JP2890197B2 - 潜熱蓄熱材 - Google Patents

潜熱蓄熱材

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、潜熱を利用した蓄熱材料に関する 従来の技術 潜熱を利用した蓄熱物質に関するものは数多く提案さ
れているが、提案の全てが必ずしも使用に適応できる状
態ではなかった。
最大の課題が熱サイクルに対応した品質の安定性と経
済性にあり、解決法として種々の潜熱物質毎に安定剤が
提案されている。
酢酸ナトリウム3水塩は蓄熱材料として熱容量、応答
性に優れ融解潜熱を結晶化の過程で放熱する。
一般的に持水塩を有する蓄熱物質は融解すると低粘性
の液状を呈するが特に、酢酸ナトリウム水溶液は傾向が
顕著である。
その結果相分離、過冷却現象が特に大きく、これ等の
現象の防止を無視して潜熱利用の蓄熱材料として使用出
来なかった。
使用される安定材が多糖類であつたり、オレフィン
系、多価アルコール系、無機土類等粘土質物等が従来知
られている。
例えば、特許公開59−53578、同61−11986、同61−11
987、61−11988、61−42958、60−4583号明細書のもの
がしられている。
発明が解決しようとする課題 上記発明になるものは無機粘土質物を除き、有機物質
であるために加熱サイクルの過程で融解温度域のコント
ロールが不可欠であった。例えば酢酸ナトリウム系蓄熱
材の融解点は58℃であるが使用する安定剤が規定温度以
上特に高温に達すると熱的影響を受ける結果、物性が変
化し、安定材の機能低下を起こし、その結果、結晶化が
起こらない等の欠点があった。
又、無機粘土質物について、例えば特許公開61−1198
6号でカオリン、ケイソウ土、ベントナイトが示されて
いる。
上記記載の粘土類の成分機能は該品と構造上、異なる
物性であり、可塑性を有する粘性資質の利用を計るもの
であり、呈示されているベントナイトはその性質上イオ
ン交換能が大きいため、安定剤とし使用すると共融状態
下で高温に置かれると凝集して安定したウエットボリー
ムや粘性を無くし安定剤の機能を消失する事が知られて
おり、ケイソウ土、カオリンは可塑性に優れるが、揺変
性、吸着性に欠けるので添加量を必要とした、 相分離防止に使用される他の有機質物増粘材は限られ
た条件下で特定の化合物の吸着性や増粘性に優れるもの
が多く知られている。
一般的に、イオン交換能が大きい物質が多く、塩基性
やアルカリ性質物と共融すると、吸着能力や粘性度が極
度に低下し、凝固する傾向が強く、これらの機能を補う
ために各材料資質の特徴に応じた強化安定材を添加し複
合的に目的を達成する方法が取られている。
しかし、混合比率により共融構造が変化しやすく、加
工行程に於ける品質の安定管理面やコスト上、問題を残
していた。
そこで本発明は、これまで提案されている有機質物や
無機質物からなる安定材の熱的物性変化を防止するため
には加熱コントロールが品質変化を防止しうる最良の解
決策であった欠点に鑑み、品質管理の簡素化と長期間の
繰返し使用に耐える耐久性を付与することで信頼性のあ
る、経済性の高い蓄熱材を提供することを目的とするも
のである。
課題を解決するための手段 本発明者は、上記問題点を解決するために潜熱蓄熱材
料用の相分離防止安定材について種々検討した結果、蓄
熱と放熱を繰り返しても劣化せず、担持体として資質と
機能の不変性を満たし、特に耐年性を発揮し、且つ潜熱
蓄熱材料の保有熱量に影響を与えない相分離安定材を見
出し本発明に到達したものである。
従来知られている高分子、例えばポリビニールアルコ
ールでは相分離蓄熱材に増粘安定材として単独では使用
出来ず、予めアセトン等で処理するか、混合しなければ
単独では凝集して使用出来なかったのみならず、耐熱性
に欠ける為、融解点より高温で蓄熱〜放熱を繰返し加熱
すると分子の劣化を生じ最後は分解して、凝固し再生不
能となっていた。
本発明は、相分離安定材として繊維形状のセピオライ
