JP2891042B2 - 炭化珪素質材料の接合方法 - Google Patents

炭化珪素質材料の接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭化珪素質材料の接合方
法に関し、より詳細には炭化珪素粉末等から成形した複
数個の多孔質炭化珪素質成形体を反応焼結法により接合
する炭化珪素質材料の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素材料は高温強度等に優れるた
め、構造材料として種々の用途に用いられている。しか
し、この炭化珪素材料は難加工性材料であり、一旦焼結
体を得た後、これを切削加工して一定形状の製品を作製
するのは極めて困難である。また複雑な形状を有する炭
化珪素成形体を作製した後、これを焼成することにより
炭化珪素焼結体を製造するのも容易ではない。従って、
通常は幾つかの焼結体を接合することにより複雑な形状
のものを作製している。
【0003】この接合方法の一つとして、複数個の炭化
珪素成形体を重ね合わせ、この重ね合わされた部分に非
酸化性雰囲気下で溶融シリコンを含浸させて接合する方
法(特開昭63−17268号公報)が提案されてい
る。
【0004】しかし前記方法においては、炭化珪素成形
体の接合部付近の性状や溶融シリコンの含浸方法によっ
ては溶融シリコンが接合部に十分浸透しなかったり、接
合部がシリコンのみで形成されるため充分な接合強度が
得られないという問題があった。
【0005】このような接合部の強度が充分でないとい
う問題点を克服するため、複数の成形体を炭化珪素粉末
あるいは炭化珪素と炭素粉末とを含む樹脂により接合し
た後、溶融シリコンを含浸させる方法(特開昭55−3
384号公報、特開平2−64063号公報)が提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炭化珪素粉末
だけを用いて接合する方法では、接合部の強度が充分と
は言えず、炭化珪素と炭素粉末とを用いて接合する方法
では、添加される炭素粉末が大きいため、反応焼結時に
炭化珪素の生成による急激な体積膨張をもたらして割れ
が発生したり、未反応炭素が残留する等の課題があっ
た。
【0007】さらに、前記炭化珪素の接合に用いられる
樹脂および炭素粉末には原料および製造工程から混入す
る不純物が存在しており、得られる接合体の純度が低下
するという課題もあった。
【0008】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
ので、簡単な方法で、均一な密度や強度を有し、接合部
の接合強度も十分高く、不純物の混入がない接合体を得
ることができる炭化珪素質材料の接合方法を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る炭化珪素質材料の接合方法は、多孔質炭
化珪素質成形体の凸部と凹部を嵌合させて接合する炭化
珪素質材料の接合方法において、嵌合された前記多孔質
炭化珪素質成形体の隙間部に炭素含有ガスを熱分解させ
て炭素を析出させ、この後前記隙間部を含む前記多孔質
炭化珪素質成形体に溶融シリコンを含浸、反応させるこ
とを特徴としている(以下、第1の接合方法と記す)。
【0010】また本発明に係る炭化珪素質材料の接合方
法は、多孔質炭化珪素質成形体の凸部と凹部を嵌合させ
て接合する炭化珪素質材料の接合方法において、前記多
孔質炭化珪素質成形体の凸部及び/又は凹部に炭素含有
ガスを熱分解させて炭素を析出させ、この後前記炭化珪
素質成形体を嵌合し、嵌合部を含む前記多孔質炭化珪素
質成形体に溶融シリコンを含浸、反応させることを特徴
としている(以下、第2の接合方法と記す)。
【0011】まず、本発明の第1の接合方法について説
