JP2891326B2 - 電子管歪みを再現する多段ソリッドステート増幅器 - Google Patents
電子管歪みを再現する多段ソリッドステート増幅器Info
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Description
幅器、詳しくは過励振(overdriven)時の電子管増幅器と
類似の歪みを有するソリッドステートの多段増幅器に関
する。
は、電子管が歪みを含む出力音響を生成し、これの方が
心地よくまた音楽性に富むと思われるためである。ソリ
ッドステート増幅器が好んで使用されるのは、これの方
が軽めで安価に製造でき、耐久性があり消費電力が小さ
いことによる。電子管増幅器と同様の歪みのある音響を
ソリッドステート増幅器に発生させるのは困難である。
また、増幅器に使用できる電子管の供給が困難になって
きており、同時に価格も高騰している。
ある。この増幅器は装置の動作を特徴づける各種素子の
標準的な値を記載してある。図1に図示した増幅器10
は4つの同等な電子管部分12、14、16、18(例
えば4本の12AX7電子管部分)を含む前置増幅器
で、各電子管部分は対応するプレート抵抗20(10K
Ω)とカソード抵抗22(1.5KΩ)を有する。各々
のカソード抵抗22はコンデンサ24(2.2μF)で
バイパスする。このプレート及びカソード抵抗の値だ
と、通常の12AX7増幅電子管部分は約1ミリアンペ
アのプレート電流、約1.5ボルトのカソード電圧、+
300ボルト供給源から約+200ボルトのプレート電
圧でアイドル状態となる。1.5ボルトのピークを超え
る正電位側のグリッド振幅でグリッドが導通するように
なる。通常のギター入力は結合コンデンサ34とグリッ
ド抵抗36で第1段の電子管12のグリッドへ接続す
る。抵抗38はコンデンサ34とグリッド抵抗38の間
の接続点へ結合して電子管12への入力に対する接地基
準電位を提供する。帰還コンデンサ40(10pF)を
電子管12のプレートとグリッドの間に接続して、ミラ
ー効果(Miller effect) として周知の高周波ロールオフ
(roll-off)に対するある程度の制御を提供する。これは
開放入力状態で増幅器を安定させるために役立つ。増幅
器12のプレートからの信号はコンデンサ42とグリッ
ド抵抗44を経由して第2の増幅段14の入力へ結合す
る。抵抗44、46は分圧器として作用する。増幅段1
4からの信号も同様にコンデンサ48とグリッド抵抗5
0を経由して第3の増幅段16へ結合し、抵抗52が入
力と分圧に対する基準接地電位を提供する。最後に、増
幅段16からの信号がコンデンサ54、グリッド抵抗5
6を介して第4の増幅段18に結合し、さらに接地とは
基準抵抗58を介して分圧している。増幅段18の出力
は出力コンデンサ60による前置増幅器10の出力へ結
合している。
びに分圧抵抗44/46、50/52、56/58の値
は、十分歪みを含む音響を提供できるように従来の手段
で選択する。一般に、ギターレベルの入力信号を印加す
る場合、第1段の電子管12は無歪とするが、ある種の
高出力ギターでは第1段でも時としてクリッピングが発
生する。第1段の出力信号レベルは第2の増幅段14で
入力クリッピングが発生する程度に十分大きくとり、第
2増幅段14のグリッドをカソードに対して正電位側に
駆動し、入力サイクルの実質的な部分を導通させる。第
2増幅段14における入力クリッピングによってグリッ
ドに平均負電圧が発生し、これが第2増幅段14の動作
点を劇的に移動し、大量の2次高調波歪みを発生させ
る。第2増幅段14のプレートの信号は方形波に近く、
周期の2/3が正電位側の半周期に使われる。第2増幅
段14のプレートは第3増幅段16で大量の入力クリッ
ピングを発生させるのに十分な高い信号レベルを有して
いる。ここでもグリッドはカソードに対して正電位側に
振幅する。つまり、入力クリッピングで第3増幅段の動
作点が移動する。これが更にもう一回繰り返され、第4
増幅段で入力クリッピングと動作点の移動が起こる。第
4増幅段18のプレートにおける出力は入力と出力のク
リッピングレベルのある程度の差と動作点の移動があ
り、高調波を大量に含んでいる。基本的にはこれら全て
によって電子管独特の音響と呼ばれる特徴的な音響を発
生させることになる。
いずれの増幅段でも正電位方向へのプレートの平均ピー
ク電圧振幅は約100ボルト(即ち、プレート電圧のほ
ぼ半分)である。更に、各々のグリッドは約1.5ボル
トの正電位側ピーク振幅時に導通する。100対1.5
の比率または66.7は大きな数であり、この値は適切
な量の第2次高調波歪みを発生させるのに十分なだけ各
々の段の動作点を移動するために重要である。分圧抵抗
44/46、50/52、56/58の値も重要で、適
正な入力クリッピング量を設定し温かみのある音響を生
成する第2次高調波歪みを発生させるように注意深く選
択する。
の重要な成分がある。第1には100ボルトの出力容量
と1.5ボルトの入力クリッピング容量またはレベルを
有する電子管自体の特性が独特なもので第2次高調波歪
み、いわゆる電子管の音をうまく生成するのに必須であ
る。第2に、ミュージシャンがかき鳴らした後のギター
の出力レベルが低下するに従って歪みのある音響を維持
するのに複数の増幅段が必要である。これより多くのま
たは少ない増幅段を少なくとも3段以上で使用すること
ができ、また望ましくは、多くのミュージシャンが希望
している所望の歪みを有する音響を実現するのに4段を
必要とする。
段の代わりと成し得るような、また従来の該電子管増幅
器で生成される電子管音響を再現するために過振幅駆動
し得るようなソリッドステート増幅器が必要とされてい
る。
で作動している電子管増幅器のグリッドに流れる電流に
付随する歪みが、増幅段の間の結合回路に配置したクリ
ッピング装置を用いて多段ソリッドステート増幅器で再
現されることの発見に基づく。即ち、本発明はギターな
どの楽器演奏に良好な電子管風の音響を引き起こす第2
次高調波歪みをソリッドステート増幅器によって発生さ
せることを目的とする。
管増幅器に付随する歪みを模倣するために、各々が入力
回路と出力信号能力を有する出力回路とを含み、信号を
増幅するために直列接続した複数のソリッドステート装
置であって、これら装置のうち最初のものより下流の各
装置が、その入力回路をそれのすぐ上流の装置の1つの
出力回路と連結したソリッドステート装置と、そのよう
な装置の間で1方向のクリッピングレベルを設定するた
めの装置の各々の間の入力回路において、そのようなソ
リッドステート増幅器で電子管増幅器の所望の入力クリ
ッピング特性を再現し、段間の出力信号性能及び前記ク
リッピングレベルが電子管増幅器の歪み効果をエミュレ
ートするために、適切な第2次高調波歪みを得るのに十
分な電子管回路と同類の比率となるようにしたクリッピ
ング手段と、を有することを特徴とするものである。
テート増幅段は後続段の入力に結合した出力端子を有す
る電界効果トランジスタ(FET)を含み、ダイオード
は電子管増幅器の望ましい入力クリッピング特性を再現
し得るように入力回路内に配置してあり、各段の間の入
力クリッピングレベルに対する出力容量の比率は十分な
第2次高調波歪みを得るのに十分に成してある。
ート増幅段はトランジスタを含む。別の構造ではダーリ
ントン(Darlington)型トランジスタを使用する。別々の
トランジスタをダーリントン接続する場合、接地に対す
る内部ベース抵抗を用いて各々の段のターンオフ(turn-
off)特性を改善する。
を多レベルバイアス回路と組み合わせて使用し電子管増
幅器の入力特性を再現する。
多段増幅器110を表わしており、これは図1の従来の
装置と類似の方法で構成した部材を使用している。図2
において、部材には図1の参照番号に対応する100番
台の参照番号を付与してあり、従来の装置の電子管部分
が4つのソリッドステート増幅段112、114、11
6、118に置き換えてある。図示した装置はJ−FE
T装置とも呼ばれることのある電界効果トランジスタ
(FET)で、40ボルトの電源から供給される。各々
の増幅器112〜118はソースS、ドレインD、ゲー
トGの各端子を図示したように有している。ドレインD
は装置の出力に相当し、ゲートGは装置の入力に相当す
る。各々の増幅段112〜118は図1のプレート抵抗
と同等の値のドレイン抵抗120(100KΩ)を含
む。更に、各段は抵抗122(33KΩ)とバイパスコ
ンデンサ124(2.2μF)の並列接続を含むバイア
ス回路を使用している。ソースSはソース抵抗125と
バイアス回路を介して図示したような自己バイアス構造
で接地へ結合する。更に、各々のソースSはたいていの
電子管増幅段と同様に公称利得(gain nominally)を10
0に設定するためのソース抵抗125(1KΩ)を有す
る。ドレイン及びソースの抵抗値は約6ボルトのピンチ
オフ電圧を有する各々のFET段112、114、11
6、118がソース電流約180μAで待機状態となる
ように調整する。各段はドレインDが約+22ボルト、
ソースSが約+6ボルトとなる。
または出力は増幅段114のゲートGまたは入力へ、結
合コンデンサ142とゲート抵抗144により結合して
ある。抵抗146は増幅段114のゲートGに対する接
地基準電位を提供する。また、抵抗144、146は分
圧器として機能する。同様に、図1に図示してあるよう
に、後続の増幅段116、117はそれぞれ相当する結
合コンデンサ、ゲート抵抗、及び基準電圧抵抗148、
150、152と、154、156、158の組み合わ
せで結合される。最終段118は結合コンデンサ160
を用いて出力に結合する。入力段112は図示したよう
にドレインDとゲートGの間にミラー(Miller)コンデン
サ140を有する。
と、どの段でも利用可能なピークドレイン信号出力の容
量または正電位方向への振幅約18ボルト、即ちドレイ
ンDとソースSとのi dの電位差となる。各々の増幅段
112〜118において、ゲートGは約7ボルトの正電
位側ピークで導通するダイオードとして機能する。つま
り、ドレイン出力容量(18ボルト)とゲート振幅(7
ボルト)の比率は約2.57となる。この比率は十分な
第2次高調波歪みを発生させるには不十分である。
段の間に設けてある。開示した実施例では、各々の増幅
段114、116、118でダイオード162、16
4、166を対応する基準電圧抵抗146、152、1
58と並列に設けることにより、クリッピングを実現で
きる。各々のダイオード162、164、166はカソ
ード側を接地へ結合し、アノード側を各増幅段の分圧抵
抗144/146、150/152、156/158の
間の接続点へ結合してある。各ダイオード162、16
4、166は順方向で導通し、これによってゲート振幅
で+0.5ボルト程度のクリッピングレベルを発生さ
せ、電子管増幅器におけるグリッド導通に付随する歪み
を再現している。ゲートのクリッピングレベル(+0.
5ボルト)に対するドレインの信号出力容量または振幅
(+18ボルト)の比率は18/0.5=36であり、
これは電子管回路ほど大きくない。しかし、高い比率が
望ましい一方で、ソリッドステート回路では、十分な第
2次高調波歪みを各増幅段で発生させるには30程度の
比率で十分である。従って、本発明のソリッドステート
多段前置増幅器110はダイオード162、164、1
66などの低レベル入力クリッピング手段を用いること
により図1の電子管回路の歪み性能と全く同等の歪み性
能を実現している。
他のソリッドステート装置を使用できることは理解され
るべきである。また、利得(gain)、結合(coupling)及び
高周波特性が各種素子の値を偏向することで調節でき
る。しかし、段間に設けたクリッピング手段は、ソリッ
ドステート増幅器から電子管風の音響を引き起こす第2
次高調波歪みの動作を発生させるのに有効である。
増幅器210の別の実施例の略図である。類似の素子は
図2に図示したのと類似の参照番号を200番台で付与
してある。しかし図3では、増幅段112と114の間
の分圧用固定抵抗144、146をポテンショメータ2
13で置き換えてある。可動端子は増幅段214の入力
に結合してありポテンショメータ213は最大信号が増
幅段214へ印加されるCW方向で最大の歪みを発生さ
せることができる。
結合コンデンサ260に結合してある。可動素子は出力
端子として機能する。出力レベルは可動素子が最大のC
W位置にあるとき最大となる。歪みを独立して変化させ
また信号レベルを変化させられる能力が広汎に回路に付
加されアーチストが歪みのある音響と音量を思いのまま
に調節できるようになる。
18を有し本発明に係る多段ソリッドステート増幅器3
10の別の実施例の略図である。類似の素子は図2に図
示したのと類似の参照番号を300番台で付与してあ
る。しかし図4において、ダーリントン接続トランジス
タの対312A〜312B、314A〜314B、31
6A〜316B、318A〜318Bで相当するFET
112、114、116、118をそれぞれ置き換えて
ある。入力ダイオード374を有する多レベルバイアス
系も設けてある。各段の内部バイアス抵抗370はター
ンオフ特性を有利に機能させるために使用することがで
きる。
反れと同様である。しかし、ダーリントン接続トランジ
スタを用いることによって、コスト面と性能面で有利に
