星ギア
7はそこの位置、つまり各ストッパ10,11の切欠き
の位置で自転をすることになるが、その時はちょうど遊
星ギア7は出力ギア9a〜9dのうちのいずれか1つと
噛み合っていて、ギアトレインを形成するので、太陽ギ
ア6の回転を伝えることが可能になる。その回転方向は
左右どちらでも出力ギア9a〜9dに伝えることができ
る。
【0046】又、クラウンストッパ10には、立曲げ部
10cが形成されており、この立曲げ部10cによって
遊星ギア7は360度以上自由に公転できなくなり、左
右1回転分の公転のみになる。つまり、プランジャ16
の吸引によって回転止めア−ム12の先端12cがクラ
ウンストッパ10と抜けストッパ11の上方に位置し、
遊星ギア7が自由に公転可能な状態であっても、立曲げ
部10cが回転止めア−ム12の先端12cのストッパ
になるため、公転が止められる。これが、図5に示され
る状態である。但し、この位置では前記立曲げ部10c
がストッパとして働くため、遊星ギア7は自転を始める
ことになるので、遊星ギア7がどの出力ギア9a〜9d
にも噛み合わない所に該立曲げ部10cは設けられてい
る。
【0047】遊星ギア7が公転する時には、それに伴っ
て回転ア−ム5と遊星軸8aも太陽ギア6を中心に回転
する。そのため、それらと一体となって回転するパルス
板14は遊星ギア7の公転に連動して回転することにな
る。パルス板14には明,暗のパタ−ンが形成されてお
り、その明,暗信号(パルス)がフォトインタラプタ1
7(図6では511〜513に相当する)にて検出され
るようになっている。そして、その明,暗のパタ−ン
は、遊星ギア7が出力ギア9a〜9dと噛み合っている
時とそうでない時とがこのフォトインタラプタ17の出
力で検出できる様なパタ−ン形状となっている。
【0048】本実施例では、遊星ギア7と出力ギア9a
〜9dのいずれかが噛み合っている時に明信号がくる様
に明パタ−ン14eが、噛み合っていない時に暗信号が
くる様暗パタ−ン14dが、それぞれ形成されている
(図1参照)。出力ギア9a〜9dは本実施例では4つ
にしているので明パタ−ンも4箇所にある。これによっ
て、遊星ギア7の公転位置はフォトインタラプタ17の
出力で判別することができる。
【0049】 次に、上記構成における動力分割装置の
動きについて説明する。
【0050】太陽ギア6の回転方向で、図5(a)に示
すように時計回りを「Rv」、反時計回りを「Fw」と
する。これは、遊星ギア7の公転方向、そして各出力ギ
ア9a〜9d,回転ア−ム5及び回転止めア−ム12の
回転方向、更にはモ−タ1の回転方向と同じである。ま
た、遊星ギア7の公転している領域をX及び〜の数
字で表す。これは回転止めア−ム12の先端12cのク
ラウンストッパ10に対する位置を示すことと同じであ
る。又、Xはいずれの出力ギア9a〜9dとも噛み合わ
ない、「初期位置10d」を含む領域である。
【0051】,,,は遊星ギア7と出力ギア9
a〜9bとが噛み合う領域であり、この領域(位置)は
パルス板14の「明」「暗」パルスの変化量をフォトイ
ンタラプタ17の出力より検出することによって後述す
る制御回路(図6の501)により判別される。つま
り、遊星ギア7が→→→…とRv公転すると、フ
ォトインタラプタ17からはパルス板14の明,暗パタ
−ンを検出することによって明,暗信号が出力され、こ
れによって「明」の時は遊星ギア7は,,,の
領域に位置し、いずれかの出力ギア9a〜9bと噛み合
っている状態であることが分かり、「暗」の時はX,
,,,の領域に位置し、この際はいずれの出力
ギア9a〜9dとも噛み合っていない状態であることが
分かる。
【0052】なお、遊星ギア7は、クラウンストッパ1
0の立曲げ部10cと回転止めア−ム12の先端12c
とが当る為、Xからへの領域、又はからXへの領域
へは公転はできないことは既に述べた通りである。
【0053】遊星ギア7を公転させるため、プランジャ
16に通電し、その後公転させた場合に遊星ギア7が
,,,のいずれかの領域にある時にプランジャ
16の通電を止めると、回転止めア−ム12の先端12
cは抜けストッパ11の上に乗った状態になる。
【0054】この状態は、回転ア−ム5,回転止めア−
ム12,遊星ギア7,パルス板14等の軸受4を中心と
して回転する部品に関しては位置として不安定な所にあ
る。つまり、何らかの振動等によって、回転止めア−ム
12の先端12cが抜けストッパ11の上をすべり、
,,,の領域の切欠き部分に落ち込んでしま
う。すると、もともと噛み合っていないはずの遊星ギア
7と出力ギア9a〜9dが振動等によって噛み合うこと
になる。これに対し、Xの領域の、特に「初期位置10
d」の範囲は、プランジャ16への通電をやめて回転止
めア−ム12の先端12cがそこに入ると、他の,
,,の領域のクラウンストッパ10の切欠きと同
様に、立曲げ部10cと端面10eの間に入り込んで遊
星ギア7が公転できなくなる。しかも、そこには出力ギ
ア9a〜9dがないので、モ−タ1が回転しても動力は
伝わることがなく、いわゆる「ニュ−トラル」位置とし
て考えることができる。
【0055】この様に遊星ギア7がどの出力ギア9a〜
9dとも噛み合わずに公転せずに自転できる「初期位
置」を設けることによって、本装置を安定的に停止させ
ておくことができる。
【0056】ここで、本実施例における動力分割装置の
基本的な動きは、『太陽ギア6の回りを公転する遊星ギ
ア7が公転しながらその回りを円周上に取り囲んでいる
任意の出力ギア9a〜9dの所で公転をやめ、自転のみ
をして太陽ギア6の動力を出力ギア9a〜9dに伝え
る』というものであるが、その一連の動作の概略を以下
に述べる。
【0057】先ず、プランジャ16への通電がなされる
と、回転止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠
きから外れ、遊星ギア7が自由に公転可能な状態とな
る。次に、モ−タ1を回転させて遊星ギア7を任意の方