明する。本発明の第1の接合方法においては、嵌合され
た前記多孔質炭化珪素質成形体の隙間部に炭素含有ガス
を熱分解させて炭素を析出させる。
【0012】前記多孔質炭化珪素質成形体は、炭化珪素
単独、炭化珪素と炭素との複合材又は炭化珪素とシリコ
ンとの複合材から構成される。
【0013】前記多孔質炭化珪素質成形体が炭化珪素単
独又は炭化珪素とシリコンより構成されるものである場
合、その密度は、1.5〜2.2g/cm3 であること
が好ましい。この場合、前記多孔質炭化珪素質成形体
は、炭化珪素粉末に適量の樹脂等の結合剤を加えて成形
し、予備焼成(仮焼)を行って前記樹脂を消失させるこ
とにより得られる。原料として用いられる炭化珪素粉末
は、α型、β型のいずれでもよく、また前記α型炭化珪
素粉末とβ型炭化珪素粉末との混合物であってもよい。
【0014】前記多孔質炭化珪素質成形体が、炭化珪素
と炭素との複合材から構成されるものである場合、前記
炭化珪素に対する前記炭素の割合は0〜10wt%であ
ることが好ましく、その密度は1.4〜2.1g/cm
3 であることが好ましい。前記多孔質炭化珪素質成形体
も、炭化珪素粉末及び炭素粉末に適量の結合剤等を加え
て成形し、予備焼成を行うことにより得られる。この場
合、原料の炭素粉末としては、黒鉛、カーボンブラック
等が用いられる他、結合剤として添加した樹脂等を適当
な雰囲気で加熱することにより炭素化させることもでき
る。炭化珪素粉末は、前記炭化珪素単独の場合に構成さ
れる前記成形体の原料粉末と同様のものでよい。また、
半導体用治具等は高純度を要求される製品であるため、
接合によりこれらの製品を製造する場合には、炭化珪素
粉末や炭素も高純度のものを用いる必要があり、その純
度は半導体に有害な元素が1ppm以下程度が好まし
い。
【0015】前記した構成の複数の多孔質炭化珪素質成
形体は、それぞれ凸部や凹部が形成されており、前記凸
部と凹部を嵌合させ、嵌合された前記多孔質炭化珪素質
成形体の隙間部に、炭素含有ガスを熱分解させて炭素を
析出させる。
【0016】前記多孔質炭化珪素質成形体の凹部は貫通
孔でも構わない。嵌合させた後に形成される嵌合部の隙
間は、その幅が0.1〜1mm程度であるのが好まし
い。
【0017】前記炭素含有ガスとしては、例えばメタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、アセチレン
等の炭化水素ガス、モノクロロエチレン、ジクロロエチ
レン、テトラクロロエタン、トリクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素ガス等が挙げられる。
【0018】前記炭素含有ガスは、通常600〜100
0℃程度の温度で熱分解するため、例えば前記炭素含有
ガスを熱分解する温度より低い温度で、炭素を析出させ
る系内に導入し、前記多孔質炭化珪素質成形体の温度を
熱分解可能な所定の温度に設定する。これにより、前記
炭素含有ガスは前記多孔質炭化珪素質成形体の隙間部に
近づくと温度が上昇して分解され、炭素を析出させる。
前記多孔質炭化珪素質成形体の内部にも多少は炭素が析
出するが、後の工程でシリコンと反応し、むしろ強度が
高くなるために問題はない。炭素の析出量は、前記多孔
質炭化珪素質成形体の温度やガス流量等を調整すること
により、制御することができる。
【0019】前記隙間部に析出させる炭素の量は、前記
隙間部全体の体積に対し5〜40体積%が好ましい。前
記隙間部の体積が5体積%未満では反応焼結による効果
が十分でないために接合強度が充分でなく、40体積%
を越えると反応焼結によって生成する炭化珪素の容積が
前記隙間部の容積を越えるためクラックが発生する場合
がある。
【0020】熱分解反応によって生成する炭素粉末は、
黒鉛粉末やカーボンブラック等よりも粒径が細かく、ア
モルファス状であるため溶融シリコンと極めて容易に反
応し、形成される炭化珪素とシリコンの複合体も高強度
のものとなる。また、析出する炭素は高純度の炭素含有
ガスを原料としているので、金属不純物が存在せず極め
て高純度である。
【0021】この後、前記工程により炭素の析出した前
記隙間部に溶融シリコンを含浸させて反応させる接合処
理を行い、前記嵌合部に反応焼結炭化珪素を生成させ
る。
【0022】前記接合処理はAr等の不活性ガスあるい
は減圧下で行うことができるが、溶融シリコン含浸性の
改善のためには減圧下で行うことが好ましい。溶融させ
るシリコンも高純度のものが好ましく、高純度の製品を
得ようとする場合には、Fe、Ni、Cr、Cu、N
a、K、Mo等の不純物の濃度が1ppm程度以下のも
のを使用する必要がある。
【0023】加熱温度は1450〜1600℃程度が好
ましく、また加熱時間は、前記多孔質炭化珪素質成形体
の寸法、組成、仮焼温度によって異なるが、30分間〜
20時間程度が好ましい。さらに昇温速度も前記多孔質
炭化珪素質成形体の寸法、肉厚によって適宜調整され
る。
【0024】嵌合された前記多孔質炭化珪素質成形体に
溶融させた金属シリコンを含浸させると前記隙間部内部
の炭素と反応して、炭化珪素を生じながら緻密化が起こ
り、前記多孔質炭化珪素質成形体及び反応終了後に残留
する前記隙間部の気孔にさらに金属シリコンが充填さ
れ、緻密な接合体となる。この時、前記隙間部には熱分
解炭素が存在するため、前記隙間部の体積は実質的に減
少し、毛細管現象による溶融シリコンの含浸はより容易
となる。また仮焼時に樹脂等の炭素分により前記多孔質
炭化珪素質成形体表面の酸素が除去されるため、溶融シ
リコンと前記多孔質炭化珪素質成形体とのぬれ性が改善
され、接合がより容易となる。
【0025】前記第1の接合方法により、前記した簡単
な方法で、高強度な接合体が得られる。また、得られた
接合体は炭化珪素成形体とシリコンのみからなり、ホッ
トプレスのプレスロッド等と接触することはなく、析出
する炭素材料も高純度であるので、高純度な製品を得る
ことができる。
【0026】次に、本発明の第2の接合方法について説
明する。本発明の第2の接合方法では、多孔質炭化珪素
質成形体の凸部と凹部を嵌合させて接合する炭化珪素質
材料の接合方法において、嵌合させる前記多孔質炭化珪
素質成形体の凸部及び/又は凹部に、まず炭素含有ガス
を熱分解させて炭素を析出させておき、この後前記炭化
珪素質成形体を嵌合する。
【0027】この場合に用いられる多孔質炭化珪素質成
形体、炭素含有ガス等は第1の接合方法と同様である。
また、多孔質炭化珪素質成形体の凸部及び/又は凹部に
炭素を析出させる際の炭素含有ガスの熱分解の条件は、
第1の接合方法と同じか、若干高い温度で行われる。
【0028】その後は、前記第1の接合方法と同様に溶
融シリコンを含浸、反応させ、嵌合部に反応焼結炭化珪
素を生成させる。このときの条件も前記第1の接合方法
の場合の条件と同様でよい。
【0029】前記第2の接合方法により、簡単な方法
で、高強度な接合体が得られる。また、得られた接合体
は炭化珪素成形体とシリコンのみからなり、他の焼結用
部材と接触することはなく、析出する炭素材料も高純度
であるので、高純度な製品を得ることができる。
【0030】
【作用】上記構成の第1の接合方法によれば、多孔質炭
化珪素質成形体の凸部と凹部を嵌合させて接合する炭化
珪素質材料の接合方法において、嵌合された前記多孔質
炭化珪素質成形体の隙間部に炭素含有ガスを熱分解させ
て炭素を析出させ、この後前記隙間部を含む前記多孔質
炭化珪素質成形体に溶融シリコンを含浸、反応させるの
で、複雑な装置を必要とせず、簡単な方法で、均一な密
度や強度を有し、接合部の接合強度も十分高い接合体が
得られる。
【0031】また高純度の炭化珪素や結合剤を用いた場
合、接合過程で不純物の混入がないので、極めて純度の
高い半導体製造用の耐熱性治具等が得られる。
【0032】また、上記構成の第2の炭化珪素質材料の
接合方法によれば、多孔質炭化珪素質成形体の凸部と凹
部を嵌合させて接合する炭化珪素質材料の接合方法にお
いて、前記多孔質炭化珪素質成形体の凸部及び/又は凹
部に炭素含有ガスを熱分解させて炭素を析出させ、この
後前記炭化珪素質成形体を嵌合し、嵌合部を含む前記多
孔質炭化珪素質成形体に溶融シリコンを含浸、反応させ
るので、簡単な方法で、均一な密度や強度を有し、接合
部の接合強度も十分高い接合体が得られる。
【0033】また高純度の炭化珪素や結合剤を用いた場
合、接合過程で不純物の混入がないので、極めて純度の
高い半導体製造用の耐熱性治具等が得られる。
【0034】
【実施例】以下に、本発明に係る炭化珪素質材料の接合
方法の実施例を図面に基づいて説明する。
【0035】[実施例1〜4]平均粒径30μmのα型
炭化珪素粉80重量%に結合剤としてフェノール樹脂1
0重量%と溶剤メタノール10重量%とを加えて混練
し、乾燥、造粒を行った。この造粒操作で得られた粉末
を2種類の金型に充填し、金型プレスにより500kg
/cm2 の条件で加圧成形した。
【0036】次いで前記工程で得られた成形体に、窒素
雰囲気下で1000℃、30分間の脱脂処理を施し、ま
たこの処理により前記フェノール樹脂の一部を炭素化
し、凸部又は凹部(貫通孔)を有する2個の多孔質炭化
珪素質成形体を作製した。そして、得られた2個の前記
多孔質炭化珪素質成形体の凸部と貫通孔とを嵌合させ
た。
【0037】図1は嵌合された前記多孔質炭化珪素質成
形体を示した断面図である。
【0038】多孔質炭化珪素質成形体11は中央部に貫
通孔を有する円板状成形体であり、多孔質炭化珪素質成
形体12は二つの異なる直径の円柱により構成された成
形体であり、上部の円柱12aは下部の円柱12bより
直径も長さも小さく、多孔質炭化珪素質成形体11の貫
通孔と嵌合できるような大きさに形成されている。ま
た、図1に示しているように、嵌合部分には幅dの隙間
部13が形成されている。
【0039】この嵌合された多孔質炭化珪素質成形体1
1、12に、メタンガス50%、水素50%の雰囲気
下、この多孔質炭化珪素質成形体11、12の温度を9
00℃に設定して2〜20時間熱分解処理し、隙間部1
3に熱分解炭素を析出させた。
【0040】その後、隙間部13に炭素が析出した多孔
質炭化珪素質成形体11、12に、1500℃において
溶融シリコンを含浸させたところ、炭素が析出した隙間
部13及び多孔質炭化珪素質成形体11、12の内部ま
でシリコンの充填した接合体が得られた。
【0041】表1に隙間部13の幅d、シリコン溶融液
の含浸高さH及び隙間部13への炭素析出量(体積%)
の接合条件と、得られた接合体の隙間部13へのシリコ
ンの充填状態の程度及び曲げ強度とを示している。
【0042】なお含浸高さは、容器中にシリコン及び嵌
合された多孔質炭化珪素質成形体11、12を入れてシ
リコンを溶融させ、この嵌合された多孔質炭化珪素質成
形体11、12中にシリコン溶融液を含浸させた際の含
浸前のシリコン溶融液表面から嵌合された多孔質炭化珪
素質成形体11、12の最も高い位置までの距離を示
す。また曲げ強度は、接合部が中心となるように試験片
(3mm×4mm×40mm)を切り出し、この試験片
を使用して3点曲げ強度を測定することにより得られた
値である。
【0043】[比較例1〜3]隙間部13への炭素析出
量が異なる他は、実施例1の場合と同様に実験を行い、
接合体を得た。
【0044】上記実施例と同様に、表1に接合条件と得
られた接合体の物性等とを示している。
【0045】[実施例5〜7]隙間部13の幅dを0.