トからなる繊維状結晶構造セラミックスが、吸着性、揺
変性、可塑性を兼ね備えている資質に着目し、それを前
記の蓄熱物質に一定量混ぜることにより劣化の防止を施
した潜熱蓄熱材を得ることができたものである。
即ち、本発明の蓄熱材は、酢酸ナトリウム3水塩(CH
3CO2Na3H2O)を主成分とした潜熱蓄熱物質、又は酢酸ナ
トリウム3水塩とアンモニュウムイオン物質との共融物
からなる潜熱蓄熱物質、又は酢酸ナトリュウム3水塩と
他のナトリュウムイオン物質との共融物からなる潜熱蓄
熱物質の何れか一つに、セピオライトからなるセラミッ
クス(Mg8Si12(OH)・8H2O)を添加してなることを
特徴とするものである。
前記酢酸ナトリュウム3水塩との共融物の他のナトリ
ュウムイオン物質として、例えば硫酸ナトリウム10水
塩、又はチオ硫酸ナトリュウム5水塩の何れかの一種が
望ましく採用でき、該ナトリュウムイオン物質100重量
部にセピオライト0.01〜40重量部を添加することによっ
て、長期間の繰返し使用ができる潜熱蓄熱材を得ること
ができた。
また、酢酸ナトリュウム3水塩との共融物のアンモニ
ュウムイオン物質として、硝酸アンモニュウム(NH4N
O3)又は塩化アンモニュウム(NH4Cl)のいずれかが好
適に採用できる。
本発明の潜熱蓄熱材は、以上のように構成することに
よって、蓄熱〜放熱の行程で高温の繰返し使用を行って
も蓄熱能力の低下や、相分離はほとんど発生せず、初期
の目的を達成できたものである。
本発明に採用したセピオライトの構造は、Nagy & Br
adleyらにより[Mg8(Si12O30)(OH)4・8H2O]の構
造式として公表され、特徴はタルク(滑石)を互い違い
に積重ねた構造体をしており、繊維中に5.6×11.0オン
グストロームの口径のトンネル状細孔が繊維の間に無数
存在している事が高分解能電子顕微鏡により、解明され
ている。
このトンネルの、特異な吸着効果が保持力を発揮し、
担持体として安定材の働きをする。
酢酸ナトリウム系蓄熱材は液状に融解するとアルカリ
性となるが、従来の増粘安定材と比較において、セピオ
ライトは溶液中でのウエットボリューム、粘性効果が経
時変化においても一定値で安定して使用する事とができ
た。
該蓄熱材に採用したセピオライトは従来使用されてい
る多糖類やオレフィン系、多価アルコール系、に見られ
る分子抱摂によるモル効果や、粘土類の構造と異なる細
孔マトリックスを有する事からマトリックス内部で安定
して酢酸ナトリウム塩溶液を選択的に吸着し強力に保持
し得るセラミックス構造体のため、加熱による変質破壊
がなく、分離する事もない。
前記セラミックス構造体が相分離を防止し、熱サイク
ルに対するセピオライトの物性を安定させている。
よって、セピオライト添加の酢酸ナトリウムは、熱的
に安定し長期間繰返し使用に耐える蓄熱材とすることが
できる。
尚、セピオライト添加の蓄熱材は他の添加剤である過
冷却防止材の資質にも影響を与えることはなく、耐熱に
対する蓄熱材の品質の不変性の向上は、従来にない特徴
を示すと共に、用途拡大に結付くものであり、かつ安価
に提供できる。
作 用 酢酸ナトリウム3水塩、又、無水酢酸ナトリウムと水
にセピオライトを適時必要量に応じて混入添加し、過冷
却防止核質材又はトリガーを加えて、密封包装した蓄熱
材を該品物性の限界温度を越えた温度90℃で長時間加熱
を繰返しても、相分離に起因する物性上の変化認められ
ず安定して使用することがでる。
このようにして得られた蓄熱材は、耐熱耐久性の向上
で蓄熱〜放熱サイクルが安定しているので、簡易な方法
で加熱蓄熱ができ、手軽にエネルギー利用の用途拡大に
好適である。
実 施 例1 以下、本発明の実施例を説明する。
蓄熱物質として酢酸ナトリウム3水塩100g結晶にセピ
オライト1gを添加し、充分撹拌混合した後、破過冷却用
トリガーを一緒に試験用プラスチック容器に真空密封入
状態にして充填し容器内部に熱電対部を設置し、次にこ
の容器を湯煎にて徐々に昇温加熱した。
