JP2890249B2 - 耐薬品性熱交換器 - Google Patents

耐薬品性熱交換器

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JP2890249B2 JP11847296A JP11847296A JP2890249B2 JP 2890249 B2 JP2890249 B2 JP 2890249B2 JP 11847296 A JP11847296 A JP 11847296A JP 11847296 A JP11847296 A JP 11847296A JP 2890249 B2 JP2890249 B2 JP 2890249B2
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Orion Machinery Co Ltd
Nippon Pillar Packing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D9/00Heat-exchange apparatus having stationary plate-like or laminated conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F19/00Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
    • F28F19/02Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F2230/00Sealing means

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器若しくは
液体温度調節器に関するものであり、特に、その耐薬品
性シール構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】薬液の反応速度は、殆どの場合温度に依存
する。したがって、反応性が高い薬液の反応を正確に制
御するには、特に精密な液温制御を必要とするが、同時
に、これらの薬液は、腐食性が極めて高い場合が多い。
この種の薬液の温度調節器としては、例えば、図6に示
すようなものが、用いられている。(特開平4−359
795号公報参照)。
【0003】この液温調節器100は、アルミニウムや
ステンレススチール、アルミナ或いはグラファイトなど
のような熱良導性素材から成る一対の熱交換基板10
1、101を所定の間隔を隔てて対面状態で配設し、こ
れらの熱交換基板101の対向面102には、熱交換基
板が侵食されるのを防ぐために、フッ素樹脂をコーティ
ングして、耐薬品性被膜を形成する。このような一対の
熱交換基板間に、対薬品性素材、例えば、フッ素樹脂に
より形成した側壁体103を介装して、一対の熱交換基
板101、101により挟まれた空間を液密に囲んで、
熱交換室104を形成する。
【0004】側壁体103には、薬液の入口105と出
口106が設けられる。熱交換基板101の外面には、
熱電変換素子107、…の一側を熱授受可能に密接し、
該素子107、…の他側には、熱良導性素材から成る板
状ブロック中に冷却水が通過する流路109をもつ放熱
体108が熱授受可能に密接状態で設けられている。熱
交換室104には、薬液、例えば、半導体のエッチング
液などが、薬液槽TからポンプPにより、入口105か
ら導入され、所定温度に調節されて出口106から、再
び、薬液槽Tへと送られる。
【0005】このような熱交換室104は、加圧薬液の
漏洩を防止するために、熱交換基板101と側壁体10
3との当接部において、図に示すように、フッ素樹脂な
どの耐薬品性素材で作られている側壁体側に、パッキン
グ収納溝110を周設して、この中に、耐薬品性素材
(例えば、フッ素ゴムなど)から成るOリングを収納し
て用いたり、或いは、Oリング111を突起112を有
するフッ素樹脂製カバーリング113で包んだ構造のリ