向に公転させる。この際、これに伴ってパルス板14も
回転することになり、よって次に該パルス板14の回転
量をフォトインタラプタ17の出力によって検出、つま
りパルス板14の回転により生じる明,暗のパルスをカ
ウントすることにより、遊星ギア7がX〜のどこに位
置するかを検知する。そして、動力を伝えたい出力ギア
9a〜9dの所まで遊星ギア7が公転したことを検知し
たら、上記のプランジャ16の通電をOFFし、回転止
めア−ム12の先端12cをクラウンストッパ10の切
欠きに入れ、遊星ギア7の公転を規制する。次いで、モ
−タ1の回転を出力ギア9a〜9dに伝えて任意の出力
ギア9a〜9dに動力を伝達する。
【0058】なお、詳細は後述「入りの動作」及び「抜
けの動作」のところで行うが、パルス板14は遊星ギア
7の公転に伴って回転するため、遊星ギア7の公転位置
をフォトインタラプタ17の出力(明,暗のパルスの変
化量)によって判別しているが、前記「動力を伝えたい
出力ギア9a〜9dの所まで遊星ギア7が公転したこと
を検知したら、プランジャ16の通電をOFF」する動
作部分においては、遊星ギア7が出力ギア9a〜9dと
どの様に噛み合っているか、又は回転止めア−ム12の
先端12cがクラウンストッパ10や抜けストッパ11
に対してどの様な位置にあるかを判別する必要があり、
それを「明」から「暗」のパルスの立下がり、「暗」か
ら「明」のパルスの立上がりによって判別している。す
なわち、パルス板14とフォトインタラプタ17とを使
うことによって、「明」「暗」のパルスの変化量をカウ
ントする以外に、該パルスの立上がり,立下がりを検出
することができ、これによりモ−タ1やプランジャ16
の制御を行い、回転止めア−ム12のクラウンストッパ
10の切欠きへの「入り」や切欠きからの「抜け」の細
かな動作制御を行っている。
【0059】次に、「初期位置出し」について述べる。
【0060】遊星ギア7の公転している位置がX〜の
どこの領域かを知るために、パルス板14とフォトイン
タラプタ17を用いているが、その信号は明と暗の2つ
だけである為、それによって検出できるのは検出を開始
してから遊星ギア7がどれくらい公転したか、つまり、
何カウント目のパルス信号かという変化量のみである。
そのため、本装置が立上がった時点では遊星ギア7が居
た場所(初期状態)を知ることはできない。このため
『どの様な状態であっても、必ず「初期位置10d」を
割り出す』動作を本装置が立上がった時点で行うように
制御される。この動作を「初期位置出し」と呼ぶ。
【0061】動きとしては、プランジャ16を通電し、
遊星ギア7を公転可能とし遊星ギア7を無条件にFw公
転方向へ突き当たるまで、つまりの領域に持ってい
き、その後にパルス変化をカウントしながら「初期位置
10d」までRv公転させ、プランジャ16とモ−タ1
の通電を止め、そこで遊星ギア7を安定的に止めておく
ことである。この状態はXの領域、詳しくはクラウンス
トッパ10の初期位置10dの位置になるので、そこか
らはフォトインタラプタ17とパルス板14との組み合
わせによる「明」,「暗」信号によって、遊星ギア7が
X〜の領域のどこに位置するかが検出できる。
【0062】この時に重要な点としては、遊星ギア7の
公転時に左右両公転規制の突き当て部ともなる、クラウ
ンストッパ10の立曲げ部10cと回転止めア−ム12
の先端12cとの位置が、上述の様に、遊星ギア7がど
の出力ギア9a〜9dとも噛み合わない関係になってい
ることである(図5(a)の状態)。
【0063】「初期位置出し」を行う場合は、 ・本装置の立上がり時に遊星ギア7がX〜までのどの
領域に位置するかが判断できない時 ・後述する「動力伝達先の選択ミス」の時、つまり本装
置の後述の制御回路24が記憶しているはずの遊星ギア
7の位置と実際に遊星ギア7のいる位置とに食い違いが
生じた時 等であるので、元々の遊星ギア7の位置がわからないた
めに、その後の遊星ギア7の公転位置を検出するために
パルス板14とフォトインタラプタ17を用いて相対変
化による位置検出を行っても、その位置は何等意味を持
たない。
【0064】 そのため、「初期位置出し」前半の動作
としては、プランジャ16の通電後はパルス変化を検出
することなく、つまりFw回転させて、遊星ギア7を
の領域(図5(a)の状態)まで、つまりFw公転で突
き当たるまで公転させている。この時のモ−タ1の回転
時間は遊星ギア7が〜Xへ、又はX〜へ一公転する
のに十分なだけの時間(例えば「500msec 」)をとっ
て、ただモ−タ1を無条件にFw回転させて回転止めア
−ム12の先端12cをクラウンストッパ10の立曲げ
部10cに突き当てているだけである。但し、後述する
「抜けの動作」にもあるように、条件によっては遊星ギ
ア7はRv公転を最初に行わないと自由に公転出来ない
ケ−スがあるので、場合によってはまず上記の様な一定
時間モ−タ1をRv回転させて遊星ギア7をXの位置ま
でRv公転させた後に、Fw公転させて遊星ギア7を
の領域で突き当てている。
【0065】この状態になれば、遊星ギア7はの領域
に居るものとして考えることができる。この状態以降
は、遊星ギア7の公転位置は従来通りパルス板14とフ
ォトインタラプタ17とで明暗変化を検出しながら決定
していく。
【0066】そのため、「初期位置出し」後半の動作と
しては、プランジャ16は前半の状態のまま通電を行
い、モ−タ1はRv回転させ、遊星ギア7をからXの
領域までパルス変化を検出しながら公転させていく。前
半の動作では遊星ギア7は正常にの領域に位置し、且
つ後半の動作では正常にからXの領域まで遊星ギア7
が公転できれば、「暗」から「明」、「明」から「暗」
のパルス変化が各4回検出できる筈である。
【0067】この様に、遊星ギア7の公転の突き当て位
置で、遊星ギア7がどの出力9a〜9dとも噛み合わな
い状態になる様な規制部材(立曲げ部10c)を設け、
そこを公転せずに自転できる中立箇所(ニュ−トラル位
置)としたことによって、遊星ギア7を公転させる時
