JP2892025B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2892025B2
JP2892025B2 JP1018070A JP1807089A JP2892025B2 JP 2892025 B2 JP2892025 B2 JP 2892025B2 JP 1018070 A JP1018070 A JP 1018070A JP 1807089 A JP1807089 A JP 1807089A JP 2892025 B2 JP2892025 B2 JP 2892025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
layer
erasing
recording medium
auxiliary layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1018070A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02196688A (ja
Inventor
草人 廣田
元太郎 大林
雄二 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP1018070A priority Critical patent/JP2892025B2/ja
Publication of JPH02196688A publication Critical patent/JPH02196688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2892025B2 publication Critical patent/JP2892025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光によって情報を記録再生する光ディス
ク、光カードなどの光記録媒体に関する。
[従来技術] 従来、書換え可能な光記録媒体としては、非晶質状
態、結晶状態の光学的に検出可能な2つの状態間の可逆
的変化を利用したものがある。
これらの光記録媒体では、記録時には、結晶状態の記
録層に光を短時間照射する。このとき記録層は部分的に
溶融し、その後、熱拡散により急冷固化することによ
り、非晶マークが形成される。この非晶マークの光線反
射率は、結晶状態より低く、光学的に記録信号として検
出可能である。消去時には、非晶マーク部分に光を照射
し、融点以下に加熱することにより、非晶マークを結晶
化し、もとの状態に戻し消去する。このような光記録媒
体では通常、記録層の変型を防止するため光学的に透明
なSiO2などの変型防止層を記録層に隣接して設け、さら
に、記録時の非晶化を容易にするため高い熱伝導度を持
つAlなどの冷却層を変型防止層に積層して、記録膜の冷
却速度を向上することが一般的に行なわれている(App
l.Phys.Left.,49(9),1986,p502)。
また冷却層を設けたことによる記録感度の低下をさけ
るため、熱伝導率の小さいCrを反射層(冷却層)とした
ものがある(特開昭63−58639)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かかる従来技術による場合次のような
問題があった。
すなわち、前述の構成の光記録媒体の場合、線速度が
高い場合に消去率が低下する問題があり、実用化の大き
な障害になっていた。この原因としては、結晶化速度が
高い線速度領域で不足すること、記録状態の非晶質マー
ク部と結晶状態の部分との光吸収の差により消去光照射
部の到達温度が異なり、消去後の結晶状態に結晶のサイ
ズ、配向に差が発生し、光学的に不均質な状態となるこ
とが考えられる。
本発明は、かかる問題を改善し、結晶化過程の熱的特
性をコントロールすることで消去速度を向上するととも
に、消去時の結晶状態の光学的不均一性を低減し消去率
を実用レベルに向上した光記録媒体を提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、基板上に形成された記録層に光を照射する
ことによって、情報の記録、消去および再生が可能であ
り、情報の記録および消去が、非晶相と結晶相の間の相
変化により行なわれる光記録媒体において、前記光記録
媒体が、少なくとも基板、誘電体層、記録層、誘電体層
および補助層をこの順に有してなり、かつ前記補助層が
光吸収性を備える融点700℃以上の金属であり、かつ前
記補助層を形成する金属の20℃での熱拡散率Kが下記の
式(1)で表わされる範囲にあり、かつ、補助層の単位