ング状シール材を工夫し、薬液の圧力によりシール材の
断面形状が変形して、突起112が基板101に圧接
し、シール性能が一層向上するように意図したものなど
を使用して、熱交換室の液密性を保持する構造のものが
用いられている。
【0006】このような構成を持つ薬液温度調節器は、
一般に、弗化水素、硝酸、硫酸などの毒性や腐食性の大
きい薬液を、必要に応じて、10〜90℃と言った広い
温度域において、温度調節することが要求される。した
がって、万一、漏液が生じると、極めて危険であり、許
容圧力にも十分な安全率を見込む必要があると共に、、
半導体製造等の用途に用いる場合には、熱交換室壁面や
シール部からの不純物の溶出や混入による薬液の汚染を
も防止しなければならない。
【0007】この種の薬液温度調節器は、フッ素樹脂等
の耐薬品性高分子物質から成る側壁体を、熱交換基板を
介して、ボルトによって強固に締め付ける構成を有して
いるため、高分子物質から成る側壁体は、このような強
圧下において一旦高温に晒されるとクリープ現象による
変形が進行する。従って、一度でも高温状態で使用した
薬液温度調節器は、側壁体を構成する樹脂の分子レベル
における伸び等に起因する変形やボルトの締付力低下等
が生じており、低い温度域(例えば10〜30℃)にお
いて用いた場合、側壁体の厚さ方向の寸法は、元の寸法
に復帰することがなく、パッキン収納溝110の深さ寸
法もやや長くなっている。故に、パッキンのシール面へ
の圧接力は相対的に低下してしまうこととなり、シール
部の耐圧性が減退する一因になっている。更に、使用温
度が低くなればなるほど、心材となるOリング111の
ゴム弾性は低下するので、これもシール性の減退を促進
する要因となり、漏液を惹き起こす虞れがあった。
【0008】このような事態を避けるためには、図4に
示すように、循環ポンプP、薬液温度調節器100、フ
ィルターF、薬液槽Sにより、薬液の循環流路を構成し
て成る装置を、2基使用して、一方を、高温薬液専用の
温度調節器とし、他方を低温薬液専用の温度調節器とし
て、夫々使用温度により使い分ける以外に方法がなく、
設備費用、設置スペース、管理費用等に負担が大きかっ
た。
【0009】
【解決すべき課題】本発明の第1の目的は、通過する薬
液の温度変化によって、耐圧性に変化を生じることの無
い新規なシール構造を有する耐薬品性熱交換器を開示す
ることにある。本発明の第2の目的は、使用温度に限定
がなく、低温から高温に至る広範囲な温度域において使
用可能な耐薬品性熱交換器を開示することにある。
【0010】
【課題の解決手段】本発明の第一の要旨は、熱良導性素
材から成り所定の間隔を隔てて対向して配設された一対
の伝熱基板と、該一対の伝熱基板の対向面を覆う耐薬品
性被覆層と、耐薬品性素材から成り前記一対の伝熱基板
間に介在して該伝熱基板に前記耐薬品性被覆層を介して
圧接し該伝熱基板と共に熱交換室を囲む側壁体と、該熱
交換室を外部に開放する流体出入口とを備え、前記側壁
体の、前記耐薬品性被覆層との圧接部に前記熱交換室を
ループ状に囲む一連のシール溝を設け、該シール溝にガ
スケットを収納して熱交換室をシールしている耐薬品性
熱交換器において、前記ガスケットが、ゴム弾性素材か
ら成るループ状心材と、少なくとも該心材の外側周面を
除いて該心材を覆う耐薬品性素材から成るジャケットと
により構成されており、該ジャケットの、前記シール溝
底面とシール溝開口面とに対向する周面には夫々突条が
周設されており、前記熱交換室に遠い側のシール溝周壁
面には、前記心材の外周面が当接していることを特徴と
する耐薬品性熱交換器にある。
【0011】熱良導性素材としては、銅、アルミニウム
或いはこれらの合金、ステンレススチール、アルミナな
どの金属酸化物、グラファイトなどの非金属素材など、
成形が容易なものが好ましい。素材の性質としては、耐
薬品性被覆層として、後記する耐薬品性シート(フィル
ム)を用いる場合は、伝熱基板の表面に耐薬品性被膜を
塗着や蒸着等により一体形成する場合と異なり、必要な