に、特に公転位置検出ができない場合などはモ−タ1を
一定時間回転させても出力ギア9a〜9dと噛み合うこ
ともなく突き当て位置で自転させることができ、不用意
に動力を伝達する事なく突き当て位置となる中立位置
(ニュ−トラル位置、特にクラウンストッパ10の初期
位置10d)を探すことができる。
【0068】この「初期位置出し」の効果を以下に述べ
る。
【0069】この「初期位置出し」動作には遊星ギア7
が、→→→→→→→→Xへと各領域へ
確実に公転できるかどうかの確認の動作も含まれている
ので、本装置が正常に動くかどうかのチェックの機能を
持っている。つまり、上述の様に遊星ギア7が一公転
(ここではRv公転)できれば、「明」から「暗」、
「暗」から「明」の各4回のパルス変化を検出するの
で、もし、この各4回のパルス変化が検出されなけれ
ば、遊星ギア7が正常に公転できていないことになり、
動力分割装置の機構不良であることが分かる。
【0070】この様に、遊星ギア7の公転位置検出をパ
ルス信号等の相対変化量で行う様な本装置においては、
「初期位置出し」動作によって、遊星ギア7の公転位置
を割り出す際に、モ−タ1を無条件に一方向に一定時間
通電し、突き当て動作を行った後、次で逆方向に通電し
たときに、規定数のパルス信号が出力されているかを検
出することによって、本装置の作動チェックを同時に行
うことができる。また、本装置の立上がり時における
「初期位置出し」動作(遊星ギア7が、X〜の間と各
領域へ確実に公転できるか否かのチェックを兼ねた)以
外にも「初期位置出し」動作を行う場合がある。
【0071】・出力ギア9a〜9dが各機構へ動力を伝
達している時に、その駆動信号が来なかった場合等の分
割先の選択ミスの様な場合においても、「初期位置出
し」を行うことによって、再度選択をやり直すことがで
きる。
【0072】 このように「初期位置出し」の動作が必
要な理由は、前述の様に遊星ギア7の公転位置をフォト
インタラプタ17とパルス板14との組み合わせによる
相対変化量で検出しているためである。遊星ギア7の公
転位置を絶対位置で検出し得る様な機構を持たせれば、
上記の「初期位置出し」動作は必要なくなるが、それに
より実施形をより複雑に、より大きくしなければならな
くなる。
【0073】 また、この「初期位置出し」動作後は、
遊星ギア7は確実にXの領域、詳しくはクラウンストッ
パ10の立曲げ部10dの領域に位置するため、そこか
らはフォトインタラプタ17とパルス板14との組み合
わせによって、明暗信号を検出しながら遊星ギア7がど
の出力ギア9a〜9dと噛み合っているかを判別させれ
ば、確実な分割動作が可能となる。そのため、どの出力
ギア9a〜9dと噛み合っているかを明暗信号の相対変
化のみで判別する本実施例においては、各動力分割動作
毎に「初期位置出し」を行い、確実な動力伝達先の選択
動作を行えば、該装置としての信頼性も向上するが、動
力伝達先を変化させる毎に「初期位置出し」を行ってい
ては、その動作自体は実際の動力伝達の行為ではなく切
換え動作であるために、一連の動作としては非常に時間
がかかってしまうことになる。
【0074】このため、出力ギア9a〜9dに連続して
動力を伝達する動きではなく、ある程度時間がかかって
も問題ないような動作の場合には、できるだけ「初期位
置出し」動作を行う様にして、該装置としての信頼性を
上げることができる。
【0075】この様に、相対変化量のみで位置検出を行
う装置で、特に「初期位置出し」動作の設定がされてい
るものにおいて、この「初期位置出し」動作が制御全体
に支障を与えない動作部分においては、動力伝達先の変
更毎に積極的に「初期位置出し」動作を行うことによ
り、装置全体の制御の信頼性を向上させることができ
る。
【0076】次に、上記「動力分割装置の基本的な動
き」で説明した様に、プランジャ16のON,OFFに
よって回転止めア−ム12の先端12cをクラウンスト
ッパ10の切欠きに入れたり、抜いたり(外したり)し
ているが、そのタイミングをとっているパルス板14の
「明」「暗」信号によってモ−タ1やプランジャ16も
細かな動きを行って、この切欠きに入れたり或は抜いた
りする動作の助けをしている。その「抜けの動作」と
「入りの動作」を以下に説明する。
【0077】先ず、「抜けの動作」について説明する。
【0078】クラウンストッパ10の上には、その形状
とよく似た形の抜けストッパ11がある。
【0079】図3は遊星ギア7がの領域にあり、出力
ギア9bの「Fw」回転の動力伝達を行っている状態を
示している。この時は遊星ギア7の「Fw」方向の公転
しよとする力は回転止めア−ム12がクラウンストッパ
10の切欠き(端面10a)にかかっていることで止め
られている。この状態から出力ギア9bの動力伝達をや
め、他の出力ギア(9a,9c或は9d)へ遊星ギア7
を公転させようとする場合の作動について述べると、先
ずそのためにはプランジャ16への通電を開始して回転
止めア−ム12の先端12cをクラウンストッパ10の
切欠きから外そうとする。しかし、回転止めア−ム12
の先端12cとクラウンストッパ10の切欠き(端面1
0a)の各端面との摩擦によりその先端12cが上にも
ち上がらない場合がある。これは、プランジャ16の吸
引後遊星ギア7の「Rv」自転つまりモ−タ1の「F
w」回転を続けても、又止めても同じことである。
【0080】 つまり、遊星ギア7の「Rv」自転が続
けられていれば、回転止めア−ム12の先端12cとク
ラウンストッパ10の切欠き(端面10a)とは、常に
突当った状態になっているし、遊星ギア7の自転、つま
りモ−タ1の回転を止めても、ギア列のバックラッシュ
が無い状態で歯や歯面に発生するテンションが生じてい
るため、回転止めア−ム12の先端12cはクラウンス
トッパの切欠き部10aに片寄せ付勢されている状態に
なっているからである。
【0081】 従って、プランジャ16の吸引後、一旦
モ−タ1を逆回転「Rv」させてバックラッシュが無い
状態で歯や歯面に発生するテンションを取り除き、回転
