JP2892227B2 - マルチディスクプレーヤのローディング機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はマガジン内に上下に重
ねて収納した任意のディスクまたはローデングトレイに
より筐体内に引込まれたディスクを選択して演奏するマ
ルチディスクプレーヤに係わり、特に、そのディスクロ
ーディング機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】マガジンに収納された複数のディスクを
選択して演奏するマルチディスクプレーヤに１枚だけデ
ィスクを筐体内に引込むローディングトレイを付加して
マガジンにないディスクを演奏することが可能なディス
クプレーヤが知られている。

【０００３】このような従来のマルチディスクプレーヤ
のローディング機構では、ローディングトレイとディス
クを載置したディスクトレイとを別々の機構により駆動
していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】上記した従来のマル
チディスクプレーヤのローディング機構は、ローディン
グトレイとディスクトレイとに夫々別個の駆動機構を備
えているためモータやギヤ等の部品点数が多く、機構を
小形化することが困難であった。

【０００５】この発明は上記した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、ローディングト
レイとディスクトレイとを１つの駆動機構により駆動す
るマルチディスクプレーヤのローディング機構を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明のマルチディス
クプレーヤのローディング機構は、筐体に出入自在に支
持されたローディングトレイまたはマガジンのいずれか
に収納された任意のディスクトレイをローディングアー
ムによりローディングシャーシ内に引出しローディング
シャーシを下降させて前記ディスクトレイに載置してい
るディスクを演奏するマルチディスクプレーヤにおい
て、駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を切り替える切
り替え手段とを備え、前記切り替え手段により前記駆動
力を前記ローディングアームまたは前記ローディングト
レイに伝達するようローディングシャーシ昇降板を前記
切り替え手段に係合させたものである。

【０００７】

【作用】駆動太陽歯車、従動内歯歯車およびキャリアを
同軸に設け、キャリアに回転自在に支持された遊星歯車
を駆動太陽歯車と従動内歯歯車の内歯と噛合わせたいわ
ゆる遊星歯車機構では駆動太陽歯車の回転が従動内歯歯
車またはキャリアに伝えられる。

【０００８】これらの従動内歯歯車およびキャリアによ
りローディングアームおよびローディングトレイを駆動
することにより駆動太陽歯車を駆動源としてローディン
グアームおよびローディングトレイの一方を選択して駆
動することができる。

【０００９】すなわち、従動内歯歯車を係止すればキャ
リアが回転し、キャリアを係止すれば従動内歯歯車が回
転する。従動内歯歯車またはキャリアを係止するスライ
ダをローディングシャーシ昇降板により駆動するように
すれば、ローディングシャーシがマガジン内の各デイス
クトレイの高さにあるときにローディングアームにより
デイスクトレイをマガジンとローディングシャーシとの
間を搬送するようにローディングアームを駆動させ、ロ
ーディングシャーシが演奏位置に下降したときにローデ
ィングトレイを筐体から出入するようにローディングト
レイを駆動させることができる。

【００１０】

【実施例】この発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１はこの発明の実施例であるマルチディスクプレ
ーヤのローディング機構を示す分解斜視図である。図に
おいて、１はマガジンでありディスクトレイ２，２…を
６枚収容する棚を有している。マガジン１はディスク３
を載置したディスクトレイ２を６枚収納し、図示の位置
に装着される。シャーシにはマガジン１を装着するケー
スおよびロック機構が設けられているが図示していな
い。

【００１１】４はマガジン１にないディスクを１枚だけ
演奏するときに用いられるローディングトレイであり、
ディスクを１枚だけ収納可能で、図示の筐体内の位置と
筐体から突出した位置との間を図２に示す駆動機構によ
り駆動される。

【００１２】ローディングシャーシ上板６ａにローディ
ングシャーシ左ガイド６ｂとローディングシャーシ右ガ
イド６ｃが締着されてローディングシャーシが形成され
ている。このようなローディングシャーシはパンダグラ
フ機構７，７…を介してシャーシに上下動自在に支持さ
れている。

【００１３】ローディングシャーシ左ガイド６ｂにはピ
ン６ｄが立設されており、ピン６ｄはローディングシャ
ーシ昇降板８のカム溝８ａと係合している。ローディン
グシャーシ昇降板８はサイドシャーシ５に前後方向摺動
自在に支持されており、ラック８ｂと噛合う図示してい
ないギヤにより前後方向に送られる。

【００１４】ローディングシャーシ昇降板８の移動によ
りローディングシャーシは上下方向に駆動され、マガジ
ン１の各棚およびローディングトレイ４の棚に対応する
位置がローディングシャーシ昇降板８の孔８ｃ，８ｃ…
をホトインタラプタの光が通過することにより検出され
る。

【００１５】ローディングアーム９はローディングシャ
ーシ左ガイド６ｂのガイド溝と係合しており、ガイド溝
に沿って前後方向移動可能であり、また、ローディング
シャーシと共に上下動可能となっている。ローディング
アーム９の切欠きと係合するロッド１０はサイドシャー
シ５に前後方向移動可能に支持され、それと一体のラッ
ク１０ａと噛合う図２に示す駆動機構により前後方向に
駆動される。

【００１６】ローディングアーム９はさらにディスクト
レイ２の切欠きと係合し、ロッド１０により前後方向に
駆動されることにより、ディスクトレイ２をマガジン１
またはローディングトレイ４からローディングシャーシ
の溝内に引出す。

【００１７】係合片１１はサイドシャーシ５に上下方向
摺動自在に支持され、図示していないコイルばねにより
上方向に付勢されている。係合片１１は通常図示してい
ないストッパに当接しており、その状態で各ディスクト
レイの高さ位置に対応する凹み１１ａ，１１ａ…を有し
ている。ただし、マガジン１の最上段のディスクトレイ
の高さには係合片１１の上方部空間が対応し、ローディ
ングトレイ４のディスクトレイの高さには係合片１１の
下方部空間が対応する。

【００１８】係止片１２はローディングシャーシ左ガイ
ド６ｂに摺動自在に支持され、コイルばねにより付勢さ
れ、通常はローディングシャーシ左ガイド６ｂの段差に
圧接されている。その状態では係止片１２は凹み１１ａ
に突入しておらず、係合片１１はローディングシャーシ
が上下動しても静止している。ローディングアーム９が
ディスクトレイ２をローディングシャーシ内に引出す
と、ローディングアーム９は係止片１２を押して係合片
１１の凹み１１ａに突入させる。

【００１９】次に、ローディングシャーシが演奏位置に
下降すると、ローディングシャーシはディスクトレイ上
のディスクを図示していないスピンドルモータのターン
テーブルに載せ、ローディングシャーシ上板６ａに浮動
支持されているクランパ６ｅがディスクをターンテーブ
ルにクランプして演奏が行われる。

【００２０】演奏が終了してディスクをマガジンに戻す
ときは、ローディングシャーシは上昇し、係合片１１も
共に上昇する。係合片１１はその上昇位置で図示してい
ないマイクロスイッチを作動させローディングシャーシ
の上昇終点が検知される。

【００２１】ローディングシャーシの上昇終点が検知さ
れると、その直後に前記したフォトインタラプタにより
ローディングシャーシ昇降板８の孔８ｃ，８ｃ…を光が
通過することが検出されてローディングシャーシ昇降板
８は停止される。

【００２２】ローディングシャーシ昇降板８が停止した
ときに、ローディングシャーシ内のディスクトレイはマ
ガジン内の元の収容高さにあり、ローディングアーム９
が移動してディスクトレイをマガジン内の元の位置に戻
す。

【００２３】他のディスクを演奏するときは、ローディ
ングアーム９をマガジン内の位置に移動した上記の状態
でローディングシャーシを上下に移動させることによ
り、次に演奏するディスクのディスクトレイと係合させ
て、ディスクをマガジンから引出す。

【００２４】図２に上記ロッド１０とローディングトレ
イ４の駆動機構の詳細が示されている。モータ１６はシ
ャーシに支持されており、その回転軸に設けたウォーム
がシャーシに回転自在に支持されたウォームホイール１
７と噛合っている。ウォームホイール１７と一体に設け
た小歯車はギヤ１８と噛合い、ギヤ１８はさらにシャー
シに回転自在に支持された駆動太陽歯車１９の大歯車と
噛合っている。

【００２５】従動内歯歯車２２とキャリア２０は駆動太
陽歯車１９と同軸に支持されている。なお、キャリア２
０は裏返した状態に示されている。キャリア２０に立設
された軸に回転自在に支持された遊星歯車２１，２１は
駆動太陽歯車１９の小歯車と従動内歯歯車２２の内歯と
噛合っている。すなわち、駆動太陽歯車１９、キャリア
２０、遊星歯車２１および従動内歯歯車２２により遊星
歯車機構が構成されている。