剛性さえ備えていれば、自由に選択できる。
【0012】一対の伝熱基板の対向面を覆う耐薬品性被
覆層としては、伝熱基板の素材に応じて、フッ素樹脂な
どをコーティングして耐薬品性薄膜を伝熱基板と一体構
成したものでもよいが、耐薬品性のシート(フィルム)
を採用してもよい。シートと伝熱基板との接合は、接
着、接合面を真空にすることによる圧接、或いは、伝熱
性グリースなどの半流動体を介して接合するなどの方法
を用いることができる。シートの厚さは、強度が保たれ
る範囲において、薄いほどよい。
【0013】耐薬品性を備えたシートの素材や側壁体を
構成する耐薬品性素材は、フッ素樹脂が好適である。フ
ッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレンーエチレン
共重合体(ETFE),テトラフルオロエチレンーペル
フルオロビニルエーテル共重合体(テフロンPFA…登
録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)な
どを挙げることができるが、PTFEは、成形性では、
前二者に劣るが、耐薬品性、耐熱性が最も優れており好
適である。側壁体は、その外面を前記した耐薬品性素材
で被覆したものでもよいが、製造の容易性及び信頼性の
点で、それ自体が耐薬品性を有する素材で構成すること
が望ましい。
【0014】ガスケットの心材をなすループ状ゴム弾性
素材としては、耐薬品性のジャケットや耐薬品性被覆層
の損傷など、万一の場合を考慮すれば、フッ素ゴムやシ
リコーンゴムなどのような耐薬品性ゴムを用いるのが好
ましいが、フッ素ゴムでも、特に、圧縮ひずみが極めて
小さくて、耐薬品性に優れるフルオロカーボン系のフッ
素ゴムが最も好ましい。
【0015】上記第一要旨に規定される熱交換器は、ジ
ャケット形ガスケットの、ジャケットに被覆されていな
いループ状心材の外側周面が、シール溝の熱交換器から
遠い側の外側周壁面に当接若しくは軽く圧接する状態
で、ガスケットが装着されているので、ガスケットの温
度が上昇すると、心材の外周面は、シール溝の外側周壁
面側への膨張(換言すれば、径の拡大する方向への膨
張)は許されず、心材を形成するゴム素材の熱膨張によ
る変形や増大する反発弾性力は、ジャケットを膨出させ
る力としてのみ働き、その圧力は、ジャケットの突条に
集中して、強力な封止力を発揮する。従って、ガスケッ
トの不当な変形を招かないためには、ガスケットと内側
周壁面との間に、若干の透き間を設けておくことが望ま
しい。このような構成により、使用温度が低温域から高
温域にかけて往復しても、ガスケットのシール性能の増
大により、漏液事故を招くことが無い。
【0016】本発明の第二の要旨は、熱良導性素材から
成り所定の間隔を隔てて対向して配設された一対の伝熱
基板と、該一対の伝熱基板の対向面を覆う耐薬品性被覆
層と、耐薬品性素材から成り前記一対の伝熱基板間に介
在して該伝熱基板に前記耐薬品性被覆層を介して圧接し
該伝熱基板と共に熱交換室を囲む側壁体と、該熱交換室
を外部に開放する流体出入口とを備え、前記側壁体の、
前記耐薬品性被覆層との圧接部に前記熱交換室をループ
状に囲む一連のシール溝を設け、該シール溝にガスケッ
トを収納して熱交換室をシールしている耐薬品性熱交換
器において、前記ガスケットが、ゴム弾性素材から成り
横断面形状が大径部から小径部に向かって厚さが逓減す
るループ状心材と、少なくとも該心材の外側周面を除い
て該心材を覆う耐薬品性素材から成るジャケットとによ
り構成されており、該ジャケットの、前記シール溝底面
とシール溝開口面とに対向する周面には夫々突条が周設
されており、前記シール溝の対向する一対の周壁面のう
ち前記熱交換室に遠い側の周壁面には、前記心材の外周
面が当接すると共に前記熱交換室に近い側の周壁面とガ
スケットとの間には、間隙が設けられていることを特徴
とする耐薬品性熱交換器にある。
【0017】上記第二要旨にかかる熱交換器は、心材の
断面形状は、シール溝の外側周壁面(熱交換室から遠い
方の周壁面)から内側周壁面に向かって、対向する心材
