JP2890218B2 - デコンプ装置付四サイクルエンジン - Google Patents

デコンプ装置付四サイクルエンジン

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JP2890218B2
JP2890218B2 JP24948491A JP24948491A JP2890218B2 JP 2890218 B2 JP2890218 B2 JP 2890218B2 JP 24948491 A JP24948491 A JP 24948491A JP 24948491 A JP24948491 A JP 24948491A JP 2890218 B2 JP2890218 B2 JP 2890218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一シリンダ当り、対を
なす第1及び第2排気弁と、両排気弁を開閉する排気カ
ム軸と、両排気弁の配列方向両側で排気カム軸を回転自
在に支承する少なくとも一対の軸受部とをシリンダヘッ
ドに備えた四サイクルエンジンであって、特にデコンプ
装置を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、四サイクルエンジン、殊にキック
式始動装置を備えたものにおいて、始動操作力を軽減す
るために、エンジン回転数がアイドリング回転数よりも
低い所定の極低回転数以下のとき作動して、シリンダ内
の圧縮圧力を減少させるように排気弁を開弁させるデコ
ンプ装置をカム軸に設けることは知られており(例えば
特公平2−25007号公報参照)、また点火消勢時、
シリンダ内の圧縮圧力によるエンジンの挙動を防止する
ために、上記圧縮圧力を排出するように排気弁を開弁さ
せるデコンプ装置をカム軸に設けることも知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、機能の異な
る上記二種類のデコンプ装置を前記エンジンに合理的に
配設して、これらデコンプ装置の負荷を分散させ、エン
ジン各部の耐久性の向上を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、エンジン始動時、シリンダ内の圧縮圧力
を減少すべく第1排気弁を開弁させる第1デコンプ装置
と、点火消勢時、シリンダ内の圧縮圧力を排出すべく第
2排気弁を開弁させる第2デコンプ装置とを、前記両軸
受部に隣接して排気カム軸に設けたことを特徴とする。
【0005】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0006】先ず、図1ないし図3において、四サイク
ルエンジン1は四弁・二点火栓式に構成される。即ち、
単一のシリンダ2aを有するシリンダブロック2の上面
に接合されるシリンダヘッド3には、シリンダ2a内の
ピストン4が臨む燃焼室5と、この燃焼室5に混合気を
導入する一対の吸気ポート61 ,62 と、同室5から排
ガスを導出する一対の排気ポート71 ,72 とが形成さ
れ、そして、これらポート61 ,62 ;71 ,72 を開
閉する各一対の吸気弁(図示せず)及び排気弁81 ,8
2 と、両排気弁81 ,82 の配列方向に並んで燃焼室5
の両側部に電極を臨ませる一対の点火栓91 ,92 とが
装着される。こゝで、両排気弁81 ,8 2 のうち、図2
で左側のもの81 を第1排気弁、右側のもの82 を第2
排気弁と呼ぶ。
【0007】またシリンダヘッド3には、吸気弁及び排
気弁の各上部を同心状に囲繞する案内筒101 ,1
2 ;111 ,112 が一体に形成されており、これら
案内筒には、対応する吸,排気弁を閉じ方向に付勢する
弁ばね121 ,122 (吸気弁用は図示せず)が収容さ
れると共に、対応する吸,排気弁の上端に当接するバケ
ット型のカムフォロワ131 ,132 ;141 ,142
が摺動自在に嵌合される。
【0008】吸気弁側のカムフォロワ131 ,132
直上には、それらの配列方向に延びる一本の吸気カム軸
15が配設され、また排気弁側のカムフォロワ141
14 2 の直上には、それらの配列方向に延びる同じく一
本の排気カム軸16が配設される。吸気カム軸15は、
カムフォロワ131 ,132 を介して吸気弁の開閉を司
る一対の吸気カム171 ,172 を備え、また排気カム
軸16は、カムフォロワ141 ,142 を介して第1,
