JP2891684B2 - 獣舎用床マット - Google Patents
獣舎用床マットInfo
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- JP2891684B2 JP2891684B2 JP9130022A JP13002297A JP2891684B2 JP 2891684 B2 JP2891684 B2 JP 2891684B2 JP 9130022 A JP9130022 A JP 9130022A JP 13002297 A JP13002297 A JP 13002297A JP 2891684 B2 JP2891684 B2 JP 2891684B2
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- Japan
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- floor mat
- water
- repellent
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- Housing For Livestock And Birds (AREA)
- Carpets (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は獣舎用床マットに関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
適度の通気防撥水性(防水性、撥水性、通水性および通
気性)を有し、強靱であって、飼育獣体(例えば家畜体
又は動物園獣体など)に対して清潔、快適性を与え、し
かも、使用後には生分解して、例えば堆肥として利用可
能な獣舎用床マットに関するものである。
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
適度の通気防撥水性(防水性、撥水性、通水性および通
気性)を有し、強靱であって、飼育獣体(例えば家畜体
又は動物園獣体など)に対して清潔、快適性を与え、し
かも、使用後には生分解して、例えば堆肥として利用可
能な獣舎用床マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、獣舎用床マット、例えば、牛舎な
どの牛床マットとして使用される家畜舎用床マットは、
合成繊維フエルト又は不織布(ニードルパンチ不織布)
に、ポリ塩化ビニル樹脂などの疎水性合成樹脂を塗布又
は含浸したものが用いられていた。しかし、合成繊維フ
エルトは、フエルト表面の繊維が脱落しやすく、例えば
牛が舐めたり、蹄により引き掻くことにより、フエルト
表面が次第にすりへり、やがて、欠損部(あなあき)を
生ずるなどの実用上の欠点がある。また、合成繊維不織
布の場合には、合成繊維フエルトの上記欠点が若干緩和
されるものの同様の欠点があった。また合成繊維フエル
ト又は合成繊維不織布に塗布又は含浸される合成樹脂中
の可塑剤などの有害物質が、フエルトや不織布表面にブ
リードし、これを家畜が舐めたり、或は皮膚に付着する
ことにより、生化学的悪影響を受けることがある。
どの牛床マットとして使用される家畜舎用床マットは、
合成繊維フエルト又は不織布(ニードルパンチ不織布)
に、ポリ塩化ビニル樹脂などの疎水性合成樹脂を塗布又
は含浸したものが用いられていた。しかし、合成繊維フ
エルトは、フエルト表面の繊維が脱落しやすく、例えば
牛が舐めたり、蹄により引き掻くことにより、フエルト
表面が次第にすりへり、やがて、欠損部(あなあき)を
生ずるなどの実用上の欠点がある。また、合成繊維不織
布の場合には、合成繊維フエルトの上記欠点が若干緩和
されるものの同様の欠点があった。また合成繊維フエル
ト又は合成繊維不織布に塗布又は含浸される合成樹脂中
の可塑剤などの有害物質が、フエルトや不織布表面にブ
リードし、これを家畜が舐めたり、或は皮膚に付着する
ことにより、生化学的悪影響を受けることがある。
【0003】また従来の合成繊維からなる床マットにお
いては、一般に合成繊維は生分解性に乏しく、容易に生
分解しないため、その廃材を焼却処理することが必要に
なるが、この処理には、高温、煤煙および有毒ガスが発
生するなどの問題がある。
いては、一般に合成繊維は生分解性に乏しく、容易に生
分解しないため、その廃材を焼却処理することが必要に
なるが、この処理には、高温、煤煙および有毒ガスが発
生するなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の獣舎
用床マットの上記問題点を解消し、通気防撥水性(防水
性、撥水性、通水性および通気性)が適度であって、獣
体に対する清潔、快適性を具備し、使用耐久性が高く、
獣体に対して生化学的障害を与える懸念がなく、しかも
使用後は生分解させることができ、このため産業廃棄物
による環境破壊のおそれがない、そして下地に凹凸があ
る場合でもその凹凸を十分吸収して表面平滑性を保持し
得る獣舎用床マットを提供しようとするものである。
用床マットの上記問題点を解消し、通気防撥水性(防水
性、撥水性、通水性および通気性)が適度であって、獣
体に対する清潔、快適性を具備し、使用耐久性が高く、
獣体に対して生化学的障害を与える懸念がなく、しかも
使用後は生分解させることができ、このため産業廃棄物
による環境破壊のおそれがない、そして下地に凹凸があ
る場合でもその凹凸を十分吸収して表面平滑性を保持し
得る獣舎用床マットを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の獣舎用床マット
は、生分解可能な有機繊維を主成分として含む編織布
と、これに塗布又は含浸された防撥水剤とを含む、通気
防撥水性基布を有することを特徴とするものである。上
記本発明の獣舎用床マットにおいて、前記通気防撥水性
基布の裏面側に、生分解可能な有機繊維を主成分として
含む不織布からなる裏打ち層がさらに配置されていても
よい。上記獣舎用床マットにおいて、前記通気防撥水性
基布と、前記裏打ち層とが、互に結合一体化されている
ことが好ましい。上記本発明の獣舎用床マットにおい
て、前記生分解可能な有機繊維は、天然有機繊維および
人造有機繊維から選ばれることが好ましい。上記本発明
の獣舎用床マットにおいて、前記裏打ち層を形成してい
て不織布に、防撥水剤が塗布又は含浸されていることが
好ましい。上記本発明の獣舎用床マットにおいて、前記
通気防撥水性基布が、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤および
防腐剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。また上
記本発明の獣舎用床マットにおいて、前記裏打ち層を形
成している不織布が、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤および
防腐剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。上記本
発明の獣舎用床マットは、折り曲げ後に200〜1,0
00mm水柱の耐水度を示すことが好ましい。本発明の獣
舎用床マットにおいて、前記裏打ち層の下面側に、互に
平行に配列された複数の棒状体からなる基礎層が配置さ
れていてもよい。上記本発明の獣舎用床マットにおい
て、前記基礎層の下に、粗布又はネットが配置され、こ
の粗布又はネットが、前記基礎層の棒状体を包み込ん
で、前記裏打ち層および基布に固着していることが好ま
しい。
は、生分解可能な有機繊維を主成分として含む編織布
と、これに塗布又は含浸された防撥水剤とを含む、通気
防撥水性基布を有することを特徴とするものである。上
記本発明の獣舎用床マットにおいて、前記通気防撥水性
基布の裏面側に、生分解可能な有機繊維を主成分として
含む不織布からなる裏打ち層がさらに配置されていても
よい。上記獣舎用床マットにおいて、前記通気防撥水性
基布と、前記裏打ち層とが、互に結合一体化されている
ことが好ましい。上記本発明の獣舎用床マットにおい
て、前記生分解可能な有機繊維は、天然有機繊維および
人造有機繊維から選ばれることが好ましい。上記本発明
の獣舎用床マットにおいて、前記裏打ち層を形成してい
て不織布に、防撥水剤が塗布又は含浸されていることが
好ましい。上記本発明の獣舎用床マットにおいて、前記
通気防撥水性基布が、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤および
防腐剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。また上
記本発明の獣舎用床マットにおいて、前記裏打ち層を形
成している不織布が、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤および
防腐剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。上記本
発明の獣舎用床マットは、折り曲げ後に200〜1,0