周面間の距離が、逓減するように構成されることによ
り、ループ状心材の横断面の典型的な形状は、外側周壁
に立脚し、該外側周壁から内側周壁に向かって、クサビ
状若しくは台形状に突出した形状である。但し、台形の
斜面の傾斜度は、数度といったオーダーのごくわずかの
斜度を持っていれば十分である。又心材の対向する一方
の周面のみが傾斜しているものでもよい。
【0018】この耐薬品性熱交換器は、高温域で腐食性
薬液を温度調節する場合、ガスケットの弾力性が十分に
発揮されることにより、その突条が、シール溝の底面と
熱交換基板の耐薬品性層とに強力に圧接して薬液をシー
ルする。次に、この熱交換器を、低温域において使用し
たとき、ガスケットの心材を構成するゴム組織は、温度
降下に伴い、弾力性低下が進行すると共に、硬化して一
層圧縮歪みも小さくなりつつ収縮する。この収縮現象に
より、ループ状心材の径は小さくなり、該心材は、シー
ル溝中において、内側周壁面に向かって僅かに移動し、
このとき、心材の持つ斜面が、あたかもジャケットにク
サビを打ち込んだように、ジャケットの突条を強力に相
手面に押し付けるので、側壁体等に生じているクリープ
変形によるシール圧の低下を補い、結果としてこれを防
止することができる。
【0019】かくして、本願熱交換器を組み込んだ薬液
温度調節器は、低温域から高温域までの広範囲な温度域
において使用可能となり、設備費用、設置スペース、管
理費用等の大幅な節減効果を有する。
【0020】
【発明の実施形態】図1〜2は、本発明の実施形態の一
例を示すもので、熱交換器を薬液温度調節器に組み込ん
だ場合を示すものである。薬液温度調節器Yは、耐薬品
性熱交換器1と、熱電変換素子(ペルチェ素子)を用い
た電子式冷凍機80、80と、放熱体90、90とによ
り構成されている。熱交換器1は、アルミニウム若しく
はアルマイト処理やフッ素樹脂コーティング等で耐食処
理したアルミニウムやグラファイトなどのような熱良導
性素材から成る一対の伝熱基板2、2と、該伝熱基板
2、2間に、耐薬品性被覆層としての耐薬品性シート
3、3を介して介装されて、伝熱基板2、2と共に熱交
換室4を構成する側壁体5を有している。
【0021】耐薬品性シート3、3は、伝熱基板2、2
の対向面2a、2aの全面に接着されることにより、伝
熱基板に一体結合している。耐薬品性シート3として
は、側壁体5と同様に、PTFE製シートを用いる。伝
熱基板2、2の外面(非対向面)には、電子式冷凍機8
0、80の一側(主として冷却面として作用する)が熱
授受可能に圧接しており、該電子式冷凍機の他側には、
同様に熱良導性素材から成る放熱ブロック91が熱授受
可能に接触している。放熱ブロック91、91には、一
対の冷却水導管92、92、…が接続して、該放熱ブロ
ック中を冷却水が通過することにより、放熱ブロックを
冷却する。又、熱交換室4も、側壁体5を貫通する一対
の薬液導管6、6により、薬液の出入口6a、6bが設
けられている。
【0022】図2に示すように、側壁体5は、所定の厚
さの高純度のPTFE製板材によって一体構成されてお
り、上下方向に熱交換室4となるべき略円筒状空隙4a
が上下方向に貫通して設けられている。該空隙を囲む側
壁体5の上下面は、伝熱基板の対向面が耐薬品性被覆層
を介して当接する当接部5bとなるが、この空隙4aを
囲む当接部5bに、横断面形状が略方形を為すシール溝
10が、空隙4aをループ状に囲んで刻設されている。
ちなみに、熱交換室4となるべき空隙4aは、羽子板状
の仕切板7a、7bにより、蛇行流路をなすように仕切
られており、該蛇行流路の一端に薬液入口6aが、他端
に出口6bが開口している。
【0023】シール溝10中には、リング状のジャケッ
ト形ガスケット20が収納されている。このガスケット
20は、横断面形状が、略方形のフッ素ゴム製のリング
から成るループ状心材21と該心材21を三方から囲む
リング状ジャケット22とにより構成されている。心材
21の横断面形状は、正確には、等脚台形をなしてお