止めア−ム12の先端12cとクラウンストッパ10の
切欠き(端面10a)の摩擦をとり、摩擦がなくなった
ら、クラウンストッパ10の切欠き(端面10a)から
外れる様にしなければならない。しかし、その摩擦力も
大小差があり、回転止めア−ム12をもち上げようとす
るト−ションバネ13bの強さも、ア−ム用ト−ション
バネ15cやプランジャ16の吸引力等のバネバランス
により一概には強く設定できない。その対策として抜け
ストッパ11を用いる。つまり、該抜けストッパ11に
より、ア−ム15についている突起15eが上り、回転
止めア−ム12を下に押さなくなっても、切欠き(端面
10a)と先端12cとの接触が完全になくなり、摩擦
がなくなるまで、回転止めア−ム12の先端12cが抜
けストッパ11に引っ掛かる様にしてある。
【0082】つまり、クラウンストッパ10と回転止め
ア−ム12が噛み合っている時、例えば図3では「明」
信号(の領域)が検出されるが、プランジャ16の吸
引の後、ある間隔をおいてモ−タ1のRv回転が行わ
れ、抜けストッパ11の端面11aと11bの間を通っ
て回転止めア−ム12が外れれば、回転ア−ム5は「R
v」回転をはじめ、その結果、「暗」信号(の領域に
あるという信号)が検出され、クラウンストッパ10か
ら外れたことが間接的に分かる。その信号の後に新たに
遊星ギア7の公転させる方向、つまりは次に動力を伝え
なければならない出力ギア9a〜9dの方向にモ−タ1
を回転させる。但し、クラウンストッパ10と回転止め
ア−ム17との摩擦を取除く方向の回転(「Fw」)と
抜けストッパ11から抜けた後に遊星ギア7の公転する
方向(「Fw」)が同じならばモ−タ1は同一方向の回
転なので、一連の動作としてよいのでモ−タ1を止める
必要はない。
【0083】以上が、ある出力ギア(ここでは9b)へ
の動力伝達を終えてから、次の出力ギア9a,9c或は
9d)へ、遊星ギア7が切換わり始めるまでの「抜けの
動作」の説明である。
【0084】 この様に抜けストッパ11をつけること
によって、本装置のバネバランスやプランジャ16の特
性、そしてクラウンストッパ10、回転止めア−ム12
の部品形状による摩擦力の変化やバックラッシュが無い
状態で歯や歯面に発生するテンションの量等を厳重に管
理する必要がなく、動力伝達後の切換えの動作を確実に
行うことが可能となる。
【0085】次に、希望の出力ギア9a〜9dの所で遊
星ギア7の公転を止めて動力を伝達し始める、つまり回
転止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠きに入
る「入りの動作」について説明する。
【0086】なお、「入りの動作」においては抜けスト
ッパ11自体は必要ではないが、クラウンストッパ10
の上にあっても「入りの動作」の障害にはならない。
【0087】 例えば図3に示す様にの領域に遊星ギ
ア7を止めようとした時に、の領域の方向からFw公
転で遊星ギア7が公転し、プランジャ16の吸引を止め
ることによって、クラウンストッパ10と回転止めア−
ム12でその公転が止められ、出力ギア9bに動力が伝
達される時の状態を図3は表している。「抜けの動作」
同様、この「入りの動作」においてもその入り方に2通
りある。それは以下の理由からである。
【0088】1)遊星ギア7の公転方向とこれから動力
を伝達しようとする出力ギア9a〜9dの回転方向を同
じにしなければならない。
【0089】2)クラウンストッパ10の切欠きに回転
止めア−ム12の先端部12cが入ったかを直接検出す
る装置がない。
【0090】の領域の方向からプランジャ16を吸引
した状態で遊星ギア7をFw公転させると、の領域で
の「暗」信号からの領域に入り、「明」信号になる。
このままプランジャ16の吸引を続け、遊星ギア7のF
w公転を続けると、の領域からも外れ、の領域を示
す「暗」信号が検出される。その信号を受け、モ−タ1
をRv回転、つまり遊星ギア7のRv公転を開始する。
すると、の領域に入ったことが分かる「明」信号が検
出されるので、その信号によってプランジャ16の吸引
を止める。この時の状態は、回転止めア−ム12の先端
12cが抜けストッパ11に乗っている。この際、回転
止めア−ム12と抜けストッパ11とは面当りをして、
こすれながら回転することになるが、この摩擦力が遊星
ギア7の公転力よりも大きいと、回転ア−ム5や回転止
めア−ム12等の回転も止ってしまう恐れがある。その
ため、プランジャ16の吸引を止めるタイミング、即ち
,,,の領域の広さを以下の様に決める必要が
ある。
【0091】 『図6の様にの領域の端に遊星ギア7
があっても、正規の噛み合い位置やギア間隔ではないが
必ず出力ギア9bとは噛み合っている。』 上の様にし
ておけば、遊星ギア7がの領域にあれば、遊星ギア7
はスプリング8bから生じる公転力ではなく、太陽ギア
6や出力ギア9bとの噛み合いによって「自転」しなが
ら「公転」する。これによって、回転止めア−ム12と
抜けストッパ11との面当りによる摩擦に関係なく遊星
ギア7はRv公転する。すると、回転止めア−ム12の
先端12cは確実に抜けストッパ11の切欠き(端面1
1a,11b)の隙間を通り、クラウンストッパ10の
切欠き(端面10b)に止められる。そして、それによ
って遊星ギア7のRv公転が止められると同時に自転の
みが開始されるので、出力ギア9bはRV回転を始め
る。この様に、「遊星ギア7の公転方向と出力ギア9の
希望の回転方向を同じ」にしておけば、プランジャ16
の吸引停止からクラウンストッパ10によって公転が止
められ、出力ギア9a〜9dが回転を始めるまで、全て
モ−タ1は同一回転であればよく、の領域からの領
域に移った時の「暗」から「明」への切換わり信号20
4を検出しておけば、「クラウンストッパ10の切欠き
に回転止めア−ム12の先端12cが入ったか」を間接
的ではあるが確実に検出したことになる。
【0092】したがって、前述とは逆に出力ギア9bを
「Fw」方向に回転させる為には、の領域から一旦