なる。前述のFET素子は狭いピンチオフ電圧限界を要
求し、これが価格を大幅に上昇させている。トランジス
タ素子では、本質的に入力は性能面で予測可能な2個の
ダイオードとして振る舞う。
たNPNトランジスタの対312A〜312B、314
A〜314B、316A〜316B、318A〜318
Bを各段に使用している。NPN型を選択したのは供給
電圧がプラス40ボルトであるためである。負の電力供
給では対向する素子形式を使用できる。これ以外に、本
明細書で説明している実施例では単一のトランジスタを
作動させられる。しかし、単一のトランジスタでは電子
管またはFETが提供する利得または入力インピーダン
スに匹敵するだけの利得または入力インピーダンスを供
給できない。従って、対にしたトランジスタが好適であ
る。一体型ダーリントンNPNトランジスタを用いても
良い。しかし、ディスクリート(discrete)型トランジス
タは内部ベース接続へのアクセスが利用可能であること
から高周波性能がわずかに優れている。さらに、ディス
クリート型トランジスタの方が安価である。
るような回路構成が必要である。そのため、独立したバ
イアス供給源VCCを設けてある。第1段312へのバ
イアス電圧は第1のレベルに調節し、残りの3段314
〜318には共通のバイアス電圧を使用する。例示した
実施例では、全ての増幅段312〜318でそれぞれ4
70Kのバイアス供給抵抗338、346、356、3
58と、150Kのコレクタ抵抗320を使用する。各
段間には対応する入力ダイオード362、364、36
6を有してここでの動作点シフトを行っている。更に、
各段は利用可能な内部ベースから接地へのベース抵抗3
70をトランジスタ間のベース・エミッタ回路内に有し
てターンオフ特性を改善している。入力段312は後述
するように電子管入力回路の良好なエミュレーションの
ために入力ダイオード374を有する。
比較的高い出力電圧例えば3〜5ボルトを提供してい
る。そのため良好な前置増幅器入力の過励振を有するの
が重要である。従って、多レベルバイアス構造を提供す
ることによって第1段312にバイアスを掛け、一般的
な12AX7電子管のグリッドの入力過励振を再現して
いる。
382、384、386、388とフィルタ・コンデン
サ391を含む分圧ネットワークを含む。抵抗382は
入力ダイオードのアノードへ結合して増幅段312のダ
イオードバイアス電位(例えば3.5ボルト)を設定す
る。抵抗384はバイアス抵抗338へ結合して増幅段
312のベースバイアスを設定する(例えば2.5ボル
ト)。抵抗386とダイオード抵抗388は図示したよ
うに後続段314〜318の共通バイアス電圧を設定す
る(例えば1.5ボルト)。
Cを分圧して2.5ボルトのベースバイアス供給源と、
3.5ボルトのダイオード供給源と、1.5ボルトの共
通電圧供給源を設定している。増幅段314〜318の
各々において、対応するクリッピングダイオード36
2、364、366も共通の1.5ボルト電圧供給源へ
接続してある。
ジスタ312Aを2.5ボルトでバイアスし、出力トラ
ンジスタ312Bのエミッタが約1.5ボルトとなり
(即ち2つのダイオードが0.5ボルトづつ電圧降下さ
せる)、前述した電子管回路(図1参照)のカソードと
同じ値となる。つまりこの増幅段の入力では、負のピー
ク振幅1.5ボルトとなり、コレクタ動作電流がゼロに
なる(負のクリッピング)。これも図1の電子管回路と
同等である。つまり、図4の回路は電子管回路の入力に
相当している。
トで導通する。3.5ボルトの電圧供給源はベース供給
電圧より1ボルトほど高い。ダイオードバイアス電圧
3.5ボルトにダイオードの電圧降下0.5ボルトを足
した和は4ボルトに等しく、これはベース・バイアス電
圧の2.5ボルトより1.5ボルト高い。これは、この
増幅段の入力において1.5ボルトの正のピークがあ
り、これによって入力ダイオード374が導通して動作
点をシフトさせる(正のクリッピング)ことを表わして
いる。これも電子管回路の場合と同等である。つまり、
図4の回路は電子管回路の入力ダイナミックレンジと適
合している。
ある程度制御された高周波ロールオフ(ミラー効果)を
提供し、312Bのエミッタは接地との間で直列の抵抗
322、325を有し、抵抗322でコンデンサ324
をバイパスしている。この回路構造は典型的な電子管を
用いた第1段に相当する過励振条件を発生させるアイド
ル電流と利得値(gain values) を提供する。抵抗390
とコンデンサ392を含む直列回路がエミッタ回路の両
端に結合して高周波ブーストを実現している。
法でコンデンサ342と抵抗344を介して第2段目3
14の入力に結合する。残りの3つの増幅段314、3
16、318も同様であるが、望ましい過励振音響を生
成するために所望のクリッピング量と動作点シフトと周
波数応答を達成するように素子の値を変更することがで
きる。例えば、段間結合はコンデンサ342、348、
354と抵抗344、350、356で行う。各々の後
続の段314〜318では、エミッタから接地へ2系統
の直列抵抗322〜325があり、接地抵抗322はコ
ンデンサ324でバイパスしている。また、各増幅段は
接地との間で直列の抵抗390とコンデンサ392を用
いて高周波ブーストを提供している。出力はコンデンサ
360経由で供給される。
・コレクタ振幅は約20ボルトである。3箇所の段間ク
リッピングダイオード362、364、366の各々が
順方向に約0.5ボルトで導通する。つまり、クリッピ
ング電圧に対する入力振幅の比率20/0.5=40は
各増幅段の動作点移動を起こすのに十分であり、歪み性
能は電子管回路のそれと非常に近い物となる。
構成において適切なバイアス回路を用いることができる
ことは理解されるべきである。この回路によって電子管
回路と同等の入力特性を有することができる。
と類似の音量ポテンショメータをコンデンサ342の後
側で回路に挿入したり、ポテンショメータ261と類似
のマスター音量ポテンショメータをコンデンサ360の
後側に接続することができる。
作点シフト手段では無いことを特筆すべきである。幾つ
かの米国特許では2次高調波歪みを得ることができるダ
イオードを用いた動作点シフトについて言及している。
本発明は、わずか0.5ボルトの順方向電圧クリッピン
グ値を有するダイオードが、約20ないし30ボルト程
度の出力容量を有する一般的なソリッドステート装置内
で駆動された場合、既存の電子管回路に特有の出力/入
力比ときわめて良く適合し、その結果電子管音響をきわ
めて良く模倣できるという重要な発見を開示するもので
ある。本発明はまた多数の増幅段で生成された多数の動
作点シフトが広範囲な入力信号レベルにわたり多数のレ
ベルと量の第2次高調波を生成することを教示するもの
である。更に本発明はソリッドステート装置によって電
子管回路の典型的な第1段の入力過励振特性を再現する
方法を開示する。その結果は、いわゆる電子管歪みの音
響で、ソリッドステート装置を用いてほぼ正確に生成す
ることができる。
物を説明してきたが、本発明を逸脱することなくこれに
様々な変化及び変更を成し得ることは当業者には明らか
であろうし、添付の請求の範囲ではこのような変化及び
変更が本発明の趣旨と範囲に含まれることを意図してい
る。
略図である。
略図で、FET装置を使用しており、従来の電子管増幅
器で生成する歪みと音響を再現するものである。
応用の特定の実施例の略図である。
類似し、各々のFETはダーリントン接続したトランジ
スタ対と入力ダイオードに沿って多数のバイアスレベル
を有するバイアス回路で置き換えてある。
装置(電界効果トランジスタ) 162、164、166 クリッピング手段(ダイオ
ード) 146、152、158 クリッピング手段(基準電
圧抵抗)
Claims (22)
- 【請求項1】 高入力信号レベルで過励振多段電子管増
幅器のグリッドに流れる電流に付随する歪みをエミュレ
ートし、所望の入力クリッピング特性を得るためのソリ
ッドステート増幅器(110,210,310)におい
て、 各々が入力回路(G)と出力信号能力を有する出力回路
(D)とを含み、信号を増幅するために直列接続した複
数のソリッドステート装置であって、これら装置のうち
最初のものより下流の各装置が、その入力回路をそれの
すぐ上流の装置の1つの出力回路と連結したソリッドス
テート装置(112〜118,212〜218,312
〜318)と、 そのような装置の間で1方向のクリッピングレベルを設
定するための装置の各々の間の入力回路において、その
ようなソリッドステート増幅器で電子管増幅器の所望の
入力クリッピング特性を再現し、段間の出力信号性能及
び前記クリッピングレベルが電子管増幅器の歪み効果を
エミュレートするために、適切な第2次高調波歪みを得
るのに十分な電子管回路と同類の比率となるようにした
クリッピング手段(162〜166,262〜266,
362〜366)と、 を有することを特徴とするソリッドステート増幅器。 - 【請求項2】 前記各装置が、電界効果トランジスタ
(112,114,116,118,212,214,
216,218)を有する請求項1記載の増幅器。 - 【請求項3】 前記各装置が、トランジスタ(112,
114,116,118,212,214,216,2
18)を有する請求項1記載の増幅器。 - 【請求項4】 前記各装置が、ダーリントン接続トラン
ジスタ(312A〜312B,314A〜314B,3
16A〜316B,318A〜318B)を有する請求
項1記載の増幅器。 - 【請求項5】 前記ダーリントン型トランジスタ(31
2A〜312B,314A〜314B,316A〜31
6B,318A〜318B)が、一体型である請求項4
記載の増幅器。 - 【請求項6】 前記ダーリントン型トランジスタ(31
2A〜312B,314A〜314B,316A〜31
6B,318A〜318B)が、個別部品(ディスクリ
ート エレメンツ)を有する請求項4記載の増幅器。 - 【請求項7】 前記ダーリントン型トランジスタ(31
2A〜312B,314A〜314B,316A〜31
6B,318A〜318B)が、ベース・エミッタ回路
及び該ベース・エミッタ回路と接地の間に結合したバイ
アス抵抗(370)を有する請求項6記載の増幅器。 - 【請求項8】 前記クリッピング手段が、ダイオード
(162,164,166,262,264,266,
362,364,366)を有することを特徴とする請
求項1記載の増幅器。 - 【請求項9】 前記出力信号容量が、それについてその
すぐ上流の装置の入力回路内の前記ダイオードに順方向
バイアスを掛けるために機能する請求項8記載の増幅
器。 - 【請求項10】 前記ダイオードが約0.5ボルトで順
方向電圧クリッピングを生成する請求項8記載の増幅
器。 - 【請求項11】 前記比率が少なくとも約30である請
求項1記載の増幅器。 - 【請求項12】 前記歪みを変化させるために前記入力
回路の少なくとも1つにおいて可変入力手段(213)
を更に有する請求項1記載の増幅器。 - 【請求項13】 前記可変入力手段が、前記装置の最初
の1つの出力回路に結合したポテンショメータ(21
3)を有し、このポテンショメータが前記装置の次の1
つの入力と前記クリッピング手段に結合した可変端子を
有する請求項12に記載の増幅器。 - 【請求項14】 前記増幅器の出力レベル全体を変化さ
せるために前記最終段の出力回路に結合した可変出力手
段(261)を更に有する請求項1記載の増幅器。 - 【請求項15】 前記可変出力手段が、ポテンショメー
タ(261)を有する請求項14記載の増幅器。 - 【請求項16】 前記ソリッドステート装置用のバイア
ス手段を更に有する請求項1記載の増幅器。 - 【請求項17】 前記装置の最初の上流の1つのための
上流バイアス手段(144/146)と、前記装置の下
流の1つのための下流バイアス手段(150/152)
を含む多レベルバイアス手段(380)を更に有する請
求項16記載の増幅器。 - 【請求項18】 前記上流バイアス手段が、前記上流の
ソリッドステート装置のベース素子へ接続したベース回
路バイアス手段(144/146)を有する請求項17
記載の増幅器。 - 【請求項19】 前記第1の上流段の入力と基準電位の
間に結合した入力ダイオード手段(164,264,3
64)を更に有する請求項1記載の増幅器。 - 【請求項20】 前記ダイオードのための上流バイアス
手段(144,150,156)を更に含むことを特徴
とする請求項19記載の増幅器。 - 【請求項21】 ダイオード回路バイアスレベルを設定
するためのダイオード回路バイアス手段(146,15
2,158)と、ベース回路バイアスレベルを設定する
ためのベース回路バイアス手段(144,150,15
6)と、下流バイアスレベルを設定するための下流バイ
アス手段(125,122)とを更に有し、前記ダイオ
ードバイアスレベルが上記ベース回路バイアスレベルよ
り大きく、そしてまた該ベース回路バイアスレベルが下
流バイアスレベルより大きい請求項1記載の増幅器。 - 【請求項22】 各装置に結合した高周波レベルでの周
波数応答を拡張するためのバイパス手段(124)を更
に有する請求項1記載の増幅器。
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