り、この台形の下底に相当する外側周面21aは、シー
ル溝10の対向する周壁面11、12のうち、熱交換室
4から遠い方の外側周壁面12に、熱交換基板2と側壁
体5とを締付固定する前から当接している。従って、等
脚台形の上底に相当する内側周面21bは、シール溝の
内側周壁面11に対面している。該台形の脚辺と下底と
のなす角度は、直角に極めて近い角度、例えば、85〜
89度の範囲で適宜に選択される。
【0024】このような形状を持つループ状心材21
を、外側周壁面12との当接周面(等脚台形の下底)を
除いて、該心材21の三方を被覆するジャケット22が
密接することにより、ガスケット20が形成されてい
る。ジャケット22は、PTFE若しくはETFEなど
の高度な耐薬品性を持つ素材によって構成されており、
シール溝10の底面14と開口面13とに対向する周面
の夫々に、一対の突条15,15、16,16が、一体
形成されている。これらの突条15、16の断面形状
は、等脚台形(若しくは山形)をなしており、伝熱基板
2、2を、ボルト孔9aを挿通する締付ボルト9によ
り、側壁体5の当接部5bに圧接することにより、該突
条の突端は、シール溝10の底面14と耐薬品性シート
3とに、強力に圧接して、熱交換室4をシールしてい
る。
【0025】ジャケット22の、心材21の内側周面2
1bを被覆するジャケットの周面と、シール溝の内側周
壁面11との間には、ごく僅かの間隙が設けられてい
る。ジャケット22は、心材の外側周面21aを除い
て、心材を完全に被覆する構成でもよいし、又、図3に
示すように、突条15、16の外側であれば、心材表面
の一部が露出していてもかまわない。
【0026】
【作用】このような構成から成る本願耐薬品性熱交換器
は、温度上昇すると、ループ状心材21は、弾性を増
し、体積が膨張する。この弾力や膨張に伴う心材の変形
は、心材の外側周面21aが、シール溝10の外側周壁
面21aによって押えられ固定されているので、専ら、
心材を他の三方から囲むジャケット22に及ぼされ、図
3ににおいて、ジャケットの上下面には、強力な圧力と
なって作用し、これが、突条に集中するので、強力な封
止力となる。このとき、ガスケット20とシール溝の内
側周壁面11との間隙は、心材の均質な膨張を許容する
逃げ空間として働き、心材に必要以上の強圧や部分的な
偏圧がかかり、変形したり或いは弾力が損なわれるのを
防止する。一対の突条は、前記の封止力を平準化する作
用を持つと同時に、万一、内側の突条15に漏洩が生じ
ても、外側の突条16のシール部に加わる圧力は、格段
に低下しているので、安全性が極めて高い。
【0027】又、温度が低下すると、心材の弾性は減退
し、堅くなって圧縮変形も小さくなる。さらに、心材の
低温収縮が進行し、ループ状心材21は、径を縮小する
ように変形する。このとき、ジャケット22と心材21
とは、異種材料によって構成されているので、膨張差に
より心材21は、ジャケット22中にクサビを打ち込ん
だ状態で縮径し、横断面が等脚台形をなす心材21の、
突条15、16に対面する斜面は、該突条をシールすべ
き面に強力に圧接し、温度低下に伴う突条のシール性能
の低下を補償する。前記ガスケット20と内側周壁面2
1bとの間隙は、同様に、このガスケットの縮径を阻害
しないための逃がし空間となる。
【0028】
【効果】本願耐薬品性熱交換器を薬液温度調節器として
用いれば、従来、図4に示すような仕様の、同一の薬液
温度調節器を2基準備し、高温薬液用温度調節器と低温
薬液用温度調節器として、夫々を、循環ポンプ、フィル
ター、薬液槽、コントローラー等を組み込んで専用装置
として、使用温度により使い分けていたのを、1基の装
置で賄うことができ、設備費用、設置スペース、管理費
用等を大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱交換器を組み込んだ液体温度
調節器を示す説明図である。
【図2】図1の側壁体の構造を示す斜視図である。
【図3】図1の熱交換器の一部を拡大して示す説明図で
ある。
【図4】腐食性薬液の温度調節装置の一例を示す説明図
である。
【図5】従来技術の一例を示す説明図である。
【図6】図6の一部を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1 耐薬品性熱交換器 2 伝熱基板 2a 対向面 3 耐薬品性シート 4 熱交換室 5 側壁体 10 シール溝 11 内側周壁面 12 外側周壁面 13 開口面 14 底面 15、16 突条 20 ガスケット 21 ループ状心材 21a 外側周面 21b 内側周面 22 ジャケット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−359795(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/00 - 15/14 F28D 21/00 F28F 3/10 F28F 19/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱良導性素材から成り所定の間隔を隔てて
    対向して配設された一対の伝熱基板と、該一対の伝熱基
    板の対向面を覆う耐薬品性被覆層と、耐薬品性素材から
    成り前記一対の伝熱基板間に介在して該伝熱基板に前記
    耐薬品性被覆層を介して圧接し該伝熱基板と共に熱交換
    室を囲む側壁体と、該熱交換室を外部に開放する流体出
    入口とを備え、前記側壁体の、前記耐薬品性被覆層との
    圧接部に前記熱交換室をループ状に囲む一連のシール溝
    を設け、該シール溝にガスケットを収納して熱交換室を
    シールしている耐薬品性熱交換器において、前記ガスケ
    ットが、ゴム弾性素材から成るループ状心材と、少なく
    とも該心材の外側周面を除いて該心材を覆う耐薬品性素
    材から成るジャケットとにより構成されており、該ジャ
    ケットの、前記シール溝底面とシール溝開口面とに対向
    する周面には夫々突条が周設されており、前記熱交換室
    に遠い側のシール溝周壁面には、前記心材の外周面が当
    接していることを特徴とする耐薬品性熱交換器。
  2. 【請求項2】熱良導性素材から成り所定の間隔を隔てて
    対向して配設された一対の伝熱基板と、該一対の伝熱基
    板の対向面を覆う耐薬品性被覆層と、耐薬品性素材から
    成り前記一対の伝熱基板間に介在して該伝熱基板に前記
    耐薬品性被覆層を介して圧接し該伝熱基板と共に熱交換
    室を囲む側壁体と、該熱交換室を外部に開放する流体出
    入口とを備え、前記側壁体の、前記耐薬品性被覆層との
    圧接部に前記熱交換室をループ状に囲む一連のシール溝
    を設け、該シール溝にガスケットを収納して熱交換室を
    シールしている耐薬品性熱交換器において、前記ガスケ
    ットが、ゴム弾性素材から成り横断面形状が大径部から
    小径部に向かって厚さが逓減するループ状心材と、少な
    くとも該心材の外側周面を除いて該心材を覆う耐薬品性
    素材から成るジャケットとにより構成されており、該ジ
    ャケットの、前記シール溝底面とシール溝開口面とに対
    向する周面には夫々突条が周設されており、前記シール
    溝の対向する一対の周壁面のうち前記熱交換室に遠い側
    の外側周壁面には、前記心材の外周面が当接すると共に
    前記熱交換室に近い側の内側周壁面とガスケットとの間
    には、間隙が設けられていることを特徴とする耐薬品性
    熱交換器。
  3. 【請求項3】シール溝が略コ字形をなし、ジャケットの
    対向する周面の夫々に複数の台形若しくは山形の突条が
    形成されており、ループ状心材の横断面形状が、シール
    溝の外側周壁面に当接している外側周面を下底とする等
    脚台形をなしている請求項2の耐薬品性熱交換器。
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