の領域を越えての領域へ行き、逆転しての領域に入
る様な動作をさせれば、遊星ギア7の噛み合う動作と出
力ギア9a〜9dの回転方向が一致して、モ−タ1を途
中で停止することなく動力伝達を行うことが可能とな
る。
【0093】以上が「入りの動作」の説明である。
【0094】この様に「入りの動作」の際には、分割先
の出力ギア9a〜9dの動力伝達(回転)方向と、遊星
ギア7の公転方向を同じにしておけば、モ−タ1の回転
方向を変える必要がないので、出力ギア9a〜9dが逆
回転することがなく、伝達先の機構が逆動作をすること
はない。そして分割先選択を確実に行うことができる。
【0095】このような「入の動作」時に、例えば遊星
ギア7と出力ギア9a〜9dの歯先とがある確率(例え
ば数千分の1回)で喰い付くことは公知であり、本件の
特徴は、このような喰い付きが起こった場合には、再び
そこのシ−ケンスをやり直す事により無事に全体のシ−
ケンスを進めることができるというところにある。
【0096】図6は、図2及び図3の如き動力分割装置
を備えたカメラの主要部の回路ブロッを示すものであ
る。
【0097】図6において、501はカメラの各種動作
を制御する制御回路、502は電源、503はレリ−ズ
ボタンを押すとONするスイッチ、504はTELEズ
−ミングボタンを押すとONするスイッチ、505はW
IDEズ−ミングボタンを押すとONするスイッチ、5
06はカメラのメインスイッチである。
【0098】507はバヨネットロックレバ−62のロ
ック/解除に応じてON/OFFするバヨネットスイッ
チ(図4のバヨネットスイッチ65に相当する)で、バ
ヨネットロックレバ−62がロック,解除又はその中間
のいずれかの状態にある事が該スイッチ507の状態で
判別される。
【0099】508は鏡筒55が繰出したときにONす
る沈胴スイッチであり、509は鏡筒55が沈胴したと
きにONする沈胴スイッチであり、これらは(図4の沈
胴スイッチ60,61に相当する)る。
【0100】510はカムリング54の回転に応じて図
4に示したコ−ド用ブラシ56がコ−ドパタ−ン57上
を摺動することによってON/OFFするズ−ムポジョ
ンスイッチであり、レンズ筒53がTELE端からWI
DE端、沈胴途中から沈胴端までの状態が、信号ZOO
M1〜ZOOM4のON/OFFの組合せで判別され
る。
【0101】511,512は動力分割装置の回転ア−
ム5の状態をパルス板14の回転状態で検出するフォト
インタラプタ(図2,図3のフォトインタラプタ17に
相当)であり、パルス板14に設けられた明暗パタ−ン
を検出することによって明暗が変化する。
【0102】また、1及び16は図2,図3に示したモ
−タ及びプランジャである。
【0103】次に、図7のフロ−チャ−トに従って制御
回路501における鏡筒55の沈胴動作について説明す
る。この動作はステップ100より開始される。
【0104】ステップ101で動力分割先を出力ギア9
c、即ちズ−ム機構側に切換えると共に、その回転方向
が「Rv」つまりWIDE方向になるようにモ−タ1に
通電する。この際に『動力分割ミス』が検出された場
合、ステップ102よりステップ105へ進む。なお、
この時の動作が『動力分割ミス』か否かは、正常に遊星
ギア7と出力ギア9cとが噛合することでフォトインタ
ラプタ17より明パルスが入力するが、この信号が入っ
てこないことで判別している。ステップ105では動力
分割装置の説明において詳述した「初期位置出し」動作
を行い、ステップ101へ戻る。これによってステップ
101の動力分割動作(詳しくは「動力分割先選択動
作」)中に起きる可能性のある、動力分割を開始する前
に噛合していた出力ギアと遊星ギア7との歯先同士の喰
い付き等による該動作の失敗をやり直すことが出来る。
このやり直しにより殆どの場合は正常な動作へと復帰可
能である。
【0105】この際、無条件にステップ101へ戻る
と、構造的な異常があった場合、やり直し動作の無限ル
−プとなってしまう。これを避けるには、ステップ10
5に「カメラの使用者が何らかのスイッチ操作を行うと
ステップ105を出てステップ101へ戻る」、或は
「所定回数まで自動的にステップ105を出てステップ
101へ戻る」といった条件をつければよい。
【0106】ステップ102で動力分割動作がうまく行
った事が検出されている場合は、ステップ103〜ステ
ップ104のル−プに入る。
【0107】ステップ103ではレンズ筒53が沈胴端
に達しているかどうかをズ−ムポジションスイッチ51
0の状態で判別する。次のステップ104ではレンズ筒
53が沈胴端に達するまでの時間をチェックし、異常状
態の検出時間(この場合「2秒」)に達するまでこのル
−プをまわる。「2秒」以内に沈胴端に達した場合、ス
テップ103からステップ106へ進み、ここで突き当
て通電を行い、その後ステップ107へと進む。
【0108】一方、前記ステップ104で「2秒」が経
過しても、即ちレンズ筒53が沈胴端に達するべく該時
間を経過しても該レンズ筒53が沈胴端に達していない
事をズ−ムポジションスイッチ510の状態より検知し
た場合は、異常と判別してステップ105へ進む。異常
となった原因は、レンズ筒53に外界より力が加わり、
該レンズ筒53に異常が生じる場合や、ステップ101
で動力分割動作が正常に行われていないにも関わらず、
この事(『動力分割ミス』)を検出出来なくてステップ
103〜ステップ104のル−プに入った場合(例えば
フォトインタラプタ17の出力に外部ノイズが乗ってし
まう事に起因して)も考えられるので、ステップ105
で前述した「初期位置出し」動作を行い、ステップ10
1の動力分割動作からやり直す。
【0109】レンズ筒53が正常に沈胴端に達した場合
は前述したようにステップ107へ進み、ここで動力分
割先を出力ギア9b、即ちバヨネットロック機構側に切
換えると共に、その回転方向が「Fw」方向(解除方
向)になるようにモ−タ1に通電する。
【0110】この時の動作を詳述すると、まず、プラン