00mm水柱の耐水度を示すことが好ましい。本発明の獣
舎用床マットにおいて、前記裏打ち層の下面側に、互に
平行に配列された複数の棒状体からなる基礎層が配置さ
れていてもよい。上記本発明の獣舎用床マットにおい
て、前記基礎層の下に、粗布又はネットが配置され、こ
の粗布又はネットが、前記基礎層の棒状体を包み込ん
で、前記裏打ち層および基布に固着していることが好ま
しい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の獣舎用床マットは、生分
解可能な有機繊維を主成分として含む編織布と、それに
塗布又は含浸された防撥水剤とを含む通気防撥水性基布
を有するものである。本発明の獣舎用床マットにおい
て、通気防撥水性基布の裏面側に、生分解可能な有機繊
維を主成分として含む不織布からなる裏打ち層がさらに
配置されていてもよい。これら生分解可能な編織および
不織布は、生分解により、その組織、形状を消失し得る
ものである。このような生分解可能な有機繊維は、天然
有機繊維、例えば綿、麻繊維、並びに生分解性有機人造
繊維、すなわち、ビスコースレーヨン、キユプラのよう
な再生セルロース繊維;セルロースジアセテート、セル
ローストリアセテート繊維のような半合成繊維、澱粉な
どのような多糖類や蛋白質を成分とする天然高分子系の
生分解性繊維、脂肪族ポリエステル(例えばポリ乳酸エ
ステル)、ポリアミノ酸、バイオセルロースを成分とす
る微生物産生系や化学合成系、その他の生分解性繊維な
どから選ぶことができる。これらの生分解可能な有機繊
維は無毒性であり獣体に悪影響のないものが使用され
る。
解可能な有機繊維を主成分として含む編織布と、それに
塗布又は含浸された防撥水剤とを含む通気防撥水性基布
を有するものである。本発明の獣舎用床マットにおい
て、通気防撥水性基布の裏面側に、生分解可能な有機繊
維を主成分として含む不織布からなる裏打ち層がさらに
配置されていてもよい。これら生分解可能な編織および
不織布は、生分解により、その組織、形状を消失し得る
ものである。このような生分解可能な有機繊維は、天然
有機繊維、例えば綿、麻繊維、並びに生分解性有機人造
繊維、すなわち、ビスコースレーヨン、キユプラのよう
な再生セルロース繊維;セルロースジアセテート、セル
ローストリアセテート繊維のような半合成繊維、澱粉な
どのような多糖類や蛋白質を成分とする天然高分子系の
生分解性繊維、脂肪族ポリエステル(例えばポリ乳酸エ
ステル)、ポリアミノ酸、バイオセルロースを成分とす
る微生物産生系や化学合成系、その他の生分解性繊維な
どから選ぶことができる。これらの生分解可能な有機繊
維は無毒性であり獣体に悪影響のないものが使用され
る。
【0007】本発明において、通気防撥水性基布に用い
られる生分解可能な有機繊維は単一種で用いられてもよ
く、或は2種以上が混用されていてもよく、またその形
状は短繊維、長繊維、フィルムヤーン、テープヤーン、
或はスプリットヤーンなどのいずれであってもよい。ま
た、生分解性繊維の太さには格別の制限はないが、一般
に0.1〜10デニールのものが用いられ、またそれが
短繊維の場合、その繊維長に格別の限定はないが、一般
に10〜100mmのものが用いられる。
られる生分解可能な有機繊維は単一種で用いられてもよ
く、或は2種以上が混用されていてもよく、またその形
状は短繊維、長繊維、フィルムヤーン、テープヤーン、
或はスプリットヤーンなどのいずれであってもよい。ま
た、生分解性繊維の太さには格別の制限はないが、一般
に0.1〜10デニールのものが用いられ、またそれが
短繊維の場合、その繊維長に格別の限定はないが、一般
に10〜100mmのものが用いられる。
【0008】本発明において、編織布を形成する生分解
可能な繊維は、糸条の形状において用いられるが、この
糸条は、紡績糸、モノフィラメント糸、マルチフィラメ
ント糸およびこれらの複合糸条のいずれであってよく、
またその太さおよび構成に格別の限定はないが、紡績糸
の場合は5〜30番手/単糸又は双糸であることが好ま
しく、モノフィラメント糸の場合は0.01〜1.0mm
φの太さであることが好ましく、マルチフィラメント糸
の場合には10〜5000デニール/10〜1500本
フィラメントであることが好ましい。
可能な繊維は、糸条の形状において用いられるが、この
糸条は、紡績糸、モノフィラメント糸、マルチフィラメ
ント糸およびこれらの複合糸条のいずれであってよく、
またその太さおよび構成に格別の限定はないが、紡績糸
の場合は5〜30番手/単糸又は双糸であることが好ま
しく、モノフィラメント糸の場合は0.01〜1.0mm
φの太さであることが好ましく、マルチフィラメント糸
の場合には10〜5000デニール/10〜1500本
フィラメントであることが好ましい。
【0009】本発明に用いられる編織布の組織、目付、
厚さなどについても格別の限定はなく、その組織は平
織、綾織、経編、ラッセル編のいずれでもよいが、一般
に平織織物であることが好ましく、またその目付は、一
般に100〜1000g/m2程度であることが好まし
い。通常は、綿帆布10号と同程度の組織、目付、厚
さ、および通気防撥水性を有するものを用いることが好
ましい。
厚さなどについても格別の限定はなく、その組織は平
織、綾織、経編、ラッセル編のいずれでもよいが、一般
に平織織物であることが好ましく、またその目付は、一
般に100〜1000g/m2程度であることが好まし
い。通常は、綿帆布10号と同程度の組織、目付、厚
さ、および通気防撥水性を有するものを用いることが好
ましい。
【0010】本発明に用いられる基布は、それが生分解
されたとき、その組織および形状の消失に支障がない範
囲内において少なくとも1種の合成有機繊維、例えば、
ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、又はポリアミ
ド繊維などを含んでいてもよい。しかし、合成有機繊維
の含有量は、50重量%をこえないことが好ましい。こ
のような非生分解性合成有機繊維は、床マットの使用中
はその補強材として有効なものであるが、床マットの使
用済後には生分解可能な有機繊維が生分解して基布の形
状、組織を保持することなく、それ自身は解離分散し得
るように、基布中に混用される。
されたとき、その組織および形状の消失に支障がない範
囲内において少なくとも1種の合成有機繊維、例えば、
ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、又はポリアミ
ド繊維などを含んでいてもよい。しかし、合成有機繊維
の含有量は、50重量%をこえないことが好ましい。こ
のような非生分解性合成有機繊維は、床マットの使用中
はその補強材として有効なものであるが、床マットの使
用済後には生分解可能な有機繊維が生分解して基布の形
状、組織を保持することなく、それ自身は解離分散し得
るように、基布中に混用される。
【0011】本発明の獣舎用床マットにおいて、裏打ち
層用不織布に用いられる生分解可能な有機繊維は、単一
種で用いられてもよく、或は2種以上が混用されていて
もよく、またその形状は短繊維、長繊維、フィルムヤー
ン、テープヤーン、或はスプリットヤーンなどのいずれ
であってもよい。また、生分解性繊維の太さには格別の
制限はないが、一般に0.1〜10デニールのものが用
いられ、またそれが短繊維の場合、その繊維長に格別の
限定はないが、一般に10〜100mmのものが用いられ
る。本発明に用いられる不織布の製造方法、目付などに
格別の限定はなく、例えば乾式法、湿式法、ニードルパ
ンチ法、バインダー固着法、纒絡法、溶融固着法、スパ
ンボンド法などの方法のいずれかにより製造することが
できる。また不織布の目付は、100〜5,000g/
m2 であることが好ましく、300〜3,000g/m
2 であることがより好ましく、さらに、1,000g/
cm2 の荷重下において、3〜20mm程度の厚さを保持で
きるものであることが好ましい。このような性能を有す
る不織布は、床マットが配置される床面に若干の凹凸が
あっても、この凹凸を十分に吸収して、通気防撥水性基
布の表面をほぼ平担に保持することができる。
層用不織布に用いられる生分解可能な有機繊維は、単一
種で用いられてもよく、或は2種以上が混用されていて
もよく、またその形状は短繊維、長繊維、フィルムヤー
ン、テープヤーン、或はスプリットヤーンなどのいずれ
であってもよい。また、生分解性繊維の太さには格別の
制限はないが、一般に0.1〜10デニールのものが用
いられ、またそれが短繊維の場合、その繊維長に格別の
限定はないが、一般に10〜100mmのものが用いられ
る。本発明に用いられる不織布の製造方法、目付などに
格別の限定はなく、例えば乾式法、湿式法、ニードルパ
ンチ法、バインダー固着法、纒絡法、溶融固着法、スパ
ンボンド法などの方法のいずれかにより製造することが
できる。また不織布の目付は、100〜5,000g/
m2 であることが好ましく、300〜3,000g/m
2 であることがより好ましく、さらに、1,000g/
cm2 の荷重下において、3〜20mm程度の厚さを保持で
きるものであることが好ましい。このような性能を有す
る不織布は、床マットが配置される床面に若干の凹凸が
あっても、この凹凸を十分に吸収して、通気防撥水性基
布の表面をほぼ平担に保持することができる。
【0012】本発明に用いられる不織布は、それが生分
解されたとき、その組織および形状の消失に支障がない
範囲内において少なくとも1種の合成有機繊維、例え
ば、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、又はポリ
アミド繊維などを含んでいてもよい。しかし、合成有機
繊維の含有量は、50重量%をこえないことが好まし
い。このような非生分解性合成有機繊維は、床マットの
使用中はその補強材として有効なものであるが、床マッ
トの使用済後には生分解可能な有機繊維が生分解して基
布の形状、組織を保持することなく、それ自身は解離分
散し得るように、不織布中に混用される。
解されたとき、その組織および形状の消失に支障がない
範囲内において少なくとも1種の合成有機繊維、例え
ば、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、又はポリ
アミド繊維などを含んでいてもよい。しかし、合成有機
繊維の含有量は、50重量%をこえないことが好まし
い。このような非生分解性合成有機繊維は、床マットの
使用中はその補強材として有効なものであるが、床マッ
トの使用済後には生分解可能な有機繊維が生分解して基
布の形状、組織を保持することなく、それ自身は解離分
散し得るように、不織布中に混用される。
【0013】本発明の獣舎用床マットにおいて、基布と
裏打ち層とが単に重ね合わされていてもよいが、互に結
合一体化されていることが好ましい。この結合一体化方
法には格別の限定はなく、編織布と不織布との繊維交絡
法、基布と裏打ち層との、その界面における熱融着法、
接着剤による接着法、又は縫合法などのいずれであって
もよい。編織布と不織布との繊維交絡の方法にも、格別
の限定はないが、一般に、ニードルパンチ法、水流噴射
交絡法などを用いることがある。基布と裏打ち層とは、
1,000g/cm以上の、好ましくは1,500g/cm
以上の剥離強度で結合されていることが好ましい。
裏打ち層とが単に重ね合わされていてもよいが、互に結
合一体化されていることが好ましい。この結合一体化方
法には格別の限定はなく、編織布と不織布との繊維交絡
法、基布と裏打ち層との、その界面における熱融着法、
接着剤による接着法、又は縫合法などのいずれであって
もよい。編織布と不織布との繊維交絡の方法にも、格別
の限定はないが、一般に、ニードルパンチ法、水流噴射
交絡法などを用いることがある。基布と裏打ち層とは、
1,000g/cm以上の、好ましくは1,500g/cm
以上の剥離強度で結合されていることが好ましい。
【0014】本発明の獣舎用床マットに用いられる裏打
ち層用不織布には、防撥水剤が塗布又は含浸されている
ことが好ましい。
ち層用不織布には、防撥水剤が塗布又は含浸されている
ことが好ましい。
【0015】本発明の床マットの通気防撥水性基布、お
よび必要により裏打ち層に用いられる防撥水剤としては
パラフィン、オレフィンおよび、生分解性樹脂を用いる
ことができ、少なくともこれらの一種、または適宜複数
種を併用して使用する。パラフィンとしては、固形パラ
フィン、マイクロクリスタリンワックスが用いられ、植
物臘および動物臘も使用可能である。パラフィンワック
ス臘としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、低分子量エチレン−プロピレンコポリマー等
のポリオレフインワックス、或いはこれらのポリオレフ
インワックスと石油溜分ワックスとの混合ワックスなど
が用いられる。これらのワックスは、不飽和カルボン酸
との反応生成物であってもよく、このような不飽和カル
ボン酸は、マレイン酸、フマール酸、およびイタコン酸
から選ぶことができる。また、防撥水剤として用いられ
るワックス−多価脂肪族酸付加反応生成物としては、そ
の操作性および性能から考えて無水マレイン酸−ワック
ス付加反応生成物が好ましい。この付加反応生成物は、
酸価が15〜120、より好ましくは35〜90、融点
40〜140℃、より好ましくは40〜80℃であるこ
とが好ましい。本発明において防撥水剤として用いられ
るパラフィン系炭化水素は、40〜100℃の融点を有
するものであることが好ましく、40〜85℃の融点を
有するものがより好ましい。
よび必要により裏打ち層に用いられる防撥水剤としては
パラフィン、オレフィンおよび、生分解性樹脂を用いる
ことができ、少なくともこれらの一種、または適宜複数
種を併用して使用する。パラフィンとしては、固形パラ
フィン、マイクロクリスタリンワックスが用いられ、植
物臘および動物臘も使用可能である。パラフィンワック
ス臘としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、低分子量エチレン−プロピレンコポリマー等
のポリオレフインワックス、或いはこれらのポリオレフ
インワックスと石油溜分ワックスとの混合ワックスなど
が用いられる。これらのワックスは、不飽和カルボン酸
との反応生成物であってもよく、このような不飽和カル
ボン酸は、マレイン酸、フマール酸、およびイタコン酸
から選ぶことができる。また、防撥水剤として用いられ
るワックス−多価脂肪族酸付加反応生成物としては、そ
の操作性および性能から考えて無水マレイン酸−ワック
ス付加反応生成物が好ましい。この付加反応生成物は、
酸価が15〜120、より好ましくは35〜90、融点
40〜140℃、より好ましくは40〜80℃であるこ
とが好ましい。本発明において防撥水剤として用いられ
るパラフィン系炭化水素は、40〜100℃の融点を有
するものであることが好ましく、40〜85℃の融点を
有するものがより好ましい。
【0016】オレフィンとしては、α−オレフィン及び
エチレン系共重合体樹脂が用いられる。エチレン系共重
合体樹脂は、エチレン−αオレフィン共重合樹脂、エチ
レン−極性ビニル化合物共重合樹脂、例えばエチレン−
メチルメタアクリレート共重合樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル−一酸化炭素共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂および塩素化エチレン共重合体の架橋体アロイ
等を包含するが、特に高圧イオン重合法で製造され、直
鎖状分子構造を有するエチレン−αオレフィン共重合樹
脂を用いることが好ましい。極性ビニル化合物として
は、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル)、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸)、並びにその無水物、塩、およびエステル
などを用いることができる。
エチレン系共重合体樹脂が用いられる。エチレン系共重
合体樹脂は、エチレン−αオレフィン共重合樹脂、エチ
レン−極性ビニル化合物共重合樹脂、例えばエチレン−
メチルメタアクリレート共重合樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル−一酸化炭素共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂および塩素化エチレン共重合体の架橋体アロイ
等を包含するが、特に高圧イオン重合法で製造され、直
鎖状分子構造を有するエチレン−αオレフィン共重合樹
脂を用いることが好ましい。極性ビニル化合物として
は、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル)、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸)、並びにその無水物、塩、およびエステル
などを用いることができる。
【0017】本発明において防撥水剤として用いられる
生分解性樹脂としては、澱粉などの多糖類((酸化)セ
ルロース、(変性)澱粉、キチン、キトサン)や蛋白質
((天然、再生)コラーゲン、(架橋)ゼラチン)など
の天然高分子系生分解樹脂、脂肪族ポリエステル(例え
ばポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、ポリアミノ
酸(例えばポリ(γ−グルタミン酸)、バイオセルロー
ス(例えば酢酸菌セルロース)などの微生物産生系生分
解樹脂、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリ(α−オキ
シ酸)、ポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)および
ポリアルキレンジカルボキシレート)などの化学合成系
生分解樹脂を使用することができる。本発明に使用され
るこれらの防撥水剤は無毒性であり獣体に悪影響のない
ものが使用される。
生分解性樹脂としては、澱粉などの多糖類((酸化)セ
ルロース、(変性)澱粉、キチン、キトサン)や蛋白質
((天然、再生)コラーゲン、(架橋)ゼラチン)など
の天然高分子系生分解樹脂、脂肪族ポリエステル(例え
ばポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、ポリアミノ
酸(例えばポリ(γ−グルタミン酸)、バイオセルロー
ス(例えば酢酸菌セルロース)などの微生物産生系生分
解樹脂、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリ(α−オキ
シ酸)、ポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)および
ポリアルキレンジカルボキシレート)などの化学合成系
生分解樹脂を使用することができる。本発明に使用され
るこれらの防撥水剤は無毒性であり獣体に悪影響のない
ものが使用される。
【0018】本発明において、防撥水剤の使用量はその
種類並びに基布の種類、組織および厚さなどに応じて適
宜に設定することができるが、一般に基布用編織布およ
び裏打ち層用不織布の合計重量に対して30〜300重
量%程度であることが好ましく、50〜250重量%で
あることがより好ましい。特に、裏打ち層用不織布に対
しては、その重量に対して、30〜300重量%の防撥
水剤が用いられることが好ましく、50〜200重量%
であることが好ましい。このように裏打ち層用不織布に
対して、やや多量の防撥水剤を付与することにより、裏
打ち層の剛性および耐圧縮性を向上させ、それによっ
て、獣体の重量による床マットの変形、圧縮量を低下さ
せることが好ましい。また防撥水剤の使用量は、得られ
る床マットが200〜1,000mm水柱の、好ましくは
300〜1000mm水柱の折り曲げ後耐水圧を示すよう
に設定されることが好ましい。この、折り曲げ後耐水圧
とは床マットを経緯方向に各々表裏180度の折り曲げ
を5回繰り返した後の床マットの耐水圧を測定し表示す
るものである。このような特性を有する本発明の床マッ
トは、1500mm水柱以上の耐水圧を示す所謂完全防水
布とは異なるものである。本発明の床マットは、家畜な
どにより踏みつけられた時、床マットに揉み作用が働
き、その結果、床マットは、完全防水布状態とは異なる
適度の防水性および撥水性を示す状態になり、その結
果、好ましい、適度の通水性および通気性を示すことに
なる。すなわち、本発明の床マットは、完全防水布の如
く水が洩れず、空気も通らないものとは異なるものであ
る。床マットが完全防水布のように全く水が洩れないも
のである場合には、尿等が床マット上の少なくとも一部
上にたまり、このため、不潔、不衛生となり快適性を阻
害するものとなるから好ましくない。また本発明の床マ
ットは完全防水性でないから空気の通気貫通性も保持さ
れるので、このことが床マットの乾燥性を助長し、快適
性が保たれ好ましいものとなる。
種類並びに基布の種類、組織および厚さなどに応じて適
宜に設定することができるが、一般に基布用編織布およ
び裏打ち層用不織布の合計重量に対して30〜300重
量%程度であることが好ましく、50〜250重量%で
あることがより好ましい。特に、裏打ち層用不織布に対
しては、その重量に対して、30〜300重量%の防撥
水剤が用いられることが好ましく、50〜200重量%
であることが好ましい。このように裏打ち層用不織布に
対して、やや多量の防撥水剤を付与することにより、裏
打ち層の剛性および耐圧縮性を向上させ、それによっ
て、獣体の重量による床マットの変形、圧縮量を低下さ
せることが好ましい。また防撥水剤の使用量は、得られ
る床マットが200〜1,000mm水柱の、好ましくは
300〜1000mm水柱の折り曲げ後耐水圧を示すよう
に設定されることが好ましい。この、折り曲げ後耐水圧
とは床マットを経緯方向に各々表裏180度の折り曲げ
を5回繰り返した後の床マットの耐水圧を測定し表示す
るものである。このような特性を有する本発明の床マッ
トは、1500mm水柱以上の耐水圧を示す所謂完全防水
布とは異なるものである。本発明の床マットは、家畜な
どにより踏みつけられた時、床マットに揉み作用が働
き、その結果、床マットは、完全防水布状態とは異なる
適度の防水性および撥水性を示す状態になり、その結
果、好ましい、適度の通水性および通気性を示すことに
なる。すなわち、本発明の床マットは、完全防水布の如
く水が洩れず、空気も通らないものとは異なるものであ
る。床マットが完全防水布のように全く水が洩れないも
のである場合には、尿等が床マット上の少なくとも一部
上にたまり、このため、不潔、不衛生となり快適性を阻
害するものとなるから好ましくない。また本発明の床マ
ットは完全防水性でないから空気の通気貫通性も保持さ
れるので、このことが床マットの乾燥性を助長し、快適
性が保たれ好ましいものとなる。
【0019】従って防撥水剤特に防撥水性合成樹脂(好
ましくはポリオレフィン樹脂)を用いるときには、これ
に発泡剤を含有させて、基布や不織布の繊維表面に多孔
質防撥水性皮膜を形成させると、得られる床マットは一
層適度の防水性、撥水性、通水性、通気性を示し、家畜
などの生活環境を清潔、快適、乾燥状態に保持しやすく
なり、かつ基布や不織布が生分解したとき、この皮膜の
分裂分散が一層容易になるという好ましい特性を示す。
基布や不織布に防撥水剤を塗布又は含浸させるために
は、従来の塗布方法(例えばロールコート法、バーコー
ト法など、および含浸方法(浸漬法、ロール含浸法な
ど)を用いることができる。
ましくはポリオレフィン樹脂)を用いるときには、これ
に発泡剤を含有させて、基布や不織布の繊維表面に多孔
質防撥水性皮膜を形成させると、得られる床マットは一
層適度の防水性、撥水性、通水性、通気性を示し、家畜
などの生活環境を清潔、快適、乾燥状態に保持しやすく
なり、かつ基布や不織布が生分解したとき、この皮膜の
分裂分散が一層容易になるという好ましい特性を示す。
基布や不織布に防撥水剤を塗布又は含浸させるために
は、従来の塗布方法(例えばロールコート法、バーコー
ト法など、および含浸方法(浸漬法、ロール含浸法な
ど)を用いることができる。
【0020】本発明の獣舎用床マットにおいて、基布と
裏打ち層との厚さの合計量は、好ましくは3〜20mmで
あり、より好ましくは、5〜15mmである。床マット
が、基布と裏打ち層とを有する場合、基布の厚さは、
0.3〜1.0mm、裏打ち層の厚さが、19.7〜2mm
であることが好ましい。
裏打ち層との厚さの合計量は、好ましくは3〜20mmで
あり、より好ましくは、5〜15mmである。床マット
が、基布と裏打ち層とを有する場合、基布の厚さは、
0.3〜1.0mm、裏打ち層の厚さが、19.7〜2mm
であることが好ましい。
【0021】本発明に使用される通気防撥水性基布およ
び必要により使用される裏打ち層に抗菌剤、防カビ剤、
消臭剤および防腐剤の少なくとも1種が含まれていても
よい。抗菌剤としては3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル・ジメチル・オクタデシルアンモニウムクロリド、
5−クロル−2−(2,4−ジクロルフエノキシ)フェ
ノール、2−〔3,5−ジメチルピラゾリル−(1)〕
−4−ヒドロキシ−6−フエニルピリミジンとα−ブロ
ムシンナムアルデヒドの混合物、サイアベンダゾール、
ヒビデンとエチレンジアミンテトラ酢酸の混合物、銅そ
の他の抗菌性イオンを付加したゼオライトその他公知の
抗菌剤が使用出来る。防バイ剤としては抗菌剤、防腐剤
が同様の目的で重複利用出来るが代表的なものを挙げれ
ば10,10−オキシビスフエノキサアルシルその他公
知のものが使用出来る。
び必要により使用される裏打ち層に抗菌剤、防カビ剤、
消臭剤および防腐剤の少なくとも1種が含まれていても
よい。抗菌剤としては3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル・ジメチル・オクタデシルアンモニウムクロリド、
5−クロル−2−(2,4−ジクロルフエノキシ)フェ
ノール、2−〔3,5−ジメチルピラゾリル−(1)〕
−4−ヒドロキシ−6−フエニルピリミジンとα−ブロ
ムシンナムアルデヒドの混合物、サイアベンダゾール、
ヒビデンとエチレンジアミンテトラ酢酸の混合物、銅そ
の他の抗菌性イオンを付加したゼオライトその他公知の
抗菌剤が使用出来る。防バイ剤としては抗菌剤、防腐剤
が同様の目的で重複利用出来るが代表的なものを挙げれ
ば10,10−オキシビスフエノキサアルシルその他公
知のものが使用出来る。
【0022】消臭剤としては光触媒酸化チタン、人工酵
素(例えば金属フタロシアニン誘導体)、植物ポリフエ
ノール等が使用出来るが公知のものは何れも使用出来
る。また防腐剤としてはタンニンや柿渋、ヒノキチオー
ル等の木精油が好ましいが安息香酸およびその塩類、パ
ラオキシ安息香酸エステル類、サルチル酸、ソルビン
酸、デヒドロ酢酸およびその塩類、プロピオン酸カルシ
ウムおよびナトリウム等が挙げられる。状況によっては
クレオソート油、ペンタクロロフェノール等も使用可能
である。これらの添加剤はその使用目的および使用環境
に応じて適宜の量で用いられる。上記の抗菌剤、防バイ
剤、消臭剤、防腐剤は性能的に互に類似する部分もある
が、これらのことを念頭において適宜に使用すればよ
い。
素(例えば金属フタロシアニン誘導体)、植物ポリフエ
ノール等が使用出来るが公知のものは何れも使用出来
る。また防腐剤としてはタンニンや柿渋、ヒノキチオー
ル等の木精油が好ましいが安息香酸およびその塩類、パ
ラオキシ安息香酸エステル類、サルチル酸、ソルビン
酸、デヒドロ酢酸およびその塩類、プロピオン酸カルシ
ウムおよびナトリウム等が挙げられる。状況によっては
クレオソート油、ペンタクロロフェノール等も使用可能
である。これらの添加剤はその使用目的および使用環境
に応じて適宜の量で用いられる。上記の抗菌剤、防バイ
剤、消臭剤、防腐剤は性能的に互に類似する部分もある
が、これらのことを念頭において適宜に使用すればよ
い。
【0023】本発明の裏打ち層を有する獣舎用床マット
は、前述のように、床面に多少の凹凸があっても、これ
を、裏打ち層の剛性や圧縮によって吸収して、通気防撥
水性基布の表面を平担に保持することができる。例え
ば、本発明の裏打ち層付き獣舎用床マットにおいて、裏
打ち層の下面側に、互に平行に配列された複数の棒状体
により形成された基礎層が形成されていてもよい。
は、前述のように、床面に多少の凹凸があっても、これ
を、裏打ち層の剛性や圧縮によって吸収して、通気防撥
水性基布の表面を平担に保持することができる。例え
ば、本発明の裏打ち層付き獣舎用床マットにおいて、裏
打ち層の下面側に、互に平行に配列された複数の棒状体
により形成された基礎層が形成されていてもよい。
【0024】図1に示されているように、獣舎用床マッ
ト1は、通気防撥水性基布2と、その裏面側に配置され
た裏打ち層3と、この裏打ち層の下面側に配置された基
礎層4とからなり、基礎層4は、互に平行に配列された
複数の棒状体5からなるものである。基礎層4は図1の
如く間隔を空けて設けられていても良く、また密着して
設けられていても良い。獣舎用床マット1は、獣舎の床
6上に設置されている。このような床マットにおいて
は、基布2上の液体は、基布2および裏打ち層3を透過
して、基礎層4の棒状体5の間隙に流下し、この間隙を
通して床面6上に流れ獣舎に設けられた排水溝中に流入
する。このとき基礎層4上に接している裏打ち層3の下
面は、基礎層4の凹凸に対応して波状に屈曲して、この
凹凸を吸収し、このため基布2の上面はほぼ平担に保持
される。また獣体の重量により床マットに局部的に荷重
がかけられても、床マットの上面に著しく凹凸を生ずる
ことがなく、獣体を保護することができる。
ト1は、通気防撥水性基布2と、その裏面側に配置され
た裏打ち層3と、この裏打ち層の下面側に配置された基
礎層4とからなり、基礎層4は、互に平行に配列された
複数の棒状体5からなるものである。基礎層4は図1の
如く間隔を空けて設けられていても良く、また密着して
設けられていても良い。獣舎用床マット1は、獣舎の床
6上に設置されている。このような床マットにおいて
は、基布2上の液体は、基布2および裏打ち層3を透過
して、基礎層4の棒状体5の間隙に流下し、この間隙を
通して床面6上に流れ獣舎に設けられた排水溝中に流入
する。このとき基礎層4上に接している裏打ち層3の下
面は、基礎層4の凹凸に対応して波状に屈曲して、この
凹凸を吸収し、このため基布2の上面はほぼ平担に保持
される。また獣体の重量により床マットに局部的に荷重
がかけられても、床マットの上面に著しく凹凸を生ずる
ことがなく、獣体を保護することができる。
【0025】図2に示されている獣舎用床マット1にお
いては、基礎層4の下に粗布又はネット7が配置され、
この粗布又はネット7が基礎層4の棒状体5を包み込ん
で、裏打ち層3および基布に、縫糸8により逢着されて
いる。このようにすると、基布および裏打ち層は、棒状
体5に固定され、配置ずれの発生を防止することができ
る。
いては、基礎層4の下に粗布又はネット7が配置され、
この粗布又はネット7が基礎層4の棒状体5を包み込ん
で、裏打ち層3および基布に、縫糸8により逢着されて
いる。このようにすると、基布および裏打ち層は、棒状
体5に固定され、配置ずれの発生を防止することができ
る。
【0026】上記の床マットに用いられる棒状体を、非
生分解性弾性体材料により形成すると、基布および裏打
ち層を交換して、反復使用することができる。非生分解
性弾性棒状体としては、例えば、合成ゴム又は天然ゴム
からなる棒状体、或は、非生分解性合成繊維からなる粗
布又はネットからなる袋状体と、その中に収容された合
成ゴム又は天然ゴムのチップからなるものであってもよ
い。このような弾性棒状体は、獣体体重による荷重に対
応して、変形し、獣体を衝撃から保護することができ
る。棒状体の寸法、形状に限定はないが、一般に、50
〜150mmの直径と、所要の長さを有するもので、互に
平行に0〜30mmの間隔をおいて配置され、これらは、
その端末部などにおいて、その隣接棒状体に互に連結さ
れ、棒状体の相互移動を防止するようになっていてもよ
い。また棒状体を生分解性材料により形成すると一体廃
棄が可能になり好ましいことは言う迄もない。
生分解性弾性体材料により形成すると、基布および裏打
ち層を交換して、反復使用することができる。非生分解
性弾性棒状体としては、例えば、合成ゴム又は天然ゴム
からなる棒状体、或は、非生分解性合成繊維からなる粗
布又はネットからなる袋状体と、その中に収容された合
成ゴム又は天然ゴムのチップからなるものであってもよ
い。このような弾性棒状体は、獣体体重による荷重に対
応して、変形し、獣体を衝撃から保護することができ
る。棒状体の寸法、形状に限定はないが、一般に、50
〜150mmの直径と、所要の長さを有するもので、互に
平行に0〜30mmの間隔をおいて配置され、これらは、
その端末部などにおいて、その隣接棒状体に互に連結さ
れ、棒状体の相互移動を防止するようになっていてもよ
い。また棒状体を生分解性材料により形成すると一体廃
棄が可能になり好ましいことは言う迄もない。
【0027】上記床マットに使用される粗布又はネット
は、前述のような生分解性繊維により形成されていても
よい。この場合は、粗布又はネットを、棒状体から分離
して、廃棄し、生分解させることができる。また、粗布
又はネットは、非生分解性合成繊維、例えばポリエステ
ル、又はポリオレフィン繊維などにより形成してもよ
い。この場合には、基布および裏打ち層を交換して、棒
状体とともに反復使用することができる。
は、前述のような生分解性繊維により形成されていても
よい。この場合は、粗布又はネットを、棒状体から分離
して、廃棄し、生分解させることができる。また、粗布
又はネットは、非生分解性合成繊維、例えばポリエステ
ル、又はポリオレフィン繊維などにより形成してもよ
い。この場合には、基布および裏打ち層を交換して、棒
状体とともに反復使用することができる。
【0028】本発明の床マットは、家畜舎、又は動物園
などの獣舎(例えば牛舎)の床面に敷設して使用され
る。この敷設に際し、床マットを、床面上に単に(連
結)載置したのみで用いてもよく、或は、適宜の手段に
よってこれを固定してもよい。また、この床マット上に
適量の藁、その他を敷いて床面とすることもできる。こ
のような材料を敷くことなく床マット表面を直接に使用
することもできる。このように家畜舎又は獣舎床面に設
置された床マットは、敷設および交換が容易であり、表
面平滑で耐用期間が長く、かつ家畜その他の獣の生活環
境を清潔および乾燥性状態に維持し、従って、快適性が
向上し、獣体に損傷や中毒を発生させることがなく、そ
れによって、家畜又は獣の飼育効率を高めることができ
る。
などの獣舎(例えば牛舎)の床面に敷設して使用され
る。この敷設に際し、床マットを、床面上に単に(連
結)載置したのみで用いてもよく、或は、適宜の手段に
よってこれを固定してもよい。また、この床マット上に
適量の藁、その他を敷いて床面とすることもできる。こ
のような材料を敷くことなく床マット表面を直接に使用
することもできる。このように家畜舎又は獣舎床面に設
置された床マットは、敷設および交換が容易であり、表
面平滑で耐用期間が長く、かつ家畜その他の獣の生活環
境を清潔および乾燥性状態に維持し、従って、快適性が
向上し、獣体に損傷や中毒を発生させることがなく、そ
れによって、家畜又は獣の飼育効率を高めることができ
る。
【0029】
【実施例】本発明を下記実施例により説明する。下記実
施例および比較例に用いられた基布、薬剤、および試験
方法は下記の通りであった。 (1)塗布用編織布 A(本発明用) 綿帆布10号 組織 経 10'S/2,47本/25.4mm 緯 10'S/2,36本/25.4mm 目付 428g/m2 B(本発明用) ポリ乳酸エステルを主成分とする生分解性繊維からなり、基布Aと同一の組 織を有し、目付が380g/m2 の平織帆布。 C(比較用) ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント250デニール/15fか らなり、 組織 経 5本/25.4mm 緯 5本/25.4mm の平織布を芯地として用い、この芯地の両面に、それぞれ220g/m2 のポリ エチレンテレフタレート短繊維(2デニール、51mm)からなるウエブを積層し 、この積層体に下記条件によりニードルパンチ処理を施して、目付520g/m2 の不織布を作製した。 ニードル:15×18×19×3 1/2 CB ニードル深さ:18mm ニードル数:80本/cm2 回転数:400rpm D(比較用) ポリエチレンテレフタレート短繊維(2デニール、51mm)からなるポリエ ステル帆布3号 組織 経 20'S/2,48本/25.4mm 緯 20'S/2,41本/25.4mm 目付 340g/m2
