JP2891147B2 - 減圧式逆流防止装置 - Google Patents

減圧式逆流防止装置

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JP2891147B2 JP29033195A JP29033195A JP2891147B2 JP 2891147 B2 JP2891147 B2 JP 2891147B2 JP 29033195 A JP29033195 A JP 29033195A JP 29033195 A JP29033195 A JP 29033195A JP 2891147 B2 JP2891147 B2 JP 2891147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は減圧式逆流防止装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】給水給湯システム、空気調和システム、
補給水システムなどでは、減圧式逆流防止装置が多用さ
れている。この減圧式逆流防止装置としては、1次側流
路と2次側流路との間に中間室を設け、1次側流路から
中間室への流れは許容し中間室から1次側流路への流れ
は阻止するように第1逆止弁を設け、中間室から2次側
流路への流れは許容し2次側流路から中間室への流れは
阻止するように第2逆止弁を設け、中間室内の流体を排
出する安全弁を設け、1次側流路と中間室との間にダイ
ヤフラムを介在させて、1次側流路の圧力から中間室の
圧力を差し引いた差圧が正のときには、ダイヤフラムが
安全弁を閉弁する方向に押圧し、差圧が負のときには、
ダイヤフラムが安全弁を開弁する方向に押圧するように
構成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記減圧式逆流防止装
置では、安全弁が正常に作動する限り、1次側流路と2
次側流路との連絡は遮断され、したがって第1逆止弁や
第2逆止弁にシート漏れがあっても、逆流は防止され
る。また第1逆止弁が正常に逆流を防止する限り、第2
逆止弁や安全弁に異常があっても逆流は防止され、同様
に第2逆止弁が正常に逆流を防止する限り、第1逆止弁
や安全弁に異常があっても逆流は防止される。すなわち
3つの可動要素のうち、いずれか1つが正常に機能すれ
ば逆流が防止されるものであるから、逆流を防止する上
での信頼性が著しく高い装置である。しかしながら当然
に、1つの可動要素に異常が生じたにも拘らず、その異
常を知らずに使用し続けたとするならば、残り2つの要
素のうちのいずれか1つが正常に機能することが逆流防
止の条件となり、更には2つの可動要素に異常が生じた
にも拘らず、その異常を知らずに使用し続けたとするな
らば、残り1つの要素が正常に機能することだけが逆流
防止の条件となる。
【0004】すなわち上記減圧式逆流防止装置は、装置
全体としての信頼性が著しく高いといえども、各可動要
素の異常を検出する手段がなければ、経年的に装置全体
の信頼性を徐々に損なうおそれを生じる。したがって各
要素の異常を検出することが、長期にわたって装置全体
の高い信頼性を維持する上で不可欠となるが、上記減圧
式逆流防止装置は機構的に余りに信頼性が高いために、
却って各要素の異常を検出する手法が従来開発されてい
なかった。したがって本発明は、減圧式逆流防止装置の
各可動要素の異常の有無を検出することにより、長期に
わたって高い信頼性を維持することができる減圧式逆流
防止装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、安全弁の開閉
を検出する開閉検出手段を設け、1次側流路の圧力が既
定値以下であり、且つ安全弁が閉弁しているときに、安
全弁が異常である旨の警報を発する監視装置を設けるこ
とにより、上記課題を解決したものである。本発明はま
た、1次側流路の圧力が既定値以上であり、且つ安全弁
が開弁しているときに、安全弁が異常である旨の警報を
発する監視装置を設けることにより、上記課題を解決し
たものである。本発明はまた、1次側流路の圧力から2
次側流路の圧力を差し引いた差圧が既定値以下であり、
且つ安全弁が開弁しているときに、第2逆止弁が異常で
ある旨の警報を発する監視装置を設けることにより、上
記課題を解決したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面によっ
て説明する。図1は本発明の一実施例を示し、1次側流
路1と2次側流路2との間には、中間室3が設けられて
いる。1次側流路1と中間室3との間には、1次側流路
1から中間室3への流れは許容し、中間室3から1次側
流路1への流れは阻止するように、第1逆止弁4が取り
付けられている。同様に中間室3と2次側流路2との間
には、中間室3から2次側流路2への流れは許容し、2