面積あたりの熱容量Hが、式(2)で表わされる範囲に
あることを特徴とする光記録媒体に関する。
式(1) 0.07≦K≦0.25 式(2) 15≦H≦25 但し、K=k/(D・C)かつH=D・C・d ここでkは、熱伝導率(cal/(cm・s・℃))、 Dは密度(g/cm3)、Cは比熱(cal/g・℃)、 dは補助層の厚み(nm)である。
本願発明の光記録媒体の基本的層構成を第1図に、従
来の光記録媒体の構成を第2図に示す。第1図は、基板
側から光を入射する場合の構成である。1は基板、2は
誘電体層、3は記録層、4は誘電体層、5は補助層、6
は光の入射方向、7は反射層である。
本発明の光記録媒体の補助層の作用は、次のようなも
のである。説明を簡単にするため、結晶状態の記録層に
非晶マークを形成して記録する場合について説明する
が、非晶状態の記録層に結晶マークを記録しても同様で
あることはもちろんである。
記録時、最初、記録層は結晶状態にある。記録層の光
反射率は高く、また吸収係数も大きいため記録レーザー
パルス光の大部分は、透明な誘電体層を通して記録層で
吸収され、記録層は溶融状態にまで加熱される。パルス
光照射後、記録層のパルス光照射部は、誘電体層2およ
び4への熱拡散により、急速に冷却され非晶化する。こ
のとき、補助層5は、従来の構成例の冷却層7と同様に
誘電体層4から熱を奪うため、補助層が無い場合に比べ
容易に非晶化が可能になる効果を有する。一方、消去時
には、記録時より低いパワーの光ビームを照射する。こ
のとき、非晶質の記録マーク部分は、光透過性が高く、
かつ吸収係数も結晶状態より低いため、照射した光は、
記録層と補助層の両方に吸収される。そのため記録層と
補助層の両方が加熱された状態となる。このとき記録層
は結晶化温度以上に加熱されており結晶化が始まる。従
来の構成例(第2図)あるいは、補助層の無い構成で
は、光ビームの通過時間程度の間しか結晶化に必要な高
温状態を保持できないのに対して、本願発明の構成で
は、補助層5により誘電体層4の記録マークの隣接する
部分が限定的に加熱され、記録マーク部分の記録層と誘
電体層の温度差が小さくなり、その結果、熱の拡散が遅
くなるため、実質的に前述の光ビーム照射期間より長い
時間にわたり結晶化に必要な高温状態を維持することが
できる。そのため、消去に要する消去ビーム照射時間
は、短縮され高速消去が可能になるとともに、従来の構
成の場合に比べ、より完全に結晶化が進んだ状態にな
る。また一方、結晶状態にある記録層の部分に消去光ビ
ームが照射される場合には、結晶状態の記録層の光吸収
率が高いため、補助層に届く光は少なく、補助層はほと
んど加熱されない。この時、記録層の加熱時間は、光ビ
ーム通過時間程度の短い時間となる。誘電体層4は、補
助層により加熱されていないため温度が低く、かつ補助
層の冷却効果も加わるため、記録層は、速やかに熱を奪
われ、結果として穏やかな加熱を受けるにすぎない。そ
のため、このすでに結晶化していた部分の結晶の粗大化
や配向性の変化などは少なくなる。この結果、あらかじ
め非晶質の記録マークの存在した部分との結晶状態の差
異は従来の構成に比べ、少なくなり、消去率が向上する
という効果を生ずる。
このような作用を効果的にするためには、式(1)で
表わされる補助層の熱拡散率K、及び、式(2)で表わ
される補助層の熱容量を適切に選ぶ必要がある。
本発明者らは、種々の熱拡散率Kについて検討した結
果、式(2)の条件下において、式(1)の熱拡散率K
が0.07〜0.25の場合に、良好な冷却特性が得られ、非晶
化マークの記録が高感度かつ明瞭に行なえることを見出
し本発明に到達した。Kが大き過ぎる場合には、記録層
が冷却され過ぎるため、記録層を融点まで加熱すること
が難しくなり、記録感度が低下する。一方、Kが小さ過
ぎる場合には、冷却効果が現れず、非晶マークの形成が
困難になる。
一方、式(2)の単位面積あたりの熱容量の大きさ
は、材料固有の比熱、密度と補助層の厚さの積である。
本発明者らは、種々の金属材料と補助層の厚さについて
検討した結果、式(1)の条件下で式(2)の単位面積
あたりの熱容量Hが15〜25である場合に良好な効果が得
られることを見出した。
式(2)の熱容量が前述の値であれば、消去時の消去
ビームの照射によって、補助層は十分に加熱され、前述
の作用の説明の消去時の結晶化を助ける効果を発現でき
るとともに、記録時の非晶マーク形成が容易になる。こ
のHの値が、小さ過ぎる場合には、消去ビーム照射時に
補助層が誘電体層を加熱するに十分な熱量を貯えること
ができなくなり、結晶化を助ける効果を減じる。また、
非晶マークの記録時に冷却効果が不足する難点を生じ