施例および比較例に用いられた基布、薬剤、および試験
方法は下記の通りであった。 (1)塗布用編織布 A(本発明用) 綿帆布10号 組織 経 10'S/2,47本/25.4mm 緯 10'S/2,36本/25.4mm 目付 428g/m2 B(本発明用) ポリ乳酸エステルを主成分とする生分解性繊維からなり、基布Aと同一の組 織を有し、目付が380g/m2 の平織帆布。 C(比較用) ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント250デニール/15fか らなり、 組織 経 5本/25.4mm 緯 5本/25.4mm の平織布を芯地として用い、この芯地の両面に、それぞれ220g/m2 のポリ エチレンテレフタレート短繊維(2デニール、51mm)からなるウエブを積層し 、この積層体に下記条件によりニードルパンチ処理を施して、目付520g/m2 の不織布を作製した。 ニードル:15×18×19×3 1/2 CB ニードル深さ:18mm ニードル数:80本/cm2 回転数:400rpm D(比較用) ポリエチレンテレフタレート短繊維(2デニール、51mm)からなるポリエ ステル帆布3号 組織 経 20'S/2,48本/25.4mm 緯 20'S/2,41本/25.4mm 目付 340g/m2
【0030】(2)防撥水剤 A パラフィン(125°F(49℃)、安藤パラフィ
ン(株)製) B 酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(商
標;スミカフレックス752、住友化学社製、固形分;
50重量%) C 生分解性脂肪族エステル−アミド共重合体アルコー
ル溶液
ン(株)製) B 酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(商
標;スミカフレックス752、住友化学社製、固形分;
50重量%) C 生分解性脂肪族エステル−アミド共重合体アルコー
ル溶液
【0031】(3)添加剤 A 抗菌剤(ゼオライト、商標;ゼブミック、品川燃料
社製)防撥水剤中に添加使用した。 B 防カビ剤(10,10−オキシビスフェノキサアル
シル、商標;バイナジン、モートンチオマール社製)防
撥水剤中に添加使用した。 C 消臭剤(金属フタロシアニン誘導体)防撥水剤中に
添加使用した。 D タンニン酸の硫酸バンド定着(防撥水剤処理前に、
供試基布をタンニン酸の5重量%水溶液に浸漬し、80
重量%の絞り率で絞り、これを、室温において、硫酸バ
ンドの10重量%水溶液に浸漬して、タンニン酸をその
水不溶性アルミニウム塩として定着し、これを絞り、乾
燥した。) E 発泡剤(アゾジカルボンアミド、商標;セルロン
C、丸正興業社製)
社製)防撥水剤中に添加使用した。 B 防カビ剤(10,10−オキシビスフェノキサアル
シル、商標;バイナジン、モートンチオマール社製)防
撥水剤中に添加使用した。 C 消臭剤(金属フタロシアニン誘導体)防撥水剤中に
添加使用した。 D タンニン酸の硫酸バンド定着(防撥水剤処理前に、
供試基布をタンニン酸の5重量%水溶液に浸漬し、80
重量%の絞り率で絞り、これを、室温において、硫酸バ
ンドの10重量%水溶液に浸漬して、タンニン酸をその
水不溶性アルミニウム塩として定着し、これを絞り、乾
燥した。) E 発泡剤(アゾジカルボンアミド、商標;セルロン
C、丸正興業社製)
【0032】(4)防撥水剤処理条件 A 防撥水剤として前記パラフィンを用いる場合には、
これを加熱溶融し、この溶融パラフィン中に、120℃
において供試基布を浸漬し、絞り、冷却して、編織布重
量に対し100重量%の、又は不織布重量に対し120
重量%の、パラフィンを含浸させた。 B 防撥水剤として、前記酢酸ビニル−エチレン共重合
体エマルジョンを用いる場合は、このエマルジョン中に
供試基布を浸漬し、絞り、130℃で5分間乾燥して、
編織布重量に対し、100重量%の、又は不織布重量に
対し120重量%の、共重合体を含浸させた。 C 防撥水剤として生分解性脂肪族エステル−アミド樹
脂アルコール溶液を用いる場合には、この樹脂溶液中に
基布を浸漬し、絞り、100℃で10分間乾燥して、編
織布重量に対し、100重量%の、又は、不織布重量に
対し、120重量%の、樹脂を含浸させた。
これを加熱溶融し、この溶融パラフィン中に、120℃
において供試基布を浸漬し、絞り、冷却して、編織布重
量に対し100重量%の、又は不織布重量に対し120
重量%の、パラフィンを含浸させた。 B 防撥水剤として、前記酢酸ビニル−エチレン共重合
体エマルジョンを用いる場合は、このエマルジョン中に
供試基布を浸漬し、絞り、130℃で5分間乾燥して、
編織布重量に対し、100重量%の、又は不織布重量に
対し120重量%の、共重合体を含浸させた。 C 防撥水剤として生分解性脂肪族エステル−アミド樹
脂アルコール溶液を用いる場合には、この樹脂溶液中に
基布を浸漬し、絞り、100℃で10分間乾燥して、編
織布重量に対し、100重量%の、又は、不織布重量に
対し、120重量%の、樹脂を含浸させた。
【0033】(5)試験 A 厚さ:JIS L 1096(1990)「一般織
物試験方法」、6 試験方法、6.5 厚さの測定方法
により測定した。 B 耐水度:JIS L 1092(1992)「繊維
製品の防水性試験方法」、5.1耐水度試験、(1)A
法(低水圧法)、(a)静水圧法の方法により測定し
た。
物試験方法」、6 試験方法、6.5 厚さの測定方法
により測定した。 B 耐水度:JIS L 1092(1992)「繊維
製品の防水性試験方法」、5.1耐水度試験、(1)A
法(低水圧法)、(a)静水圧法の方法により測定し
た。
【0034】C 折り曲げ後耐水度 試料を経緯17cm以上の正方形にカットし経方向の両端
末を重ね合わせて180度折り曲げ、この操作を表裏1
セットとして5回繰り返し、更に緯方向についても同様
に操作して折り曲げ試料を作成し、この試料についてB
耐水度に準拠して折り曲げ後の耐水度を測定した。 D 使用耐久性:供試床マットを実用牛舎に敷設し、少
なくとも6ヶ月間連続使用し、使用不能となるまでの期
間を記録した。 E 生分解性:使用ずみの床マットを、牛舎から排出さ
れた牛糞尿とともに堆積放置し、9ヶ月後に堆肥として
使用できるか否かを評価した。
末を重ね合わせて180度折り曲げ、この操作を表裏1
セットとして5回繰り返し、更に緯方向についても同様
に操作して折り曲げ試料を作成し、この試料についてB
耐水度に準拠して折り曲げ後の耐水度を測定した。 D 使用耐久性:供試床マットを実用牛舎に敷設し、少
なくとも6ヶ月間連続使用し、使用不能となるまでの期
間を記録した。 E 生分解性:使用ずみの床マットを、牛舎から排出さ
れた牛糞尿とともに堆積放置し、9ヶ月後に堆肥として
使用できるか否かを評価した。
【0035】実施例1〜6 実施例1〜6の各々において、基布Aを用い、これに表
1に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施し
た。テスト結果を表1に示す。
1に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施し
た。テスト結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例7〜13 実施例7〜13の各々において、基布Aを用い、これに
表2に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施
した。テスト結果を表2に示す。
表2に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施
した。テスト結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例14〜20 実施例14〜20の各々において、基布Aを用い、これ
に表3に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表3に示す。
に表3に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】実施例21〜26 実施例21〜26の各々において、基布Bを用い、これ
に表4に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表4に示す。
に表4に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】実施例27〜33 実施例27〜33の各々において、基布Bを用い、これ
に表5に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表5に示す。
に表5に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】実施例34〜40 実施例34〜40の各々において、基布Bを用い、これ
に表6に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表6に示す。
に表6に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】比較例1〜5 比較例1〜5の各々において、基布Cを用い、これに表
7に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施し
た。テスト結果を表7に示す。
7に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施し
た。テスト結果を表7に示す。
【0048】
【表7】
【0049】比較例6〜11 比較例6〜11の各々において、基布Cを用い、これに
表8に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施
した。テスト結果を表8に示す。
表8に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を施
した。テスト結果を表8に示す。
【0050】
【表8】
【0051】比較例12〜17 比較例12〜17の各々において、基布Cを用い、これ
に表9に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表9に示す。
に表9に記載の組成を有する防撥水処理液による処理を
施した。テスト結果を表9に示す。
【0052】
【表9】
【0053】比較例18〜22 比較例18〜22の各々において、基布Dを用い、これ
に表10に記載の組成を有する防撥水処理液による処理
を施した。テスト結果を表10に示す。
に表10に記載の組成を有する防撥水処理液による処理
を施した。テスト結果を表10に示す。
【0054】
【表10】
【0055】比較例23〜28 比較例23〜28の各々において、基布Dを用い、これ
に表11に記載の組成を有する防撥水処理液による処理
を施した。テスト結果を表11に示す。
に表11に記載の組成を有する防撥水処理液による処理
を施した。テスト結果を表11に示す。
【0056】
【表11】
【0057】比較例29〜34 比較例29〜34の各々において、基布Dを用い、これ
に表12に記載の組成を有する防撥水処理液による処理
を施した。テスト結果を表12に示す。
に表12に記載の組成を有する防撥水処理液による処理
を施した。テスト結果を表12に示す。
【0058】
【表12】
【0059】比較例35〜38 下記組成の防撥水処理液を調製した。 ポリ塩化ビニル樹脂 100重量部 DOP(可塑剤) 75 〃 エポキシ化大豆油 2 〃 エポキシ系耐熱安定剤 2 〃 Sn系耐熱安定剤 2 〃 粘度 10ポイズ 上記防撥水処理液中に、基布A(比較例35)、B(比
較例36)、C(比較例37)およびD(比較例38)
の各々を浸漬し、絞り、170℃で2分間加熱しゲル化
させた。得られた床マットにおける樹脂付着量を、基布
重量に対し、100重量%にコントロールした。これら
の床マットの耐水圧、折り曲げ後の耐水圧は何れも15
00mm水柱以上であり好ましいものではなかった。得ら
れた床マットのうち、基布A,B、およびDを用いたも
のはいずれも6ヶ月以上の使用に耐えたが、生分解性は
不良であって、これを焼却処分したところ大量の黒煙お
よび悪臭が発生した。また、基布Cを用いた場合、使用
耐久性は1.5ヶ月以下であり、かつ生分解性が不良の
ため、焼却処分が必要であった。
較例36)、C(比較例37)およびD(比較例38)
の各々を浸漬し、絞り、170℃で2分間加熱しゲル化
させた。得られた床マットにおける樹脂付着量を、基布
重量に対し、100重量%にコントロールした。これら
の床マットの耐水圧、折り曲げ後の耐水圧は何れも15
00mm水柱以上であり好ましいものではなかった。得ら
れた床マットのうち、基布A,B、およびDを用いたも
のはいずれも6ヶ月以上の使用に耐えたが、生分解性は
不良であって、これを焼却処分したところ大量の黒煙お
よび悪臭が発生した。また、基布Cを用いた場合、使用
耐久性は1.5ヶ月以下であり、かつ生分解性が不良の
ため、焼却処分が必要であった。
【0060】実施例41 基布Aの裏面に、目付700g/m2 の綿ウエブを重
ね、これにニードルパンチ処理を施して、両層の繊維を
交絡させて結合一体化した。この積層体に、実施例6と
同様の防撥水剤処理液による処理を施して、防撥水性マ
ットを作製した。得られたマットは3.5mmの厚さを有
していた。このマットの下面側を、複数の弾性棒状体か
らなる基礎層上に載置して、床マットを形成した。この
基礎層において、弾性棒状体は、長径(幅)130mm、
短径(高さ)70mmの直径を有し、周面間隔2.0mmを
おいて互に平行に配置されており、これらの棒状体の各
々は、その末端において、それに直角に配置された固定
棒に接続されていた。各棒状体は、ポリエステル繊維糸
条からなり、目合2mmのネットにより作製された袋中
に、廃タイヤを破砕し、重量0.05〜0.5g/個の
不定形な合成ゴムチップを充填したものであった。テス
ト結果を表13に示す。
ね、これにニードルパンチ処理を施して、両層の繊維を
交絡させて結合一体化した。この積層体に、実施例6と
同様の防撥水剤処理液による処理を施して、防撥水性マ
ットを作製した。得られたマットは3.5mmの厚さを有
していた。このマットの下面側を、複数の弾性棒状体か
らなる基礎層上に載置して、床マットを形成した。この
基礎層において、弾性棒状体は、長径(幅)130mm、
短径(高さ)70mmの直径を有し、周面間隔2.0mmを
おいて互に平行に配置されており、これらの棒状体の各
々は、その末端において、それに直角に配置された固定
棒に接続されていた。各棒状体は、ポリエステル繊維糸
条からなり、目合2mmのネットにより作製された袋中
に、廃タイヤを破砕し、重量0.05〜0.5g/個の
不定形な合成ゴムチップを充填したものであった。テス
ト結果を表13に示す。
【0061】実施例42 不織布 綿 フエルト(ニードルパンチ) 厚さ 10mm 目付 1,850g/m2 上記綿寒冷砂と、不織布を重ね合わせ、これを、綿縫糸
により、ステッチ状に縫い合わせて積層体を作成し、こ
の積層体に、実施例6と同じ防撥水処理液による処理を
施して、防撥水性マットを作製した。この積層マットを
実施例41と同一の基礎層上に重ね、基礎層の下に、ポ
リエステル繊維からなり、300g/m2の目付を有す
る粗布を敷き、この粗布を、図2に図示されているよう
に、基礎層の棒状体を包み込んで、前記積層マットに、
綿縫糸により縫合して、獣舎用床マットを作製した。テ
スト結果を表13に示す。
により、ステッチ状に縫い合わせて積層体を作成し、こ
の積層体に、実施例6と同じ防撥水処理液による処理を
施して、防撥水性マットを作製した。この積層マットを
実施例41と同一の基礎層上に重ね、基礎層の下に、ポ
リエステル繊維からなり、300g/m2の目付を有す
る粗布を敷き、この粗布を、図2に図示されているよう
に、基礎層の棒状体を包み込んで、前記積層マットに、
綿縫糸により縫合して、獣舎用床マットを作製した。テ
スト結果を表13に示す。
【0062】
【表13】
【0063】上記実施例1〜42において、生分解可能
な編織布および不織布を用い、これに防撥水剤処理を施
したものは、いずれも良好な弾性、柔軟性を示し、清
潔、乾燥性を有し快適に使用することができ、かつ6ヶ
月以上のすぐれた使用耐久性と、良好な生分解性を示す
ことが確認された。また、防撥水剤処理液に抗菌剤、防
バイ剤、消臭剤を施した場合、又は基布に防腐処理を施
した場合には、いずれも使用間にそれぞれの効果および
防臭効果があることが確認された。また、上記比較例1
〜34において、非生分解性不織布からなる基布Cを用
いると、牛の蹄による損傷によって1ヶ月以下の使用耐
久性しかなく、また使用後、生分解しないので焼却処理
が必要であること、及びさらに非生分解性織物からなる
基布Dを用いると、使用耐久性は良好であるが、使用後
生分解しないため、焼却処分が必要であることが確認さ
れた。さらに、比較例35〜38において、生分解性繊
維織物からなる基布を用いる場合でも、この基布に非生
分解性被膜を形成する防水剤を塗布して、得られる床マ
ットを非通気性完全防水性にすると、床マットの生分解
性が不良になり、従って焼却処分が必要になることが確
認された。また、実施例41,42の複合床マットは基
礎層の凹凸を十分に吸収して床マット表面の平滑性が十
分に保たれ、更に好ましいものであった。
な編織布および不織布を用い、これに防撥水剤処理を施
したものは、いずれも良好な弾性、柔軟性を示し、清