8mmとし、炭素析出処理を900℃、8〜40時間と
してその析出量を変化させた以外は実施例1の場合と同
様に実験し、接合体を得た。
【0046】上記実施例と同様に、表1に接合条件と得
られた接合体の物性等とを示している。
【0047】
【表1】
【0048】[比較例4]炭素の析出を行わなかった他
は、実施例5の場合と同様に実験した。しかし隙間部1
3にはシリコンが充填されず、接合することができなか
った。
【0049】[実施例8]用いたα型炭化珪素粉末の不
純物含有量が1ppm以下である他は、実施例1の場合
と同様に実験を行い、接合体を得た。
【0050】表2に、接合条件と得られた接合体の物性
等とを示している。
【0051】[比較例5]熱分解炭素処理を行わず、隙
間部13に黒鉛粉末とフェノール樹脂の混合物を充填し
た以外は実施例1の場合と同様に実施し、接合体を得
た。
【0052】同じく表2に接合条件と得られた接合体の
物性等とを示している。
【0053】
【表2】
【0054】[実施例9〜11]実施例1と同様にし
て、2個の多孔質炭化珪素質成形体11、12を作製し
た。次に、得られた多孔質炭化珪素質成形体12の上部
の円柱12a部分を、メタンガス50%、水素ガス50
%の雰囲気下、多孔質炭化珪素質成形体12の温度を9
00℃に設定して1〜15時間処理し、円柱12a部分
に熱分解炭素を析出させた。
【0055】その後、この炭素が析出した多孔質炭化珪
素質成形体12と多孔質炭化珪素質成形体11とを嵌合
し、1500℃において溶融シリコンを含浸させたとこ
ろ、隙間部13及び多孔質炭化珪素質成形体11、12
の内部までシリコンの充填した接合体が得られた。
【0056】表3に接合条件と得られた接合体の物性等
とを示している。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】以上詳細に記述したように本発明に係る
第1の接合方法にあっては、多孔質炭化珪素質成形体の
凸部と凹部を嵌合させて接合する炭化珪素質材料の接合
方法において、嵌合された前記多孔質炭化珪素質成形体
の隙間部に炭素含有ガスを熱分解させて炭素を析出さ
せ、この後前記隙間部を含む前記多孔質炭化珪素質成形
体に溶融シリコンを含浸、反応させるので、複雑な装置
を必要とせず、簡単な方法で、均一な密度や強度を有
し、接合部の接合強度も十分高い接合体を得ることがで
きる。また高純度の炭化珪素や結合剤を用いた場合、接
合過程で不純物の混入がないので、極めて純度の高い半
導体製造用の耐熱性治具等を得ることができる。
【0059】また、本発明に係る第2の接合方法にあっ
ては、多孔質炭化珪素質成形体の凸部と凹部を嵌合させ
て接合する炭化珪素質材料の接合方法において、前記多
孔質炭化珪素質成形体の凸部及び/又は凹部に炭素含有
ガスを熱分解させて炭素を析出させ、この後前記炭化珪
素質成形体を嵌合し、嵌合部を含む前記多孔質炭化珪素
質成形体に溶融シリコンを含浸、反応させるので、簡単
な方法で、均一な密度や強度を有し、接合部の接合強度
も十分高い接合体を得ることができる。また高純度の炭
化珪素や結合剤を用いた場合、接合過程で不純物の混入
がないので、極めて純度の高い半導体製造用の耐熱性治
具等を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る多孔質炭化珪素質成形体
の接合方法において、嵌合された多孔質炭化珪素質成形
体を示した断面図である。
【符号の説明】
11、12 多孔質炭化珪素質成形体 13 貫通孔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質炭化珪素質成形体の凸部と凹部を
    嵌合させて接合する炭化珪素質材料の接合方法におい
    て、嵌合された前記多孔質炭化珪素質成形体の隙間部に
    炭素含有ガスを熱分解させて炭素を析出させ、この後前
    記隙間部を含む前記多孔質炭化珪素質成形体に溶融シリ
    コンを含浸、反応させることを特徴とする炭化珪素質材
    料の接合方法。
  2. 【請求項2】 多孔質炭化珪素質成形体の凸部と凹部を
    嵌合させて接合する炭化珪素質材料の接合方法におい
    て、前記多孔質炭化珪素質成形体の凸部及び/又は凹部
    に炭素含有ガスを熱分解させて炭素を析出させ、この後
    前記炭化珪素質成形体を嵌合し、嵌合部を含む前記多孔
    質炭化珪素質成形体に溶融シリコンを含浸、反応させる
    ことを特徴とする炭化珪素質材料の接合方法。
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