る。一方、Hが大きすぎる場合には、消去および記録時
の感度が低下し、より多くの光エネルギー照射が必要と
なる欠点を生じる。また、これに伴い記録媒体の記録、
消去繰返しに伴う劣化が著しくしなる。
なお本明細書の記述において、熱伝導率、比熱などの
数値は20℃のバルク状態の値で定義する。
本発明の補助層の材質としては、融点が700℃以上の
金属を使用する。融点が低い場合には、補助層が消去時
の光照射により、溶融、変形してしまう場合がある。ま
た補助層は、当然光吸収性が要求されるため、金属で構
成される必要がある。但し、補助層として金属を主成分
とし、金属酸化物、窒化物などの誘電体を混合すること
ができることは言うまでもない。
補助層の具体的な例としては、Hf、Zr、Nb、Ti、Taな
どの30〜40nm程度の補助層、Vの30nm程度の補助層など
があげられる。また、この他、Zr−Ta−Nbなどのような
合金膜でもよいことが勿論である。以上、具体例を示し
たが特にこれらに限定されるものではない。
特に好ましい補助層としては、光吸収性が高く、かつ
化学的安定性とスパッタ法などでの製膜性に優れること
から、Hfの30〜50nmの膜である。
本発明の記録層の両面には、誘電体層を設ける。この
誘電体層は、記録時に基板が記録層の熱によって変形
し、記録消去特性が劣化することを防止するとともに、
光学距離を調整し、記録層と補助層の干渉効果を利用し
て再生信号のコントラストを改善する効果がある。前記
の誘電体層としては、ZnS、SiO2などの無機薄膜であ
る。特にZnSの薄膜、Si、Ge、Ti、Zr、Teなどの金属の
酸化物薄膜、およびこれらの混合物の膜、さらに、これ
らに金属フッ化物を添加した膜などが耐熱性が高く、熱
伝導率が低いことから好ましい。
特に、消去率(結晶化時)が良好なことから、ZnSとM
gF2やZnSとSiO2の混合膜が好ましい。
誘電体層の厚さとしては、熱変形をさせるためおよそ
50nm以上であり、クラックや剥離がさけるためおよそ30
0nm以下であることが好ましい。
記録、消去時の感度が高くできることから、第1図の
誘電体層2については屈折率をn、記録光波長をλとし
て、λが750nm〜850nmの場合、2λ/(4n)〜λ/(4
n)の厚さであることが好ましい。また、第1図の4の
誘電体層の厚さとしては、5λ/(8n)〜3λ/(8n)
程度が、良好な再生信号コントラストが得られ、かつ本
発明の補助層の効果が高いことから好ましい。
また、これらの場合の屈折率nとしては、1.7〜2.2程
度が好ましい。
本発明の記録層の材質としては、Te−Sb−Ge,Te−Sb
−Pb,Te−Sb−Ge−Pb,Te−Sb−Ge−Au,Te−Sb−Ge−Ag,
Te−Sb−Ge−Ni,Te−Sb−Ge−Pd,Te−Sb−Ge−Se,Te−S
b−Pb−Se,Te−Sb−Sn−Se,Te−Sb−In,In−Seなどの元
素の組合せの合金があげられるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。
記録感度が高く、かつ消去速度が速く、C/Nなどの記
録特性が良好で、また、多数回の記録消去が可能である
ことから好ましい記録層の材質の組成としては、Geが15
〜25原子%、Sbが25〜40原子%、Teが35〜60原子%であ
るTe-Sb−Ge合金の記録層、Geが15〜25原子%、Sbが25
〜40原子%、Teが35〜55原子%、Pbが1〜4原子%のTe
−Sb−Ge−Pb合金の記録層が好ましい。特に、前述の特
性が良好であることから、Geが15〜20原子%、Sbが25〜
35原子%、Teが45〜55原子%、Pbが1〜3原子%のTe−
Sb−Ge−Pb合金の記録層が特に好ましい。
本発明の記録層の厚さとしては、10nm〜100nmであ
る。特に光ディスクとして高い感度を得られ、かつ補助
層の冷却効果、及び結晶化時の加熱効果が特に有効に働
くことから40nm以上70nm以下とすることが好ましい。さ
らに光学的に大きな再生信号のコントラストが得られる
ため良好なC/N比が得られることから、40nm〜60nmとす
ることが好ましい。
本発明における基板としては、プラスチック、ガラス
など従来の記録媒体と同様なものでよい。収束光により
基板側から記録することによってごみの影響を避ける目
的からは、基板として透明材料を用いることが好まし
い。上記のような材料としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、エポキシ樹脂、ポタオレフィン樹脂、ガラスが好ま
しい。更に好ましくは、複屈折が小さいこと、形成が容
易であることから、ポリメチルメタクリレート、ポリカ