65℃に内部温度が到達した時点で、酢酸ナトリウム3
水塩結晶は完全に融解したが、連続して加熱をつづけ酢
酸ナトリウム溶解液温度が90℃に達したところで断熱、
冷却水を用いて酢酸ナトリウムの温度を15℃まで冷却
し、過冷却状態で15℃に保った恒温槽に入れ、混合した
各成分の密度の違いから起こる2層構造化環境を作るた
めに、1時間に渡り、一定温度で放置した後、トリガー
を作動させて過冷却を破り、液状〜結晶化の過程を1日
2回加熱、冷却、放熱のサイクルを3カ月間繰返し実施
しが、試験期間完了まで、物性の反応応答性に何等の変
化も認められず、蓄熱〜放熱のサイクル機能を完全に果
たした。
このように実施に使用した試料を集計して、示差熱分
析により保有潜熱量を測定した結果、試料数5体のうち
全ての試料について熱量の低下は認められなかった。
実 施 例2 酢酸ナトリウムと水から成る成分が75重量%と硝酸ア
ンモニュウム25重量%から成る系100g共融物にセピオラ
イト1gを添加して、よく撹拌混合した後、破過冷却用金
属トリガーを一緒に試験用容器に充填し、真空状態で封
印、試験容器内部の温度を測定出来る熱電対部を設置し
た試料5体製作し、実施1と同様な条件で3カ月間サイ
クル試験をおこなった結果、全てにおいて、応答機能、
蓄熱量の低下は認めなかった。
実 施 例3 比較例 従来から提案されいる技術のうち、増粘性安定材とし
て多糖類系、多価アルコール系を選んで耐熱性能、応答
機能について比較した。
酢酸ナトリウム3水塩100g結晶に多糖類を2g添加し、
充分撹拌した後、破過冷却用トリガーと共に試験容器に
真空密封入し、実施例1と同様の条件下で蓄熱〜放熱の
サイクル実験をしたところ試料5体ともヒートサイクル
回数40回のうちにその全てが、物性変化により過冷却状
態のまま作動しないもの、規則性を消失するなど使用に
耐えられなかった。
同様に多価アルコール系5gでのサイクル実験では、21
回で終了した。
効 果 本発明は、以上の構成作用により、夛成分の相分離の
抑制が、容易になるとともに熱的性能と、耐久性を向上
した蓄熱材となることから、従来技術では温度管理面
で、不都合があった加熱作業が簡易に実施でき、手軽に
使用できる。該蓄熱材に添加したセピオライトは単一品
として、相分離抑制安定材としての資質が持水塩材料へ
の適合性に優れ、単位当りの保水維持力が大きいので添
加に際し、質量を必要としないなど経済性にも優れた蓄
熱材料を提供できる。
応用用途も太陽熱や廃熱エネルギーなど、熱コントロ
ールが困難なエネルギーの効率的(30〜90℃までの比熱
含む熱量)な蓄熱に利用できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸ナトリウム3水塩(CH3CO2Na3H2O)を
    主成分とした潜熱蓄熱物質、又は酢酸ナトリウム3水塩
    とアンモニュウムイオン物質との共融物からなる潜熱蓄
    熱物質、又は酢酸ナトリュウム3水塩と他のナトリュウ
    ムイオン物質との共融物からなる潜熱蓄熱物質の何れか
    一つに、セピオライトからなるセラミックス(Mg8Si12
    (OH)・8H2O)を添加してなることを特徴とする潜熱
    蓄熱材。
  2. 【請求項2】前記酢酸ナトリュウム3水塩との共融物の
    他のナトリュウムイオン物質が、硫酸ナトリウム10水
    塩、又はチオ硫酸ナトリュウム5水塩の何れかの一種で
    あり、該ナトリュウムイオン物質100重量部にセピオラ
    イトからなるセラミックスが0.01〜40重量部を添加して
    なる請求項1記載の潜熱物質。
  3. 【請求項3】酢酸ナトリュウム3水塩との共融物のアン
    モニュームイオン物質が、硝酸アンモニュウム(NH4N
    O3)又は塩化アンモニュウム(NH4Cl)のいずれかの一
    種である請求項1記載の潜熱物質。
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