ジャ16への通電を行うと共にモ−タ1をWIDE方向
通電とは逆の「Fw」方向通電にして、遊星ギア7をズ
−ム機構と連結されている出力ギア9cから抜く。バヨ
ネットギア63はズ−ム出力となる「Fw」方向にあ
り、バヨネットロックレバ−62の解除通電は「Fw」
方向なので、フォトインタラプタ17によりバヨネット
ロック機構と連結された出力ギア9bの位置を検出する
と、前記プランジャ16への通電を停止して遊星ギア7
と出力ギア9bを噛合させ、そのままバヨネットロック
レバ−62の解除通電に入る。
【0111】この動作中に『動力分割ミス』が検出され
た場合、ステップ108よりステップ105へ進む。例
えば遊星ギア7がクラウンストッパ10及び抜けストッ
パ11から抜けないで『動力分割ミス』となる場合、遊
星ギア7の「抜けの動作」で「Fw」方向に通電するた
め、ステップ101〜ステップ106の動作でモ−タ1
を「Rv」方向に通電して沈胴端に達したレンズ筒53
を逆に繰出してしまう可能性がある。そこで、バヨネッ
トロックレバ−62の解除動作をやり直す前に再度レン
ズ筒53の通電を行うため、この様にステップ105へ
戻る。この「初期位置出し」動作を入れることにより、
いくつかある『動力分割ミス』のほとんどの場合から無
事抜出すことが出来る。
【0112】ステップ107の動力分割動作が正常に行
われた場合は、ステップ109〜ステップ110のル−
プにおいて、バヨネットロックレバ−62のロック/解
除に応じて状態変化するバヨネットスイッチ65が解除
状態になるまで通電する。そして解除状態になるとステ
ップ111へ進み、突き当て通電を行う。
【0113】一方、解除状態になる前に異常検出時間で
ある「1秒」が経過すると、ステップ110よりステッ
プ105へ進む。ここでは、ステップ103〜ステップ
104の場合と同じく、バヨネットロックレバ−62や
バヨネットロック機構の異常だけでなく、動力分割動作
の不具合(『動力分割ミス』)も考えられ、レンズ筒5
3の状態もステップ106の終了時点と同じ状態でない
可能性もあるので、ステップ105へ戻り、その後レン
ズ筒53の駆動からやり直す。
【0114】ステップ111でバヨネットロックレバ−
62の解除動作が終了すると、ステップ112において
動力分割先を出力ギア9a、即ち沈胴,繰出し機構側に
切換えると共に、その回転方向が「Rv」(沈胴方向)
となるようにモ−タ1へ通電する。
【0115】この時の動作を詳述すると、プランジャ1
6への通電を行うと共にモ−タ1を「Rv」方向に一旦
通電して、遊星ギア7をバヨネットロック機構と連結さ
れている出力ギア9bから抜き、その後ズ−ム機構と連
結されている出力ギア9cとの中間位置に来たことを検
出するとモ−タ1を今度は「Fw」方向に切換え、遊星
ギア7が上記出力ギア9bの位置を通過し、上記沈胴,
繰出し機構と連結された出力ギア9aの位置を通過する
と、モ−タ1を再び「Rv」方向に切換え、該出力ギア
9aの位置に達するとプランジャ16への通電を停止
し、出力ギア9aと遊星ギア7を噛合させる。
【0116】この動作中に『動力分割ミス』が検出され
た場合は、ステップ113よりステップ116へ進む。
例えばこの動力分割動作の際に遊星ギア7がクラウンス
トッパ10及び抜けストッパ11から抜けないで『動力
分割ミス』となった場合、ステップ107〜ステップ1
11の動作で解除したバヨネットロックレバ−62が解
除位置から外れている可能性が高い。また、この動力分
割動作では、遊星ギア7はズ−ム機構に連結された出力
ギア9cの位置は通過しないので、レンズ筒53まで動
いてしまった可能性は少ない。そこでこの際には、ステ
ップ116で「初期位置出し」動作を行った後、ステッ
プ107へ戻ってバヨネットロックレバ−62の解除動
作からやり直す。
【0117】ステップ112の動力分割動作が正常に行
えた場合は、ステップ114〜ステップ115のル−プ
へと進み、このル−プにて鏡筒55が沈胴することによ
ってONする沈胴スイッチ509(61)がONするま
で通電する。このスイッチ509がON状態になると、
ステップ117で突き当て通電を行い、沈胴動作を終了
する。
【0118】また、上記沈胴スイッチ509がON状態
になる前に異常検出時間である「2秒」が経過すると、
ステップ115よりステップ116へ進み、「初期位置
出し」動作を行う。ここでも、ステップ109〜ステッ
プ110の場合と同じく、鏡筒55及び沈胴,繰出し機
構等の異常だけでなく、動力分割動作の不良も考えられ
るので、ステップ113で『動力分割ミス』となった場
合と同じ理由でステップ116からステップ107へ戻
り、バヨネットロックレバ−62の解除駆動からやり直
す。
【0119】この様に、動力分割動作における不具合
(『動力分割ミス』や動力伝達先のギアの喰い付き等に
よる機構不良)のいくつかの場合を想定して、それらす
べての状態でリセットがかかるようにシ−ケンスの場所
に応じたやり直し動作を盛込むことにより、ほとんどの
不良に対して矛盾なく動作を進めることができる。
【0120】次に、図8のフロ−チャ−トに従って制御
回路501における鏡筒55の繰出し動作を説明する。
【0121】この動作はステップ200より開始され
る。
【0122】ステップ201においてバヨネットロック
レバ−62が解除状態にあるかどうかをバヨネットスイ
ッチ507(65)の状態より判別する。該スイッチ5
07が解除状態にないことを示していれば(解除により
ONすべく接片が「OFF」であれば)、ステップ20
2からステップ207において、図7のステップ107
からステップ111までで説明したような、バヨネット
ロックレバ−62の解除動作を行う。また、該スイッチ
507が解除状態にあることを示していれば(解除によ
りONすべく接片が「ON」であれば)、ステップ20
8へと進む。
【0123】ステップ208では動力分割先を出力ギア
9c、即ち沈胴,繰出し機構側に切換えると共に、その
回転方向が「Fw」(繰出し方向)となるようにモ−タ
1を通電する。この際に『動力分割ミス』をフォトイン
タラプタ17の出力から検出した場合は、ステップ20
9よりステップ206へ進む。ステップ206では前述
した動力分割装置の「初期位置出し」動作を行い、ステ
ップ201へ戻る。ステップ206の動作条件は図7の
のステップ105と全く同じである。
【0124】ステップ209で動力分割動作が正常に行
われた場合は、ステップ210〜ステップ211のル−
プに入る。ステップ210では鏡筒55がバヨネットロ
ックレバ−62によりロック可能な位置まで繰出したか
どうかを沈胴スイッチ508(60)NO状態で判別す
る。ステップ211では上記スイッチ508がONする
までの時間をチェックし、異常検出時間である「2秒」
になるまでル−プをまわる。「2秒」以内に上記スイッ
チ508がONした場合、ステップ212で突き当て通
電を行い、次の動作ステップ213へ進む。
【0125】一方、ステップ211で「2秒」に達する
と、異常と判別してステップ206へ進む。異常となっ
た原因は、鏡筒55等の異常だけでなく、ステップ20
8で分割動作が正常に行われていないにも関わらず、
『動力分割ミス』を検出出来なくてステップ210,ス
テップ211のル−プに入った場合も考えられるので、
ステップ206で「初期位置出し」動作を行い、ステッ
プ201の分割動作からやり直す。ステップ201では
再度バヨネットロックレバ−62の状態チェックからや
り直すので、ステップ208でバヨネットロックレバ−
62の状態を変えてしまった場合にも対応できる。
【0126】鏡筒55がバヨネットロックレバ−62に
よりロック可能な位置まで達した場合は、ステップ21
3で動力分割先を出力ギア9b、即ちバヨネットロック
機構側に切換えると共に、その回転方向が「Rv」(ロ
ック方向)となるようにモ−タ1に通電する。
【0127】この時の動作を詳述すると、プランジャ1
6への通電を行うと共にモ−タ1を鏡筒繰出し方向への
通電と逆の「Rv」方向に通電して、遊星ギア7をズ−
ム機構と連結されている出力ギア9aから抜く。上記の
バヨネットロック機構と連結されている出力ギア9bは
沈胴出力となる「Rv」方向にあり、バヨネットロック
レバ−62の回転は「Rv」方向なので、フォトインタ
ラプタにより上記出力ギア9bの位置を検出するとプラ
ンジャ16への通電を停止し、遊星ギア7と該出力ギア
9bを噛合させ、そのままバヨネットロック通電に入
る。
【0128】この動作中に『動力分割ミス』が検出され
た場合、ステップ214よりステップ206へ進む。例
えば遊星ギア7がクラウンストッパ10及び抜けストッ
パ11より抜けないで『動力分割ミス』となる場合、遊
星ギア7の「抜けの動作」で「Rv」方向に通電するた
め、ステップ210〜ステップ212の動作でモ−タ1
を「Fw」方向に通電して繰出した鏡筒55を逆に繰り
込んでしまう可能性がある。この場合、単純に動力分割
動作をやり直して再度バヨネットロックレバ−62によ
るロック動作を行おうとすると、バヨネットレバ−62
やバヨネットロック機構の異常だけでなく動力分割動作
の不良も考えられ、レンズ筒53の状態もステップ20
7終了時点と同じ状態でない可能性もあるので、ステッ
プ206へ戻ってレンズ筒53の駆動からやり直す。こ
の様に、ステップ206→ステップ201→208と進
んで鏡筒55の繰出し動作からやり直すので、バヨネッ
トロックレバ−62によるロック動作のやり直しが可能
となる。
【0129】ステップ213の動力分割動作が正常に行
われた場合は、ステップ214からステップ215〜2
16のル−プに入り、このル−プでバヨネットスイッチ
65がロック状態になるまで通電する。そしてロック状
態になると、ステップ217へ進み、突き当て通電を行
う。
【0130】一方、ロック状態になる前に異常検出時間
である「1秒」に達すると、ステップ216よりステッ
プ206へ進む。ここでは、ステップ210〜ステップ
211の場合と同じく、バヨネットロックレバ−62や
バヨネットロック機構の異常だけでなく動力分割動作の
不良も考えられ、鏡筒55の状態もステップ213終了
時点と同じでない可能性もあるので、ステップ206へ
戻ってやり直す。
【0131】ステップ217でバヨネットロックレバ−
62のロック動作が終了すると、ステップ218で動力
分割先を出力ギア9c、即ちズ−ム機構側に切換えると
共に、その回転方向が「Fw」(TELE方向)となる
ようにモ−タ1の通電を行う。
【0132】この時の動作を詳述すると、プランジャ1
6への通電を行うと共にモ−タ1を一旦「Fw」方向に
通電して遊星ギア7をバヨネットロック機構と連結され
ている出力ギア9bから抜き、上記出力ギア9aとの中
間位置に来たことを検出すると今度はモ−タ1を「R
v」方向に切換え、遊星ギア7が上記出力ギア9bを通
過し、出力ギア9cを通過すると再びモ−タ1を「F
w」方向に切換え、該出力ギア9cの位置に達するとプ
ランジャ16への通電を停止して、遊星ギア7と該出力
ギア9cを噛合させる。
【0133】この動作中に『動力分割ミス』が検出され
た場合、ステップ219よりステップ206へ進む。例
えばこの動作の際に遊星ギア7がクラウンストッパ10
及び抜けストッパ11より抜けないで『動力分割ミス』
となった場合、ステップ213〜ステップ217の動作
でロックしたバヨネットロックレバ−62がロック位置
から外れている可能性が高い。バヨネットロックレバ−
62によるロックが外れている場合、再度ロックしなけ
ればならないが、ロックするためには鏡筒55を十分に
繰出して突き当て状態にしておかなければならない。鏡
筒55を突き当て通電するためにはバヨネットロックが
完全に解除しておかなければならず、結局、ステップ2
06よりステップ201〜ステップ207でバヨネット
ロック62の解除、ステップ208〜ステップ212で
鏡筒55の繰出し、ステップ213〜ステップ217で
バヨネットロックレバ−62によるロック動作のやり直
しを行うことになる。
【0134】つまり、ステップ218の動作で『動力分
割ミス』となると、ステップ206よりステップ201
へ戻り、以降図7のステップ107からステップ111
までで説明したような、バヨネットロックレバ−62の
解除動作を行う。概略を述べると、ステップ201にお
いてバヨネットロックレバ−62の解除をチェックす
る。解除状態になっていない場合、動力分割先をステッ
プ202でバヨネットロック機構側に切換え、ステップ
203で『動力分割ミス』の検出、ステップ204〜ス
テップ205のル−プでバヨネットスイッチ507の状
態をチェックし、ステップ207で突き当ててステップ
208の通常フロ−に戻る。
【0135】ステップ218の動力分割動作が正常に行
われた場合は、ステップ220〜ステップ221のル−
プへと進み、このル−プにおいてレンズ筒53がWID
E端に達するまで通電する。ズ−ムポジションスイッチ
510がWIDE端の状態になると、ステップ222で
ブレ−キ通電を行った沈胴繰出し動作を終了する。ズ−
ムポジションスイッチ510がWIDE端になる前に異
常検出時間である「2秒」に達すると、ステップ221
よりステップ206へ進む。ここでも、レンズ筒53や
ズ−ム機構の異常だけでなく動力分割動作の不良も考え
られるので、ステップ218で『動力分割ミス』となっ
た場合と同じ理由でステップ206へ戻り、バヨネット
ロックレバ−62によるロック動作からやり直す。
【0136】本実施例によれば、動力分割装置を用いて
各機構へ時系列に動力分割を行って一連の撮影シ−ケン
スを進めるカメラにおいては、各機構の作動が正常に行
われないことが時として起きる。この原因としては、動
力分割動作時に遊星ギア7と出力ギア9a〜9dの歯先
同士が喰い付いたり、外界より力が加わることで、例え
ば撮影レンズ鏡筒部において、又は出力ギアの出力を前
記撮影レンズ鏡筒部へ伝達する動力伝達機構において異
常が生じる場合である。さらには、前記遊星ギア7の公
転位置は単一のフォトインタラプタ17の出力より判別
する方式を取っているが、このフォトインタラプタ17
の出力にノイズが乗り、誤検出をしてしまった場合も同
様である。上記の様な機械的な異常は殆どの場合、「初
期位置出し」動作を行ってやり直し動作を行うことで解
消されることは実験的にわかっている。同様に、ノイズ
による誤検出により作動が正常に行われていない事がそ
の後の動作時点でわかった場合も、再度やり直す事で正
常な動作へと復帰させることが可能である(同じ条件に
てノイズが入る確率は非常に低いため)。このことか
ら、どの機構が作動中の時に異常が生じたかを判別し、
これに応じてその復帰動作(「初期位置出し」動作を伴
うやり直し動作)をどの時点から行うか(常に最初から
やり直すのではなく、支障が生じているであろう時点ま
で戻ってから行う為)を設定し、一連の撮影シ−ケンス
が最後まで進むようにしている。
【0137】したがって、全くミスの出ないような高価
な部品や大型な装置を用いることなく、安価でコンパク
トでありながら、前記の様な不具合が生じても、自動的
にその不具合を解除して、結果として最後まで撮影シ−
ケンスを無事に、必要最小限の時間により進めさせるこ
とが可能となり、その効果は絶大である。
【0138】 (発明と実施例の対応) 以上の実施例
において、制御回路501が本発明の制御手段に相当す
る。
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、複数の作動系を段階的に動作させて一連の撮影動作
を実行するカメラの制御装置において、ある作動系の動
作が正常に行われなかったとしても、必要最小限の時間
で確実にその動作を自動的に正常化して一連の撮影動作
を無事に最後まで実行することのできるカメラの制御装
置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のカメラに配置される動力分
割装置の概念図である。
【図2】図1の動力分割装置の具体的な構成を示す縦断
面図である。
【図3】図1の動力分割装置の具体的な構成を示す平面
図である。
【図4】本発明の一実施例のカメラの撮影レンズ鏡筒部
の横断面及びその近傍の構成を示す図である。
【図5】図2及び図3の動力分割装置の作動について説
明するための平面及び縦断面を示す図である。
【図6】本発明の一実施例のカメラの概略構成を示す回
路図である。
【図7】図4の制御回路における鏡筒沈胴動作について
示すフロ−チャ−トである。
【図8】図4の制御回路における鏡筒繰出し動作につい
て示すフロ−チャ−トである。
【符合の説明】
1 モ−タ 9a〜9d 出力ギア 6 太陽ギア 7 遊星ギア 17 フォトインタラプタ 53 レンズ筒 54 カムリング 55 鏡筒 58 ズ−ムギア 59 ヘリコイドギア 60,61,507,508 沈胴スイッチ 62 バヨネットレバ− 63 バヨネットギア 65 バヨネットスイッチ 501 制御回路 510 ズ−ムポジションスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−212923(JP,A) 特開 平2−282735(JP,A) 特開 平3−94243(JP,A) 特開 平4−31840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 17/00 - 17/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の作動系を段階的に動作させて一連
    の撮影動作を実行するカメラの制御装置において、前記
    作動系に異常が生じた場合には所定の作動系から動作を
    やり直すと共に、異常状態と判定した作動系に応じて溯
    る作動系の数を変更する制御手段を有することを特徴と
    するカメラの制御装置
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