ーボネート、エポキシ樹脂である。基板の厚さは、特に
限定するものではないが、10μm以上、5mm以下が、実
用的である。10μm以下では基板側から収束光で記録す
る場合でもごみの影響を受けやすくなり、5mm以上で
は、収束光で記録する場合、対物レンズ開口数を大きく
することが出来なくなりピットサイズが大きくなるため
記録密度を上げることが困難になる。
基板は、フレキシブルなものであっても良いし、リジ
ッドなものであってもよい。フレキシブルな基板は、テ
ープ状、あるいは、円板形もしくは方形のシート状で用
いることが出来る。リジッドな基板は、カード状、ある
いは、円形ディスク状で用いることが出来る。また、必
要に応じて、2枚の基板を用いてエアーサンドイッチ構
造、エアーインシデント構造、密着張り合わせ構造など
とすることも出来る。
本発明の光記録媒体の記録に用いる光としては、レー
ザー光やストロボ光の如き光であり、とりわけ、半導体
レーザーを用いることは、光源が小型でかつ、消費電力
が小さく、変調が容易であることから好ましい。
記録は、結晶状態の記録層をレーザー光照射により非
晶化マークを形成して行なうことができる。また非晶質
状態の記録層にレーザー光照射により結晶化マークを形
成して行なうことも可能である。
また、消去は記録と同様にレーザー光を照射すること
によって、非晶質マークを結晶化するか、結晶化マーク
を非晶化して行うことができる。
結晶状態の記録層にレーザー光照射により非晶化マー
クを形成して記録を行ない、消去をレーザー光照射によ
り非晶化マークを結晶化して行なうことが、記録速度を
高くでき、記録層の変形が起こり難いことから好まし
い。
本発明の誘電体層、記録層、補助層の形成方法は、ス
パッタ法、真空蒸着法などの、通常の真空中での薄膜形
成法である。
特に、スパッタ法は、膜の欠陥が少なく、信頼性の高
い光記録媒体が形成できることから好ましい。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[分析、測定法] 記録層の組成は、ICP発光分析(セイコー電子工業
(株)製FTS−1100型)により確認した。
また、記録信号のキャリア対ノイズ比(c/n比)は、
スペクトラム・アナライザにより測定した。ディスク測
定時の消去パワーは、消去率が最大となるパワーとし
た。また、記録パワーは、パワーを増加させた時に、c/
n比の増加が飽和し始めるパワーとした。
消去率は、記録後の再生信号の強度と消去後の再生信
号の強度の差として定義した。
実施例1 厚さ1.2mm、直径13cm、1.6μmピッチのスパイラル状
グルーブ付きポリカーボネート製基板を毎分30回転で回
転させながら、スパッタ法により記録層、誘電体層、補
助層を形成した。
まず、予め6×10-5Paまで排気した後、6×10-1Paの
Arガス雰囲気中で基板上に130nmのSiO2を20mol%混合し
たZnSの誘電体層をスパッタ法により形成し、さらにT
e、Sb、Te、Ge、Pbを水晶振動膜圧計でモニタしながら
同時スパッタして、Pb3Ge17Sb30Te50(原子%)の元素
組成比の厚さ50nmの記録層を形成した。さらに記録層上
に200nmのSiO2を20mol%混合したZnSの誘電体層を形成
し、この上に40nmのHf層を補助層として形成し本発明の
光記録媒体を構成した。
このHfの熱伝導率kは、0.05cal/(cm・s・℃)、比
熱0.0351cal/g・℃、密度は13.9g/cm3である(図解合金
状態図読本 昭和59年6月30日 オーム社刊)。したが
って本実施例の補助層のKは0.103、Hは19.5である。
この光記録媒体を線速度1.5m/秒で回転させ、基板側
から開口数0.5の対物レンズで集光した波長830nmの半導
体レーザー光を、膜面強度3.3mWの条件で連続照射しな
がらトラック上を3回走査し記録層を結晶化した。この
とき結晶化により記録層の反射率は、初期の2倍に上昇
した。その後、線速度15m/秒の条件で先と同一の光学系
を使用して、周波数4.5MHz、デューティー比50%に変調
した15mWの半導体レーザー光により記録を行なった。
記録後、半導体レーザー光の強度を0.5mWとして記録
部分を走査し、記録の再生を行なったところ記録マーク
部分の反射率が非晶化によって低下し記録が行なわれて
いることが確認できた。この再生信号のc/n比をバンド
幅30kHzの条件で測定したところ、c/n比は、良好なデジ
タル記録が可能な50dBの値が得られた。
さらに記録部分を、線速度15m/秒の条件で10mWの半導
体レーザー光を1回照射したところ記録は消去された。
このときの消去率は30dBであった。前記の結果から約70
nsの消去光ビーム照射で消去可能であることが判る。前
記の記録、消去条件で1000回の記録、消去の繰返し後
も、記録、消去に要するレーザーパワーは、不変であ
り、再生信号のノイズレベルの増加は見られず、c/nも5
0dBと記録特性の劣化はほとんど見られなかった。また
消去率についてもほとんど変化がなく30dBの良好な値が
得られた。
前述の如く記録と消去を同じ線速度で行なえることか
ら、記録パルスを消去レベルのパワーに重ねて、1度の
動作で書換えを行なう1ビームオーバーライト方式でも
記録書換えが可能と推定できる。
また、前述の記録条件で記録した光記録媒体を60℃、
90%相対湿度の恒温恒湿槽に1000時間置き、その後再生
したところc/nの変化は3dB以内でほとんど劣化が見られ
なかった。また、再度記録を行なった場合のc/nは、恒
温恒湿槽に入れる前とほとんど変化がなかった。この結
果から10年以上の媒体寿命があるものと推定できる。
比較例1 実施例1の補助層を200nmのAu層とした他は、実施例
1と同様の光記録媒体を製作した。
このAuの熱伝導率kは、0.71cal/(cm・s・℃)、比
熱0.031cal/g・℃、密度は19.32g/cm3であるしたがって
本比較例の補助層のKは1.18、Hは120である。
この光記録媒体を実施例1と同様に初期化し、その後
線速度15m/秒の条件で先と同一の光学系を使用して、周
波数4.5MHz、デューティー比50%に変調した12mWの半導
体レーザー光により記録を行なった。
この光記録媒体の再生を線速度を15m/秒の条件で行な
ったところ、記録再生信号のc/n比は、50dBであった。
また、この記録部分を線速度15m/秒、8mWの消去条件で
消去した。このときの消去率は22dBであり実用水準の27
dBに遠く及ばないものであった。
実施例2 実施例1の基板を32mm四方の1.2mm厚さのパイレック
スガラス板に替えた他は、実施例1と同様の光記録媒体
を作製した。この記録媒体を静止状態で固定し、実施例
1と同様の光学系を用いて、記録、消去を行なった。記
録パルスは、17mW、100nsec、消去パルスは8mW、100nse
cとした。また、再生は、0.5mWで行なった。この条件で
100万回の記録、消去サイクルを繰り返した後も記録、
消去が可能であり、このときの反射信号の変化率はほと
んど変化が見られず、特性の劣化はなかった。
比較例2 実施例2の補助層を比較例1と同じにした他は実施例
2と同様の光記録媒体を作製した。
この記録媒体を静止状態で固定し、実施例2と同様に
記録、消去を試みた。記録、消去パルスをいずれも100n
sとした条件では、記録、消去のパワーをどの様に選ん
でも、十分な消去状態を実現できなかった。
[発明の効果] 本発明は、光記録媒体の構成を特定の熱的特性を有す
る補助層を備えた特定の構成としたので、以下の効果が
得られた。
(1)消去速度が速い。
(2)消去率c/nが高い。
(3)多回数の記録、消去を繰り返しても動作が安定し
ており、記録感度の低下、再生信号強度の低下およびノ
イズの増大などの記録特性の劣化が少ない。
(4)耐湿熱性、耐酸化性に優れ長寿命である。
(5)低出力の半導体レーザーにより記録、消去可能で
あり感度が高い。
(6)スパッタ法により容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光記録媒体の基本的層構成を説明する
図、第2図は従来の光記録媒体の構成を説明する図であ
る。1は基板、2は変型防止層、3は記録層、4は誘電
体層、5は補助層、6は光の入射方向、7は反射層であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−160037(JP,A) 特開 昭62−222450(JP,A) 特開 昭61−194658(JP,A) 特開 昭63−20742(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された記録層に光を照射する
    ことによって、情報の記録、消去および再生が可能であ
    り、情報の記録および消去が、非晶相と結晶相の間の相
    変化により行なわれる光記録媒体において、前記光記録
    媒体が、少なくとも基板、誘電体層、記録層、誘電体層
    および補助層をこの順に有してなり、かつ前記補助層が
    光吸収性を備えた融点700℃以上の金属であり、かつ前
    記補助層を形成する金属の20℃での熱拡散率Kが下記の
    式(1)で表される範囲にあり、かつ、補助層の単位面
    積あたりの熱容量Hが、式(2)で表される範囲にある