第2排気弁81 ,82 の開閉を司る一対の排気カム18
1 ,182 を備えている。
【0009】両カム軸15,16は、それらの一端に接
続した調時伝動装置19を介して図示しないクランク軸
から駆動される。
【0010】排気カム軸16は、その両端部と両排気カ
ム181 ,182 間の中央部との三個所にジャーナル2
1 〜203 を有し、これらを回転自在に支承する軸受
部211 〜213 がシリンダヘッド3に設けられる。
【0011】軸受部211 〜213 は、シリンダヘッド
3に一体に形成されて対応するジャーナル201 〜20
3 の下半周面を支承する軸受台221 〜223 と、これ
ら軸受台221 〜223 にボルト結合されて対応するジ
ャーナル201 〜203 の上半周面を支承するカムホル
ダ231 〜233 とから構成される。
【0012】尚、吸気カム軸15の支持構造も上記排気
カム軸16のそれと略同様であるので、その構造の説明
は省略する。
【0013】カムホルダ231 〜233 にはヘッドカバ
ー24がシリンダヘッド3の上部周縁に密着するように
ボルト25で固着され、このヘッドカバー24により両
カム軸15,16及び調時伝動装置19が覆われる。
【0014】排気カム軸16には、エンジン始動時、シ
リンダ2a内の圧縮圧力を減少すべく第1排気弁81
僅かに開弁させる第1デコンプ装置D1 と、点火消勢
時、シリンダ2a内の圧縮圧力を排出すべく第2排気弁
2 を僅かに開弁させる第2デコンプ装置D2 とが設け
られる。その際、図1では、第1デコンプ装置D1 を左
外側の軸受部211 と左側の排気カム181 との間に、
また第2デコンプ装置D 2 を右外側の軸受部213 と右
側の排気カム182 との間に配設したが、これらデコン
プ装置D1 ,D2 を相互に置き換えてもよい。
【0015】これらデコンプ装置D1 ,D2 の構成につ
いて以下に説明する。
【0016】先ず図2及び図3に示すように、第1デコ
ンプ装置D1 は、カムフォロワ14 1 の直上で排気カム
181 の外側に隣接して排気カム軸16に嵌装されたデ
コンプカム26を備える。このデコンプカム26は、排
気カム181 と相似であるがそれより僅かに小さい輪郭
を有しており、排気カム181 のベース円部b1 に隣接
する部分26aがリフト部を構成し、また排気カム18
1 のノーズ部n1 に隣接する部分26bがウェイト部を
構成する。
【0017】またデコンプカム26の軸孔27は、これ
を貫通する排気カム軸16の軸径よりも僅かに大径に形
成され、これによりデコンプカム26は、排気カム18
1 の輪郭内に収まる不作動位置B(図3)と、リフト部
26aが排気カム181 のベース円部b1 から突出する
作動位置A(図4)との間を変位することができる。
【0018】上記軸孔27の、ウェイト部26b側内面
には軸方向の支持溝28が設けられ、これに排気カム軸
16の外周面に突設された支点ピン29が相対的に摺動
及び揺動可能に遊嵌される。
【0019】また軸孔27の内面には、上記支持溝28
と反対側に軸方向のロック溝30が設けられ、このロッ
ク溝30に係脱し得るロックピン31が排気カム軸16
の外周面に突設される。
【0020】さらに排気カム軸16の外周面には、前記
ロックピン31に近接してばね保持孔32が開口し、こ
れに前記軸孔27内面を押圧する戻しばね33が縮設さ
れる而して、戻しばね33はデコンプカム26を作動位
置Aに向って付勢し、その作動位置Aではロック溝30
はロックピン31から外れる。
【0021】デコンプカム26と左外側の軸受部211
との間には、該カム26の軸方向位置を規制するワッシ
ャ34が挿入される。
【0022】次に図2,図5ないし図7に示すように、
第2デコンプ装置D2 は、排気カム182 の外側に隣接
して排気カム軸16に嵌装されたデコンプカム36と、
このデコンプカム36と排気カム軸16との間に介装さ
れる一方向クラッチ37とを備える。
【0023】デコンプカム36は、排気カム182 のベ
ース円部b2 より低いベース円部36aと、排気カム1
2 のベース円部b2 よりも若干高いリフト部36bと
を備え、両部36a,36bはカムフォロワ142 の上
面に対向するよう配置される。
【0024】一方向クラッチ37は、デコンプカム36
の一端に一体に連設されて排気カム軸16を囲繞するク