潔、乾燥性を有し快適に使用することができ、かつ6ヶ
月以上のすぐれた使用耐久性と、良好な生分解性を示す
ことが確認された。また、防撥水剤処理液に抗菌剤、防
バイ剤、消臭剤を施した場合、又は基布に防腐処理を施
した場合には、いずれも使用間にそれぞれの効果および
防臭効果があることが確認された。また、上記比較例1
〜34において、非生分解性不織布からなる基布Cを用
いると、牛の蹄による損傷によって1ヶ月以下の使用耐
久性しかなく、また使用後、生分解しないので焼却処理
が必要であること、及びさらに非生分解性織物からなる
基布Dを用いると、使用耐久性は良好であるが、使用後
生分解しないため、焼却処分が必要であることが確認さ
れた。さらに、比較例35〜38において、生分解性繊
維織物からなる基布を用いる場合でも、この基布に非生
分解性被膜を形成する防水剤を塗布して、得られる床マ
ットを非通気性完全防水性にすると、床マットの生分解
性が不良になり、従って焼却処分が必要になることが確
認された。また、実施例41,42の複合床マットは基
礎層の凹凸を十分に吸収して床マット表面の平滑性が十
分に保たれ、更に好ましいものであった。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る獣舎用床マットは下記の効
果を有するものである。 (1)床マットの防水性、撥水性、通気性および通水性
を適度に調整して設定することができる。 (2)家畜又は獣の生活および飼育に対して、乾燥性で
通気性のある清潔な環境を与えることができる。 (3)家畜又は獣に対して、生化学的障害を与えること
がない。 (4)耐久性が高く、使用中損壊しにくい。 (5)使用後は、生分解し、例えば堆肥などとして使用
することができる。 (6)焼却、埋め立てなどの処理を必要としない。 (7)複合床マットは基礎層の凹凸を十分に吸収して床
マット表面の平滑性を十分に保持することができる。 従って、本発明の獣舎用床マットは、実用性にすぐれ、
かつ使用後は生分解により堆肥などとして利用可能であ
って、環境問題を発生することがないものである。
果を有するものである。 (1)床マットの防水性、撥水性、通気性および通水性
を適度に調整して設定することができる。 (2)家畜又は獣の生活および飼育に対して、乾燥性で
通気性のある清潔な環境を与えることができる。 (3)家畜又は獣に対して、生化学的障害を与えること
がない。 (4)耐久性が高く、使用中損壊しにくい。 (5)使用後は、生分解し、例えば堆肥などとして使用
することができる。 (6)焼却、埋め立てなどの処理を必要としない。 (7)複合床マットは基礎層の凹凸を十分に吸収して床
マット表面の平滑性を十分に保持することができる。 従って、本発明の獣舎用床マットは、実用性にすぐれ、
かつ使用後は生分解により堆肥などとして利用可能であ
って、環境問題を発生することがないものである。
【図1】本発明の獣舎用床マットの一実施態様の構成を
示す断面説明図。
示す断面説明図。
【図2】本発明の獣舎用床マットの他の実施態様の構成
を示す断面説明図。
を示す断面説明図。
1…獣舎用床マット 2…通気防撥水性基布 3…裏打ち層 4…基礎層 5…棒状体 6…床 7…粗布又はネット 8…縫糸
Claims (10)
- 【請求項1】 生分解可能な有機繊維を主成分として含
む編織布と、これに塗布又は含浸された防撥水剤とを含
む、通気防撥水性基布を有する獣舎用床マット。 - 【請求項2】 前記通気防撥水性基布の裏面側に、生分
解可能な有機繊維を主成分として含む不織布からなる裏
打ち層がさらに配置されている、請求項1に記載の獣舎
用床マット。 - 【請求項3】 前記通気防撥水性基布と、前記裏打ち層
とが、互に結合一体化されている請求項2に記載の獣舎
用床マット。 - 【請求項4】 前記生分解可能な有機繊維が、天然有機
繊維および人造機繊維から選ばれる、請求項1又は2に
記載の獣舎用床マット。 - 【請求項5】 前記裏打ち層を形成していて不織布に、
防撥水剤が塗布又は含浸されている請求項2又は3に記
載の獣舎用床マット。 - 【請求項6】 前記通気防撥水性基布が、抗菌剤、防カ
ビ剤、消臭剤および防腐剤の少なくとも1種を含む、請
求項1に記載の獣舎用床マット。 - 【請求項7】 前記裏打ち層を形成している不織布が、
抗菌剤、防カビ剤、消臭剤および防腐剤の少なくとも1
種を含む、請求項2,3又は5に記載の獣舎用床マッ
ト。 - 【請求項8】 折り曲げ後に200〜1,000mm水柱
の耐水度を示す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
獣舎用床マット。 - 【請求項9】 前記裏打ち層の下面側に、互に平行に配
列された複数の棒状体からなる基礎層が配置されてい
る、請求項2〜5,7および8のいずれか1項に記載の
獣舎用床マット。 - 【請求項10】 前記基礎層の下に、粗布又はネットが
配置され、この粗布又はネットが、前記基礎層の棒状体
を包み込んで、前記裏打ち層および基布に固着してい
る、請求項9に記載の獣舎用床マット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9130022A JP2891684B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-05-20 | 獣舎用床マット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-23596 | 1997-02-06 | ||
JP2359697 | 1997-02-06 | ||
JP9130022A JP2891684B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-05-20 | 獣舎用床マット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10276600A JPH10276600A (ja) | 1998-10-20 |
JP2891684B2 true JP2891684B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=26360984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9130022A Expired - Fee Related JP2891684B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-05-20 | 獣舎用床マット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2891684B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101519446B1 (ko) * | 2013-12-19 | 2015-05-14 | 정의철 | Pvc원단에 부직포를 초음파 융착하는 난방용 장판지 제조방법 |
US10458126B2 (en) | 2015-07-29 | 2019-10-29 | Toli Corporation | Floor covering |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6602811B1 (en) * | 1998-12-23 | 2003-08-05 | Malden Mills Industries, Inc. | Anti-microbial enhanced knit fabric |
JP2003010030A (ja) * | 2001-07-02 | 2003-01-14 | Towa Orimono Kk | カーペット |
JP5752348B2 (ja) * | 2009-07-31 | 2015-07-22 | 住江織物株式会社 | 床暖房敷設用カ−ペット |
JP6713849B2 (ja) * | 2016-06-15 | 2020-06-24 | 株式会社リブドゥコーポレーション | 消臭材およびそれを備えた吸収性物品 |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP9130022A patent/JP2891684B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101519446B1 (ko) * | 2013-12-19 | 2015-05-14 | 정의철 | Pvc원단에 부직포를 초음파 융착하는 난방용 장판지 제조방법 |
US10458126B2 (en) | 2015-07-29 | 2019-10-29 | Toli Corporation | Floor covering |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10276600A (ja) | 1998-10-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |