JP2892719B2 - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は冷蔵庫，エアコンディショナ等に使用される
密閉型電動圧縮機に関するものである。

従来の技術 近年、密閉型電動圧縮機（以下圧縮機という）は高効
率と共に低騒音化が求められている。

以下、図面を参照しながら従来の圧縮機の一例につい
て説明する。第３図，第４図は特開平１−118169号公報
に示されている圧縮機である。

１は密閉容器、２は密閉容器１内に弾性支持された圧
縮要素、３は圧縮要素２の上部に配設された電動要素で
ある。４はシリンダブロック、５はシリンダブロック４
に設けた圧縮室、６はシリンダブロック４に取り付けた
シリンダヘッド、７はシリンダヘッド６に設けた吐出室
である。8c,8dはシリンダブロックに取り付けた吐出マ
フラーである。9c,9dはシリンダブロック４に設けた連
通孔であり、前記吐出室７と前記吐出マフラー8a,8bを
それぞれ連通させている。10は吐出ラインで一端が前記
吐出マフラー8cに連通している。11は密閉容器１に取り
付けられた吐出管で一端が吐出ライン10に連通し、他端
がシステム（図示せず）に連通している。

以上のような構成において、冷凍サイクル（図示せ
ず）より低温低圧の冷媒ガスがシリンダヘッド６内に導
かれた後、圧縮要素２内の圧縮室５に流入し圧縮され、
吐出室７へ吐出される。この吐出された冷媒ガスは連通
孔9c,9dを通りそれぞれ吐出マフラー8c,8d,吐出ライン1
0,吐出管11を通り冷凍サイクル（図示せず）へ導かれる
構造となっている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、圧縮要素２内の
圧縮室６で圧縮された冷媒ガスは２つの等しい孔形，断
面形状，長さを有した連通孔9c,9d,2つの等しい容積の
吐出マフラー8c,8d内に内に放出される。この時、連通
孔9c,吐出マフラー8c,及び連通孔9d,吐出マフラー8dは
それぞれ等しい空間の固有振動数を持つことにより、お
互い共鳴し合い特定周波数の脈動の原因となり、吐出ラ
イン10,吐出管11を振動させ騒音が生じるという課題を
有していた。

本発明は上記課題に鑑み、圧縮された冷媒ガスの脈動
を除去し、特定周波数の発振により振動，騒音を低減す
る圧縮機を提供するものである。

課題を解決するための手段 以上のような課題を解決するために本発明の圧縮機
は、吐出室と２つの吐出マフラーをそれぞれ連通させる
２つの連通孔の孔径，長さの少なくとも１つを異にする
という構成を備えたものである。

作用 本発明は上記した構成により、圧縮された冷媒ガスの
脈動に含まれる特定周波数に対し、２つの連通孔の孔
径，形状，長さを変化させることにより吐出マフラーは
共鳴形消音器となり、特定周波数の脈動を著しく減少さ
せることができ、振動，騒音を低下させることになる。

実 施 例 以下、本発明の一実施例の圧縮機について、図面を参
照しながら説明する。尚、従来例と同一部品は同一符号
を用いて説明し、構成，動作の同じところは省略する。

第１図，第２図において、8a,8bはシリンダブロック
４に取り付けた異なる形状をした吐出マフラーである。
9a,9bはシリンダブロック４に設けた異なる孔径，断面
形状，長さをした連通孔であり、吐出室７と前記吐出マ
フラー8a,8bとそれぞれ連通している。10は吐出ライン
で一端が前記吐出マフラー8aに連通している。

以上のような構成において、冷凍サイクル（図示せ
ず）より低温低圧の冷媒ガスがシリンダヘッド６内に導
かれた後、圧縮要素２内の圧縮室５に流入し圧縮され、
吐出室へ吐出される。この吐出された冷媒ガスは２つの
異なった孔形，断面形状，長さを有した連通孔9a,9b,2
つの異なった容積の吐出マフラー8a,8b内に圧縮ガスが
放出される。この時、連通孔9aと吐出マフラー8a及び連
通孔9bと吐出マフラー8bはそれぞれ異なった空間の固有
振動数を持ち共鳴形消音器となり、特定周波数の脈動が
著しく低下し、吐出ライン，吐出管11を通り冷凍サイク
ル（図示せず）へ導かれる構造となっている。

従って、圧縮された冷媒ガスの脈動を低下させること
により、振動，騒音を低減することができる。

発明の効果 以上のように本発明は、密閉容器内に、圧縮室を形成
するシリンダブロックを構成要素の１つとする圧縮要素
及び電動要素を配設し、前記密閉容器に吐出管を固定
し、前記圧縮要素に吐出室を有するシリンダヘッドを有
し、前記シリンダブロックに２つの吐出マフラーを取り
付け、前記吐出室と前記２つの吐出マフラーとを２つの
連通孔によりそれぞれ連通させ、前記２つの吐出マフラ
ーの１つが前記吐出管に連通していると共に、前記２つ
の連通孔がそれぞれの孔径，断面形状，長さの少なくと
も１つを異ならせしめ、前記２つの吐出マフラーが異な
る容積をしていることにより、圧縮された冷媒ガスの特
定周波数脈動を著しく減少させることができるので、圧
縮機の振動，騒音を低下させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における圧縮機の縦断面図、
第２図は第１図のＡ方向の矢視断面図、第３図は従来の
圧縮機の縦断面図、第４図は第３図のＢ方向矢視断面図
である。 １……密閉容器、２……圧縮要素、３……電動要素、４
……シリンダブロック、５……圧縮室、６……シリンダ
ヘッド、７……吐出室、8a,8b……吐出マフラー、9a,9b
……連通孔、10……吐出ライン、11……吐出管。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】密閉容器内に、圧縮室を形成するシリンダ
   ブロックを構成要素の１つとする圧縮要素及び電動要素
   を配設し、前記密閉容器に吐出管を固定し、前記圧縮要
   素に吐出室を有するシリンダヘッドを有し、前記シリン
   ダブロックに２つの吐出マフラーを取り付け、前記吐出
   室と前記２つの吐出マフラーとを、２つの連通孔により
   それぞれ連通させ、前記２つの吐出マフラーの１つと前
   記吐出管を吐出ラインで連通させると共に、前記２つの
   連通孔のそれぞれの孔径、長さの少なくとも１つを異な
   らしめたことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
2. 【請求項２】２つの吐出マフラーが異なる容積を持って
   なる特許請求の範囲第１項に記載の密閉型電動圧縮機。