次側流路2から中間室3への流れは阻止するように、第
2逆止弁5が取り付けられている。両逆止弁4,5は、
それぞれコイルスプリング4a,5aによって閉弁方向
に押圧されている。
【0007】中間室3には、中間室3内の流体を排出す
る安全弁6が設けられており、1次側流路1から引き回
した空間と中間室3との間には、ダイヤフラム7が介装
されている。安全弁6は、このダイヤフラム7に取り付
けられており、1次側流路1の圧力P1から中間室の圧
力P3を差し引いた差圧ΔP13が正のときには、ダイヤ
フラム7が安全弁6を閉弁方向に押圧し、差圧ΔP13
負のときには、ダイヤフラム7が安全弁6を開弁方向に
押圧するように構成されている。また安全弁6は、コイ
ルスプリング6aによって開弁方向に押圧されている。
【0008】1次側流路1を加圧すると、1次側流路1
内の流体は、第1逆止弁4のコイルスプリング4aに抗
して第1逆止弁4を開弁して、中間室3に流入し、更に
第2逆止弁5のコイルスプリング5aに抗して第2逆止
弁5を開弁して、2次側流路2に流入し、こうして流体
は1次側流路1から2次側流路2に流れる。1次側流路
1の流体がちょうど中間室3に流れ始めたときには、中
間室3の圧力P3は、第1逆止弁4のコイルスプリング
4aの押圧力の分だけ、1次側流路1の圧力P1よりも
低くなる。したがって差圧ΔP13は正となり、ダイヤフ
ラム7は安全弁6を閉弁方向に押圧する。安全弁6のコ
イルスプリング6aは、この押圧力よりも弱く安全弁6
を開弁方向に押圧しており、したがって通常状態では安
全弁6は閉弁状態を維持している。
【0009】ここで1次側流路1の圧力が降圧して、ダ
イヤフラム7の受圧面積と差圧ΔP13との積よりも、安
全弁6のコイルスプリング6aの押圧力の方が勝ると、
安全弁6は開弁し、中間室3内の流体は排出される。し
たがって第1逆止弁4のシート漏れや第2逆止弁5のシ
ート漏れの有無に関せずに、1次側流路1と2次側流路
2とは切り離されて、1次側流路1への流体の逆流は防
止される。また2次側流路2の圧力が昇圧したときに
は、第2逆止弁5の作用によって2次側流路2内の流体
は中間室3内に流入することができないが、もしも第2
逆止弁5にシート漏れがあったとしても、シート漏れの
結果中間室3の圧力が昇圧するから、上記と同様に安全
弁6が開弁し、中間室3内の流体は排出される。したが
って2次側流路2の圧力が昇圧したときも、第1逆止弁
4のシート漏れや第2逆止弁5のシート漏れの有無に関
せずに、1次側流路1と2次側流路2とは切り離され
て、1次側流路1への流体の逆流は防止される。また1
次側流路1の圧力が降圧し、あるいは2次側流路2の圧
力が昇圧したときに、第1逆止弁4又は第2逆止弁5に
シート漏れがなければ、たとえ安全弁6が閉鎖固着して
いようとも、当然に1次側流路1への流体の逆流は生じ
ない。
【0010】しかして本実施例では、1次側流路1に1
次側圧力センサーP1が取り付けられており、同様に2
次側流路2には2次側圧力センサーP2が取り付けられ
ている。また安全弁6の開閉位置は、リミットスイッチ
LSによって検出されている。これらの圧力センサーP
1,P2及びリミットスイッチLSからの信号は監視装置
8に送られており、監視装置8では図2に示すような制
御を行っている。
【0011】すなわち1次側流路1の圧力P1が、1次
側の既定の比較圧力P1Rよりも下回ったときには、1次
側が降圧した旨の警報aを発する。このとき本来は安全
弁6が開弁し、中間室3内の流体を排出する。したがっ
てリミットスイッチLSが安全弁6の開弁を確認してい
るときには、単に中間室が排水された旨の警報bを発す
る。しかしながら1次側が降圧したにも拘らず、リミッ
トスイッチLSが安全弁6の開弁を確認しないときに
は、安全弁が不作動である旨の警報cを発する。
【0012】また1次側流路1の圧力P1が、比較圧力
1Rよりも高いときには、本来は安全弁6は開弁しな
い。しかしながら1次側が降圧していないにも拘らず、
リミットスイッチLSが安全弁6の開弁を確認したとき
には、中間室が排水された旨の警報dと、安全弁が作動
した旨の警報eとを発する。
【0013】また1次側流路1の圧力P1が、比較圧力
1Rよりも高く、且つ1次側流路1の圧力P1から2次
側流路2の圧力P2を差し引いた差圧ΔPが既定の比較
差圧ΔPR以下となったときには、2次側が昇圧した旨
の警報fを発する。このとき本来は安全弁6は開弁しな
いのであるが、リミットスイッチLSが安全弁6の開弁
を確認したときには、中間室が排水された旨の警報gと
第2逆止弁5にシート漏れがある旨の警報hとを発す
る。比較差圧ΔPRとしては、例えば0kgf/cm2
することができる。
【0014】このように本実施例では、安全弁6の開弁
不良と閉弁不良、及び第2逆止弁の閉弁不良を警報とし
て発しているから、長期にわたって高い信頼性を維持す
