JP2855584B2 - 動力伝達装置及びカメラ - Google Patents

動力伝達装置及びカメラ

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JP2855584B2
JP2855584B2 JP4086991A JP4086991A JP2855584B2 JP 2855584 B2 JP2855584 B2 JP 2855584B2 JP 4086991 A JP4086991 A JP 4086991A JP 4086991 A JP4086991 A JP 4086991A JP 2855584 B2 JP2855584 B2 JP 2855584B2
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rotation
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Retarders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、動力源からの駆動力
を伝達する動力伝達装置及びカメラの改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】 従来、例えば、カメラの動力伝達装置
として一般的な遊星ギア機構は図32に示す様に、ある
動力で回転する太陽ギア101と、その太陽ギア101
と同じ軸108を中心に該太陽ギア101とは無関係に
回転するアーム102、そのアーム102に軸107に
よって取付けられ、アーム102に対してスプリング1
06などによって回転に対して抵抗を受けて回転し、か
つ太陽ギア101に噛み合う様になっている遊星ギア1
03とから成っている。
【0003】これによって遊星ギア103は太陽ギア1
01を中心に回転(公転)し、かつ遊星ギア103は自
身でも回転(自転)することができる。
【0004】 この遊星ギア機構は、カメラなどにおい
ては一般的にはフィルムの巻上げ、巻戻しの動力を伝え
る切換え機構として用いられる。この際、遊星ギア10
3の公転範囲は図33に示す様に360度公転するので
はなく、例えば巻上げ系に動力を伝達するギア104と
巻戻し系に動力を伝達するギア105の2つのギアによ
ってその公転範囲を規制される。但し、実際にはギアど
うしの喰い込みが発生する恐れがあるので、遊星ギア1
03の軸107を突き当て部109,110に当てるこ
とによって遊星ギア103の公転規制を行っている。こ
れによって、太陽ギア101が左回転すれば遊星ギア1
03はギア105と噛み合い、ギア105を実線の矢印
で示す様に左回転させ、逆に太陽ギア101が右回転す
れば、破線の矢印にて示す様にギア104を右回転させ
る。これによって発生する状態を以下に挙げる。
【0005】1)動力をどちらのギア104,105に
切り換えるかは、太陽ギア101の左右回転のみで決ま
る。
【0006】2)動力を伝達されるギア104,105
の回転方向は、それぞれ一方向のみである。つまり、力
としては2系統である。
【0007】 3)動力伝達中、又はギアバックラッシ
が無い状態で歯や歯面に発生するテンションが伝達方
向に生じているときには、突き当て部109は軸107
より力F−109を受けている。逆の場合は突き当て部
110が力F−110を受ける。
【0008】 4)図33の状態の様にギア105に動
力伝達中の状態からギア104に遊星ギア103を切り
換える場合には、太陽ギア101の右回転が開始された
直後はバックラッシュが無い状態で歯や歯面に発生する
テンションが取れ力F−109が無くなるまでは遊星ギ
ア103は自転(左回転)のみを行い、後に公転を始め
る。上記2)のように力として2系統である理由は、 a)従来の遊星ギア機構は図33の様に遊星ギア103
の公転範囲をギア104,105が規制している形を取
っているので、遊星ギア103はギア104,105以
外と噛み合わせることはできない。
【0009】b)各ギア104,105の回転方向は、
一方向が動力伝達方向で、他方向が遊星ギアの切り換え
方向であるため、1つのギアでは一方向の力のみ伝えら
れる。
【0010】以上の理由で、力の伝達数としては2系統
になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】 これに対し、2系統
より多くの力の伝達系を得るには、上記突き当て部10
9または110を退避可能として、遊星ギア103が更
に動力を伝達する別のギアと噛み合う位置に公転できる
必要がある。
【0012】 一方、この場合、遊星ギア103がギア
104またはギア105に動力を伝達する時には、遊星
ギア103がギア104またはギア105と噛み合う位
置に公転した時に、退避していた突き当て部109また
は110が確実に作用位置に来ていなければならないこ
とになる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】 本発明は以上の事情に鑑みなされたも
ので、確実に動力伝達先に動力を伝達することのできる
動力伝達装置及びカメラを提供しようとするものであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、請求項1記載の本発明は、回転により駆動力を伝
達する第1の回転部と、前記第1の回転部の回転に連動
して自転及び該第1の回転部の回りを公転する第2の回
転部と、前記第2の回転部が公転することにより係合し
前記第1の回転部からの駆動力が伝達される動力伝達
と、前記第2の回転部の公転を規制する規制手段と、
公転する前記第2の回転部の公転位置を判定する判定手
段と、前記判定手段の判定に応じて前記第2の回転部が
前記第1の回転部からの駆動力を前記動力伝達部に伝達
する公転位置に至ることにより前記第2の回転部の公転
を規制するように前記規制手段を制御する制御手段とを
有する動力伝達装置とするものである。また、請求項2
記載の本発明は、回転により駆動力を伝達する第1の回
転部と、前記第1の回転部の回転に連動して自転及び該
第1の回転部の回りを公転する第2の回転部と、前記第
2の回転部が公転することにより係合して前記第1の回
転部からの駆動力が伝達される動力伝達部と、前記第2
の回転部の公転を規制する規制手段と、公転する前記第
2の回転部の公転位置を判定する判定手段と、前記判定
手段の判定に応じて前記第2の回転部が前記第1の回転
部からの駆動力を前記動力伝達部に伝達する公転位置に
至ることにより前記第2の回転部の公転を規制するよう
に前記規制手段を制御する制御手段とを有するカメラと
するものである。
【0022】
【0023】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0024】 図16は本発明の一実施例の動力伝
達装置(以下、動力分割装置とも記す)を備えたカメラ
の機械的主要部分のみを示す図である。
【0025】図16において、6は太陽ギア、7は遊星
ギア、9a〜9dは以下に述べる様な動力源となる出力
ギアであり、これらは動力分割装置の一部を成すもので
ある。
【0026】出力ギア9aは、レンズ筒316,カムリ
ング315等のレンズ駆動機構を保持している鏡筒31
4の繰出し,沈胴を行うヘリコイドギア310を図中省
略のギア列310aによって回転させるものである。
【0027】 出力ギア9bは、繰出している鏡筒31
4を本体317に固定させ、沈胴させないようにする
ヨネットリング311を図中省略のギア列311aによ
って回転させるものである。
【0028】出力ギア9cは、鏡筒314内のカムリン
グ315を動かしてズ−ムを行うズ−ム駆動ギア312
を図中省略のギア列312aによって回転させるもので
ある。
【0029】 出力ギア9dは、ア−ム309を介して
フィルム給送用遊星ギア304と噛み合っていて、これ
らでフィルム給送用の遊星ギア機構を構成しており、該
出力ギア9d自身が太陽ギアになっている。そして、こ
の出力ギア9dの左或は右回転によりフォ−ク(不図
示)或はスプ−ル305を選択的に回転させることにな
り、フィルムパトロ−ネ313内よりのフィルムFの巻
上げ或はフィルムパトロ−ネ313内ヘの巻戻しが行わ
れる。
【0030】次に、図1乃至図3等を用いて上記の太陽
ギア6,遊星ギア7及び出力ギア9a〜9dを含む動力
分割装置の構成について説明する。なお、これらの図で
は、図面簡略化のため、動力分割に必要な部品(ギア,
スプリング等)のみを示しており、それらを取り付けた
り、位置決めをしたりする地板類は省略してある。
【0031】図1,図3に示される様に遊星ギア7の次
に動力の伝達される出力ギア9a〜9dを円周上に配置
し、遊星ギア7を360度公転できる構成にしている。
なお、本実施例では出力ギアを4個としているが、これ
が4個である必要はなく、2個以上の複数個であればよ
い。
【0032】遊星ギア7は遊星軸8aを中心に回転する
様になっていて、スプリング8bを入れることによって
自転に対しある程度の抵抗を受ける様になっている。上
記遊星軸8aと遊星ギア7は回転ア−ム5に取付けられ
ており、該回転ア−ム5上には太陽ギア6が配置され、
この太陽ギア6は出力軸3の回転によって回転する構成
となっている。
【0033】出力軸3はモ−タ1の動力によって回転す
るが、出力軸3にはある程度の回転力トルクが必要であ
るため、カメラに使用されるモ−タの場合には、減速機
構2を通してその力が出力軸3に伝達される。
【0034】回転ア−ム5と出力軸3は軸受4に回転可
能に固定されていて、回転ア−ム5は軸受4の外側と、
又出力軸3は軸受4の内側で回転摺動する様になってい
る。そしてその軸受4は出力ギア9a〜9dを回転可能
に固定している軸付きの地板(図中省略)にインサ−ト
成形の様な形で一体に成形されている。これによって回
転ア−ム5が太陽ギア6を中心に回転しようとする力
は、遊星ギア7の公転力のみによって発生する。
【0035】 回転ア−ム5には数個の立曲げ部分があ
るが、その中の立曲げ部5aには穴が形成されており、
又回転ア−ム5の上方に配置された回転止めア−ム12
にも穴12bが形成されており、これら穴に挿入される
回転ア−ム用軸13aによって回転止めア−ム12は回
転ア−ム5に対して回転可能に止められている。これに
よって回転止めア−ム12は回転アーム用軸13aを中
心に回転することができ、回転範囲がほぼ水平に近い状
態で回転が行われるのでその先端部12cは上下運動に
近い動きをする。又、回転止めア−ム12には穴12a
が形成されており、この穴12aに前述の遊星軸8aが
貫通した状態になっている(図2の状態)。この状態に
おいて、この穴12aは長穴になっているため、回転止
めア−ム12の上下回転(言い換えると先端部12cの
上下運動)には何ら規制は加えないが、遊星軸8aと一
体となっている回転ア−ム5の水平方向の回転に連動し
て、水平に回転をする。そして、回転ア−ム用軸13a
にはト−ションスプリング13bが通っており、回転止
めア−ム12の先端部12cを上に上げるように付勢し
ている。
【0036】回転止めア−ム12の上方にはパルス板1
4が配置され、そこに形成された穴14bに回転ア−ム
5の立曲げ部5bが貫通かつ固定され、又長穴14aに
は遊星軸8aの切欠き部8dが固定されているため、回
転ア−ム5の水平回転と一体に該パルス板14も水平回
転する。
【0037】パルス板14の上方にはア−ム15が配置
され、ア−ム用軸15bによって回転可能に止められて
いる。又、ア−ム用軸15bは不図示の地板によって固
定されている。このア−ム用軸15bにも上述の回転止
めア−ム12と同様なト−ションバネ15cがかけられ
ており、その付勢方向はア−ム一端部15aが図1,図
2において図中下方に力が向く様になっている。ア−ム
一端部15aには突起15eが固着されていて、パルス
板14に設けられた大穴14cを抜けて回転止めア−ム
12の中心部12dを下に付勢している。
【0038】ア−ム15の他端15dにはプランジャ1
6の可動ヨ−ク16aが配置されており、プランジャ1
6を通電させ可動ヨ−ク16aを図1,図2において図
中下方向に吸引すると、前記突起15eは図中上方に動
く。尚、各ト−ションバネ13b,15cのバネバラン
スの強さは、回転止めア−ム12の上下の動きがア−ム
15の突起15eの動きに連動する様に設定されてい
る。
【0039】ア−ム15の突起15eが回転止めア−ム
12を例えば図1中下方に付勢する際に、その中心を押
す理由と効果を以下に述べる。
【0040】遊星ギア7の公転に連動して水平に回転す
る回転ア−ム5に更に連動して回転する回転止めア−ム
12の水平方向の回転中心は、出力軸3つまりは太陽ギ
ア6の真上(図1において12dの当たり)になる。遊
星ギア7がどの様な位置で公転していても、この回転止
めア−ム12の中心(12d)は回転中心であるため、
回転止めア−ム12が太陽ギア6,遊星ギア7,回転ア
−ム5等に連動してどの様な位置にあっても(例えば図
5〜図9の各(a)等の状態)、同じ条件でそこ(12
d)をア−ム15の突起15eで押すことが可能で、回
転止めア−ム12の先端12cを上下に動かすことがで
きる。このため、遊星ギア7の公転を止めて出力ギア9
a〜9dに動力を伝達するために回転止めア−ム12の
先端12cをクラウンストッパ10の切欠きに入れるた
めの動作は、ア−ム15の突起15eが回転止めア−ム
12の回転状態に関係なくその中心(12d)を付勢す
るだけの簡単な機構でよい。
【0041】出力ギア9a〜9dの真上、つまり回転ア
−ム5と回転止めア−ム12の間にはクラウンストッパ
10と抜けストッパ11が不図示の地板に重なった状態
で固定されている。各ストッパ10,11には切欠きが
設けられ、その切欠きの間に回転止めア−ム12の先端
12cが通り抜けられる様な形状となっている。
【0042】更に、図4(図3の部分拡大図)で表して
いる様に、太陽ギア6を中心としてクラウンストッパ1
0の端面10aと10bによる切欠きの角度Z度,抜け
ストッパ11の端面11aと11bによる切欠きの角度
Y度,そして回転止めア−ム12の先端12cの角度X
度が Z>Y>X の関係になる様に形成されている。これによって抜けス
トッパ11の切欠きは、クラウンストッパ10の切欠き
の「ひさし」の様な状態になっている。そして、この切
欠きは出力ギア9a〜9dの上方に位置している。各ス
トッパ10,11の固定される高さ(図2の上下方向の
高さ)は、以下の2つの状態が可能な様に設定されてい
る。つまり、 1)プランジャ16の吸引に連動して回転止めア−ム1
2の先端12cが上方に動いた時は、該回転止めア−ム
12の先端12cは両ストッパ10,11の切欠きとは
かからない(後述する図6参照)。
【0043】2)プランジャ16が吸引を行っていない
場合は、ア−ム15に設けられた突起15eが回転止め
ア−ム12を下に付勢することによってクラウンストッ
パ10の切欠きの端面10aと10bが回転止めア−ム
の先端12cの高さにくる(図2の状態)。
【0044】 これによって、上記1)の状態(後述す
る図6の状態)では、回転ア−ム5とそれに取付けられ
ている部品(回転止めア−ム12,遊星軸8a、パルス
板14等)と遊星ギア7は一体となって軸受4を中心に
して自由に回転でき、出力軸3,太陽ギア6の回転に伴
って遊星ギア7は自由に公転する。この際、遊星ギア7
は円周上に配置された出力ギア9a〜9dと順次噛み合
いながら公転していく。
【0045】又、上記2)の状態になると、回転止めア
−ム12の水平方向の回転はクラウンストッパ10の端
面10a,10bによって規制されるので回転ア−ム5
もそれと一体となっているために回転することができ
ず、遊星ギア7の公転を止めることになる。この状態は
ちょうど図2,図3,図9に相当する。
【0046】公転が上記の様にして規制された遊星ギア
7はそこの位置、つまり各ストッパ10,11の切欠き
の位置で自転をすることになるが、その時はちょうど遊
星ギア7は出力ギア9a〜9dのうちのいずれか1つと
噛み合っていて、ギアトレインを形成するので、太陽ギ
ア6の回転を伝えることが可能になる。その回転方向は
左右どちらでも出力ギア9a〜9dに伝えることができ
る。
【0047】又、クラウンストッパ10には、立曲げ部
10cが形成されており、この立曲げ部10cによって
遊星ギア7は360度以上自由に公転できなくなり、左
右1回転分の公転のみになる。つまり、プランジャ16
の吸引によって回転止めア−ム12の先端12cがクラ
ウンストッパ10と抜けストッパ11の上方に位置し
(後述する図6の状態)、遊星ギア7が自由に公転可能
な状態であっても、立曲げ部10cが回転止めア−ム1
2の先端12cのストッパになるため、公転が止められ
る。これが、図5又は図7に示される状態である。但
し、この位置では前記立曲げ部10cがストッパとして
働くため、遊星ギア7は自転を始めることになるので、
遊星ギア7がどの出力ギア9a〜9dにも噛み合わない
所に該立曲げ部10cは設けられている。
【0048】遊星ギア7が公転する時には、それに伴っ
て回転ア−ム5と遊星軸8aも太陽ギア6を中心に回転
する。そのため、それらと一体となって回転するパルス
板14は遊星ギア7の公転に連動して回転することにな
る。パルス板14には明,暗のパタ−ンが形成されてお
り、その明,暗信号(パルス)がフォトカプラ17及び
後述するパルス信号検出回路22(図17参照)にて検
出されるようになっている。そして、その明,暗のパタ
−ンは、遊星ギア7が出力ギア9a〜9dと噛み合って
いる時とそうでない時とがこのフォトカプラ17(及び
後述するパルス信号検出回路22)の出力で検出できる
様なパタ−ン形状となっている。
【0049】本実施例では、遊星ギア7と出力ギア9a
〜9dのいずれかが噛み合っている時に明信号がくる様
に明パタ−ン14eが、噛み合っていない時に暗信号が
くる様暗パタ−ン14dが、それぞれ形成されている
(図1参照)。出力ギア9a〜9dは本実施例では4つ
にしているので明パタ−ンも4箇所にある。これによっ
て、遊星ギア7の公転位置はフォトカプラ17(及び後
述するパルス信号検出回路22)の出力で判別可能とな
る。
【0050】 次に、上記構成における動力分割装置の
動きについて説明する。
【0051】太陽ギア6の回転方向で、図5(a)に示
すように時計回りを「Rv」、反時計回りを「Fw」と
する。これは、遊星ギア7の公転方向、そして各出力ギ
ア9a〜9d,回転ア−ム5及び回転止めア−ム12の
回転方向、更にはモ−タ1の回転方向と同じである。ま
た、遊星ギア7の公転している領域をX及び〜の数
字で表す。これは回転止めア−ム12の先端12cのク
ラウンストッパ10に対する位置を示すことと同じであ
る。又、Xはいずれの出力ギア9a〜9dとも噛み合わ
ない、「初期位置10d」を含む領域である。
【0052】,,,は遊星ギア7と出力ギア9
a〜9bとが噛み合う領域であり、この領域(位置)は
パルス板14の「明」「暗」パルスの変化量をフォトカ
プラ17の出力より検出することによって後述する制御
回路24(図17参照)により判別される。つまり、遊
星ギア7が→→→…(図5(a)→図6(a)→
図7(a)の順)とRv公転すると、フォトカプラ17
からはパルス板14の明,暗パタ−ンを検出することに
よって、図11の様な明,暗信号が出力され、これによ
って「明」の時は遊星ギア7は,,,の領域に
位置し、いずれかの出力ギア9a〜9bと噛み合ってい
る状態であることが分かり、「暗」の時はX,,,
,の領域に位置し、この際はいずれの出力ギア9a
〜9dとも噛み合っていない状態であることが分かる。
【0053】なお、遊星ギア7は、クラウンストッパ1
0の立曲げ部10cと回転止めア−ム12の先端12c
とが当る為、Xからへの領域、又はからXへの領域
へは公転はできないことは既に述べた通りである。
【0054】遊星ギア7を公転させるため、プランジャ
16に通電し、その後公転させた場合に遊星ギア7が
,,,のいずれかの領域にある時にプランジャ
16の通電を止めると、回転止めア−ム12の先端12
cは抜けストッパ11の上に乗った状態になる(図8の
状態)。
【0055】この状態は、回転ア−ム5,回転止めア−
ム12,遊星ギア7,パルス板14等の軸受4を中心と
して回転する部品に関しては位置として不安定な所にあ
る。つまり、何らかの振動等によって、回転止めア−ム
12の先端12cが抜けストッパ11の上をすべり、
,,,の領域の切欠き部分に落ち込んでしまう
(例えば図9の状態)。すると、もともと噛み合ってい
ないはずの遊星ギア7と出力ギア9a〜9dが振動等に
よって噛み合うことになる。これに対し、Xの領域の、
特に「初期位置10d」の範囲は、プランジャ16への
通電をやめて回転止めア−ム12の先端12cがそこに
入ると、他の,,,の領域のクラウンストッパ
10の切欠きと同様に、立曲げ部10cと端面10eの
間に入り込んで遊星ギア7が公転できなくなる(図7
(a)の状態)。しかも、そこには出力ギア9a〜9d
がないので、モ−タ1が回転しても動力は伝わることが
なく、いわゆる「ニュ−トラル」位置として考えること
ができる。
【0056】この様に遊星ギア7がどの出力ギア9a〜
9dとも噛み合わずに公転せずに自転できる「初期位
置」を設けることによって、本装置を安定的に停止させ
ておくことができる。
【0057】ここで、本実施例における動力分割装置の
基本的な動きは、『太陽ギア6の回りを公転する遊星ギ
ア7が公転しながらその回りを円周上に取り囲んでいる
任意の出力ギア9a〜9dの所で公転をやめ、自転のみ
をして太陽ギア6の動力を出力ギア9a〜9dに伝え
る』というものであるが、その一連の動作の概略を以下
に述べる。
【0058】先ず、プランジャ16への通電がなされる
と、回転止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠
きから外れ、遊星ギア7が自由に公転可能な状態とな
る。次に、モ−タ1を回転させて遊星ギア7を任意の方
向に公転させる。この際、これに伴ってパルス板14も
回転することになり、よって次に該パルス板14の回転
量をフォトカプラ17の出力によって検出、つまりパル
ス板14の回転により生じる明,暗のパルスをカウント
することにより、遊星ギア7がX〜のどこに位置する
かを検知する。そして、動力を伝えたい出力ギア9a〜
9dの所まで遊星ギア7が公転したことを検知したら、
上記のプランジャ16の通電をOFFし、回転止めア−
ム12の先端12cをクラウンストッパ10の切欠きに
入れ、遊星ギア7の公転を規制する。次いで、モ−タ1
の回転を出力ギア9a〜9dに伝えて任意の出力ギア9
a〜9dに動力を伝達する。
【0059】なお、詳細は後述「入りの動作」及び「抜
けの動作」のところで行うが、パルス板14は遊星ギア
7の公転に伴って回転するため、遊星ギア7の公転位置
をフォトカプラ17の出力(明,暗のパルスの変化量)
によって判別しているが、前記「動力を伝えたい出力ギ
ア9a〜9dの所まで遊星ギア7が公転したことを検知
したら、プランジャ16の通電をOFF」する動作部分
においては、遊星ギア7が出力ギア9a〜9dとどの様
に噛み合っているか、又は回転止めア−ム12の先端1
2cがクラウンストッパ10や抜けストッパ11に対し
てどの様な位置にあるかを判別する必要があり、それを
「明」から「暗」のパルスの立下がり、「暗」から
「明」のパルスの立上がりによって判別している。すな
わち、パルス板14とフォトカプラ17とを使うことに
よって、「明」「暗」のパルスの変化量をカウントする
以外に、該パルスの立上がり,立下がりを検出すること
ができ、これによりモ−タ1やプランジャ16の制御を
行い、回転止めア−ム12のクラウンストッパ10の切
欠きへの「入り」や切欠きからの「抜け」の細かな動作
制御を行っている。
【0060】次に、「初期位置出し」について述べる。
【0061】遊星ギア7の公転している位置がX〜の
どこの領域かを知るために、パルス板14とフォトカプ
ラ17を用いているが、その信号は図11の様に明と暗
の2つだけである為、それによって検出できるのは検出
を開始してから遊星ギア7がどれくらい公転したか、つ
まり、何カウント目のパルス信号かという変化量のみで
ある。そのため、本装置が立上がった時点では遊星ギア
7が居た場所(初期状態)を知ることはできない。この
ため『どの様な状態であっても、必ず「初期位置10
d」を割り出す』動作を本装置が立上がった時点で行う
ように制御される。この動作を「初期位置出し」と呼
ぶ。
【0062】動きとしては、プランジャ16を通電し、
遊星ギア7を公転可能とし遊星ギア7を無条件にFw公
転方向へ突き当たるまで、つまりの領域に持ってい
き、その後にパルス変化をカウントしながら「初期位置
10d」までRv公転させ、プランジャ16とモ−タ1
の通電を止め、そこで遊星ギア7を安定的に止めておく
ことである。この状態はXの領域、詳しくはクラウンス
トッパ10の初期位置10dの位置になるので、そこか
らはフォトカプラ17とパルス板14との組み合わせに
よる「明」,「暗」信号によって、遊星ギア7がX〜
の領域のどこに位置するかが検出できる。
【0063】この時に重要な点としては、遊星ギア7の
公転時に左右両公転規制の突き当て部ともなる、クラウ
ンストッパ10の立曲げ部10cと回転止めア−ム12
の先端12cとの位置が、上述の様に、遊星ギア7がど
の出力ギア9a〜9dとも噛み合わない関係になってい
ることである(図5(a)と図7(a)の状態)。
【0064】「初期位置出し」を行う場合は、 ・本装置の立上がり時に遊星ギア7がX〜までのどの
領域に位置するかが判断できない時 ・後述する「動力伝達先の選択ミス」の時、つまり本装
置の後述の制御回路24が記憶しているはずの遊星ギア
7の位置と実際に遊星ギア7のいる位置とに食い違いが
生じた時等であるので、元々の遊星ギア7の位置がわか
らないために、その後の遊星ギア7の公転位置を検出す
るためにパルス板14とフォトカプラ17を用いて相対
変化による位置検出を行っても、その位置は何等意味を
持たない。
【0065】 そのため、「初期位置出し」前半の動作
としては、プランジャ16の通電後はパルス変化を検出
することなく、つまりFw回転させて、遊星ギア7を
の領域(図5(a)の状態)まで、つまりFw公転で突
き当たるまで公転させている。この時のモ−タ1の回転
時間は遊星ギア7が〜Xへ、又はX〜へ一公転する
のに十分なだけの時間(例えば「500msec 」)をとっ
て、ただモ−タ1を無条件にFw回転させて回転止めア
−ム12の先端12cをクラウンストッパ10の立曲げ
10cに突き当てているだけである。但し、後述する
「抜けの動作」にもあるように、条件によっては遊星ギ
ア7はRv公転を最初に行わないと自由に公転出来ない
ケ−スがあるので、場合によってはまず上記の様な一定
時間モ−タ1をRv回転させて遊星ギア7をXの位置
(図7(a)の状態)までRv公転させた後に、Fw公
転させて遊星ギア7をの領域で突き当てている。
【0066】この状態になれば、遊星ギア7はの領域
に居るものとして考えることができる。この状態以降
は、遊星ギア7の公転位置は従来通りパルス板14とフ
ォトカプラ17とで明暗変化を検出しながら決定してい
く。
【0067】そのため、「初期位置出し」後半の動作と
しては、プランジャ16は前半の状態のまま通電を行
い、モ−タ1はRv回転させ、遊星ギア7をからXの
領域までパルス変化を検出しながら公転させていく。前
半の動作では遊星ギア7は正常にの領域に位置し、且
つ後半の動作では正常にからXの領域まで遊星ギア7
が公転できれば、「暗」から「明」、「明」から「暗」
のパルス変化が各4回検出できる筈である。
【0068】この様に、遊星ギア7の公転の突き当て位
置で、遊星ギア7がどの出力9a〜9dとも噛み合わな
い状態になる様な規制部材(立曲げ部10c)を設け、
そこを公転せずに自転できる中立箇所(ニュ−トラル位
置)としたことによって、遊星ギア7を公転させる時
に、特に公転位置検出ができない場合などはモ−タ1を
一定時間回転させても出力ギア9a〜9dと噛み合うこ
ともなく突き当て位置で自転させることができ、不用意
に動力を伝達する事なく突き当て位置となる中立位置
(ニュ−トラル位置、特にクラウンストッパ10の初期
位置10d)を探すことができる。
【0069】この「初期位置出し」の効果を以下に述べ
る。
【0070】この「初期位置出し」動作には遊星ギア7
が、→→→→→→→→Xへと各領域へ
確実に公転できるかどうかの確認の動作も含まれている
ので、本装置が正常に動くかどうかのチェックの機能を
持っている。つまり、上述の様に遊星ギア7が一公転
(ここではRv公転)できれば、図11の様な「明」か
ら「暗」、「暗」から「明」の各4回のパルス変化を検
出するので、もし、この各4回のパルス変化が検出され
なければ、遊星ギア7が正常に公転できていないことに
なり、動力分割装置の機構不良であることが分かる。
【0071】図19において、ステップ10の「パルス
カウント」からステップ12のところまでで、明暗8回
分のパルス変化があるかどうかをカウントしている。こ
れにより、本装置の作動チェックができる。
【0072】この様に、遊星ギア7の公転位置検出をパ
ルス信号等の相対変化量で行う様な本装置においては、
「初期位置出し」動作によって、遊星ギア7の公転位置
を割り出す際に、モ−タ1を無条件に一方向に一定時間
通電し、突き当て動作を行った後、次で逆方向に通電し
たときに、規定数のパルス信号が出力されているかを検
出することによって、本装置の作動チェックを同時に行
うことができる。
【0073】また、本装置の立上がり時における「初期
位置出し」動作(遊星ギア7が、X〜の間と各領域へ
確実に公転できるか否かのチェックを兼ねた)以外にも
「初期位置出し」動作を行う場合がある。すなわち、詳
細は図17及び図19にて後述するが、動力を伝達して
いる機構25a〜25d(図17参照)にはそれぞれそ
れらの動きをフィ−ドバックする駆動信号26a〜25
d(図17参照)を発生する回路部が備わっているの
で、 ・出力ギア9a〜9dが各機構25a〜25dへ動力を
伝達している時に、その駆動信号26a〜26dが来な
かった場合 ・動力を伝える必要のない機構25a〜25dから駆動
信号26a〜26dが来た場合等の分割先の選択ミスの
様な場合においても、「初期位置出し」を行うことによ
って、再度選択をやり直すことができる。
【0074】 このように「初期位置出し」の動作が必
要な理由は、前述の様に遊星ギア7の公転位置をフォト
カプラ17とパルス板14との組み合わせによる相対変
化量で検出しているためである。本装置に、遊星ギア7
の公転位置を絶対位置で検出し得る様な機構を持たせれ
ば、上記の「初期位置出し」動作は必要なくなるが、そ
れにより本装置をより複雑に、より大きくしなければな
らなくなる。
【0075】 また、この「初期位置出し」動作後は、
遊星ギア7は確実にXの領域、詳しくはクラウンストッ
パ10の立曲げ部10dの領域に位置するため、そこか
らはフォトカプラ17とパルス板14との組み合わせに
よって、明暗信号を検出しながら遊星ギア7がどの出力
ギア9a〜9dと噛み合っているかを判別させれば、確
実な分割動作が可能となる。そのため、どの出力ギア9
a〜9dと噛み合っているかを明暗信号の相対変化のみ
で判別する本実施例においては、各動力分割動作毎に
「初期位置出し」を行い、確実な動力伝達先の選択動作
を行えば、該装置としての信頼性も向上するが、動力伝
達先を変化させる毎に「初期位置出し」を行っていて
は、その動作自体は実際の動力伝達の行為ではなく切換
え動作であるために、一連の動作としては非常に時間が
かかってしまうことになる。
【0076】このため、出力ギア9a〜9dに連続して
動力を伝達する動きではなく、ある程度時間がかかって
も問題ないような動作の場合には、できるだけ「初期位
置出し」動作を行う様にして、該装置としての信頼性を
上げることができる。
【0077】この様に、相対変化量のみで位置検出を行
う装置で、特に「初期位置出し」動作の設定がされてい
るものにおいて、この「初期位置出し」動作が制御全体
に支障を与えない動作部分においては、動力伝達先の変
更毎に積極的に「初期位置出し」動作を行うことによ
り、装置全体の制御の信頼性を向上させることができ
る。
【0078】実際の使用部分としては、後述のカメラの
メイン動作(図18)におけるステップ91のところで
「初期位置出し」を行っている。これは、マニュアルリ
ワインド動作の直前に「初期位置出し」を行っているも
のである。マニュアルリワインド動作自身もある程度時
間のかかる動作であるため、ここに多少の時間追加が入
っても支障がないため、「初期位置出し」を行ってい
る。それ以外にもオ−トロ−ディング(図25のステッ
プ141,147)においても、この動作直前に「初期
位置出し」を行っている。これもマニュアルリワインド
と同様にある程度時間がかかる動作であるため、上記し
た装置全体の制御の信頼性を向上させる為にこの「初期
位置出し」を行っている。
【0079】なお、本実施例装置が備えられたカメラの
「初期位置出し」動作については図19を用いて後述す
る。
【0080】次に、上記「動力分割装置の基本的な動
き」で説明した様に、プランジャ16のON,OFFに
よって回転止めア−ム12の先端12cをクラウンスト
ッパ10の切欠きに入れたり、抜いたり(外したり)し
ているが、そのタイミングをとっているパルス板14の
「明」「暗」信号によってモ−タ1やプランジャ16も
細かな動きを行って、この切欠きに入れたり或は抜いた
りする動作の助けをしている。その「抜けの動作」と
「入りの動作」を以下に説明する。
【0081】先ず、「抜けの動作」について説明する。
【0082】 クラウンストッパ10の上には、その形
状とよく似た形の抜けストッパ11がある。これはクラ
ウンストッパ10にならった形状になっているが、前述
の図4において説明した様にその切欠きの角度の大きさ
が、 ZX になる様に設定されている。これが「抜けの動作」に必
要な条件となる。
【0083】図12の(a)は、図3,図8(a)に示
されている様なL方向から紙面に対して上方向を上とし
て本実施例を見た場合のモデル図である。クラウンスト
ッパ10と抜けストッパ11、そして回転止めア−ム1
2の先端12cの関係を表していて、又回転止めア−ム
12の先端12cがクラウンストッパ10や抜けストッ
パ11の切欠きと噛み合ったり、外れたり時の動きの軌
跡を破線で示している。又、この破線は、回転止めア−
ム12、回転ア−ム5、遊星ギア7等の回転に連動して
回転するパルス板14の明パタ−ン14eや暗パタ−ン
14dをフォトカプラ17が検出する時の信号も同時に
表していて、太破線が「明」信号で遊星ギア7が,
,,のいずれかの領域にあることを、そして細破
線が「暗」信号で遊星ギア7がX,,,,のい
ずれかの領域にあることをそれぞれ示している。また、
図13(a)(b)は上記「抜けの動作」を行う際のモ
−タ1の回転方向、プランジャ16の吸引のタイミン
グ、パルス板14のパタ−ンをフォトカプラ17が検出
した時の「明」「暗」信号の変化を示したタイミングチ
ャ−トであって、前記図12(a)(b)にそれぞれ対
応している。
【0084】図9は遊星ギア7がの領域にあり、出力
ギア9bの「Fw」回転の動力伝達を行っている状態を
示している(図9(b)参照)。この時は遊星ギア7の
「Fw」方向の公転しよとする力は回転止めア−ム12
がクラウンストッパ10の切欠き(端面10a)にかか
っていることで止められている。この状態から出力ギア
9bの動力伝達をやめ、他の出力ギア(9a,9c或は
9d)へ遊星ギア7を公転させようとする場合の作動に
ついて述べると、先ずそのためにはプランジャ16への
通電を開始して回転止めア−ム12の先端12cをクラ
ウンストッパ10の切欠きから外そうとする。しかし、
回転止めア−ム12の先端12cとクラウンストッパ1
0の切欠き(端面10a)の各端面との摩擦によりその
先端12cが上にもち上がらない場合がある。これは、
プランジャ16の吸引後遊星ギア7の「Rv」自転つま
りモ−タ1の「Fw」回転を続けても、又止めても同じ
ことである。
【0085】 つまり、遊星ギア7の「Rv」自転が続
けられていれば、回転止めア−ム12の先端12cとク
ラウンストッパ10の切欠き(端面10a)とは、常に
突当った状態になっているし、遊星ギア7の自転、つま
りモ−タ1の回転を止めても、ギア列のバックラッシュ
が無い状態で歯や歯面に発生するテンションが生じてい
るため、回転止めア−ム12の先端12cはクラウンス
トッパの切欠き部10aに片寄せ付勢されている状態に
なっているからである。
【0086】 従って、プランジャ16の吸引後、一旦
モ−タ1を逆回転「Rv」させてバックラッシュが無い
状態で歯や歯面に発生するテンションを取り除き、回転
止めア−ム12の先端12cとクラウンストッパ10の
切欠き(端面10a)の摩擦をとり、摩擦がなくなった
ら、クラウンストッパ10の切欠き(端面10a)から
外れる様にしなければならない。しかし、その摩擦力も
大小差があり、回転止めア−ム12をもち上げようとす
るト−ションバネ13bの強さも、ア−ム用ト−ション
バネ15cやプランジャ16の吸引力等のバネバランス
により一概には強く設定できない。その対策として抜け
ストッパ11を用いる。つまり、該抜けストッパ11に
より、ア−ム15についている突起15eが上り、回転
止めア−ム12を下に押さなくなっても、切欠き(端面
10a)と先端12cとの接触が完全になくなり、摩擦
がなくなるまで、回転止めア−ム12の先端12cが抜
けストッパ11に引っ掛かる様にしてある(図9
(a),図10(a)(b)参照)。
【0087】以上の動きを図12(a)で説明する。
【0088】 前述の通り、図12は図8(a)のL方
向から見た図である。摩擦等の影響により、遊星ギア7
がRv方向に公転開始して初めて回転止めア−ムの先端
12cがクラウンストッパ10から外れる様にする必要
があり、逆に言換えれば遊星ギア7のRv公転が始まる
までは、絶対にクラウンストッパ10から外れない様に
する必要があり、その役目を抜けストッパ11が果す。
そして、その役目を果すためには、前述した様な角度
(ZX)の関係が重要となる。但し、図12にお
いては角度は横方向の幅で表している。
【0089】なお、この装置には回転止めア−ム12の
先端12cがクラウウンストッパ10と抜けストッパ1
1から外れたこと、つまり上にもち上がったことを知る
検出装置はついていない。その役目をパルス板14の
「明」「暗」信号が代って行う。
【0090】つまり、図12(a)と図13(a)にお
いて、クラウンストッパ10と回転止めア−ム12が噛
み合っている時、例えば図10では「明」信号(の領
域)が検出されるが、プランジャ16の吸引の後、ある
間隔をおいてモ−タ1のRv回転が行われ、図中の破線
の軌跡通りに抜けストッパ11の端面11aと11bの
間を通って回転止めア−ム12が外れれば、回転ア−ム
5は「Rv」回転をはじめ、その結果、図中201で示
す「暗」信号(の領域にあるという信号)が検出さ
れ、クラウンストッパ10から外れたことが間接的に分
かる。その信号の後に新たに遊星ギア7の公転させる方
向、つまりは次に動力を伝えなければならない出力ギア
9a〜9dの方向にモ−タ1を回転させる。但し、例え
ば図12(b)の様にクラウンストッパ10と回転止め
ア−ム17との摩擦を取除く方向の回転(「Fw」)と
抜けストッパ11から抜けた後に遊星ギア7の公転する
方向(「Fw」)が同じならばモ−タ1は同一方向の回
転なので、一連の動作としてよいのでモ−タ1を止める
必要はない。
【0091】又、図13(a)(b)に表している様
に、プランジャ16の吸引後、ある時間207をおいて
から、モ−タ1の回転を始めているが、この時間が短す
ぎると、プランジャ16の吸引時間の長さによっては、
ア−ム15の突起15eが上がる前に遊星ギア7が公転
を始めてしまうので、回転止めア−ム12の先端12c
が抜けストッパ11の切欠きの端面11aから端面11
bへ移るだけで、クラウンストッパ10から抜けない場
合がでてくる。この分の余裕を考えたのが吸引と回転開
始の207で示したタイムラグである。
【0092】以上が、ある出力ギア(ここでは9b)へ
の動力伝達を終えてから、次の出力ギア9a,9c或は
9d)へ、遊星ギア7が切換わり始めるまでの「抜けの
動作」の説明である。
【0093】 この様に抜けストッパ11をつけること
によって、本装置のバネバランスやプランジャ16の特
性、そしてクラウンストッパ10、回転止めア−ム12
の部品形状による摩擦力の変化やバックラッシュが無い
状態で歯や歯面に発生するテンションの量等を厳重に管
理する必要がなく、動力伝達後の切換えの動作を確実に
行うことが可能となる。
【0094】次に、希望の出力ギア9a〜9dの所で遊
星ギア7の公転を止めて動力を伝達し始める、つまり回
転止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠きに入
る「入りの動作」について、図14,図15により説明
する。尚、図14,図15は前記図12と図13と同様
の関係にある。
【0095】なお、「入りの動作」においては抜けスト
ッパ11自体は必要ではないが、クラウンストッパ10
の上にあっても「入りの動作」の障害にはならない。
【0096】 例えば図9に示す様にの領域に遊星ギ
ア7を止めようとした時に、の領域の方向からFw公
転で遊星ギア7が公転し、プランジャ16の吸引を止め
ることによって、クラウンストッパ10と回転止めア−
ム12でその公転が止められ、出力ギア9bに動力が伝
達される時の状態を図14(a)(b)は表している。
但し、図14(a)と図14(b)との違いは、の領
域にある出力ギア9bをどちらの回転で回すかである。
図14(a)は遊星ギア7を介して出力ギア9bをRv
回転させようとする際のもので、この時は回転止めア−
ム12の先端12cはクラウンストッパ10の切欠き
(端面10b)で止められる。逆に図14(b)は出力
ギア9bをFw回転させようとする際のもので、この時
は切欠き(端面10a)で止められる。この様に「抜け
の動作」同様、この「入りの動作」においてもその入り
方に2通りある。それは以下の理由からである。
【0097】1)遊星ギア7の公転方向とこれから動力
を伝達しようとする出力ギア9a〜9dの回転方向を同
じにしなければならない。
【0098】2)クラウンストッパ10の切欠きに回転
止めア−ム12の先端部12cが入ったかを直接検出す
る装置がない。
【0099】以下、図14(a)及び図15(a)を用
いてこの「入りの動作」について説明する。
【0100】の領域の方向からプランジャ16を吸引
した状態で遊星ギア7をFw公転させると、の領域で
の「暗」信号203からの領域に入り、「明」信号2
08になる。このままプランジャ16の吸引を続け、遊
星ギア7のFw公転を続けると、の領域からも外れ、
の領域を示す「暗」信号202が検出される。その信
号を受け、モ−タ1をRv回転、つまり遊星ギア7のR
v公転を開始する。すると、の領域に入ったことが分
かる「明」信号204が検出されるので、その信号によ
ってプランジャ16の吸引を止める。この時の状態は、
回転止めア−ム12の先端12cが抜けストッパ11に
乗っている(図8の状態)。この際、回転止めア−ム1
2と抜けストッパ11とは面当り(205の場所で)を
して、こすれながら回転することになるが、この摩擦力
が遊星ギア7の公転力よりも大きいと、回転ア−ム5や
回転止めア−ム12等の回転も止ってしまう恐れがあ
る。そのため、プランジャ16の吸引を止めるタイミン
グ、言換えるとパルス板14の明パタ−ン14eの角度
の開き量、即ち,,,の領域の広さを以下の様
に決める必要がある。
【0101】 『図6の様にの領域の端に遊星ギア7
があっても、正規の噛み合い位置やギア間隔ではないが
必ず出力ギア9bとは噛み合っている。』 上の様にし
ておけば、遊星ギア7がの領域にあれば、遊星ギア7
はスプリング8bから生じる公転力ではなく、太陽ギア
6や出力ギア9bとの噛み合いによって「自転」しなが
ら「公転」する。これによって、回転止めア−ム12と
抜けストッパ11との面当りによる摩擦に関係なく遊星
ギア7はRv公転する。すると、回転止めア−ム12の
先端12cは確実に抜けストッパ11の切欠き(端面1
1a,11b)の隙間を通り、クラウンストッパ10の
切欠き(端面10b)に止められる。そして、それによ
って遊星ギア7のRv公転が止められると同時に自転の
みが開始されるので、出力ギア9bはRV回転を始め
る。この様に、「遊星ギア7の公転方向(図14(a)
のRv公転)と出力ギア9の希望の回転方向を同じ」に
しておけば、プランジャ16の吸引停止からクラウンス
トッパ10によって公転が止められ、出力ギア9a〜9
dが回転を始めるまで、全てモ−タ1は同一回転であれ
ばよく、の領域からの領域に移った時の「暗」から
「明」への切換わり信号204を検出しておけば、「ク
ラウンストッパ10の切欠きに回転止めア−ム12の先
端12cが入ったか」を間接的ではあるが確実に検出し
たことになる。
【0102】又、図14(b),図15(b)は遊星ギ
ア7の公転方向と出力ギア9a〜9dの回転方向とが同
じ場合の図であるが、これは上述の伝達先の出力ギア9
a〜9bと噛み合ったことを意味する信号204の
「暗」→「明」信号の状態以降と同じ動きをする。その
時の信号は図14(b),図15(b)においては信号
204´となっている。
【0103】以上が「入りの動作」の説明である。
【0104】この様に「入りの動作」の際には、分割先
の出力ギア9a〜9dの動力伝達(回転)方向と、遊星
ギア7の公転方向を同じにしておけば、モ−タ1の回転
方向を変える必要がないので、出力ギア9a〜9dが逆
回転することがなく、伝達先の機構が逆動作をすること
はない。そして分割先選択を確実に行うことができる。
【0105】図17は、図16に示した、図1乃至図1
5により説明した本実施例装置を備えたカメラの、回路
ブロック及び機械的要部の概略を示すものである。
【0106】 図中、21はプランジャ16のON,O
FFを行うプランジャ駆動回路、22はフォトカプラ1
7の出力パルスを検出するパルス信号検出回路、23は
図1等に示したモ−タ1のON,OFF及びRv,Fw
の回転制御を行うモ−タ駆動回路であり、これらは制御
回路24により制御される。9a〜9dは前出の出力ギ
アであり、これらの動力は図16にて説明した様に各ギ
ア列(図中省略、太線で示す)等によって各機構(鏡筒
駆動系やフィルム給送駆動系)25a〜25dへ伝達さ
れ、その駆動信号26a〜26dは前記制御回路24へ
フィ−ドバックされる。また、27は前述したア−ム1
5,回転止めア−ム12,クラウンストッパ10,抜け
ストッパ11等の遊星ギア公転ロック機構である。
【0107】次に、前記制御回路24の動作説明に入る
前に、本装置を有効に利用することで、いくつかの効果
を得ることができるが、この点について説明する。
【0108】 《その1》 鏡筒314の沈胴時、つまりメインスイッチOFFの非
撮影状態の時に、沈胴を行なうヘリコイドギア310が
不用意に回転してしまうと、鏡筒314が飛出す恐れが
ある。そのため、メインスイッチOFFの時は、遊星ギ
ア7はの領域にあって、出力ギア9aと噛み合った状
態にしておく。これによって、モ−タ1が回転しなけれ
ば、鏡筒操出し系のギア列310aも空転せずにあるた
め、鏡筒沈胴時の飛出し防止処置になる。但し、前述の
「抜けの動作」で述べているように、回転止めア−ム1
2の先端12cがクラウンストッパ10の切欠き部のど
ちらの方向(FwかRv)で止められているかがはっき
りしないと、メインスイッチONの時などによって「初
期位置出し」を行う時の「抜けの動作」がうまくいかな
い。そのため、沈胴動作終了後はそのままの状態でギア
などのバックラッシュが無い状態で歯や歯面に発生する
テンションが解除されないように沈胴回転に寄せられて
いるようにしなければならず、沈胴時の鏡筒314は完
全に沈胴方向に突き当てられた状態にしなければならな
い。
【0109】又、メインスイッチOFF時に行われる操
作として、フィルムFの「マニュアルリワインド」があ
り、この時は遊星ギア7は出力ギア9dと噛み合うが、
この時も「マニュアルリワインド」終了時に再びの領
域で待機する時には、「入りの動作」の場合は沈胴を行
うような入り方で遊星ギア7をの領域で止めるように
しなければならない。
【0110】この様に遊星ギア7を任意の一つの出力ギ
ア9a〜9dと噛み合ったままモ−タ1を止めれば、そ
れから先のギア列が空転することはなく、動力伝達先の
機構をロックさせることができ、不要な動きを止められ
る効果がある。
【0111】この処置は、通常撮影時(メインスイッチ
ON時)も同様に行われ、ズ−ム駆動ギア312につな
がる出力ギア9cに遊星ギア7が噛み合ったままにして
おき、ズ−ミング動作はそのままモ−タ1の「Fw」
「Rw」回転だけを行い、そしてレリ−ズ後フィルム巻
上げ時は一旦巻上げ動作の為に遊星ギア7をフィルム給
送駆動系につながる出力ギア9dと噛み合わせ巻上げを
行うが、終了後は再び出力ギア9cと遊星ギア7を噛み
合わせる様にする。この様な動作が必要な理由は、メイ
ンスイッチON時において、カメラの各機構部分で不用
意に触ることができるのは、図16において鏡筒314
とズ−ム鏡筒316であり、且つ触って動いてしまうの
がズ−ム鏡筒316であるからである。この状態では鏡
筒314はバヨネットリング311によって固定されて
いるため動かない。
【0112】これらの2状態のギアロックを行っている
のが、後述する図23の「沈胴繰込み動作」と図30の
「ゼロ位置」のフロ−である。
【0113】この様に、動力伝達終了後に遊星ギア7を
その出力ギア9a〜9dに噛み合わせたままにしておい
たり、任意の出力ギアと組み合わせる事により、噛み合
っている出力ギアの連結先の機構が空回りしないように
することが可能になる。これによって、本装置は単なる
動力伝達を行う装置だけでなく、各種機構の作動ロック
装置とも考えることができる。
【0114】《その2》通常撮影時には、1回のレリ−
ズ毎にフィルム巻上げ後は遊星ギア7を出力ギア9cと
噛み合った状態にさせて、ズ−ム動作以外はレンズ筒3
16を動かさない様にしているが、連続撮影モ−ド時に
はズ−ム動作を行うことがないので、撮影中は遊星ギア
7を出力ギア9dと噛み合ったままにしておき、モ−タ
1の回転と停止の繰返しとする。
【0115】この様に通常制御モ−ドと連続動力伝達モ
−ドとを設けることにより、連続動力伝達モ−ド時に
は、モ−タ1の回転と停止を繰返すだけで、プランジャ
16やフォトカプラ17の余分な動きをやらなくてよい
ことになり、動力伝達動作のみで分割動作の省略化とな
る。
【0116】 《その3》本実施例 は、従来の動力伝達分配機構の様に差動機構を
用いたりして時系列(シ−ケンシャル)的に伝達先を選
ぶのではなく任意に伝達先を選べるので、伝達先の選択
ミス(分割ミス)が発生する可能性もある。分割ミスの
場合には、前述したように図17に示した制御回路24
へフィ−ドバックされる駆動信号26a〜26dによっ
てその状況が分かる。
【0117】 この様に、分割ミスがあった場合に「初
期位置出し」を行い、適切な分割先を選び直すことがで
きる様なル−チンを設けることによって、動力分割機構
の誤動作時の復帰処置とする効果がある。
【0118】但し、この「初期位置出し」を数回行って
も、正常な動きをせずに誤った出力ギア9a〜9dに遊
星ギア7が噛み合う様な場合には、カメラを「不作動」
とする「禁止モ−ド」を設けておく必要がある。
【0119】次に、図17に示した制御回路24の動作
を図18図乃至図31により説明する。
【0120】先ず、カメラの一連の概略動作を図18の
メインフロ−チャ−トにより説明する。 「ステップ70」 電池入れ換え等があった場合には、
全てがリセットされるため、遊星ギア7がどの領域(X
〜)の位置するか分からなくなるため、「初期位置出
し」動作(詳細は図19にて後述する)を行う。 「ステップ71」 メインスイッチがONしているか否
かを判別し、ONしていればステップ72へ進み、メイ
ンスイッチがOFFしていればステップ82へ進む。 「ステップ72」 鏡筒314が繰出されているか否か
を判別し、繰出されて撮影可能状態であればステップ7
3へ進み、鏡筒314が沈胴していればステップ79の
鏡筒繰出し動作へと進む。 「ステップ73」 レリ−ズスイッチがONかOFFか
を判別し、ONであればステップ84以降の露光、巻上
げ動作へと進み、OFFであればステップ74へと進
む。 「ステップ74,75」 TELEスイッチ又はWIDEスイッ
チがONかOFFかを判別し、ONであれば「TELEズ−
ミング」又は「WIDEズ−ミング」動作を行うステップ8
0,81へと進む。また、TELEスイッチ又はWIDEスイッ
チがOFFであった場合はステップ76へ進む。 「ステップ76」 マニュアルリワインドスイッチがO
NかOFFかを判別し、OFFならステップ77へ進
み、ONならステップ91以降の動作へ進む。 「ステップ77」 背蓋開閉が行われたか否かを判別
し、閉じられる動作が行われたことを判別するとそれは
通常フィルム装填動作になるのでステップ78のオ−ト
ロ−ディング動作へ進み、そうでなければステップ71
へ戻る。 「ステップ78」 ここではオ−トロ−ディング動作を
行う(詳細は図25で後述する)。 「ステップ79」 ここでは鏡筒繰出し動作を行う(詳
細は図23で後述する)。 「ステップ80」 ここではTELEズ−ミング動作を行う
(詳細は図26で後述する)。 「ステップ81」 ここではWIDEズ−ミング動作を行う
(詳細は図27で後述する)。 「ステップ82」 ステップ71でメインスイッチがO
FFであったので、ここでは鏡筒314が沈胴している
か否かを判別する。その結果、沈胴していなければステ
ップ83の沈胴動作へ進む。既に沈胴していれば通常の
メインスイッチOFF状態であるので先のステップ76
へと進む。 「ステップ83」 ここでは鏡筒繰込み動作を行う(詳
細は図24で後述する)。 「ステップ84,85」 通常の「露光」、フィルムF
の「巻上げ」動作を行う。なお、「巻上げ」動作の詳細
については図28で後述する。 「ステップ86」 フィルムFを巻上げきってフィルム
突っ張り状態になっているか否かを判別し、なっていれ
ばステップ91へ、通常に巻上げられればステップ87
へ、それぞれ進む。 「ステップ87」 連写モ−ドスイッチがONかOFF
を判別し、OFFならば1駒撮影モ−ドなのでステップ
89へ、連写モ−ドならばステップ88へ、それぞれ進
む。 「ステップ88」 レリ−ズスイッチのONが継続され
ているか否かを判別し、ONされたままであれば連写を
続けるためにステップ71へ戻り、前記と同様の撮影動
作を繰返す。又レリ−ズスイッチがOFFになればそこ
で連写を一旦止めるので、1駒撮影と同様にステップ8
9へ進む。 「ステップ89」 撮影動作やズ−ミング、マニュアル
リワイド等のカメラがON時の撮影動作終了後、遊星ギ
ア7を鏡筒駆動系のギア列312に噛み合わせておい
て、ズ−ム鏡筒316の動きをロックさせる、図30に
て詳述する「ゼロ位置」動作へと進む。 「ステップ90」 レリ−ズスイッチがOFFか否かを
判別し、OFFになるまでこのステップにとどまる。
【0121】 次に、「初期位置出し」動作について図
19を用いて説明する。「ステップ1」 図18のステ
ップ70,91、或は図25のステップ141,147
において、このサブル−チンへとジャンプし、ステップ
2以降の「初期位置出し」動作を開始する。「ステップ
2」 プランジャ駆動回路21を介してプランジャ16
をON(駆動)する。この際、回転止めア−ム12はク
ラウンストッパ10からはまだ外れず、抜けストッパ1
1の「ひさし」部分に止められている(図10の状
態)。「ステップ3」 ギアのバックラッシュが無い状
態で歯や歯面に発生するテンションを取除き、回転止め
アーム12を抜けストッパ11から外すために、「初期
位置出し」直前のモ−タ1の回転とは逆の回転をさせる
(詳細は図20にて後述する)。「ステップ4〜7」
遊星ギア7をの領域まで公転させ、回転止めア−ム1
2の先端12cをクラウンストッパ10の立曲げ部10
cに突き当てる(図5の状態)。
【0122】このステップの中では遊星ギア7の公転位
置をパルス板14によって検出することはしていない。
遊星ギア7がからXの領域へ、またはXからの領域
へ一公転するのに十分なだけの時間(ここでは「500mse
c 」としている)をとって、ただモ−タ1を無条件に回
転させて回転止めア−ム12の先端12cをクラウンス
トッパ10の立曲げ部10cに突き当てているだけであ
る。これによって、遊星ギア7は直接の領域へ行く
か、又は抜ける方向によっては一旦Xの領域へ行った
後、の領域に行く様になっている。 「ステップ8」 遊星ギア7がの領域に位置するの
で、レジスタnに「8」を代入する。但し、ここではパ
ルスをカウントしての領域に位置させているわけでは
なく、モ−タ1を無条件に回転させて、遊星ギア7が
に領域に位置しているであろうと仮定しているのみであ
る。もし、実際に遊星ギア7がの領域に位置していな
ければ、それは回転ア−ム5等の回転不良であり、動力
分割装置の作動不良である。 「ステップ9」 モ−タ1をRv回転させ、の領域か
らXの領域(初期位置10d)への公転を開始する。 「ステップ10」 このステップではパルス変化を検出
する。つまり、の領域からXの領域へ公転が進み、明
→暗、暗→明のパルス変化がある毎にレジスタnの値を
「−1」する。「n=0」になり、遊星ギア7がXの領
域に入ったか、又は一定時間パルス変化がなければ、ス
テップ11へ進む。ここの動作の詳細は図21により後
述する。 「ステップ11」 ここでは回転止めア−ム12の先端
12cがクラウンストッパ10の端面10eと立曲げ部
10cの間に入ったとして、プランジャ6及びモ−タ1
の駆動を停止する。 「ステップ12」 このステップで「初期位置出し」が
正常に行われたか否かを判別する。この結果、正常に
の領域からXの領域へ遊星ギア7が公転してパルスが変
化していけば、8回のパルス変化があるので、この時点
でレジスタnの値は「0」になっている。しかし、何ら
かの理由で遊星ギア7の公転が妨げられた場合には、
「n≧1」(n≠0)になっている。「n=0」であれ
ばステップ13へ、「n≠0」であればステップ14
へ、それぞれ進む。 「ステップ13」 「初期位置出し」が正常に行われた
ので、遊星ギア7はX、詳しくは初期位置10dの領域
に位置する。そのため、遊星ギア7の位置する領域(ポ
ジション)P0は「0」となる。 「ステップ14」 「初期位置出し」が正常に行われな
かったので、遊星ギア7が正常に公転できなかったとみ
なし、禁止モ−ドに入る。 「ステップ15」 このサブル−チンを終了し、本ル−
チンヘリタ−ンする。
【0123】次に、「モ−タ逆方向通電」動作について
図20を用いて説明する。 「ステップ20」 図19のステップ3、図22のステ
ップ39において、このサブル−チンへとジャンプし、
ステップ21以降の「モ−タ逆方向通電」動作を開始す
る。 「ステップ21,22,24」 モ−タ1の現在の又は
モ−タ1が停止している時はその直前の、回転方向を判
別し、この回転方向とは逆の方向に該モ−タ1を回転さ
せる。 「ステップ23,25」 その新たな回転方向を現在の
回転方向として記憶する。 「ステップ26,27」 このサブル−チンを終了し、
本ル−チンヘリタ−ンする。
【0124】次に、「パルスカウント」動作について図
21を用いて説明する。 「ステップ61」 図19のステップ10、図22のス
テップ41,46,50,54において、このサブル−
チンへとジャンプし、ステップ62以降の「パルスカウ
ント」動作を開始する。なお、このサブル−チンはパル
スの変化量を数えるフロ−であり、数えるタイミングは
「明→暗」又は「暗→明」どちらでも1カウントする。
初期設定は現状から遊星ギア7が公転していくまでのパ
ルスの変化分「n」が決められる。 「ステップ62」 遊星ギア7の公転が止まる場合、例
えば遊星ギア7がX又はの領域で、それぞれFw又は
Rv公転が図5又は図7の様に止められている場合か、
何らかの障害によって公転が止められた場合等で、パル
スの変化が一定時間以上変化しなくなったかを判別する
ため、パルスが変化する毎にそこからリセットしてタイ
マをスタ−トさせる。 「ステップ63」 パルスの「明→暗」、「暗→明」の
変化を検出する。この変化がなければステップ64へ、
変化があればステップ65へ進む。 「ステップ64」 パルス変化がない場合、一定時間を
越えているか否かを判別する。越えていなければステッ
プ62へ戻り、変化を待つ。越えていればステップ67
へ進む。 「ステップ65,66」 パルス変化があったので、変
化量を示すレジスタnの値を「1」減らす。その結果、
「n=0」になれば必要な量の遊星ギア7の公転が終了
したとして、ステップ67へ進む。 「ステップ67」 このサブル−チンを終了し、本ル−
チンヘリタ−ンする。
【0125】次に、「動力分割」動作について図22を
用いて説明するが、その前にこの説明等において用いる
記号等の説明を図31を用いて行う。
【0126】 図31に示す通り、P0は現在遊星ギア
7が位置するポジション、P1は今から行こうとするポ
ジション、M0は過去のモ−タ1の回転方向、M1は今
から行こうとするポジションでの負荷のモ−タ回転方
向、M2は回転ア−ム5を動かす方向である。また、駆
動動作と分割位置とモ−タ1の回転方向との関係は図示
の通りである。「ステップ30」 図23のステップ1
02,108、図24のステップ125,128などに
おいて、このサブル−チンへとジャンプし、ステップ3
1以降の「動力分割」動作を開始する。なお、この動作
スタ−ト時には、これから動力を伝えようとする出力ギ
ア9a〜9dのポジションP1とその回転方向M1の入
力がある。但し、出力ギア9a,9b,9c,9dは
,,,のポジションに対応している。「ステッ
プ31,ステップ31´」 今、遊星ギア7の噛み合っ
ている出力ギアの位置(P0)と希望先の出力ギアの位
置(P1)が同じか否かを判別し、同じ(P0=P1)
であれば、モ−タ1をそのままM1回転させる。それ以
外はステップ32へ進む。「ステップ32」 遊星ギア
7をどちらの方向へ公転させたらいいかを、つまり「P
1>P0」を判別し、「P1>P0」であればステップ
35へ、そうでなければステップ33へ、それぞれ進
む。「ステップ33〜36」 回転ア−ム5の回転方向
M2(つまりは遊星ギア7の公転方向)を「Rv」か
「Fw」とする。それから希望の出力ギア9a〜9dま
でパルスの変化分が何パルスあるかを計算(「P1−P
0」)し、この値をレジスタNに記憶する。
【0127】 これより「抜けの動作」に入る。「ステ
ップ37」 プランジャ16をONとする。このプラン
ジャ16がONのままでは回転止めア−ム12は抜けス
トッパ11の「ひさし」部分に止められている。「ステ
ップ38」 回転ア−ム5の回転方向M2とクラウンス
トッパ10に対する回転止めア−ム12の突き当て方向
が同じかどうかを「M2=M0」であるか否かにより判
別する。この結果、同じならば前述した様に逆回転させ
バックラッシュが無い状態で歯や歯面に発生するテン
ションを取除いてから抜けさせる必要あるのでステップ
39へと進む。「ステップ39〜42」 モ−タ1を
「抜けの動作」に入る直前の回転方向とは逆に回転さ
せ、回転止めア−ム12が抜けストッパ11から外れた
ことを知らせるパルスの変化(明→暗)を検出する(図
12(a),図13(a)の201)。検出できない場
合はステップ59の禁止モ−ドへと進む。「ステップ4
3」 希望する方向M2とは逆方向へ抜けたので、「明
→暗」のパルスの変化を1回検出しているため、希望す
る出力ギア9a〜9dまでのパルスの変化分を1回分多
く(「N+1」)する。「ステップ44」 希望する出
力ギア9a〜9dへ遊星ギア7の公転を開始させる。
【0128】この段階で「抜けの動作」が終了する。 「ステップ45〜47」 希望の出力ギア9a〜9dの
明パルスの1つ手前の暗パルス部分まで遊星ギア7を公
転させる。その公転がうまくいかずパルス変化が一定時
間なければステップ59へ進む。
【0129】これより「入りの動作」に入る。 「ステップ48」 このフロ−が終了しても、モ−タ1
をそのまま回転させれば、その回転方向で動力が伝達さ
れる。回転ア−ム5が回転してきた方向M2(遊星ギア
7の公転方向)が動力伝達時のモ−タ1の回転方向と同
じか否かを「M1=M2」により判別し、同じならばそ
のままステップ56へ進み、同じでなければステップ4
9へ進む。 「ステップ49〜51」 希望する出力ギア9a〜9d
を遊星ギア7が一旦通りすぎてUタ−ンしてから伝達開
始するフロ−の最初の部分で、希望する出力ギア9a〜
9dと噛み合っている明信号から、噛み合いが外れたこ
とを知らせる暗信号(図14(a),図15(a)の2
02)が検出されることを確認する。検出されなければ
ステップ59へ進み、検出されなければステップ52へ
進む。 「ステップ52〜55」 Uタ−ンを開始する。モ−タ
1を動力伝達方向へ回転させる。これにより、希望の出
力ギア9a〜9dと遊星ギア7が噛み合ったことを知ら
せる「暗→明」信号(図14(a),図15(a)の2
04と図14(b),図15(b)の204´)が検出
されることを確認する。検出されなければステップ59
へ進み、検出されなければステップ56へ進む。 「ステップ56」 プランジャ16をOFFにする。こ
れより、図8にて説明した様に回転止めア−ム12の先
端12cは抜けストッパ11の上をすべりながらクラウ
ンストッパ10の切欠きに入り、遊星ギア7の公転が止
められ、自転のみになり、動力伝達開始となる。
【0130】この段階で「入りの動作」が終了する。 「ステップ57」 現在の遊星ギア7のいるポジション
P0とモ−タ1の回転方向M0を記憶しておく。 「ステップ58」 このサブル−チンを終了し、本ル−
チンヘリタ−ンする。 「ステップ59」 ここではプランジャ16及びモ−タ
1をOFFにする。 「ステップ60」 カメラを「不作動」とする禁止モ−
ドを設定する。
【0131】次に、「鏡筒繰出し」動作について図23
を用いて説明する。 「ステップ100」 図18のステップ79において、
このサブル−チンへとジャンプし、ステップ101以降
の「鏡筒繰出し」動作を開始する。 「ステップ101,102」 ヘリコイドギア310を
回転させて、鏡筒314を繰出す方向(P1=7,M1
=Fw)に遊星ギア7を公転させて出力ギア9aと噛み
合わせてギア列310aを介して動力を伝える。 「ステップ103」 鏡筒繰出しが完了するまでモ−タ
1を回転させ、完了を検知することによりステップ10
4へと進む。 「ステップ104〜106」 バヨネットリング311
をロック方向に回転させる様に(P1=5,M1=R
v)指定して、出力ギア9bからギア列311aを介し
てバヨネットリング311が鏡筒314を固定するまで
モ−タ1を回転させる。 「ステップ107〜110」 ズ−ムギア312を回転
させ、カムリング315を介してズ−ム鏡筒316をWI
DE端まで繰出す。 「ステップ111」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0132】次に、「鏡筒繰込み」動作について図24
を用いて説明する。 「ステップ120」 図18のステップ83において、
このサブル−チンへとジャンプし、ステップ121以降
の「鏡筒繰込み」動作を開始する。 「ステップ121〜123」 「P1=3,M1=R
v」を指定して遊星ギア7を公転させ、出力ギア9cと
噛み合わせ、ズ−ムギア312を回転させてカムリング
315を介してズ−ム鏡筒316を鏡筒314内に納め
る。 「ステップ124〜126」 「P1=5,M1=F
w」を指定して遊星ギア7を公転させ、出力ギア9bと
噛み合わせ、バヨネットリング311を回転させて鏡筒
314のロックを外す。 「ステップ127〜129」 「P1=7,M1=R
v」を指定して遊星ギア7を公転させ、出力ギア9aと
噛み合わせ、ヘリコイドギア310を回転させて鏡筒3
14を沈胴させる。 「ステップ130」 鏡筒繰込み方向のバックラッシュ
がギア列310aについたままモ−タ1をOFFとす
る。これにより、鏡筒314は不用意に飛び出さない。 「ステップ131」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0133】次に、「オ−トロ−ディング」動作につい
て図25を用いて説明する。 「ステップ140」 図18のステップ78において、
このサブル−チンへとジャンプし、ステップ141以降
の「オ−トロ−ディング」動作を開始する。 「ステップ141」 前述した「初期位置出し」の動作
を行い、遊星ギア7を初期位置に持ってくる。 「ステップ142,143」 「P1=1,M1=R
v」を指定して遊星ギア7を公転させ、出力ギア9dと
噛み合わせ、この出力ギア9dを巻上げ方向に回転させ
る様に遊星ギア7を回転させて動力を伝える。これによ
って通常の遊星ギア機構を成すフィルム給送用の遊星ギ
ア304がフィルム給送用遊星ア−ム309と回転し、
不図示の巻上げギアと噛み合い、スプ−ル305を回転
させる。これにより、フィルムパトロ−ネ313よりの
フィルムFの巻上げが開始される。 「ステップ144〜146」 通常のオ−トロ−ディン
グ動作を行う。 「ステップ147,149」 オ−トロ−ディングがう
まく行かなかった場合のフロ−であり、「初期位置出
し」動作を行い、通常はフィルムFの入れ直しが行われ
るため、背蓋が開かれると次のステップへ進む。 「ステップ148」 オ−トロ−ディング完了時に通る
フロ−で、ギアロックのために「ゼロ位置」動作を行う
(詳細は図30にて後述する)。 「ステップ150」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0134】次に、「TELEズ−ミング」動作について図
26を用いて説明する。 「ステップ180」 図18のステップ80において、
このサブル−チンへとジャンプし、ステップ181以降
の「TELEズ−ミング」動作を開始する。 「ステップ181,182」 「P1=3,M1=F
w」を指定して遊星ギア7を公転させ、出力ギア9cと
噛み合わせ、この出力ギア9cより動力伝達を行ってTE
LE回転させる。 「ステップ183〜185」 ギア列312a、ズ−ム
駆動ギア312を介して通常のTELE動作を行う。 「ステップ186」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0135】次に、「WIDEズ−ミング」動作について図
27を用いて説明する。 「ステップ190」 図18のステップ81において、
このサブル−チンへとジャンプし、ステップ191以降
の「WIDEズ−ミング」動作を開始する。 「ステップ191,192」 「P1=3,M1=R
v」を指定して遊星ギア7を公転させ、出力ギア9cと
噛み合わせ、この出力ギア9cより動力伝達を行ってWI
DE回転させる。 「ステップ193〜195」 「TELEズ−ミング」と同
様、ギア列312a、ズ−ム駆動ギア312を介して通
常のWIDE動作を行う。 「ステップ196」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0136】次に、「巻上げ」動作について図28を用
いて説明する。 「ステップ160」 図18のステップ85において、
このサブル−チンへとジャンプし、フィルムFの「巻上
げ」動作を開始する。 「ステップ161,162」 オ−トロ−ディング同
様、「P1=1,M1=Rv」を指定して遊星ギア7を
公転させ、出力ギア9dと噛み合わせ、この出力ギア9
d及びフィルム給送用の各ギア304,308介してス
プ−ル305を回転させる。 「ステップ163〜165」 通常のフィルムFの巻上
げ動作を行う。 「ステップ166」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0137】次に、「巻戻し」動作について図29を用
いて説明する。 「ステップ170」 図18のステップ92において、
このサブル−チンへとジャンプし、ステップ171以降
のフィルムFの「巻戻し」動作を開始する。 「ステップ171,172」 遊星ギア7の公転させる
位置は巻上げと同様に「P1=1」なので出力ギア9d
と噛み合うが、回転方向が「M1=Fw」なので出力ギ
ア9dもFw回転する。そのため、フィルム給送用遊星
ギア304はフィルム給送用巻上げギア308を回転さ
せ、その後図示せぬフォ−クギアを回転させる。 「ステップ173〜175」 通常のフィルムFの巻戻
し動作を行う。 「ステップ176」 後述する「ゼロ位置」動作を行
う。 「ステップ177」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0138】次に、「ゼロ位置」動作について図30を
用いて説明する。 「ステップ200」 図18のステップ89、図25の
ステップ148、図29のステップ176において、こ
のサブル−チンへとジャンプし、ステップ201以降の
「ゼロ位置」動作を開始する。なお、この「ゼロ位置」
動作とは既に述べた通り、例えばメインスイッチON時
にはズ−ミングの為の出力ギア9cに、又メインスイッ
チOFF時には出力ギア9aに、それぞれ遊星ギア7を
噛み合わせたままにしておき、ズ−ム鏡筒316や鏡筒
314が不用意に動かないようにする為のものである。 「ステップ201」 鏡筒繰込みスイッチがONかOF
Fを判別し、ONであればメインスイッチがOFF状態
であるとしてステップ204へ、又OFFであればメイ
ンスイッチがON状態であるとしてステップ202へ、
それぞれ進む。 「ステップ202,203」 「P1=3,M1=F
w」を指定して遊星ギア7を公転させ、ズ−ム機構と連
結されている出力ギア9cと該遊星ギア7とを噛み合わ
せる。これにより、次の撮影において、直ちにズ−ミン
グ動作を行うことが可能となる。又この動作は、ズ−ム
鏡筒316のロック機能としても作用するため、該ズ−
ム鏡筒316が不用意に押されたとしても、何等支障を
きたすことはない。なお、前記ステップ201からこの
ステップヘ移行するのは、図18のステップ89から本
サブル−チンにジャンプした場合のみである。 「ステップ204〜206」 遊星ギア7と出力ギア9
aとが噛み合った状態において少しだけ沈胴動作をさせ
る。実際には鏡筒314は沈胴しているので動かない
が、ある程度ギア列310a、ヘリコイドギア310を
突っ張らせる(バックラッシュを持たせる)ことによ
り、確実に鏡筒314をロックすることが可能となる。
なお、前記ステップ201からこのステップヘ移行する
のは、図25のステップ148或は図29のステップ1
76から本サブル−チンにジャンプした場合のみであ
る。 「ステップ207」 モ−タ1をOFFする。これによ
って、前述した様にモ−タ1が回転しない限り、ズ−ム
鏡筒316又は鏡筒314は動かない。 「ステップ208」 このサブル−チンを終了し、本ル
−チンへとリタ−ンする。
【0139】本実施例によれば、回転止めア−ム12の
回転軸3の延長上の部分(12d)をア−ム15の突起
15eにより押圧し、その先端12cをクラウンストッ
パ10の切り欠きに入れる様な構成にしている為、前記
回転ア−ム12の回転位置に関係なく、遊星ギア7と選
択される出力ギア9a〜9dを確実にロックさせること
ができる。また、この構成は非常に簡単なものであるた
め、装置の大型化を招くこともなくなる。
【0140】 (発明と実施例の対応) 以上の実施例
において、太陽ギア6が本発明の第1の回転部に、遊星
ギア7が本発明の第2の回転部に、出力ギア9a,9
b,9c又は9dが本発明の動力伝達部に、アーム1
5、回転止めアーム12及びクラウンストッパ10が本
発明の規制手段に、パルス板14、フォトカプラ17及
び図22のステップ45〜47を実行する制御回路24
が本発明の判定手段に、図22のステップ48,56を
実行する制御回路24が本発明の制御手段に、それぞれ
相当する。
【発明の効果】 以上説明したように本発明によれ
ば、確実に動力伝達先に動力を伝達することのできる動
力伝達装置及びカメラを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカメラの動力分割装置
の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示すカメラの動力分割装置
の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すカメラの動力分割装置
の平面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるクラウンストッパ、
抜けストッパ及び回転止めア−ムの形状について説明す
る部分拡大図である。
【図5】本発明の一実施例において遊星ギアがの領域
に位置する状態の平面及び縦断面を示す図である。
【図6】本発明の一実施例において遊星ギアがから
の領域に切り換える際の状態の平面及び縦断面を示す図
である。
【図7】本発明の一実施例において遊星ギアがXの領域
に位置する状態の平面及び縦断面を示す図である。
【図8】本発明の一実施例において遊星ギアがの領域
に入る直前の状態の平面及び縦断面を示す図である。
【図9】本発明の一実施例において遊星ギアがの領域
に位置する状態の平面及び縦断面を示す図である。
【図10】本発明の一実施例において遊星ギアがある領
域から抜け出る直前の状態の平面及び縦断面を示す図で
ある。
【図11】本発明の一実施例において遊星ギアの位置信
号となるパルス波形について説明する図である。
【図12】本発明の一実施例において「抜けの動作」の
説明を助けるための図である。
【図13】図12の動作時のタイミングチャ−トであ
る。
【図14】本発明の一実施例において「入りの動作」の
説明を助けるための図である。
【図15】図14の動作時のタイミングチャ−トであ
る。
【図16】本発明の一実施例装置が組み込まれたカメラ
の機械的概略構成を示す横断面図である。
【図17】本発明の一実施例装置が組み込まれたカメラ
の要部構成を示す回路ブロック図である。
【図18】図17の制御回路24のメイン動作を示すフ
ロ−チャ−トである。
【図19】図17の制御回路24の「初期位置出し」動
作を示すフロ−チャ−トである。
【図20】図17の制御回路24の「モ−タ逆方向通
電」動作を示すフロ−チャ−トである。
【図21】図17の制御回路24の「パルスカウント」
動作を示すフロ−チャ−トである。
【図22】図17の制御回路24の「動力分割」動作を
示すフロ−チャ−トである。
【図23】図17の制御回路24の「沈胴繰出し」動作
を示すフロ−チャ−トである。
【図24】図17の制御回路24の「沈胴繰込み」動作
を示すフロ−チャ−トである。
【図25】図17の制御回路24の「オ−トロ−ディン
グ」動作を示すフロ−チャ−トである。
【図26】図17の制御回路24の「TELEズ−ミング」
動作を示すフロ−チャ−トである。
【図27】図17の制御回路24の「WIDEズ−ミング」
動作を示すフロ−チャ−トである。
【図28】図17の制御回路24の「巻上げ」動作を示
すフロ−チャ−トである。
【図29】図17の制御回路24の「巻戻し」動作を示
すフロ−チャ−トである。
【図30】図17の制御回路24の「ゼロ位置」動作を
示すフロ−チャ−トである。
【図31】図17の制御回路24の各種動作説明におい
て用いる符合や駆動動作、分割位置、モ−タ方向の関係
を示した図である。
【図32】従来の遊星ギア機構の構成を示す縦断面及び
斜視図である。
【図33】図32の主要部の遊星ギア機構及びその動力
伝達先の出力ギアについて示す平面図である。
【符合の説明】
1 モ−タ 5 回転ア−ム 6 太陽ギア 7 遊星ギア 9a〜9d 出力ギア 10 クラウンストッパ 12 回転止めア−ム 15 ア−ム 16 プランジャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 義行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−172127(JP,A) 特開 平1−147532(JP,A) 特開 平1−287648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転により駆動力を伝達する第1の回転
    部と、前記第1の回転部の回転に連動して自転及び該第
    1の回転部の回りを公転する第2の回転部と、前記第2
    の回転部が公転することにより係合して前記第1の回転
    部からの駆動力が伝達される動力伝達部と、前記第2の
    回転部の公転を規制する規制手段と、公転する前記第2
    の回転部の公転位置を判定する判定手段と、前記判定手
    段の判定に応じて前記第2の回転部が前記第1の回転部
    からの駆動力を前記動力伝達部に伝達する公転位置に至
    ることにより前記第2の回転部の公転を規制するように
    前記規制手段を制御する制御手段とを有することを特徴
    とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 回転により駆動力を伝達する第1の回転
    部と、前記第1の回転部の回転に連動して自転及び該第
    1の回転部の回りを公転する第2の回転部と、前記第2
    の回転部が公転することにより係合して前記第1の回転
    部からの駆動力が伝達される動力伝達部と、前記第2の
    回転部の公転を規制する規制手段と、公転する前記第2
    の回転部の公転位置を判定する判定手段と、前記判定手
    段の判定に応じて前記第2の回転部が前記第1の回転部
    からの駆動力を前記動力伝達部に伝達する公転位置に至
    ることにより前記第2の回転部の公転を規制するように
    前記規制手段を制御する制御手段とを有することを特徴
    とするカメラ。
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US09/334,604 US6175694B1 (en) 1991-02-14 1999-06-17 Camera featuring a single drive source and a plurality of selectable drive transmission mechanisms
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