ラッチ外輪38と、このクラッチ外輪38内周面の楔溝
39に配設されて排気カム軸16外周面に接するクラッ
チローラ40と、このクラッチローラ40を楔溝39の
浅い側へ付勢するばね41とを備える。
【0025】上記楔溝39は、排気カム軸16の正転方
向Nと反対の方向Rに向って溝底が浅くなっている。し
たがって、排気カム軸16が正転する場合は、クラッチ
ローラ40は楔溝39の深い方へ転動して自由状態とな
るが、排気カム軸16が反対方向Rへ回転すると楔溝3
9の浅い方へ食込んでクラッチ外輪38を排気カム軸1
6に結合する。
【0026】クラッチ外輪38の外周面には突起42が
形成されており、この突起42の前記正転方向N側端面
42aはクラッチ外輪38の外周面から垂直に起立して
いるが、それと反対側の端面42bは斜面になってい
る。一方、シリンダヘッド3に穿設された案内孔43に
は、上記突起42と係脱し得るようにストッパピン44
が出没自在に嵌装されると共に、該ピン44を突出方向
へ付勢するばね45が収納される。而して、突起42の
端面42aがストッパピン44に当接することにより、
デコンプカム36は、リフト部36bをカムフォロワ1
2 から退避させた不作動位置(図5参照)に保持され
る。
【0027】クラッチ外輪38と右外側の軸受部213
との間には、クラッチ外輪38の軸方向移動を阻止し、
且つクラッチローラ40の抜出しを防止するワッシャ4
6が挿入される。
【0028】吸気カム171 ,172 、排気カム1
1 ,182 及び第1,第2デコンプ装置D1 ,D2
デコンプカム26,36の弁リフト特性を図8に示す。
同図から明らかなように、第1デコンプ装置D1 のデコ
ンプカム26は、エンジンの圧縮行程で弁リフトを発揮
するようになっている。一方、第2デコンプ装置D2
デコンプカム26は、その弁リフト量が前記デコンプカ
ム36のそれより大きく、且つ弁リフト期間も前記デコ
ンプカム26のそれより大きくなっている。
【0029】次にこの実施例の作用について説明する。
【0030】エンジンの始動に当り、キック式始動装置
によりクランク軸をクランキングすれば、調時伝動装置
19を介して吸,排気カム軸15,16が駆動される
が、このようなクランキング時は、排気カム軸16の回
転速度がアイドリング時のそれより低速であって、第1
デコンプ装置D1 は図4の作動状態に保たれる。
【0031】即ち、第1デコンプ装置D1 のデコンプカ
ム26は、ウェイト部26bの遠心力に抗して戻しばね
33により作動位置Aに保持されるので、リフト部26
aを排気カム181 のベース円部b1 外方へ突出され
る。したがって、図8のデコンプカム26の弁リフト曲
線から明らかなように、エンジンの圧縮行程でリフト部
26aがカムフォロワ141 を押下げて第1排気弁81
を僅かに開弁して、シリンダ2a内の圧縮圧力を適度に
減少させるので、比較的軽いキック操作力をもってエン
ジンのクランキングを行い得て、始動が容易となる。
【0032】エンジンが始動して排気カム軸16が所定
の極低速回転数を超えると、デコンプカム26はウェイ
ト部26bの増加する遠心力により図3の不作動位置B
へ移動し、ロックピン31はロック溝30に係合する。
したがって、デコンプカム26は、その全体が排気カム
181 の輪郭内に入るので、第1排気弁81 は排気カム
181 のみにより通常通り開閉されるようになる。
【0033】この間、第2デコンプ装置D2 は図5のよ
うに不作動状態に保持される。即ち、排気カム軸16の
正転により一方向クラッチ37は自由状態を呈し、且つ
そのクラッチ外輪38は突起42の端面42aをストッ
パピン44に当接させて排気カム軸16とのつれ回りを
阻止されるので、デコンプカム36は不作動位置に保持
され、第2排気弁182 を開弁させることはない。
【0034】次にエンジンの運転を停止させるに当り、
点火装置を消勢させると、シリンダ2a内の圧縮圧力に
よりエンジンは通常とは反対の挙動を起こすことがあ
り、それに伴い排気カム軸16が正転方向Nとは反対の
方向Rへ回転すると、一方向クラッチ37が直ちに接続
状態となって排気カム軸16のR方向の回転がデコンプ
カム36に伝達し、図6のように該カム36のリフト部
36bがカムフォロワ142 を押下げて第2排気弁82
を開弁させる。このときの開弁量及び開弁期間は図8の
弁リフト曲線に示すように第1デコンプ装置D1 のデコ
ンプカム26によるものよりも大きく、シリンダ2a内
の圧縮圧力を排気ポート72 へ排出させるに充分であ
る。その結果、エンジンの前記挙動は直ちに停止するこ
とになる。
【0035】ところで、このような第1及び第2デコン
プ装置D1 ,D2 は、排気カム軸16の両端部を支承す
る左右両外側の軸受部211 ,213 に隣接して排気カ
ム軸16に設けられるので、両デコンプ装置D1 ,D2
の負荷が両軸受部211 ,213 に分担され、負荷の集
中を回避したので、各軸受部211 ,212 の耐久性の
向上に寄与し得る。また第1及び第2デコンプ装置
1 ,D2 は、それぞれ対応する第1及び第2排気弁8
1 ,82 を開弁させるので、各弁81 ,82 の負担も少
なく、それらの耐久性向上にも寄与し得る。さらに第1
及び第2デコンプ装置D1 ,D2 の上記のような分離配
置は、両排気カム181 ,182 の各一側面が臨む各カ
ムフォロワ141 ,142 上の狭小なデッドスペースへ
の各デコンプカム26,36の設置を可能にするもので
あり、その結果、両外側の軸受部21 1 ,213 間距離
を大きく広げずとも、単一の排気カム軸16への両デコ
ンプ装置D1 ,D2 の装着が可能となり、エンジン1の
コンパクト化に寄与し得る。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、エンジン
始動時、シリンダ内の圧縮圧力を減少すべく第1排気弁
を開弁させる第1デコンプ装置と、点火消勢時、シリン
ダ内の圧縮圧力を排出すべく第2排気弁を開弁させる第
2デコンプ装置とを、前記両軸受部に隣接して排気カム
軸に設けたので、エンジン始動時のシリンダ内圧縮圧力
の減少と、点火消勢時の圧縮圧力の排出との両方を満足
させることができ、しかも両デコンプ装置の負荷が両側
の軸受部に分担され、負荷の集中が生じないため各軸受
部の耐久性の向上を図ることができ、さらに両デコンプ
装置がそれぞれ対応する第1,第2排気弁を開弁させる
ので、各弁の負担も少なく、それらの耐久性の向上をも
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるデコンプ装置付四サイ
クルエンジンの、ヘッドカバーを外した状態での平面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図3に対応した作用説明図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】図5に対応した作用説明図
【図7】図2の7−7線断面図
【図8】各カムの弁リフト特性図
【符号の説明】
1 エンジン 3 シリンダヘッド 81 ,82 第1,第2排気弁 16 排気カム軸 211 〜213 軸受部 b1 ,b2 ベース円部 D1 ,D2 第1,第2デコンプ装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−298617(JP,A) 特開 平3−294610(JP,A) 特開 昭60−40715(JP,A) 特開 平2−25007(JP,A) 実開 昭60−32506(JP,U) 実開 昭60−54709(JP,U) 実開 平2−141613(JP,U) 実開 平2−135611(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一シリンダ当り、対をなす第1及び第2
    排気弁(81 ,82 )と、両排気弁(81 ,82 )を開
    閉する排気カム軸(16)と、両排気弁(8 1 ,82
    の配列方向両側で排気カム軸(16)を回転自在に支承
    する少なくとも一対の軸受部(211 ,213 )とをシ
    リンダヘッド(3)に備えた四サイクルエンジンにおい
    て、 エンジン始動時、シリンダ(2a)内の圧縮圧力を減少
    すべく第1排気弁(8 1 )を開弁させる第1デコンプ装
    置(D1 )と、点火消勢時、シリンダ(2a)内の圧縮
    圧力を排出すべく第2排気弁(82 )を開弁させる第2
    デコンプ装置(D2 )とを、前記両軸受部(211 ,2
    3 )に隣接して排気カム軸(16)に設けたことを特
    徴とする、デコンプ装置付四サイクルエンジン。
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