【００２６】従動内歯歯車２２の外歯２２ａはシャーシ
に回転自在に支持されたギヤ２５と噛合い、ギヤ２５は
さらに図１に示すロッド１０と一体に設けたラック１０
ａと噛合っている。

【００２７】一方、キャリア２０の外周に設けた歯車２
０ａはシャーシに回転自在に支持されたギヤ２３の大歯
車と噛合い、ギヤ２３の小歯車はシャーシに回動自在に
支持されたセグメントギヤ２４と噛合っている。なお、
ギヤ２３は裏返した状態に示されている。セグメントギ
ヤ２４と一体のピン２４ａは図１に示すローディングト
レイ４の裏面に設けられた溝４ａと係合している。

【００２８】スライダ１５はシャーシに摺動自在に支持
され、コイルばね２６により図の右上方向に付勢されて
いる。スライダ１５の歯１５ｂおよび１５ｃと突起１５
ａは夫々歯車２０ａ、外歯２２ａおよびスライダ作動部
材１３のカム面１３ａに臨んでいる。

【００２９】スライダ作動部材１３は図１に示すサイド
シャーシ５に摺動自在に支持され、コイルばね１４によ
り付勢されている。スライダ作動部材１３の凸部１３ｂ
はローディングシャーシ昇降板８の段差８ｄの移動路に
ある。

【００３０】ローディングシャーシ昇降板８が前進した
状態すなわちローディングシャーシが下降してプレイ状
態にあるときは、スライダ作動部材１３はローディング
シャーシ昇降板８に押され前進し、スライダ１５はカム
面１３ａに押されて左下方向に移動する。そのとき歯１
５ｃは外歯２２ａを係止し、差動歯車機構はキャリア２
０の歯車２０ａが駆動太陽歯車１９により回転される。
すなわちモータ１６の回転によりローディングトレイ４
が筐体から出入するように駆動される。

【００３１】ローディングシャーシ昇降板８が後退した
状態すなわちローディングシャーシが上昇してマガジン
１のディスクトレイの棚の高さにあるときは、スライダ
作動部材１３はコイルばね１４に引張られて後退し、ス
ライダ１５はコイルばね２６に引張られて右上方向に移
動する。そのとき歯１５ｂはキャリア２０の歯車２０ａ
を係止し、差動歯車機構は従動内歯歯車２２の外歯２２
ａが駆動太陽歯車１９により回転される。すなわちモー
タ１６の回転によりローディングアーム９がデイスクト
レイ２を搬送するように駆動される。

【００３２】このように１つの駆動機構によりローディ
ングアーム９とローディングトレイ４が駆動され、モー
タや歯車等の部品が従来のものより削減される。

【００３３】

【発明の効果】この発明のマルチディスクプレーヤのロ
ーディング機構によれば、ディスクトレイを搬送するロ
ーディングアームと筐体から出入するローディングトレ
イが共通の駆動機構により駆動され、モータや歯車等の
部品点数が削減され、製造コストが安くなり、また、機
構が小型化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例であるマルチディスクプレー
ヤのローディング機構を示す分解斜視図である。

【図２】同実施例の部分を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ マガジン ２ ディスクトレイ ３ ディスク ４ ローディングトレイ ５ サイドシャーシ ６ａ ローディングシャーシ上板 ６ｂ ローディングシャーシ左ガイド ６ｃ ローディングシャーシ右ガイド ６ｅ クランパ ７ パンダグラフ機構 ８ ローディングシャーシ昇降板 ９ ローディングアーム １０ ロッド １１ 係合片 １２ 係止片 １３ スライダ作動部材 １５ スライダ １６ モータ １７ ウォームホイール １８ ギヤ １９ 駆動太陽歯車 ２０ キャリア ２１ 遊星歯車 ２２ 従動内歯歯車 ２３ ギヤ ２４ セグメントギヤ ２５ ギヤ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−122052（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−111548（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G11B 17/26

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筐体に出入自在に支持されたローディン
   グトレイまたはマガジンのいずれかに収納された任意の
   ディスクトレイをローディングアームによりローディン
   グシャーシ内に引出しローディングシャーシを下降させ
   て前記ディスクトレイに載置しているディスクを演奏す
   るマルチディスクプレーヤにおいて、駆動手段と、前記
   駆動手段の駆動力を切り替える切り替え手段とを備え、
   前記切り替え手段により前記駆動力を前記ローディング
   アームまたは前記ローディングトレイに伝達するようロ
   ーディングシャーシ昇降板を前記切り替え手段に係合さ
   せたことを特徴とするマルチディスクプレーヤのローデ
   ィング機構。