    ことを特徴とする光記録媒体。 式(1) 0.07≦K≦0.25 式(2) 15≦H≦25 ただし、K=k/(D・C)かつH=D・C・d ここで、kは、熱伝導率(cal/(cm・s・℃))、 Dは密度(g/cm3)、Cは比熱(cal/g・℃)、 dは厚み(nm)である。
  2. 【請求項2】補助層がHf、Zr、Nb、Ti、Ta、Vから選ば
    れた金属からなることを特徴とする請求項1に記載の光
    記録媒体。
JP1018070A 1989-01-26 1989-01-26 光記録媒体 Expired - Fee Related JP2892025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1018070A JP2892025B2 (ja) 1989-01-26 1989-01-26 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1018070A JP2892025B2 (ja) 1989-01-26 1989-01-26 光記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02196688A JPH02196688A (ja) 1990-08-03
JP2892025B2 true JP2892025B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=11961405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1018070A Expired - Fee Related JP2892025B2 (ja) 1989-01-26 1989-01-26 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2892025B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60160037A (ja) * 1984-01-31 1985-08-21 Sony Corp 情報記録媒体
JPS61194658A (ja) * 1985-02-22 1986-08-29 Hitachi Ltd 情報記録媒体
JPS62222450A (ja) * 1986-03-25 1987-09-30 Hitachi Ltd 記録媒体
JPH0734271B2 (ja) * 1986-07-11 1995-04-12 松下電器産業株式会社 光記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02196688A (ja) 1990-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2512087B2 (ja) 光記録媒体および光記録方法
JP3011200B2 (ja) 光記録媒体
JP3076412B2 (ja) 光学的情報記録媒体および光学的情報記録再生方法
JPH08153339A (ja) 光ディスク
JP2827202B2 (ja) 光記録媒体
JPH11513166A (ja) 可逆性光情報媒体
JP2892025B2 (ja) 光記録媒体
JPH04360039A (ja) 光記録媒体
JP2629746B2 (ja) 光記録媒体
JP2560153B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH0777040B2 (ja) 光記録媒体
JPH07161071A (ja) 光記録媒体
JPH02112987A (ja) 光記録媒体
JPH07262613A (ja) 光記録媒体
JPH064903A (ja) 光学的情報記録媒体およびその構造設計方法
JP3173177B2 (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JP2972435B2 (ja) 情報光記録媒体とその記録再生方法
JPH0817072A (ja) 光記録媒体
JP2982329B2 (ja) 情報光記録媒体とその記録再生方法
JPH07262607A (ja) 光記録媒体
JP3138514B2 (ja) 情報光記録媒体とその記録再生方法
JP2798247B2 (ja) 光記録媒体
JPS63155439A (ja) 情報記録媒体
JP2867390B2 (ja) 光記録媒体
JP2003331467A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees