JP2892782B2 - 水素化アモルファスシリコンを用いた電気素子 - Google Patents
水素化アモルファスシリコンを用いた電気素子Info
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- JP2892782B2 JP2892782B2 JP2174743A JP17474390A JP2892782B2 JP 2892782 B2 JP2892782 B2 JP 2892782B2 JP 2174743 A JP2174743 A JP 2174743A JP 17474390 A JP17474390 A JP 17474390A JP 2892782 B2 JP2892782 B2 JP 2892782B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水素化アモルファスシリコンにより構成さ
れた素子が近紫外、可視光、近赤外領域の波長の光を照
射することで電力を発生、または電気抵抗が変化する性
質を利用した、例えば光感知素子において、水素化アモ
ルファスシリコンと金属元素を主体としてなる集電電極
との良好な電気的接続をとる電気素子に関する。
れた素子が近紫外、可視光、近赤外領域の波長の光を照
射することで電力を発生、または電気抵抗が変化する性
質を利用した、例えば光感知素子において、水素化アモ
ルファスシリコンと金属元素を主体としてなる集電電極
との良好な電気的接続をとる電気素子に関する。
従来の技術 従来より水素化アモルファスシリコンを用いた光素子
が数多く提案されている。例えば、アモルファスシリコ
ンホトセンサの構造は、透明基体、透明電極、N−I−
N型水素化アモルファスシリコンまたはP−I−N型水
素化アモルファスシリコン、集電電極を順次積層するこ
とにより構成し、透明電極と集電電極間の電気抵抗の変
化、またはこの部分に発生する起電圧や出力電流の変化
を検出することにより光感知を行なっていた。この構成
では、透明電極を構成する材料としては、金属の酸化物
であるSnO2、In2O3などが用いられる。アモルファスシ
リコンによりホトセンサを構成するとき原理的には透明
電極と集電電極間にI型水素化アモルファスシリコン層
を作成し、透明電極と集電電極間に一定電圧を印加し、
流れる電流の光照射時の変化を測定することにより光検
知を行なうことが出来る。しかしながら、前記透明電極
および集電電極に対してI型水素化アモルファスシリコ
ン単独では良好な電気的接続性を保つことが出来ないこ
とは従来より知られていた(センサ活用技術、(株)工
業調査会発行)。そのため実用上の素子は、I型水素化
アモルファスシリコンと透明電極の間にI型水素化アモ
ルファスシリコンに燐またはホウ素をドープしキャリア
ー密度を大きくすることにより作成したN型またはP型
水素化アモルファスシリコン層を設けたものである。
が数多く提案されている。例えば、アモルファスシリコ
ンホトセンサの構造は、透明基体、透明電極、N−I−
N型水素化アモルファスシリコンまたはP−I−N型水
素化アモルファスシリコン、集電電極を順次積層するこ
とにより構成し、透明電極と集電電極間の電気抵抗の変
化、またはこの部分に発生する起電圧や出力電流の変化
を検出することにより光感知を行なっていた。この構成
では、透明電極を構成する材料としては、金属の酸化物
であるSnO2、In2O3などが用いられる。アモルファスシ
リコンによりホトセンサを構成するとき原理的には透明
電極と集電電極間にI型水素化アモルファスシリコン層
を作成し、透明電極と集電電極間に一定電圧を印加し、
流れる電流の光照射時の変化を測定することにより光検
知を行なうことが出来る。しかしながら、前記透明電極
および集電電極に対してI型水素化アモルファスシリコ
ン単独では良好な電気的接続性を保つことが出来ないこ
とは従来より知られていた(センサ活用技術、(株)工
業調査会発行)。そのため実用上の素子は、I型水素化
アモルファスシリコンと透明電極の間にI型水素化アモ
ルファスシリコンに燐またはホウ素をドープしキャリア
ー密度を大きくすることにより作成したN型またはP型
水素化アモルファスシリコン層を設けたものである。
しかしながら、このような構成の光感知素子は120℃
程度の高温雰囲気中では容易にその性能が劣化するもの
であった。その原因は、シリコンと金属との接合面に於
て金属原子がシリコン中に拡散するいわゆるマイグレー
ションによるものである。
程度の高温雰囲気中では容易にその性能が劣化するもの
であった。その原因は、シリコンと金属との接合面に於
て金属原子がシリコン中に拡散するいわゆるマイグレー
ションによるものである。
この問題点に対し、高温雰囲気でのマイグレーション
を防ぐ手段のひとつとして、ガラス基板/ITO透明電極/N
型水素化アモルファスシリコン/I型水素化アモルファス
シリコン/TiO2/Ptで示される構造を有する素子に見られ
るように、シリコンと金属との接合面の中間層に、化学
的に不活性な電気絶縁層を設け、これにより金属のシリ
コン層への拡散を阻止する作成法が提案されている。
を防ぐ手段のひとつとして、ガラス基板/ITO透明電極/N
型水素化アモルファスシリコン/I型水素化アモルファス
シリコン/TiO2/Ptで示される構造を有する素子に見られ
るように、シリコンと金属との接合面の中間層に、化学
的に不活性な電気絶縁層を設け、これにより金属のシリ
コン層への拡散を阻止する作成法が提案されている。
発明が解決しようとする課題 このような従来の構成の素子では、TiO2がPtのアモル
ファスシリコン中への熱拡散を阻止する化学的に不活性
な電気絶縁層として用いられているが、その膜厚は、Pt
よりなる集電電極とシリコン層との電気的接続性を保つ
ために、電子が量子力学的なトンネル効果で通り抜けら
れるだけ薄いものでなければならない。しかし、あまり
薄すぎると前述のPtのシリコン層への拡散を防ぐことが
できなくなる。つまり、このような構造を有する素子に
おいて、集電電極とシリコン層との良好な電気的接続性
と高温安定性とは、相矛盾する要因となっていた。また
同時に集電電極に用いられる金属材料は、Pt、Au、Pdな
どの仕事関数の大きいものである必要があり、安価なAl
を使用することができず、コスト高になるという問題が
あった。本発明はこのような課題を解決するもので、集
電電極とシリコン層とに良好な電気的接続を有し、素子
の高温安定性を保つ、安価な金属材料を集電電極材料と
して用いることができる構成の電気素子を提供すること
を目的とするものである。
ファスシリコン中への熱拡散を阻止する化学的に不活性
な電気絶縁層として用いられているが、その膜厚は、Pt
よりなる集電電極とシリコン層との電気的接続性を保つ
ために、電子が量子力学的なトンネル効果で通り抜けら
れるだけ薄いものでなければならない。しかし、あまり
薄すぎると前述のPtのシリコン層への拡散を防ぐことが
できなくなる。つまり、このような構造を有する素子に
おいて、集電電極とシリコン層との良好な電気的接続性
と高温安定性とは、相矛盾する要因となっていた。また
同時に集電電極に用いられる金属材料は、Pt、Au、Pdな
どの仕事関数の大きいものである必要があり、安価なAl
を使用することができず、コスト高になるという問題が
あった。本発明はこのような課題を解決するもので、集
電電極とシリコン層とに良好な電気的接続を有し、素子
の高温安定性を保つ、安価な金属材料を集電電極材料と
して用いることができる構成の電気素子を提供すること
を目的とするものである。
課題を解決するための手段 この課題を解決するために、本発明は、少なくとも水
素化アモルファスシリコンと、金属元素を主体としてな
る集電電極とを備えた素子にあって、前記集電電極は、
前記水素化アモルファスシリコンの表面を水洗し、水洗
した面を酸素を含有する気体雰囲気中において加熱酸化
することにより作成される化学的不活性層としての水素
化アモルファスシリコンの加熱酸化層に、接合される水
素化アモルファスシリコンを用いた電気素子に特徴を有
するものである。
素化アモルファスシリコンと、金属元素を主体としてな
る集電電極とを備えた素子にあって、前記集電電極は、
前記水素化アモルファスシリコンの表面を水洗し、水洗
した面を酸素を含有する気体雰囲気中において加熱酸化
することにより作成される化学的不活性層としての水素