ることができる。なお、第2逆止弁5は、必要なときに
閉鎖することが目的であるから、開弁不良ということは
問題とならない。また第1逆止弁4の閉弁不良は、検出
できるのであれが検出することに越したことはないが、
単なる計装を施すことによってこれを検出することは困
難である。したがって第1逆止弁4の閉弁不良の検出の
ためにはテスト管路を設ける必要が生じ、テスト管路を
設けると、その切り換えをする必要を生じるから、装置
全体の信頼性を却って損なうおそれがある。それ故、第
2逆止弁5の異常を検出したときに、第1逆止弁4の閉
弁不良を併せて検査する、などといった実用的な手法で
対処する方が好ましい。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、安全弁と
第2逆止弁の作動状態を常時監視することができるか
ら、長期にわたって高い信頼性を維持することができる
減圧式逆流防止装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】該実施例の制御手法を示すブロック図
【符号の説明】 1…1次側流路 2…2次側流路 3…中間室 4…第1逆止弁 5…第2逆止弁 6…安全弁 4a,5a,6a…コイルスプリング 7…ダイヤフラム 8…監視装置 P1,P2…圧力センサー LS…リミットスイ
ッチ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 37/00 F16K 15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次側流路と2次側流路との間に中間室を
    設け、前記1次側流路から中間室への流れは許容し中間
    室から1次側流路への流れは阻止するように第1逆止弁
    を設け、前記中間室から2次側流路への流れは許容し2
    次側流路から中間室への流れは阻止するように第2逆止
    弁を設け、前記中間室内の流体を排出する安全弁を設
    け、前記1次側流路と中間室との間にダイヤフラムを介
    在させて、前記1次側流路の圧力から中間室の圧力を差
    し引いた差圧が正のときには、前記ダイヤフラムが前記
    安全弁を閉弁する方向に押圧し、前記差圧が負のときに
    は、ダイヤフラムが安全弁を開弁する方向に押圧するよ
    うに構成した減圧式逆流防止装置において、 前記1次側流路の圧力が既定値以下であり、且つ前記安
    全弁が閉弁しているときに、前記安全弁が異常である旨
    の警報を発する監視装置を設けたことを特徴とする減圧
    式逆流防止装置。
  2. 【請求項2】1次側流路と2次側流路との間に中間室を
    設け、前記1次側流路から中間室への流れは許容し中間
    室から1次側流路への流れは阻止するように第1逆止弁
    を設け、前記中間室から2次側流路への流れは許容し2
    次側流路から中間室への流れは阻止するように第2逆止
    弁を設け、前記中間室内の流体を排出する安全弁を設
    け、前記1次側流路と中間室との間にダイヤフラムを介
    在させて、前記1次側流路の圧力から中間室の圧力を差
    し引いた差圧が正のときには、前記ダイヤフラムが前記
    安全弁を閉弁する方向に押圧し、前記差圧が負のときに
    は、ダイヤフラムが安全弁を開弁する方向に押圧するよ
    うに構成した減圧式逆流防止装置において、 前記1次側流路の圧力が既定値以上であり、且つ前記安
    全弁が開弁しているときに、前記安全弁が異常である旨
    の警報を発する監視装置を設けたことを特徴とする減圧
    式逆流防止装置。
  3. 【請求項3】1次側流路と2次側流路との間に中間室を
    設け、前記1次側流路から中間室への流れは許容し中間
    室から1次側流路への流れは阻止するように第1逆止弁
    を設け、前記中間室から2次側流路への流れは許容し2
    次側流路から中間室への流れは阻止するように第2逆止
    弁を設け、前記中間室内の流体を排出する安全弁を設
    け、前記1次側流路と中間室との間にダイヤフラムを介
    在させて、前記1次側流路の圧力から中間室の圧力を差
    し引いた差圧が正のときには、前記ダイヤフラムが前記
    安全弁を閉弁する方向に押圧し、前記差圧が負のときに
    は、ダイヤフラムが安全弁を開弁する方向に押圧するよ
    うに構成した減圧式逆流防止装置において、 前記1次側流路の圧力から2次側流路の圧力を差し引い
    た差圧が既定値以下であり、且つ前記安全弁が開弁して
    いるときに、前記第2逆止弁が異常である旨の警報を発
    する監視装置を設けたことを特徴とする減圧式逆流防止
    装置。
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