化アモルファスシリコンの加熱酸化層に、接合される水
素化アモルファスシリコンを用いた電気素子に特徴を有
するものである。
作用 本発明により、水素化アモルファスシリコンと金属電
極とは直接接触することはなく、金属原子のマイグレー
ションによる素子の性能劣化を防ぐことができる。また
従来、水素化アモルファスシリコンと金属との接合面の
中間層に充分な厚みを有する化学的に不活性な層を設け
ると、その部分では良好な電気的接続を保つことが困難
とされてきたが、水素化アモルファスシリコンの表面を
水洗後、空気中で熱酸化し、これに金属電極を接合する
ことにより、アルミニウムのみならず多くの金属や合
金、あるいは非金属である酸素や窒素、炭素を含有する
金属材料でさえ、前述の水素化水素化アモルファスシリ
コンの酸化物層を介して水素化アモルファスシリコン面
と良好な電気的接続を保つことができることが判明し
た。
極とは直接接触することはなく、金属原子のマイグレー
ションによる素子の性能劣化を防ぐことができる。また
従来、水素化アモルファスシリコンと金属との接合面の
中間層に充分な厚みを有する化学的に不活性な層を設け
ると、その部分では良好な電気的接続を保つことが困難
とされてきたが、水素化アモルファスシリコンの表面を
水洗後、空気中で熱酸化し、これに金属電極を接合する
ことにより、アルミニウムのみならず多くの金属や合
金、あるいは非金属である酸素や窒素、炭素を含有する
金属材料でさえ、前述の水素化水素化アモルファスシリ
コンの酸化物層を介して水素化アモルファスシリコン面
と良好な電気的接続を保つことができることが判明し
た。
またこの性質を利用し、電極を構成する材料として、
例えばSUSなどの耐水腐食安定性に優れた材料を選択す
ることにより、上記の高温劣化の課題に加えて高湿度劣
化の課題を解決することができた。さらに、あらかじめ
集電電極を構成する金属材料にある程度の量の炭素、窒
素、酸素を含有させておくと、上記のマイグレーション
反応を引き起こすのに必要なエネルギーが、金属単体の
ものよりも大きくなるため、素子の熱的安定性が向上す
ることとなる。
例えばSUSなどの耐水腐食安定性に優れた材料を選択す
ることにより、上記の高温劣化の課題に加えて高湿度劣
化の課題を解決することができた。さらに、あらかじめ
集電電極を構成する金属材料にある程度の量の炭素、窒
素、酸素を含有させておくと、上記のマイグレーション
反応を引き起こすのに必要なエネルギーが、金属単体の
ものよりも大きくなるため、素子の熱的安定性が向上す
ることとなる。
また、上記の耐熱、耐湿性に優れた利点を利用すると
本素子は高温雰囲気に曝される太陽電池として使用でき
ることは言うまでもない。
本素子は高温雰囲気に曝される太陽電池として使用でき
ることは言うまでもない。
実施例 実施例1 第1図に本発明の一実施例の光検知素子の構成を示
す。大きさ15×15mm、厚さ1.1mmのガラス基板1の上に
酸化インジウムと酸化スズの化合物よりなるITOを大き
さ10×10mm、膜厚0.1μm蒸着し透明電極2とした。つ
ぎに前記透明電極2の上にプラズマCVD法により、P型
水素化アモルファスシリコン層3を11×11mmの大きさで
厚さ400Å形成した。さらに連続して上記プラズマCVD法
によりI型水素化アモルファスシリコン層4を4000Å形
成した。プラズマCVD法によるI型水素化アモルファス
シリコン層の形成は、SiO4、0.5Torr、基板温度220℃、
成膜速度2Å/秒の条件で行ない、また、P型水素化ア
モルファスシリコン膜の形成は、SiH4+B2H6(B2H6/SiH
4=0.003)0.5Torr、基板温度220℃、成膜速度2Å/秒
の条件で行なった。この後、I型水素化アモルファスシ
リコンの表面を水洗、空気中で赤外線ランプを用いて熱
酸化することにより、I型水素化アモルファスシリコン
の酸化物層5を形成した。ひきつづき酸化物層5に真空
加熱蒸着法により3×10-5Torrの空気圧力下、20Å/秒
の蒸着速度で金属アルミニウムからなる集電電極6を9
×9mmの大きさで膜厚2000Å形成した。最後にエポキシ
樹脂からなる封止層7で素子全体を封止し、本実施例の
素子Aとした。なお、ITOよりなるリード端子8は透明
電極2の作成時に同時に作成した。さらに、アルミニウ
ムの集電電極6を形成した直後、2次イオン質量分析装
置を用いて、熱酸化により形成された酸化物層の膜厚を
測定した結果、約100Åであり、また金属アルミニウム
層内に均一に約20原子%の割合で酸素が含まれているこ
とを確認した。
す。大きさ15×15mm、厚さ1.1mmのガラス基板1の上に
酸化インジウムと酸化スズの化合物よりなるITOを大き
さ10×10mm、膜厚0.1μm蒸着し透明電極2とした。つ
ぎに前記透明電極2の上にプラズマCVD法により、P型
水素化アモルファスシリコン層3を11×11mmの大きさで
厚さ400Å形成した。さらに連続して上記プラズマCVD法
によりI型水素化アモルファスシリコン層4を4000Å形
成した。プラズマCVD法によるI型水素化アモルファス
シリコン層の形成は、SiO4、0.5Torr、基板温度220℃、
成膜速度2Å/秒の条件で行ない、また、P型水素化ア
モルファスシリコン膜の形成は、SiH4+B2H6(B2H6/SiH
4=0.003)0.5Torr、基板温度220℃、成膜速度2Å/秒
の条件で行なった。この後、I型水素化アモルファスシ
リコンの表面を水洗、空気中で赤外線ランプを用いて熱
酸化することにより、I型水素化アモルファスシリコン
の酸化物層5を形成した。ひきつづき酸化物層5に真空
加熱蒸着法により3×10-5Torrの空気圧力下、20Å/秒
の蒸着速度で金属アルミニウムからなる集電電極6を9
×9mmの大きさで膜厚2000Å形成した。最後にエポキシ
樹脂からなる封止層7で素子全体を封止し、本実施例の
素子Aとした。なお、ITOよりなるリード端子8は透明
電極2の作成時に同時に作成した。さらに、アルミニウ
ムの集電電極6を形成した直後、2次イオン質量分析装
置を用いて、熱酸化により形成された酸化物層の膜厚を
測定した結果、約100Åであり、また金属アルミニウム
層内に均一に約20原子%の割合で酸素が含まれているこ
とを確認した。
参考例1 金属アルミニウム板上に、P型水素化アモルファスシ
リコン層を作成した後、I型水素化アモルファスシリコ
ン層を作成した、更に前記素子AのI型水素化アモルフ
ァスシリコンの酸化物作成工程と同一の方法で前記水素
化アモルファスシリコン層の表面に水素化アモルファス
シリコンの酸化物層を作成、その後ITOよりなる透明電
極を配置した素子を作成、これを素子Bとする。
リコン層を作成した後、I型水素化アモルファスシリコ
ン層を作成した、更に前記素子AのI型水素化アモルフ
ァスシリコンの酸化物作成工程と同一の方法で前記水素
化アモルファスシリコン層の表面に水素化アモルファス
シリコンの酸化物層を作成、その後ITOよりなる透明電
極を配置した素子を作成、これを素子Bとする。
参考例2 素子Aの作成工程において、I型水素化アモルファス
シリコン層4を作成後、N型水素化アモルファスシリコ
ン層を作成、このN型層の表面を前記同様の方法で酸化
し、N型水素化アモルファスシリコンの酸化物を作成
し、これに素子Aと同一の集電電極を接合した素子を作
成、これを素子Cとした。なお、N型水素化アモルファ
スシリコン層の作成は、プラズマCVD法においてSiH4+P
2H6(P2H6/SiH4=0.003)0.5Torr、基板温度220℃、成
膜速度2Å/秒の条件で行なった。
シリコン層4を作成後、N型水素化アモルファスシリコ
ン層を作成、このN型層の表面を前記同様の方法で酸化
し、N型水素化アモルファスシリコンの酸化物を作成
し、これに素子Aと同一の集電電極を接合した素子を作
成、これを素子Cとした。なお、N型水素化アモルファ
スシリコン層の作成は、プラズマCVD法においてSiH4+P
2H6(P2H6/SiH4=0.003)0.5Torr、基板温度220℃、成
膜速度2Å/秒の条件で行なった。
比較例1 これに対する比較例として、前記素子Aを作成する工
程に於てI型水素化アモルファスシリコン層4を作成
後、約50Åおよび約100Åの膜厚を有するTiO2層をRFス
ッパタ法により形成した素子を作成、これをぞれぞれ比
較例の素子D、Eとする。また比較例の素子D、Eの集
電電極はPtを電子ビーム蒸着法により2000Å形成するこ
とにより作成した。
程に於てI型水素化アモルファスシリコン層4を作成
後、約50Åおよび約100Åの膜厚を有するTiO2層をRFス
ッパタ法により形成した素子を作成、これをぞれぞれ比
較例の素子D、Eとする。また比較例の素子D、Eの集
電電極はPtを電子ビーム蒸着法により2000Å形成するこ
とにより作成した。
このようにして作成した素子A、B、C、D、Eに対
して光感知機能の高温保存による劣化の様子を調べた。
その結果を第2図および第3図に示した。出力特性は、
120℃の高温雰囲気下において、透明電極2を負、集電
電極8を正として1Vの一定電圧を印加したとき流れる電
流値の光照射前後の比(光照射時の電流/暗状態での電
流)を示した。光源には照射強度100μW/cm2、波長550n
mの単色光を用いた。第2図および第3図において、縦
軸は電流比の値、横軸は120℃高温雰囲気中での暴露時
間を示したものである。
して光感知機能の高温保存による劣化の様子を調べた。
その結果を第2図および第3図に示した。出力特性は、
120℃の高温雰囲気下において、透明電極2を負、集電
電極8を正として1Vの一定電圧を印加したとき流れる電
流値の光照射前後の比(光照射時の電流/暗状態での電
流)を示した。光源には照射強度100μW/cm2、波長550n
mの単色光を用いた。第2図および第3図において、縦
軸は電流比の値、横軸は120℃高温雰囲気中での暴露時
間を示したものである。
その結果、第2図に示すように、実施例の素子A、
B、Cは120℃で1000時間経過した時点でも初期から殆
どずれることなく光照射の有無で得られる電流の比は10
3以上を維持しているにもかかわらず、第3図に示すよ
うに比較例の素子Dは、初期からの特性劣化が著しく、
また比較例の素子Eは熱劣化は認められなかったが、光
照射前後の電流比が初期状態から極めて小さく、光検知
素子として使用することができないことがわかった。つ
まり比較例の素子では、熱的なマイグレーションを防ぐ
ため設置した電気絶縁層の膜厚が50Åでは小く、また10
0Åでは良好な電気的接続を取ることができないことを
示す結果となり、このような構造を有する素子の高温雰
囲気中での使用は事実上不可能であった。
B、Cは120℃で1000時間経過した時点でも初期から殆
どずれることなく光照射の有無で得られる電流の比は10
3以上を維持しているにもかかわらず、第3図に示すよ
うに比較例の素子Dは、初期からの特性劣化が著しく、
また比較例の素子Eは熱劣化は認められなかったが、光
照射前後の電流比が初期状態から極めて小さく、光検知
素子として使用することができないことがわかった。つ
まり比較例の素子では、熱的なマイグレーションを防ぐ
ため設置した電気絶縁層の膜厚が50Åでは小く、また10
0Åでは良好な電気的接続を取ることができないことを
示す結果となり、このような構造を有する素子の高温雰
囲気中での使用は事実上不可能であった。
実施例2 実施例1の素子Aでは、集電電極としてアルミニウム
を用いたが、これ以外に様々な金属や合金を用いて素子
を作成した。これらの素子をそれぞれF、G、H、I、
Jとし、これに用いた集電体の材質および金属中に含ま
れる非金属元素の種類および混合量(原子%)を第1表
に示した。第1表において、電極材料名はJIS記号を用
い、また全て、電子ビーム蒸着法により作成した。な
を、前記各素子の構成及び製造方法は、集電電極の材質
以外、実施例1の素子Aと同一のものである。
を用いたが、これ以外に様々な金属や合金を用いて素子
を作成した。これらの素子をそれぞれF、G、H、I、
Jとし、これに用いた集電体の材質および金属中に含ま
れる非金属元素の種類および混合量(原子%)を第1表
に示した。第1表において、電極材料名はJIS記号を用
い、また全て、電子ビーム蒸着法により作成した。な
を、前記各素子の構成及び製造方法は、集電電極の材質
以外、実施例1の素子Aと同一のものである。
このようにして作成した素子に対して実施例2とまっ
たく同一の光感知機能評価を行なった。その結果を第4
図に示した。第4図に示すように、本実施例で示した素
子も実施例1の光素子A、B、Cと同様に、耐高温保存
性能が従来の素子に較べて向上したことがわかった。
たく同一の光感知機能評価を行なった。その結果を第4
図に示した。第4図に示すように、本実施例で示した素
子も実施例1の光素子A、B、Cと同様に、耐高温保存
性能が従来の素子に較べて向上したことがわかった。
発明の効果 以上の実施例の説明からも明らかなように本発明によ
れば、水素化アモルファスシリコン層と金属元素を主体
とする集電電極とを酸化物層を介して接合することによ
り、アルミニウムのような安価な金属電極材料を用いて
も金属原子のマイグレーションが発生せず良好な電気的
接続を保持できた。
れば、水素化アモルファスシリコン層と金属元素を主体
とする集電電極とを酸化物層を介して接合することによ
り、アルミニウムのような安価な金属電極材料を用いて
も金属原子のマイグレーションが発生せず良好な電気的
接続を保持できた。
また、電極構成材料として、例えばSUSなどの耐水腐
食安定性に優れた材料を用いることにより、高温高湿の
環境下での信頼性が向上する。さらに、集電電極材料で
ある金属材料に、あらかじめ、ある程度の量の炭素、窒
素、酸素を含有させておくと、マイグレーション反応を
引きおこすのに必要なエネルギが金属単体よりも大きく
なり、素子の熱的安定性が向上することとなる。
食安定性に優れた材料を用いることにより、高温高湿の
環境下での信頼性が向上する。さらに、集電電極材料で
ある金属材料に、あらかじめ、ある程度の量の炭素、窒
素、酸素を含有させておくと、マイグレーション反応を
引きおこすのに必要なエネルギが金属単体よりも大きく
なり、素子の熱的安定性が向上することとなる。
第1図は本発明の一実施例の素子Aの断面図、第2図は
同素子A、B、Cの高温保存特性図、第3図は比較例の
素子D、Eの高温保存特性図、第4図は本発明の別の実
施例の素子F、G、H、I、Jの高温保存特性図であ
る。 1……ガラス基板、2……透明電極、3……P型水素化
アモルファスシリコン層、4……I型水素化アモルファ
スシリコン層、5……I型水素化アモルファスシリコン
の酸化物層、6……集電電極、7……封止層、8……リ
ード電極。
同素子A、B、Cの高温保存特性図、第3図は比較例の
素子D、Eの高温保存特性図、第4図は本発明の別の実
施例の素子F、G、H、I、Jの高温保存特性図であ
る。 1……ガラス基板、2……透明電極、3……P型水素化
アモルファスシリコン層、4……I型水素化アモルファ
スシリコン層、5……I型水素化アモルファスシリコン
の酸化物層、6……集電電極、7……封止層、8……リ
ード電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−121687(JP,A) 特開 昭54−25187(JP,A) 特開 昭52−72162(JP,A) 特開 昭62−272541(JP,A) JOURNAL OF THE FI ECTROCHEMICAL SOCI ETY,VOL.135,NO.2 P431 −436(1988年2月)
Claims (5)
- 【請求項1】少なくとも水素化アモルファスシリコン
と、酸素を含有する金属材料からなる集電電極とを備え
た素子にあって、前記集電電極は、前記水素化アモルフ
ァスシリコンの表面を水洗し、水洗した面を酸素を含有
する気体雰囲気中において加熱酸化した後、この加熱酸
化層に接合される水素化アモルファスシリコンを用いた
電気素子。 - 【請求項2】前記集電電極は少なくとも5原子%の酸素
を含有する請求項1記載の水素化アモルファスシリコン
を用いた電気素子。 - 【請求項3】前記集電電極は少なくとも金属アルミニウ
ムを有する請求項1記載の水素化アモルファスシリコン
を用いた電気素子。 - 【請求項4】前記集電電極は5乃至30原子%の酸素を含
有する請求項3記載の水素化アモルファスシリコンを用
いた電気素子。 - 【請求項5】前記集電電極は金属アルミニウムと他の金
属との合金であり、前記金属アルミニウムの前記他の金
属に対する原子比が40乃至95である請求項1、2または
3記載の水素化アモルファスシリコンを用いた電気素
子。
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